【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題は、独立請求項1の特徴を有する線形主延在方向を備えたアノード並びに独立請求項15の特徴を有するアノード製造方法により解決される。本発明のほかの特徴および詳細は従属請求項、明細書および図面から明らかである。この場合、本発明によるアノードに関して説明された特徴および詳細部分は、勿論本発明による方法に関しても適用され、もしくはその逆であり、個々の発明態様に対する開示は常に相互に参照されるかもしくは参照可能である。
【0007】
X線装置用の線形主延在方向を備えた本発明によるアノードはアノード体と焦点軌道膜を有し、この焦点軌道膜はアノード体の焦点軌道膜容量部において材料結合的にアノード体と接続されている。本発明によるこのようなアノードは、線形主延在方向を備えたX線アノードと呼ぶこともできる。本発明によるアノードは、アノード体の内部においてアノード体および焦点軌道膜の冷却用の少なくとも1つの冷却路が配置され、少なくとも焦点軌道膜容量部が高融点金属から成る少なくとも1つの基本マトリックスを備えた材料から成ることを特徴とする。さらに本発明によるアノードでは、焦点軌道膜容量部が冷却路まで達するようにされている。
【0008】
本発明によるアノードにおいて線形主延在方向とは、直線に沿ってまたは湾曲線に沿って延びる延在方向のことを言う。換言すればアノードはたとえばほぼ延べ棒状に形成され、この延べ棒が立方体の形状を有するようにされる。少なくともその一部において湾曲を示す立方体も本発明の枠内においては線形主延在方向を備えたアノードである。この場合アノードは、回転はしないが動くことはできるように形成された静的アノードである。このアノードはそれゆえ公知の回転アノードとは明確に区別される。またこのアノードは、1つの焦点スポットを有する純静的なアノードとも異なる。なぜなら、アノード上には多数の焦点を用意する1つの焦点軌道膜が設けられているからである。たとえばこのようなアノードは、たとえばいわゆるカーボンナノチューブ(CNT)により提供される多数のカソードとともに使用される。アノードの可動機構は特に小範囲に留まるので、このような運動によるアノードのバランス偏倚や角度変化は小さい。
【0009】
本発明によるアノードでは、材料結合は種々のやり方で得られる。基本的には、焦点軌道膜を焦点軌道膜容量部に直接材料結合させることが可能である。これは、たとえば焦点軌道膜の溶融・融合により行われる。勿論1つまたは多数の層が、所望の材料結合を有するようにすることも可能である。たとえば、ろう付け接続がこのような層の1つまたは複数を材料結合させるのに用いられるであろう。2つ以上の層を材料結合に使用する場合には、各層が隣接層ともしくは焦点軌道膜および/または焦点軌道膜容量部と材料結合接続状態にあることが重要である。このような場合には、したがって材料結合のカスケードが生じるであろう。
【0010】
本発明によるアノードでは、焦点軌道膜が特に唯一の焦点軌道膜として実施されることが可能である。この場合、焦点軌道膜の本発明による形成は、ほぼ任意の長さの焦点軌道膜が得られるように非セグメント化方法で行うと有利である。線形主延在方向を備えた公知のアノードにおける問題とは異なり、ここでは焦点軌道膜の長さの限定は基本的には生じない。これは、焦点軌道膜容量部の材料に高融点金属から成る基本マトリックスが用意されることにより達成される。これにより、焦点軌道膜容量部の高融点は焦点軌道膜自体の高融点を伴うことになる。材料に対する高融点は僅かな熱膨張、すなわち僅かな熱膨張係数を伴うので、本発明により焦点軌道膜容量部および焦点軌道膜の熱膨張係数は互いに近似する。換言すれば、両熱膨張係数は特にパーセンテージ的にごくわずかだけ異なる。
【0011】
本発明により形成されたアノードを使用すると、電子の照射により焦点軌道膜が加熱される。この加熱により、下側への熱の搬出によりその下にある焦点軌道膜容量部も加熱される。この加熱とともに焦点軌道膜並びに焦点軌道膜容量部の熱膨張が生じる。本発明による形態により、それぞれの熱膨張は互いに近似するかもしくはごくわずかに異なるだけである。
【0012】
焦点軌道膜容量部用に高融点金属から成る少なくとも1つの基本マトリックスを備えた材料を用いることにより、焦点軌道膜と焦点軌道膜容量部との間の熱膨張の相違がごくわずかであるアノードが提供される。熱膨張の相違が僅かであることにより、接合応力の発生も僅かとなる。このような接合応力は、アノードの曲がり並びに焦点軌道膜と焦点軌道膜容量部との間の接続範囲の破損の一因と見做されるので、このようなリスクは本発明により減少もしくは最小化される。このような破損および曲がりリスクの減少により、本発明によるアノードにおいて焦点軌道膜の明らかに大きい拡長が達成される。公知のアノードと比較して、本発明によるアノードでは、個々の焦点軌道膜が1mまたは数mの長さのものが達成可能である。
【0013】
本発明によるアノードでは、焦点軌道膜の材料と焦点軌道膜容量部の材料との熱膨張の差は5x10
-61/K、特に2x10
-61/K以下である。この熱膨張の特に僅かな差により、焦点軌道膜と焦点軌道膜容量部の間の材料結合的接続による接合応力が特に小さくなる。
【0014】
焦点軌道の材料は、たとえば少なくとも主としてモリブデンまたはタングステンを有することができる。特に、タングステン基合金が挙げられる。たとえば、これは50重量%以上のタングステンを有する合金を意味する。この種の合金の別の成分はたとえばレニウムである。
【0015】
本発明の枠内では「高融点金属」とは特に、融点が2000℃以上の金属を言う。焦点軌道膜並びに焦点軌道膜容量部の、特にその少なくとも1つの基本マトリックスの材料は再結晶材料とすると好適である。
【0016】
本発明の枠内では、冷却路は簡単な孔とするか、またはより複雑な形状のものとすることができる。たとえば冷却路は、アノード体に接する別個の壁により区画されるものとすることもできる。またこのような壁を作るための管は、たとえば銅や鋼のような別の材料から作ることも可能である。勿論アノード体、特に焦点軌道膜容量部の材料に相応する材料から成る管も考えられる。また、壁自体をアノード体および/または焦点軌道膜容量部と一体に形成することも有利である。
【0017】
本発明によるアノードは、アノード体がモノリシックに形成されるように改良することができる。モノリシック形成とは、唯一の材料片からの製造を意味する。この場合、特に冷却路に関して特にコンパクトな特に密な製造が達成可能となる。さらに、アノード体に対する個々の部材の付加的接続工程を実施する必要がなくなる。これはまた、焦点軌道膜容量部がアノード体の1つのモノリシック構成要素であることを意味する。この場合、モノリシック形態にも拘わらずアノード体の残りの部分と比べて焦点軌道膜容量部の材料の種々の形態が可能である。
【0018】
多分割アノード体では、特に焦点軌道膜容量部を有し冷却路を含む部分がモノリシック部材である。個々の製造工程に関するおよび切削加工を行う場合の製造費用が極めて僅かとなるほかに、このようにして接合応力が特に僅かな接合体を作ることができる。さらにモノリシック形成により、その他の必要個別部材間の接続状態に関する品質監視を省略することができる。
【0019】
また本発明のアノードにおいて、焦点軌道膜容量部および焦点軌道膜を同じ材料から作ることも有利である。焦点軌道膜と焦点軌道膜容量部とを同じ材料とすることは、両材料の熱膨張係数に関して差がないまたは殆どないという利点をもたらす。互いに材料結合的接続状態にあって相接している両部材は、したがって熱膨張に関して差がなくなる。それゆえ、両部材間に生じ得る接合応力は僅かに可能性のある温度差により生じ得るが、この温度差は異なる材料における異なる熱膨張係数の場合よりも明らかに小さい。さらに温度は、異なる部材間を越えてほぼ連続的に分布される。個々の部材間の温度の屈曲およびそれにともなう膨張の劇的変化はこのようにして避けられる。このような実施形態は、特に有利な状態、特に理想的な状態をもたらすことができる。
【0020】
別の利点は、本発明によるアノードにおいてアノード体がほぼ唯一の材料、すなわち焦点軌道膜容量部の材料から成るときに得られる。換言すれば、ここではアノード体のモノリシック形態ばかりでなく、この実施形態におけるアノード体の材料統一的実施形態も求められる。これは製造をさらに簡単化する。なぜなら、アノード体全体を唯一の材料片から作ることができるからである。組み立てまたはフライスおよび/または穿孔による切削加工により本発明のアノード、特にアノード体は作られる。製造のほかに使用する点においても利点が得られる。たとえばアノード体は同じ材料で作られているので、アノード体の材料における接合応力が生じない。特にここで指摘すべきことは、唯一の材料からの形成にも拘わらず多分割も可能であることである。唯一の材料においても可能であるモノリシック的実施形態に対して、唯一の材料からアノード体に対し多数の個別部材を作り、これらを続いて互いに特に材料結合的に接続することもできる。この場合、個々の部材の材料結合的接続は、たとえば個々の部材の溶接またはろう付けにより行われる。特に、たとえば接続栓や接続ブッシュなどのほかの接続部品はモノリシックには形成せずに、アノード体の一部とすると有利である。これらは、焦点軌道膜容量部と同じ材料から形成することもできる。
【0021】
本発明によるアノードにおいて、焦点軌道膜およびアノード体はモノリシックに形成すると同様に有利である。たとえば、焦点軌道膜およびアノード体の全材料がタングステンから形成されるか、もしくは基本マトリックスとしてタングステン基合金を有するようにする。このような実施形態により、焦点軌道膜およびアノード体はモノリシック形態により所望の材料結合を作り、さらにそれら全てに対して同一の材料が使用される。これにより、製造がさらに簡単になるほかに個々の部材間、すなわち焦点軌道膜容量部、アノード体および焦点軌道膜間に生じる接合応力に関して理想的な状態が生じる。
【0022】
別の利点は、本発明によるアノードにおいてアノード体が少なくとも二分割され、個々の部分が焦点軌道膜の主延在方向に沿って延び、互いに材料結合的に接続されるときに得られる。この実施形態では、特にコスト的に有利な湾曲アノードが製造でき、すなわちその線形主延在方向に沿って湾曲線が方向づけられたアノードが製造できる。たとえば2つの半殻を作り、それぞれの対向接触面に冷却路を作るためフライス削りを行うようにすることができる。個々のアノード体部分を互いに接続するために、個々の部材を互いに位置調整することも可能である。接続は、たとえばろう付けまたは溶接工程などの材料結合的方法で行うと有利である。
【0023】
同様に有利なのは、本発明によるアノードにおいて冷却路をアノード体の少なくとも2部分により形成することである。このようにすれば、冷却路のより自由な形状が可能である。特に、アノード体内における冷却路の正確な位置や冷却路の経過や横断面の種々の形状が、この実施形態により冷却路の製造時のフライス工程の適当な制御により可能となる。
【0024】
別の利点は、本発明によるアノードにおいて冷却路が真空密でアノード体に形成されるときに得られる。このような実施形態では、冷却路はいわば直接形成される。たとえば、別個にホースや管を設けてさらに密閉する必要がない。真空密部分の製造のための後からの加工は、それゆえ不要である。この場合本発明の枠内においてドイツ規格(DIN)EN13185による測定法でグループAの測定法により1x10
-8mbar/s以下のヘリウム漏れ率を示す冷却路が「真空密」で形成される。このようにして冷却路は、冷却流体を案内するためにコスト的に有利に直接形成することができる。勿論付加的に、たとえば接続ブッシュを設けて、冷却材を所望通りに冷却路に導入したり、この冷却路から再び排出したりする別の接続可能性もある。
【0025】
同様に有利なのは、本発明によるアノードにおいてアノード体を少なくとも焦点軌道膜容量部の範囲において鋭角な側面を有するようにし、この上に焦点軌道膜を少なくとも部分的に配置することである。この場合、側面を鋭角にすることは、X線装置におけるより良好な配置を可能にする。特に、このようにしてX線装置における取付けは、側面の鋭角形成により焦点軌道膜の位置調整が行われるので自由に選択することができる。この場合、鋭角の位置調整は、X線装置にアノードを配置する際にX線が所望の方向に最大の強度で出射するので有利である。特に、これは焦点軌道膜から7から15°の範囲である。
【0026】
本発明によるアノードにおいて焦点軌道膜容量部が以下の材料、
・タングステン
・モリブデン
・タングステン50重量%以上のタングステン基合金
・モリブデン50重量%以上のモリブデン基合金
・タングステン50重量%以上のタングステン基複合体
・モリブデン50重量%以上のモリブデン基複合体
の1つから成るとさらに有利である。
【0027】
タングステン基またはモリブデン基から形成される複合体とは特にほかの金属を有する複合体を言う。この場合ほかの金属はたとえば銅のような高い熱伝導率を示す金属である。換言すればタングステン基本マトリックスもしくはモリブデン基本マトリックスもしくは高融点の別種の金属における孔が別の金属で充填されるための基本マトリックスとして利用される。換言すればこのようにして焦点軌道膜から冷却路への改良された熱搬出を可能にする熱案内路が形成できる。同時に高融点金属から成る基本マトリックスは、曲がりが少ないこと、および焦点軌道膜容量部と焦点軌道膜との間の材料結合的接続の破損リスクの減少により、本発明の冒頭部分で既に述べたような利点を有する。複合体の孔径はこの場合2から100μm、特に2から50μmの間であると有利である。このような孔径により、十分な熱搬出が適当に挿入された金属により可能であり、同時に融点並びに熱膨張係数に関する必要な熱低抗が得られる。
【0028】
別の利点は、本発明によるアノードにおいて焦点軌道膜と焦点軌道膜容量部との間に材料結合的接続を作るために最大で1つの中間層を配置するときに得られる。この中間層は、材料結合的に焦点軌道膜にも材料結合的に焦点軌道膜容量部にも接続される。材料結合的に接続された中間層はたとえばろうである。ろうはろう付けにより、焦点軌道膜並びに焦点軌道膜容量部との材料結合を形成することができる。
【0029】
最大で1つの中間層により、この種の中間層により生じるおそれのある熱絶縁が減少される。材料結合的接続用にこのような中間層を配置するにも拘らず、電子照射により生じた熱を焦点軌道膜からできるだけ迅速かつ有効に搬出する可能性が保証される。さらに唯一の中間層を設置することだけが必要なので、本発明によるアノードの複雑性が減ぜられる。高融点金属は、少なくとも焦点軌道膜容量部の基本マトリックスとして使用されるので、回転アノードにおいて高い出費を伴った多数の中間層にわたる温度の段階的調整がもはや不要になる。ここでは、複雑性が少ないほかに容量や重量も、特に製造時の消費時間を節約することができる。
【0030】
本発明によるアノードにおいて、冷却路の少なくとも1つの壁部分を焦点軌道膜と平行またはほぼ平行にすると同様に有利である。このことは、冷却路の壁部分が少なくとも部分的にアノードの主延在方向に沿って延びることを意味する。これにより、少なくとも冷却路のこの壁部分と焦点軌道膜部分の距離が焦点軌道膜の幅および長さにわたって一定に保たれることになる。したがって、焦点軌道膜からの熱のほぼ一定の搬出が焦点軌道膜の全経過にわたって可能となることが保証される。これは個々の熱アイランドの発生を回避し、焦点軌道膜がその全経過にわって一定のほぼ連続的なエージングを受けることを可能にすることが保証される。
【0031】
この場合注意すべきことは、冷却路が種々の実施形態を有し得ることである。特に、その自由な流れ横断面に関して冷却流体の流れ特性に冷却路を適合させることができる。この場合、冷却路として円、半円、矩形、さらには正方形またはほかの開口断面が考えられる。この場合、冷却路の内部における必要な流れ特性のほかに、それに応じて使用すべき製法も考慮に入れると有利である。
【0032】
冷却路を完全に平行に形成する代わりに、冷却路を焦点軌道膜の長さに沿って段々と距離が小さくなるようにすることも可能である。冷却路の経過につれて、冷却流体は冷却路の内部において熱を吸収するので、熱差は焦点軌道膜への冷却路の経過において減少するであろう。それにもかかわらず、焦点軌道膜に対してほぼ一定の冷却もしくはほぼ一定の温度を獲得するためには、冷却路と焦点軌道膜との間の距離を変化させて熱搬出を著しく異ならせることにより、焦点軌道膜のほぼ一定の温度が獲得できる。
【0033】
別の利点は、本発明の枠内においてアノードの冷却路が冷却流体を直接導入するように形成されるときに得られる。冷却流体は、この場合液体であると有利である。すなわち冷却路は相応して密に、特に液密に形成されるので、付加的な密閉はもはや不要になる。特に、このようにして内在のチューブまたは内在の管は邪魔になる。複雑性の減少は、製造時および材料選択時に費用的な利点をもたらす。さらに、いつもは付加的に必要な密封のための付加的に必要な材料間に起こり得る結合応力の発生も避けられる。すなわち、冷却路の壁は既にアノード体の一構成要素もしくは焦点軌道膜容量部の一構成要素である。
【0034】
同様に本発明によるアノードにおいて、焦点軌道膜がその幅の2倍以上の長さを有するようにすると有利である。特に、この場合20から1500mmの長さとすると有利である。特に、焦点軌道膜が1メートル以上の大きな長さを有すると、製造経費にも拘わらず本発明による特に大きなアノードが製造可能となるので有利である。
【0035】
このようにして、本発明によるアノードは、既に僅かな数でX線監視もしくはX線画像の製作のための特に大面積な領域を可能にすることができる。三次元画像形成法において、360°のX線画像を製作する必要のあるコンピュータトモグラフにおいては、たとえばこのような本発明による4個のアノードをそれぞれ90°の湾曲をもって、このようなコンピュータトモグラフの全周をカバーすれば十分である。個々のアノード間の突き合わせ部分の必要な交差もしくは重畳は、したがって最小になるので、より高い解像度が同時にアノードの有利な製造コストとともに達成可能となる。本発明による焦点軌道膜の幅は、たとえば10から20mmの間である。焦点軌道膜の長さに関するファクタは、焦点軌道膜の幅の2倍以上、特に5倍以上、さらには10倍以上にすると有利である。本発明の主要な利点は特に、焦点軌道膜の長さを焦点軌道膜の幅の100倍または150倍にするときに得られる。
【0036】
本発明の別の対象は以下のステップ、すなわち
・アノード体に冷却路を形成するステップと、
・アノード体の焦点軌道膜容量部の側面に高融点金属から成る少なくとも1つの基本マトリックスを有する材料から成り冷却路まで達する焦点軌道膜を設置するステップと、
・焦点軌道膜容量部に少なくとも焦点軌道膜を材料結合的に接続するステップと、
を有するX線装置用の線形主延在方向を備えたアノードの製造方法である。
【0037】
上述の方法は、特に本発明によるアノードを製造するために適用される。材料結合的接続に続いてまたは本発明による冷却路の形成に先だって曲げを作ることができるので、本発明による方法によっても、線形主延在を備えたアノードが得られ、その際主延在方向は直線に沿ってまたは線的な湾曲経過に沿って延在する。ほかの接続部材は、続いてたとえば材料結合法により、または少なくとも焦点軌道膜の材料結合的接続中に一緒に施すことができる。このような接続部材は、たとえば冷却流体用の接続ブッシュまたはアノード体の開口部の閉鎖栓である。本発明による方法は、本発明によるアノードを製造するためのものであるので、本発明方法によっても本発明によるアノードに関連して詳述したような利点が達成される。
【0038】
本発明を添付の図面に基づき詳述する。この場合に使用される用語「左」「右」「上」「下」は普通に読まれる符号とともに図面における方向に関するものである。