特許第6412319号(P6412319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6412319製本装置及び当該製本装置を使用して製造された製本書籍
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6412319
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】製本装置及び当該製本装置を使用して製造された製本書籍
(51)【国際特許分類】
   B42C 9/02 20060101AFI20181015BHJP
   B42D 9/00 20060101ALI20181015BHJP
   B42D 1/04 20060101ALI20181015BHJP
   B26D 1/02 20060101ALI20181015BHJP
   B26D 7/27 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   B42C9/02
   B42D9/00 C
   B42D1/04
   B26D1/02 D
   B26D7/27
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-42401(P2014-42401)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-168081(P2015-168081A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】513230837
【氏名又は名称】加藤製本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆之
【審査官】 池谷 香次郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−066824(JP,A)
【文献】 特開2010−069878(JP,A)
【文献】 特開平10−092396(JP,A)
【文献】 特開2003−300191(JP,A)
【文献】 実開昭57−059020(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 9/02
B26D 1/02
B26D 7/27
B42D 1/04
B42D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表紙を搬送する搬送装置と、栞紐を外周中に保持しつつ回転する回転体と、栞紐を切断する切断装置とを備え、
回転体は歯車状であり、複数の判型に適した栞紐の長さで栞紐を連続的に切断可能な位置に、外周に沿って複数の凹部を有し、ステッピングモータ又はサーボモータにより駆動が制御され、
切断装置は、凹部位置で栞紐を切断する切断部とスライド部を備え、
スライド部が、切断部を摺動させることが可能なスライド溝と、切断部を所定の位置に固定する固定手段を複数箇所備えていることを特徴とする製本装置。
【請求項2】
回転体の回転速度及び回転角を制御する手段と、切断を表紙への栞紐の糊付けと同期して指示する手段とを備えた制御装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項3】
固定手段が判型入力手段を兼ねていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製本装置。
【請求項4】
切断部が、切断部を摺動させる手動のハンドルを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製本装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の製本装置を使用し、
切断部の位置を固定手段により固定するステップと、
回転体を所定の速度で回転させるステップと、
表紙への栞紐の糊付けと切断を同期して行うステップと
からなる栞紐のついた並製本表紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本装置に関する。さらには、当該製本装置を使用して製造された製本書籍に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、書籍には様々な形式のものが存在するが、製本形式により分けると、上製本と並製本が存在する。
【0003】
上製本は、ハードカバー(堅表紙)とも呼ばれる製本形式であり、表紙はたとえばボール紙などの芯紙を表紙用紙で包んで構成され、本文よりも表紙が一回り大きい寸法で製造される。本文と見返しのきき紙は全面的に接着して製本される。表紙と本文の寸法との差の部分は「チリ」と呼ばれる。上製本の背には、選択的に栞紐(リボン、スピンなどとも呼ばれる。)が設けられる。公知の技術によれば、栞紐を同一製本ライン上で本文の背に接着することが可能である。このため上製本の製造にあたっては栞紐のために外部装置(アウトライン)を必要としない。
【0004】
一方、並製本は、ソフトカバーとも呼ばれる製本形式であり、表紙には芯紙は使用されず、本文と同寸法で仕上げられる。製本工程では、本文と表紙が同時に仕上げられる。並製本は、製造工程が短く安価であるため、雑誌や廉価な文庫本などに好んで用いられる。並製本の場合、一般にバインダーと呼ばれる製本ラインで行われるが、栞紐を同一ライン上で本文に設けることができる設備は存在しない。
ただし、文庫判については、表紙に栞を貼り付けするための装置が一部知られている。当該装置は、搬送部と、外周3分の1毎に3分割された回転体と、回転体に配設された吸着部と、栞を切断する切断部と、貼り付け部からなり、回転体外周の3分の1の長さの栞紐を連続的に表紙に貼り付けることが可能である。しかしながら、この装置は文庫サイズのみにしか対応しておらず、汎用性がない。
【0005】
このため、並製本においては、栞紐が必要な場合、手貼りするか、上製ラインの設備を利用することで、本文の背に貼付する場合が多い。しかし、上製ラインの設備を利用する場合、一旦ラインを止めて上製ラインを使用することになるので、他の製本のために使用している上製ラインを止めてしまう時間が生じ得る。このために、生産効率が極めて悪く、コスト的にも問題が生じる。
この問題に対し、並製本の本文の背に栞を設けるための方法を開示した文献等(例えば、特許文献1参照)も存在するが、製造コストや手間の問題から、実用性に欠ける。
【0006】
その一方、出版業界においては、電子書籍などが認知されてきたこともあり、将来的に製本書籍の需要が減少することが危惧されている。さらに、量販のために同一物が多部数発行される製本書籍に関して、さらなるコストダウンが要求され、製本環境は厳しさを増している。
【0007】
したがって、効率的に並製本に栞紐を設けることが可能な、新たな製本用装置の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3608337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、並製本すべてのサイズについて、効率的に栞紐を設けることが可能な製本用装置を提供することを目的とする。さらに、当該装置を使用することで、これまでコスト的に見合わず製造されていなかった新しい形態の機械製本書籍を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の製本装置は、
表紙を搬送する搬送装置と、栞紐を外周中に保持しつつ回転する回転体と、栞紐を切断する切断装置とを備え、
回転体は、複数の判型に適した栞紐の長さで栞紐を連続的に切断可能な位置に、外周に沿って複数の凹部を有する歯車状であり、ステッピングモータ又はサーボモータにより駆動が制御され、
切断装置は、凹部位置で栞紐を切断する切断部とスライド部を備え、
スライド部が、好ましくは回転体に沿って円弧状に切断部を摺動させることが可能なスライド溝と、切断部を所定の位置に固定可能な固定手段を複数箇所備えていることからなる。
【0011】
また、回転体の回転速度及び回転角を制御する手段と、切断を表紙への栞紐の糊付けと同期して指示する手段とを備えた制御装置を備えていることが好適である。
また、固定手段が判型入力手段を兼ねていることが好適である。
また、切断部が、切断部を摺動させる手動のハンドルを備えていることが好適である。
【0012】
さらに本発明は、上記の製本装置を使用し、切断部の位置を固定手段により固定するステップと、回転体を所定の速度で回転させるステップと、表紙への栞紐の糊付けと切断を同期して行うステップとからなる栞紐のついた並製本表紙の製造方法からなり、当該製造方法により製造された並製本表紙とそれを使用した機械製本書籍を含む。
【0013】
すなわち、本発明は、書籍の本文の背に栞紐を付するのではなく、1つの装置であらゆる並製本の表紙に栞紐を付することを可能にしたものである。本発明の製本装置を使用すれば、時間あたりおよそ五千枚程度の表紙の生産が可能であり、生産効率が飛躍的に上がる。
さらに、当該製本装置で製造された表紙を従来の並製本ライン上に使用することで、ワンライン上で並製本を機械製本することが可能になり、生産効率が飛躍的に向上し、数万部単位以上の栞紐のついた機械製本による並製本を容易かつ効率的に提供することが可能になる。
さらには、表紙に栞紐がついた、文庫判以外の並製本の機械製本書籍を提供することが可能になるため、製本デザインの自由度も向上するものである。
【0014】
より具体的に説明すると、本発明の製本装置は、表紙を搬送する搬送装置を備える。これは従来の技術と同様であり、表紙を所定の速度で回転体に向けて搬送することが可能である。回転体との接点の下部には、糊付け装置が組み込まれ、下部から糊付け装置が押し上がることにより栞紐と表紙を糊付けすることが可能である。例えば、前段階で糊が吹き付けられた表紙と栞紐を、糊付け装置が押しつける形態とすることもできる。
【0015】
回転体は、外周に沿って複数の判型に適した栞紐の長さを連続的に切断可能な位置に凹部を有する歯車状をしており、栞紐をその外周中に保持しつつ回転することが可能である。外周中への保持は、好ましくは回転体の内部との圧力差を使用して栞紐を凸部に吸着する手段により実現される。例えば、回転体内部は真空ポンプと連結され、凸部に設けられた孔を介して、圧力差を利用して栞紐を回転体に吸着する。必要であれば、さらに外部からスプリング等を利用した押圧機構を設けても良い。
【0016】
凹部は、所望の判型に必要な栞紐の長さを設定し、設定された一定の長さに連続的に切り取ることを可能とすべく設けられる。この構成は、本発明のその他の構成と相俟って、例えばA6判又はA5判など望む長さを選択し、連続的に切り取り表紙に貼り付けることが可能である。
【0017】
栞紐の長さは、表紙と栞紐の貼り付け位置、すなわち回転体と搬送部との接点から、切断部による切断位置までの長さとなる。この長さで連続的に切断可能な位置に凹部が設けられる。例えば、所望の長さが90度位置(例えばA6に相当)と120度(例えばA5に相当)で与えられる場合、30度毎に設けられる。
【0018】
別の観点から述べると、必要とされる複数の角度の公約数、好ましくは最大公約数の角度毎に設けられることが好ましい。凹部の幅及び深さは、切断部が栞を切断するのに十分な深さ及び幅があれば良く、適宜設計されることが可能である。例えば、A4, A5, A6, B5, B6,および新書判が全て選択可能な位置に凹部が設けられ、十分な汎用性を得るためには、半径100mm以上(好ましくは140mm)で560mm以下程度であり、凹部が60個(又は6度毎)以上設けられることが好ましい。
【0019】
判型について、一般的な判型サイズ(mm)や主な用途は、既に公知のものではあるが、下記の通りである。
B4判 257×364画集・グラフ雑誌など
A4判 210×297 写真集など
B5判 182×257 週刊誌・雑誌など
A5判 148×210 総合雑誌・教科書など
B6判 128×182 単行本など
A6判 105×148 文庫本など
新書判 103×182 新書本・漫画単行本など
四六判 127×188 単行本など
である。ただし、本発明は上記の判型のみならず、AB判 210×257,三五判 84×148,菊判 150×220 などあらゆる判型に適用が可能である。さらに、所望の栞紐の長さは判型に応じて経験的にほぼ決まっているものであるが、本発明によれば、凹部や固定手段の位置を変更又は調整することで、決まった組み合わせだけでなく、通常より長い(又は短い)栞紐を付することも可能であるため、並製本のデザインの自由度を向上できる。
【0020】
本願発明において、回転体を駆動するモータは、コントローラから発信されるパルス信号に応じて、モータコイルに流す電流を順次切り替える事によって一定角度毎に回転させるステッピングモータか、モータに取り付けられたエンコーダから現在位置・速度をフィードバックし、動作指令パルスとの誤差を修正しながら回転するサーボモータが用いられる。この構成により、必要な回転角度に応じて正確な位置決めを高速で制御することが可能となるため、本願発明の目的を達成することが出来る。
【0021】
切断装置は、切断部とスライド部を備える。切断部は、回転体の凹部において栞紐を切断することが可能である。このため、好ましくは挟状の切断刃により構成される。また、切断の制御は公知の様々な手段により可能であるが、切断制御を高速で行うべく、電磁コイル式開閉器(ソレノイド)を使用することが好ましい。
【0022】
スライド部は、回転体に沿って円弧状に切断部を摺動させることが可能なスライド溝と、切断部を所定の位置に固定可能な固定手段を複数箇所備えている。
切断部は、スライド溝上の摺動機構と手動で摺動させることが可能なハンドルを備えていることが好ましい。この構成により、手動で容易に切断位置を変化させることが可能である。そして、スライド部は切断部を所定の位置に固定可能な、判型指定手段を兼ねた固定手段を備えている。具体的には、栞紐の貼り付け位置から各種判型に応じた角度で切断可能な位置に、例えばピン・ピンホールや嵌合機構などにより、切断部を固定する。固定手段は、スライド部上に各種判型に応じて複数設けられており、必要とされる長さで連続的に切断が可能である。
【0023】
本発明の製本装置の制御装置としては、CPU・ROM・RAMなど公知の構成を有する制御装置を使用し、判型に応じて回転体の回転速度及び回転角度を制御する手段と、切断を表紙への栞紐の糊付けと同期して指示する手段とを備える。特に、前記固定手段が、制御装置への入力手段(判型指定手段)を兼ねていることが好適であり、切断部を固定することにより、事前に設定された、判型に応じた制御の選択が自動的に行われることで、より効率的に製造を行うことが可能である。例えば、固定手段としてピンを採用し、スライド部にはピンホールを設け、ピンホールの底部にセンサー又はスイッチを設け、ピンを差し込むことで切断部の固定と制御装置の判型指定を同時に行う構成を採用することができる。ただし、実施形式は上記の形式のみに限定されず、制御装置において別途判型を入力する形式や、判型を入力すると自動的に切断装置が所定の場所に移動する形式など、様々な実施形式を採用することが可能である。
【0024】
本発明の製本装置を使用する具体的な手順を述べる。なお、制御装置には、表紙が搬送される速度・タイミングに応じて、判型に応じて必要とされる回転体の回転速度及び回転角度があらかじめ記録されている。
まず、必要とされる判型に応じて切断部の位置を固定する。切断部が固定されると、自動的に判型が選択され制御装置に入力される。
そして、表紙の搬送を行いながら、回転体を所定の速度で回転させ、表紙への栞紐の糊付けと切断を同期して行い、この行程を連続的に繰り返す。
【0025】
本発明の上記の構成により、栞紐がついた同品質の表紙を連続的に大量に製造することが可能となる。そして、当該表紙を使用することで、並製本すべてのサイズに渡り、同一の並製本製造ライン上で、栞紐のついた並製本を効率的に大量に製造することが可能となる。
このため、これまで効率的に見合わず製造されていなかった、例えば栞紐を設けた数万部以上発行されるA4判の写真集など、新しい形態の機械製本書籍を提供することが可能となる。なお、最終的に栞紐を切断しないように当該機械製本書籍の天はアンカットとされ、栞紐の付された新書版と同様のアンカットの風合いを有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の製本装置の1例を示す図である。
図2】本発明の回転体を示す図である。
図3】本発明の回転体と切断刃を示す図である。
図4】本発明の表紙と栞紐の搬送の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の一例を図面にしたがって説明する。図1は、本発明の製本装置の1例を示す図である。図2は、本発明の回転体を示す図である。図3は、本発明の回転体と切断刃の関係を示す図である。図4は、本発明の表紙と栞紐の搬送の状態を示す図である。
【0028】
図に示すように、本発明の製本装置1は、表紙5を搬送する搬送装置2と、栞紐6を外周中に保持しつつ回転する回転体3と、栞紐6を切断する切断装置4とを備えている。
【0029】
搬送装置2は、表紙ローラー21から、表紙5を回転体3に向けて搬送することが可能である。栞紐6は、回転体3との接触位置(接点下部)に設けられた糊付け装置22により表紙5に貼り付けられる。
【0030】
回転体3は、外周に沿って複数の凹部31を有する歯車状をしている。本発明の実施例においては、半径が140mmである。回転体3の内部は真空ポンプ(図示せず)により、内部圧力を低下させ、一部の凸部32に設けられた孔(図示せず)を介して、外部との圧力差を使用して栞紐6を回転体3に吸着することが可能である。補助的に、スプリングを内蔵した保持装置33が外部に設けられ、栞紐6を回転体3に沿って保持している。
【0031】
凹部31は、A4, A5, A6, B5, B6, 四六判,および新書判の全ての栞紐6に対応すべく設けられている。栞紐6の長さは、回転体3と糊付け装置22の糊付け位置から、切断位置までの長さであり、図に示すごとく、140mmの半径の回転体3においては、各種判型に応じた、一般的かつ典型的に必要とされる栞紐6の長さが、それぞれ90度、102度、108度、120度、144度、162度位置において与えられる。このため、凹部31はこれらの最大公約数である6度毎に60個設けられている。そして、回転体3の駆動は、ステッピングモータ(図示せず)により制御されており、所望の速度及び角度で高速の回転制御が可能である。
【0032】
切断装置4は、凹部31の位置で栞紐6を切断する切断刃41を有する切断部42を有しており、電磁コイル式開閉器48の駆動により鋏状の切断刃41が開閉し、栞紐6を切断することが可能である。さらに、切断装置4は、スライド部43を有し、スライド溝44を介して切断部42を回転体3に沿って円弧状に摺動させることが可能である。摺動は、ローラー47を介してハンドル46を動かすことにより手動で容易に行うことが出来る。
そして、上述した所望の栞紐6の長さを切断可能な位置(90度、102度、108度、120度、144度、162度位置)に、切断部4を固定すべく、ピンホール45が6カ所設けられている。ピンホール45の底にはセンサーが設けられ、ピンの挿入をセンサーが感知し、制御装置(図示せず)へ判型の選択が入力される。
【0033】
制御装置は、ステッピングモータ、切断装置4、搬送装置2を制御可能であり、判型の選択の入力に応じて、回転体3の回転速度及び回転角度を制御する手段と、切断と表紙5への栞紐6の糊付け指令とを同時に行う手段とを備える。切断部4を所望の判型のピンホール45にハンドル46を使用して移動させ、ピンにより固定した後、本発明の製本装置1を始動させると、表紙5が回転体3へ向けて連続的に搬送される。回転体3は、栞紐ロール7から供給装置8を介して供給された栞紐6を保持しつつ回転する。表紙5と栞紐6の一端が糊付け装置22位置に来たとき、栞紐6の表紙5への貼り付けと、切断を同時に行う。そして、この行程を連続的に繰り返す。
【0034】
以上の行程により、栞紐6の付された並製本の表紙5を大量に同品質で製造することが可能である。当該栞紐6の付された表紙5を並製本のラインに使用することで、栞紐6の付された機械製本書籍をワンパスで効率的に大量に生産することが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 製本装置
2 搬送装置
21 表紙ローラー
22 糊付け装置
3 回転体
31 凹部
32 凸部
33 保持装置
4 切断装置
41 切断刃
42 切断部
43 スライド部
44 スライド溝
45 ピンホール
46 ハンドル
47 ローラー
48 電磁コイル式開閉器
5 表紙
6 栞紐
7 栞紐ロール
8 供給装置
図1
図2
図3
図4