(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、路側機から発信されるユーザの通行許可の有無を示す通行許可情報に基づいて、前記ユーザによる横断の予兆が検出された道路が、前記報知を行うべき道路であるかを判別する請求項1に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願に係る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための複数の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
以下では、本出願に係る電子機器の一例として、スマートフォンを取り上げて説明する。電子機器は、ユーザが携行可能であれば、スマートフォン以外の機器であってもよく、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、歩数計、活動量計、ヘッドマウントディスプレイ、補聴器、イヤホン、又はゲーム機等の機器であってよい。
【0011】
図1は、実施形態に係るスマートフォン1の機能構成の一例を示すブロック図である。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。以下の説明において、重複する説明は省略することがある。以下の説明において、スマートフォン1を「自機」と表記する場合がある。
【0012】
図1に示すように、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16、ジャイロスコープ17、磁気センサ18とを含む。
【0013】
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してよいし、並んで位置してよいし、離れて位置してよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
【0014】
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示する。ディスプレイ2Aが表示するオブジェクトを含む画面は、ロック画面と呼ばれる画面、ホーム画面と呼ばれる画面、アプリケーションの実行中に表示されるアプリケーション画面を含む。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面、標準画面、アプリ一覧画面又はランチャー画面と呼ばれることもある。
【0015】
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触又は近接を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出することができる。以下の説明において、タッチスクリーン2Bが検出する複数の指、ペン、及びスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接した位置を「検出位置」と表記する。タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指の接触又は近接を、検出位置とともにコントローラ10に通知する。タッチスクリーン2Bは、検出位置の通知をもって接触又は近接の検出をコントローラ10に通知してよい。タッチスクリーン2Bが行える動作を、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2は実行できる。言い換えると、タッチスクリーン2Bが行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2が行ってもよい。
【0016】
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触又は近接、検出位置、検出位置の変化、接触又は近接が継続した時間、接触又は近接が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、ジェスチャの種別を判別する。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有するスマートフォン1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、スマートフォン1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。
【0018】
ボタン3は、ユーザからの操作入力を受け付ける。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
【0019】
照度センサ4は、照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。
【0020】
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aと顔とが接近したことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
【0021】
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、交差点付近に設置される路側機との通信を可能とするための複数の通信規格をさらにサポートする。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、交差点を含む所定の通信エリア内にある機器が受信可能な電波を発信する路側機から発信された電波を受信できる。
【0022】
レシーバ7は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、スマートフォン1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力することができる。マイク8は、入力されるユーザの声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
【0023】
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用されてもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
【0024】
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する支援プログラム(図示略)とが含まれる。アプリケーションは、例えば、フォアグランドで実行される場合、当該アプリケーションに係る画面を、ディスプレイ2Aに表示する。支援プログラムには、例えば、OSが含まれる。プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
【0025】
ストレージ9は、制御プログラム9A、ナビゲーションプログラム9B、加速度データ9C、移動判定データ9D、地図データ9E、路側機データ9F及び設定データ9Zなどを記憶できる。制御プログラム9Aは、各種機能を提供するに際し、各種アプリケーションと連携できる。制御プログラム9Aは、通信ユニット6を介してクラウドストレージと連携し、当該クラウドストレージが記憶するファイル及びデータにアクセスしてもよい。クラウドストレージは、ストレージ9に記憶されるプログラム及びデータの一部又は全部を記憶してもよい。
【0026】
制御プログラム9Aは、スマートフォン1の動作に関する機能を提供できる。実施形態の1つの例において、制御プログラム9Aは、次の各機能を提供できる。
【0027】
制御プログラム9Aは、自機のユーザが移動状態であるかを判定するための機能を提供できる。制御プログラム9Aは、ユーザの位置情報の推移から移動状態であるかを判定してもよいし、加速度センサ15の検出結果に基づいて移動状態であるかを判定してもよい。
【0028】
制御プログラム9Aは、自機のユーザの位置情報の推移に基づいて、当該ユーザの移動の軌跡を算出する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、ユーザの現在位置に対応する地図上の道路の位置と、ユーザの移動の軌跡との位置関係に基づいて、ユーザが道路を横断する予兆を検出した場合には、当該ユーザに対する注意喚起の報知及び外部に対する報知の少なくとも一方を実行する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、地図上の道路の位置と、ユーザの移動の軌跡が少なからず交差する場合には、ユーザが道路を横断する予兆として検出することができる。制御プログラム9Aは、例えば、地図上の道路の位置に、ユーザの移動の軌跡が所定の距離まで近づく場合に、ユーザが道路を横断する予兆として検出してもよい。
【0029】
制御プログラム9Aは、自機のユーザが道路を横断する予兆を検出した場合、当該道路が上記報知を行うべき道路であるかを判別し、上記報知を行うべき道路である場合には、上記報知を実行する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、ユーザの現在位置に対応する地図情報に基づいて、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が横断歩道であるかを特定し、特定した道路が横断歩道ではない場合には、ユーザによる横断の予兆が検出された道路について上記報知を行うべき道路であると判別できる。制御プログラム9Aは、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が横断歩道ではない場合には、ユーザの現在位置に対応する地図情報に基づいて、ユーザによる横断の予兆が検出された道路の幅員をさらに特定し、特定した幅員が閾値を超える場合には、ユーザによる横断の予兆が検出された道路について上記報知を行うべき道路であると判別することもできる。制御プログラム9Aは、路側機との通信確認の有無に基づいて、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が、上記報知を行うべき道路であるかを判別することもできる。すなわち、制御プログラム9Aは、路側機から発信された電波を受信できている場合には、交差点付近の道路の横断であり、横断歩道を通行していると推定し、上記報知を行うべき道路ではないと判別する。制御プログラム9Aは、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機の近傍に設置される路側機から発信される、ユーザの通行許可の有無を示す情報に基づいて、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が、上記報知を行うべき道路であるかを判別することもできる。例えば、ユーザの通行許可の有無を示す情報は、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が赤色で灯火していることを示す情報を含む。例えば、報知を許可しない情報は、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が青色で灯火していることを示す情報を含む。なお、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が赤色で灯火しているとき、歩行者あるいは自転車は道路を横断してはならない。歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が青色で灯火しているとき、歩行者あるいは自転車は道路を横断してもよい。すなわち、制御プログラム9Aは、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が赤色で灯火していることを示す情報を受信すると、ユーザが道路を横断することが許可されていないと推定し、上記報知を行うべき道路であると判別する。また、制御プログラム9Aは、歩行者用あるいは自転車用の交通信号機が青色で灯火していることを示す情報を受信すると、ユーザが道路を横断することが許可されていると推定し、上記報知を行うべき道路ではないと判別する。
【0030】
制御プログラム9Aが、上記報知を行うべき道路であると判別した場合に実行する自機のユーザに対する注意喚起の報知は、スピーカ11からの音又は音声の出力、バイブレータの振動を含む。制御プログラム9Aが、上記報知を行うべき道路であると判別した場合に実行する外部に対する報知は、スピーカ11からの音又は音声の出力、タッチスクリーンディスプレイ2のバックライト或いはLED(Light Emitting Diode)の点灯及び点滅による発光、自機から路側機へのメッセージの送信、自機から車両へのメッセージの送信を含む。
【0031】
ナビゲーションプログラム9Bは、自機のユーザの要求に基づいて出発地から目的地までの経路を探索する機能、及び探索された経路に基づいてユーザを目的地まで案内するための経路情報をタッチスクリーンディスプレイ2に表示する機能などを提供できる。
【0032】
加速度データ9Cは、加速度センサ15による検出結果のデータである。加速度データ9Cは、加速度センサ15により取得された加速度の値、加速度の方向、及び加速度の大きさを含む。加速度データ9Cは、加速度センサ15により測定された全ての測定結果を含んでよい。
【0033】
移動判定データ9Dは、自機のユーザの移動状態を判定する際に利用される判定条件の情報である。判定条件の情報は、自機に作用する加速度の方向及び大きさ、加速度の方向及び大きさの時系列変化で構成される加速度パターン、又はX軸、Y軸およびZ軸の3軸の加速度を合成した合成ベクトルを含んでよい。判定条件の情報は、少なくとも、加速度センサ15の検出結果から、ユーザの移動手段が、自動車又は電車であるかを判定するための情報を含む。
【0034】
地図データ9Eは、自機のユーザの現在位置に応じた地図情報をタッチスクリーンディスプレイ2に表示させるためのデータである。
【0035】
路側機データ9Fは、路側機との通信に用いるデータである。路側機データ9Eは、例えば、高度道路交通システムの専用狭域通信でスマートフォン1と路側機との間で用いられる周波数帯の情報などを含む。
【0036】
設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種設定の情報を含む。実施形態において、設定データ9Zは、自機のユーザによる横断の予兆が検出された道路が上記報知を行うべき道路であるかを判定するための閾値を含む。設定データ9Zは、ユーザに対する注意喚起の報知及び外部に対する報知を実行するときの報知態様、並びに路側機へ送信するメッセージに関するデータを含む。ユーザに対する注意喚起の報知を行うときの報知態様は、音、光、および振動の少なくとも1つを用いたパターンを含んでよい。外部に対する報知を行うときの報知態様は、音および光の少なくとも1つを用いたパターンを含んでよい。
【0037】
コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。コントローラ10は、制御部の一例である。
【0038】
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17、及び磁気センサ18を含むが、これらに限定されない。
【0039】
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、自機のユーザの位置情報の推移に基づいて、当該ユーザの移動の軌跡を算出する処理を実現できる。
【0040】
また、コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、ユーザの現在位置に対応する地図情報上の道路の位置と、ユーザの移動の軌跡との位置関係に基づいて、ユーザが道路を横断する予兆を検出した場合には、当該ユーザに対する注意喚起の報知及び外部に対する報知の少なくとも一方を実行する処理を実現できる。
【0041】
あるいは、コントローラ10は、自機のユーザが道路を横断する予兆を検出した場合、当該道路が上記報知を行うべき道路であるかを判別し、上記報知を行うべき道路である場合には、上記報知を実行する処理を実行できる。
【0042】
スピーカ11は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
【0043】
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換する。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラである。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態でスマートフォン1に実装されてもよい。
【0044】
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
【0045】
加速度センサ15は、スマートフォン1に作用する加速度の方向及び大きさを測定できる。加速度センサ15の検出結果は、加速度データ9Cとしてストレージ9に記憶される。加速度センサ15は、加速度センサの一例である。方位センサ16は、例えば、地磁気の向きを検出し、地磁気の向きに基づいて、スマートフォン1の向き(方位)を測定できる。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。磁気センサ18は、スマートフォン1の周囲の磁力を検出する。
【0046】
スマートフォン1は、上記の各機能部の他、GPS受信機、及びバイブレータを備えてもよい。GPS受信機は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信する。GPS受信機は、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。GPS受信機は、スマートフォン1の現在位置の演算処理をサポートする。スマートフォン1は、GPS衛星以外の測位用人工衛星の信号を受信可能な受信機を備え、現在位置の演算処理を実行してもよい。スマートフォン1は、複数種類の測位衛星の受信機を備えてもよい。GPS衛星以外の測位用人工衛星は、例えば、GLONASS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)の人工衛星、COMPASSの人工衛星、GALILEOの人工衛星、等を含む。バイブレータは、スマートフォン1の一部又は全体を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。スマートフォン1は、バッテリなど、スマートフォン1の機能を維持するために当然に用いられる機能部、及びスマートフォン1の制御を実現するために当然に用いられる制御部を実装する。
【0047】
図2を参照しつつ、実施形態に係るスマートフォン1により実行される処理の流れを説明する。
図2は、実施形態に係るスマートフォンにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図2に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することにより実現される。
【0048】
図2に示すように、コントローラ10は、移動状態であるかを判定する(ステップS101)。
【0049】
コントローラ10は、判定の結果、移動状態である場合(ステップS101,Yes)、地図データ9Eの中から、ユーザの現在位置に対応する地図データを取得する(ステップS102)。
【0050】
続いて、コントローラ10は、ユーザの移動の軌跡を算出する(ステップS103)。
【0051】
続いて、コントローラ10は、ステップS102で取得した地図データから特定されるユーザの現在位置に対応する地図上の道路の位置と、ユーザの移動の軌跡との位置関係に基づいて、ユーザが道路を横断する予兆があるかを判定する(ステップS104)。
【0052】
コントローラ10は、判定の結果、ユーザが道路を横断する予兆がある場合(ステップS104,Yes)、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が報知を行うべき道路であるかを判定する(ステップS105)。
【0053】
コントローラ10は、判定の結果、報知を行うべき道路である場合(ステップS105,Yes)、ユーザに対する注意喚起の報知及び外部への報知の少なくとも一方を実行する(ステップS106)。例えば、コントローラ10は、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が横断歩道ではない場合、或いは横断歩道ではなく、かつ道路の幅員が閾値を超える場合、報知を行うべき道路であると判定する。例えば、コントローラ10は、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が横断歩道ではない場合であって、かつ道路の幅員が閾値を超える場合には、報知を行うべき道路であると判定する。例えば、コントローラ10は、路側機との通信確認が取れている場合、報知を行うべき道路ではないと判定する。
【0054】
続いて、コントローラ10は、処理を継続するかを判定する(ステップS107)。
【0055】
コントローラ10は、判定の結果、処理を継続する場合(ステップS107,Yes)、上記ステップS101の判定に戻る。これとは反対に、コントローラ10は、判定の結果、処理を継続しない場合(ステップS107,No)、
図2に示す処理を終了する。
【0056】
上記ステップS105において、コントローラ10は、判定の結果、報知を行うべき道路ではない場合(ステップS105,No)、上記ステップS107の判定に移る。
【0057】
上記ステップS104において、コントローラ10は、判定の結果、ユーザが道路を横断する予兆がない場合(ステップS104,No)、上記ステップS107の判定に移る。
【0058】
上記ステップS101において、コントローラ10は、判定の結果、移動状態ではない場合(ステップS101,No)、上記ステップS107の判定に移る。
【0059】
上記の実施形態では、スマートフォン1は、ユーザの現在位置に対応する地図上の道路の位置と、ユーザの移動の軌跡との位置関係に基づいて、ユーザが道路を横断する予兆があると判定した場合、報知を行うべき道路であることを条件として、ユーザに対する注意喚起の報知及び外部への報知の少なくとも一方を実行する。このため、上記の実施形態によれば、報知を行うべき所定の道路を横断するユーザの行動を、危険な行動として捉えて、注意喚起の報知を行うことができ、電子機器により行われていた報知を改善できる。
【0060】
また、上記の実施形態によれば、スマートフォン1は、道路の幅員が閾値を超える場合、報知を行うべき道路であると判定するので、例えば、道路の幅員が一定以上ある幹線道路などの交通量の多い道路である場合、ユーザが道路を横断する予兆があるかの判定を実行するように制御できる。
【0061】
また、上記の実施形態によれば、スマートフォン1は、路側機との通信確認が取れている場合、報知を行うべき道路であると判定するので、例えば、交差点付近の道路の横断は横断歩道の横断であると推定して、ユーザが道路を横断する予兆があるかの判定を実行しないように制御できる。
【0062】
上記の実施形態において、スマートフォン1は、ユーザの移動手段が自動車及び電車以外であると判定した場合には、ユーザによる道路横断の予兆検出を実行してもよい。この場合の実施形態について、以下に説明する。
【0063】
制御プログラム9Aは、加速度センサ15の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて、ユーザの移動手段が自動車及び電車以外であると判定した場合には、ユーザによる道路横断の予兆検出を実行する機能を提供できる。
【0064】
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、加速度センサ15の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて、ユーザが自動車及び電車以外の移動手段で移動している状態であると判定した場合には、ユーザによる道路横断の予兆検出を実行する処理を実現できる。
【0065】
図3を参照しつつ、他の実施形態に係るスマートフォン1により実行される処理の流れを説明する。
図3は、他の実施形態に係るスマートフォンにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することにより実現される。
【0066】
図3に示すように、コントローラ10は、移動状態であるかを判定する(ステップS201)。
【0067】
コントローラ10は、判定の結果、移動状態である場合(ステップS201,Yes)、加速度センサ15の検出結果(加速度データ9C)を取得する(ステップS202)。
【0068】
続いて、コントローラ10は、ステップS202で取得した加速度センサ15の検出結果に基づいて、ユーザの移動手段が自動車及び電車であるかを判定する(ステップS203)。
【0069】
コントローラ10は、判定の結果、ユーザの移動手段が自動車及び電車ではない場合(ステップS203,No)、地図データ9Eの中から、ユーザの現在位置に対応する地図データを取得する(ステップS204)。
【0070】
続いて、コントローラ10は、ユーザの移動の軌跡を算出する(ステップS205)。
【0071】
続いて、コントローラ10は、ステップS204で取得した地図データから特定されるユーザの現在位置に対応する地図上の道路の位置と、ステップS205で算出したユーザの移動の軌跡との位置関係に基づいて、ユーザが道路を横断する予兆があるかを判定する(ステップS206)。
【0072】
コントローラ10は、判定の結果、ユーザが道路を横断する予兆がある場合(ステップS206,Yes)、ユーザによる横断の予兆が検出された道路が報知を行うべき道路であるかを判定する(ステップS207)。
【0073】
コントローラ10は、判定の結果、報知を行うべき道路である場合(ステップS207,Yes)、ユーザに対する注意喚起の報知及び外部への報知の少なくとも一方を実行する(ステップS208)。
【0074】
続いて、コントローラ10は、処理を継続するかを判定する(ステップS209)。
【0075】
コントローラ10は、判定の結果、処理を継続する場合(ステップS209,Yes)、上記ステップS201の判定に戻る。これとは反対に、コントローラ10は、判定の結果、処理を継続しない場合(ステップS209,No)、
図3に示す処理を終了する。
【0076】
上記ステップS207において、コントローラ10は、判定の結果、報知を行うべき道路ではない場合(ステップS207,No)、上記ステップS209の判定に移る。
【0077】
上記ステップS206において、コントローラ10は、判定の結果、ユーザが道路を横断する予兆がない場合(ステップS206,No)、上記ステップS209の判定に移る。
【0078】
上記ステップS203において、コントローラ10は、判定の結果、ユーザの移動手段が自動車及び電車である場合(ステップS203,Yes)、上記ステップS209の判定に移る。
【0079】
上記ステップS201において、コントローラ10は、判定の結果、移動状態ではない場合(ステップS201,No)上記ステップS209の判定に移る。
【0080】
上記の他の実施形態によれば、スマートフォン1は、ユーザの移動手段が自動車及び電車である場合、すなわち、道路を横断する恐れがない場合には、ユーザが道路を横断する予兆があるかの判定を行わないように制御できる。
【0081】
上記の実施形態において、スマートフォン1は、ナビゲーションプログラム9Bがユーザに道案内の経路情報を提供中である場合、ナビゲーションプログラム9Bと連携し、ユーザの移動の軌跡が経路情報に対応する経路から外れたことを検出した場合、ユーザの位置情報の取得間隔を短くするようにしてもよい。或いは、スマートフォン1は、ジャイロスコープ17及び磁気センサ18の検出結果に基づいて、ユーザの進行方向の変化を検出し、進行方向に変化がある場合に、ユーザの位置情報の取得間隔を短くするようにしてもよい。このように、スマートフォン1は、ユーザが予定の行動から外れたことを契機として、ユーザの現在位置を詳細に把握することにより、ユーザによる道路横断の予兆の予測精度を高めることができる。
【0082】
本明細書では、添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。