特許第6412203号(P6412203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6412203電力管理システム、コンテンツ配信装置、及び電力管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6412203
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】電力管理システム、コンテンツ配信装置、及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20181015BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20181015BHJP
【FI】
   H02J13/00 301A
   G06Q50/06
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-92583(P2017-92583)
(22)【出願日】2017年5月8日
(62)【分割の表示】特願2016-66981(P2016-66981)の分割
【原出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2017-139958(P2017-139958A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】志賀 昭弘
(72)【発明者】
【氏名】三宅 崇之
【審査官】 高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/024366(WO,A1)
【文献】 特開2005−056249(JP,A)
【文献】 特開2002−334136(JP,A)
【文献】 特開2011−248923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−5/00,
H02J13/00,
H03J9/00−9/06,
H04B1/74,
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と、
前記電力管理装置と通信可能であって、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に対して、コンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置と、
を有する電力管理システムにおいて、
前記電力管理装置は、前記機器の電力状態を前記コンテンツ配信装置に送信し、
前記コンテンツ配信装置は、前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信することを特徴とする電力管理システム。
【請求項2】
前記コンテンツ配信装置は、さらに記機器の位置情報に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定することを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記電力管理装置と前記コンテンツ配信装置との通信はプライバシー保護設定がされていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記配信先、前ユーザの携帯端末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記コンテンツ配信装置は、前記ユーザの今後の行動を推定した結果に基づいて、前記ユーザの今後の行動に対応するコンテンツデータのカテゴリを決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記コンテンツデータは、電子クーポン及び広告情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項7】
ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と通信可能であり、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に対してコンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置であって、
前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信することを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項8】
ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と、
前記電力管理装置と通信可能であって、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に対して、コンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置と、
を有する電力管理システムの電力管理方法であって、
前記電力管理装置が前記機器の電力状態を前記コンテンツ配信装置に送信するステップと、
前記コンテンツ配信装置が前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信するステップと、を有することを特徴とする電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の需要家に設けられる負荷機器の消費電力量を管理するための電力管理システム、コンテンツ配信装置、及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー化に対する関心が高まっており、住宅単位で電力管理を行うためのHEMS(Home Energy Management System)や、ビル単位で電力管理を行うためのBEMS(Building Energy Management System)などのシステムが注目されている。
【0003】
また、電力の需要家(以下、単に「需要家」という)の外部に設けられたサーバと連携して、需要家における省エネルギー化を支援するシステムも提案されている(特許文献1参照。)
【0004】
特許文献1に記載のサーバは、需要家から消費電力量の情報を受信し、当該需要家において過多である消費電力の種別(ピーク電力量、常用電力量、ベース電力量)を判別し、当該過多である消費電力を削減するために、当該需要家に設けられた負荷機器の何れかを選択し、当該選択した負荷機器の消費電力を削減するための省エネルギー行動案を当該需要家に対して送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−176373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、需要家における消費電力量に応じた省エネルギー行動案を提供することで、省エネルギー化に寄与することができるものの、ユーザの現在の状況に応じた付加価値の高いサービスを提供することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザに対して付加価値の高いサービスを提供することができる電力管理システム、コンテンツ配信装置、及び電力管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0009】
本発明に係る電力管理システムは、ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と、前記電力管理装置と通信可能であって、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に対して、コンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置と、を有する電力管理システムにおいて、前記電力管理装置は、前記機器の電力状態を前記コンテンツ配信装置に送信し、前記コンテンツ配信装置は、前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るコンテンツ配信装置は、ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と通信可能であり、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に対してコンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置であって、前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電力管理方法は、ユーザの機器の電力状態を管理する電力管理装置と、前記電力管理装置と通信可能であって、前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付
けられた配信先に対して、コンテンツデータを送信するコンテンツ配信装置と、を有する電力管理システムの電力管理方法であって、前記電力管理装置が前記機器の電力状態を前記コンテンツ配信装置に送信するステップと、前記コンテンツ配信装置が前記電力管理装置から受信した前記電力状態の統計情報および前記電力状態の現在の電力状態に基づいて前記ユーザの今後の行動を推定し、前記ユーザの今後の行動に対応する前記コンテンツデータを前記電力管理装置または前記電力管理装置に対応付けられた配信先に送信するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザに対して付加価値の高いサービスを提供することができる電力管理システム、コンテンツ配信装置、及び電力管理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成図である。
図2】実施形態に係るHEMSの設置環境を示す図である。
図3】実施形態に係るHEMSのブロック図である。
図4】実施形態に係る動作具体例を説明するためのグラフである。
図5】実施形態に係るコンテンツサーバのブロック図である。
図6】実施形態に係るHEMSの動作フロー図である。
図7】実施形態に係るコンテンツサーバの動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態に係る図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0015】
(全体システム構成)
図1は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システムは、需要家の宅内に設けられた複数のセンサ10及びHEMS100と、コンテンツ配信プロバイダによって管理されるコンテンツサーバ200と、を有する。
【0017】
HEMS100は、複数のセンサ10の出力信号に基づいて、需要家に設けられる複数の負荷機器15(図2参照)の消費電力量を管理する。本実施形態においてHEMS100は、電力管理装置に相当する。
【0018】
HEMS100及びコンテンツサーバ200は、インターネット20を介して相互に通信を行うことができる。
【0019】
コンテンツサーバ200は、HEMS100からインターネット20を介して受信する情報に基づいて、HEMS100に対してコンテンツデータを配信する。本実施形態においてコンテンツサーバ200は、コンテンツ配信装置に相当する。コンテンツデータとは、例えば電子クーポン、又は広告情報などである。
【0020】
ここで、コンテンツサーバ200は、HEMS100に対してコンテンツデータを配信する場合に限らず、ユーザの携帯端末30(図2参照)などに対してコンテンツデータを配信してもよい。
【0021】
図2は、本実施形態に係るHEMS100の設置環境を示す図である。
【0022】
図2に示すように、需要家の宅内において、リビングの負荷機器15−1(例えば、照明機器)の消費電力量を計測するためのセンサ10−1と、キッチンの負荷機器15−2(例えば、炊飯器又はIH調理器など)の消費電力量を計測するためのセンサ10−2と、が設置されている。
【0023】
HEMS100は、センサ10−1の出力信号に基づいて、リビングの負荷機器15−1の消費電力量を取得する。また、HEMS100は、センサ10−2の出力信号に基づいて、キッチンの負荷機器15−2の消費電力量を取得する。
【0024】
HEMS100は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量に応じて、コンテンツサーバ200との通信を制御する。本実施形態では、HEMS100は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量に基づいて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、コンテンツサーバ200に対して要求する。
【0025】
HEMS100は、プライバシー保護設定がなされていない場合には、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量をコンテンツサーバ200に対して通知してもよい。
【0026】
これに対し、プライバシー保護設定がなされている場合には、HEMS100は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量をコンテンツサーバ200に対して通知することなく、コンテンツデータをコンテンツサーバ200に対して要求する。
【0027】
コンテンツサーバ200は、HEMS100から受信した情報に応じて、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量に基づいて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、当該ユーザの機器(例えばHEMS100及び/又は携帯端末30)に対して配信する。
【0028】
(HEMSの構成)
図3は、HEMS100のブロック図である。
【0029】
図3に示すように、HEMS100は、センサインターフェイス110と、ユーザインターフェイス120と、通信部130と、記憶部140と、制御部150と、を有する。
【0030】
センサインターフェイス110は、制御部150の制御下で、複数のセンサ10との通信を行うことで、複数のセンサ10それぞれの出力信号を定期的に取得する。複数のセンサ10との通信は、有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。センサインターフェイス110は、センサ10の出力信号を制御部150に対して出力する。
【0031】
ユーザインターフェイス120は、制御部150の制御下で、ユーザに対する情報の出力及びユーザからの情報の入力を行う。ユーザインターフェイス120は、例えば、画像の表示を行うためのディスプレイと、音声の出力を行うためのスピーカと、ユーザ操作を受け付けるための各種ボタンと、を含む。ただし、ディスプレイ及びボタンは、タッチパネルとして一体化されていてもよい。
【0032】
通信部130は、ルータなどを介してインターネット20に接続されており、制御部150の制御下で、コンテンツサーバ200との通信を行う。
【0033】
記憶部140は、例えばHDD及び/又は半導体メモリである。記憶部140は、制御部150によって実行されるプログラムと、負荷機器15に関する情報と、コンテンツサーバ200に対して要求すべきコンテンツデータに関する情報と、を予め記憶している。記憶部140は、制御部150の制御下で、負荷機器15の消費電力量及び当該消費電力量に基づく統計情報を記憶する。
【0034】
制御部150は、例えばCPUである。制御部150は、記憶部140に記憶されているプログラムを実行することで、以下の制御を行う。
【0035】
第1に、制御部150は、複数のセンサ10それぞれの出力信号に基づいて、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量を取得し、取得した消費電力量を負荷機器15毎かつ時間帯毎に記憶部140に蓄積する。制御部150は、記憶部140に蓄積した消費電力量に対する統計処理を行うことで、統計情報(消費電力量の変動傾向)を負荷機器15毎に取得する。消費電力量の変動傾向とは、例えば時間帯毎の平均消費電力量(通常の消費電力量)を意味する。
【0036】
第2に、制御部150は、負荷機器15毎に、現在の消費電力量を、消費電力量の変動傾向と比較する。制御部150は、現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15がある場合には、当該負荷機器15が通常の使用状態とは異なる状態であると判断する。
【0037】
第3に、制御部150は、通常の使用状態とは異なる状態にあると判断した負荷機器15が設置されている場所(キッチン、リビングなど)に応じて、ユーザの行動を推定する。制御部150は、記憶部140を参照して、推定したユーザの行動に対応するコンテンツデータのカテゴリを決定する。
【0038】
第4に、制御部150は、決定したカテゴリの情報を含んだコンテンツデータ配信要求をコンテンツサーバ200に対して送信するよう通信部130を制御する。
【0039】
このように、コンテンツデータ配信要求をコンテンツサーバ200に対して送信することで、消費電力量の情報が需要家の外部に漏れることを防止できるため、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0040】
ただし、このようなプライバシー保護が必要とされない場合には、制御部150は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量をコンテンツサーバ200に対して通知してもよい。この場合、上述した第1の処理から第3の処理と同様の処理がコンテンツサーバ200において行われる。
【0041】
プライバシー保護設定の有無の情報は、例えば、記憶部140に予め記憶されている。当該情報は、ユーザ操作により手動で更新してもよく、制御部150が自動で更新してもよい。
【0042】
ここで、上述した第1の処理から第4の処理の具体例を説明する。図4は、通常時の消費電力と特定の日の消費電力との差異を検出し、コンテンツデータを要求する場合の具体例を説明するためのグラフである。
【0043】
図4(a)は、キッチンの負荷機器15−2の時間帯別の平均消費電力量を示すグラフである。図4(a)に示すように、キッチンの負荷機器15−2は、朝食、昼食、夕食の時間帯において、消費電力量が多くなる傾向がある。
【0044】
図4(b)は、キッチンの負荷機器15−2及びリビングの負荷機器15−1それぞれの時間帯別の平均消費電力量を示すグラフである。図4(b)に示すように、リビングの負荷機器15−1において電力が消費されている場合(すなわち、ユーザが在宅中であると推定される場合)において、この需要家においては朝食、昼食、夕食の時間帯でキッチンの負荷機器15−2の消費電力が上昇する傾向がある。
【0045】
制御部150は、統計処理によってこれらの傾向を導出し、通常の消費電力量の状態として負荷機器15毎に管理する。
【0046】
図4(c)は、特定の日の消費電力の推移を示したグラフである。図4(c)に示すように、リビングの負荷機器15−1の消費電力量からユーザが在宅である可能性が高いのにもかかわらず、18時前から上昇する傾向があるキッチンの負荷機器15−2の消費電力量が上昇していない。
【0047】
このような状態をトリガとして、制御部150は、ユーザが夕食のための調理を行わずに、外食を行う又は弁当を買うと推定する。そして、制御部150は、弁当などの宅配カテゴリに属するコンテンツデータ(電子クーポンなど)をコンテンツサーバ200に要求する。
【0048】
図4(c)においては、18時前におけるリビングの負荷機器15−1の消費電力量が通常通りの状態であるが、当該消費電力量も減少する場合には、制御部150は、ユーザが外出すると推定し、レストランなどの外食カテゴリに属するコンテンツデータ(電子クーポンなど)をコンテンツサーバ200に要求する。
【0049】
例えば、記憶部140は、負荷機器15と、当該負荷機器15に関連するユーザの行動と、当該行動に関連するコンテンツデータのカテゴリと、を予め記憶している。制御部150は、記憶部140を参照することで、ユーザの行動を推定したり、コンテンツデータのカテゴリを決定したりすることができる。
【0050】
(コンテンツサーバの構成)
図5は、コンテンツサーバ200のブロック図である。
【0051】
図5に示すように、コンテンツサーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、を有する。
【0052】
通信部210は、ルータなどを介してインターネット20に接続されており、制御部230の制御下で、HEMS100との通信を行う。
【0053】
記憶部220は、例えばHDD及び/又は半導体メモリである。記憶部220は、制御部230によって実行されるプログラムと、負荷機器15に関する情報と、配信すべきコンテンツデータに関する情報と、を予め記憶している。また、記憶部220は、制御部230の制御下で、負荷機器15の消費電力量及び当該消費電力量に基づく統計情報を記憶する。
【0054】
制御部230は、例えばCPUである。制御部230は、記憶部220に記憶されているプログラムを実行することで、以下の制御を行う。
【0055】
通信部210がコンテンツデータ配信要求をHEMS100から受信する場合において、制御部230は、当該コンテンツデータ配信要求に含まれるカテゴリ(宅配、レストランなど)に応じて、当該カテゴリに合致するコンテンツデータをHEMS100に対して配信するよう通信部210を制御する。ただし、HEMS100に対応付けられた他の配信先(例えば、携帯端末30のアドレス)が予め設定されている場合には、当該他の配信先に対してコンテンツデータを配信してもよい。
【0056】
これに対し、通信部210が消費電力量の通知をHEMS100から受信する場合において、制御部230は、以下の制御を行う。
【0057】
第1に、制御部230は、消費電力量を負荷機器15毎かつ時間帯毎に記憶部220に蓄積する。制御部230は、記憶部220に蓄積した消費電力量に対する統計処理を行うことで、統計情報(消費電力量の変動傾向)を負荷機器15毎に取得する。消費電力量の変動傾向とは、例えば時間帯毎の平均消費電力量(通常の消費電力量)を意味する。
【0058】
第2に、制御部230は、負荷機器15毎に、現在の消費電力量を、消費電力量の変動傾向と比較する。制御部230は、現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15がある場合には、当該負荷機器15が通常の使用状態とは異なる状態であると判断する。
【0059】
第3に、制御部230は、通常の使用状態とは異なる状態にあると判断した負荷機器15が設置されている場所(キッチン、リビングなど)に応じて、ユーザの行動を推定する。制御部230は、記憶部220を参照して、推定したユーザの行動に対応するコンテンツデータのカテゴリを決定する。
【0060】
例えば、記憶部220は、負荷機器15と、当該負荷機器15に関連するユーザの行動と、当該行動に関連するコンテンツデータのカテゴリと、を予め記憶している。制御部230は、記憶部220を参照することで、ユーザの行動を推定したり、コンテンツデータのカテゴリを決定したりすることができる。
【0061】
第4に、制御部230は、決定したカテゴリに合致するコンテンツデータをHEMS100に対して配信するよう通信部210を制御する。ただし、HEMS100に対応付けられた他の配信先(例えば、携帯端末30のアドレス)が予め設定されている場合には、当該他の配信先に対してコンテンツデータを配信してもよい。
【0062】
(動作フロー)
以下において、HEMS100及びコンテンツサーバ200それぞれの動作フローについて説明する。
【0063】
図6は、HEMS100の動作フロー図である。
【0064】
図6に示すように、ステップS101において、制御部150は、複数のセンサ10それぞれの出力信号に基づいて、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量を取得し、取得した消費電力量を負荷機器15毎かつ時間帯毎に記憶部140に蓄積する。
【0065】
ステップS102において、制御部150は、記憶部140に蓄積した消費電力量に対する統計処理を行うことで、統計情報(消費電力量の変動傾向)を負荷機器15毎に取得する。
【0066】
ステップS103において、制御部150は、プライバシー保護設定の有無を確認する。プライバシー保護設定がなされている場合(ステップS103;YES)、制御部150は、処理をステップS104に進める。これに対し、プライバシー保護設定がなされていない場合(ステップS103;NO)、制御部150は、処理をステップS106に進める。
【0067】
ステップS104において、制御部150は、負荷機器15毎に、現在の消費電力量を、通常の消費電力量(変動傾向)と比較する。
【0068】
現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15がある場合(ステップS104;YES)、制御部150は、当該負荷機器15が通常の使用状態とは異なる状態であると判断し、処理をステップS105に進める。これに対し、現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15が無い場合(ステップS104;NO)、制御部150は、処理をステップS101に戻す。
【0069】
ステップS105において、制御部150は、通常の使用状態とは異なる状態にあると判断した負荷機器15が設置されている場所(キッチン、リビングなど)に応じて、ユーザの行動を推定して、当該推定したユーザの行動に対応するコンテンツデータのカテゴリを決定する。
【0070】
ステップS106において、制御部150は、決定したカテゴリの情報を含んだコンテンツデータ配信要求、又は消費電力量の通知をコンテンツサーバ200に対して送信するよう通信部130を制御する。
【0071】
ステップS107において、通信部130は、コンテンツサーバ200からのコンテンツデータを受信する。当該コンテンツデータの受信が完了した場合(ステップS108;YES)、ステップS109において、制御部150は、当該コンテンツデータを表示するようユーザインターフェイス120を制御する。或いは、制御部150は、他の配信先(例えば携帯端末30のアドレス)が予め設定されている場合には、当該他の配信先に対してコンテンツデータを転送するよう通信部130を制御してもよい。
【0072】
図7は、コンテンツサーバ200の動作フロー図である。
【0073】
図7に示すように、ステップS201において、制御部230は、通信部210がHEMS100からの消費電力量の通知を受信したか、コンテンツデータ配信要求を受信したかを確認する。消費電力量の通知を受信した場合(ステップS201;YES)、制御部230は、処理をステップS202に進める。これに対し、コンテンツデータ配信要求を受信した場合(ステップS201;NO)、制御部230は、処理をステップS205に進める。
【0074】
ステップS202において、制御部230は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量を通信部210により取得し、消費電力量を負荷機器15毎かつ時間帯毎に記憶部220に蓄積する。制御部230は、記憶部220に蓄積した消費電力量に対する統計処理を行うことで、統計情報(消費電力量の変動傾向)を負荷機器15毎に取得する。
【0075】
ステップS203において、制御部230は、負荷機器15毎に、現在の消費電力量を、消費電力量の変動傾向と比較する。現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15がある場合(ステップS203;YES)、制御部150は、当該負荷機器15が通常の使用状態とは異なる状態であると判断し、処理をステップS204に進める。これに対し、現在の消費電力量と消費電力量の変動傾向との差分が閾値以上である負荷機器15が無い場合(ステップS203;NO)、制御部150は、処理をステップS201に戻す。
【0076】
ステップS204において、制御部230は、通常の使用状態とは異なる状態にあると判断した負荷機器15が設置されている場所(キッチン、リビングなど)に応じて、ユーザの行動を推定して、当該推定したユーザの行動に対応するコンテンツデータのカテゴリを決定する。
【0077】
ステップS205において、制御部230は、カテゴリに合致するコンテンツデータをHEMS100に対して配信するよう通信部210を制御する。ただし、HEMS100に対応付けられた他の配信先(例えば、携帯端末30のアドレス)が予め設定されている場合には、当該他の配信先に対してコンテンツデータを配信してもよい。
【0078】
(まとめ)
以上説明したように、HEMS100は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量に基づいて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、コンテンツサーバ200に対して要求する。これにより、ユーザは、自らの行動に応じたサービスをコンテンツサーバ200から受けることができる。
【0079】
本実施形態では、複数の負荷機器15のうち所定の負荷機器15の現在の消費電力量と、当該所定の負荷機器15の通常の消費電力量と、の差分が閾値以上である場合において、HEMS100は、当該所定の負荷機器15が設置された場所に応じて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、コンテンツサーバ200に対して要求する。これにより、ある負荷機器15の消費電力量の状況が通常とは異なることをトリガとして、当該負荷機器15が設置された場所に応じてユーザの行動が推定されるため、ユーザの行動を精度よく推定することができる。
【0080】
本実施形態では、HEMS100は、プライバシー保護設定がなされていない場合には、消費電力量をコンテンツサーバ200に対して通知し、プライバシー保護設定がなされている場合には、消費電力量をコンテンツサーバ200に対して通知することなく、コンテンツデータをコンテンツサーバ200に対して要求する。これにより、ユーザのプライバシーを保護すべき場合において、消費電力量の情報をアップロードせずに秘密の状態にしておくことができる。
【0081】
コンテンツサーバ200は、複数の負荷機器15それぞれの消費電力量に基づいて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、当該ユーザの機器(例えば、携帯端末30、又はHEMS100)に対して配信する。これにより、ユーザの行動に応じたサービスを当該ユーザに対して提供することができる。
【0082】
本実施形態では、複数の負荷機器15のうち所定の負荷機器15の現在の消費電力量と、当該所定の負荷機器15の通常の消費電力量と、の差分が閾値以上である場合において、コンテンツサーバ200は、当該所定の負荷機器15が設置された場所に応じて推定されるユーザの行動に対応するコンテンツデータを、ユーザの機器(例えば、携帯端末30、又はHEMS100)に対して配信する。これにより、ある負荷機器15の消費電力量の状況が通常とは異なることをトリガとして、当該負荷機器15が設置された場所に応じてユーザの行動が推定されるため、ユーザの行動を精度よく推定することができる。
【0083】
本実施形態では、コンテンツサーバ200は、HEMS100においてプライバシー保護設定がなされていない場合には、消費電力量の通知をHEMS100から受信し、HEMS100においてプライバシー保護設定がなされている場合には、消費電力量の通知をHEMS100から受信することなく、コンテンツデータの配信要求をHEMS100から受信する。これにより、ユーザのプライバシーを保護すべき場合において、消費電力量の情報をHEMS100から受信せずに秘密の状態にしておくことができる。
【0084】
[その他の実施形態]
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0085】
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る電力管理装置としてのHEMS100について説明した。しかしながら、HEMS100に限らず、ビル単位で電力管理を行うBEMSなどを本発明に係る電力管理装置としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10…センサ、15…負荷機器、20…インターネット、30…携帯端末、100…HEMS、110…センサインターフェイス、120…ユーザインターフェイス、130…通信部、140…記憶部、150…制御部、200…コンテンツサーバ、210…通信部、220…記憶部230…制御部
図1
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図7