【実施例】
【0090】
以下の実施例により本開示が詳細に説明される。実施例のうち、MMAE(周知の毒素)、アウリスタチンF(AF,周知の毒素)およびベドチン(vedotin)(周知のリンカー-毒素)は、Concortis Biotherapeuticsから購入した。Z−Val−Cit−OH、Z−Phe−Cit−OHおよび各種糖アミノ酸は文献に基づいて合成した。
【0091】
リンカー、毒素、およびリンカー−毒素に用いた略語ならびにそれらの対応する化学構造が表1に挙げられている。
【0092】
【表1】
【0093】
<毒素>
実施例1
NPEA−AFおよびAPEA−AFの合成
【化50】
【0094】
HATU(101mg,0.2654mmol)を、AF(165mg,0.2212mmol)、4−ニトロフェネチルアミン塩酸塩(4-nitrophenethylamine hydrochloride)(45mg,0.2212mmol)およびDIPEA(0.155mL,0.8847mmol)の入ったDMF(0.100mL)およびジクロロメタン(1mL)の撹拌溶液に加えた。室温で12時間撹拌した後、溶媒を除去し、残留物を分取逆相(preparative reverse phase)HPLCにより精製してから、凍結乾燥して、NPEA−AFを白色粉末として得た(188mg,95%)。LC−MS:NPEA−AF(C
48H
75N
7O
9) required [MH
+]=894.6,found [MH
+]=895.6。
【0095】
NPEA−AF(188mg,0.2103mmol)をエタノール(50mL)に溶解してから、HCl(0.4206mmol)およびパラジウム触媒(22mg)と混合した。その混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。触媒を濾別し、20mLのエタノールで洗浄した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水(10mL)と混合してから、凍結乾燥し、APEA−AFを白色粉末として得た(178mg,98%)。LC−MS:APEA−AF(C
48H
77N
7O
9) required [MH
+]=864.6,found [MH
+]=865.5。
【0096】
実施例2
NPEA(COOMe)−AFおよびNPEA(COOH)−AFの合成
【化51】
【0097】
アウリスタチンF(200mg,0.26mmol)を少量のDMF(1mL)に溶解してから、DCM(10mL)で希釈した。その溶液を氷浴中に浸漬してから、L−(4−ニトロ)フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(67mg,0.26mmol)およびHATU(117mg,0.31mmol)を入れた。DIPEA(0.18mL)を加えた後、その反応混合物を氷浴から取り出し、次いで室温で終夜撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に46%アセトニトリル)により精製し;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min)、NPEA(COOMe)−AFを白色の固体として得た(175mg,72%)。LC−MS:NPEA(COOMe)−AF(C
50H
77N
7O
11) required [MH
+]=952.6,found [MH
+]=952.5。
【0098】
NPEA(COOMe)−AF(20mg)をTHFおよび水(1:1,10mL)の混合物中に溶解してから、水酸化ナトリウム(2.5mg)で処理した。2時間後、減圧下でTHFを蒸発させた。その水溶液を2N塩酸で酸性化してから、凍結乾燥させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に46%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)により精製して、NPEA(COOH)−AFを白色の固体として得た(15mg,75%)。LC−MS:NPEA(COOH)−AF(C
49H
75N
7O
11) required [MH
+]=938.6,found [MH
+]=939.3。
【0099】
実施例3
APEA(COOMe)−AFおよびAPEA(COOH)−AFの合成
【化52】
【0100】
NPEA(COOMe)−AF(100mg,0.105mmol)を2N塩酸(15μL)を含有するエタノール(10mL)中に溶解した。Pd/C(10%,17mg)を入れた後、その反応物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、濾液を減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に33%ACN;UV 210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製し、APEA(COOME)−AFを白色の固体として得た(36mg)。LC−MS:NPEA(COOH)−AF(C
50H
79N
7O
9) required[MH
+]=922.6,found[MH
+]=923.5。
【0101】
APEA(COOMe)−AF(25mg)をTHFおよび水の混合物(1:1,10mL)中に溶解してから、水酸化ナトリウム(2.1mg)で処理した。2時間後、減圧下でTHFを蒸発させた。その水溶液を2N塩酸で酸性化してから、凍結乾燥させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に29%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)により精製して、APEA(COOH)−AFを白色の固体として得た(14mg,58%)。LC−MS:APEA(COOH)−AF(C
49H
77N
7O
9) required [MH
+]=908.6,found [MH
+]=909.5。
【0102】
実施例4
PEA−ANFおよびPEA−AAFの合成
【化53】
【0103】
ジクロロメタン(200mL)の入ったフラスコに、Boc−L−p−ニトロフェニルアラニン(4.66g,15mmol)およびフェニルエチルアミン(1.94g,16mmol)を加えた。次いで、カップリング剤N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ,17g,17mmol)をその溶液中に加え、その混合液を室温で終夜撹拌した。その反応をTLCで確認した(EtOAc/n−Hex=1:1、生成物のRf=0.5)。DCMを減圧下で蒸発させた。その固体生成物をh−ヘキサン(200mL)で煮沸し、熱いうちに濾過した。その固体生成物を熱いh−ヘキサン(50mL,2回)で洗浄し、吸引し乾燥させて、Boc−(ニトロ)Phe−PEAを灰色がかった白色の粉末として得た(4.81g,77.6%)。
【0104】
Boc−(ニトロ)Phe−PEA(4.80g,11.6mmol)をジクロロメタン(150mL)中に溶解してから、トリフルオロ酢酸(6.84g,4.6mL,60mmol)と混合した。その溶液を室温で終夜静置した。減圧下でジクロロメタンを蒸発させた。残留物をTHF(50mL)と混合し、再び蒸発させた。その残留物を1N炭酸ナトリウム溶液(250mL)で処理してから、ジクロロメタン(100mL,2回)で抽出した。その有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾別した。その濾液を減圧下で蒸発させ、淡黄色の残留物を、固体が形成されるまでn−ヘキサン(50mL)と共に撹拌した。減圧下でn−ヘキサンを蒸発させ、最後に高真空下で生成物を乾燥させて、定量的な(quantitative)(ニトロ)Phe−PEAを得た。
【0105】
ドラプロリン(Dolaproline)カリウム塩(325mg,1.0mmol)をMeOH(20mL)中に溶解してから、テトラエチルアンモニウムブロミド(232mg,1.1mmol)で処理した。3時間後、減圧下でMeOHを蒸発させた。残留物をジクロロメタン(10mL)で処理してから、濾過してKBrを取り除いた。その濾液を(ニトロ)Phe−PEA(422mg,1.1mmol)およびHATU(456mg,1.2mmol)と混合した。室温で終夜撹拌した後、減圧下でジクロロメタンを蒸発させ、残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に70%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min)で精製して、Boc−Dap−(ニトロ)Phe−PEAを白色の固体として得た(527mg,収率90%)。LC−MS:Boc−Dap−(Nitro)Phe−PEA(C
31H
42N
4O
7) required [MH
+]=583.3,found [MH
+]=584.4。
【0106】
Boc−Dap−(ニトロ)Phe−PEA(527mg,0.9mmol)をジクロロメタン(20mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(7mL)で処理した。4時間後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)で処理し、再び蒸発させた。その残留物を水(20mL)と混合し、凍結乾燥してDap−(ニトロ)Phe−PEAを白色粉末として得た(426mg,98%)。LC−MS:Dap−(Nitro)Phe−PEA(C
26H
34N
4O
5) required [MH
+]=483.3,found [MH
+]=484.3。
【0107】
Dov−Val−Dil(64.5mg,0.15mmol)、Dap−(ニトロ)Phe−PEA(72mg,0.15mmol)およびHATU(68mg,0.18mmol)をジクロロメタン(20mL)中に溶解してから、DIPEA(86mg,0.66mmol)で処理した。室温で終夜撹拌した後、ジクロロメタンを減圧下で蒸発させ、残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min)により精製し、PEA−ANFを白色の固体として得た(96.7mg,収率72%)。LC−MS:PEA−ANF(C
48H
75N
7O
9) required [MH
+]=894.6,found [MH
+]=895.6。
【0108】
PEA−ANF(20mg,0.022mmol)をエタノール(30mL)中に溶解してから、HCl(0.067mmol)と混合した。触媒量の10%Pd/C(16mg)を加えた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒をセライトのパッドで濾別してから、濾液を減圧下で蒸発させて、PEA−AAFを白色の固体として得た(24.2mg,51%)。LC−MS:PEA−AAF(C
48H
77N
7O
7) required [MH
+]=864.6,found [MH
+]=865.6。
【0109】
実施例5
3AQ−ANFおよび3AQ−AAFの合成
【化54】
【0110】
Boc−(ニトロ)Phe(46.55g,0.15mol)をジクロロメタン(1L)中に溶解してから、N−ヒドロキシスクシンイミド(17.26g,0.15mol)およびEDCI(28.76g,0.15mol)をそのジクロロメタン溶液中に入れた。4時間後、3AQ(21.63g,0.15mol)およびエチルモルホリン(17.28g,0.15mol)をそのジクロロメタン溶液に入れ、室温で3日間撹拌した。減圧下でジクロロメタンを蒸発させた。その残留物をクエン酸溶液(1M,500mL)および酢酸エチル(500mL)と共に30分撹拌した。その固体生成物を濾別し、水(200mL,2回)で洗浄した。その湿った粗生成物を熱いアセトン(1.5L)中に溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。その濾液を減圧下で蒸発させて、Boc−(ニトロ)Phe−3AQ(31.52,48.1%)を得た。
【0111】
Boc−(ニトロ)Phe−3AQ(30.55g,0.07mol)をジクロロメタン(300mL)中に溶解してから、トリフルオロ酢酸(50mL,74.45g,653mmol)で処理した。室温で終夜撹拌した後、その反応混合物を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル(100mL)をその油状の残留物に加えてから、減圧下で蒸発させた。この手順をさらに2回繰り返してから、ジエチルエーテル(300mL)をその油状生成物に加えて、トリフルオロ酢酸塩を析出させた(crash out)。その固体生成物を炭酸ナトリウム溶液(1M,500mL)とメタノール(500mL)の混合物中に懸濁させ、十分に懸濁するまで撹拌した。減圧下でメタノールを蒸発させてから、その固体生成物を濾別し、水(200mL、2回)で洗浄した。次いで、その湿った生成物を凍結乾燥し、(ニトロ)Phe−3AQ(20.35g,86.4%)を得た。
【0112】
ドラプロリン(Dolaproline)カリウム塩(487.5mg,1.5mmol)をMeOH(50mL)中に溶解してから、テトラエチルアンモニウムブロミド(316.4mg,1.4mmol)で処理した。4時間後、MeOHを減圧下で蒸発させた。その残留物をジクロロメタン(10mL)で処理してから、濾過してKBrを取り除いた。その濾液を(ニトロ)Phe−3AQ(556mg,1.65mmol)およびHATU(685mg,1.8mmol)と混合した。室温で終夜撹拌した後、減圧下でジクロロメタンを蒸発させ、残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に42%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製し、Boc−Dap−(ニトロ)Phe−3AQを白色の固体として得た(781mg,収率86%)。LC−MS:Boc−Dap−(Nitro)Phe−3AQ(C
32H
39N
5O
7) required [MH
+]=606.3,found [MH
+]=607.4。
【0113】
Boc−Dap−(ニトロ)Phe−3AQ(606mg,1mmol)をジクロロメタン(10mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(6mL)で処理した。2時間後、減圧下で溶媒を蒸発させた。その残留物を酢酸エチル(50mL)と混合し、再び蒸発させた。その残留物を水(20mL)と混合し、冷凍乾燥してDap−(ニトロ)Phe−3AQを白色粉末として得た(500mg,99%)。LC−MS:Dap−(Nitro)Phe−3AQ(C
27H
31N
5O
5) required [MH
+]=506.2,found [MH
+]=507.1。
【0114】
Dov−Val−Dil(200mg,0.466mmol)、Dap−(ニトロ)Phe−3AQ(236mg,0.466mmol)およびHATU(213mg,0.56mmol)をジクロロメタン(5mL)中に溶解してから、DIPEA(267mg,2.05mmol)で処理した。室温で終夜撹拌した後、ジクロロメタンを減圧下で蒸発させ、その残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min)で精製し、3AQ−ANFを白色の固体として得た(345.2mg,収率82%)。LC−MS:3AQ−ANF(C
49H
72N
8O
9) required [MH
+]=917.5,found [MH
+]=918.5。
【0115】
3AQ−ANF(105mg,0.114mmol)をエタノール(30mL)中に溶解した。触媒量の10%Pd/C(10mg)を加えた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、4時間撹拌した。触媒をセライトのパッドで濾別した後、その濾液を減圧下で蒸発させた。次いで、その残留物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3ラム30*250mm;流量25mL/min)で精製した。3AQ−ANFを含有するそのフラクションを減圧下で蒸発させてアセトニトリルを取り除いた。その酸性水溶液を炭酸ナトリウムで塩基性化してから、濾過して3AQ−ANF(80mg,79%)を得た。LC−MS:3AQ−ANF(C
49H
74N
8O
7) required [MH
+]=887.6,found [MH
+]=888.5。
【0116】
<糖アミノ酸>
実施例6
糖アミノ酸1(SAA1)および糖アミノ酸2(SAA2)の誘導体の合成
【化55】
【0117】
リボース(ribose)誘導体N3−SAA1(X)−OMe(3.6g)をメタノール中に溶解した。触媒量のPd/Cを加えた後、水素バルーンをその反応混合物に適用し、終夜撹拌した。その触媒をセライトのパッドで濾別し、メタノールを減圧下で蒸発させて、SAA1(X)−OMeを淡黄色の液体として得た(3.14g)。
【0118】
SAA1(X)−OMe(8.72g)の入ったDCM(300mL)の溶液にZ−OSu(9.75g)およびDIPEA(6.8mL)を加えた。17時間後、その反応混合物を1N 炭酸ナトリウムで洗浄した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でジクロロメタンを蒸発させて、粗生成物Z−SAA1(X)−OMeを茶色の液体として得た(13.6g)。
【0119】
その粗生成物Z−SAA1(X)−OMe(1g)をTHF(50mL)中に溶解してから、1N KOH(6mL)で処理した。3時間後、減圧下でTHFを蒸発させた。その粗生成物水溶液をDCM(100mL)と混合してから、pHが約3〜4に達するまでクエン酸溶液で注意深く酸性化した。その有機溶液を水で数回洗浄してから、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタンの除去後、その粗生成物液体を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x500mm;流量55mL/min;Z−SAA1(X)−OH RT 11min;Z−SAA2(X)−OH RT 12min)で精製した。Z−SAA1(X)−OHおよびZ−SAA2(X)−OH溶液を収集した後、速やかに塩基性化した。アセトニトリルの除去後、Z−SAA1(X)−OHおよびZ−SAA2(X)−OHの水溶液をジクロロメタンと混合し、次いでクエン酸溶液でpHが約3〜4に達するまで注意深く酸性化した。Z−SAA1(X)−OHおよびZ−SAA2(X)−OH溶液の両方をジクロロメタンで抽出し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタンの除去後、416mgのZ−SAA1(X)−OHおよび104mgのZ−SAA2(X)−OHを半固体として得た。
【0120】
<中間体>
実施例7
Val−Cit−APEA−AFの合成
【化56】
【0121】
Z−Val−Cit(16.34g,40mmol)およびAPEA−Boc(5.91g,25mmol)をジクロロメタン(1.5L)およびイソプロパノール(0.5L)の混合物中に入れ、3時間撹拌し、続いてEEDQ(9.89g,40mmol)を加えた。その混濁液を室温で撹拌した。その生成物の析出のために、未溶解のZ−Val−Citが徐々になくなっていき、1日後、溶液は次第に濁った。48時間後、HPLCでチェックすると、反応は完了していた。厚いペーストが形成されるまでその反応混合物を減圧下で蒸発させた。その混合物を濾別し、イソプロパノール(400mL,2回)および水(400mL,2回)で洗浄した。その固体生成物を水(800mL)中に懸濁させ、凍結乾燥してZ−Val−Cit−APEA−Bocを白色粉末として得た(16.62g.61%)。
【0122】
Z−Val−Cit−APEA−Boc(18.80g,30mmol)をジクロロメタン(200mL)中に入れ、トリフルオロ酢酸(15mL)で終夜処理した。減圧下でジクロロメタンを蒸発させた。酢酸エチル(100mL)をその油状残留物に加えてから、減圧下で蒸発させた。この手順をさらに2回繰り返し、次いでジエチルエーテル(300mL)をその油状生成物に加えて、トリフルオロ酢酸塩を析出させた。ジエチルエーテル溶液を捨てた。固体生成物を酢酸エチル(500mL)と共に撹拌してから、濾過した。その固体生成物を炭酸ナトリウム溶液(1M,500mL)中に懸濁させ、十分に懸濁するまでそれを撹拌した。その混合物を遠心分離してから、その上澄み液を捨てた。その固体を水(500mL)中に再懸濁させて、遠心分離した。このプロセスを2回行った。その灰色がかった白色の湿った固体生成物を水(500mL)中に再懸濁させて、凍結乾燥し、Z−Val−Cit−APEA(9.87g,63%)を得た。
【0123】
アウリスタチンF塩酸塩(626mg,0.8mmol)をDMF(10mL)およびジクロロメタン(10mL)の混合物中に溶解した。Z−Val−Cit−APEA(506mg,0.96mmol,1.2eq)およびHATU(365mg,0.96mmol,1.2eq)を加えた後、その反応混合物を氷浴中に浸漬し、続いてDIPEA(351mg,2.72mmol,3.4eq)を加えた。30分後、氷浴を除き、その反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min)で精製し、Z−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(574mg;51%)。LC−MS:Z−Val−Cit−APEA−AF(C
67H
103N
11O
12)required [MH
+]=1254.8,found [MH
+]=1256.1。
【0124】
Z−Val−Cit−APEA−AF(502mg,0.42mmol)を、2N塩酸(630μL)を含有するエタノール(30mL)中に溶解した。Pd/C(10%,30mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別し、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(10mL)と混合し、凍結乾燥して、Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(420mg,83%)。LC−MS:Val−Cit−APEA−AF(C
59H
97N
11O
10) required [MH
+]=1121.5,found [MH
+]=1121.5。
【0125】
<リンカー−毒素>
実施例8
MC−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化57】
【0126】
Val−Cit−APEA−Boc(65mg)およびMC−OPFP(50mg)をDMF(5mL)中に溶解してから、DIPEA(0.023mL)を加えた。5時間後、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去した。次いで、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に50%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム50x500mm;流量80mL/min;RT13.60min)で精製し、MC−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(40mg)。LC−MS:88(C
34H
51N
7O
8) required [MH
+]=686.4,
found [MH
+]=687.3。
【0127】
MC−Val−Cit−APEA−Boc(40mg)の入ったDCM(5mL)を室温下TFA(300L)で処理した。17時間後、DCMおよびTFAを減圧下で除去し、MC−Val−Cit−APEAを淡黄色の固体として得た(46mg)。LC−MS:MC−Val−Cit−APEA(C
29H
43N
7O
6) required [MH
+]=586.3,found [MH
+]=586.7。
【0128】
MC−Val−Cit−APEA(37mg)およびアウリスタチンF(47mg)をDCMおよびDMFの混合物(10:1,3.7mL)中に溶解した。次いで、HBTU(37mg)およびDIPEA(0.037mL)を加えた。17時間後、DCMおよびDMFを減圧下で除去し、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に40%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min;RT14min)により精製して、MC−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(9mg)。LC−MS:MC−Val−Cit−APEA−AF(C
70H
109N
11O
13) required [MH
+]=1312.8,found [MH
+]=1315.2。
【0129】
実施例9
MC−SAA1−Phe−Cit−APEA−AFの合成
【化58】
【0130】
Z−Phe−Cit(9.13g,20mmol)をジクロロメタン(750mL)およびイソプロパノール(250mL)の混合物中に入れてから、ジペプチドが完全に溶解するまで撹拌した。次いで、APEA−Boc(7.09g,30mmol)およびEEDQ(7.42g,30mmol)を加え、その混合物を室温で3日間撹拌した。減圧下で溶媒を除去してから、ジエチルエーテル(300mL)をその残留物に加えた。その混合物を濾別し、その粗生成物をジエチルエーテル(300mL)中に再懸濁させた。この手順を3回繰り返した。最後に、収集された固体生成物を真空下で乾燥し、Z−Phe−Cit−APEA−Bocを得た(9.53g、収率70.6%)。その生成物をPMRにより特性決定した。
【0131】
Z−Phe−Cit−APEA−Boc(2.02g,3mmol)をTHF(250mL)およびメタノール(50mL)の混合物中に溶解した。触媒量のPd/C(10%)を加えた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒をセライトのパッドで濾別した後、その濾液を減圧下で蒸発させ、Phe−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(1.61g,99%)。
【0132】
N3−SAA1(X)−OH(633mg)およびPhe−Cit−APEA−Boc(1.33g)の入ったDCMおよびDMFの混合物(10:1,110mL)の溶液に、HBTU(1.118g)およびDIPEA(1.02mL)を加えた。17時間後、減圧下でDCMを除去した。水およびジエチルエーテルを残っている粗生成物DMF溶液に加え、濾過した後にベージュ色の固体を得た。その固体を濃クエン酸水溶液で数回洗浄し、大部分のHOBtおよびDMFを除去した。最後に、N3−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−Bocを分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に50%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm)で精製した。アセトニトリルを減圧下で蒸発させ、残りの水溶液を凍結乾燥した。N3−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびN3−SAA1−Phe−Cit−APEA−Bocからなる白色の固体を得た(1g)。LC−MS:N3−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−Boc(C
38H
53N
9O
9) required [MH
+]=780.9,found [MH
+]=781.8; N3−SAA1−Phe−Cit−APEA−Boc(C
35H
49N
9O
9) required [MH
+]=740.8,found [MH
+]=741.7。
【0133】
N3−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびN3−SAA1−Phe−Cit−APEA−Bocの混合物(100mg)をメタノール(50mL)中に溶解した。触媒量のPd/C(10%)を加えた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒をセライトのパッドで濾別した後、減圧下でメタノールを除去し、SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびSAA1−Phe−Cit−APEA−Bocからなる白色の固体を得た(78mg)。
【0134】
SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびSAA1−Phe−Cit−APEA−Boc(210mg)の入ったMeOH(50mL)の溶液にMC−OPFP(103mg)を加え、続いてDIPEA(0.047mL)を加えた。17時間後、その反応混合物を濃縮した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA入りの水中に50%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x500mm;流量40mL/min)により精製し、MC−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびMC−SAA1−Phe−Cit−APEA−Bocの溶液を得た。
【0135】
MC−SAA1(X)−Phe−Cit−APEA−BocおよびMC−SAA1−Phe−Cit−APEA−Bocの溶液を濃塩酸(10eq.)で処理した。その反応を、加水分解が完了するまで分析HPLCで観察した。アセトニトリルを減圧下で除去し、水溶液を凍結乾燥した後に、固体のMC−SAA1−Phe−Cit−APEAを得た。LC−MS:MC−SAA1−Phe−Cit−APEA(C
40H
54N
8O
10) required [MH
+]=807.4,found [MH
+]=809.1。
【0136】
MC−SAA1−Phe−Cit−APEA(110mg)をDCMおよびDMFの混合物(10:1,10mL)中に溶解してから、アウリスタチンF(93mg)、HBTU(55mg)、およびDIPEA(0.077mL)をそれぞれ加えた。17時間後、DCM、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に35%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量40mL/min)で精製した。目的のフラクション中のアセトニトリルを減圧下で除去し、残りの水溶液を凍結乾燥して、MHT−47を白色の固体として得た(20mg)。LC−MS:MC−SAA1−Phe−Cit−APEA−AF(C
80H
119N
13O
17) required [MH
+]=1534.9,found [MH
+]=1538.0。
【0137】
実施例10
MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化59】
【0138】
Z−SAA1(X)−OH(26.1mg)およびVal−Cit−APEA−AF(80mg)の入ったDCMおよびDMFの混合物(10:1,4.4mL)の溶液に、HBTU(32.5mg)およびDIPEA(0.029mL)をそれぞれ加えた。18時間後、減圧下で溶媒を除去し、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x500mm;流量65mL/min;RT11min)で精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を、Z−SAA1(X)−Val−Cit−APEA−AFが完全にZ−SAA1−Val−Cit−APEA−AFに変わるまで終夜冷蔵庫に入れて置いた。次いで、その水溶液を凍結乾燥しZ−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(63mg,2工程で収率63%)。
【0139】
Z−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(63mg)をメタノール(5mL)中に溶解し、続いてPd/C触媒を加えた。次いで、その反応混合物に水素バルーンを適用し、3時間撹拌した。そのPd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させて、SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(52.5mg)。
【0140】
SAA1−Val−Cit−APEA−AF(40mg)およびMC−OPFP(11.6mg)の入ったメタノール(4mL)の溶液に、DIPEA(0.0056mL)を加えた。その反応物を終夜撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に35%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x500mm;流量70mL/min;RT18min)で精製して、MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(MHT−71)を白色の固体として得た(27mg;47%)。LC−MS:MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
76H
120N
13O
17) required [MH
+]=1486.9,found [MH
+]=1487.2。
【0141】
実施例11
Cl2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化60】
【0142】
3,4−ジクロロ−フラン−2,5−ジオン(10.34g,0.0619mol)を6−アミノカプロン酸(8.13g,0.0619)の入った氷酢酸(50mL)と混合した。その混合物を12時間還流させた。減圧下で溶媒を蒸発させた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン=2/3)で精製し、Cl2MCを白色粉末として得た(12.48g,72%)。LC−MS:Cl2MC(C
10H
11Cl
2NO
4) required [M−CO2]+ =235.0,found [M−CO2]+ =235.0。
【0143】
Cl2MC(1.06g,3.8mmol)およびペンタフルオロフェノール(0.84g,4.5mmol)の入ったジクロロメタン(25mL)の溶液にDCC(0.83g,4.0mmol)を加えた。その反応混合物を室温で12時間撹拌してから、濾過して不溶性のDCUを除去した。その反応混合物を、体積が約10mlになるまで減圧下で蒸発させた。その溶液を4度の冷蔵庫に2時間保管した。その不溶性物質を濾別し、その濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン=1/30から1/20)で精製し、Cl2MC−OPFPを白色の固体として得た(1.39g,82%)。
【0144】
SAA1−Val−Cit−APEA−AF(5.0mg,0.0039mmol)およびCl2MC−OPFP(2.0mg,0.0046mmol)の入ったDMF(1mL)の溶液にDIPEA(0.002mL,0.0116mmol)を加えた。その混合物を室温で1時間撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に35%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)で精製し、Cl2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(3.0mg;50%)。LC−MS:Cl2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
76H
117Cl
2N
13O
17) required [M+2H]2+ =777.9,found [M+2H]2+ =779.4。
【0145】
実施例12
Br2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化61】
【0146】
3,4−ジブロモ−ピロール−2,5−ジオン(1.00g,3.92mmol)およびN−メチルモルホリン(0.431mL,3.92mmol)の入ったTHF(35mL)の溶液に、クロロギ酸メチル(0.303mL,3.92mmol)を加えた。その反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、ジクロロメタン(40mL)を加え、その有機相を水(40mL,3回)で洗浄した。その有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下で蒸発させ、3,4−ジブロモ−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸メチルエステルをピンク色の粉末として得た(1.13g,93%)。
【0147】
6−アミノカプロン酸(476.0mg,3.6mmol)をアセトニトリルおよび水の混合液(3:2,50mL)中に溶解した。その溶液を氷浴中で冷却してから、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(1mL)で処理し、続いて3,4−ジブロモ−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸メチルエステル(1.13g,3.6mmol)で処理した。その混合物を室温で12時間撹拌した。次いで、クエン酸溶液でそのpHを3〜4に調整し、その混合物を減圧下で蒸発させてアセトニトリルを除去した。その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン,2/3)で精製し、Br2MCを白色粉末として得た(1.33g,99%)。LC−MS:Br2MC(C
10H
11Br
2NO
4) required [M+H]+ =369.9,found [M+H]+ =371.0。
【0148】
Br2MC(1.33g,3.86mmol)およびペンタフルオロフェノール(0.80g,4.3mmol)の入ったジクロロメタン(40mL)の溶液に、DCC(0.79g,3.8mmol)を加えた。その反応混合物を室温で12時間撹拌してから、濾過して不溶性のDCUを除去した。その反応混合物を、体積が約10mlになるまで減圧下で蒸発させた。その溶液を冷蔵庫に4度で2時間保管した。不溶性の物質を濾別し、その濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン=1/30から1/20)で精製して、Br2MC−OPFPを白色の固体として得た(1.50g,78%)。
【0149】
SAA1−Val−Cit−APEA−AF(8.9mg,0.0069mmol)およびBr2MC−OPFP(4.5mg,0.0083mmol)の入ったDMF(1mL)の溶液に、DIPEA(0.0036mL,0.0206mmol)を加えた。その混合物を室温で1時間撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に35%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)で精製し、Br2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(5.6mg;50%)。LC−MS:Br2MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
76H
117Br
2N
13O
17) required [M+H]+ =1644.7,found [M+H]+ =1645.1。
【0150】
実施例13
MC−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFの合成
【化62】
【0151】
Z−Val−Cit−OH(3.24g,7.93mmol)を、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物(3:1,80mL)中に加えた。APEA(COOMe)−Boc(2.8g,9.52mmol)を加えた後、カップリング試薬EEDQ(2.47g,9.52mmol)を入れた。その混濁液を室温で撹拌した。未溶解のZ−Val−Citが徐々に見えなくなり、溶液が次第に澄んできた。48時間後、HPLCで調べたときに反応は完全に完了していた。その反応混合物を、厚いペーストが形成されるまで減圧下で蒸発させた。その混合物を濾別し、n−ヘキサン(50mL,2回)、水(50mL,2回)およびジエチルエーテル(50mL,2回)で洗浄した。最後に、その固体生成物を真空下で乾燥しZ−Val−Cit−APEA(COOMe)−Bocを茶色の粉末として得た(75.0mg,1.4%)。
【0152】
Z−Val−Cit−APEA(COOMe)−Boc(75.0mg,0.11mmol)をジクロロメタン(8mL)中に加えてから、室温下トリフルオロ酢酸(0.09mL)で処理した。4時間後、減圧下で溶媒を蒸発させた。その残留物を水(10mL)と混合し、凍結乾燥して、Z−Val−Cit−APEA(COOMe)を白色粉末として得た(96.0mg)。
【0153】
アウリスタチンF(80.0mg,0.102mmol)を少量のDMF(1mL)中に溶解してから、DCM(10mL)で希釈した。その溶液を氷浴中に浸漬してから、Z−Val−Cit−APEA(COOMe)(71.4mg,0.102mmol)およびHATU(43.0mg,0.113mmol)を入れた。DIPEA(0.071mL)を加えた後、氷浴を取り除いた。その混合物を室温で4時間撹拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製して、Z−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを白色の固体として得た(82.0mg,61%)。
【0154】
Z−Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(82.0mg,0.062mmol)を、塩酸(0.24mmol)を含有するエタノール(10mL)中に溶解した。Pd/C(10%,10mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その残留物を水(10mL)と混合し、凍結乾燥して、Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを白色粉末として得た(72.8mg,96%)。LC−MS:Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(C
61H
99N
11O
12) required [MH
+]=1178.8,found [MH
+]=1179.7。
【0155】
Z−SAA1(X)−OH(22.0mg,0.06mmol)をジクロロメタン(10mL)中に溶解した。HATU(25.3mg,0.066mmol)を加えた後、その反応混合物を氷浴中に浸漬し、続いてDIPEA(0.032mL,0.06mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、室温でVal−Cit−APEA(COOMe)−AF(72.8mg,0.06mmol)の入ったDMF(3mL)の溶液をその反応混合物に加えた。3時間後、減圧下で溶媒を蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を室温で終夜置いて、Z−SAA1(X)−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを完全に加水分解させた。次いで、その水溶液を凍結乾燥し、Z−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを白色の固体として得た(43.5mg,2工程で収率49%)。LC−MS:Z−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(C
79H
120N
12O
18) required [MH
+]=1525.9,found [MH
+]=1526.8。
【0156】
Z−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(43.5mg,0.029mmol)を、塩酸(0.06mmol)を含有するエタノール(5mL)中に溶解した。Pd/C(10%,4.7mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その残留物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥してSAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを白色粉末として得た(38.4mg,94%)。
【0157】
SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(15.0mg,0.011mmol)およびMC−OPFP(4.5mg,0.012mmol)の入ったDMF(4mL)の溶液に、DIPEA(0.004mL)を加えた。その混合物を室温で1時間撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)により精製して、MC−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AFを白色の固体として得た(10.0mg;60%)。LC−MS:MC−SAA1−Val−Cit−APEA(COOMe)−AF(C
78H
121N
13O
19) required [MH
+]=1544.9,found [MH
+]=1545.8。
【0158】
実施例14
MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化63】
【0159】
Z−SAA1(X)−OH(28.0mg,0.076mmol)をジクロロメタン(1mL)中に溶解した。HATU(23.4mg,
0.061mmol)を加えた後、その反応混合物を氷浴中に浸漬し、続いてDIPEA(7.9mg,0.061mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、室温でSAA1−Val−Cit−APEA−AF(70.0mg,0.051mmol)の入ったDMF(3mL)の溶液をその反応混合物に加えた。1時間後、減圧下で溶媒を蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に39%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)で精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を室温で終夜置いて、Z−SAA1(X)−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを完全に加水分解させた。次いで、その水溶液を凍結乾燥し、Z−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(64mg,2工程で収率78%)。LC−MS:Z−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
81H
125N
13O
20) required [MH
+]=1602.0,found [MH
+]=1601.5。
【0160】
Z−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(64.0mg,0.042mmol)を、塩酸(0.136mmol)を含有するエタノール(20mL)中に溶解した。Pd/C(10%,6.5mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(10mL)と混合し、凍結乾燥してSAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(60.0mg,97%)。LC−MS:SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
73H
119N
13O
18) required [MH
+]=1466.9,found [MH
+]=1467.5。
【0161】
SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(30.0mg,0.019mmol)およびDIPEA(7.4mg,0.057mmol)をDMF(2mL)中に溶解した。その反応混合物を氷浴中に浸漬した後、MC−OPFP(9.0mg,0.023mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、その混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)で精製し、MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(18.5mg,53%)。LC−MS:MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
83H
130N
14O
21) required [MH
+]=1660.0,found [MH
+]=1660.7。
【0162】
実施例15
Cl2MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化64】
【0163】
SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(3.0mg,0.00065mmol)およびDIPEA(0.003mL,0.0164mmol)をDMF(1mL)中に溶解した。その反応混合物を氷浴中に浸漬した後、Cl2MC−OPFP(3.0mg,0.0065mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、その混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)で精製して、Cl2MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(2.8mg,30%)。LC−MS:Cl2MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
83H
128Cl
2N
14O
21) required [M+H]+ =1727.9,found [M+H]+ =1729.6。
【0164】
実施例16
Cl2MC−SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化65】
【0165】
Z−SAA1(X)−OH(0.221g,0.6048mmol)およびペンタフルオロフェノール(0.134g,0.7258mmol)の入ったジクロロメタン(20mL)の溶液に、DCC(0.133g,0.6411mmol)を加えた。その反応混合物を室温で12時間撹拌してから、濾過して不溶性のDCUを除去した。その反応混合物を、体積が約10mlになるまで減圧下で蒸発させた。その溶液を冷蔵庫に4度で2時間保管した。不溶性の物質を濾別し、その濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン=1/4から1/2)により精製して、Z−SAA1(X)−OPFPを白色の固体として得た(0.201g,63%)。LC−MS:Z−SAA1(X)−OPFP(C
24H
22F
5NO
7) required [M+H]+ =532.1,found [M+H]+ =533.1。
【0166】
SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(4.8mg,0.0090mmol)およびDIPEA(0.004mL,0.0225mmol)をDMF(1mL)中に溶解した。その反応混合物を氷浴中に浸漬した後、Z−SAA1(X)−OPFP(4.8mg,0.009mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、その混合物を室温で3時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)により精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を室温で終夜置き、アセトニド基を加水分解した。その水溶液を凍結乾燥して、Z−SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(13.0mg,2工程で収率97%)。LC−MS:Z−SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
88H
136N
14O
24) required [M+H]+ =1774.0,found [M+H]+ =1774.9。
【0167】
Z−SAA1−SAA−SAA1−Val−Cit−APEA−AF[FCW−043](13.0mg,0.0075mmol)を、塩酸(0.0126mmol)を含有したエタノール(10mL)中に溶解した。Pd/C(10%,0.8mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、終夜撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥して、SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(9.0mg,75%)。LC−MS:SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
80H
130N
14O
22) required [M+H]+ =1640.0,found [M+H]+ =1640.9。
【0168】
SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(5.0mg,0.0031mmol)およびDIPEA(0.002mL,0.0092mmol)をDMF(1mL)中に溶解した。その反応混合物を氷浴中に浸漬した後、Cl2MC−OPFP(2.0mg,0.0037mmol)を加えた。10分後、氷浴を取り除き、その混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量25mL/min)により精製して、Cl2MC−SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(1.0mg,17%)。LC−MS:Cl2MC−SAA1−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
90H
139Cl
2N
15O
25) required [M+H]+ =1901.0,found [M+H]+ =1902.8。
【0169】
実施例17
MC−SAA3−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化66】
【0170】
Z−SAA3(X)−OH(18.2mg,0.052mmol)およびVal−Cit−APEA−AF(60.0mg,0.052mmol)の入ったDCMおよびDMFの混合物(10:1,6mL)の溶液に、HATU(22.0mg,0.0572mmol)およびDIPEA(0.027mL,0.156mmol)をそれぞれ加えた。18時間後、溶媒を減圧下で除去し、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製した。アセトニトリルの除去後、アセトニド基が完全に除去されるまでその水溶液を室温で終夜静置した。その水溶液を凍結乾燥し、Z−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(48.0mg,2工程で収率65%)。
【0171】
Z−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(48.0mg,0.034mmol)を、塩酸(0.014mL)を含有するエタノール(5mL)中に溶解した。Pd/C(10%,4.7mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、5時間撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥して、SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(42.0mg,94%)。
【0172】
SAA3−Val−Cit−APEA−AF(20.0mg,0.015mmol)およびMC−OPFP(6.3mg,0.0165mmol)の入ったDMF(4mL)の溶液にDIPEA(0.006mL)を加えた。その反応物を室温で1時間撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)により精製し、MC−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(12.2mg;55%)。LC−MS:MC−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(C
75H
117N
13O
17) required [MH
+]=1473.8,found [MH
+]=1473.6。
【0173】
実施例18
MC−SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化67】
【0174】
Z−SAA3(X)−OH(14.5mg,0.041mmol)およびSAA3−Val−Cit−APEA−AF(54.5mg,0.041mmol)の入ったDCMおよびDMFの混合物(10:1,6mL)の溶液に、HATU(17.3mg,0.045mmol)およびDIPEA(0.02mL,0.123mmol)をそれぞれ加えた。18時間後、減圧下で溶媒を蒸発させ、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に41%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)により精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を、ケタール基が完全に加水分解されるまで、室温で終夜静置した。その水溶液を凍結乾燥し、Z−SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(21.3mg,2工程で収率33%)。
【0175】
Z−SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(21.3mg,0.0135mmol)を、塩酸(0.052mmol)を含有するエタノール(5mL)中に溶解した。Pd/C(10%,2.5mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、5時間撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥して、SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(16.1mg,81%)。
【0176】
SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(16.1mg,0.0109mmol)およびMC−OPFP(4.5mg,0.012mmol)の入ったDMF(5mL)の溶液にDIPEA(0.004mL)を加えた。その反応混合物を室温で1時間撹拌してから減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製しMC−SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(9.2mg;52%)。LC−MS:MC−SAA3−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(C
81H
126N
14O
21) required [MH
+]=1633.0,found [MH
+]=1633.2。
【0177】
実施例19
MC−SAA4−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化68】
【0178】
Z−SAA4(X)−OH(15.2mg,0.043mmol)およびVal−Cit−APEA−AF(50.0mg,0.043mmol)の入ったDCMおよびDMFの混合物(10:1,6mL)の溶液に、HATU(18.1mg,0.0473mmol)およびDIPEA(0.023mL,0.129mmol)をそれぞれ加えた。18時間後、溶媒を減圧下で除去し、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製した。アセトニトリルの除去後、その水溶液を、アセトニドが完全に除去されるまで室温で終夜静置した。その水溶液を凍結乾燥し、Z−SAA3−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(32.4mg,2工程で収率53%)。
【0179】
Z−SAA3−Val−Cit−APEA−AF(32.4mg,0.0229mmol)を、塩酸(0.09mmol)を含有するエタノール(5mL)中に溶解した。Pd/C(10%,4.0mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、5時間撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥して、SAA4−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(30.0mg,98%)。
【0180】
SAA4−Val−Cit−APEA−AF(20.0mg,0.015mmol)およびMC−OPFP(6.3mg,0.0165mmol)の入ったDMF(4mL) の溶液にDIPEA(0.006mL)を加えた。その反応物を室温で1時間撹拌してから、減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製し、MC−SAA4−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(15.6mg;70%)。LC−MS:MC−SAA4−Val−Cit−APEA−AF(C
75H
117N
13O
17) required [MH
+]=1473.8,found [MH
+]=1473.6。
【0181】
実施例20
MC−SAA5−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化69】
【0182】
HATU(40mg,0.1060mmol)を、Val−Cit−APEA−AF(99mg,0.0884mmol)、Z−SAA5−OH(36mg,0.1060mmol)およびDIPEA(0.046mL,0.2651mmol)の入ったDMF(2mL)およびジクロロメタン(20mL)の混合物の撹拌溶液に加えた。室温で12時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製し、Z−SAA5−Val−Cit−APEA−AFを白色粉末として得た(33mg,26%)。LC−MS:Z−SAA5−Val−Cit−APEA−AF(C
75H
115N
11O
17) required [M+2H]2+ =721.9,found [M+2H]2+ =723.6。
【0183】
Z−SAA5−Val−Cit−APEA−AF(35.0mg,0.024mmol)を、HCl(0.048mmol)を含有するエタノール(8mL)中に溶解した。Pd/C(10%,2.6mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、16時間撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(10mL)と混合し、凍結乾燥して、SAA5−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(30.0mg,95%)。LC−MS:SAA5−Val−Cit−APEA−AF(C67H
109N
11O
15) required [M+2H]2+ =654.9,found [M+2H]2+ =656.6。
【0184】
SAA5−Val−Cit−APEA−AF(16.5mg,0.0126mmol)およびMC−OPFP(5.7mg,0.0151mmol)の入ったDMF(3mL)の溶液にDIPEA(0.0066mL,0.0378mmol)を加えた。その反応物を室温で3時間撹拌してから減圧下で蒸発させた。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30x250mm;流量24mL/min)で精製し、MC−SAA5−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(12.0mg;63%)。LC−MS:MC−SAA5−Val−Cit−APEA−AF(C
77H
120N
12O
18) required [M+2H]2+ =751.4,found [M+2H]2+ =753.1。
【0185】
実施例21
MC−SAA6−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化70】
【0186】
Z−SAA6(X)−OH(100mg)の入ったジクロロメタン(10mL)の溶液に、プロトンスポンジ(63mg)およびHBTU(170mg)を加えた。次いで、Val−Cit−APEA−Boc(150mg)の入ったDMF(1mL)の溶液を加え、終夜置いた。溶媒の除去後、その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に50%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*500mm;流量70mL/min;RT15min)で精製し、Z−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(122.1mg)。LC−MS:Z−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Boc(C
40H
57N
7O
11) required [MH
+]=812.42,found [MH
+]=813.2。
【0187】
Z−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Boc(50mg)をメタノール(2mL)中に溶解し、続いて触媒Pd/Cを加えた。次いで、その反応混合物に水素バルーンを適用し、17時間置いた。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別し、メタノール減圧下で蒸発させ、SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(37.4mg)。
【0188】
SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Boc(47mg)およびMC−OPFP(28mg)をDMF(4mL)中に溶解した。DIPEA(0.0141mL)をその反応混合物に加えた。5時間後、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に50%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*500mm;流量45−50mL/min;RT 10.8min)で精製して、MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(42.5mg)。LC−MS:MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Boc(C
42H
62N
8O
12) required [MH
+]=871.46,found [MH
+]=871.5。
【0189】
MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−Boc(42.5mg)の入ったDCM(10mL)を室温下TFA(0.1mL)で処理した。17時間後、DCMおよびTFAを減圧下で除去し、淡黄色の固体[00358]MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEAを得た(40mg)。LC−MS:MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA(C
37H
54N
8O
10) required [MH
+]=771.40,found [MH
+]=771.9。
【0190】
MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA(32mg)およびアウリスタチンF(27mg)をDCMおよびDMFの混合物(10:1,12mL)中に溶解した。次いで、HBTU(20.5mg)およびDIPEA(0.022mL)をそれぞれ加えた。17時間後、DCMおよびDMFを減圧下で除去した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に40%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*500mm;流量30mL/min)で精製し、MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(15mg)。LC−MS:MC−SAA6(X)−Val−Cit−APEA−AF(C77H119N13O17) required [MH
+]=1498.89,found [MH
+]=1500.7。
【0191】
実施例22
MC−SAA7−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化71】
【0192】
Val−Cit−APEA−Boc(2.46g,5mmol)およびZ−SAA7−OH(1.71g,5mmol)をDMF(100mL)中に溶解した。次いで、DIPEA(646.2mg,5mmol)およびHATU(1.90g,5mmol)をその反応混合物に加えた。その混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。その残留物を、白色微粉末が形成されるまで、酢酸エチル(200mL)と共に数時間撹拌した。その固体生成物を濾別した。その白色粉末を水(200mL)で15分煮沸してから、熱いうちに濾過した。その生成物を熱水(50mL,2回)で洗浄し、最後に真空下で乾燥してZ−SAA7−Val−Cit−APEA−Bocを得た。
【0193】
Z−SAA7−Val−Cit−APEA−Boc(200mg)をメタノール(50mL)中に溶解し、続いて触媒Pd/Cを加えた。次いで、その反応物に水素バルーンを適用し、17時間置いた。触媒をセライトのパッドで濾別した。メタノールを減圧下で蒸発させ、SAA7−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(148mg)。
【0194】
SAA7−Val−Cit−APEA−Boc(240mg)、MC−OPFP(144mg)およびDIPEA(0.072mL)をDMF(20mL)中に溶解した。5時間後、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去した。その残留物を、45%アセトニトリルの入ったH
2O(20mL)と混合してから、遠心分離した。液体部分の除去後、MC−SAA7−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(200mg)。LC−MS:MC−SAA7−Val−Cit−APEA−Boc(C
41H
62N
8O
13) required [MH
+]=875.5,found [MH
+]=875.8。
【0195】
MC−SAA7−Val−Cit−APEA−Boc(200mg)の入ったDCM(30mL)を室温下TFA(0.5mL)で処理した。17時間後、DCMおよびTFAを減圧下で除去し、淡黄色の固体MC−SAA7−Val−Cit−APEAを得た(180mg)。LC−MS:MC−SAA7−Val−Cit−APEA(C
36H
54N
8O
11) required [MH
+]=775.4,found [MH
+]=776.0。
【0196】
MC−SAA7−Val−Cit−APEA(80mg)およびアウリスタチンF(77mg)をDCMおよびDMFの混合物(10:1,16.6mL)中に溶解した。次いで、HBTU(64mg)およびDIPEA(0.064mL)をそれぞれ加えた。17時間後、DCMおよびDMFを減圧下で除去した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に40%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量25mL/min;RT10.42min)で精製し、MC−SAA7−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(50.9mg)。LC−MS:MC−SAA7−Val−Cit−APEA−AF(C
77H
120N
12O
18) required [MH
+]=1503.0,found [MH
+]=1504.1。
【0197】
実施例23
MC−SAA8−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化72】
【0198】
Z−SAA8(X)−OH(100mg)の入ったDCM(10mL)の溶液にプロトンスポンジ(63mg)およびHBTU(170mg)を加えた。次いで、Val−Cit−APEA−Boc(150mg)の入ったDMF(1mL)の溶液を加え、その反応混合物を終夜置いた。溶媒の除去後、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に55%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*500 mm;流量60mL/min;RT13min)で精製し、Z−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(144.6mg)。LC−MS:Z−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Boc(C
40H
57N
7O
11) required [MH
+]=812.4,found [MH
+]=813.4。
【0199】
Z−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Boc(70mg)をMeOH(10mL)中に溶解し、続いて触媒Pd/Cを加えた。次いで、その反応物に水素バルーンを適用し、17時間置いた。次いで、触媒をセライトのパッドで濾過した。その濾液を減圧下で蒸発させて、SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(54mg)。
【0200】
SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Boc(44mg)およびMC−OPFP(24.2mg)をDMF(4mL)中に溶解してから、DIPEA(0.0141mL)を加えた。5時間後、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去し、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量35〜40mL/min;RT13min)で精製し、MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Bocを白色の固体として得た(40mg)。LC−MS:MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Boc(C
42H
62N
8O
12) required [MH
+]=871.5,found [MH
+]=872.0。
【0201】
MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−Boc(40mg)の入ったDCM(2mL)を室温下TFA(0.1mL)で処理した。17時間後、減圧下でDCMおよびTFAを除去し、淡黄色の固体MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEAを得た(40mg)。LC−MS:MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA(C
37H
54N
8O
10) required [MH
+]=771.4,found [MH
+]=771.9。
【0202】
MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA(25.6mg)およびアウリスタチンF(24.5mg)をDCMおよびDMFの混合物(10:1,5.5mL)中に溶解した。次いで、HBTU(20.5mg)およびDIPEA(0.022mL)をそれぞれ加えた。17時間後、DCMおよびDMFを減圧下で除去した。その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に40%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量35〜40mL/min)で精製して、化合物MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(3.3mg)。LC−MS:MC−SAA8(X)−Val−Cit−APEA−AF(C
78H
120N
12O
17) required [MH
+]=1497.9,found [MH
+]=1500.5。
【0203】
実施例24
MC−Val−Cit−AAF−3AQの合成
【化73】
【0204】
AAF−3AQ(30.8mg,0.035mmol)をEtOH(10mL)およびDCM(10mL)の混合物中に溶解した。Z−Val−Cit(15.7mg,0.038mmol)およびEEDQ(13mg,0.052mmol)を加えた後、その混合物を室温で7日間撹拌した。その反応混合物を減圧下で蒸発させてから、分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に34%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製し、Z−Val−Cit−AAF−3AQを白色の固体として得た(4.83mg,10.7%)。LC−MS:Z−Val−Cit−AAF−3AQ(C
69H
101N
11O
12) required [MH
+]=1277.6,found [MH
+]=1278.9。
【0205】
Z−Val−Cit−AAF−3AQ(4.8mg,0.00376mmol)をエタノール(10mL)中に溶解した。Pd/C(10%,16mg)を入れた後、その反応混合物に水素バルーンを適用し、4時間撹拌した。触媒Pd/Cをセライトのパッドで濾別してから、その濾液を減圧下で蒸発させた。その生成物を水(5mL)と混合し、凍結乾燥してVal−Cit−AAF−3AQを白色の固体として得た(4.2mg,98%)。LC−MS:Val−Cit−AAF−3AQ(C
61H
95N
11O
10) required [MH
+]=1143.5,found [MH
+]=1144.7。
【0206】
Val−Cit−AAF−3AQ(4.8mg,0.00367mmol)およびMC−OPFP(1.67mg,0.0044mmol)をDMF(0.5mL)中に溶解した。DIPEA(1.9mg,0.0147mL)をその反応混合物に加えた。3時間後、DMFおよびDIPEAを減圧下で除去した。その粗生成物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に32%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製し、MC−Val−Cit−AAF−3AQを白色の固体として得た。LC−MS:MC−Val−Cit−AAF−3AQ(C
71H
106N
12O
13) required [MH
+]=1336.7,found [MH
+]=1337.7。
【0207】
<力価試験>
実施例25
AF誘導体の力価
FaDu細胞を2500細胞/ウェルの密度でCorning CellBIND 96ウェルプレート内に播種した。24時間インキュベートした後、古い培地を除き、細胞をMMAE、AF、またはAF−誘導体含有培地中で、1e−12Mから1e−6Mまでの濃度(対数連続希釈)で120時間インキュベートした。次いで、細胞を一度リンスし、MTT法で細胞生存率をアッセイした。その古い培地を吸引し、100μLの0.5mg/mL MTT含有培地を各ウェル中に加えた。4時間インキュベートした後、MTT試薬を除去し、その沈殿をDMSO中に溶解した。細胞の測光強度(photometry intensity)を吸収波長 570nmのマイクロプレートリーダー(Multiskan Ascent, Thermo Labsystems)で測定した。細胞生存率は次の等式により計算した。
【数1】
この等式中、「Ins」は所定の毒素とインキュベートした細胞の測光強度であり、「Inb」は細胞が播種されていないブランクウェルの強度であり、「Inc」は培地のみでインキュベートした細胞の強度である(陽性対照)。
【0208】
各薬物濃度(n=6)で120時間毒素に曝した後のFaDu細胞のインビトロ生存率を記録し、Origin softwareのSigmoidal modelを用いて、データをフィットさせてIC
50値を得た。
【0209】
表2は、FaDu細胞中のAPEA−AF、PEA−AF、PEA−ANF、PEA−AAF、3AQ−ANF、3AQ−AAF、NPEA(COOMe)−AF、およびAPEA(COOMe)−AFの力価が、周知の毒素MMAEに匹敵し、かつ別の周知の毒素アウリスタチンF(AF)よりも著しく強いことを示している。それは、本開示の新規なAF誘導体が細胞膜への透過性を改善するだけでなく、チューブリン重合に対する阻害効果も維持することを示す。さらに、NPEA(COOH)−AFはAFと類似する力価を有し、かつAPEA(COOH)−AFは最低の力価を示しており、これらの結果は、COOH基が、細胞膜を通る毒素の透過性を阻害する可能性があることを示している。本開示の新規毒素のこの振る舞いは、バイスタンダー効果なしに、新規な薬物を構築するのにさらに利用される。
【0210】
【表2】
【0211】
<抗体薬物複合体(ADC)>
実施例26
Erbitux由来ADCの作製
Erbituxを、2.4モル当量のTCEPの入った0.025Mのホウ酸ナトリウム、0.025MのNaCl、1mMのDTPA(pH=8)で、2時間、37℃で処理した。次いで、さらなる精製はせずに、その反応混合物を0℃まで冷却させた。次いで、部分的に還元されたErbituxを、5.5モル当量のリンカー−毒素で0℃下30分アルキル化させた。システイン(1mM 最終)を用い、すべての未反応の過剰なリンカー−毒素をクエンチした。そのADCを脱塩カラム(desalting column)(ThermoFisher Scientific, MWCO: 40K)により精製した。溶離時に、バッファーをダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(ThermoFisher Scientific, PBS)に入れた。ADCを、結合分布(conjugates distribution)についてHICにより分析し、平均DAR(薬物−抗体比)を計算した。
【0212】
図1は、本開示の新規リンカー−毒素であるMC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFがErbituxへうまく結合されたことを示しており、HICによって決定された平均DARは3.8であった。
【0213】
<熱ストレス試験>
実施例27
ADCの熱ストレス試験
500μLのPBS中3mg/mLのErbituxおよびADCを、50℃の水浴でインキュベートした。次いで、抗体およびADCを0、4、7および24時間の時点でサンプリングし、SEC分析を行った。Yarra 3μm SEC−3000(300x7.8mm)カラムを備えるWaters PDA 996 HPLCを使用し、抗体モノマーと凝集生成物をサイズによって分離した。0.020Mリン酸カリウム、0.025M塩化カリウム、およびイソプロパノール5%(v/v)で移動相を構成し、pH6.95とした。30μLの試料を流量0.5mL/minでカラムに注入し、イソクラティック条件下で分離した。280nmに吸光が検出された。メインピークより前に溶出したすべての種(species)をまとめて、高分子量種(high molecular weight species:HMWS)と記載する。
【0214】
図2は、そのリンカーが糖アミノ酸ユニットを含むErbitux−MC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFおよびErbitux−MC−SAA1−SAA1−Val−Cit−APEA−AFが、そのリンカーがいかなる糖アミノ酸ユニットも含まないErbitux−VedotinおよびErbitux−Val−Cit−APEA−AFに比べ、HMWSの割合が低いことを示している。よって、この実験により、糖アミノ酸ユニットを有するリンカーは、親水性を高めるのみならず、ADCの熱安定性を著しく高めるということが実証された。
【0215】
<ペプチド薬物複合体(PDC)>
実施例28
Zoptarelin−GA−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化74】
【0216】
DIPEA(0.071mL,0.4070mmol)を、ゾプタレリン(zoptarelin)(170mg,0.1356mmol)およびグルタル酸無水物(17mg,0.1492mmol)の入ったDMF(4mL)の撹拌溶液に加えた。室温で12時間撹拌した後、溶媒を除去し、その残留物を分取HPLCで精製してZoptarelin−GAを白色粉末として得た(100mg,54%)。LC−MS:Zoptarelin−GA(C64H90N18O16),required [MH
+]=1367.7,[M+2H
+]=684.4;found [MH
+]=1368.7,[M+2H
+]=685.5。
【0217】
Zoptarelin−GA(10mg,0.0073mmol)およびペンタフルオロフェノール(1.6mg,0.0088mmol)の入ったDMF(1mL)の溶液にDCC(1.8mg,0.0088mmol)を加えた。その反応混合物を室温で12時間撹拌してから、SAA1−Val−Cit−APEA−AF(9mg,0.0072)およびDIPEA(0.0038mL,0.0216mmol)の入ったDMF(1mL)を加えた。さらに12時間経った後、溶媒を除去して、その残留物を分取HPLCで精製し、Zoptarelin−GA−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色粉末として得た(8mg,43%)。LC−MS:Zoptarelin−GA−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
130H
196N
30O
29),required [M+2H
+]=1322.6,[M+3H
+]=882.1,[M+4H
+]=661.8;found [M+2H
+]=1323.7,[M+3H
+]=882.7,[M+4H
+]=662.6。
【0218】
<小分子薬物複合体(SMDC)>
実施例29
FA−C−APEA−AFの合成
【化75】
【0219】
AF(20.8mg,0.027mmol)の入ったDMF(0.5ml)およびDCM(1ml)の溶液に、ZC−APEA(10.2mg,0.027mmol)を加えた。さらなるDMF(1ml)およびHATU(10.7mg,0.028mmol)をその反応混合物に加えた。その混合物を氷浴で冷却し、DIPEA(8.03mg,0.062mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、その混合物を減圧下で蒸発させた。その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に45%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製し、ZC−APEA−AFを白色の固体として得た(18.2mg,51.1%)。LC−MS:ZC−APEA−AF(C
62H
94N
8O
10) required [MH
+]=1111.7,found [MH
+]=1112.5。
【0220】
ZC−APEA−AF(18.2mg,0.014mmol)の入ったEtOH(5mL)の溶液に、10%Pd/C(3mg)および2M HCl(0.016mL,0.032mmol)を加えた。系中の空気を水素ガスで置換した。周囲雰囲気下で反応を行った。ZC−APEA−AFが完全に消費されたら、触媒を濾紙で反応混合物から除去し、その濾液を濃縮し、続いて水(5mL)と混合し、凍結乾燥してC−APEA−AFを得た(14.5mg,99%)。
【0221】
葉酸(8.0mg,0.018mmol)を氷浴中で、DMF(2ml)中のEDCI(6.2mg,0.040mmol)およびNHS(2.6mg,0.026mmol)と反応させた。次いで、30分後にC−APEA−AF(17.4mg,0.017mmol)およびDIPEA(8.8mg,0.068mmol)を加えた。C−APEA−AFが大部分消費されたことをHPLCが示した後、その混合物からDMFを除去し、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に36%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮および凍結乾燥し、FA−C−APEA−AFを黄色の固体として得た(5.4mg,23.3%)。LC−MS:FA−C−APEA−AF(C
73H
105N
15O
13) required [MH
+]=1400.8,found [MH
+]=1401.8。
【0222】
実施例30
FA−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化76】
【0223】
葉酸(11.5mg,0.026mmol)の入ったDMF(1.5ml)の溶液に、DIPEA(6.5mg,0.050mmol)、Val−Cit−APEA−AF(20.9mg,0.018mmol)、NHS(3.0mg,0.026mmol)およびEDCI(4.0mg,0.026mmol)を加えた。その反応混合物を終夜撹拌した。その反応混合物からDMFを除去した後、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、FA−Val−Cit−APEA−AFを黄色の固体として得た(11.6mg,37.4%)。LC−MS:FA−Val−Cit−APEA−AF(C
78H
114N
18O
14) required [MH
+]=1543.9,found [MH
+]=1544.8。
【0224】
実施例31
FA−C−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化77】
【0225】
Val−Cit−APEA−AF(35.6mg,0.029mmol)の入ったDMF(1mL)およびDCM(3ml)の溶液に、ZC(9.2mg,0.037mmol)、HATU(16.0mg,0.042mmol)およびDIPEA(9.0mg,0.069mmol)を加えた。その混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を除去し、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、ZC−Val−Cit−APEA−AFを黄色の固体として得た(19.0mg,42.9%)。LC−MS:ZC−Val−Cit−APEA−AF(C
73H
114N
12O
13) required [MH
+]=1367.9,found [MH
+]=1368.9。
【0226】
ZC−Val−Cit−APEA−AF(19.0mg,0.014mmol)の入ったEtOH(5mL)の溶液に、5%Pd/C(4.4mg)および2M HCl(0.015mL,0.030mmol)を加えた。系中の空気を水素ガスで置換した。周囲雰囲気下で終夜反応を行った。ZC−Val−Cit−APEA−AFが完全に消費されたら、濾紙で反応混合物から触媒を取り除き、その濾液をロータリーベイパー(rotary vapor)上で濃縮し、続いて凍結乾燥し、C−Val−Cit−APEA−AFを得た(17.7mg,99%)。
【0227】
FA(5.0mg,0.011mmol)の入ったDMF(0.75ml)の溶液に、DIPEA(2.7mg,0.021mmol)、C−Val−Cit−APEA−AF(9.0mg,0.069mmol)、NHS(1.2mg,0.010mmol)およびEDCI(1.6mg,0.010mmol)を加えた。その反応混合物を終夜撹拌した。反応の進行をHPLCで観察した。その反応混合物からDMFを除去した後、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、FA−C−Val−Cit−APEA−AFを黄色の固体として得た(4.5mg,34.7%)。LC−MS:FA−C−Val−Cit−APEA−AF(C
84H
125N
19O
16) required [MH
+]=1657.0,found [MH
+]=1657.9。
【0228】
実施例32
FA−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化78】
【0229】
葉酸(11.2mg,0.025mmol)の入ったDMF(1.5ml)の溶液に、DIPEA(5.8mg,0.0 45mmol)、SAA1−Val−Cit−APEA−AF(22.3mg,0.018mmol)、NHS(3.0mg,0.026mmol)およびEDCI(4.0mg,0.026mmol)を加えた。その反応混合物を終夜撹拌した。反応の進行をHPLCで観察した。その反応混合物からDMFを除去した後、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に33%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、FA−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを黄色の固体として得た(11.8mg,37.4%)。LC−MS:FA−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
85H
125N
19O
19) required [MH
+]=1716.9,found [MH
+]=1717.9(M+H)。
【0230】
実施例33
FA−C−SAA1−Val−Cit−APEA−AFの合成
【化79】
【0231】
SAA1−Val−Cit−APEA−AF(44.0mg,0.029mmol)の入ったDMF(1mL)およびDCM(3ml)の溶液に、ZC(15.0mg,0.057mmol)、HATU(16.8mg,0.044mmol)およびDIPEA(11.5mg,0.089mmol)を加えた。その混合物を終夜撹拌した。溶媒をロータリーベイパー上で除去し、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に43%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。フラクションを収集、濃縮、凍結乾燥して、ZC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを白色の固体として得た(30.0mg,62.5%)。LC−MS:ZC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
80H
125N
13O
17) required [MH
+]=1540.9,found [MH
+]=1541.8。
【0232】
ZC−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(30.0mg,0.018mmol)の入ったEtOHの溶液に、5%Pd/C(5.2mg)および2M HCl(0.019mL,0.038mmol)を加えた。系中の空気を水素ガスで置換した。周囲雰囲気下で終夜反応を行った。ZC−SAA1−Val−Cit−APEA−AFが完全に消費されたら、濾紙でその反応混合物から触媒を取り除き、その濾液をロータリーベイパー上で濃縮し、続いて凍結乾燥し、C−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを得た(24.9mg,92.8%)。LC−MS:C−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C72H
119N
13O
15) required [M+2H]2+=704.0,found [M+2H]2+ =705.1。
【0233】
葉酸(4.5mg,0.013mmol)の入ったDMF(0.7mL)の溶液に、DIPEA(2.70mg,0.021mmol)、C−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(11.0mg,0.007mmol)、NHS(1.2mg,0.010mmol)およびEDCI(1.6mg,0.010mmol)を加えた。その反応混合物を終夜撹拌した。反応の進行をHPLCで観察した。その反応混合物からDMFを除去した後、その残留物を分取HPLC(0.1%TFAを含む水中に31%アセトニトリル;UV210nm;ODS−3カラム30*250mm;流量24mL/min)で精製した。特定のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、FA−C−SAA1−Val−Cit−APEA−AFを黄色の固体として得た(3.9mg,25.5%)。LC−MS:FA−C−SAA1−Val−Cit−APEA−AF(C
91H
136N
20O
20) required [MH
+]=1830.1,found [MH
+]=1831.0。
【0234】
本開示の実施形態に様々な改変および変更を加え得るということは、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は単に例示として見なされるように意図されており、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって示される。