(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および
図2を参照して、自転車用電動システムを搭載する自転車10の構成について説明する。
図1に示されるように、自転車10は、車体12、フロントホイール14、および、リアホイール16を含む。また、自転車10は、自転車用電動システムとして、フロントホイール14およびリアホイール16のそれぞれの両側面を発光させる自転車用発光装置の一例である発光装置40、および、発光装置40に電力を供給する電力供給装置170を含む。フロントホイール14およびリアホイール16のそれぞれには、タイヤ18が取り付けられている。
【0024】
車体12は、フレーム本体20、フロントフォーク22、および、ハンドル24を含む。フロントフォーク22およびハンドル24は、フレーム本体20にそれぞれ取り付けられている。
【0025】
フロントホイール14は、タイヤ18が取り付けられるリム26(
図3参照)、フロントフォーク22に回転可能に連結される自転車用ハブの一例としてのハブダイナモ180、および、ハブダイナモ180とリム26とを連結する複数のスポーク28(
図3参照)を含む。ハブダイナモ180は、フロントホイール14の回転により交流電力を生成する発電機を含む。
【0026】
リアホイール16は、フレーム本体20に回転可能に連結されるハブ30、タイヤ18が取り付けられるリム(図示略)、および、ハブ30とリムとを連結する複数のスポーク(図示略)を含む。
【0027】
発光装置40は、フロントホイール14およびリアホイール16と一体的に回転可能である。発光装置40は、フロントホイール14の両側面を発光させる発光ユニット42A、および、リアホイール16の両側面を発光させる発光ユニット42Bを含む。
【0028】
発光ユニット42Aは、フロントホイール14のリム26および複数のスポーク28の全てを両側から覆うようにフロントホイール14に取り付けられる。発光ユニット42Bは、リアホイール16のリムおよび複数のスポークの全てを両側から覆うようにリアホイール16に取り付けられる。
【0029】
電力供給装置170は、フロントホイール14のハブダイナモ180、および、ハブダイナモ180から発光ユニット42A,42Bのそれぞれへの電力の供給を制御する制御装置44を含む。このように、自転車用電動システムは、自転車用電力供給装置の一例としての電力供給装置170と、ハブダイナモ180により発電された電力により駆動する電動コンポーネントの一例である発光装置40とを備える。
【0030】
図2に示されるように、電力供給装置170は、ハブダイナモ180、制御装置44、および、発光ユニット42A,42Bを電気的に接続している。これにより、ハブダイナモ180が生成する交流電力は、制御装置44を通じて発光ユニット42A,42Bに供給される。
【0031】
発光ユニット42Aは、第1の光源ユニット48、第2の光源ユニット50、第3の光源ユニット52、第4の光源ユニット54、および、駆動回路56を含む。駆動回路56は、制御装置44から第1の光源ユニット48への電流の供給を制御する。また駆動回路56は、第1の光源ユニット48に供給する電流を閾値以下に制御する電流リミッタ(図示略)を含む。また駆動回路56は、防水塗料により覆われている。
【0032】
第1の光源ユニット48および第2の光源ユニット50はフロントホイール14(
図3参照)の一方の側面に配置され、第3の光源ユニット52および第4の光源ユニット54はフロントホイール14の他方の側面に配置される。
【0033】
第1の光源ユニット48は、第1の光源58、第2の光源60、および、第1の光源58と第2の光源60とが実装される第1の実装基板62を含む。第2の光源ユニット50は、第3の光源64、第4の光源66、および、第3の光源64と第4の光源66とが実装される第2の実装基板68を含む。第3の光源ユニット52は、第1の光源70、第2の光源72、および、第1の光源70と第2の光源72とが実装される第1の実装基板74を含む。第4の光源ユニット54は、第3の光源76、第4の光源78、および、第3の光源76と第4の光源78とが実装される第2の実装基板80を含む。各光源ユニット48,50,52,54のそれぞれは、防水塗料により覆われている。このように、発光装置40は、フロントホイール14と一体的に回転可能な光源Lを備えている。光源Lは、第1の光源ユニット48、第2の光源ユニット50、第3の光源ユニット52、および、第4の光源ユニット54を含む。このため、光源Lは、第1の光源58および第2の光源60を含む。また光源Lは、第1の光源70および第2の光源72を含む。また光源Lは、第1の光源としての第3の光源64および第2の光源としての第4の光源66を含む。また光源Lは、第1の光源としての第3の光源76および第2の光源としての第4の光源78を含む。また、上述のように、発光装置40は、フロントホイール14と一体的に回転可能であり、光源Lに電流を供給する駆動回路56を備える。
【0034】
各光源58,60,64,66,70,72,76,78は、例えば発光ダイオードである。なお、各光源58,60,64,66,70,72,76,78はELランプ、ハロゲン電球、白熱電球、ネオンランプ等であってもよい。
【0035】
発光ユニット42Bは、
図2に示されるとおり、発光ユニット42Aと同様の構成であり、第1の光源ユニット48、第2の光源ユニット50、第3の光源ユニット52、第4の光源ユニット54、および、駆動回路56を含む。
【0036】
制御装置44は、ハブダイナモ180の発電機により生成された交流電力を直流電力に変換するコンバータ82、コンバータ82の電力を蓄電する蓄電ユニットの一例であるキャパシタ84、および、キャパシタ84から発光ユニット42A,42Bへの電力の供給を制御する制御部86を含む。キャパシタ84の一例は、電気二重層コンデンサである。なお、蓄電ユニットはリチウムイオン電池等の充電池であってもよい。
【0037】
電力供給装置170は、各光源58,60,64,66に電流を供給する配線の一例である配線群46A、および、各光源70,72,76,78に電流を供給する配線の一例である配線群46Bを備える。制御装置44は、配線群46Aを通じて発光ユニット42Aと電気的に接続され、配線群46Bを通じて発光ユニット42Bと電気的に接続される。
【0038】
配線群46Aは、第1の配線88、第2の配線90、第3の配線92、第4の配線94、第5の配線96、第6の配線98、および、第7の配線100を含む。第1の配線88および第7の配線100は、制御装置44と発光ユニット42Aの駆動回路56とを電気的に接続している。第2の配線90は、駆動回路56と第1の光源ユニット48とを電気的に接続している。第3の配線92は、第1の光源ユニット48と第2の光源ユニット50とを電気的に接続している。第4の配線94は、第2の光源ユニット50と第3の光源ユニット52とを電気的に接続している。第5の配線96は、第3の光源ユニット52と第4の光源ユニット54とを電気的に接続している。第6の配線98は、第4の光源ユニット54と駆動回路56とを電気的に接続している。
【0039】
配線群46Bは、第1の配線102、第2の配線104、第3の配線106、第4の配線108、第5の配線110、第6の配線112、および、第7の配線114を含む。
図2に示されるとおり、配線群46Bによる制御装置44と発光ユニット42Bの駆動回路56との接続態様、および、発光ユニット42Bの各光源ユニット48,50,52,54と駆動回路56との接続態様は、配線群46Aと同様である。
【0040】
発光装置40の動作について説明する。
フロントホイール14が回転することにともない、ハブダイナモ180が交流電力を生成する。ハブダイナモ180の交流電力は、制御装置44に供給されるとともに、コンバータ82により直流電力に変換される。そして直流電力は、キャパシタ84に供給されるとともに、発光ユニット42A,42Bの駆動回路56にそれぞれ供給される。このとき、キャパシタ84には、直流電力が充電される。発光ユニット42A,42Bの駆動回路56は、発光ユニット42A,42Bの第1の光源ユニット48、第2の光源ユニット50、第3の光源ユニット52、および、第4の光源ユニット54の順に直流電力を供給する。これにより、各光源58,60,64,66,70,72,76,78が発光する。このように、ハブダイナモ180は、フロントホイール14の回転により発電し、発電した電力を各光源58,60,64,66,70,72,76,78に供給する。コンバータ82は、ハブダイナモ180により発電された交流電力を直流電力に変換し、各光源58,60,64,66,70,72,76,78に供給する。
【0041】
フロントホイール14の回転が停止することにともない、ハブダイナモ180による交流電力の生成が停止したとき、ハブダイナモ180から制御装置44に交流電力が供給されなくなる。一方、制御装置44のキャパシタ84には、直流電力が充電されており、その直流電力が発光ユニット42A,42Bの駆動回路56にそれぞれ出力される。これにより、フロントホイール14の回転停止後もキャパシタ84が直流電力を出力する一定期間にわたり、各光源58,60,64,66,70,72,76,78の発光が維持される。
【0042】
次に、
図3〜
図17を参照して、発光ユニット42Aの詳細な構成について説明する。なお、発光ユニット42Bの構成は発光ユニット42Aの構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0043】
図3に示されるように、発光ユニット42Aは、フロントホイール14の一方側の側面を覆う保持部材の一例である第1のホイールカバー116Aと、フロントホイール14の他方側の側面を覆う保持部材の一例である第2のホイールカバー116Bとを含む。各ホイールカバー116A、116Bは、フロントホイール14と一体的に回転可能である。
【0044】
第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bはフロントホイール14に対して対称な形状である。各ホイールカバー116A,116Bは、樹脂材料により形成されている。各ホイールカバー116A,116Bは、フロントホイール14の少なくとも一部を覆うことが可能な円盤状を有する。第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bは、4本のボルト118および4個のナット120により互いに締結される。
【0045】
なお、以降の説明において、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bの各構成要素は同一の符号を用い、第2のホイールカバー116Bの構成の説明を省略する。
【0046】
第1のホイールカバー116Aは、円環状のカバー本体122、カバー本体122の内周縁から内周側に延びるハブ嵌合部124、および、カバー本体122の外周縁から外周側に延びるリム取付部126を含む。
【0047】
カバー本体122は、フロントホイール14のスポーク28を覆う。カバー本体122は、カバー本体122の内周縁から外周縁に向かうにつれてフロントホイール14の回転軸(以下、「軸方向」)における中心方向に近づくように傾斜している。
【0048】
ハブ嵌合部124は、円筒部124A、および、円筒部124Aの先端から内周側に延びる円環状のフランジ124Bを含む。ハブ嵌合部124には、ハブダイナモ180が嵌め合わせられる。
【0049】
リム取付部126は、フロントホイール14の軸方向に対して直交した平面を有する。
図4に示されるように、リム取付部126の表面側には、円環状の溝である保持部128が形成されている。
【0050】
リム取付部126において周方向に離間した4箇所には、リム取付部126を軸方向に貫通する取付孔126Aが形成されている。取付孔126Aのそれぞれは、一対の孔として形成されている。一対の孔の一方は保持部128よりも径方向の内側に形成され、一対の孔の他方は保持部128よりも径方向の外側に形成されている。取付孔126Aは、90°間隔で形成されている。
【0051】
リム取付部126において周方向に離間した2箇所には、第1基板保持部126Bおよび第2基板保持部126Cが形成されている。第1基板保持部126Bおよび第2基板保持部126Cは、4個の取付孔126Aのうちの2箇所と周方向に同じ位置となるように形成されている。各基板保持部126B,126Cは、凹部であり、保持部128を横切るように形成されている。
【0052】
保持部128において、第1基板保持部126Bの周方向の両側には第1挿入孔126Dおよび第2挿入孔126Eが形成され、第2基板保持部126Cの周方向の両側には第3挿入孔126Fおよび第4挿入孔126Gが形成されている。
【0053】
図5に示されるように、カバー本体122の裏面側には、ボルト118およびナット120(ともに
図3参照)が挿入される4個の挿入部130、および、駆動回路56(
図2参照)が形成される駆動基板132(
図12参照)を支持する駆動回路保持部の一例である支持壁134を含む。挿入部130は、カバー本体122から軸方向に延びる円筒である。支持壁134は、周方向において第1基板保持部126Bと概ね同じ位置に形成されている。支持壁134は、カバー本体122から軸方向に延びる板である。
【0054】
発光装置40は、光源Lからの光を導光する導光部材LGを備える。導光部材LGは、フロントホイール14と一体的に回転可能である。第1のホイールカバー116Aは、導光部材LGおよび光源Lを保持可能である。一例として、
図6に示されるように、リム取付部126の保持部128には、第1の光源ユニット48、第2の光源ユニット50、第1の導光部材136、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142が保持される。また保持部128には、第1の反射シート144、第2の反射シート146、第1の支持部材148、および、第2の支持部材150が保持される。なお、導光部材LGは、第1の導光部材136、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142を含む。
【0055】
図7に示されるように、第1の導光部材136は第1の光源58からの光を導光し、第2の導光部材138は第2の光源60からの光を導光し、第3の導光部材140は第3の光源64からの光を導光し、第4の導光部材142は第4の光源66からの光を導光する。
【0056】
図6に示されるように、保持部128は、第1の透光カバー152、第2の透光カバー154、第3の透光カバー156、および、第4の透光カバー158を保持する。
各導光部材136,138,140,142および各透光カバー152,154,156,158は、透光性を有する樹脂材料により形成されている。各透光カバー152,154,156,158は、無色透明な樹脂材料により形成されることが好ましい。また各透光カバー152,154,156,158は省略することが可能である。各導光部材136,138,140,142および各透光カバー152,154,156,158は、フロントホイール14(
図3参照)の周方向に沿って並べられる。各導光部材136,138,140,142は、所定方向に延びている。所定方向の一例は周方向である。
【0057】
図6に示されるとおり、各導光部材136,138,140,142および各透光カバー152,154,156,158の形状は、軸方向から見て円弧形状である。各導光部材136,138,140,142の寸法および形状は互いに等しく、各透光カバー152,154,156,158の寸法および形状は互いに等しい。各透光カバー152,154,156,158の形状は、周方向から見てU字状である。つまり各透光カバー152,154,156,158の断面形状はU字状である。各反射シート144,146および各支持部材148,150の形状は、軸方向から見て半円形状である。
【0058】
各透光カバー152,154,156,158が周方向に沿って並べられることにより円環を形成する。このため、第1の透光カバー152と第2の透光カバー154とにより第1の光源ユニット48が覆われる。第3の透光カバー156と第4の透光カバー158とにより第2の光源ユニット50が覆われる。したがって、第1の透光カバー152と第2の透光カバー154の隣接する端面に近接して光源ユニット48が配置され、第3の透光カバー156と第4の透光カバー158の隣接する端面に近接して光源ユニット50が配置される。
【0059】
リム取付部126の4箇所の取付孔126Aには、第1の固定部材160、第2の固定部材162、第3の固定部材164、および、第4の固定部材166が取り付けられる。
各固定部材160,162,164,166には、フック状の一対の爪160A,162A,164A,166Aが形成されている。一対の爪160A,162A,164A,166Aが4箇所の取付孔126Aの一対の孔に嵌合することにより各固定部材160,162,164,166がリム取付部126に取り付けられる。第1の固定部材160は、第1の透光カバー152と第2の透光カバー154との境界部分を覆う。第2の固定部材162は、第3の透光カバー156と第4の透光カバー158との境界部分を覆う。第3の固定部材164は、第1の透光カバー152と第3の透光カバー156との境界部分を覆う。第4の固定部材166は、第2の透光カバー154と第4の透光カバー158との境界部分を覆う。各固定部材160,162,164,166が各透光カバー152,154,156,158を保持部128に固定するため、各導光部材136,138,140,142が第1のホイールカバー116Aに固定される。このように、発光装置40は、光源Lを覆い、導光部材LGを保持部材(各カバーホイール116A,116B)に固定する固定部材Bを備える。固定部材Bは、第1の固定部材160および第2の固定部材162を含む。
【0060】
またリム取付部126の第1基板保持部126Bには第1の実装基板62が取り付けられ、第2基板保持部126Cには第2の実装基板68が取り付けられる。
図7に示されるように、第2の導光部材138は、第1の導光部材136から間隔を置いて配置されている。第4の導光部材142は、第3の導光部材140から間隔を置いて配置されている。
【0061】
周方向において、第1の導光部材136と第2の導光部材138との間には、第1の実装基板62が配置されている。第1の実装基板62の一方の主面62Aには第1の光源58が実装され、第1の実装基板62の他方の主面62Bには第2の光源60が実装されている。周方向において、第3の導光部材140と第4の導光部材142との間には、第2の実装基板68が配置されている。第2の実装基板68の一方の主面68Aには第3の光源64が実装され、第2の実装基板68の他方の主面68Bには第4の光源66が実装されている。第1の実装基板62は第1の透光カバー152と第2の透光カバー154(ともに
図6参照)との境界部分に位置し、第2の実装基板68は第3の透光カバー156と第4の透光カバー158(ともに
図6参照)との境界部分に位置する。なお、各第1〜第4の光源58,60,64,66を個別に実装する実装基板を設けてもよい。
【0062】
図8に示されるように、第1の導光部材136は、第1の支持部材148により支持され、第2の導光部材138は、第2の支持部材150により支持される。第1の支持部材148の支持面148Aには、第1の反射シート144が取り付けられ、第2の支持部材150の支持面150Aには、第2の反射シート146が取り付けられる。なお、
図8では図示していないが、第3の導光部材140は、第2の支持部材150により支持され、第4の導光部材142は、第1の支持部材148により支持される。
【0063】
導光部材LGは、光源Lからの光が入射する入射面LG1、入射面LG1から入射した光を反射する反射面LG2、および、反射面LG2に対向する発光面LG3を含む。例えば、
図8に示されるように、導光部材LGの一例である第1の導光部材136は、第1の光源58(
図7参照)からの光が入射する入射面LG1である第1入射面136A、第1入射面136Aから入射した光を反射する反射面LG2である第1反射面136B、および、第1反射面136Bに対向する発光面LG3である第1発光面136Cを含む。第1入射面136Aは、第1の導光部材136の周方向の一方の端面として形成されている。
図8に示すとおり、第1入射面136Aは、第1の導光部材136の長手方向となる周方向の一方の端部のみに設けられている。第1反射面136Bは、第1入射面136Aから第1の導光部材136の周方向の他方の端面に向かうにつれて第1発光面136Cに近づくように傾斜している。第1発光面136Cは、軸方向に直交する平面を形成している。このため、第1の導光部材136は、長手方向となる周方向において、第1の導光部材136の一方の端部から他方の端部に向かうにつれて厚みが減少する。
【0064】
図9に示されるように、第1反射面136Bは、反射パターン136Dを含む。反射パターン136Dの密度分布は、第1の導光部材136の長手方向となる周方向に沿って異なる。反射パターン136Dは、第1反射面136Bにプリントされた白色のドットである。なお、反射パターン136Dの密度とは単位面積当たりのドットの数である。
【0065】
第1の導光部材136は、第1反射面136Bに、第1の導光部材136の長手方向となる周方向の一方の端部側の第1領域R1、第1の導光部材136の周方向の他方の端部側の第2領域R2、および、第1の導光部材136において第1領域R1と第2領域R2との間の第3領域R3を含む。第3領域R3における反射パターン136Dの密度が第1領域R1における反射パターン136Dの密度および第2領域R2における反射パターン136Dの密度よりも低い。
図9に示されるとおり、第1の導光部材136の周方向の両端部から周方向の中央部に向けて反射パターン136Dの密度が徐々に小さくなるように反射パターン136Dが形成されている。また、反射パターン136Dは、反射面LG2に形成された凹凸や反射面LG2に貼り付けられた反射シートであってもよい。要するに、光源Lからの光が発光面LG3に向けて反射するように反射面LG2が形成されていればよい。
【0066】
図8に示されるように、第2の導光部材138は、第2の光源60(
図7参照)からの光が入射する第2入射面138A、第2入射面138Aから入射した光を反射する第2反射面138B、および、第2反射面138Bに対向する第2発光面138Cを含む。第2入射面138Aは、第2の導光部材138の周方向の一方の端面として形成されている。
図8に示すとおり、第2入射面138Aは、第2の導光部材138の長手方向となる周方向の一方の端部のみに設けられている。第2反射面138Bは、第2入射面138Aから第2の導光部材138の周方向の他方の端面に向かうにつれて第2発光面138Cに近づくように傾斜している。第2発光面138Cは、軸方向に直交する平面を形成している。このため、第2の導光部材138は、長手方向となる周方向において、第2の導光部材138の一方の端部から他方の端部に向かうにつれて厚みが減少する。なお、第2反射面138Bの反射パターンは、
図9に示される第1反射面136Bの反射パターン136Dと同様の形状である。
【0067】
第1の支持部材148は、支持面148A、および、支持面148Aと対向する配置面148Bを含む。配置面148Bは、軸方向に直交する平面を形成している。支持面148Aは、第1の支持部材148において、第1の支持部材148の一方の端部から第1の支持部材148の周方向の中央部に向かうにつれて配置面148Bから遠ざかるように傾斜している。このため、第1の支持部材148は、第1の支持部材148の一方の端部から第1の支持部材148の周方向の中央部に向かうにつれて厚みが増加する。また、
図8には図示していないが、第1の支持部材148は、第1の支持部材148の周方向の中央部から第1の支持部材148の他方の端部に向かうにつれて厚みが減少する。
【0068】
第2の支持部材150は、支持面150A、および、支持面150Aと対向する配置面150Bを含む。支持面150Aおよび配置面150Bは、第1の支持部材148の支持面148Aおよび配置面148Bと同様の構成である。なお、第1の反射シート144の厚さおよび第2の反射シート146の厚さは周方向において一様であり、互いに等しい。
【0069】
図10に示されるように、第1の実装基板62は、各主面62A,62Bが軸方向と平行するように第1基板保持部126Bに配置されている。このため、
図11に示されるように、各主面62A,62Bが第1入射面136Aおよび第2入射面138Aと対向している。このため、第1の光源58および第2の光源60は、第1入射面136Aおよび第2入射面138Aの間に配置されている。また、第1の実装基板62は、第1入射面136Aおよび第2入射面138Aの間に配置されている。
【0070】
光源Lは、その光軸がフロントホイール14(
図3参照)の回転軸と異なる方向を向くように取り付け可能である。光源Lの光軸は、フロントホイール14の回転軸と直交する方向と実質的に平行である。
図11に示されるとおり、第1の光源58は、第1入射面136Aに光軸(一点鎖線)が交差するように配置され、第2の光源60は、第2入射面138Aに光軸(一点鎖線)が交差するように配置されている。第1の光源58の光軸は、第1入射面136Aと直交し、第2の光源60の光軸は、第2入射面138Aと直交している。
【0071】
なお、
図6に示されるように、第3の導光部材140および第4の導光部材142は、第1の導光部材136および第2の導光部材138と同形状である。また、
図7に示されるように、第3の導光部材140および第4の導光部材142と、第3の光源64、第4の光源66、および、第2の実装基板68との配置関係は、第1の導光部材136および第2の導光部材138と、第1の光源58、第2の光源60、および、第1の実装基板62との配置関係と同様である。
【0072】
図12に示されるように、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bが互いに組み付けられた状態において、駆動基板132は、第1のホイールカバー116Aのカバー本体122と第2のホイールカバー116Bのカバー本体122とにより挟まれている。このため、駆動基板132は、第1のホイールカバー116Aと第2のホイールカバー116Bとにより形成された内部空間に収容されている。これにより、駆動基板132は、フロントホイール14と一体回転可能に保持される。駆動基板132は、例えばねじ(図示略)により第1のホイールカバー116Aの支持壁134に固定されている。駆動回路保持部の一例である支持壁134は、駆動回路56の駆動基板132をフロントホイール14(
図3参照)の回転軸方向に沿って保持する。
【0073】
図13は、第4の導光部材142、第2の反射シート146、第2の支持部材150、第4の透光カバー158、および、第3の配線92が保持部128により保持された状態を示している。
【0074】
図13に示されるように、保持部128は、第1保持部128A、第2保持部128B、および、第3保持部128Cを含む。第1のホイールカバー116Aの表側から裏側に向けて、第1保持部128A、第2保持部128B、および、第3保持部128Cの順に形成されている。また、第1保持部128Aの径方向の幅、第2保持部128Bの径方向の幅、および、第3保持部128Cの径方向の幅の順に小さくなる。
【0075】
第1保持部128Aには、第4の透光カバー158が嵌め合わせられている。第1保持部128Aおよび第2保持部128B内には、第4の導光部材142、第2の反射シート146、および、第2の支持部材150が配置されている。
図13に示すとおり、第4の導光部材142は、第4の透光カバー158内に配置され、第4の透光カバー158により軸方向および径方向に覆われている。なお、第4の導光部材142の周方向の一方の端部では、第4の導光部材142の一部が第4の透光カバー158よりも第2保持部128B側に突出する。また第2の支持部材150の周方向の中央部では、第4の透光カバー158内に配置される部分を有する。第3保持部128C内には、第3の配線92が配置されている。なお、他の導光部材、反射シート、支持部材、透光カバー、および、配線群についても同様に保持部128により保持される。このように、第1のホイールカバー116Aは、配線を保持する配線保持部としての第3保持部128Cを備える。また
図13に示されるとおり、導光部材は、フロントホイール14(
図3参照)の回転軸方向から見て、配線と重なるように第1のホイールカバー116Aに取り付け可能である。配線保持部は、フロントホイール14(
図3参照)の周方向に沿って配線を保持可能である。
【0076】
次に、配線群46Aによる各ホイールカバー116A,116Bにおける配線について説明する。
図14に示されるように、第1のホイールカバー116Aの裏面側には、制御装置44(
図2参照)に接続された第1の配線88および第7の配線100がハブダイナモ180およびハブ嵌合部124を通じて駆動基板132に接続されている。駆動基板132の一方の主面132Aには、第1の配線88が接続され、駆動基板132の他方の主面132Bには、第7の配線100が接続されている。また駆動基板132の一方の主面132Aには、第2の配線90が接続され、駆動基板132の他方の主面132Bには、第6の配線98が接続されている。第2の配線90は、第1挿入孔126Dに挿入されている。
【0077】
図15に示されるように、第2の配線90は、第1挿入孔126Dを通じて第1のホイールカバー116Aの表面側の保持部128(第3保持部128C)に引き出される。そして第2の配線90は、第1の実装基板62の一方の主面62Aに接続されている。第1の実装基板62の他方の主面62Bには、第3の配線92が接続されている。
図15に示されるとおり、第3の配線92は、軸方向から見て第3保持部128Cの半円の領域内に配線され、第2の実装基板68の他方の主面68Bに接続されている。第2の実装基板68の一方の主面68Aには、第4の配線94が接続されている。第4の配線94は、第3挿入孔126Fに挿入され、
図14に示されるように、第1のホイールカバー116Aの裏面側を通じて、第2のホイールカバー116B(
図16参照)の裏面に引き出される。
【0078】
図16に示されるように、第4の配線94は、第2のホイールカバー116Bの裏面側から第1挿入孔126Dに挿入される。
図17に示されるように、第4の配線94は、第1挿入孔126Dを通じて第2のホイールカバー116Bの表面側に引き出される。そして第4の配線94は、第3の光源ユニット52の第1の実装基板74の一方の主面74Aに接続されている。第1の実装基板74の他方の主面74Bには、第5の配線96が接続されている。
図17に示されるとおり、第5の配線96は、第2のホイールカバー116Bの第3保持部128Cの半円の領域内に配線され、第4の光源ユニット54の第2の実装基板80の他方の主面80Bに接続されている。第2の実装基板80の一方の主面80Aには、第6の配線98が接続されている。第6の配線98は、第3挿入孔126Fに挿入され、
図17に示されるように、第2のホイールカバー116Bの裏面側を通じて、
図14に示される第1のホイールカバー116Aの裏面側に引き出される。そして
図14に示されるとおり、駆動基板132の他方の主面132Bに接続されている。
【0079】
次に、
図18〜
図27を参照して、上述の構成の発光ユニット42Aに電力を供給するためのハブダイナモ180の詳細な構成について説明する。
ハブダイナモ180は、フロントホイール14の複数のスポーク28(ともに
図3参照)が取り付けられ、フロントホイール14と一体的に回転するハブシェル182を含む。ハブシェル182には、フロントフォーク22(
図1参照)に固定されるハブシャフト184が挿入されている。ハブシェル182は、ハブシャフト184に対して相対回転可能に支持されている。ハブシャフト184は、軸方向に延びている。ハブシャフト184には、ハブシャフト184の軸方向の一方の端部から他方側に向けて延びる溝形状の配線収容部186が形成されている。またハブシャフト184において軸方向に間隔を置いた部分には、第1のねじ部188および第2のねじ部190が形成されている。
【0080】
ハブシェル182とハブシャフト184との間には、ハブシャフト184に対してハブシェル182を相対回転可能に支持する第1の軸受192、第2の軸受194、および、第3の軸受196が配置されている。各軸受192,194,196は、玉軸受である。なお、各軸受192,194,196は、転がり軸受であれば、玉軸受に代えてころ軸受等の他の軸受であってもよい。第1の軸受192および第2の軸受194は、ハブシェル182の軸方向の一方側の端部に配置され、第3の軸受196は、ハブシェル182の軸方向の他方側の端部に配置されている。
図18に示されるとおり、第1の軸受192および第2の軸受194は、ハブシャフト184の軸方向において間隔を置いて配置されている。
【0081】
ハブシェル182とハブシャフト184との間には、ハブシェル182の一方の端部とハブシャフト184との間をシールする第1のシール部材198、および、ハブシェル182の他方の端部とハブシャフト184との間をシールする第2のシール部材200が取り付けられている。
【0082】
ハブシェル182は、密閉された内部空間を有する円筒状に形成され、ハウジング202およびブラケット204を含む。
ハウジング202は、例えば金属材料により形成されている。ハウジング202(ハブシェル182)は、軸方向に延びる円筒部206、および、円筒部206の軸方向の端部に設けられた側壁208を備える。ブラケット204は、円筒部206の軸方向の一方の端部に取り付けられる。ここで、ブラケット204は円筒部206の軸方向の一方側の第1の開口部206Aを閉じる第1の側部を構成し、側壁208は円筒部206の軸方向の他方側の第2の開口部206Bを閉じる第2の側部を構成する。なお、
図18では円筒部206と側壁208とは単一部材により形成されているが、個別に形成された円筒部206および側壁208がねじ固定、溶接、または接着により組み付けられることにより構成されてもよい。またハウジング202は樹脂材料により形成されてもよい。
【0083】
第2の側部である側壁208は、ハブシャフト184との間に第2の軸受取付部208Aを含む。第2の軸受取付部208Aは、ハブシェル182の他方の端部とハブシャフト184の他方の端部との間に設けられる。第2の軸受取付部208Aには第3の軸受196が少なくとも部分的に支持されている。第2の軸受取付部208Aには、第2のシール部材200が取り付けられている。
【0084】
第3の軸受196は、第2のねじ部190に螺合される内輪210と、内輪210の軸方向の一方側の端部から隙間を置いて配置された外輪212と、内輪210と外輪212との間に配置された複数個の転動体214とを含む。
【0085】
ハブシェル182内には、発電機が配置されている。具体的には、ハウジング202内には、ハブダイナモ180における発電機の構成要素である電機子216、4個の永久磁石218、および、円筒状のバックヨーク220が収容されている。4個の永久磁石218は、周方向にN極およびS極が交互になるように配置されている。なお、永久磁石218は、1個のリング状の永久磁石でもよいし、2個、3個、または5個以上の永久磁石が周方向に並べられる構成であってもよい。
【0086】
電機子216は、クロポール型の電機子である。電機子216は、円筒状のボビン222、および、ボビン222に導電線が巻回されて形成されたコイル224を含む。また電機子216は、ボビン222の軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて延びる複数の第1の爪226、および、ボビン222の軸方向の他方の端部から一方の端部に向けて延びる複数の第2の爪228を含む。複数の第1の爪226および複数の第2の爪228は、磁性体であり、周方向に交互に配置されるようにボビン222に取り付けられている。
【0087】
電機子216は、第1の規制機構230および第2の規制機構232により軸方向に挟み込まれることにより、ハブシャフト184に対する軸方向の位置が決められるとともに軸方向の移動が規制される。
【0088】
第1の規制機構230は、ボビン222の軸方向の一方の端部と接触する第1押え板234、第1押え板234に固定される第2押え板236、および、ボビン222との間で各押え板234,236を挟み込むロックナット238を含む。
【0089】
第2の規制機構232は、ボビン222の軸方向の他方の端部と接触する円環板となる押え板240、および、ボビン222との間で押え板240を挟み込むロックナット242を含む。ロックナット242は、ハブシャフト184に固定されている。
【0090】
バックヨーク220は、磁性体であり、ハウジング202の円筒部206に固定されている。バックヨーク220の内周面には、4個の円弧状の永久磁石218が固定されている。4個の永久磁石218は、周方向に並べられ、第1の爪226および第2の爪228と隙間を置いて対向している。
【0091】
ブラケット204は、例えばアルミニウムなどの金属材料により形成されている。第1の側部の一例であるブラケット204は、ハブシャフト184との間に第1の軸受取付部244を含む。第1の軸受取付部244は、ハブシェル182の一方の端部とハブシャフト184の一方の端部との間に設けられる。
図18に示すとおり、第1の軸受192および第2の軸受194は、第1の軸受取付部244に少なくとも部分的に支持されている。第1の軸受取付部244には、第1のシール部材198が取り付けられる。なお、ブラケット204は樹脂材料により形成されてもよい。
【0092】
第1の軸受取付部244は、第1の軸受192が取り付けられる第1の取付部244A、および、第2の軸受194が取り付けられる第2の取付部246を含む。第1の取付部244Aと第2の取付部246とは、軸方向に隣り合うように形成されている。
【0093】
第1の軸受192は、ハブシャフト184に間接的に支持される内輪248、内輪248から間隔を置いて配置されるとともに第1の取付部244Aに間接的に支持される外輪250、および、内輪248と外輪250との間に配置される複数の転動体252を含む。内輪248、外輪250、および、複数の転動体252は、金属製である。
【0094】
第2の軸受194は、ハブシャフト184に固定される内輪254、内輪254から隙間を置いて配置されるとともに第2の取付部246に取り付けられる外輪256、および、内輪254と外輪256との間に配置される複数の転動体258を含む。内輪254、外輪256、および、複数の転動体258は、金属製である。
【0095】
ハブシャフト184において内輪254の軸方向の両側には、第1の規制部材260および第2の規制部材262が固定されている。第1の規制部材260は、ハブシャフト184の第1のねじ部188に螺合されている。これにより、内輪254の軸方向の移動が規制される。
【0096】
ハブシェル182内には、第1の軸受取付部244に取り付けられ、第1の軸受192の外輪250を保持する端子ユニット264、および、ハブシャフト184に取り付けられ、第1の軸受192の内輪248を保持する軸受保持部材266が収容されている。これにより、第1の側部であるブラケット204は、絶縁部材の一例である端子保持部材272を保持している。
【0097】
図18に示されるとおり、端子ユニット264は、制御装置44と駆動基板132とを電気的に接続するための第1の配線88および第7の配線100の一部を構成している。
図19に示されるように、端子ユニット264は、第1の端子268、第2の端子270、および、第1の端子268と第2の端子270とを保持する円筒状の端子保持部材272を含む。
図18に示されるとおり、第1の端子268および第2の端子270は、ハブシェル182内に配置されている。
【0098】
端子保持部材272は、電気絶縁性の樹脂材料により形成されている。端子保持部材272は、円筒部274、および、円筒部274の軸方向の端部から内周側に延びるフランジ276を含む。円筒部274の内周側には、第1の端子268が取り付けられるための第1取付部274Aが形成され、円筒部274の外周側には、第2の端子270が取り付けられるための第2取付部274Bが形成されている。第1取付部274Aおよび第2取付部274Bは、周方向に互いに間隔を置いて形成されている。第1取付部274Aは、円筒部274の外周部分を内周側に凹ませた溝であり、第2取付部274Bは、円筒部274の内周部分を外周側に凹ませた溝である。
図18に示すとおり、絶縁部材の一例である端子保持部材272は、第1の軸受192と第2の軸受194との間に配置されている。端子保持部材272は、第1の軸受192と第2の軸受194を電気的に絶縁することが可能である。
【0099】
第1の端子268は、第1取付部274Aにおいて例えば溶着または接着により固定される。第2の端子270は、第2取付部274Bにおいて着脱可能に取り付けられる。これにより、端子保持部材272は、第1の端子268を保持する。
【0100】
図20に示されるように、第1の端子268は、曲げ加工によりL字状に形成されている。第1の端子268の一方の端部には、僅かに曲げられた接触部268Aが形成されている。
【0101】
図21に示されるように、第2の端子270は、曲げ加工により形成されている。第2の端子270は、概ね直角に曲げられた第1屈曲部270A、第2屈曲部270B、および、第3屈曲部270Cを含む。第2の端子270の一方の端部には、僅かに曲げられた接触部270Dが形成されている。
【0102】
次に、
図22〜
図25を参照して、軸受保持部材266、および、第1の規制機構230の詳細な構成について説明する。
図22に示されるように、軸受保持部材266は、第1円筒部278、第1円筒部278よりも外径が大きい第2円筒部280、および、第1円筒部278と第2円筒部280とを径方向に連結するフランジ282を含む。軸受保持部材266には、端子284が取り付けられる。
【0103】
第1円筒部278には、端子284が取り付けられるための溝である端子取付部278Aが形成されている。第2円筒部280の先端部における周方向の一部には、切欠部280Aが形成されている。フランジ282には、軸方向においてフランジ282を貫通する4個の貫通孔282Aが形成されている。4個の貫通孔282Aは、90°間隔で形成されている。
【0104】
第1の規制機構230の第1押え板234には、ハブシャフト184が挿入されるシャフト挿入孔234A、シャフト挿入孔234Aの周方向の一部が径方向に延びる挿入孔234Bが形成されている。
【0105】
第1押え板234においてシャフト挿入孔234Aよりも外周部分には、4個の開口部234Cおよび2個の固定孔234Dが周方向に間隔を置いて形成されている。4個の開口部234Cは90°間隔で形成され、2個の固定孔234Dは180°間隔で形成されている。各固定孔234Dは、周方向に隣り合う開口部234Cの間に形成されている。
【0106】
第1押え板234の外周部分には、3個の回り止め部234Eが周方向に間隔を置いて形成されている。回り止め部234Eは、第1押え板234の外周縁から折り曲げられた爪である。
【0107】
第2押え板236は、ハブシャフト184の周方向の一部に配置される。第2押え板236には、板本体236Aを軸方向に貫通し、ハブシャフト184が挿入されるシャフト挿入部236Bが形成されている。第2押え板236は、シャフト挿入部236Bから連続するとともに板本体236Aからハブシャフト184を囲うように延びる一対の延長部236Cが形成されている。
【0108】
板本体236Aにおいてシャフト挿入部236Bよりも外周部分には、径方向に延びる2個の開口部236D、および、軸方向に延びる2個の固定爪236Eが形成されている。各開口部236Dの径方向の内縁、および、各延長部236Cの外縁には、径方向に延びる回り止め部236Fが形成されている。2個の固定爪236Eは180°間隔で形成されている。4個の回り止め部236Fは90°間隔で形成されている。
【0109】
ロックナット238は、ハブシャフト184に固定される円筒部238A、および、円筒部238Aの軸方向の端部から径方向に延びるフランジ238Bを含む。フランジ238Bは、軸方向から見て六角形に形成されている。
【0110】
図23に示されるように、第1押え板234は、第1の爪226の軸方向の一方の端面に載置されている。この状態において、各回り止め部234Eは、周方向に隣り合う第1の爪226の間に配置されている。回り止め部234Eは、第1の爪226側に折り曲げられることにより、周方向に隣り合う第1の爪226に嵌め合わせられる。これにより、電機子216に対する第1押え板234の回転が制限される。
【0111】
また第1押え板234は、挿入孔234Bが周方向においてハブシャフト184の配線収容部186と同じ位置となるように配置されている。
第2押え板236は、第1押え板234の固定孔234D(
図22参照)に固定爪236Eが嵌め合わせられることにより、第1押え板234に固定される。この状態において、第2押え板236の回り止め部236Fは、第1押え板234の4個の開口部234Cと同じ位置となる。
【0112】
図24に示されるように、ハブシャフト184に取り付けられたロックナット238は、第2押え板236に接触している。この状態において、第2押え板236の4個の回り止め部236Fがロックナット238に向けて折り曲げられることにより、4個の回り止め部236Fがロックナット238のフランジ238Bの側面における平面部分に接触する。これにより、第2押え板236に対するロックナット238の回転が制限される。
【0113】
コイル224(
図18参照)の巻き始めの端部には、導線としての第1引出線286が接続され、コイル224の巻き終わりの端部には、導線としての第2引出線288が接続されている。そして第1引出線286および第2引出線288は、制御装置44のコンバータ82(
図18参照)に接続されている。このように、電力供給装置170(
図2参照)は、コイル224を含む発電機と制御装置44のコンバータ82とを電気的に接続する第1の配線としての第1引出線286および第2の配線としての第2引出線288を備える。第1引出線286および第2引出線288は、第1押え板234のシャフト挿入部236Bおよびロックナット238の内部を通じてハブシャフト184の配線収容部186に収容される。すなわち、ハブシャフト184は、第1の配線としての第1引出線286および第2の配線としての第2引出線288を収容する配線収容部186を含む。
【0114】
図25に示されるように、ハブシャフト184に取り付けられた軸受保持部材266は、ロックナット238(
図24参照)を覆うとともに第1押え板234および第2押え板236と接触している。軸受保持部材266の切欠部280Aには、第2押え板236が嵌め合わせられている。これにより、第2押え板236に対する軸受保持部材266の回転が制限される。
【0115】
次に、
図26を参照して、第1の軸受192および第2の軸受194およびその周辺の詳細な構成について説明する。
第1の軸受取付部244には、第1の取付部244Aの一部を軸方向に凹ませた円環状の溝である円環溝244Bが形成されている。円環溝244Bには、端子ユニット264の端子保持部材272のフランジ276が収容されている。
【0116】
第2の取付部246は、軸方向に延びる円筒部290、および、円筒部290における電機子216側の端部から径方向の内側に延びるフランジ292を含む。円筒部290における電機子216側の部分の周方向の一部には、軸方向に延びる溝290Aが形成されている。フランジ292には、フランジ292を軸方向に貫通して溝290Aと連通する貫通孔292Aが形成されている。
【0117】
端子ユニット264の第1の端子268は、端子保持部材272の円筒部274において電機子216側の端部を覆うように端子保持部材272に取り付けられている。
図26に示されるとおり、第1の端子268は、第1の軸受192の外輪250と端子保持部材272の円筒部274とにより挟み込まれている。第1の端子268の接触部268Aは、第1の軸受192の外輪250に接触している。
【0118】
端子ユニット264の第2の端子270は、端子保持部材272の円筒部274において第1の軸受192側の端部およびフランジ276を覆うように端子保持部材272に取り付けられている。第2の端子270は、端子保持部材272とブラケット204とにより挟み込まれている。また第2の端子270は、ブラケット204の第2の取付部246の貫通孔292Aに挿入されている。そして第2の端子270の接触部270Dは、第2の取付部246の溝290Aに収容されている。
図26に示されるとおり、接触部270Dは第2の軸受194の外輪256に接触している。また
図26に示されるように、ブラケット204および第2の軸受194は、第2の端子270を挟み込んでいる。
【0119】
軸受保持部材266は、フランジ282および第1円筒部278により第1の軸受192の内輪248を保持する。第1円筒部278に取り付けられた端子284は、内輪248と接触している。
【0120】
次に第1の配線88および第7の配線100の導通経路について説明する。
第1の配線88は、制御装置44(
図18参照)に接続される第1の導線88A、および、駆動基板132に接続される第2の導線88Bを含む。第1の導線88Aは、制御装置44のコンバータ82と電気的に接続される。
図26に示されるとおり、第1の導線88Aは、ハブシャフト184の配線収容部186に収容され、軸受保持部材266の端子284に接続されている。第2の導線88Bは、第1の端子268に接続され、ブラケット204に形成された第1の挿入孔294に挿入される。第1の挿入孔294からハブシェル182の外部に引き出された第2の導線88Bは、第1のホイールカバー116A(
図12および
図14参照)の裏側において駆動基板132に接続される。
【0121】
第1の軸受192は、複数の転動体252が内輪248および外輪250のそれぞれに接触しているため、第1の導線88Aと第2の導線88Bとを電気的に接続する導通経路を構成している。すなわち、第1の軸受192は、ハブシェル182とハブシャフト184との間に設けられる第1の通電部を構成している。詳細には、第1の軸受192は、ハブシェル182と一体的に回転する外輪250が第1の電気接点を構成し、ハブシャフト184に軸受保持部材266を介して保持されることによりハブシャフト184に対して相対回転不能に支持される内輪248が第2の電気接点を構成している。複数の転動体252を介して第1の電気接点と第2の電気接点とが電気的に接続されている。また、第1の端子268が第1の軸受192の外輪250に接触していることにより、第1の端子268は第1の電気接点に接続されている。このため、第1の導線88Aは、コンバータ82と第1の端子268とを電気的に接続する第3の配線を構成している。このように、第1の配線88は、第1の導線88A、軸受保持部材266の端子284、第1の軸受192、第1の端子268、および、第2の導線88Bにより構成されている。
【0122】
第7の配線100は、制御装置44に接続される第1の導線100A、および、駆動基板132に接続される第2の導線100Bを含む。第1の導線100Aは、制御装置44のコンバータ82と電気的に接続される。
図26に示されるとおり、第1の導線100Aは、ハブシャフト184の配線収容部186に収容され、第2の軸受194の内輪254に接続されている。第2の導線100Bは、第2の端子270に接続され、ブラケット204に形成された第2の挿入孔296に挿入される。第2の挿入孔296からハブシェル182の外部に引き出された第2の導線100Bは、第1のホイールカバー116Aの裏側において駆動基板132に接続される。
【0123】
第2の軸受194は、複数の転動体258が内輪254および外輪256のそれぞれに接触しているため、第1の導線100Aと第2の端子270とを電気的に接続する導通経路を構成している。すなわち、第2の軸受194は、ハブシェル182とハブシャフト184との間に設けられる第2の通電部を構成している。詳細には、第2の軸受194は、ハブシェル182と一体的に回転する外輪256が第3の電気接点を構成し、ハブシャフト184に固定される内輪254が第4の電気接点を構成する。そして第2の軸受194は、複数の転動体258を介して第3の電気接点と第4の電気接点とが電気的に接続されている。また、第2の端子270が第2の軸受194の外輪256に接触していることにより、第2の端子270は第3の電気接点に接続されている。このため、第1の導線100Aは、コンバータ82と第2の端子270とを電気的に接続する第4の配線を構成している。このように、第7の配線100は、第1の導線100A、第2の軸受194、第2の端子270、および、第2の導線100Bにより構成されている。
【0124】
図27に示されるように、第1の端子268および第2の端子270は、周方向に隙間を置いて並べられている。また第1の挿入孔294および第2の挿入孔296は、周方向に隙間を置いて並べて形成されている。第1の端子268の径方向の外端部と第2の端子270の径方向の外端部との周方向の間の距離は、第1の挿入孔294と第2の挿入孔296との周方向の間の距離よりも大きい。
【0125】
本実施形態の作用について説明する。
まず、ハブダイナモ180に関する作用について説明する。
フロントホイール14が回転することにともない、電機子216に対して永久磁石218が回転するため、電磁誘導により電機子216のコイル224に交流電力が生成される。コイル224に生じた交流電力は、第1引出線286および第2引出線288を通じて制御装置44に供給される。そして制御装置44では、コンバータ82によりコイル224の交流電力を直流電力に変換して、第1の配線88の第1の導線88Aに供給する。
【0126】
第1の導線88Aに供給された直流電力は、第1の軸受192および第2の導線88Bを通じて、フロントホイール14と一体的に回転する駆動回路56に供給される。このため、駆動回路56により各光源ユニット48,50,52,54が発光する。
【0127】
第1の軸受192において、複数の転動体252を通じて、フロントホイール14と一体的に回転しない内輪248と、フロントホイール14と一体的に回転する外輪250とが電気的に接続される。また、第2の軸受194についても、複数の転動体258を通じて、フロントホイール14と一体的に回転しない内輪254とフロントホイール14と一体的に回転する外輪256とが電気的に接続されている。このため、フロントホイール14と一体的に回転しない制御装置44からの直流電力をフロントホイール14と一体的に回転する駆動回路56に供給することができる。
【0128】
次に、発光ユニット42A,42Bの作用について説明する。
例えば駆動回路56により第1の光源ユニット48の第1の光源58が発光するとき、第1の光源58が第1の導光部材136の第1入射面136Aに入射される。第1入射面136Aに入射された光は、第1反射面136Bに形成された反射パターン136Dにより反射して第1発光面136Cおよび第1の透光カバー152を介して第1のホイールカバー116Aの側面の外側に出射される。これにより、第1の導光部材136は、第1発光面136Cの周方向の全体にわたり発光する。また、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142についても同様に発光するため、第1のホイールカバー116Aを側面から見たとき、各導光部材136,138,140,142により円環状に発光しているように見える。
【0129】
特に、フロントホイール14が回転しているときに第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bを側面から見たときに円環状に発光しているように見える。一方、フロントホイール14の回転が停止したとき、制御装置44のキャパシタ84がフロントホイール14の回転中に充電されているため、キャパシタ84の放電により一定期間にわたり第1の光源ユニット48および第2の光源ユニット50が発光する。このため、フロントホイール14の回転が停止したときでも一定期間にわたり、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bを側面から見たときに円環状に発光しているように見える。なお、リアホイール16についても同様の作用を生じる。
【0130】
本実施形態は以下の効果を奏する。なお、以下の効果は、第2のホイールカバー116Bや発光ユニット42Bに対しても同様に奏する。
(1)発光ユニット42Aは、フロントホイール14と一体的に回転可能な第1の光源58と、フロントホイール14と一体的に回転可能な第1の導光部材136とを備える。これにより、第1の光源58が発光する限り、第1の導光部材136の全体が発光するため、発光ユニット42Aの視覚的効果がフロントホイール14の回転速度に強く依存することが抑制される。
【0131】
(2)第1の光源58は、フロントホイール14の回転軸と直交する方向と実質的に平行している。このため、第1の光源58がフロントホイール14の回転軸と平行する方向に第1の導光部材136を照射する場合と比較して、第1の導光部材136のより広い領域を発光させることができる。なお、第2の光源60と第2の導光部材138、第3の光源64と第3の導光部材140、および、第4の光源66と第4の導光部材142についても同様の効果を奏する。
【0132】
(3)第1の導光部材136は、第1のホイールカバー116Aの側面に沿う方向に延びる。このため、例えば第1の導光部材136がフロントホイール14の回転軸と平行する方向に延びる構成と比較して、第1のホイールカバー116Aを側面から見て、より広い領域を発光させることができる。なお、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142についても同様の効果を奏する。
【0133】
(4)発光ユニット42Aは、フロントホイール14と一体的に回転可能な第2の光源60と、フロントホイール14と一体的に回転可能な第2の導光部材138とをさらに備える。このため、第1のホイールカバー116Aを側面から見て、より広い領域を発光させることができる。また、発光ユニット42Aは、第3の光源64および第4の光源66と、第3の導光部材140および第4の導光部材142とをさらに備えることにより、第1のホイールカバー116Aにおける一層広い領域を発光させることができる。
【0134】
(5)第1の導光部材136および第2の導光部材138が周方向に沿って並べられることにより、第1のホイールカバー116Aを側面から見たときに発光する領域が周方向に広くなる。このため、フロントホイール14がより低速回転であっても発光する領域が円環状に見えやすくなる。
【0135】
(6)第1の実装基板62には、第1の光源58および第2の光源60が実装されている。このため、第1の光源58が実装される実装基板および第2の光源60が実装される実装基板を含む構成と比較して、発光ユニット42Aの部品点数を少なくすることができる。加えて、第1の導光部材136の第1入射面136Aと第2の導光部材138の第2入射面138Aとの周方向の間の距離を小さくすることができる。なお、第3の光源64、第4の光源66、および、第2の実装基板68についても同様の効果を奏する。
【0136】
(7)第1の導光部材136は、周方向において、第1入射面136Aが形成される一方の端部から他方の端部に向かうにつれて厚みが減少する。詳細には、第1反射面136Bが一方の端部から他方の端部に向かうにつれて第1の光源58の光軸に近づくように傾斜している。このため、第1の光源58の光が反射パターン136Dに照射されやすくなる。したがって、第1の光源58の光が第1発光面136Cに効率よく出射することができる。なお、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142についても同様の効果を奏する。
【0137】
(8)第1の導光部材136の第1反射面136Bの反射パターン136Dは、周方向において密度分布が異なる。このため、第1の光源58の光が第1発光面136Cに出射する度合を変更することができる。なお、第2の導光部材138、第3の導光部材140、および、第4の導光部材142についても同様の効果を奏する。
【0138】
(9)第1反射面136Bの第3領域R3の反射パターン136Dの密度は、第1反射面136Bの第1領域R1における反射パターン136Dの密度および第2領域R2における反射パターン136Dの密度よりも小さい。このため、第1の光源58の光が第1発光面136Cから出射する際の第1領域R1〜第3領域R3における光のばらつきが抑制される。
【0139】
(10)駆動基板132が第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bにより保持されている。このため、制御装置44が駆動基板132を備える構成と比較して、制御装置44を小型化することができる。
【0140】
(11)駆動基板132は、軸方向において、第1のホイールカバー116Aのカバー本体122と第2のホイールカバー116Bのカバー本体122とにより挟み込まれる。これにより、駆動基板132の各主面132A,132Bが軸方向に沿って配置可能となるため、フロントホイール14のスポーク28を避けて駆動基板132が配置可能となる。
【0141】
(12)各透光カバー152,154,156,158が第1の光源ユニット48および第2の光源ユニット50を覆うように第1のホイールカバー116Aに取り付けられている。このため、第1の光源ユニット48および第2の光源ユニット50に水やゴミ等の異物が進入しにくくなる。
【0142】
(13)遮光性を有する第1の固定部材160および第2の固定部材162が第1の光源ユニット48および第2の光源ユニット50のそれぞれを覆うようにリム取付部126に取り付けられている。このため、第1の導光部材136および第2の導光部材138の光をより目立たせることができる。
【0143】
(14)各固定部材160,162,164,166は、爪160A,162A,164A,166Aが各取付孔126Aに嵌め合わせられることによりリム取付部126に取り付けられている。このため、作業者が各固定部材160,162,164,166をリム取付部126に容易に取り付けることができ、各透光カバー152,154,156,158を保持部128に保持させることができる。
【0144】
(15)円弧状の各導光部材136,138,140,142は、周方向に沿って並べられ、円環を構成している。このため、フロントホイール14の回転速度が低い場合でも第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bのそれぞれを円環状に発光させることができる。
【0145】
(16)保持部128は、第1保持部128Aの幅、第2保持部128Bの幅、および、第3保持部128Cの幅の順に小さくなる構成である。このため、各支持部材148,150や各導光部材136,138,140,142が第3保持部128Cに組み付けられることが抑制される。また各透光カバー152,154,156,158が第2保持部128Bに組み付けられることが抑制される。
【0146】
(17)第1保持部128A、第2保持部128B、および、第3保持部128Cは、軸方向から見て重なる位置に形成され、かつ、互いに連通した溝として形成されている。このため、例えば、第3保持部128Cが第1保持部128Aおよび第2保持部128Bよりも径方向の内側または外側に形成される場合と比較して、第1のホイールカバー116Aの形状を簡素化することができる。
【0147】
また第2の配線90、第3の配線92、第4の配線94、第5の配線96、および、第6の配線98が各ホイールカバー116A,116Bのいずれかの第3保持部128Cと各支持部材148,150により挟み込まれる。これにより、第3保持部128Cから配線群46Aが脱落することが抑制される。このため、第3保持部128Cから配線群46Aの脱落を回避するための専用の部材を取り付ける必要がなくなるため、発光ユニット42Aの構成を簡素化することができる。
【0148】
(18)リム取付部126には、各挿入孔126D,126E,126F,126Gが形成されている。このため、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bのいずれのホイールカバーを用いたとしても配線群46Aを同様に配線することができる。
【0149】
(19)第1の実装基板62の各主面62A,62Bおよび第2の実装基板68の各主面68A,68Bが軸方向と平行して配置されている。このため、第1の導光部材136と第2の導光部材138との周方向の間の距離と、第3の導光部材140と第4の導光部材142との周方向の間の距離とを小さくすることができる。したがって、各導光部材136,138,140,142の周方向の長さを長くすることができる。
【0150】
(20)駆動基板132が第1の実装基板62と隣り合う位置に配置されている。このため、駆動基板132と第1の実装基板62とを接続する第2の配線90を短くすることができる。
【0151】
(21)駆動基板132の一方の主面132Aおよび他方の主面132Bのそれぞれに配線群46Aが接続されている。このため、駆動基板132の片面のみに配線群46Aが接続される構成と比較して、駆動基板132を小型化することができる。
【0152】
(22)第1の軸受192は、ハブシェル182と一体的に回転する外輪250と、ハブシャフト184に軸受保持部材266を介して保持される内輪248と、外輪250と内輪248とを電気的に接続可能な複数の転動体252とを含む。このため、第1の軸受192によりハブシェル182とハブシャフト184とを電気的に導通させることができる。加えて、例えばスリップリングのように金属接点を摺動させることによりハブシェル182とハブシャフト184との導通を確保する構成と比較して、ハブシェル182の回転抵抗が小さくなる。
【0153】
(23)第2の軸受194は、ハブシェル182と一体的に回転する外輪256、ハブシャフト184に固定される内輪254、および、外輪256と内輪254とを電気的に接続可能な複数の転動体258を含む。このため、第2の軸受194によりハブシェル182とハブシャフト184との間の電気的な導通を確保することができる。加えて、例えばスリップリングのように金属接点を摺動させることによりハブシェル182とハブシャフト184とを導通させる構成と比較して、ハブシェル182の回転抵抗が小さくなる。
【0154】
(24)第1の端子268および第2の端子270がハブシェル182内に配置されている。このため、第1の端子268および第2の端子270がハブシェル182の外部に配置される構成と比較して、第1の端子268および第2の端子270に水が付着しにくい。したがって、第1の端子268および第2の端子270が腐食しにくくなる。
【0155】
(25)端子ユニット264は、第1の端子268および第2の端子270を保持する電気絶縁性を有する端子保持部材272を含む。このため、第1の端子268と第2の端子270との電気的な導通を遮断することができる。
【0156】
(26)第2の端子270は、端子保持部材272とブラケット204の第1の軸受取付部244とにより挟み込まれる。このため、第2の端子270と端子保持部材272とを固着等の固定のための専用の形状や工法を用いることなく、第2の端子270と端子保持部材272とを固定することができる。したがって、第2の端子270と端子保持部材272との形状を簡素化することができる。
【0157】
(27)ハブシャフト184の配線収容部186には、第1引出線286および第2引出線288が収容されている。このため、第1引出線286および第2引出線288をハブシェル182の外部に引き出しやすい。
【0158】
(28)ハブシャフト184の配線収容部186には、制御装置44に接続される第1の配線88の第1の導線88Aおよび第7の配線100の第1の導線100Aがさらに収容されている。これにより、第1引出線286、第2引出線288、第1の導線88A、および、第1の導線100Aの4本の線が1本の溝で形成された配線収容部186に収容されるため、例えば導線ごとに配線収容部が形成される場合と比較して、ハブシャフト184の形状を簡素化することができる。
【0159】
(29)ブラケット204の第1の軸受取付部244には、第1の軸受192が取り付けられる第1の取付部244A、および、第2の軸受194が取り付けられる第2の取付部246が形成されている。このため、第1の取付部244Aおよび第2の取付部246の一方がブラケット204とは個別に形成された部材に形成される場合と比較して、ハブダイナモ180の部品点数が少なくなる。
【0160】
(30)第1の規制機構230において、第1押え板234の3個の回り止め部234Eのそれぞれが周方向に隣り合う第1の爪226の間に嵌め合わせられている。このため、第1の爪226に対して第1押え板234が周方向に移動することが抑制される。したがって、第1押え板234の挿入孔234Bに挿入された第1引出線286および第2引出線288が第1押え板234の周方向の移動にともない引っ張られることが抑制される。
【0161】
(31)第1の規制機構230において、ロックナット238と第1の爪226とにより第1押え板234および第2押え板236を挟み込んでいる。そして、第1押え板234に固定された第2押え板236の4個の回り止め部236Fがロックナット238のフランジ238Bの側面に接触している。これにより、ロックナット238の回転が制限される。このため、ロックナット238が回転することにより軸方向においてロックナット238が第2押え板236から離間することにより第1押え板234および第2押え板236が軸方向に移動することが抑制される。したがって、第1押え板234が軸方向において第1の爪226から離間する方向に移動することにより第1押え板234の回り止め部234Eが第1の爪226から離間することが抑制される。
【0162】
(32)軸受保持部材266の切欠部280Aは、第2押え板236に嵌め合わせられている。第2押え板236が第1押え板234に固定され、第1押え板234の回り止め部234Eにより第2押え板236の回転が制限されるため、第2押え板236に嵌め合わせられた軸受保持部材266の回転が制限される。したがって、軸受保持部材266の端子284に接続された第1の配線88の第1の導線88Aが軸受保持部材266の回転にともない引っ張られることが抑制される。
【0163】
(33)軸受保持部材266は、ロックナット238を収容している。このため、軸受保持部材266とロックナット238とが軸方向に離間して配置される構成と比較して、ハブダイナモ180を軸方向に小型化することができる。
【0164】
(34)軸受保持部材266は、電気的絶縁性を有し、第2の軸受194を保持している。このため、ハブシャフト184や第1の爪226と第2の軸受194とを電気的に絶縁させることができる。
【0165】
(35)第1の端子268には、折り曲げられることにより第1の軸受192の外輪250に接触する接触部268Aが形成されている。これにより、接触部268Aが外輪250を常に押し付けるため、第1の端子268と第1の軸受192との接触状態を安定して維持することができる。
【0166】
(36)第2の端子270には、折り曲げられることにより第2の軸受194の外輪256に接触する接触部270Dが形成されている。これにより、接触部270Dが外輪256を常に押し付けるため、第2の端子270と第2の軸受194との接触状態を安定して維持することができる。
【0167】
(37)電力供給装置170は、キャパシタ84を含む。このため、フロントホイール14の回転が停止してハブダイナモ180が交流電力を生成しない状態でもキャパシタ84が直流電力を各光源ユニット48,50,52,54に供給する。このため、フロントホイール14の回転が停止した後でも一定期間にわたり各光源ユニット48,50,52,54が発光することができる。
【0168】
自転車用ハブ、自転車用電力供給装置、および、自転車用電動システムが取り得る具体的な形態は、上記実施形態に例示された形態に限定されない。自転車用ハブ、自転車用電力供給装置、および、自転車用電動システムは、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、自転車用ハブ、自転車用電力供給装置、および、自転車用電動システムが取り得る各種の形態の一例である。
【0169】
・上記実施形態において、導光部材の個数は任意に設定可能である。
・上記実施形態において、導光部材の形状は任意に設定可能である。一例として、導光部材は円環形状に形成されてもよい。
【0170】
・上記実施形態において、光源の個数は任意に設定可能である。
・上記実施形態において、発光装置40の発光ユニット42Aは、ハブダイナモ180に代えて、
図28に示されるように、フロントホイール14(
図3参照)と一体的に回転可能であり、駆動基板132を介して各光源ユニット48,50に直流電力を供給するバッテリー298を備えていてもよい。バッテリー298は、第1のホイールカバー116Aと第2のホイールカバー116B(
図12参照)とにより軸方向に挟み込まれることが好ましい。なお、発光ユニット42Bについても同様にバッテリーを備えていてもよい。またバッテリー298は、フレーム本体20(
図1参照)に取り付けられていてもよい。
【0171】
・上記実施形態において、導光部材が延びる方向は任意に設定可能である。一例として、
図29に示されるように、第1の導光部材300、第2の導光部材302、および、第3の導光部材304のそれぞれが径方向に延びる長方形に形成されている。第1の導光部材300、第2の導光部材302、および、第3の導光部材304は、周方向において120°間隔で配置されている。第1の導光部材300の径方向の内端側には、第1の導光部材300の内端面を径方向に照射する第1の光源306、および、第1の光源306が実装された第1の実装基板308が配置される。第2の導光部材302の径方向の内端側には、第2の導光部材302の内端面を径方向に照射する第2の光源310、および、第2の光源310が実装された第2の実装基板312が配置される。第3の導光部材304の径方向の内端側には、第3の導光部材304の内端面を径方向に照射する第3の光源314、および、第3の光源314が実装された第3の実装基板316が配置される。
【0172】
・上記実施形態において、第1の導光部材および第2の導光部材の周方向の間に第1の光源および第2の光源が配置されていなくてもよい。一例として、
図29に示されるように、第1の光源306、第2の光源310、および、第3の光源314は、周方向に隣り合う第1の導光部材300、第2の導光部材302、および、第3の導光部材304の周方向の間に配置されていない。
【0173】
・上記実施形態において、
図30に示されるように、長方形の4個の導光部材としての第1の導光部材318、第2の導光部材320、第3の導光部材322、および、第4の導光部材324を周方向に沿って並べてもよい。
【0174】
・上記実施形態において、
図30に示されるように、第4の導光部材324と第1の導光部材318との周方向の間に、第1の導光部材318の長手方向の一方の端部に光を照射する第1の光源326、および、第1の光源326が実装された第1の実装基板328が配置されてもよい。第1の導光部材318と第2の導光部材320との周方向の間に、第2の導光部材320の長手方向の一方の端部に光を照射する第2の光源330、および、第2の光源330が実装された第2の実装基板332が配置されてもよい。第2の導光部材320と第3の導光部材322との周方向の間に、第3の導光部材322の長手方向の一方の端部に光を照射する第3の光源334、および、第3の光源334が実装された第3の実装基板336が配置されてもよい。第3の導光部材322と第4の導光部材324との周方向の間に、第4の導光部材324の長手方向の一方の端部に光を照射する第4の光源338、および、第4の光源338が実装された第4の実装基板340が配置されてもよい。
【0175】
・上記実施形態において、導光部材の長手方向の両端部に光源を配置してもよい。この場合、導光部材の長手方向の一方の端面および他方の端面は、光源の光が入射される入射面となる。
【0176】
・上記実施形態において、発光ユニット42A,42Bは、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bに代えて、例えばフロントホイール14のリム26を覆う円環状の保持部材を備えてもよい。保持部材は、各光源ユニット48,50,52,54、各導光部材136,138,140,142、各反射シート144,146、各支持部材148,150、各透光カバー152,154,156,158、各固定部材160,162,164,166、および、配線群46Aを保持することができる。なお、保持部材は、リム26の全体およびスポーク28の一部のみを覆う構成、またはリム26を覆わず、かつスポーク28の一部のみを覆う構成であってもよい。
【0177】
・上記実施形態において、配線群46Aが保持される配線保持部は、第3保持部128Cのような溝状以外の構成であってもよい。配線保持部の一例は、配線群46Aをリム取付部126に保持するためのフックである。配線群46Aの配線がフックに引掛けられることによりフックとリム取付部126との間に配線が挟まれ、配線群46Aがリム取付部126に保持される。
【0178】
・上記実施形態において、
図31に示されるように、第2の軸受194を省略し、かつ端子保持部材272と第1の軸受取付部244とにより挟み込まれた第2の端子342がハブシャフト184に固定された円筒状の静止部材344に接触するように構成してもよい。第2の端子342は、上記実施形態の第2の端子270の第1屈曲部270A、第2屈曲部270B、および、第3屈曲部270Cと同様に、第1屈曲部346、第2屈曲部348、および第3屈曲部350を含む。第2の端子342は、第2の端子342において第3屈曲部350から軸方向の一方側に延びた部分からハブシャフト184に向けて屈曲する第4屈曲部352、および、第4屈曲部352からハブシャフト184に向けて延びる延長部354を含む。延長部354には、軸方向に屈曲して延びる摺動部356が形成されている。摺動部356は、静止部材344の外周面と接触している。静止部材344は、金属製である。静止部材344の軸方向の端面には、第7の配線100の第1の導線100Aが接続されている。
【0179】
・上記実施形態において、第1の軸受取付部244の第1の取付部244Aおよび第2の取付部246の一方はブラケット204と個別に形成してもよい。
・上記実施形態において、ハブシャフト184には、複数の配線収容部186が形成されてもよい。
【0180】
・上記実施形態において、第1の軸受192の内輪248はハブシャフト184に直接的に固定されていなくてもよい。内輪248とハブシャフト184との間に別の部材が挟み込まれていてもよい。
【0181】
・上記実施形態において、端子保持部材272は軸方向から見て円弧状に形成されていてもよい。
・上記実施形態において、端子保持部材272は第1の軸受192の外輪250から径方向の外側に間隔を置いて配置されてもよい。この場合、第1の端子268は、外輪250に接触するように径方向の内側に延びる部分を有する。
【0182】
・上記実施形態において、第1の端子268が端子保持部材272に対して着脱可能に取り付けられてもよい。
・上記実施形態において、第2の端子270が例えば溶着または接着により端子保持部材272に固定されてもよい。
【0183】
・上記実施形態において、ブラケット204とは別の部材がブラケット204と第2の端子270との間に介在してもよい。
・上記実施形態において、第1の端子268を省略してもよい。この場合、第1の配線88の第2の導線88Bが第1の軸受192の外輪250に直接的に接触する。
【0184】
・上記実施形態において、第2の端子270を省略してもよい。この場合、第7の配線100の第2の導線100Bが第2の軸受194の外輪256に直接的に接触する。
・上記実施形態において、軸受保持部材266に取り付けられた端子284を省略してもよい。この場合、第1の配線88の第1の導線88Aが第1の軸受192の内輪248に直接的に接触する。
【0185】
・上記実施形態において、第3の軸受196を第1の配線88および第7の配線100の一方の導通経路としてもよい。この場合、第3の軸受196が第2の通電部を構成する。すなわち、第2の通電部は、第2の軸受取付部208Aに少なくとも部分的に配置される。第1の導線88A(第1の導線100A)が第3の軸受196の内輪210に接続され、第2の導線88B(第2の導線100B)が直接的または間接的に外輪212に接続される。第3の軸受196の複数の転動体214が内輪210と外輪212とを電気的に接続する。
【0186】
・上記実施形態において、制御装置44のコンバータ82が第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bにより保持されていてもよい。すなわちコンバータ82は、フロントホイール14と一体的に回転可能となる。
【0187】
・上記変形例において、制御装置44の第7の配線100を省略してもよい。
・上記変形例において、第1の端子268および第2の端子270の一方を省略してもよい。この場合、第1の端子268および第2の端子270の他方に第1の配線88の第1の導線88Aが接続される。
【0188】
・上記実施形態において、自転車に発光装置40の発光ユニット42A,42Bの少なくとも一方について、各光源が点灯した発光状態と、各光源が消灯した消光状態とを切り替える操作部を備えてもよい。操作部の操作信号に基づいて、制御装置44の制御部86が駆動回路56への電力の供給および遮断を切り替える。
【0189】
・上記実施形態において、フロントホイール14に代えて、リアホイール16がハブダイナモ180を備えてもよい。
・上記実施形態において、第1のホイールカバー116Aおよび第2のホイールカバー116Bの一方の光源および導光部材を省略してもよい。
【0190】
・上記実施形態において、発光ユニット42A,42Bの一方を省略してもよい。
・上記実施形態において、電力供給装置170が電力を供給する電動コンポーネントは、発光装置40以外の機器であってもよい。