(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6411654
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】モバイル機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20181015BHJP
【FI】
H04M1/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-524086(P2017-524086)
(86)(22)【出願日】2015年9月22日
(65)【公表番号】特表2017-524318(P2017-524318A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】CN2015090295
(87)【国際公開番号】WO2016206200
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】201510359811.5
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513309030
【氏名又は名称】シャオミ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユエン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ガオツァイ
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3189115(JP,U)
【文献】
特表2015−512170(JP,A)
【文献】
特開2003−76274(JP,A)
【文献】
特開平11−17579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器であって、
内部に、前記モバイル機器の機能部品を設けるための収容空間が形成されるフレームアセンブリと、
前記フレームアセンブリの外側に設けられ、前記モバイル機器の正面、背面、左側面及び右側面を包むメインスクリーンモジュールと
を含み、
前記メインスクリーンモジュールは、第1の可撓性スクリーンモジュールと第2の可撓性スクリーンモジュールとを含み、
前記第1の可撓性スクリーンモジュールと前記第2の可撓性スクリーンモジュールとの間の繋ぎ目はそれぞれ前記モバイル機器の前記左側面及び右側面に位置することを特徴とするモバイル機器。
【請求項2】
前記メインスクリーンモジュールは、一体型の環状構造のスクリーンモジュールであることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器。
【請求項3】
前記メインスクリーンモジュールは、一体型の可撓性平面構造のスクリーンモジュールであることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器。
【請求項4】
前記第1の可撓性スクリーンモジュールと前記第2の可撓性スクリーンモジュールそれぞれの両側縁辺同士が互いに繋がれて環状構造を形成することを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器。
【請求項5】
前記モバイル機器の頂部端面または底部端面の中の少なくとも一つに貼り合わせられ、前記メインスクリーンモジュールと結合して閉塞構造を形成するサブスクリーンモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモバイル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル機器の技術分野に関し、特にモバイル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発展に伴い、スマートフォン、タブレットPCまたはその他のタイプのモバイル機器は、人々の日常生活に重要不可欠なツールになりつつある。近年、ユーザの視覚的体験を向上させるために、モバイル機器のスクリーンサイズはますます大きくなっている。しかしながら、モバイル機器のサイズが大きすぎると、その持ちやすさや使いやすさに影響を与えるので、スクリーンサイズの増大は実際にモバイル機器のサイズの制限を受ける。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する上記の問題を解消するためのモバイル機器を提供する。
【0004】
本発明の実施例の第1態様によれば、
モバイル機器であって、
内部に、前記モバイル機器の機能部品を設けるための収容空間が形成されるフレームアセンブリと、
前記フレームアセンブリの外側に設けられ、前記モバイル機器の正面、背面及び側面を包むメインスクリーンモジュールと
を含むモバイル機器が提供される。
【0005】
前記メインスクリーンモジュールは、一体型の環状構造のスクリーンモジュールであってもよい。
【0006】
前記メインスクリーンモジュールは、一体型の可撓性平面構造のスクリーンモジュールであってもよく、
前記スクリーンモジュールが前記モバイル機器に取り付けられた場合、前記メインスクリーンモジュールの両側縁辺が互いに繋がれて環状構造を形成する。
【0007】
前記メインスクリーンモジュールが前記モバイル機器に取り付けられた場合、形成される環状構造の繋ぎ目は前記モバイル機器の何れかの一側面に位置してもよい。
【0008】
前記メインスクリーンモジュールは、第1の可撓性スクリーンモジュールと第2の可撓性スクリーンモジュールとを含んでもよく、
前記メインスクリーンモジュールが前記モバイル機器に取り付けられた場合、前記第1の可撓性スクリーンモジュールと前記第2の可撓性スクリーンモジュールそれぞれの両側縁辺同士が互いに繋がれて環状構造を形成する。
【0009】
前記メインスクリーンモジュールが前記モバイル機器に取り付けられた場合、前記第1の可撓性スクリーンモジュールと前記第2の可撓性スクリーンモジュールとの間の繋ぎ目はそれぞれ前記モバイル機器の2つの側面に位置してもよい。
【0010】
前記モバイル機器の頂部端面または底部端面の中の少なくとも一つに貼り合わせられ、前記メインスクリーンモジュールと結合して閉塞構造を形成するサブスクリーンモジュールをさらに含んでもよい。
【0011】
本発明の実施例に係る技術的な解決手段によれば、以下のような有益な効果が得られる。
【0012】
上述の実施例から分かるように、本発明では、メインスクリーンモジュールでモバイル機器の正面、背面及び側面を包むことにより、スクリーンサイズがモバイル機器の正面のサイズによって制限されることによる限界を超えて、ユーザにより大きいサイズによる視覚的体験を提供することができ、ユーザ体験を向上することができる。
【0013】
以上の一般的な説明と以下のような詳細な説明は、例示的なものであって、本発明に対する限定として理解してはいけない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面は、明細書に組み込まれて本願明細書の一部分となり、本願発明に合致する実施例を示し、且つ明細書とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】
図1は、例示的な一つの実施例に係るモバイル機器の正面図である。
【
図2】
図2は、例示的な一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
【
図3】
図3は、例示的な別の一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
【
図4】
図4は、
図3により示される実施例に係るモバイル機器のA部分の拡大図である。
【
図5】
図5は、例示的な別の一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
【
図6】
図6は、
図5により示される実施例に係るモバイル機器のB部分の拡大図である。
【
図7】
図7は、例示的な別の一つの実施例に係るモバイル機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、例示的な実施例について詳細に説明する。以下の図面に関する説明において、別途の説明がない限り、異なる図面中の同一の符号は、同一又は類似する要素を示すこととする。以下の例示的な実施例において説明する複数の実施形態は、本発明に係る全ての実施形態を代表するわけではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される本発明の一部の態様を示す装置及び方法の例に過ぎない。
【0016】
図1は、例示的な一つの実施例に係るモバイル機器の正面図である。
図1に示されるように、前記モバイル機器は、
内部に、前記モバイル機器の機能部品(未図示)を設けるための収容空間が形成されるフレームアセンブリ1と、
前記フレームアセンブリ1の外側に設けられ、前記モバイル機器の正面、背面及び側面を包むメインスクリーンモジュール2と
を含んでもよい。
【0017】
本実施例において、フレームアセンブリ1は、モバイル機器の枠フレーム構造などを含んでもよく、内部にメインボード、電源などの機能部品を組み込んで外部からの衝撃を回避できるようにするとともに、外側のメインスクリーンモジュール2などを支持して、メインスクリーンモジュール2及びモバイル機器全体の強度を向上させることができる。
【0018】
本実施例において、メインスクリーンモジュール2でモバイル機器の正面、背面及び側面を一斉に包むことにより、モバイル機器の正面のみにスクリーンを設ける従来技術に対し、メインスクリーンモジュール2のサイズがモバイル機器の正面のサイズによって制限されることによる限界を超えて、メインスクリーンモジュール2の表示面積を大きく増大させることが出来る。また、正面、背面及び側面などの複数の面の協働による表示を行うことにより、正面のみによる表示を行う従来技術と比較して、ユーザに全く新しい視覚的効果とユーザ体験を提供することができる。
【0019】
なお、メインスクリーンモジュール2は異なる複数の構造とその実現方法を有する。以下、その中の幾つかの可能な実施例について説明するようにするが、本発明がこれらの実施例のみに限定されないのは言うまでもない。
【0020】
実施例1
図2は、例示的な一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
図2に示されるように、メインスクリーンモジュール2は、一体型の環状構造のスクリーンモジュールであってもよい。つまり、メインスクリーンモジュール2は、環状構造であり、繋ぎ目を有しない。フレームアセンブリ1及びその内部の機能部品などをメインスクリーンモジュール2のいずれかの一端面から挿入することにより、モバイル機器の組立てを完成させる。
【0021】
本実施例において、メインスクリーンモジュール2は、モバイル機器の正面、背面及び側面において一体を成すことにより、その表示内容が各面の間において完全性、連続性を保つことができるので、多面表示のメリットを最大限に発揮することができ、ユーザのユーザ体験を向上することができる。
【0022】
実施例2
図3は、例示的なもう一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
図3に示されるように、メインスクリーンモジュール2は、一体型の可撓性平面構造のスクリーンモジュールであってもよい。換言すれば、メインスクリーンモジュール2それ自体は平面構造であるが、前記平面構造でフレームアセンブリ1の外壁構造を沿ってフレームアセンブリ1の外側を包むことにより、メインスクリーンモジュール2の両側縁辺が互いに繋がるようにして、最終的にモバイル機器を形成する。
【0023】
或いは、事前に、フレームアセンブリ1のサイズに基づいて、メインスクリーンモジュール2で前記フレームアセンブリ1の形状に整合する環状構造を形成してから、フレームアセンブリ1及びその内部の機能部品を前記環状構造のいずれかの一端部から挿入して、モバイル機器の組立てを完成してもよい。当然ながら、本発明では、モバイル機器の組立方法について限定せず、
図1に示される構造に合致するモバイル機器さえ得られるのであれば、どのような組立方法を使用してもよい。
【0024】
図4は、
図3により示される実施例に係るモバイル機器のA部分の拡大図である。
図4に示されるように、前記メインスクリーンモジュール2の両側縁辺の間の繋ぎ目はモバイル機器の右側面に位置するので、面積が最大である正面と背面による表示の連続性を保つことができ、繋ぎ目の影響による違和感を減らすことができる。当然ながら、繋ぎ目はモバイル機器の任意の位置に位置してもよく、例えば、モバイル機器の左側面または正面、背面などに位置してもよく、本発明ではこれに対して限定しない。
【0025】
実施例3
図5は、例示的なもう一つの実施例に係るモバイル機器の平面図である。
図5に示されるように、
図1に示されるメインスクリーンモジュール2は、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22とを含んでもよい。換言すれば、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22はいずれも平面構造であり、メインスクリーンモジュール2がモバイル機器に取り付けられた場合、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22がフレームアセンブリ1の外壁構造に沿ってフレームアセンブリ1の外側を包み、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22とそれぞれの両側縁辺同士が互いに繋がれて、最終的にモバイル機器を形成する。
【0026】
或いは、事前に、フレームアセンブリ1のサイズに基づいて、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22で前記フレームアセンブリ1の形状に整合する環状構造を形成してから、フレームアセンブリ1及びその内部の機能部品を前記環状構造のいずれかの一端部から挿入して、モバイル機器の組立てを完成してもよい。当然ながら、本発明では、モバイル機器の組立方法について限定せず、
図1に示される構造に合致するモバイル機器さえ得られるのであれば、どのような組立方法を使用してもよい。
【0027】
上述の実施例2と類似して、第1の可撓性スクリーンモジュール21と第2の可撓性スクリーンモジュール22との間にも繋ぎ目が形成されるが、前記繋ぎ目は、例えば、
図5に示されるB部分とC部分に、つまりいずれもモバイル機器の側面に位置してもよい。これに対応して、
図6には
図5中のB部分の拡大図が示されており、該当する繋ぎ目が明確に観察される。また、C部分の場合、B部分と類似するので、ここではその説明を省略するようにする。
【0028】
繋ぎ目がモバイル機器の側面に位置する場合、面積が最大である正面と背面による表示の連続性を保つことができ、繋ぎ目の影響による違和感を減らすことが出来る。当然ながら、繋ぎ目はモバイル機器の任意の位置に位置してもよく、例えば、側面のほかにも、モバイル機器の正面、背面などに位置してもよく、本発明ではこれに対して限定しない。
【0029】
なお、モバイル機器は、上述の何れか一つの実施例における構成以外にも、さらに、前記モバイル機器の頂部端面または底部端面の中の少なくとも一つに貼り合わせられ、前記メインスクリーンモジュール2と結合して閉塞構造を形成するサブスクリーンモジュールを含んでもよい。本実施例において、サブスクリーンモジュールを加えることにより、モバイル機器の全ての端面のいずれもがスクリーンとして利用することができ、表示面積を最大限に拡大することができ、オールスクリーンを有するモバイル機器を実現することができる。
【0030】
例えば、
図7に示されるように、前記モバイル機器は、さらに、第1のサブスクリーンモジュール31と第2のサブスクリーンモジュール32とを含んでもよい。ここで、第1のサブスクリーンモジュール31は、モバイル機器の頂部端面においてメインスクリーンモジュール2と結合して第1の閉塞構造を形成し、第2のサブスクリーンモジュール32は、モバイル機器の底部端面においてメインスクリーンモジュール2と結合して第2の閉塞構造を形成する。
【0031】
当業者は、明細書を理解し、且つここに開示された発明を実施することにより、本発明の他の実施例に容易に想到することができる。本願は、本発明のあらゆる変更、用途又は修正を含むことをその趣旨とする。これらの変更、用途または修正は、本発明の一般的な原理を遵守し、本願において開示されていない本技術分野の公知常識又は慣用技術手段を含む。明細書と実施例は、単に例示的なものに過ぎない。本発明の範囲と精神は、添付の特許請求の範囲により示される。
【0032】
本発明は、以上の記載及び図面により示される正確な構造に限られることはなく、その範囲を逸脱しない限り様々な修正や変更が可能であることと、理解すべきである。本発明の範囲は、添付する特許請求の範囲のみにより限定される。
【0033】
本願は、出願番号がCN201510359811.5であり、出願日が2015年06月25日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、前記中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。