特許第6411116号(P6411116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6411116電力管理システム、電力管理装置及び電力管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6411116
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】電力管理システム、電力管理装置及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20181015BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20181015BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20181015BHJP
【FI】
   H02J13/00 301A
   H02J13/00 311R
   H04Q9/00 301A
   G06Q50/06
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-154320(P2014-154320)
(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公開番号】特開2016-32376(P2016-32376A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100153017
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 昭人
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕高
【審査官】 高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−197931(JP,A)
【文献】 特表2008−512080(JP,A)
【文献】 特開2006−164171(JP,A)
【文献】 特開2014−039362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R11/00−11/66,
G01R21/00−22/10,
G01R35/00−35/06,
G06F1/26−1/32,
H02J3/00−5/00,
H02J13/00,
H03J9/00−9/06,
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理装置と、当該電力管理装置に管理される少なくとも1つの電気機器とを含む電力管理システムであって、
前記少なくとも1つの電気機器は、
第1の通信部と、
自機器が分電盤の複数の分岐回路のいずれかに接続されたことを検出すると、前記第1の通信部により前記電力管理装置に通信開始要求を送信する第1の制御部と、を備え、
前記電力管理装置は、
第2の通信部と、
第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、
前記第2の通信部により前記通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を、前記第2の通信部を介して送信して当該電気機器を動作させ、
電源オン状態の消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得し、
前記動作命令を送信してからの前記複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得し、
前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定することを特徴とする電力管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力管理システムにおいて、前記第2の制御部は、動作命令を送信するにあたり、消費電力の大きいモードでの動作を指示するとともに、当該消費電力の大きいモードにおける消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得することを特徴とする電力管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力管理システムにおいて、
前記電力管理装置は、いずれかの電気機器が分岐回路に接続されたことを特定すると、その対応情報を保存する記憶部を、さらに備え、
前記第2の制御部は、前記対応情報に含まれる電気機器との間で所定の期間通信が行われなかった場合、当該対応情報を、前記記憶部から削除することを特徴とする電力管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電力管理システムにおいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部は、それぞれECHONET Lite規格に準拠して通信を行うことを特徴とする電力管理システム。
【請求項5】
少なくとも1つの電気機器を管理する電力管理装置であって、
通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を、前記通信部を介して送信して当該電気機器を動作させ、
電源オン状態の消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得し、
前記動作命令を送信してからの分電盤の複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得し、
前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定する電力管理装置。
【請求項6】
電力管理装置と、当該電力管理装置に管理される少なくとも1つの電気機器とを備える電力管理システムにおける電力管理方法であって、
前記少なくとも1つの電気機器が、自機器が分電盤の複数の分岐回路のいずれかに接続されたことを検出すると、前記電力管理装置に通信開始要求を送信する要求送信ステップと、
前記電力管理装置が、前記通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を送信する動作命令ステップと、
前記電力管理装置が、前記動作命令の送信対象となる電気機器から、電源オン状態における消費電力情報を取得する消費電力情報取得ステップと、
前記電力管理装置が、前記動作命令を送信してからの前記複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得する電力情報取得ステップと、
前記電力管理装置が、前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定する分岐回路特定ステップと、を含む電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システム、電力管理装置及び電力管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力需要家ごとに電力管理装置(例えば、HEMS:Home Energy Management System)を設置し、電気機器(負荷機器)などを制御する技術が普及してきている。
【0003】
通常、分電盤においては、系統電源に接続している主幹が複数の分岐回路に分岐しており、各分岐回路から各種電気機器に電力が供給されている。各分岐回路は部屋やコンセントなどに対応している。例えば、ある分岐回路はリビングに電力を供給しており、他の分岐回路は寝室に電力を供給している。
【0004】
どの電気機器がどの分岐回路に接続されているかの対応情報は、電力管理装置で電気機器を制御する際に有用である。例えば、同種類の複数の電気機器が複数の部屋に設置されている際に、対応情報を利用することにより、どの部屋の電気機器をオンにして、どの部屋の電気機器をオフにすべきかを適切に判断することができる。例えば、人の居ない部屋でエアコンが動作しているとの情報が電力管理装置に表示されれば、ユーザは、その部屋のエアコンを停止するように制御し、無駄な消費電力を低減することができる。
【0005】
電気機器とコンセントとの対応付けを推定し、コンセント単位で消費電力情報を管理するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−253865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、一旦、電気機器とコンセントとの対応付けをした後に、電気機器の設置場所を変えるなどして電気機器が接続されるコンセントが変わった場合、対応情報が更新されない。その結果、ユーザが電気機器を適切に管理することができなくなってしまう。これを防ぐためには、ユーザが手入力で対応情報を更新する必要があり、正確な対応情報を維持することが困難であった。
【0008】
かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、分岐回路と電気機器とを容易に対応付けることができる電力管理システム、電力管理装置及び電力管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る電力管理システムは、電力管理装置と、当該電力管理装置に管理される少なくとも1つの電気機器とを含む電力管理システムであって、前記少なくとも1つの電気機器は、第1の通信部と、自機器が分電盤の複数の分岐回路のいずれかに接続されたことを検出すると、前記第1の通信部により前記電力管理装置に通信開始要求を送信する第1の制御部と、を備え、前記電力管理装置は、第2の通信部と、第2の制御部と、を備え、前記第2の制御部は、前記第2の通信部により前記通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を、前記第2の通信部を介して送信して当該電気機器を動作させ、電源オン状態の消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得し、前記動作命令を送信してからの前記複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得し、前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る電力管理システムにおいて、前記第2の制御部は、動作命令を送信するにあたり、消費電力の大きいモードでの動作を指示するとともに、当該消費電力の大きいモードにおける消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る電力管理システムにおいて、前記電力管理装置は、いずれかの電気機器が分岐回路に接続されたことを特定すると、その対応情報を保存する記憶部を、さらに備え、前記第2の制御部は、前記対応情報に含まれる電気機器との間で所定の期間通信が行われなかった場合、当該対応情報を、前記記憶部から削除することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る電力管理システムにおいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部は、それぞれECHONET Lite規格に準拠して通信を行うことが好ましい。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る電力管理装置は、少なくとも1つの電気機器を管理する電力管理装置であって、通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を、前記通信部を介して送信して当該電気機器を動作させ、電源オン状態の消費電力情報を前記動作命令の送信対象となる電気機器から取得し、前記動作命令を送信してからの分電盤の複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得し、前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定するものである。
【0016】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る電力管理方法は、電力管理装置と、当該電力管理装置に管理される少なくとも1つの電気機器とを備える電力管理システムにおける電力管理方法であって、前記少なくとも1つの電気機器が、自機器が分電盤の複数の分岐回路のいずれかに接続されたことを検出すると、前記電力管理装置に通信開始要求を送信する要求送信ステップと、前記電力管理装置が、前記通信開始要求を受信すると、当該通信開始要求の送信元の電気機器が前記電力管理装置の管理対象の装置として登録されている場合に、当該通信開始要求の送信元の電気機器に対して電源オン状態にする動作命令を送信する動作命令ステップと、前記電力管理装置が、前記動作命令の送信対象となる電気機器から、電源オン状態における消費電力情報を取得する消費電力情報取得ステップと、前記電力管理装置が、前記動作命令を送信してからの前記複数の分岐回路それぞれの電力情報を取得する電力情報取得ステップと、前記電力管理装置が、前記消費電力情報と、前記複数の分岐回路それぞれの電力情報とを比較して、どの分岐回路に新たな電気機器が接続されたかを特定する分岐回路特定ステップと、を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る電力管理システム、電力管理装置及び電力管理方法によれば、分岐回路と電気機器とを容易に対応付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの概略構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電力管理装置の概略構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電気機器の概略構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力管理システム10の概略構成を示す図である。電力管理システム10は、電力管理装置100と、電気機器200−1〜200−3と、分電盤300と、電流センサ400−1〜400−Nとを備える。図1において、各機能ブロックを結ぶ実線は電力線を示し、破線は通信線を示す。通信線が示す接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。なお、特に区別する必要がない場合は、電気機器200−1〜200−3を単に電気機器200と総称し、電流センサ400−1〜400−Nを単に電流センサ400と総称する。
【0021】
電力管理装置100は、有線又は無線によって、電気機器200及び電流センサ400と接続されている。電力管理装置100は、電気機器200及び電流センサ400と所定の通信規格に準拠して通信可能である。所定の通信規格としては、例えばECHONET Lite(登録商標)などを用いることができる。
【0022】
電力管理装置100は、電気機器200と通信を行うことによって、電気機器200の動作状態や消費電力などの情報を取得することができ、また、電気機器200の動作を制御することもできる。また、電力管理装置100は、各電流センサ400から分岐回路302の電流情報を取得する。電力管理装置100の機能の詳細については後述する。
【0023】
電気機器200は、いずれかの分岐回路302に接続されて給電を受ける。図1に示す例においては、電気機器200−1及び電気機器200−2が分岐回路302−1に接続されており、電気機器200−3が分岐回路302−2に接続されている。なお、図1に示す接続はあくまで一例であって、その他の接続でもよい。また、図1においては、3台の電気機器200を示しているが、これも一例であり、電気機器200は任意の台数であってよい。電気機器200の機能の詳細については後述する。
【0024】
分電盤300は、系統電源から電力を供給される主幹301と、主幹301から分岐する分岐回路302−1〜302−Nとを備える。図1に示す例においては、分岐回路302−1が、電気機器200−1及び200−2に電力を供給し、分岐回路302−2が、電気機器200−3に電力を供給している。また、分岐回路302−Nには、電気機器200は接続されていない。なお、図1に示す例においては、分岐回路302がN個としているが、これは一例であり、分岐回路302は任意の数であってよい。また、特に区別する必要がない場合は、分岐回路302−1〜302−Nを単に分岐回路302と総称する。
【0025】
電流センサ400−1〜400−Nは、それぞれ、分岐回路302−1〜302−Nの出力部に取り付けられており、分岐回路302−1〜302−Nから流れる電流を検出して、検出した電流情報を電力管理装置100に送信する。電流センサ400は、アナログ情報として電流情報を電力管理装置100に送信してもよいし、ECHONET Liteなどの通信によって、デジタル情報として電流情報を電力管理装置100に送信してもよい。
【0026】
なお、図1においては、電流センサ400を分岐回路302の出力部に取り付ける構成を示しているが、分電盤300が各分岐回路302の電力検出機能及び電力管理装置100への送信機能を有する分電盤である場合は、電流センサ400の取り付けを省略してもよい。この場合は、分電盤300が、ECHONET Liteなどの通信によって、各分岐回路302の電力情報を電力管理装置100に送信する。
【0027】
続いて、電力管理装置100の機能の詳細について説明する。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る電力管理装置100の概略構成を示す図である。電力管理装置100は、通信部101(特許請求の範囲における「第2の通信部」)、制御部102(特許請求の範囲における「第2の制御部」)及び記憶部103を備える。
【0029】
通信部101は、所定の通信規格により、電気機器200及び電流センサ400と通信を行う。
【0030】
制御部102は、電力管理装置100全体を制御及び管理するものであり、例えばプロセッサにより構成することができる。
【0031】
制御部102は、通信部101を介して、電気機器200とデータを送受信し、また、電流センサ400から各分岐回路302の電流情報を取得する。
【0032】
制御部102は、電気機器200から通信開始要求を受信すると、通信開始要求の送信元の電気機器200に対して、電源オン状態にする動作命令(電源オン要求)を送信し、電気機器200を動作させる。制御部102は、電気機器200の動作を開始させてから所定の期間が経過すると、電気機器200を電源オフ状態にする動作命令(電源オフ要求)を送信し、電気機器200の動作を停止させる。また、制御部102は、動作命令を送信した電気機器200から、電気機器200の電源オン状態における消費電力情報を取得する。
【0033】
制御部102は、電気機器200に電源オン要求を送信してからの期間について、電流センサ400から、各分岐回路302の電流情報を取得する。ここで、分岐回路302の出力電圧は既知であるため、電流センサ400から電流情報を取得することは、分岐回路302の電力情報を取得することと同等である。すなわち、制御部102は、電流センサ400から、各分岐回路302の電力情報を取得することができる。制御部102は、電気機器200の電源オン状態において取得した電気機器200の消費電力情報と、各分岐回路302の電力情報とを比較して、通信開始要求を送信してきた電気機器200がどの分岐回路302に接続されたかを特定し、電気機器200と特定した分岐回路302との対応情報を記憶部103に記憶する。
【0034】
制御部102は、電気機器200に電源オン要求を送信する際、消費電力が大きいなどのような特徴的なモードで電気機器200を動作させるように、電気機器200に動作命令を送信することが好ましい。電気機器200を特徴的なモードで動作させることにより、制御部102は、電気機器200がどの分岐回路302に接続されたかを容易に特定できるようになる。例えば、電気機器200がエアコンである場合は冷暖房モードで動作させることが好ましく、また、電気機器200が冷蔵庫である場合は急冷モードで動作させることが好ましい。
【0035】
また、制御部102は、管理対象として登録済みの電気機器200から通信開始要求を受信した場合のみ、電気機器200を電源オンさせて、電気機器200と分岐回路302とを対応付ける処理を実行する。これは、自宅外の電気機器など、電力管理装置100が管理対象としていない電気機器を制御してしまうことを防ぐためである。
【0036】
記憶部103は、電気機器200と分岐回路302との接続の対応情報を記憶している。また、記憶部103は、制御部102が、電気機器200から取得した消費電力情報や電流センサ400から取得した各分岐回路302の電力情報を記憶している。
【0037】
記憶部103に記憶されている電気機器200と分岐回路302との対応情報は、電気機器200からの通信開始要求を受信して、電力管理装置100が、通信開始要求を送信した電気機器200がどの分岐回路302に接続されているかを特定すると更新される。また、所定の期間、電気機器200と通信を行わなかった場合、制御部102は、当該電気機器200に関する対応情報を、記憶部103から削除するようにしてもよい。
【0038】
続いて、電気機器200の機能の詳細について説明する。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態に係る電気機器200の概略構成を示す図である。電気機器200は、通信部201(特許請求の範囲における「第1の通信部」)、制御部202(特許請求の範囲における「第1の制御部」)及び検出部203を備える。
【0040】
通信部201は、所定の通信規格により、電力管理装置100と通信を行う。
【0041】
制御部202は、電気機器200全体を制御及び管理するものであり、例えばプロセッサにより構成することができる。
【0042】
制御部202は、通信部201を介して、電力管理装置100とデータを送受信する。
【0043】
制御部202は、検出部203が、電気機器200がいずれかの分岐回路302に接続されたことを検出すると、電力管理装置100に通信開始要求を送信する。
【0044】
また、制御部202は、通信開始要求を送信する際、電気機器200に関する各種パラメータ(メーカコード、電気機器のカテゴリ、電気機器名など)を併せて送信してもよい。これらのパラメータを利用することにより、電力管理装置100は、ユーザに電気機器200の情報をより詳細に示すことができる。
【0045】
検出部203は、電気機器200への給電の有無を検出している。電気機器200がいずれかの分岐回路302に接続されると、電気機器200への給電が開始されるため、検出部203は、電気機器200がいずれかの分岐回路302に接続されたことを検出する。
【0046】
図4のシーケンス図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電力管理システム10の動作の一例について説明する。
【0047】
電力管理装置100は、電気機器200からのデータ受信を待ち受ける状態で待機している(ステップS101)。
【0048】
電気機器200は、電気機器200がいずれかの分岐回路302に接続されたことを検出すると(ステップS102)、電力管理装置100に通信開始要求を送信する(ステップS103)。
【0049】
電力管理装置100は、電気機器200から通信開始要求を受信すると、通信開始要求の送信元の電気機器200に電源オン要求を送信する(ステップS104)。
【0050】
電気機器200は、電力管理装置100から電源オン要求を受信すると、電気機器200の電源をオンし(ステップS105)、電源オン状態における電気機器200の消費電力情報を電力管理装置100に送信する(ステップS106)。
【0051】
電力管理装置100は、電源オンの動作命令を送信した電気機器200から、電源オン状態における消費電力情報を受信すると、受信した消費電力情報を記憶部103に記憶する(ステップS107)。
【0052】
一方、電力管理装置100は、電気機器200を電源オン状態にしてからの各分岐回路302の電力情報を、電流センサ400から取得し、取得した電力情報を記憶部103に記憶する(ステップS108)。
【0053】
電力管理装置100は、電気機器200に電源オフ要求を送信し(ステップS109)し、電気機器200は、電力管理装置100から電源オフ要求を受信すると電気機器200の電源をオフする(ステップS110)。
【0054】
電力管理装置100の制御部102は、電気機器200から受信した、電気機器200の電源オン状態における消費電力情報と、電気機器200を電源オン状態にしてからの期間における各分岐回路302の電力情報とを比較し、電気機器200が、どの分岐回路302に接続されたかを特定する(ステップS111)。
【0055】
電力管理装置100の制御部102は、記憶部103に記憶されている電気機器200と分岐回路302との対応情報を更新する。なお、当該電気機器200についての対応情報が記憶部103に記憶されていなかった場合は、対応情報を新たに登録する(ステップS112)。
【0056】
このように、本実施形態によれば、電気機器200は、分岐回路302に接続されたことを検出すると、電力管理装置100に通信開始要求を送信し、電力管理装置100は、通信開始要求を受信すると、電気機器200を電源オンさせ、電源オン状態における電気機器200の消費電力情報と分岐回路302の電力情報とを比較して、電気機器200がどの分岐回路302に接続されたかを特定する。これにより、電気機器200の設置場所を変えた場合も、分岐回路302と電気機器200とを自動的に容易に対応づけることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、電力管理装置100が、消費電力の大きいモードで電気機器200を動作させることにより、電気機器200がどの分岐回路302に接続されたかを、さらに容易に特定できるようになる。
【0058】
また、本実施形態によれば、電力管理装置100が、管理対象の装置として登録されている電気機器200にのみ、動作命令を送信することにより、自宅外の電気機器などのような管理対象外の機器を制御することを防ぐことができる。
【0059】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
10 電力管理システム
100 電力管理装置
101 通信部
102 制御部
103 記憶部
200 電気機器
201 通信部
202 制御部
203 検出部
300 分電盤
301 主幹
302 分岐回路
400 電流センサ
図1
図2
図3
図4