特許第6411377号(P6411377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6411377酸化窒素を酸化するための触媒物品を含むシステム
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  • 特許6411377-酸化窒素を酸化するための触媒物品を含むシステム 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6411377
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】酸化窒素を酸化するための触媒物品を含むシステム
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/44 20060101AFI20181015BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20181015BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   B01J23/44 AZAB
   B01D53/94 223
   B01D53/94 241
   B01D53/94 245
   B01D53/94 280
   F01N3/10 A
   F01N3/28 301C
   F01N3/24 E
   F01N3/022 C
   F01N3/035 A
   F01N3/035 E
   F01N3/08 B
   F01N3/28 301P
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-555413(P2015-555413)
(86)(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公表番号】特表2016-511139(P2016-511139A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014013404
(87)【国際公開番号】WO2014117162
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2017年1月26日
(31)【優先権主張番号】13/751,864
(32)【優先日】2013年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】ロス,スタンリー,エイ.
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−055768(JP,A)
【文献】 特開2008−272659(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/147376(WO,A1)
【文献】 特表2013−514161(JP,A)
【文献】 特開2001−058131(JP,A)
【文献】 特開平09−234378(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0325792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
B01D53/73,86−90,94−96
F01N3/00−3/38,9/00,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NOを含むリーンバーンエンジン排ガス流からの汚染物を除去するためのシステムであって、
ハニカム基材と、その上に配置されるウォッシュコートとを含み、前記ウォッシュコートが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的な混合物又はその化学的組み合わせ(化学的組み合わせには、原子的にドープした組み合わせを含む)を含む耐火性金属酸化物の担体上に分散された1種類以上の焼成された白金族金属成分を含み、前記ウォッシュコートがハニカム基材の上に配置され、前記白金族金属成分のCO化学吸着法で測定した平均微結晶サイズが15nm〜20nmの範囲にあり、排ガスが触媒を有するハニカム基材を通過すると、安定なNO/NO比が得られる、NO対NOの比を含むリーンバーンエンジン排ガスの処理のための触媒物品、及び、
前記触媒を有するハニカム基材の下流に設けられた選択的触媒還元(SCR)触媒、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ハニカム基材が入口端及び出口端を有し、1種類以上の白金族金属成分を含む前記ウォッシュコートが前記基材の入口端にあり、前記SCR触媒が前記基材の出口端にあることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記SCR触媒及び1種類以上の白金族金属成分を含む前記ウォッシュコートが別々の基材上にあることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハニカム基材が、前記SCR触媒の上流に設けられるフロースルー型基材であり、触媒を有する煤煙フィルターが前記SCR触媒の下流に設けられる触媒を有する煤煙フィルターである、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ハニカム基材が2層を有し、2層の1層が1種類以上の白金族金属成分を含む前記ウォッシュコートを含み、もう1層がCO及びHCの酸化のために設けられたDOCを用いることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項6】
記SCR触媒の上流にあるディーゼル酸化触媒及び触媒を有する煤煙フィルターをさらに含み、1種類以上の白金族金属成分を含む前記ウォッシュコートも前記ディーゼル酸化触媒及び前記触媒を有する煤煙フィルターの少なくとも1つの上にあることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ハニカム基材が、フロースルー型ディーゼル酸化触媒を使用せずに、前記SCR触媒の前に設けられるウォールフロー型モノリスを含むことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ウォールフロー型モノリスが、入口端及び出口端を有し、該入口端及び該出口端が異なるウォッシュコートで被覆され、入口端及び出口端のいずれかが、1種類以上の白金族金属成分を含む前記ウォッシュコートで塗布されることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記SCR触媒がウォールフロー型モノリスにあり、且つ、前記触媒を有するハニカム基材がフロースルー型基材であることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリーンバーンエンジン排ガスを処理するための触媒を有するハニカム基材に関する。より具体的には、本発明は、耐火性金属酸化物担体に支持された白金族金属を含み、白金族金属の平均微結晶サイズが約10〜25nmの範囲の触媒物品(catalytic article)に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン及びリーンバーンガソリンエンジンなどのリーンバーンエンジンの稼働は、使用者に優れた省燃費性を提供し、燃料リーン条件下での高い空気/燃料比により、気相の炭化水素及び一酸化炭素の放出が低下する。さらに、ガソリン(spark ignition:火花点火)エンジンより、ディーゼルエンジンは、これらの省燃費性、耐久性、及びこれらの低速で高トルクを得る性能において重要な利点を有する。
【0003】
しかしながら、排気の観点から、ディーゼルエンジンは、対応の火花点火エンジンと比べて、より深刻な問題を引き起こす。ディーゼルエンジンの排出ガスは異種混合物であるのため、排ガスの問題は、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NO)、未燃炭化水素(HC)及び一酸化炭素に関わる。
【0004】
NOは、様々な窒素酸化物の化学種を表現するために用いる用語であり、一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(NO)などを含む。NOは、太陽光及び炭化水素の存在下での一連の反応により、光化学スモッグ形成と知られる工程を生ずるために懸念され、且つ酸性雨の重要な一因ともなる。一方、NOは、酸化剤となる高い潜在的可能性を有し、且つ強い肺刺激物である。
【0005】
一般には、高いNO変換率が還元剤豊富の条件を必要とするので、リーンバーンエンジンから生じるNOの有効な削減を達成するのは困難である。燃料リーン条件下の稼働で、排気流のNO成分を無害の成分に変換するには、一般的に、特殊なNO削減方法が必要である。
【0006】
リーンバーンエンジンの排気流中のNOを削減する方法の1つとして、「リーンNOトラップ」と知られるNO吸蔵還元触媒(NSR)が使用される。該リーンNOトラップ技術では、NOからNOへの酸化が行われるが、触媒酸化に有効な貴金属などの触媒金属成分によって、このような触媒酸化が行われるものである。しかしながら、リーンNOトラップにおいて、NOが生成してNOが触媒表面に吸着すると、その後は硝酸塩が形成される。よって、NOは、硝酸塩の形で触媒表面に「トラップされ」、換言すれば貯蔵され、次に、放出されたNO(硝酸塩)を還元してNとする燃料豊富の燃焼条件下で、システムの周期的稼働によって分解される。
【0007】
耐火性金属酸化物担体に分散される貴金属を含む酸化触媒は、ディーゼルエンジンの排ガスを処理することに使用されるものとして公知である。これらの汚染物質の酸化を触媒することによって、炭化水素及び一酸化炭素両方のガス状の汚染物質が二酸化炭素及び水へと変換される。一般的に、このような触媒は、排ガスを大気に放出する前に処理するために、ディーゼル酸化触媒(DOC)と呼ばれるユニットに含有されるディーゼル駆動エンジンからの排ガス流路に設けられる。典型的には、ディーゼル酸化触媒は、1つ以上の触媒被膜組成物を配置されるセラミック又は金属の基材担体(例えば、フロースルー型モノリスの担体)上に形成される。白金族金属(典型的に耐火性酸化担体に分散される)を含む酸化触媒は、ガス状のHC、CO、及び粒子状物質の可溶性有機成分(SOF)の変換に加えて、一酸化窒素(NO)からNOへの酸化を促進する。
【0008】
モバイルアプリケーション(リーンバーンエンジンの排ガスの処理を含む)に向けの開発においてNOの削減のための他の方法としては、選択的触媒還元(SCR)触媒技術が使用されている。この方法は、例えば燃焼ガスの処理などの固定排出源に適用された場合に有効であることが明らかになっている。この方法では、NOが、NH、炭化水素又は尿素系試薬などの還元剤により、一般的には卑金属から構成されるSCR触媒で還元されて窒素(N)とされる。この技術は、90%以上のNOを還元することができるので、NO還元の目標を積極的に達成するための最も適したアプローチの1つである。
【0009】
微粒子も呼吸器系の病気に係るので、粒子状物質(PM)はディーゼル排ガスにおける懸念事項である。人間の健康にも、ディーゼルエンジンが提供するより高い燃料効率の要求にも対応するために、政府はディーゼルエンジンから排出できる粒子状物質の量を制限する規定を制定した。粒子状物質の2つの主要な成分は揮発性有機画分(VOF)及び煤煙画分(soot)である。VOFは煤煙上に層状に凝縮し、ディーゼル燃料及び石油から得られる。VOFは、排ガスの温度によって、蒸気又はエアロゾル(凝縮液の微細液滴)として、ディーゼル排ガスに存在する。煤煙は主に炭素の微粒子から構成される。ディーゼル排ガスからの粒子状物質は、その微粒子径が原因で呼吸される可能性が高く、高い暴露レベルで健康リスクをもたらす。さらに、VOFは多環芳香族炭化水素を含み、これらの一部が発がん性物質と推測される。
【0010】
粒子状物質の排出量に関する政府の規定を満たすために、煤煙フィルターが使用されている。触媒を有する煤煙フィルター(CSF)は、ディーゼル微粒子フィルターとも呼ばれ、ディーゼルエンジンからの粒子状物質の排出を減らすために考案された。このフィルターは、先ず微粒子をトラップし、その後触媒技術を使って通常のディーゼル運転温度でこれらを持続的に燃焼する。CSFを使う場合、該フィルターが粒子状物質の完全燃焼によって定期的に再生される。しかしながら、粒子状物質の燃焼温度がディーゼルエンジンの通常運転温度より著しく高いので、粒子状物質の燃焼温度を低くするために、触媒が使用されてきた。
【0011】
CSF上の触媒は粒子状物質の酸化を促進する。一般的に、CSFsに使われる触媒は粒子状物質の燃焼温度を低くするためにアルカリ又はアルカリ性の酸化物を含む。しかしながら、該触媒はしばしば揮発性であり、及び/又はフィルターに対して破壊的であり、非実用的な短い使用寿命をもたらす。さらに、該触媒は、粒子状物質と共に排出されるHC及びCOガスを減らすために、相当量の貴金属触媒を必要とする。
【0012】
希土類酸化物及び卑金属酸化物などの他の酸化物も貴金属触媒と共に使用され、これによりHC及びCOの排出を触媒すると同時に粒子状物質の燃焼温度を低下させる試みが行われている。しかしながら、このような触媒は、相当量の貴金属触媒及び/又は希土類酸化物を必要とする傾向にある。従って、それらの触媒の製造は非常に高価となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
残念ながら、ディーゼルエンジンに改良を加えて微粒子及び未燃の炭化水素を減らす試みがされる一方で、NOの排出は増大する傾向にある。
【0014】
DOC+CSF+SCR触媒システムにおいて、DOCもCSFもNOを生成し得る。しかしながら、DOC上のNO酸化作用は重要性が低く、SCR触媒の前のNO/NO比はCSFより制御される。従って、このようなシステムにおいて、CSFは煤煙に対する作用(濾過及び再生)に加えて、NO酸化触媒としての作用を有し、SCR触媒によってNO変換を向上させる。
【0015】
尿素注入、特に注入の確実で正確な制御は、SCR技術に対して重要な要素である。SCR効率がNO/NO比に関し、所定のNO変換目標値に対して、尿素注入量がNOレベルにもNO/NO比にも関わるからである。制御の観点から、SCR触媒の入口のNO/NO比が一定であること(狭い範囲内で変化すること)がより好ましい。CSF触媒にあるNO酸化の活性が非常に安定であることを必要とする。既存のDOC及びCSF触媒並びにシステムは、NO酸化安定性の要求を満たすことがなおできない。
【0016】
従って、SCR触媒などの下流成分に安定なNO/NOの比を提供する触媒を有するハニカム基材を開発する継続的な必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施態様はNO対NOの比を含むリーンバーンエンジン排ガスの処理のための触媒物品に関し、該触媒物品は、ハニカム基材と、その上に配置されるウォッシュコートとを含み、前記ウォッシュコートが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的な混合物又は原子的にドープなどの化学的組み合わせを含む耐火性金属酸化物の担体上に分散された1種類以上の焼成された白金族金属成分を含み、前記ウォッシュコートがハニカム基材の上に配置され、前記白金族金属成分の平均微結晶サイズが約10nm〜約25nmの範囲にあり、排ガスが触媒を有するハニカム基材を通過すると、安定なNO/NO比が得られる。
【0018】
本発明のもう1つの実施態様は、リーンバーンエンジンからの排ガスの処理方法に関する。該方法は、排ガス流における触媒物品を提供する工程、及びリーンバーンエンジンからのNOを含む排ガスを触媒物品に通過する工程を含み、これにより耐用期間中、約±10%以下で、具体的な実施態様において目標値から±5%以下で変化するNO/NOの比が得られる。本発明の方法の実施態様において、前記触媒物品は、ハニカム基材と、その上に配置されるウォッシュコートとを含み、前記ウォッシュコートが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的な混合物又は原子的にドープなどの化学的組み合わせを含む耐火性金属酸化物の担体上に分散された1種類以上の焼成された白金族金属成分を含み、前記ウォッシュコートがハニカム基材の上に配置され、前記白金族金属成分の平均微結晶サイズが約10nm〜約25nmの範囲にあり、排ガスが触媒を有するハニカム基材を通過すると、安定なNO/NO比が得られる。
【0019】
本発明の他の実施態様は、NOを含むリーンバーンエンジン排ガス流からの汚染物を除去するためのシステムに関する。該システムは、触媒物品及び該触媒物品の下流に設けられる選択的触媒還元(SCR)触媒を含む。該触媒物品は、ハニカム基材と、その上に配置されるウォッシュコートとを含み、前記ウォッシュコートが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的な混合物又は原子的にドープなどの化学的組み合わせを含む耐火性金属酸化物の担体上に分散された1種類以上の焼成された白金族金属成分を含み、前記ウォッシュコートがハニカム基材の上に配置され、前記白金族金属成分の平均微結晶サイズが約10nm〜約25nmの範囲にあり、排ガスが触媒を有するハニカム基材を通過すると、安定なNO/NO比が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、NO/NOの変動(又はΔ(NO/NO))と平均の貴金属微結晶サイズとの相互関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
幾つかの典型的な実施態様を説明する前に、これらの実施態様は単に原理の説明及び本発明の応用であることを理解されたい。従って、実施態様に多くの改良が行われてもよく、且つ本明細書に開示されるような本発明の主旨及び範囲から逸脱しない範囲で変更を加えてもよい。
【0022】
この明細書に用いる用語の定義は以下の通りである。
【0023】
ハニカム基材などの担体基材を含む触媒物品とは、HC、CO及び/又はNOの酸化の触媒に有効な白金族金属成分のような触媒成分を含む、1層以上のウォッシュコート層を有するものをいう。
【0024】
高表面積耐火性金属酸化物担体は、20Aより大きい細孔及び広い細孔分布を有する担体粒子をいう。ここで定義されるように、このような金属酸化物担体は分子篩、特にゼオライトを除く。例えばシリカ−アルミナ担体材料などの高表面積耐火性金属酸化物担体は、同様に「シリカ−アルミナ酸化」又は商品名「Siralox」として呼ばれ、典型的に1グラム当たり60平方メートル(「m/g」)を超え、多くは約150m/g以上のBET比表面積を示す。このようなシリカ−アルミナは通常ガンマ相及びデルタ相のアルミナの混合物を含むが、相当量のエータ、カッパ及びシータのアルミナ相も含んでもよい。活性化されたアルミナ以外の耐火性金属酸化物は、既定の触媒において少なくとも一部の触媒成分の担体として使用される。例えば、バルクセリア、ジルコニア、アルファアルミナ、チタニア、シリカチタニア、及びこのような使用で既知の他の材料である。これらの材料中の多くは活性化されたアルミナより相当低いBET比表面積を有するという不利な点があるが、この不利な点は生成する触媒のより強い耐久性により相殺される傾向にある。「BET比表面積」は、N吸着によって表面積を測定するBrunauer, Emmett, Teller方法でいう通常の意味を有する。細孔径及び細孔容積もBETタイプのN吸着を使って測定できる。好ましくは、活性化アルミナは60m/g〜350m/gの比表面積を有し、典型的には90m/g〜250m/gである。耐火性金属酸化物担体に施与される量は好ましく約0.1g/in〜約6g/in、より好ましくは約2g/in〜約5g/in、且つ最も好ましくは約2g/in〜約4g/inである。
【0025】
この明細書において、ゼオライトなどの分子篩は、微粒子に担体触媒の白金族金属を形成可能性な材料であり、該材料は20Aより小さい平均細孔径を有しほぼ均一の細孔分布を有する。触媒層にある「非ゼオライト担体」とは、分子篩又はゼオライトではなく、且つ貴金属、安定剤、促進剤、結合剤を会合、分散、含浸又は他の適切な方法によって受け取る材料をいう。このような担体の例として、高表面積耐火性金属酸化物を含み、この限りではない。本発明の1つ以上の実施態様は、アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニア、シリカ−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、チタニア−アルミナ、ランタナ−アルミナ、ランタナ−ジルコニア−アルミナ、バリア−アルミナ、バリア−ランタナ−アルミナ、バリア−ランタナ−ネオジミア−アルミナ、ジルコニア−シリカ、チタニア−シリカ及びジルコニア−チタニアからなる群から選択される活性化化合物を含む、高表面積耐火性金属酸化物担体を含む。
【0026】
「含浸」とは、貴金属含有の溶液がゼオライト又は非ゼオライト担体などの材料の細孔の中に入れ込まれることを意味する。詳細な実施態様において、希釈された貴金属含有液の量が担体本体の細孔容量とほぼ同じである場合、貴金属の含浸はインシピエントウエットネス(Incipient Wetness)により達成する。インシピエントウエットネス含浸は、材料の細孔系により、一般的に前駆体溶液のほぼ均一の分布をもたらす。貴金属を添加する他の方法も当該技術分野で知られており、且つ使用可能である。
【0027】
この明細書において、用語「担体(carrier)」は、ハニカム基材等の上に触媒種を担持又は支持する担体(support)をいう。
【0028】
この明細書において、用語「基材」(substrate)は、上部に担体が設けられるモノリス材料をいい、典型的にその表面に触媒種を有する複数の担体を含むウォッシュコートの形態を有する。ウォッシュコートは、液体溶媒での担体の特定の固形分(例えば、30質量%〜50質量%)を含むスラリーの作製により形成され、その後ウォッシュコート層を提供するために該スラリーが基材に施されて乾燥される。
【0029】
1つ以上の実施態様において、基材はハニカム構造を有するセラミック又は金属である。モノリス基材などの任意の適切な基材が使用可能である。例えば、基材の入口面又は出口面から延在する微細かつ平行なガス流路を、流体が内部を流通することができるように開放された形態で有するタイプのモノリス基材などを使用してもよい。液体入口から液体出口まで基本的に直線経路である通路は、壁により画定され、通路を流れるガスが触媒材料と接するように、壁の上に触媒性材料がウォッシュコートとして配置される。モノリス基材の流路は、薄壁チャンネルであり、台形、長方形、正方形、正弦波形、六角形、卵形及び円形などのような任意の適切な断面形状及びサイズであってもよい。このような構造は、横断面の1平方インチ当たり約60〜約900以上の入口開口(換言すれば、セル)を含むことができる。
【0030】
セラミック基材は、コージライト、コージライト−α−アルミナ、シリコン、窒化物、ジルコンムライト、リシア輝石、アルミナ−シリカ−マグネシア、ジルコンケイ酸塩、シリマナイト、1種のケイ酸マグネシウム、ジルコン、ペタライト、α−アルミナ、アルミノケイ酸塩などの任意の適切な耐火性材料から製造される。
【0031】
本発明の実施態様の触媒担体に使用可能な基材は、実際に金属製で1つ以上の金属又は金属合金から構成されてもよい。金属基材は、ペレット、波形板又はモノリシック形などの様々な形で使用してもよい。金属基材の具体例としては、耐熱の卑金属合金を含み、特にこれらの合金に鉄が重要成分又は主成分である。このような合金は、1つ以上のニッケル、クロム及びアルミニウムを含んでもよく、これらの金属の総量が有利には少なくとも約15質量%の合金、例えば、約10質量%〜25質量%のクロム、約1質量%〜8質量%のアルミニウム、約0質量%〜20質量%のニッケルを含んでもよい。
【0032】
有用な高表面積耐火性金属酸化物は、アルミナ、チタニア、ジルコニア並びに1つ以上のチタニア、ジルコニア、セリア、バリア及びケイ酸塩とアルミナとの混合物、を含む。具体的な実施態様において、耐火性金属酸化物は多孔質アルミナ担体を含む。多孔質アルミナ担体は、大細孔アルミナを含み、例えば約100オングストロームより大きい平均細孔半径及び約0.8cm/gより大きい全細孔容積を有する。例えば、市販のガンマ−アルミナは約0.5から>1m/gの細孔容積を有することができる。アルミナの細孔が内表面(例えば、細孔の内表面)も全細孔容積も画定していることは、一般的に理解できる通りである。
【0033】
典型的なアルミナは、大細孔のベーマイト、ガンマ−アルミナ及びデルタ/シータアルミナを含む。有用な市販のアルミナは、活性化アルミナを含む典型的な工程において出発物質として使用され、該活性化アルミナが、例えば高嵩密度のガンマ−アルミナ、低嵩密度又は中間嵩密度の大細孔のガンマ−アルミナ、並びに低嵩密度の大細孔のベーマイト及びガンマ−アルミナであり、BASF Catalysts LLC (Port Allen, Louisiana, USA)及びSasol Germany GmbH (Hamburg, Germany)から入手することができる。
【0034】
アルミナは不均一系触媒工程に担体及び/又は触媒として広く使われる。一部の触媒工程は高温、高圧及び/又は高水蒸気圧の条件下で行う。約1000℃以上の温度の高温に長時間暴露すると、大量の酸素と、場合によりスチームとの組み合わせにより、担体が焼結し、触媒の失活を引き起こすことがある。この失活現象を防止するために、アルミナの構造を安定するランタンなどの安定的な金属をアルミナ担体に添加することができる。
【0035】
アルミナ、特にガンマ−アルミナは、少量の酸化ランタン、酸化バリウム又はこれらの混合物の使用により安定化することができ、一般には10%以下であり、多くは1質量%〜6質量%である。
【0036】
この明細書において、用語「ウォッシュコート」(washcoat)は、ハニカム型担体部材などの基材上の、材料の触媒層をいい、基材は処理されるガス流の通過を可能にするために十分な多孔質である。触媒層は基材にスラリーを設けることにより配置され、スラリーは、液体溶媒、典型的には、水溶媒中に担体粒子を分散させた粉末分散系である。
【0037】
この明細書において、用語「白金族金属成分」は、焼成又はその使用で、通常金属又は金属酸化物である触媒活性形に分解又は変換する、任意の化合物、複合体などをいう。具体的な実施態様において、白金族金属はゼロ価状態にある。典型的には、パラジウムが望ましい場合、耐火性金属酸化物担体における、例えばシリカ−アルミナなどの成分の分散を達成するために、パラジウム成分は、化合物又は複合体の形で利用される。白金族金属成分の水溶性化合物若しくは水分散性化合物、又は複合体は、白金族金属成分を耐火性金属酸化物担体粒子に含浸又は配置するために用いる液体媒体は、触媒組成物に存在する可能性のある金属又はその化合物又はその複合体と不利な反応をすることがなく、且つ加熱及び/又は真空で蒸発又は分解して白金族金属成分から除去可能である限り使用可能である。場合によって、触媒が使用に配置され且つ運転中に遭う高温を受けるまでに、液体の除去が完了しない可能性がある。一般的に、貴金属の可溶性複合体又は化合物の水溶液が利用される。例えば、適切な化合物は、硝酸パラジウム、又はテトラアンミン硝酸パラジウム、又は塩化白金酸、アミン可溶化性水酸化白金などである。焼成工程の間、又は少なくとも混合物の使用の初期段階で、このような化合物が金属又は1つの化合物の触媒活性形に変換される。
【0038】
本明細書において、「安定な比」(stable ratio)という用語は、例えば、リーンバーンガソリンエンジンから排ガス処理システムの下流に配置される触媒物品を有する車両の寿命などの耐用期間中、リーンバーンガソリンエンジンの排ガスがハニカム基材を通過すると、触媒物品がハニカム基材から排出されるNO/NO比の変化を目標値から±5%以下最小化することに有効であることを意味する。触媒の安定性は、研究室又はエンジンベンチにおける模擬条件(simulated conditions)下で触媒サンプルのテストによって決めることができる。例えば、排ガス中に600℃で1時間安定した後にテストする場合と、車両の使用により排ガス中に750℃で20時間、及び650℃で100時間又は550℃で500時間老化後にテストする場合とを比較する。
【0039】
政府の規制は、小型乗用車及び大型車両にNO還元技術の使用を要求する。Euro 6及びUS2010規制は、小型乗用車及び大型車両にNO還元技術の使用を要求する。尿素を使用するNOの選択的触媒還元(SCR)は、NOx制御に対して有効で主要なNOx排出の制御技術である。しかしながら、NO還元効率は、SCR触媒の上流のNO/NO比に依存し、最適な比が0.5である。この比から過大な偏差(<0.3又は>0.6)はNOx変換の低下を引き起こす。
【0040】
尿素注入の確実で正確な制御は重要である。SCR効率がNO/NO比に関し、所定のNO変換目標値に対して、尿素注入量がNOレベルにもNO/NO比にも関わるからである。制御の観点から、SCR触媒の入口のNO/NO比が一定であること(狭い範囲内で変化すること)がより好ましい。この狭い範囲内で変化する場合には、CSF触媒にあるNO酸化の活性が非常に安定であることを必要とする。
【0041】
この安定性の要求(触媒の寿命のために±5%)は非常に厳しい要求である。触媒が寿命中に遭う可能性がある極端状態として、製造された新鮮(fresh)状態、600℃で1時間焼成された安定(Stabilized)状態、750℃で20時間焼成された老化(aged)状態の3つの触媒状態が選択される。通常のCSF触媒は、触媒の最も活性状態と触媒の最も非活性状態との間に広い性能ギャップを有する。例えば、35g/ftの白金族金属(PGM)、Pt/Pd=10/1を有するCSFは、0.55の性能ギャップ(最大限のNO/NO−最小限のNO/NO)を示す。
【0042】
本発明の実施態様はリーンバーンガソリンエンジンの排ガスの処理のための触媒物品を提供する。触媒を有するハニカム基材はNO/NO比を含む。具体的な実施態様において、該基材は、耐火性金属酸化物担体に分散された1つ以上の焼成された白金族金属成分を含むウォッシュコートを支持するハニカム基材を含む。該耐火性酸化物担体は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的な混合物、又は原子的にドープなどの化学的組み合わせの1つを含んでもよい。該ウォッシュコートはハニカム基材に設けられ、且つ該白金族金属成分は、排ガスが前記触媒されたハニカム基材に通過する時に安定なNO/NO比を提供するために、約10nm〜約25nmの範囲(具体的な実施態様において、10nm〜25nmである)の平均微結晶サイズを有する。言い換えれば、該触媒物品は、耐用期間中(車両の排ガス処理に取り付けられる触媒物品を有する車両)、リーンバーンガソリンエンジンの排ガスがハニカム基材を通過すると、ハニカム基材から排出されるNO/NO比の変化を目標値から±5%以下で最小化することに有効である。
【0043】
この明細書において、NO/NO比に係る「安定」(stable)とは、車両の排ガス処理システムにある触媒物品を有する車両の寿命中に、触媒を有するハニカム基材が、ハニカム基材から排出されるNO/NO比の変化を目標値から±5%以内で最小化することに有効であることをいう。例えば、排ガス中に600℃で1時間安定する後にテストする場合、車両の使用により排ガス中に750℃で20時間、650℃で100時間又は550℃で500時間老化する後テストする場合と比較する。
【0044】
1つ以上の実施態様によれば、白金族金属はプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及びこれらの混合物から選択される。具体的な実施態様において、白金族金属はプラチナとパラジウムとの比を含む。該プラチナとパラジウムとの比は、約2より大きく、又は5より大きくであってもよい。
【0045】
さらなる実施態様において、白金族金属成分はプラチナを含む。
【0046】
1つ以上の実施態様において、ウォッシュコートがハニカム基材に配置され、且つ白金族金属成分が約10nm〜約25nm、又は15nm〜20nmの範囲にある平均微結晶サイズを有する。この明細書において、用語「約」は、用語に係る値の、任意に+/−25%、好ましくは+/−10%、より好ましくは+/−5%、最も好ましくは+/−1%、の範囲をいう。具体的な実施態様において、白金族金属成分は約15nm〜約20nmの平均微結晶サイズを有する。
【0047】
他の実施態様において、白金族金属成分は、10nm〜25nm、特に5nm〜20nmの平均微結晶サイズを有する。具体的な実施態様において、白金族金属成分は15nm〜20nmの平均微結晶サイズを有する。
【0048】
1つ以上の実施態様において、ハニカム基材は、フロースルー型(flow−through)モノリスであり、触媒物品がディーゼル酸化触媒(DOC)のような触媒性材料のウォッシュコートを含む。
【0049】
1つ以上の実施態様によれば、担体は、一般にDOC触媒の製造に用いる任意の材料でもよく、好ましくは金属又はセラミックのハニカム基材を含む。液体がそこを通って流すことができるように、任意の適切な担体を使用してもよく、例えば、担体の入口面又は出口面からそこを通って広がる複数の細かく平行なガス流路を有するタイプのモノリス担体である。通路は、これらの液体入口から出口まで実質的には直線通路であり、通路に流すガスが触媒性材料を接触するように、「ウォッシュコート」として塗布される触媒性材料を有する壁により画定される。モノリス担体の流路は、薄壁チャンネルであり、台形、長方形、正方形、正弦波形、六角形、卵形及び円形などの任意の適切な断面形状及びサイズであってもよい。
【0050】
このようなモノリス担体は、断面の1平方インチ当たり約900まで又はより多くの流路(又は「セル」)を含むことができるが、よりかなり少ない流路が使用されてもよい。例えば、担体は1平方インチ当たり約50〜600、より一般的には約200〜400セル(「cpsi」)を有することができる。セルは、長方形、正方形、円形、卵形、三角形、六角形、又は他の多角形である断面形状を有することができる。フロースルー型基材は典型的に0.002〜0.1インチの厚さの壁を有する。好ましくは、フロースルー型基材は0.002〜0.015インチの厚さの壁を有する。
【0051】
好ましくは、金属担体は、チタニウム及びステンレス鋼、並びに鉄が重要成分又は主成分である他の合金などの、耐熱の金属及び金属合金を含む。このような合金は、1つ以上のニッケル、クロム及び/又はアルミニウムを含んでもよく、これらの金属の総量が有利には少なくとも約15質量%の合金、例えば、10質量%〜25質量%のクロム、3質量%〜8質量%のアルミニウム、20質量%までのニッケル、を含んでもよい。合金は、マンガン、銅、バナジウム及びチタニウムなどのような他の金属の1つ以上の少量又は微量を含んでもよい。表面又は金属担体は、表面又は担体に酸化層の形成によって合金の耐腐食性を改善するために、1000℃以上のような高温で、酸化されてもよい。このような高温誘導酸化は、耐火性金属酸化物担体の付着性及び担体の触媒化促進の金属成分の付着性を強化することができる。
【0052】
1つ以上の実施態様によれば、担体は、触媒を有する煤煙フィルター(CSF)触媒の作製に典型的に用いる、任意の材料であってもよい。触媒を有する煤煙フィルターに対して、基材は、ハニカムのウォールフロー型フィルター、巻取又は充填ファイバーフィルター、連続気泡フォーム、焼結金属フィルター等であってもよく、好ましくはウォールフロー型フィルターである。CSF組成物の支持に使用可能なウォールフロー型基材は、基材の縦軸も沿って広がる複数の細かく平行なガス流路を有する。典型的には、それぞれの流路は、基材本体の一端部にブロックされ、他端部に交互的にブロックされる。
【0053】
本発明のシステムに使用される具体的なウォールフロー型基材は、薄く多孔質の壁のハニカム(モノリス)を含み、該ハニカムを通過する流体流が背圧又は触媒物品(article)に負荷される圧力を過剰に増大させないように通過するものを含む。普通には、清浄なウォールフロー型物体の存在は、1インチ水柱が10psigに対応する背圧を生じる。該システムに使用されるセラミックのウォールフロー型基材は、好ましくは、少なくとも40%(例えば、40%〜70%)の多孔率及び少なくとも5ミクロン(例えば、5〜30ミクロン)の平均細孔径を有する材料からなる。より好ましくは、該基材は少なくとも50%の多孔率及び少なくとも10ミクロンの平均細孔径を有する。この多孔率及び平均細孔径を有する基材が後述の技術で塗布される時、優れたNO変換率及び煤煙の燃焼除去を達成するために、適切なレベルのCSF触媒組成物が基材に配置されてもよい。このような基材は、CSF触媒が配置されるにもかかわらず、適切な排ガス流特性、換言すれば許容される背圧を保持可能である。
【0054】
典型的なCSFは、触媒を有するハニカム基材の性能ギャップを小さくする焼成された白金族金属粉末を使用して製造される。白金族金属含有の粉末は、スラリーを製造する前、600〜800℃で焼成される。CSFにより得る最も狭い性能ギャップは0.05であった。よって、触媒安定性(性能ギャップ)と白金族金属成分の粒径との間に相互関係がある。約10nm〜約25nm、好ましくは約15nm〜約20nm、の平均粒径は安定なCSF触媒をもたらす。
【0055】
触媒を有するハニカム基材は、DOC+SCRoFシステムに対して、DOC触媒によってNO/NO比が達成される場合、ディーゼル酸化触媒に使用されてもよい。
【0056】
本発明のもう1つの実施態様はリーンバーンエンジンからの排ガスの処理方法に関する。該方法は、排ガス流に上述された触媒物品を設けられる工程、及び、リーンバーンエンジンからのNOを含む排ガスを触媒物品に通過する工程を含み、これにより耐用期間中、約±10%以下で、具体的な実施態様において目標値から±5%以下で、変化するNO/NOの比が得られる。例えば、排ガス中に600℃で1時間安定する後にテストする場合、車両の使用により排ガス中に750℃で20時間、650℃で100時間又は550℃で55時間老化する後テストする場合と比較する。前記触媒物品は、アルミナ担体に分散される1つ以上の白金族金属成分を含むその上に配置されるウォッシュコートを含むハニカム基材を含み、該担体はアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的混合物又は原子的にドープなどの化学的組み合わせを含む耐火性金属酸化物を含む。該白金族金属は約10nm〜約25nmの範囲の平均微結晶サイズを有する。具体的な実施態様において、該白金族金属成分は約15nm〜約20nmの平均微結晶サイズを有する。他の実施態様において、該白金族金属成分は、10nm〜25nm、特に15nm〜20nm、の平均微結晶サイズを有する。1つの具体的な実施態様において、該白金族金属成分は15nm〜20nmの平均微結晶サイズを有する。
【0057】
1つ以上の実施態様によれば、リーンバーンエンジンからの排ガスの処理方法に対して、NO/NOの目標値は0.3〜0.6の範囲にある。1つの具体的な実施態様において、NO/NOの目標値は約0.5である。NO/NO比は、排ガスセンサー及び車両に搭載されるコンピューターを使用して測定される。白金族金属成分は、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及びこれらの混合物から選択される。具体的な実施態様において、該白金族金属はプラチナとパラジウムとの割合を含む。該プラチナとパラジウムとの割合は、約2より大きく、又は約5より大きくであってもよい。1つの具体的な実施態様において、該白金族金属成分はプラチナを含む。
【0058】
1つ以上の実施態様によれば、リーンバーンエンジンからの排ガスの処理方法に対して、ハニカム基材はフロースルー型ディーゼル酸化触媒(DOC)であってもよい。他の実施態様において、ハニカム基材は触媒を有する煤煙フィルター(CSF)であってもよい。
【0059】
本発明の他の実施態様は、NOを含むリーンバーンエンジン排ガス流からの汚染物を除去するためのシステムに関する。該システムは、ハニカム基材を含む触媒物品、基材に配置されるウォッシュコート、及び触媒を有するハニカム基材の下流に設けられる選択的触媒還元触媒、を含む。該ウォッシュコートがアルミナ担体に分散される1つ以上の白金族金属成分を含み、該担体がアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びその物理的混合物又は原子的にドープなどの化学的組み合わせを含む耐火性金属酸化物を含み、この場合、該ウォッシュコートがハニカム基材に設けられ、該白金族金属成分が安定なNO/NO比を提供するために約10〜25nmの範囲の平均微結晶サイズを有する。該触媒を有するハニカム基材は、耐用期間中、リーンバーンガソリンエンジンの排ガスがハニカム基材を通過すると、触媒物品がハニカム基材から排出されるNO/NO比の変化を目標値から±5%以下で最小化することに有効である。例えば、排ガス中に600℃で1時間安定する後にテストする場合、車両の使用により排ガス中に750℃で20時間、650℃で100時間又は550℃で500時間老化する後テストする場合と比較する。
【0060】
1つ以上の実施態様によれば、該システムのハニカム基材は、入口端及び出口端を有し、白金族金属を含むウォッシュコートが入口端にあり、選択的触媒還元(SCR)触媒が出口端にある。1つ以上の実施態様において、該SCR触媒及び白金族金属を含むウォッシュコートは、別々の基材にあってもよい。
【0061】
DOC+CSF+SCR触媒システムにおいて、1つ以上の実施態様によるシステムのように、DOCもCSFもNOを生成できる。しかしながら、DOCにあるNO酸化作用は重要性が低く、SCR触媒上流のNO/NO比はCSFにより制御される。従って、このようなシステムにおいて、煤煙作用(濾過及び再生)に加えて、CSFもNO酸化触媒であり、SCR触媒によってNO変換を向上させる。
【0062】
1つ以上の実施態様によれば、該システムの触媒を有するハニカム基材は、選択的触媒還元(SCR)触媒の上流に設けられるフロースルー型ディーゼル酸化触媒(DOC)であり、従来の触媒を有する煤煙フィルター(CSF)がSCR触媒の下流に設けられる。該ディーゼル酸化触媒は層構造で構成され、その1層が本発明の触媒を有するハニカム基材を使用し、もう1層がCO及びHCの酸化に考案された従来のディーゼル酸化触媒を使用する。
【0063】
1つ以上の実施態様によれば、NOを含むリーンバーンエンジン排ガス流からの汚染物を除去するためのシステムにおいて、本発明の触媒を有するハニカム基材は、ディーゼル酸化触媒(DOC)か、触媒を有する煤煙フィルター(CSF)か、それとも両方に配置されてもよく、DOC及びCSFが選択的触媒還元(SCR)触媒の前に設けられる。
【0064】
1つ以上の実施態様によれば、該システムのハニカム基材は、フロースルー型ディーゼル酸化触媒(DOC)を使用しないように、選択的触媒還元(SCR)触媒の前に設けられたウォールフロー型モノリスを含む。該CSFは、入口及び出口に異なるウォッシュコートで塗布されてもよく、いずれのウォッシュコートが本発明の触媒を有するハニカム基材に形成されてもよい。
【0065】
1つ以上の実施態様によれば、該システムのSCR触媒はウォールフロー型基材にあり、白金族金属成分を含むウォッシュコートはフロースルー型基材にある。
【0066】
1つ以上の実施態様によれば、該システムの白金族金属成分は、約15nm〜約20nmの平均微結晶サイズを有する。該白金族金属成分は、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及びこれらの混合物から選択される。具体的な実施態様において、該白金族金属はプラチナとパラジウムとの割合を含む。該プラチナとパラジウムとの割合は、約2より大きく、又は約5より大きくであってもよい。1つの具体的な実施態様において、該白金族金属成分はプラチナを含む。
【0067】
以下、実施例を参照して本発明を説明する。幾つかの典型的な実施態様を説明が、本発明は、以下の記載に説明される作製又は工程段階の詳細に制限されるものではない。本発明は、他の実施態様を含み、且つ様々な方法で実行又は実施される。
【実施例】
【0068】
実施例1:触媒物品の作製
触媒物品は、ハニカムのウォールフロー型基材(「フィルター」)にウォッシュコートを設けることにより作製した。ウォッシュコート組成物は、Pt/Pdの質量割合=3:1で42g/ftの白金族金属、及び0.25g/inのSiO/Al(5%のSiO)微粒子担体、を含んだ。該組成はフィルターの全長にわたり同じであった。該フィルターは、約45%の多孔率及び約15μmの平均細孔径を有する炭化ケイ素から製造した。全ての触媒サンプルを同じタイプのフィルター基材に被覆した。
【0069】
触媒被膜のスラリーを作製するために、予備的に粉砕されたSiO/Al粉末(90%の微粒子が5マイクロメートル以下、又はD90<5mmである)を固形分40%となるように水で懸濁した。計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液(platinum tetra monoethanolamine hydroxide solution)を、撹拌しながら、懸濁液に滴加した。それから、計算された量の硝酸パラジウム溶液を同じ方法で添加した。得られたスラリーを、さらに、固形分約10質量%まで水で希釈した。
【0070】
それから、該スラリーは、基材の入口側向きにして出口側がスラリーの水平面の直上(約1/4インチ)にあるように、スラリーに浸すことによって、ウォッシュコートされた。該基材を、スラリーから引き出し、入口側からウォッシュコートスラリーが出なくなるまでチャンネルの出口側から気流が吹きつけられた。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0071】
得られたサンプルを「新鮮サンプル」(fresh sample)という。触媒性テストの後、新鮮サンプル、さらに、O/N/蒸気(10%のO, 10%の蒸気)の混合気流を流して600℃で1時間焼成した。これを「安定」サンプルという。更なる触媒性テストの後、該サンプルをO/N/蒸気の混合気流を流して750℃で20時間老化し、得られたサンプルを「老化」サンプルという。新鮮、安定及び老化の呼称は、全てのサンプルに対して同一に用いる。
【0072】
実施例2
実施例2は、Pt/Pdの質量割合=10:1で25g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのAlを有した。アルミナ粉末を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。得られた粉末を固形分40%まで水で懸濁した。その後、該スラリーを、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。その後、得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0073】
実施例3
実施例3は、Pt/Pdの質量割合=10:1で25g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのAlを有した。アルミナ粉末を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。得られた粉末を、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で2時間焼成した。CO化学吸着法で測った貴金属の平均微結晶サイズは2.5ナノメートルである。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水で懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0074】
実施例4
実施例4は、Pt/Pdの質量割合=10:1で25g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのAlを有した。アルミナ粉末を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。得られた粉末を、110℃で2時間乾燥し、空気中600℃で2時間焼成した。CO化学吸着法で測った貴金属の平均微結晶サイズは6.9ナノメートルである。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0075】
実施例5
実施例5は、Pt/Pdの質量割合=10:1で25g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのAlを有した。アルミナ粉末を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。得られた粉末を、110℃で2時間乾燥し、空気中700℃で2時間焼成した。CO化学吸着法で測った貴金属の平均微結晶サイズは10.7ナノメートルである。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0076】
実施例6
実施例6は、Pt/Pdの質量割合=10:1で25g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのAlを有した。アルミナ粉末を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。得られた粉末を、110℃で2時間乾燥し、空気中800℃で2時間焼成した。CO化学吸着法で測った貴金属の平均微結晶サイズは16.7ナノメートルである。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0077】
実施例7
実施例7は、Pt/Pdの質量割合=10:1で36g/ftの白金族金属、及び0.4g/inのSiOAl(1.5%のSiO)を有した。シリカ/アルミナ粉末(1.5%のSiO)を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。該粉末を、流動床で短期間(1〜5秒)フラッシュ焼成した。得られた粉末を4.95質量%の貴金属組成物を有する。[この粉末は実施例7〜10に使用される。]フラッシュ焼成された粉末を、さらに、オーブンで空気中800℃で2時間焼成した。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中のpHを、酢酸(又は硝酸)の添加によって4〜5に調整した。得られたスラリーを、さらに、固形分約15質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0078】
実施例8
実施例8は、Pt/Pdの質量割合=10:1で276g/ftの白金族金属、及び0.3g/inのSiOAl(1.5%のSiO)を有した。シリカ/アルミナ粉末(1.5%のSiO)を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。該粉末を、流動床で短期間(1〜5秒)フラッシュ焼成した。得られた粉末は4.95質量%の貴金属組成物を有する。フラッシュ焼成された粉末を、さらに、オーブンで空気中800℃で2時間焼成した。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中に酸が添加されなく、且つ研磨期間のpHが7の付近であった。得られたスラリーを、さらに、固形分約12質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0079】
実施例9
実施例9は、Pt/Pdの質量割合=10:1で21.6g/ftの白金族金属、及び0.24g/inのSiOAl(1.5%のSiO)を有した。シリカ/アルミナ粉末(1.5%のSiO)を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。該粉末は、流動床で短期間(1〜5秒)フラッシュ焼成された。得られた粉末は4.95質量%の貴金属組成物を有する。フラッシュ焼成された粉末を、さらに、オーブンで空気中800℃で2時間焼成した。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中に酸が添加されなく、且つ研磨期間のpHが7の付近であった。得られたスラリーを、さらに、固形分約10質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0080】
実施例10
実施例10は、Pt/Pdの質量割合=10:1で14.4g/ftの白金族金属、及び0.16g/inのSiOAl(1.5%のSiO)を有した。シリカ/アルミナ粉末(1.5%のSiO)を、インシピエントウエットネス技術によって、計算された量のテトラモノエタノールアミン白金水酸化物溶液に含浸し、その後、計算された量の硝酸パラジウム溶液に含浸した。該粉末は、流動床で短期間(1〜5秒)フラッシュ焼成された。得られた粉末は4.95質量%の貴金属組成物を有する。フラッシュ焼成された粉末を、さらに、オーブンで空気中800℃で2時間焼成した。その後、焼成された粉末を、固形分40%まで水に懸濁し、90%の微粒子が5マイクロメートル以下であることを達成するために、連続ミルで粉砕した。粉砕中に酸が添加されなく、且つ研磨期間のpHが7の付近であった。得られたスラリーを、さらに、固形分約4質量%まで水で希釈した。得られたスラリーを、サンプル1と同じ方法で、SiC基材にウォッシュコートした。その後、被覆されたサンプルを、110℃で2時間乾燥し、空気中450℃で1時間焼成した。
【0081】
実施例11
実施例11触媒テスト及び結果
テストの条件
該テストは1分当たり150リトルのガスを流すことができる研究用炉で行った。34mm x 34mm x 150mmのSiC部分のサンプルは、ヒーターのサンプルホルダーの中心に囲まれた。達成されたCSF入口の標的温度の一部が、大型予熱器によって予熱されたガスからであり、他の部分が加熱されたサンプルホルダー本体からである。供給ガスは、75ppmのHC(15ppmのC、60ppmのC1基にあるC1022)、100ppmのNO、7%のHO、10%のO及びバランスNからなる。該ガスの1時間当たりの空間速度は35000/hであった。CSFは、新鮮サンプル、安定サンプル及び老化サンプルとしてテストされた。新鮮は製造された状態を意味し、安定は該サンプルがO/N/蒸気(10%のO、10%の蒸気)の混合気流を流して600℃で1時間焼成された状態を意味し、老化は該サンプルがO/N/蒸気(10%のO, 10%の蒸気)の混合気流を流して750℃で20時間焼成された状態を意味する。
【0082】
結果
【0083】
【表1】
【0084】
PGMの価格[$/ozt]は2012年10月のロナに基づき、Pt=1800ドル(USD)、Pd=750ドル(USD)である。
【0085】
図1はNO/NOの変動(又はΔ(NO/NO))と平均の貴金属微結晶サイズとの相互関係を示す。
【0086】
表2は,300℃で粉末焼成温度及び被覆されるPGMがNO/NOの変動への影響を示す。
【0087】
【表2】
【0088】
PGMの価格[$/ozt]は2012年十月のロナに基づき、Pt=1800ドル(USD)、Pd=750ドル(USD)である。
【0089】
表1にあるデータは、被覆されるPGMが42g/ftから25g/ftまで(サンプル1対サンプル2)減少する一方でPt/Pdが3:1から10:1まで増大することが、安定及び老化触媒のNO/NO比と比べて、300℃での新鮮のNO/NO比を著しく増大させること、を示す。それゆえ、安定のNO/NO比−老化のNO比で定義されるΔ(NO/NO)は、基本的に同じである。スラリーを作製する前に、上昇させた温度(450、600、700、800℃、それぞれ、サンプル3〜6に対応する)でPGM/担体の粉末を焼成することによって、NO/NO比の連続的な変化を見ることができる。焼成温度の上昇に伴って新鮮NO/NO比も安定NO/NO比も適度に減少し、一方で、焼成により老化のNO/NOが増大するものの、焼成温度に対して不変である。よって、変動、すなわち、Δ(NO/NO)は粉末の焼成温度と共に減少する。また表1に示されたように、PGMの微結晶サイズは粉末の焼成温度と共に増大する。増大た微結晶サイズは、焼成される粉末を有するCSFサンプルがN形成に対してより安定である原因である可能性がある。実際に、図1NO安定性と微結晶サイズとのこの相互関係を明確に見ることができる。表2は、焼成された粉末で製造されたより少ないPGM被覆のCSFサンプル(サンプル8〜10)でさえも、対象サンプル(サンプル1)と比べてNO形成における優れた性能を示すこと、変動(Δ(NO/NO))がより低く、老化のNO/NO比がより高いこと、を示す
【0090】
ここで、本発明は特定な実施例を参照して説明したが、これらの実施例は本発明の原則及び応用の説明に過ぎないことを理解されたい。従って、上記実施例に種々の変更を施してもよく、且つ明細書に開示した本発明の主旨及び範囲から逸脱しない範囲で、他の変更を施してもよい。従って、本発明は、の請求項及びその同等のもの(均等物)の範囲にある改良及び変化を含むものである。
図1