(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャパシタ充電回路はさらに、前記第2位相の間に前記第1スイッチトキャパシタの第1端を前記低電力供給電圧に電気的に接続するべく、かつ、前記第1位相の間に前記第2スイッチトキャパシタの第1端を前記低電力供給電圧に電気的に接続するべく構成される請求項6のチャージポンプ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここに与えられる見出しは、あったとしても、便宜のみを目的とするので、特許請求の範囲に係る発明の範囲又は意味には必ずしも影響を与えない。
【0025】
チャージポンプの整定時間は重要な配慮事項である。例えば、無線周波数(RF)アプリケーションにおいて、低速の整定時間を有するチャージポンプは、例えば電力増幅器のRF出力信号に高調波を発生させることにより、システムレベルのタイミング仕様に干渉し及び/又はRF性能を劣化させる可能性がある。加えて、チャージポンプの出力電圧における出力リップルの量も重要な配慮事項となり得る。例えば、フロントエンドモジュール(FEM)アプリケーションにおいて、出力リップルに関連付けられた周波数スパイクがRF信号と混合されて帯域外放射及び/又はスプリアスノイズを発生させる可能性がある。
【0026】
チャージポンプは、望ましくないことだが、整定時間と出力リップルとの間のトレードオフを被り得る。一例において、チャージポンプのスイッチトキャパシタ回路群において使用されるフライングキャパシタのサイズと、当該チャージポンプのフィルタにおいて使用されるフィルタキャパシタのサイズとの比が、整定時間と出力リップルとの間のトレードオフを与え得る。他例において、フィルタキャパシタに直列の抵抗器を含めることにより出力リップルを小さくすることができるが、チャージポンプの整定時間の劣化も生じ得る。
【0027】
特定のチャージポンプ実装が、整定時間と出力リップルとの間の一定のトレードオフと達成し得るが、かかる性能のトレードオフは、一の性能仕様の改善が他の性能仕様の劣化の代償となるので、非理想的となり得る。
【0028】
ここに与えられるのは、チャージポンプのための装置及び方法である。一定の構成において、チャージポンプは、モード制御回路と、クロック信号を発生させるクロック発生回路と、2以上のスイッチトキャパシタと、クロック信号の遷移に応答して当該スイッチトキャパシタを充電するべく使用されるキャパシタ充電回路とを含む。モード制御回路は、キャパシタ充電回路の異なるクロック信号発振周波数と異なる電力供給電圧とに関連付けられた複数のモードの一つにおいてチャージポンプを動作させるべく使用することができる。例えば、一定の構成において、選択モードは、スイッチトキャパシタを充電する場合にキャパシタ充電回路が使用するクロック信号の発振周波数及び電力供給電圧の電圧レベルを制御する。
【0029】
チャージポンプが異なる周波数及び異なる電力供給電圧で選択的に動作するように構成することにより、固定周波数及び固定電力供給電圧を使用する構成と比べて小さなキャパシタを使用することにより当該チャージポンプを実装することが可能となる。すなわち、チャージポンプは、コンパクトな面積を達成する一方で、当該チャージポンプが使用される特定のアプリケーションに関連付けられた整定時間及び/又は出力リップル仕様を満たすべく設定可能な調整可能モードを与えることができる。
【0030】
したがって、チャージポンプは、チャージポンプの設計において典型的に遭遇する出力リップルと整定時間との間のトレードオフを緩和又は回避するべく使用することができる。さらに、チャージポンプは、一定の固定周波数及び/又は固定電圧チャージポンプ構成と比べて小さな定常状態自己消費電流を与えることができる。
【0031】
一以上のチャージポンプを含み得る電子システムの概要
【0032】
図1は、一以上のチャージポンプを含み得る集積回路(IC)10の一例の模式図である。例示のIC10は、第1又は低電力供給電圧V
1を受ける第1ピン5aと、第2又は高電力供給電圧V
2を受ける第2ピン5bとを含む。加えて、例示のIC10はさらに、スイッチ12、チャージポンプ22及びスイッチ制御器23を含む。図面の明確性のため
図1には例示しないが、IC10は典型的に、追加のピン及び回路群も含む。
【0033】
チャージポンプ22は、低電力供給電圧V
1を下回る又は高電力供給電圧V
2を上回るチャージポンプ出力電圧を発生させるべく使用することができる。スイッチ制御器23は、スイッチ12を制御するべく一部が使用されるチャージポンプ電圧を受ける。例示のIC10は、フロントエンドモジュール(FEM)、アンテナスイッチモジュール(ASM)又は他の電子回路群を代表し得る。
【0034】
一実施形態において、IC10は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)プロセスを使用することにより製造され、スイッチ12はSOIトランジスタを含む。
【0035】
一定の構成において、チャージポンプ22は、低電力供給電圧V
1未満の電圧を発生させる。例えば、チャージポンプ出力電圧は、一以上のn型金属酸化物半導体(NMOS)スイッチトランジスタのゲート電圧に、当該NMOSスイッチトランジスタがオフ状態で動作する場合にバイアスをかけるべく使用することができる。NMOSスイッチトランジスタのゲート電圧を、低電力供給を下回る電圧まで制御することにより、オフ状態インピーダンスを増大させることができる。これにより、マルチバンドアプリケーションにおける分離を向上させることができる。しかしながら、チャージポンプ22が高電力供給電圧V
2よりも大きな電圧を発生させる構成のような他構成も可能である。
【0036】
図2は、一以上のチャージポンプを含み得る代表的無線デバイスの模式的ブロック図である。
【0037】
図2に描かれる代表的無線デバイス11は、マルチバンド/マルチモード携帯電話のようなマルチバンド及び/又はマルチモードデバイスを代表し得る。例示の構成において、無線デバイス11は、スイッチ12、送受信器13、アンテナ14、電力増幅器17、制御コンポーネント18、コンピュータ可読媒体19、プロセッサ20、電池21、チャージポンプ22及びスイッチ制御器23を含む。
【0038】
送受信器13は、アンテナ14を介して送信されるRF信号を発生させることができる。さらに、送受信器13は、アンテナ14から入来するRF信号を受信することもできる。
【0039】
理解されることだが、
図2において送受信器13として集合的に代表される一以上のコンポーネントにより、RF信号の送受信に関連付けられた様々な機能を達成することができる。例えば、単一のコンポーネントを、送信機能及び受信機能の双方を与えるべく構成することができる。他例において、送信機能及び受信機能は、別個のコンポーネントによって与えることができる。
【0040】
同様に、理解されることだが、
図2においてアンテナ14として集合的に代表される一以上のコンポーネントにより、RF信号の送受信に関連付けられた様々なアンテナ機能を達成することができる。例えば、単一のアンテナを、送信機能及び受信機能の双方を与えるべく構成することができる。他例において、送信機能及び受信機能は、別個のアンテナによって与えることができる。さらなる他例において、無線デバイス11に関連付けられた異なる帯域を、異なるアンテナによって与えることができる。
【0041】
図2において、送受信器13からの一以上の出力信号が、一以上の送信経路15を介してアンテナ14に与えられるように描かれる。図示の例において、異なる送信経路15は、異なる帯域及び/又は異なる電力出力に関連付けられた出力経路を代表することができる。例えば、図示される2つの代表的電力増幅器17は、異なる電力出力構成に関連付けられた増幅(例えば低電力出力及び高電力出力)及び/又は異なる帯域に関連付けられた増幅を代表することができる。
図2は、2つの送信経路15を使用する構成を例示するが、無線デバイス11は、それよりも多い又は少ない送信経路15を含むように適合させることができる。
【0042】
電力増幅器17は、例えば、GSM(Global System for Mobile)(登録商標)信号、CDMA(code division multiple access)信号、W−CDMA信号、WLAN(wireless local area network)信号、LTE(Long Term Evolution)信号及び/又はEDGE信号を含む広範なRF信号を増幅するべく使用することができる。
【0043】
図2において、アンテナ14からの一以上の検出信号は、一以上の受信経路16を介して送受信器13に与えられるように描かれる。図示の例において、異なる受信経路16は、異なる帯域に関連付けられた経路を代表することができる。
図2は、4つの受信経路16を使用する構成を例示するが、無線デバイス11は、それよりも多い又は少ない受信経路16を含むように適合させることができる。
【0044】
受信経路と送信経路との切り替えを容易にするべく、スイッチ12は、アンテナ14を、選択された送信又は受信の経路に電気的に接続するべく構成することができる。すなわち、スイッチ12は、無線デバイス11の動作に関連付けられた一定数の切り替え機能を与えることができる。一定の構成において、スイッチ12は、例えば、異なる帯域間の切り替え、異なる電力モード間の切り替え、送信及び受信モード間の切り替え、又はこれらの何らかの組み合わせに関連付けられた機能を与える一定数のスイッチを含み得る。スイッチ12は、信号のフィルタリング及び/又は二重化を含む追加機能を与えることもできる。
【0045】
チャージポンプ22は、チャージポンプ電圧を発生させるべく使用することができる。チャージポンプ電圧は、無線デバイス11において様々な目的に使用することができる。例えば、一定の構成において、チャージポンプ22が発生させたチャージポンプ電圧は、スイッチ制御器23に与えられて一部がスイッチ12にバイアスをかけるべく使用することができる。
【0046】
図2は、一定の構成において、スイッチ12、電力増幅器17、チャージポンプ22、スイッチ制御器23及び/又は他の動作コンポーネント(複数可)の動作に関連付けられた様々な制御機能を制御するべく、制御コンポーネント18を設けることができることを示す。一定の構成において、制御コンポーネント18は、チャージポンプ22に与えられるモード選択信号を発生させる。かかる構成において、制御コンポーネント18は、無線デバイス11の所望の動作を達成するべく、チャージポンプ22の選択モードの動作を経時的に制御することができる。
【0047】
しかしながら、無線デバイス11のメモリに格納されたデータに基づいてチャージポンプ22の選択された動作モードが決定される実装のような他構成も可能である。例えば、一定の構成において、メモリは、起動中に又は始動中にチャージポンプ22の選択された動作モードに対応するデータを含むようにプログラムされ及び/又は動作中に当該データがプログラムされる揮発性メモリであり得る。他構成において、メモリは、例えば、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、並びに/又は、ヒューズ及び/若しくはアンチヒューズを使用することにより実装されたメモリを含む不揮発性メモリとすることができ、当該不揮発性メモリには、製造中にデータをプログラムすることができる。かかる構成において、チャージポンプ22は、特定のアプリケーションに適切な一定のチャージポンプモードメモリにプログラムすることにより、様々な異なるアプリケーションにおいて使用することができる。
【0048】
一定の構成において、プロセッサ20は、ここに記載される様々なプロセスの実装を容易にするべく構成することができる。プロセッサ20は、コンピュータプログラム命令を使用することにより動作することができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサ20に与えることができる。
【0049】
一定の構成において、こうしたコンピュータプログラム命令は、特定の態様で動作するプロセッサ20又は他のプログラム可能データ処理装置向けとなり得るコンピュータ可読メモリ19に格納することもできる。
【0050】
電池21は、無線デバイス11での使用に適切な任意の電池、例えばリチウムイオン電池であり得る。
【0051】
図3は、一以上のチャージポンプを含み得るRFシステム26の一例の模式的ブロック図である。例示のRFシステム26は、スイッチ12、アンテナ14、チャージポンプ22、スイッチ制御器23、方向性結合器24、電力増幅器バイアス回路30、電力増幅器32及び送受信器33を含む。例示の送受信器33は、ベースバンドプロセッサ34、I/Q変調器37、混合器38及びアナログ・デジタル変換器(ADC)39を含む。明確性のため
図3には例示しないが、送受信器33は、一以上の受信経路を経由して受信信号に関連付けられた回路群を含み得る。
【0052】
ベースバンド信号プロセッサ34は、I信号及びQ信号を発生させるべく使用することができる。I信号及びQ信号は、所望の振幅、周波数及び位相の正弦波又は正弦信号を代表するべく使用することができる。例えば、I信号は正弦波の同相分を代表するべく使用し、Q信号は正弦波の直角分を代表するべく使用することができる。これらは、正弦波の等価表現となり得る。一定の実装において、I及びQ信号は、デジタル形式でI/Q変調器37に与えることができる。ベースバンドプロセッサ34は、ベースバンド信号を処理するべく構成された任意の適切なプロセッサであり得る。例えば、ベースバンドプロセッサ34は、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラム可能コア、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、いくつかの実装において、2以上のベースバンドプロセッサ34は、RFシステム26に含めることができる。
【0053】
I/Q変調器37は、ベースバンドプロセッサ34からI及びQ信号を受信し、かつ、当該I及びQ信号を処理してRF信号を発生させるべく構成することができる。例えば、I/Q変調器37は、I及びQ信号をアナログ形式に変換するべく構成されたDAC、I及びQ信号を無線周波数にアップコンバートする混合器、及びアップコンバートされたI及びQ信号を結合して電力増幅器32による増幅に適したRF信号にする信号コンバイナを含み得る。一定の実装において、I/Q変調器37は、処理される信号の周波数成分をフィルタリングするべく構成された一以上のフィルタを含み得る。
【0054】
電力増幅器バイアス回路30は、ベースバンドプロセッサ34からイネーブル信号ENABLEを受信し、当該イネーブル信号ENABLEを使用することにより電力増幅器32のための一以上のバイアス信号を発生させることができる。電力増幅器32は、送受信器33のI/Q変調器37からRF信号を受信し、増幅されたRF信号を、スイッチ12を介してアンテナ14に与えることができる。
【0055】
方向性結合器24は、電力増幅器32の出力とスイッチ12の入力との間に配置することができる。これにより、電力増幅器32の、スイッチ12の挿入損失が含まれない出力電力測定が許容される。方向性結合器24からの検知された出力信号を混合器38に与えることができる。混合器38は、検知された出力信号に、制御された周波数の基準信号を乗じることにより、当該検知された出力信号の周波数成分をダウンシフトしてダウンシフト信号を発生させることができる。ダウンシフト信号はADC39に与えることができる。ADC39は、ダウンシフト信号を、ベースバンドプロセッサ34による処理に適したデジタル形式に変換することができる。
【0056】
ベースバンドプロセッサ34は、電力増幅器32の出力とベースバンドプロセッサ34との間のフィードバック経路を含むことにより、I及びQ信号を動的に調整してRFシステム26の動作を最適化するように構成することができる。例えば、RFシステム26をこのように構成することにより、電力増幅器32の電力付加効率(PAE)及び/又は線形性の制御を補助することができる。
【0057】
例示の構成において、チャージポンプ22は、スイッチ制御器23にチャージポンプ出力電圧を与える。一定の構成において、チャージポンプ出力電圧は、スイッチ12のスイッチトランジスタのゲート電圧にバイアスをかけるべく、スイッチ制御器23によって使用される。例えば、チャージポンプ出力電圧は、一以上のNMOSスイッチトランジスタのゲート電圧に、当該NMOSスイッチトランジスタがオフ状態で動作する場合にバイアスをかけるべく使用することができる。しかしながら、他構成も可能である。
【0059】
チャージポンプのための装置及び方法がここに開示される。一定の構成において、チャージポンプは、モード制御回路と、クロック信号を発生させるクロック発生回路と、2以上のスイッチトキャパシタと、クロック信号のタイミングに基づいて当該スイッチトキャパシタを充電するキャパシタ充電回路とを含む。モード制御回路は、キャパシタ充電回路の異なるクロック信号発振周波数と異なる電力供給電圧とに関連付けられた複数のモードの一つでチャージポンプを動作させるべく使用することができる。例えば、一定の構成において、選択モードは、キャパシタ充電回路がスイッチトキャパシタを充電する場合に使用するクロック信号の発振周波数と電力供給電圧の電圧レベルとを制御することができる。
【0060】
したがって、チャージポンプは、キャパシタ充電回路の異なるクロック信号発振周波数及び異なる電力供給電圧に関連付けられた多重モードの一つで動作することができる。チャージポンプをこのように構成することにより、当該チャージポンプは、整定時間と出力リップルとの間の所望のトレードオフを与えるモードで動作することができる。
【0061】
例えば、ここの教示は、出力リップルと整定時間との間のデジタル的に設定可能なトレードオフを与えるべく使用することができる。例えば、比較的厳しい出力リップル仕様を有するアプリケーションにおいて、チャージポンプは、小さな出力リップル及び長い整定時間に関連付けられた低速発振周波数/低電力供給電圧モードで動作する。しかしながら、高速整定時間が所望される場合、チャージポンプは、出力リップル増大を代償として整定時間をスピードアップさせるように、高速発振周波数/高電力供給電圧モードで動作され得る。
【0062】
出力リップルと整定時間との間のトレードオフを精細に制御することが所望される構成において、チャージポンプは、異なるクロック周波数及び電力供給電圧に関連付けられた3以上のモードを使用することにより動作するように実装することができる。適切なクロック周波数に関連付けられたモードを選択することにより、特定のアプリケーションのための出力リップルと整定時間との間の所望のトレードオフを達成することができる。一定の構成において、チャージポンプのフィルタのフィルタ抵抗は、チャージポンプのモードに基づいてさらに制御することができる。
【0063】
このように制御することができるチャージポンプを与えることにより、当該チャージポンプは、異なる出力リップル及び/又は整定時間仕様に関連付けられた様々なアプリケーションで使用することができる。例えば、チャージポンプを含む集積回路は、デジタル的にプログラム可能な出力リップル対整定時間曲線を有し得る。これにより、集積回路が、異なる性能仕様に関連付けられた広範なアプリケーションで使用されること、及び/又は動作条件若しくは必要性に基づいて動的に経時変化する性能を有することが可能となり得る。
【0064】
図4Aは、チャージポンプ70の一実施形態の回路図である。チャージポンプ70は、モード制御回路81、キャパシタ充電回路82、クロック発生回路83、チャージポンプスイッチ84、スイッチトキャパシタ87及びチャージポンプフィルタ88を含む。
【0065】
図4Aに示されるように、チャージポンプ70は、チャージポンプ出力電圧端子V
CPにチャージポンプ出力電圧を発生させる。チャージポンプ70は開ループ構成で例示されるが、当該チャージポンプ70は閉ループで使用することもできる。
【0066】
モード制御回路81は、選択された動作モードでチャージポンプ70を動作させることができる。例示の構成において、モード制御回路81は、一定の実装においてマルチビットデジタル信号となり得るモード信号MODEを発生させることができる。一実施形態において、モード信号MODEの状態が、3以上のモードから選択された選択モードでチャージポンプ70を動作させる。
【0067】
一定の構成において、モード制御回路81は、どのモードでチャージポンプ70を動作させるべきか決定するためのモード選択信号を受信する。例えば、モード選択信号は、
図2の制御コンポーネント18のような無線デバイスの制御回路から与えることができる。他構成において、モード制御回路81は、選択された動作モードに対応するデータを含むプログラム可能メモリを含む。一例において、モード制御回路81は、製造中に選択モードがプログラムされる不揮発性メモリを含み得る。他例において、モード制御回路81は、起動中に選択モードがプログラムされるプログラム可能メモリを含み得る。
【0068】
クロック発生回路83はクロック信号CLKを発生させる。クロック信号CLKは、モード信号MODEの状態に基づいて変化する周波数を有する。一実施形態において、モード信号MODEは、第1モード、第2モード及び第3モードを含む3以上のモードから選択された選択モードでチャージポンプ80を動作させる。加えて、クロック発生回路83は、第1モードにおいてはクロック信号CLKを第1周波数f
1に制御し、第2モードにおいてはクロック信号CLKを第2周波数f
2に制御し、及び第3モードにおいてはクロック信号CLKを第3周波数f
3に制御する。
【0069】
チャージポンプのクロック信号の発振周波数は、チャージポンプの性能に影響し得る。例えば、チャージポンプを比較的高速のクロック信号で動作させることにより、チャージ出力速度を増大させてチャージポンプの整定時間をスピードアップすることができる。しかしながら、チャージポンプを高速クロック信号で動作させることはまた、望ましくないことに、低速周波数で発振するクロック信号を使用する構成と比べて出力リップル及び/又は定常状態電力消費を増大させる。例示の構成は、選択された動作モードに基づいてチャージポンプのクロック信号の発振周波数を制御するので、出力リップルと整定時間との間の所望のトレードオフを達成するのに役立つ。
【0070】
キャパシタ充電回路82は、クロック信号CLK、第1高電力供給電圧V
DD1、第2高電力供給電圧V
DD2及び第3高電力供給電圧V
DD3を受ける。キャパシタ充電回路82はさらに、モード信号MODEを受ける。一実施形態において、モード信号MODEは、第1モード、第2モード及び第3モードを含む3以上のモードから選択された選択モードでチャージポンプ80を動作させる。モード信号MODEが、チャージポンプ70が第1動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路82は、第1高電力供給電圧V
DD1を使用することによりスイッチトキャパシタ87の一部を充電する。加えて、モード信号MODEが、チャージポンプ70が第2動作モード又は第3動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路82は、第2高電力供給電圧V
DD2又は第3高電力供給電圧V
DD3それぞれを使用することによりスイッチトキャパシタ87の一部を充電する。キャパシタ充電回路82の充電動作は、クロック信号CLKのタイミングに基づいて制御される。
【0071】
このように、例示の構成において、キャパシタ充電回路82は、少なくとも3つの高電力電圧から選択された電力供給電圧までスイッチトキャパシタ87を充電することができる。
図4Aは、キャパシタ充電回路82が3つの高電力供給電圧を受ける構成を例示するが、キャパシタ充電回路82は、それよりも多い又は少ない高電力供給電圧を受けることもできる。選択電力供給電圧は、モード信号MODEの状態に基づいて選択することができる。例示の構成は、キャパシタ充電回路82が、3つの高電力供給電圧の一つから選択された電力供給電圧を使用することにより動作する一例を与えるが、ここの教示は、キャパシタ充電回路が4つ以上の高電力供給電圧の一つを使用することにより動作する構成にも適用可能である。さらに、ここの教示は、充電回路82の低電力供給電圧が動作モードに基づいて制御される構成にも適用可能である。
【0072】
チャージポンプスイッチ84は、キャパシタ充電回路82とともに、異なるクロック信号位相の間にスイッチトキャパシタ87の両端間の電圧を制御するべく動作する。一定の構成において、充電中における各スイッチトキャパシタ87の両端間の電圧は、モード信号の状態に基づいて、V
DD1−V
SSにほぼ等しく、V
DD2−V
SSにほぼ等しく、又はV
DD3−V
SSにほぼ等しくなるように制御することができる。
【0073】
例示のチャージポンプフィルタ88は、チャージポンプ出力電圧端子V
CPに発生したチャージポンプ出力電圧をフィルタリングするべく使用される。例示の構成において、モード制御回路81はさらに、チャージポンプフィルタ88のフィルタリング特性をモード信号MODEに基づいて制御するべく構成される。例えば、モード制御回路81は、チャージポンプフィルタ88により得られるフィルタリングの量を制御するべく、チャージポンプフィルタ88のフィルタ抵抗又はフィルタ容量の少なくとも一つを制御することができる。
【0074】
チャージポンプ70は、出力リップルと整定時間との間のトレードオフを支配するデジタル制御を与えることができる。適切なクロック周波数、充電電圧及び出力フィルタリングに関連付けられた動作モードを選択することにより、特定のアプリケーションのための、出力リップルと整定時間との間の所望のトレードオフを達成することができる。
【0075】
このように制御することができるチャージポンプを与えることにより、当該チャージポンプは、異なる出力リップル及び/又は整定時間仕様に関連付けられた様々なアプリケーションで使用することができる。例えば、チャージポンプを含む集積回路は、デジタル的にプログラム可能な出力リップル対整定時間曲線を有し得る。これにより、集積回路が、異なる性能仕様に関連付けられた広範なアプリケーションで使用されること、及び/又は動作条件若しくは必要性に基づいて動的に経時変化する性能を有することが可能となり得る。
【0076】
図4Bは、チャージポンプ80の他実施形態の回路図である。チャージポンプ80は、モード制御回路101、キャパシタ充電回路102、クロック発生回路103、チャージポンプスイッチ104、第1スイッチト又はフライングキャパシタ111、第2スイッチトキャパシタ112、並びに、フィルタキャパシタ131、フィルタ抵抗器132、及び抵抗器バイパススイッチ133を含むチャージポンプフィルタ108を含む。
【0077】
図4Bに示されるように、チャージポンプ80は、チャージポンプ出力電圧端子V
CPにチャージポンプ出力電圧を発生させる。チャージポンプ80は開ループ構成で例示されるが、当該チャージポンプ80は閉ループで使用することもできる。
【0078】
モード制御回路101は、選択された動作モードでチャージポンプ80を動作させることができる。例示の構成において、モード制御回路101は、論理高の非反転モード信号MODE及び論理低の反転モード信号MODE_Bに関連付けられた第1モードか又は論理低の非反転モード信号MODE及び論理高の反転モード信号MODE_Bに関連付けられた第2モードかのいずれかでチャージポンプ80を動作させることができる。例示の構成において、非反転及び反転モード信号MODE、MODE_Bは、集合的にチャージポンプモード信号として動作する。例示の構成は、チャージポンプが2つのモードの一つで動作する一例を与えるが、ここの教示は、モード制御回路が、3以上のモードから選択された選択モードでチャージポンプを動作させる構成にも適用可能である。
【0079】
一定の構成において、モード制御回路101は、どのモードでチャージポンプ80を動作させるべきか決定するためのモード選択信号を受信する。例えば、モード選択信号は、
図2の制御コンポーネント18のような無線デバイスの制御回路から与えることができる。他構成において、モード制御回路101は、選択された動作モードに対応するデータを含むプログラム可能メモリを含む。一例において、モード制御回路101は、製造中に選択モードがプログラムされる不揮発性メモリを含み得る。他例において、モード制御回路101は、起動中に選択モードがプログラムされるプログラム可能メモリを含み得る。
【0080】
クロック発生回路103は、第1又は高速クロック信号を発生させる高速クロック発生回路105と、第2又は低速クロック信号を発生させる低速クロック発生回路106と、クロック選択回路107とを含む。加えて、クロック選択回路107は、非反転及び反転モード信号MODE、MODE_Bを使用することにより、高速クロック信号と低速クロック信号との間の選択に基づいて非反転クロック信号CLK及び反転クロック信号CLKBを発生させる。例えば、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ80が第1動作モードで動作することを示す場合、クロック選択回路107は、高速クロック信号の選択に基づいて非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBを発生させる。加えて、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ80が第2動作モードで動作することを示す場合、クロック選択回路107は、低速クロック信号の選択に基づいて非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBを発生させる。例示の構成において、非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBは、集合的にチャージポンプクロック信号として動作する。
【0081】
チャージポンプのクロック信号の発振周波数は、チャージポンプの性能に影響し得る。例えば、チャージポンプを比較的高速のクロック信号で動作させることにより、チャージ出力速度を増大させてチャージポンプの整定時間をスピードアップすることができる。しかしながら、チャージポンプを高速クロック信号で動作させることはまた、望ましくないことに、低速周波数で発振するクロック信号を使用する構成と比べて出力リップル及び/又は定常状態電力消費を増大させる。例示の構成は、選択された動作モードに基づいてチャージポンプのクロック信号の発振周波数を制御するので、出力リップルと整定時間との間の所望のトレードオフを達成するのに役立つ。
【0082】
例示の構成は、クロック発生回路が、異なる発振周波数の2つのクロック信号の一つの選択によりクロック信号を発生させる一例を与えるが、ここの教示は、クロック発生回路が、3以上の異なる発振周波数のクロック信号を発生させる構成にも適用可能である。さらに、
図4Bは、多重の発振器又は発生器を含む構成を例示するが、ここの教示は、チューニング可能周波数を有する単一の発振器を含む構成にも適用可能である。
【0083】
キャパシタ充電回路102は、非反転クロック信号CLK、反転クロック信号CLKB、第1高電力供給電圧V
DD1及び第2高電力供給電圧V
DD2を受ける。キャパシタ充電回路102はさらに、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bを受ける。これにより、第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112を充電するための電力供給電圧を選択するべくキャパシタ充電回路102を使用することができる。例えば、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ80が第1動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路102は、第1高電力供給電圧V
DD1を使用することにより第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の一部を充電することができる。加えて、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ80が第2動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路102は、クロック信号の遷移に応答して第2高電力供給電圧V
DD2を使用することにより第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の一部を充電することができる。
【0084】
このように、例示の構成において、キャパシタ充電回路102は、第1高電力電圧V
DD1及び第2高電力電圧V
DD2から選択された電力供給電圧まで第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112を充電することができる。選択電圧は、チャージポンプ80の選択された動作モードに基づいて選択することができる。
【0085】
例示の構成は、キャパシタ充電回路102が2つの高電力供給電圧の一つから選択された高電力供給を使用することにより動作する一例を与えるが、ここの教示は、キャパシタ充電回路が3以上の高電力供給電圧の一つを使用することにより動作する構成にも適用可能である。さらに、ここの教示は、充電回路102の低電力供給電圧が動作モードに基づいて制御される構成にも適用可能である。
【0086】
チャージポンプスイッチ104は、キャパシタ充電回路102とともに、異なるクロック信号位相の間に第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の両端間の電圧を制御するべく動作する。一定の構成において、充電中における第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112それぞれの両端間の電圧は、モード信号の状態に基づいて、V
DD1−V
SSにほぼ等しいか又はV
DD2−V
SSにほぼ等しいかのいずれかに制御することができる。すなわち、チャージポンプ80が第1モードで動作する場合、チャージポンプの出力電圧は、低電力供給電圧V
SSに対して−V
DD1にほぼ等しくなり得る。加えて、チャージポンプ80が第2モードで動作する場合、チャージポンプの出力電圧は、低電力供給電圧V
SSに対して−V
DD2にほぼ等しくなり得る。
【0087】
例示のチャージポンプ80はチャージポンプフィルタ108も含む。チャージポンプフィルタ108は、フィルタキャパシタ131、フィルタ抵抗器132及び抵抗器バイパススイッチ133を含む。例示の構成において、モード制御回路101はさらに、選択モードに基づいてチャージポンプフィルタ108の抵抗を制御するべく構成される。例えば、チャージポンプ80が第1動作モードで動作する場合、フィルタ抵抗器132は、抵抗器バイパススイッチ133を使用することによりバイパスし、チャージポンプに高速整定時間を与えることができる。しかしながら、チャージポンプ80が第2動作モードで動作する場合、抵抗器バイパススイッチ133はオフにしてよく、フィルタ抵抗器132及びフィルタキャパシタ133は、小さな出力リップルを与えるRCフィルタとして動作することができる。
【0088】
例示の構成は、フィルタ抵抗器が動作モードに基づいて選択的にバイパスされる一例を与えるが、ここの教示は他構成にも適用可能である。一例において、単一のチューニング可能抵抗器を使用することができる。他例において、チャージポンプフィルタ108は、異なる値の2以上のフィルタ抵抗器を含み、異なる動作モードに対して異なるフィルタ抵抗を与えることができる。
【0089】
図5は、チャージポンプ100の一実施形態の回路図である。チャージポンプ100は、モード制御回路101と、キャパシタ充電回路102と、クロック発生回路103と、第1スイッチトキャパシタ111と、第2スイッチトキャパシタ112と、第1〜4スイッチ121〜124を含むチャージポンプスイッチ114と、フィルタキャパシタ131、フィルタ抵抗器132及び抵抗器バイパススイッチ133を含むチャージポンプフィルタ108とを含む。
【0090】
図5に示されるように、チャージポンプ100は、チャージポンプ出力電圧端子V
CPにチャージポンプ出力電圧を発生させる。チャージポンプ100は開ループ構成で例示されるが、当該チャージポンプ100は閉ループで使用することもできる。
【0091】
モード制御回路101は、選択された動作モードでチャージポンプ100を動作させることができる。例示の構成において、モード制御回路101は、論理高の非反転モード信号MODE及び論理低の反転モード信号MODE_Bに関連付けられた第1モードか又は論理低の非反転モード信号MODE及び論理高の反転モード信号MODE_Bに関連付けられた第2モードかのいずれかでチャージポンプ100を動作させることができる。例示の構成において、非反転及び反転モード信号MODE、MODE_Bは、集合的にチャージポンプモード信号として動作する。例示の構成は、チャージポンプが2つのモードの一つで動作する一例を与えるが、ここの教示は、モード制御回路が、3以上のモードから選択された選択モードでチャージポンプを動作させる構成にも適用可能である。
【0092】
一定の構成において、モード制御回路101は、どのモードでチャージポンプ100を動作させるべきか決定するためのモード選択信号を受信する。例えば、モード選択信号は、
図2の制御コンポーネント18のような無線デバイスの制御回路から与えることができる。他構成において、モード制御回路101は、選択された動作モードに対応するデータを含むプログラム可能メモリを含む。一例において、モード制御回路101は、製造中に選択モードがプログラムされる不揮発性メモリを含み得る。他例において、モード制御回路101は、起動中に選択モードがプログラムされるプログラム可能メモリを含み得る。
【0093】
クロック発生回路103は、第1又は高速クロック信号を発生させる高速クロック発生回路105と、第2又は低速クロック信号を発生させる低速クロック発生回路106と、クロック選択回路107とを含む。加えて、クロック選択回路107は、非反転及び反転モード信号MODE、MODE_Bを使用することにより、高速クロック信号と低速クロック信号との間の選択に基づいて非反転クロック信号CLK及び反転クロック信号CLKBを発生させる。例えば、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ100が第1動作モードで動作することを示す場合、クロック選択回路107は、高速クロック信号の選択に基づいて非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBを発生させる。加えて、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ100が第2動作モードで動作することを示す場合、クロック選択回路107は、低速クロック信号の選択に基づいて非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBを発生させる。例示の構成において、非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBは、集合的にチャージポンプクロック信号として動作する。
【0094】
チャージポンプのクロック信号の発振周波数は、チャージポンプの性能に影響し得る。例えば、チャージポンプを比較的高速のクロック信号で動作させることにより、チャージ出力速度を増大させてチャージポンプの整定時間をスピードアップすることができる。しかしながら、チャージポンプを高速クロック信号で動作させることはまた、望ましくないことに、低速周波数で発振するクロック信号を使用する構成と比べて出力リップル及び/又は定常状態電力消費を増大させる。例示の構成は、選択された動作モードに基づいてチャージポンプのクロック信号の発振周波数を制御するので、出力リップルと整定時間との間のトレードオフを達成するのに役立つ。
【0095】
例示の構成は、クロック発生回路が、異なる発振周波数の2つのクロック信号の一つの選択によりクロック信号を発生させる一例を与えるが、ここの教示は、クロック発生回路が、3以上の異なる発振周波数のクロック信号を発生させる構成にも適用可能である。さらに、
図5は、多重の発振器又は発生器を含む構成を例示するが、ここの教示は、チューニング可能周波数を有する単一の発振器を含む構成にも適用可能である。
【0096】
キャパシタ充電回路102は、非反転クロック信号CLK、反転クロック信号CLKB、第1高電力供給電圧V
DD1及び第2高電力供給電圧V
DD2を受ける。キャパシタ充電回路102はさらに、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bを受ける。これにより、第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112を充電するための電力供給電圧を選択するべくキャパシタ充電回路102を使用することができる。例えば、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ100が第1動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路102は、第1高電力供給電圧V
DD1を使用することにより第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の一部を充電する。加えて、非反転及び反転モード選択信号MODE、MODE_Bが、チャージポンプ100が第2動作モードで動作することを示す場合、キャパシタ充電回路102は、クロック信号の遷移に応答して第2高電力供給電圧V
DD2を使用することにより第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の一部を充電することができる。
【0097】
このように、例示の構成において、キャパシタ充電回路102は、第1高電力電圧V
DD1及び第2高電力電圧V
DD2から選択された電力供給電圧まで第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112を充電することができる。選択電圧は、チャージポンプ100の選択された動作モードに基づいて選択することができる。
【0098】
例示の構成は、キャパシタ充電回路102が2つの高電力供給電圧の一つから選択された高電力供給を使用することにより動作する一例を与えるが、ここの教示は、キャパシタ充電回路が3以上の高電力供給電圧の一つを使用することにより動作する構成にも適用可能である。さらに、ここの教示は、充電回路102の低電力供給電圧が動作モードに基づいて制御される構成にも適用可能である。
【0099】
第1〜4スイッチ121〜124は、キャパシタ充電回路102とともに、異なるクロック信号位相の間に第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112の両端間の電圧を制御するべく動作することができる。例えば、クロック信号CLKの第1クロック信号位相の間、キャパシタ充電回路102は、チャージポンプの動作モードに基づいて第1充電キャパシタ111の第1端を第1高電力供給電圧V
DD1又は第2高電力供給電圧V
DD2のいずれかに電気的に接続することができる。加えて、クロック信号CLKの第1クロック信号位相の間、第1スイッチ121は閉となって、第1スイッチトキャパシタ111の第2端を低電力供給電圧V
SSに電気的に接続することができる。さらに、クロック信号CLKの第2クロック信号位相の間、キャパシタ充電回路102は第1充電キャパシタ111の第1端を低電力供給電圧V
SSに電気的に接続することができ、第2スイッチ122は第1充電キャパシタ111の第2端をチャージポンプ出力電圧端子V
CPに電気的に接続することができる。
【0100】
加えて、クロック信号CLKの第2クロック信号位相の間、キャパシタ充電回路102は、チャージポンプの動作モードに基づいて第2充電キャパシタ112の第1端を第1高電力供給電圧V
DD1又は第2高電力供給電圧V
DD2のいずれかに電気的に接続することができる。さらに、クロック信号CLKの第2クロック信号位相の間、第2スイッチ123は閉となって、第2スイッチトキャパシタ111の第2端を低電力供給電圧V
SSに電気的に接続することができる。さらに、クロック信号CLKの第1クロック信号位相の間、キャパシタ充電回路102は第2充電キャパシタ112の第1端を低電力供給電圧V
SSに電気的に接続することができ、第4スイッチ124は第2充電キャパシタ112の第2端をチャージポンプ出力電圧端子V
CPに電気的に接続することができる
【0101】
したがって、充電中における第1及び第2スイッチトキャパシタ111、112それぞれの両端間の電圧は、モード信号の状態に基づいて、V
DD1−V
SSにほぼ等しいか又はV
DD2−V
SSにほぼ等しいかのいずれかに制御することができる。このように、チャージポンプ100が第1モードで動作する場合、チャージポンプの出力電圧は、低電力供給電圧V
SSに対して−V
DD1にほぼ等しくなり得る。加えて、チャージポンプ100が第2モードで動作する場合、チャージポンプの出力電圧は、低電力供給電圧V
SSに対して−V
DD2にほぼ等しくなり得る。
【0102】
一定の構成において、チャージポンプが出力した最大電圧は、チャージポンプ出力電圧を受けるトランジスタの電圧過大ストレス及び/又は信頼性配慮事項により制限され得る。例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)が、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)RFスイッチアプリケーションにおいてのようなスイッチとして使用される構成では、MOSFETは、例えば2.5Vのような最大ゲート・ドレイン間及び/又はゲート・ソース間電圧を有する定格とされる。チャージポンプが過大ストレス及び/又は信頼性仕様に準拠したチャージポンプ出力電圧を発生させることが望ましいといえる。
【0103】
例示の構成において、第1及び第2高電力供給電圧V
DD1、V
DD2の電圧レベルは、チャージポンプの出力電圧が、当該チャージポンプ出力電圧を受けるトランジスタの電圧過大ストレス及び/又は信頼性配慮事項を満たすように選択することができる。例えば、第1高電力供給電圧V
DD1は最大トランジスタ過大ストレス電圧以下となるように選択することができ、第2高電力供給電圧V
DD2は第1高電力供給電圧V
DD1未満となるように選択することができる。
【0104】
対照的に、一定の従来型チャージポンプは、固定電圧高電力供給の規模未満の規模を有するチャージポンプ出力電圧を与えるべく単一の固定電圧高電力供給に直列の抵抗器ドロップ又はダイオードドロップを利用することによって電圧信頼性仕様を満たす。かかる構成は、所望の規模のチャージポンプ出力電圧を発生させることができるが、このようにチャージポンプを構成することは、チャージポンプの整定時間及び/又はI*R電力損失を著しく増大させ得る。
【0105】
例示のチャージポンプ150はチャージポンプフィルタ108も含む。チャージポンプフィルタ108は、フィルタキャパシタ131、フィルタ抵抗器132及び抵抗器バイパススイッチ133を含む。例示の構成において、モード制御回路101はさらに、選択モードに基づいてチャージポンプフィルタ108の抵抗を制御するべく構成される。例えば、チャージポンプ100が第1動作モードで動作する場合、フィルタ抵抗器132は、抵抗器バイパススイッチ133を使用することによりバイパスし、チャージポンプに高速整定時間を与えることができる。しかしながら、チャージポンプ100が第2動作モードで動作する場合、抵抗器バイパススイッチ133はオフにしてよく、フィルタ抵抗器132及びフィルタキャパシタ133は、小さな出力リップルを与えるRCフィルタとして動作することができる。
【0106】
例示の構成は、フィルタ抵抗器が動作モードに基づいて選択的にバイパスされる一例を与えるが、ここの教示は他構成にも適用可能である。一例において、単一のチューニング可能抵抗器を使用することができる。他例において、チャージポンプフィルタ108は、異なる値の2以上のフィルタ抵抗器を含み、異なる動作モードに対して異なるフィルタ抵抗を与えることができる。
【0107】
図6は、チャージポンプ150の実施形態の回路図である。
図6のチャージポンプ150は
図5のチャージポンプ100に類似する。ただし、チャージポンプ150が、異なる実装のキャパシタ充電回路152及びクロック発生回路153を含む点を除く。
【0108】
例えば、クロック発生回路153は、高速及び低速クロック発生回路105、106と、第1クロック選択スイッチ157、第2クロック選択スイッチ158及び反転器159を含むクロック選択回路とを含む。非反転モード信号MODEが論理高の場合、第1クロック選択スイッチ157が閉かつ第2クロック選択スイッチ158が開となることで、高速クロック発生回路105することにより非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBが発生する。加えて、非反転モード信号MODEが論理低の場合、第1クロック選択スイッチ157が開かつ第2クロック選択スイッチ158が閉となることで、低速クロック発生回路106を使用することにより非反転及び反転クロック信号CLK、CLKBが発生する。
【0109】
キャパシタ充電回路152は第1バッファ161を含む。第1バッファ161は、非反転クロック信号CLKを受信して第1スイッチングキャパシタ111の第1端の電圧レベルを制御する。キャパシタ充電回路152はさらに第2バッファ162を含む。第2バッファ162は、反転クロック信号CLKBを受信して第2スイッチングキャパシタ112の第1端の電圧レベルを制御する。キャパシタ充電回路152はさらに、キャパシタ充電回路152のための高電力供給を制御するべく使用される第1〜4電力供給選択スイッチ171〜174を含む。例えば、チャージポンプ150が第1モードで動作する場合、第1及び第2バッファ161、162は、第1高電力供給電圧V
DD1及び低電力供給電圧V
SSを使用することにより電力が供給される。加えて、チャージポンプ150が第2モードで動作する場合、第1及び第2バッファ161、162は、第2高電力供給電圧V
DD2及び低電力供給電圧V
SSを使用することにより電力が供給される。第1高電力供給電圧V
DD1は、第2高電力供給電圧V
DD2の電圧レベルより高い電圧レベルを有するように選択することができる。
【0110】
したがって、例示のチャージポンプ150は、整定時間をスピードアップさせる高速発振周波数/高電力供給電圧モードか又は小さな出力リップルに関連付けられた低速発振周波数/低電力供給電圧モードかのいずれかで動作することができる。
【0111】
チャージポンプ150の付加的な詳細は、先に述べたものと同様であり得る。
【0112】
図7Aは、パッケージ化されたモジュール300の一実施形態の模式図である。
図7Bは、
図7Aのパッケージ化されたモジュール300の7B-7B線断面の模式図である。
【0113】
パッケージ化されたモジュール300は、IC又はダイ301、表面搭載コンポーネント303、ワイヤーボンド308、パッケージ基板320及び封入構造物340を含む。パッケージ基板320は、中に設けられた導体から形成されたパッド306を含む。加えて、ダイ301はパッド304を含み、ワイヤーボンド308は、ダイ301のパッド304をパッケージ基板301のパッド306に電気的に接続するべく使用されている。
【0114】
図10A及び10Bに例示されるように、ダイ301は、チャージポンプ22、スイッチ制御器23及びスイッチ12を含む。これらは、先に述べられたものであり得る。
【0115】
パッケージング基板320は、ダイ301及び表面搭載コンポーネント303のような複数のコンポーネントを受けるべく構成することができる。表面搭載コンポーネント303は、例えば、表面搭載キャパシタ及び/又はインダクタを含み得る。
【0116】
図7Bに示されるように、パッケージ化されたモジュール300は、ダイ301を搭載するべく使用された側面に対向するパッケージ化されたモジュール300の側面に設けられた複数のコンタクトパッド332を含むように示される。パッケージ化されたモジュール300をこのように構成することにより、パッケージ化されたモジュール300を、無線デバイスの電話基板のような回路基板に接続することが補助される。代表的コンタクトパッド332は、RF信号、バイアス信号、低電力電圧(複数可)及び/又は高電力電圧(複数可)をダイ301及び/又は表面搭載コンポーネント303に与えるべく構成することができる。
図7Bに示されるように、コンタクトパッド332とダイ301との電気的接続は、パッケージ基板320を通る接続部333によって容易となり得る。接続部333は、多層積層パッケージ基板のビア及び導体に関連付けられた接続部のような、パッケージ基板320を通るように形成された電気的経路を代表し得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、パッケージ化されたモジュール300はまた、例えば、保護を与え及び/又はパッケージ化されたモジュール300の取り扱いを容易にする一以上のパッケージング構造物も含み得る。かかるパッケージング構造物は、パッケージング基板320とその上に設けられたコンポーネント及びダイ(複数可)とを覆うように形成された外側被覆又は封入構造物340を含み得る。
【0118】
理解されるように、パッケージ化されたモジュール300は、ワイヤーボンドに基づく電気的接続部の文脈で記載されるが、本開示の一以上の特徴は、例えばフリップチップ構成を含む他のパッケージング構成において実装することもできる。
【0120】
上述の実施形態のいくつかが、無線デバイス又は携帯電話に関連する例を与えてきた。しかしながら、当該実施形態の原理及び利点は、チャージポンプを必要とする任意の他のシステム又は装置に使用することもできる。
【0121】
かかるチャージポンプは、様々な電子デバイスに実装することができる。電子デバイスの例は、消費者電子製品、消費者電子製品の部品、電子試験機器等を含み得るがこれらに限られない。電子デバイスの例は、メモリチップ、メモリモジュール、光ネットワーク又は他の通信ネットワークの回路、及びディスクドライバ回路も含み得るがこれらに限られない。消費者電子製品は、携帯電話、電話、テレビ、コンピュータモニタ、コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車、ステレオシステム、カセットレコーダ又はプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、ビデオデッキ、MP3プレーヤ、ラジオ、ビデオカメラ、カメラ、デジタルカメラ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、コピー機、ファクシミリ装置、スキャナ、多機能周辺デバイス、腕時計、クロック等を含み得るがこれらに限られない。さらに、電子デバイスは未完成の製品も含み得る。
【0123】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。同様に、ここで一般に使用される用語「接続」も、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数の上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0124】
さらに、ここに使用される条件的言語、とりわけ、「できる」、「し得る」、「してよい」、「かもしれない」、「例えば」、「のような」等は、特に明示されない限り、又は、使用される文脈内でそうでないと理解されない限り、一定の実施形態が一定の特徴、要素及び/又は状態を含むが他の実施形態は含まないことを伝えることが一般に意図される。このように、かかる条件的言語は一般に、特徴、要素及び/又は状態が一以上の実施形態にとって多少なりとも必要とされることを示唆すること、又は、作者の入力又は促しのあり又はなしで、一以上の実施形態が、これらの特徴、要素及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれ又は任意の特定の実施形態において行われるか否かを決定する論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。
【0125】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正をすることができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0126】
ここに与えられた本発明の教示は、上述のシステムに限られることなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0127】
本発明の一定の実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際、ここに記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載の方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。