特許第6412070号(P6412070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6412070
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】運転支援装置及び運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20181015BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   G08G1/09 F
   G08G1/09 H
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-158947(P2016-158947)
(22)【出願日】2016年8月12日
(65)【公開番号】特開2018-26065(P2018-26065A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2017年12月8日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『多様化・個別化社会イノベーションデザイン拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 広章
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高木 建太朗
(72)【発明者】
【氏名】森川 高行
(72)【発明者】
【氏名】二宮 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 茂晴
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−107917(JP,A)
【文献】 特開2004−164315(JP,A)
【文献】 特開2008−282156(JP,A)
【文献】 特開2013−196664(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/128920(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/069958(WO,A1)
【文献】 特開2013−097571(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0272810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を取得する運転状況取得部と、
前記各車両の運転者の運転特性を取得する運転特性取得部と、
前記運転状況取得部が取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動であって前記運転特性取得部が取得した前記運転特性に適合する運転行動を決定する運転行動決定部と、
前記運転行動決定部が決定した前記運転行動を前記各車両に指示する運転行動指示部とを備える、運転支援装置。
【請求項2】
前記運転行動決定部は、前記運転状況取得部が取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成し、生成した複数の前記組み合わせの中から、前記運転特性取得部が取得した前記運転特性に適合する組み合わせを選定する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
車両から遠隔に配置された、請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
車両に搭載された、請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項5】
互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を取得し、
前記各車両の運転者の運転特性を取得し、
取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動であって、取得した前記運転特性に適合する運転行動を決定し、
決定した前記運転行動を前記各車両に指示する、運転支援方法。
【請求項6】
取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成し、生成した前記組み合わせの中から、取得した前記運転特性に適合する組み合わせを選定する、請求項5に記載の運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置及び運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両と移動体の衝突を回避するため、自車両の運転者の運転特性に合う適切な運転支援を実行できる運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−16727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自車両と他車両との衝突を回避する運転支援を行う場合、他車両の運転者の運転特性によっては運転支援の内容が変わり得る。しかしながら、従来の技術では、運転支援の内容を決定する際に自車両の運転者の運転特性のみしか考慮されないため、互いに衝突する可能性のある各車両に対して適切な運転支援を実施することが難しい。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、互いに衝突する可能性のある各車両に対して適切な運転支援を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様では、
互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を取得する運転状況取得部と、
前記各車両の運転者の運転特性を取得する運転特性取得部と、
前記運転状況取得部が取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動であって前記運転特性取得部が取得した前記運転特性に適合する運転行動を決定する運転行動決定部と、
前記運転行動決定部が決定した前記運転行動を前記各車両に指示する運転行動指示部とを備える、運転支援装置が提供される。
【0007】
本態様によれば、各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動を、それらの各車両の運転者の運転特性を加味して決定することができる。このように運転特性を加味して決定された運転行動が、互いに衝突する可能性のある各車両に指示されることで、それらの各車両に対して適切な運転支援を実施することができる。
【0008】
また、本発明の上記態様において、
前記運転行動決定部は、前記運転状況取得部が取得した前記運転状況で前記各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成し、生成した複数の前記組み合わせの中から、前記運転特性取得部が取得した前記運転特性に適合する組み合わせを選定する。
【0009】
本態様によれば、各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせのバリエーションが増えるので、各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動を、多様な選択肢の中から、各運転者の運転特性を加味して、より適切な運転行動を絞り込むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、互いに衝突する可能性のある各車両に対して適切な運転支援を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る運転支援装置の構成の一例を示す図である。
図2】互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況の一例を示す図である。
図3】各運転者の運転特性の一例を示す図である。
図4】運転支援方法の一例を示すフローチャートである。
図5】左側通行路での左折合流時の運転支援場面の一例を示す図である。
図6図5の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。
図7図6で生成した複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。
図8】左側通行路での左折合流時の運転支援場面の他の一例を示す図である。
図9図8の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。
図10図9で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。
図11】左側通行路での右折合流時の運転支援場面の一例を示す図である。
図12図11の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。
図13図12で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。
図14】左側通行路での車線変更時の運転支援場面の一例を示す図である。
図15図14の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。
図16図15で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。
図17】車線変更時の運転支援場面の他の一例を示す図である。
図18図17の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。
図19図18で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。
図20】第2の実施形態に係る運転支援装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る運転支援システムの構成の一例を示す図である。図1の運転支援システム11は、複数の車両を遠隔で運転支援するシステムの一例である。運転支援システム11は、運転状況管理サーバ200と、運転特性管理サーバ300と、運転支援サーバ100とを備える。各サーバのそれぞれの機能は、CPU(Central Processor Unit)が実行する処理によって実現される。また、各サーバのそれぞれの機能は、一つのサーバにより実現されてもよい。
【0014】
運転状況管理サーバ200は、複数の車両の運転状況を管理するコンピュータの一例である。運転状況管理サーバ200は、複数の車両や複数の道路インフラから無線通信又は有線通信を介して入手したデータ(「センサデータ」とも称する)を用いて、各車両の運転状況を検出する。検出には、収集、推定又は予測などが含まれる。運転状況管理サーバ200は、検出された各車両の運転状況を運転状況記憶部210に保持し、運転支援サーバ100からの要求に基づいて、当該要求に適合する各車両の運転状況を運転支援サーバ100に提供する。各車両の運転状況には、車両を識別可能な車両ID(Identification)と、その車両の運転者を識別可能な運転者IDと、その運転状況での時刻情報とが、運転状況管理サーバ200により付与されている。
【0015】
運転状況記憶部210は、運転状況管理サーバ200によって検出された各車両の運転状況を読み出し可能に記憶する。運転状況記憶部210の具体例として、いわゆるダイナミックマップが挙げられる。
【0016】
運転状況管理サーバ200は、入手したセンサデータを用いて検出した各車両の運転状況を運転状況記憶部210に保持する。運転状況には、例えば、車両の位置情報、車両の挙動情報、車両の周辺情報などが含まれる。位置情報には、例えば、車両が現在いるリンク(分岐点間を結ぶ道路)のリンクID、車両が現在いるレーン(車線)のレーンID、車両が現在いるレーン上の相対位置情報、車両が現在いる地点の三次元座標情報などが含まれる。挙動情報には、例えば、車両の速度ベクトル(進行方向と車速)、方向指示器の指示状態、前照灯等のライトの点灯状態、ワイパーの作動状態などが含まれる。周辺情報には、例えば、信号機に関する情報(信号機情報)、道路状況などが含まれる。信号機情報には、信号機ID、信号機の現在の表示状態、信号機の動作モードなどが含まれる。道路状況には、例えば、レーンID、路面状態、平均移動速度、平均移動時間、規制速度などが含まれる。
【0017】
運転状況管理サーバ200により検出される運転状況には、各車両の現在の運転状況から予測される各車両の未来の運転状況が含まれる。例えば、運転状況管理サーバ200は、各車両の現在の運転状況(位置情報、挙動情報、周辺情報など)を用いて、互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を検出し、当該検出した運転状況を運転状況記憶部210に保持する。
【0018】
図2は、互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況の一例を示す図である。運転状況管理サーバ200は、所定の衝突予測方法に基づいて、各車両の現在の運転状況を用いて、互いに衝突の可能性のある車両を予測する。例えば、運転状況管理サーバ200は、車両1の予測進路と車両2の予測進路とが交差する交差地点に車両1が到達するまでの第1の到達時間と、当該交差地点に車両2が到達するまでの第2の到達時間とを予測する。そして、運転状況管理サーバ200は、第1の到達時間と第2の到達時間とが所定の時間差以下の場合に、車両1と車両2とが当該交差地点で衝突する可能性のある運転状況にあると予測する。なお、互いに衝突の可能性のある車両を予測する方法は、これに限られず、周知の方法が適用可能である。
【0019】
図1において、運転特性管理サーバ300は、複数の車両の運転者の運転特性を管理するコンピュータの一例である。運転者の運転特性とは、運転者の運転技量や運転嗜好を表すものである。運転特性管理サーバ300は、所定の収集方法に基づいて、無線通信又は有線通信を介して、各車両の運転者の運転特性を収集する。例えば、運転特性管理サーバ300は、運転者自身がアップロードした申告情報、運転者の実際の運転の仕方を自動で記録した運転履歴情報、運転教習所の成績情報などから、各運転者の運転特性を収集する。運転特性管理サーバ300は、収集した各運転者の運転特性を運転特性記憶部310に保持し、運転支援サーバ100からの要求に基づいて、当該要求に適合する各運転者の運転特性を運転支援サーバ100に提供する。各運転者の運転特性には、運転者を識別可能な運転者IDが運転特性管理サーバ300により付与されている。
【0020】
なお、車両が自動運転車両である場合、自動運転車両の運転を自動制御するコンピュータを運転者とみなしてもよいし、運転支援を受ける乗員を運転者とみなしてもよい。コンピュータの運転特性は、例えば、プログラム定数により調整可能である。
【0021】
運転特性記憶部310は、運転特性管理サーバ300によって収集された各車両の運転特性を読み出し可能に記憶する。運転特性記憶部310の具体例として、ハードディスクが挙げられる。
【0022】
図3は、各運転者の運転特性の一例を示す図である。運転特性管理サーバ300は、収集した各運転者の運転特性を数値化して、運転特性記憶部310に保持する。図3には、各運転者が行う運転行動のいくつかの例として、「加速」「減速」「停車」「車線変更」「左右警戒(自車両の左右を警戒すること)」が挙げられている。運転特性のスコアが低い運転行動ほど、その運転者が嫌がる又は不得意な行動であることを表す。例えば、運転者3aの場合、スコアが6の車線変更は比較的得意であるが、スコアが3の加速はあまり得意でないことを表す。
【0023】
図1において、運転支援サーバ100は、複数の車両(図1には、車両1,2,3を例示)を遠隔で運転支援するコンピュータの一例である。運転支援サーバ100は、運転状況取得部110、運転特性取得部120、運転行動決定部130、運転行動指示部140を備える運転支援装置の一例である。運転状況取得部110、運転特性取得部120、運転行動決定部130、運転行動指示部140のそれぞれの機能は、CPUが実行する処理によって実現される。
【0024】
図4は、運転支援方法の一例を示すフローチャートである。
【0025】
ステップS10にて、運転状況取得部110は、運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から、無線通信又は有線通信を介して、互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を取得する。例えば図2において、運転状況取得部110は、運転支援対象の車両1からの運転支援要求を無線通信を介して受信した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある他車両の運転状況とを提供するように、運転状況管理サーバ200に要求する。運転状況管理サーバ200は、運転状況取得部110からの運転状況提供要求を受信すると、車両1と衝突する可能性のある車両2の存在を所定の衝突予測方法に基づき予測する。そして、運転状況管理サーバ200は、互いに衝突する可能性のある車両1,2それぞれの運転状況(例えば、位置情報、挙動情報、周辺情報など)を運転支援サーバ100に提供する。これにより、運転状況取得部110は、互いに衝突する可能性のある車両1,2のそれぞれの運転状況を取得できる。
【0026】
ステップS20にて、運転特性取得部120は、運転特性管理サーバ300の運転特性記憶部310から、無線通信又は有線通信を介して、互いに衝突する可能性のある各車両の運転者の運転特性を取得する。例えば図2において、運転特性取得部120は、運転状況取得部110により運転状況が取得された車両1,2それぞれの運転者の運転特性を提供するように、運転特性管理サーバ300に要求する。運転特性取得部120は、運転状況取得部110により取得された各車両の運転状況に付与された運転者IDに対応する運転者の運転特性を提供するように、運転特性管理サーバ300に要求する。運転特性管理サーバ300は、運転特性取得部120からの運転特性提供要求を受信すると、車両1の運転者1aと車両2の運転者2aのそれぞれの運転特性を運転特性記憶部310から運転支援サーバ100に提供する。これにより、運転特性取得部120は、互いに衝突する可能性のある車両1,2それぞれの運転者の運転特性を取得できる。
【0027】
ステップS30にて、運転行動決定部130は、運転状況取得部110が取得した運転状況で各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動であって運転特性取得部120が取得した運転特性に適合する運転行動を決定する。例えば図2において、運転行動決定部130は、支線道路を走行する車両1と本線道路を走行する車両2とが交差点50で衝突する可能性がある運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動を、車両1,2の各運転者の運転特性を加味して決定する。
【0028】
ステップS40にて、運転行動指示部140は、運転行動決定部130が決定した運転行動を、互いに衝突する可能性のある各車両に対して、無線通信を介して指示する。例えば図2において、運転行動指示部140は、車両1,2の各運転者の運転特性を加味してステップS30にて決定された運転行動を、車両1,2それぞれに指示する。これにより、車両1,2が交差点50に進入する前に、車両1,2の各運転者は、自身の運転特性に適合した運転行動を把握可能となる。車両1,2の各運転者は、指示された運転行動に従って、自車両を運転することで、交差点50での衝突を回避できる。
【0029】
このように、互いに衝突する可能性のある各車両の運転者のそれぞれの運転特性を加味して決定された運転行動が、当該各車両に指示されるので、当該各車両に対して適切な運転支援を実施することができる。
【0030】
次に、運転支援場面のいくつかの具体例を挙げて、本実施形態について説明する。
【0031】
<合流時の運転支援の第1例>
図5は、左側通行路での左折合流時の運転支援場面の一例を示す図である。図5は、片側二車線の本線道路に片側一車線の支線道路が交差点51で接続されており、支線道路の車線41を通行する車両1が、車両2が通行する本線道路の車道20に合流する場面を示す。車両1は、支線道路の車線41を走行し、車両2は、車道20の二つの車線21,22のうち車線21を走行し、車両3は、車道30の二つの車線31,32のうち車線31を走行する。
【0032】
運転状況取得部110は、運転支援対象の車両1から、交差点51での左折合流の運転支援要求を受信した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある車両2の運転状況とを運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から取得する。運転状況取得部110は、車線41を走行する車両1が交差点51で左折する予定の運転状況にあることを取得するとともに、車線21を走行する車両2が交差点51に向かって走行している運転状況にあることを取得する。
【0033】
互いに衝突する可能性のある車両1,2の運転状況が運転状況取得部110により取得された場合、運転行動決定部130は、運転状況取得部110により取得された当該運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する。
【0034】
図6は、図5の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。図6の場合、運転行動決定部130は、車両1が交差点51で左折することにより車両2と衝突する可能性のある運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを五つ生成する。例えば、当該運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせの一つとして、運転行動決定部130は、車両1を加速させ且つ車両2を減速させるという運転行動の組み合わせを生成する。
【0035】
なお、運転行動決定部130は、車両1,2が停車位置に存在しないことが運転状況取得部110により取得されるので、車両1,2の運転行動として、停車を選定しない。また、運転行動決定部130は、車両1が車線変更可能な車線がない支線道路を走行していることが運転状況取得部110により取得されるので、車両1の運転行動として、車線変更を選定しない。
【0036】
図7は、図6で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。運転行動決定部130は、図6で生成された五つの運転行動の組み合わせのそれぞれに、運転特性取得部120が運転特性記憶部310から取得したスコア(図3参照)を付ける。例えば、図3において、車両1の運転者1aの加速のスコアは3であり、車両2の運転者2aの減速のスコアは5である。したがって、運転行動決定部130は、図7に示されるように、車両1を加速させ且つ車両2を減速させるという運転行動の組み合わせのスコアを8(=3+5)とする。運転行動の他の組み合わせのスコア付けについても同様である。
【0037】
運転行動決定部130は、五つの組み合わせの中から、スコアが最大となる組み合わせを選択することによって、運転者1a,2aにとって最適な運転行動の組み合わせを選定できる。図7の場合、運転行動決定部130は、運転者1aの最適な運転行動として、左右警戒を選定し、運転者2aの最適な運転行動として、車線22への車線変更を選定する。
【0038】
運転行動指示部140は、車両1に対して左右警戒を指示し、車両2に対して車線22への車線変更を指示する。これにより、車両1に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、左右を警戒するように運転者1aに知らせることができる。また、車両2に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車線22への車線変更をするように運転者2aに知らせることができる。したがって、車両1,2のそれぞれは、指示された運転行動に従って運転操作されることで、交差点51での衝突を回避できる。
【0039】
<合流時の運転支援の第2例>
図8は、左側通行路での左折合流時の運転支援場面の他の一例を示す図である。図8は、片側一車線の本線道路に片側一車線の支線道路が交差点52で接続されており、支線道路の車線42を通行する車両1が、車両2が通行する本線道路の車線23に合流する場面を示す。車両1は、支線道路の車線42を走行し、車両2は、本線道路の車線23を走行し、車両3は、本線道路の車線33を走行する。上述の運転支援場面と同様の点については、上述の説明を援用してその説明を省略する。
【0040】
運転状況取得部110は、運転支援対象の車両1から、交差点52での左折合流の運転支援要求を受信した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある車両2の運転状況とを運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から取得する。運転状況取得部110は、車線42を走行する車両1が交差点52で左折する予定の運転状況にあることを取得するとともに、車線23を走行する車両2が交差点52に向かって走行している運転状況にあることを取得する。
【0041】
図9は、図8の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。図9の場合、運転行動決定部130は、車両1が交差点52で左折することにより車両2と衝突する可能性のある運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを二つ生成する。
【0042】
なお、運転行動決定部130は、車両2が車線変更可能な車線がない本線道路を走行していることが運転状況取得部110により取得されるので、車両2の運転行動として、車線変更を選定しない。
【0043】
図10は、図9で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。運転行動決定部130は、図9で生成された二つの運転行動の組み合わせのそれぞれに、運転特性取得部120が運転特性記憶部310から取得したスコア(図3参照)を付ける。
【0044】
運転行動決定部130は、二つの組み合わせの中から、スコアが最大となる組み合わせを選択することによって、運転者1a,2aにとって最適な運転行動の組み合わせを選定できる。図10の場合、運転行動決定部130は、運転者1aの最適な運転行動として、減速を選定し、運転者2aの最適な運転行動として、加速を選定する。
【0045】
運転行動指示部140は、車両1に対して減速を指示し、車両2に対して加速を指示する。これにより、車両1に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両1を減速させるように運転者1aに知らせることができる。また、車両2に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両2を加速させるように運転者2aに知らせることができる。したがって、車両1,2のそれぞれは、指示された運転行動に従って運転操作されることで、交差点52での衝突を回避できる。
【0046】
<右折時の運転支援の一例>
図11は、左側通行路での右折合流時の運転支援場面の一例を示す図である。上述の運転支援場面と同様の点については、上述の説明を援用してその説明を省略する。
【0047】
運転状況取得部110は、運転支援対象の車両1から、交差点52での右折合流の運転支援要求を受信した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある車両2,3それぞれの運転状況とを運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から取得する。運転状況取得部110は、車線42を走行する車両1が交差点52で右折する予定の運転状況にあることを取得するとともに、車線23を走行する車両2が交差点52に向かって走行している運転状況にあることを取得する。さらに、運転状況取得部110は、車線33を走行する車両3が交差点52に向かって走行している運転状況にあることを取得する。
【0048】
図12は、図11の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。図12の場合、運転行動決定部130は、車両1が交差点52で右折することにより車両2,3と衝突する可能性のある運転状況で車両1,2,3が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを二つ生成する。
【0049】
図13は、図12で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。運転行動決定部130は、図12で生成された二つの運転行動の組み合わせのそれぞれに、運転特性取得部120が運転特性記憶部310から取得したスコア(図3参照)を付ける。例えば、図3において、車両1の運転者1aの加速のスコアは3であり、車両2の運転者2aの減速のスコアは5であり、車両3の運転者3aの減速のスコアは4である。したがって、運転行動決定部130は、図13に示されるように、車両1を加速させ且つ車両2を減速させ且つ車両3を減速させるという運転行動の組み合わせのスコアを12(=3+5+4)とする。運転行動の他の組み合わせのスコア付けについても同様である。
【0050】
運転行動決定部130は、二つの組み合わせの中から、スコアが最大となる組み合わせを選択することによって、運転者1a,2a,3aにとって最適な運転行動の組み合わせを選定できる。図13の場合、運転行動決定部130は、運転者1aの最適な運転行動として、減速を選定し、運転者2aの最適な運転行動として、加速を選定し、運転者3aの最適な運転行動として、加速を選定する。
【0051】
運転行動指示部140は、車両1に対して減速を指示し、車両2に対して加速を指示し、車両3に対して加速を指示する。これにより、車両1に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両1を減速させるように運転者1aに知らせることができる。また、車両2に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両2を加速させるように運転者2aに知らせることができる。また、車両3に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両3を加速させるように運転者3aに知らせることができる。したがって、車両1,2,3のそれぞれは、指示された運転行動に従って運転操作されることで、交差点52での衝突を回避できる。
【0052】
<車線変更時の運転支援の第1例>
図14は、左側通行路での車線変更時の運転支援場面の一例を示す図である。車両1は、車道20の車線23を走行し、車両2は、車両1の右隣で車道20の車線22を走行し、車両3は、車両2の後方で車線22を走行する。上述の運転支援場面と同様の点については、上述の説明を援用してその説明を省略する。
【0053】
運転状況取得部110は、運転支援対象の車両1から、車線22への車線変更の運転支援要求を受信した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある車両2,3の運転状況とを運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から取得する。運転状況取得部110は、車線23を走行する車両1が車線22へ車線変更する予定の運転状況にあることを取得するとともに、車両2が車両1の右隣で車線22を走行している運転状況にあることを取得する。さらに、運転状況取得部110は、車両3が車両2の後方で車線22を走行している運転状況にあることを取得する。
【0054】
図15は、図14の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。図15の場合、運転行動決定部130は、車両1が車線22への車線変更をすることにより車両2,3と衝突する可能性のある運転状況で車両1,2,3が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを二つ生成する。
【0055】
図16は、図15で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。運転行動決定部130は、図15で生成された二つの運転行動の組み合わせのそれぞれに、運転特性取得部120が運転特性記憶部310から取得したスコア(図3参照)を付ける。
【0056】
運転行動決定部130は、二つの組み合わせの中から、スコアが最大となる組み合わせを選択することによって、運転者1a,2a,3aにとって最適な運転行動の組み合わせを選定できる。図16の場合、運転行動決定部130は、運転者1aの最適な運転行動として、減速を選定し、運転者2aの最適な運転行動として、加速を選定し、運転者3aの最適な運転行動として、減速を選定する。
【0057】
運転行動指示部140は、車両1に対して減速を指示し、車両2に対して加速を指示し、車両3に対して減速を指示する。これにより、車両1に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両1を減速させるように運転者1aに知らせることができる。また、車両2に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両2を加速させるように運転者2aに知らせることができる。また、車両3に搭載された報知装置は、音声と表示の少なくとも一方により、車両3を減速させるように運転者3aに知らせることができる。したがって、車両1,2,3のそれぞれは、指示された運転行動に従って運転操作されることで、互いの衝突を回避できる。また、運転者1aは、車両2と車両3との間の空間に向けて車両1を車線22へ容易に車線変更することができる。
【0058】
<車線変更時の運転支援の第2例>
図17は、車線変更時の運転支援場面の他の一例を示す図である。図17は、各運転者の運転特性に合わせた走行車線を指示する場面を示す。車両1は、車道20の車線23を走行し、車両3は、車両1の後方で車線23を走行し、車両2は、車両3の右後方で車道20の車線22を走行する。車道20は、車速を抑えたい運転者用の車線23と、車速を上昇させたい運転者用の車線22とを有する。上述の運転支援場面と同様の点については、上述の説明を援用してその説明を省略する。
【0059】
運転状況取得部110は、運転支援対象の車両3から、車線22への車線変更の運転支援要求を受信した場合、車両3の運転状況と、車両3と衝突する可能性のある車両1,2の運転状況とを運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から取得する。運転状況取得部110は、車線23を走行する車両3が車線22へ車線変更する予定の運転状況にあることを取得するとともに、車両1が車両3の前方で車線23を走行している運転状況にあることを取得する。さらに、運転状況取得部110は、車両2が車両3の右後方で車線22を走行している運転状況にあることを取得する。
【0060】
図18は、図17の運転支援場面で衝突回避可能な運転行動の組み合わせを複数生成する方法の一例を示す図である。図18の場合、運転行動決定部130は、車両3が車線22への車線変更をすることにより車両1,2と衝突する可能性のある運転状況で車両1,2,3が互いに衝突を回避可能な運転行動の組み合わせを八つ生成する。
【0061】
図19は、図18で生成された複数の組み合わせの中から、各運転者の運転特性に適合する組み合わせを選定する方法の一例を示す図である。運転行動決定部130は、図18で生成された八つの運転行動の組み合わせのそれぞれに、運転特性取得部120が運転特性記憶部310から取得したスコア(図3参照)を付ける。
【0062】
運転行動決定部130は、八つの組み合わせの中から、スコアが最大となる組み合わせを選択することによって、運転者1a,2a,3aにとって最適な運転行動の組み合わせを選定できる。図19の場合、運転行動決定部130は、運転者1aの最適な運転行動として、減速を選定し、運転者2aの最適な運転行動として、加速または減速を選定し、運転者3aの最適な運転行動として、加速を選定する。
【0063】
したがって、車両1,2,3のそれぞれは、指示された運転行動に従って運転操作されることで、互いの衝突を回避できる。また、加速が得意でない運転者1aは、車速を抑えたい運転者用の車線23で車両1を走行させることを容易に維持できる。また、加速があまり得意でない運転者2aは、車速を上昇させたい運転者用の車線22から車速を抑えたい運転者用の車線23への車線変更を容易に実施できる。また、加速が得意な運転者3aは、車速を抑えたい運転者用の車線23から車速を上昇させたい運転者用の車線22への車線変更を容易に実施できる。
【0064】
<第2の実施形態>
図20は、第2の実施形態に係る運転支援システムの構成の一例を示す図である。図20の運転支援システム12は、複数の車両を運転支援するシステムの一例である。運転支援システム12は、図1の運転支援サーバ100に代えて、車両に搭載された運転支援ECU(Electronic Control Unit)400を備える点で、図1の構成と異なる。運転支援ECU400は、運転支援サーバ100と同様の機能を有する。運転支援ECU400は、車両1以外の車両2,3等の他車両に搭載されてよい。
【0065】
運転支援ECU400は、運転状況取得部410、運転特性取得部420、運転行動決定部430、運転行動指示部440を備える運転支援装置の一例である。運転状況取得部410、運転特性取得部420、運転行動決定部430、運転行動指示部440のそれぞれの機能は、CPUが実行する処理によって実現される。第1の実施形態と同様の点については、上述の説明を援用して省略する。
【0066】
第2の実施形態において、互いに衝突する可能性のある各車両には、運転支援ECU400を搭載する自車両(図1の場合、車両1)が含まれる。
【0067】
運転状況取得部410は、運転状況管理サーバ200の運転状況記憶部210から、無線通信を介して、互いに衝突する可能性のある各車両の運転状況を取得する。例えば図2において、運転状況取得部410は、車両1で運転支援要求が発生した場合、車両1の運転状況と、車両1と衝突する可能性のある他車両の運転状況とを提供するように、運転状況管理サーバ200に要求する。運転状況管理サーバ200は、運転状況取得部410からの運転状況提供要求を受信すると、車両1と衝突する可能性のある車両2の存在を所定の衝突予測方法に基づき予測する。そして、運転状況管理サーバ200は、互いに衝突する可能性のある車両1,2それぞれの運転状況(例えば、位置情報、挙動情報、周辺情報など)を運転支援ECU400に無線通信を介して提供する。これにより、運転状況取得部410は、互いに衝突する可能性のある車両1,2のそれぞれの運転状況を取得できる。
【0068】
運転特性取得部420は、運転特性管理サーバ300の運転特性記憶部310から、無線通信を介して、互いに衝突する可能性のある各車両の運転者の運転特性を取得する。例えば図2において、運転特性取得部420は、運転状況取得部410により運転状況が取得された車両1,2それぞれの運転者の運転特性を提供するように、運転特性管理サーバ300に要求する。運転特性管理サーバ300は、運転特性取得部420からの運転特性提供要求を受信すると、車両1の運転者1aと車両2の運転者2aのそれぞれの運転特性を運転特性記憶部310から運転支援ECU400に提供する。これにより、運転特性取得部420は、互いに衝突する可能性のある車両1,2それぞれの運転者の運転特性を取得できる。
【0069】
運転行動決定部430は、運転状況取得部410が取得した運転状況で各車両が互いに衝突を回避可能な運転行動であって運転特性取得部420が取得した運転特性に適合する運転行動を決定する。例えば図2において、運転行動決定部430は、支線道路を走行する車両1と本線道路を走行する車両2とが交差点50で衝突する可能性がある運転状況で車両1,2が互いに衝突を回避可能な運転行動を、車両1,2の各運転者の運転特性を加味して決定する。
【0070】
運転行動指示部440は、運転行動決定部430が決定した運転行動を、互いに衝突する可能性のある各車両に対して指示する。例えば図2において、運転行動指示部440は、車両1の運転者1aの運転特性を加味して決定された運転行動を、運転者1aに対して車両1の報知装置を介して指示する。その一方で、運転行動指示部440は、車両2の運転者2aの運転特性を加味して決定された運転行動を、運転者2aに対して無線通信回線及び車両2の報知装置を介して指示する。これにより、車両1,2が交差点50に進入する前に、車両1,2の各運転者は、自身の運転特性に適合した運転行動を把握可能となる。車両1,2の各運転者は、指示された運転行動に従って、自車両を運転することで、交差点50での衝突を回避できる。
【0071】
このように、互いに衝突する可能性のある各車両の運転者のそれぞれの運転特性を加味して決定された運転行動が、当該各車両に指示されるので、当該各車両に対して適切な運転支援を実施することができる。
【0072】
以上、運転支援装置及び運転支援方法を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0073】
例えば図1において、運転状況管理サーバ200が車両の衝突を予測するのではなく、運転支援サーバ100が、運転状況管理サーバ200から取得した各車両の運転状況を用いて、車両の衝突を予測してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,2,3 車両
11,12 運転支援システム
50,51,52 交差点
100 運転支援サーバ
200 運転状況管理サーバ
300 運転特性管理サーバ
400 運転支援ECU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図20