(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出手段で前記シンボルが検出されない場合に、前記識別対象の商品の撮像に係る撮像条件の変更を指示する撮像条件指示手段を更に備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態に係る情報処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。店舗システムは、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS端末を備えるチェックアウトシステム(POSシステム)等である。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0007】
図1は、チェックアウトシステム1の外観構成を示す斜視図である。
図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。
【0008】
POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。
【0009】
なお、
図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを
図1中手前側に向けているが、表示面24aが
図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0010】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受け面152が形成されている。荷受け面152には、商品Gを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから商品読取装置101を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0011】
カウンタ台151の荷受け面152には、POS端末11とデータ送受信可能に接続された商品読取装置101が設置されている。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。
【0012】
ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に情報を提供するための顧客用表示デバイス109が設置されている。
【0013】
このような商品読取装置101は、商品読取部110(
図2参照)を備えている。商品読取部110は、読取窓103の奥側に撮像部164(
図2参照)を配置している。
【0014】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引に係る商品Gが収納されている。第1の買物カゴ153a内の商品Gは、商品読取装置101を操作するオペレータにより第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、商品Gが商品読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103内に配置された撮像部164(
図2参照)は商品Gを撮像する。
【0015】
図2は、POS端末11及び商品読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0016】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。
【0017】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。
【0018】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。
【0019】
HDD64が記憶するプログラムとして、後述する商品販売データ処理用のプログラムPR等が挙げられる。また、HDD64が記憶するファイルとして、PLUファイルF1及び商品特性ファイルF2等が挙げられる。なお、PLUファイルF1及び商品特性ファイルF2は、後述する接続インターフェース65を介し、商品読取装置101が読み出し(参照)可能に構成されているものとする。
【0020】
PLUファイルF1は、商品Gの売上登録にかかる情報と、その商品Gの画像との関連付けが設定されたデータファイルである。
【0021】
図3は、PLUファイルF1のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、PLUファイルF1には、商品G毎に、ユニークに割り当てられた商品コードと、商品Gが属する商品分類、商品名、単価等の商品に関する商品情報と、商品Gを撮像した商品画像(以下、第1商品画像という)と、商品Gに後述する商品特性情報が付帯されているか否かを示したフラグ情報と、が関連付けて登録されている。なお、
図3では、フラグ情報の値“1”が、商品特性情報が付帯されていることを示し、フラグ情報の値“0”が、商品特性情報が付帯されていないことを示しめている。
【0022】
また、商品特性ファイルF2は、商品Gと商品特性情報との関連付けが設定されたデータファイルである。
【0023】
図4は、商品特性ファイルF2のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、商品特性ファイルF2には、商品特性情報の付帯対象となった商品G毎に、その商品Gの商品コードと、その商品Gの商品特性情報と、各商品特性情報を識別する商品特性コードと、商品Gを撮像した商品画像(以下、第2商品画像という)と、が関連付けて登録されている。
【0024】
商品特性ファイルF2には、PLUファイルF1に登録された商品Gのうち、商品特性情報の付帯対象となった各商品Gの商品コードが登録される。商品特性情報には、例えば、産地、等級、糖度、生産者、収穫日等の、商品Gの生産履歴に係るトレーサビリティ情報が含まれる。また、商品特性情報毎に、固有の商品特性コードが割り当てられている。なお、本実施形態では、商品特性情報の付帯対象となった商品Gの表面に、ロゴマーク等のシール、焼印等の所定のシンボル(以下、特性シンボルという)が予め付加されているものとする。
【0025】
第2商品画像は、所定の撮像条件で撮像された商品Gの商品画像が登録される。本実施形態では、
図4に示すように、商品Gに付加された特性シンボルCSを中心に撮像することを撮像条件としており、この特性シンボルCSを中心に撮像された商品Gの一部を表す商品画像が第2商品画像として登録される。
【0026】
ここで、PLUファイルF1の第1商品画像が、商品Gの品種(例えば、りんご(ふじ)、りんご(王林)等)の識別(認識)に用いられるのに対し、商品特性ファイルF2の第2商品画像は、同一品種の商品Gの各個体を識別(認識)するのに用いられる。そのため、第1商品画像は、各品種における任意の商品Gを撮像した画像となっており、第2商品画像は、特性シンボルを中心とする同一の撮像条件の下、各商品Gを個別に撮像した画像となっている。本実施形態では、これら二つの商品画像を段階的に用いて商品Gの認識を行うことで、商品Gの品種から当該商品Gの個体を絞り込むことが可能となっている。
【0027】
なお、PLUファイルF1及び商品特性ファイルF2のデータ構成は、
図3及び
図4の例に限らないものとする。例えば、
図3及び
図4では、第1商品画像、第2商品画像を画像として格納する形態としたが、これに代わり、第1商品画像、第2商品画像の各々から読み取った特徴量(色合いや表面の凹凸状況等)を格納する形態としてもよい。
【0028】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1、商品特性ファイルF2が格納されている。
【0029】
さらに、POS端末11のCPU61には、商品読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。接続インターフェース65には、商品読取装置101が接続されている。また、POS端末11のCPU61には、レシート等に印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御の下、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0030】
商品読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0031】
撮像部164は、カラーCCDイメージセンサやカラーCMOSイメージセンサ等であり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う撮像手段である。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)はRAM163に保存される。
【0032】
音声出力部165は、予め設定された警告音等を発生するための音声回路とスピーカ等である。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音等の音声による報知を行う。
【0033】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、商品読取装置101の撮像部164によって撮像された撮像画像から認識された商品Gの商品情報や商品特性情報は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0034】
次に、CPU161、CPU61がプログラムを順次実行することで実現されるCPU161、CPU61の機能部について、
図5を参照して説明する。
【0035】
図5は、POS端末11及び商品読取装置101の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、商品読取装置101のCPU161は、プログラムを順次実行することにより、画像取込部1611、品種識別部1612、個体識別部1613、商品情報表示部1614及び情報送信部1615としての機能を備える。
【0036】
画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存された撮像画像を順次取り込む。画像取込部1611による撮像画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0037】
品種識別部1612は、画像取込部1611により取り込まれた撮像画像から商品Gの品種を識別(認識)し、その品種に対応する商品情報(商品コード)を特定する。
【0038】
具体的に、品種識別部1612は、撮像画像に含まれる商品Gの全部または一部の輪郭線を、公知のパターンマッチング技術等を用いて検出する。次いで、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、読取窓103に向けられた商品Gの写り込みを検出する。
【0039】
なお、商品Gを検出する別の方法としては、撮像画像から肌色領域が検出されたか否かを判定し、肌色領域が検出された場合、つまり店員の手の写り込みが検出された場合には、店員の手が把持していると想定される商品Gの輪郭線の検出を行う。この時、手の形状を示す輪郭と、それ以外の輪郭とが検出された場合には、店員の手が商品Gを把持していることから、商品Gの写り込みが検出される。
【0040】
また、品種識別部1612は、撮像画像中に含まれた商品Gの表面の状態(表面の色合い、模様(パターン)、凸凹状況等)を特徴量として読み取り、PLUファイルF1に登録された各第1商品画像の特徴量と比較することにより、商品Gの品種を識別する。ここで、品種識別部1612は、両特徴量を比較することで、PLUファイルF1に登録された各第1商品画像と、撮像画像中に含まれた商品Gとの類似度を算出し、その類似度が最大又は所定の閾値を上回った第1商品画像を、商品Gの品種を表す商品画像として識別する。そして、品種識別部1612は、識別した第1商品画像に係る商品コードを、商品Gの商品情報として特定する。
【0041】
なお、上記のように画像中に含まれる物体を識別(認識)することは、一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0042】
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0043】
個体識別部1613は、品種識別部1612で品種が識別された商品の個体を識別し、当該個体に固有の商品特性情報(商品特性コード)を特定する。
【0044】
具体的に、個体識別部1613は、品種識別部1612で特定された商品コードに関連付けられたPLUファイルF1のフラグ情報に基づき、その商品に商品特定情報が付帯されているか否かを判定する。ここで、フラグ情報の値が、商品特定情報が付帯されていることを示す場合、個体識別部1613は、公知のパターンマッチング技術等を用いることで、撮像画像に含まれた商品Gの画像から特性シンボルを検出する。
【0045】
撮像画像中から特性シンボルを検出した場合、個体識別部1613は、第2商品画像の撮像条件と同様の撮像条件で商品Gが撮像されていると判定し、この特性シンボルを中心とする商品Gの撮像画像から、上記品種識別部1612と同様の手法により、当該商品G及び特性シンボルの特徴量(表面の色合い、模様、凸凹状況等)を読み取る。個体識別部1613は、撮像画像から読み取った特徴量と、品種識別部1612で特定された商品コードに関連付けられた商品特性ファイルF2の各第2商品画像の特徴量とを比較し、当該特徴量の類似度が最大又は所定の閾値以上となる第2商品画像を、その商品Gの個体を表す商品画像として識別する。そして、個体識別部1613は、識別した第2商品画像に係る商品特性コードを、商品Gの個体に対応する商品特性情報として特定する。
【0046】
なお、特性シンボルが検出されない場合、個体識別部1613は、第2商品画像の撮像条件と同様の撮像条件で商品Gが撮像されていないと判定し、特性シンボルを撮像部164に向けることを促す画面(撮像条件指示画面)を、表示デバイス106に表示(提示)することで、商品Gの撮像条件の変更をオペレータに指示する。
【0047】
ここで、
図6は、個体識別部1613の制御により、表示デバイス106に表示された撮像条件指示画面の一例を示す図である。同図では、画面内の領域A11において、特性シンボルを撮像部164に向けることを促すメッセージ「特性シンボルをカメラに向けて下さい」を表示した例を示している。また、領域A12は、撮像部164で撮像中の撮像画像を表示するための領域である。
【0048】
上記撮像条件指示画面の表示により、商品読取装置101のオペレータは、領域A11に表示されたメッセージに応じて、商品Gの撮像方向(撮像条件)を領域A12に表示される撮像画像を確認しながら変更し、この商品Gに付加された特性シンボルを撮像部164に向けることになる。そして、個体識別部1613は、撮像条件の変更により、画像取込部1611が取り込む撮像画像から特性シンボルを検出すると、この撮像画像から商品Gの商品特性を特定するための処理を開始する。
【0049】
このように、本実施形態の個体識別部1613では、商品Gに付加された特性シンボルを基準に、商品Gの撮像条件が第2商品画像が撮像された際の撮像条件に該当するか否かを判定し、この特性シンボルが検出されない場合に、第2商品画像が撮像された際の撮像条件に近づくよう、商品Gの撮像条件の変更を指示することで、商品Gの個体の識別率を向上させることができる。なお、本実施形態では、撮像画像から特性シンボルを検出した場合に商品Gの個体を識別することとしたが、撮像画像内での特性シンボルの検出位置、つまり撮像画像の略中央に特性シンボルが存在するかを含めて、撮像条件に該当するか否かを判定する形態としてもよい。
【0050】
図5に戻り、商品情報表示部1614は、品種識別部1612及び個体識別部1613で特定された商品コード及び商品特性コードのそれぞれに対応する商品情報及び商品特性情報を、表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示出力する。
【0051】
具体的に、商品情報表示部1614は、品種識別部1612で特定された商品Gの商品コードに対応する商品情報等をPLUファイルF1から読み出し、表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示する。また、品種識別部1612は、個体識別部1613で商品Gの商品特性コードが特定された場合、この商品特性コードに対応する商品詳細情報等を商品特性ファイルF2から読み出し、対応する商品の商品情報とともに表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示する。
【0052】
ここで、
図7は、商品情報表示部1614の制御により、表示デバイス106(顧客用表示デバイス109)に表示された、商品情報画面の一例を示す図である。同図において、画面内の領域A21には、品種識別部1612で認識された商品の商品画像(第1商品画像)が表示される。また、画面内の領域A22には、品種識別部1612で特定された商品Gの商品コード、個体識別部1613で特定された商品Gの商品特性コードのそれぞれに対応する商品情報及び商品特性情報が表示される。
【0053】
このように、商品Gの商品情報、商品特性情報を、表示デバイス106及び顧客用表示デバイス109に表示することで、読み取り対象となった商品Gを、オペレータ及び顧客の両者に確認させることができる。なお、
図7では、領域A21に第1商品画像を表示する形態としたが、これに限らず第2商品画像を表示する形態としてもよいし、商品画像の表示を行わない形態としてもよい。
【0054】
図5に戻り、情報送信部1615は、品種識別部1612が特定した商品Gの商品コード、個体識別部1613が特定した商品Gの商品特性コードをPOS端末11に通知するものである。
【0055】
また、
図5に示すように、POS端末11のCPU61は、プログラムを順次実行することにより、情報受信部611、商品情報取得部612、商品特性情報取得部613、売上登録部614、会計処理部615としての機能を備える。
【0056】
情報受信部611は、商品読取装置101の情報送信部1615から送信される情報、即ち、商品コード、商品特性コード等の情報を受信するものである。
【0057】
商品情報取得部612は、情報受信部611が受信した商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品の商品情報を、PLUファイルF1から検索して取得する。
【0058】
商品特性情報取得部613は、情報受信部611が受信した商品特性コードに基づき、当該商品特性コードに対応する商品の商品特性情報を、商品特性ファイルF2から検索して取得する。
【0059】
売上登録部614は、商品情報取得部612が取得した商品情報に含まれる単価、情報受信部611が受信した情報に含まれる販売個数等から商品の販売価格を算出する。また、売上登録部614は、商品読取装置101で読み取られた商品Gの商品情報、商品特性情報等を、図示しない売上マスタファイル等に記録することで売上登録を行う。
【0060】
会計処理部615は、売上登録部614により登録された一取引に係る商品の会計処理を行う。また、会計処理部615は、売上登録部614により登録された一取引に係る各商品の商品情報を、商品特性情報取得部613が取得した対応する商品の特性情報と関連付けて、表示デバイス23や顧客用表示デバイス24に表示出力したり、プリンタ66を用いてレシート等に印字出力したりする。
【0061】
次に、上記した構成を有するチェックアウトシステム1の動作について説明する。まず、商品読取装置101の処理動作について説明する。
図8は、商品読取装置101における処理動作の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図8に示すように、POS端末11による商品登録の開始等に応じて処理が開始されると、画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(ステップS11)。続いて、画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む(ステップS12)。
【0063】
次いで、品種識別部1612は、画像取込部1611が取り込んだ撮像画像中の商品Gの画像の特徴量と、PLUファイルF1に登録された各第1商品画像の特徴量とを比較することで、商品Gの品種の商品コードを特定する(ステップS13)。なお、商品Gの品種の識別候補が複数存在する場合には、それら識別候補の商品画像や商品情報を表示デバイス106に表示(提示)し、該当する商品(品種)の選択を、タッチパネル105を介してオペレータから受け付ける形態としてもよい。
【0064】
続いて、個体識別部1613は、ステップS13で特定された商品Gの商品コードに関連付けられたフラグ情報の値に基づき、この商品Gの品種に商品特性情報が付帯されているか否かを判定する(ステップS14)。ここで、フラグ情報の値が、商品特性情報が付帯されていないことを示す場合(ステップS14;No)、個体識別部1613は、商品特性の特定は行わずに、ステップS15に移行する。
【0065】
ステップS15では、商品情報表示部1614が、ステップS13で特定された商品の商品コードに対応する商品情報をPLUファイルF1から読み出し、表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示する(ステップS15)。次いで、情報送信部1615は、ステップS13で特定された商品の商品コード等をPOS端末11に送信し(ステップS16)、ステップS22に移行する。
【0066】
また、ステップS14において、フラグ情報の値が、商品特性情報が付帯されていることを示す場合(ステップS14;Yes)、個体識別部1613は、画像取込部1611が取り込んだ撮像画像から特性シンボルの検出に係る処理を行い、当該特性シンボルを検出できたか否かを判定する(ステップS17)。
【0067】
ここで、特性シンボルを検出できないと判定した場合(ステップS17;No)、個体識別部1613は、第2商品画像の撮像条件と同様の撮像条件で商品Gが撮像されていないと判定し、特性シンボルを撮像部164に向けることを指示する撮像条件指示画面(
図6参照)を表示デバイス106に表示する(ステップS18)。そして、ステップS17に再び戻り、撮像画像から特性シンボルが検出できるまで撮像条件指示画面の表示を継続する。
【0068】
また、ステップS17において、撮像画像から特性シンボルを検出すると(ステップS17;Yes)、個体識別部1613は、この特性シンボルを中心とした商品G及び特性シンボルの画像の特徴量と、ステップS13で特定された商品コードに関連付けられた商品特性ファイルF2の各第2商品画像の特徴量とを比較することで、商品Gの個体を識別し、この個体に対応する商品特性コードを特定する(ステップS19)。
【0069】
続いて、商品情報表示部1614は、ステップS13で特定された商品Gの商品コード、ステップS19で特定された商品Gの商品特性コードのそれぞれに対応する商品情報、商品特性情報を、PLUファイルF1及び商品特性ファイルF2から読み出し、
図7に示したように、表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示する(ステップS20)。次いで、情報送信部1615は、ステップS13で特定された商品Gの商品コード、ステップS19で特定された商品Gの商品特性コード等をPOS端末11に送信し(ステップS21)、ステップS22に移行する。
【0070】
ステップS22において、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知等による業務終了の有無を判定する(ステップS22)。ここで、業務を継続する場合(ステップS22;No)、CPU161は、ステップS12へ処理を戻して処理を継続させる。また、業務を終了する場合(ステップS22;Yes)、画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力することで、撮像部164による撮像を終了し(ステップS23)、処理を終了する。
【0071】
次に、POS端末11の処理動作について説明する。
図9は、POS端末11における処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0072】
図9に示すように、POS端末11では、情報受信部611が、商品読取装置101から商品コード、商品特性コード等の情報を受信する(ステップS31)。商品情報取得部612は、ステップS31で受信された情報に含まれる商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品情報をPLUファイルF1から取得する(ステップS32)。
【0073】
商品特性情報取得部613は、ステップS31で受信された情報に商品特性コードが含まれるか否かを判定する(ステップS33)。ここで、受信された情報に商品特性コードが含まれる場合(ステップS33;Yes)、商品特性情報取得部613は、この商品特性コードに対応する商品特性情報を商品特性ファイルF2から取得し(ステップS34)、ステップS35に移行する。なお、受信された情報に商品特性コードが含まれない場合には(ステップS33;No)、ステップS35に直ちに移行する。
【0074】
その後、POS端末11では、売上登録部614が、ステップS32で取得された商品情報に基づいて商品の売上情報を売上マスタファイル等に登録する処理を実行する(ステップS35)。なお、ステップS31において、商品の販売個数を受信していた場合には、このステップS35において、商品情報に含まれる単価と販売個数とを乗算することで、販売個数分の販売価格を算出する。
【0075】
続いて、POS端末11では、CPU61が、キーボード22の操作指示(締めキー22fの押下操作等)による売上登録の終了等による業務終了の有無を判定する(ステップS36)。ここで、業務を継続する場合(ステップS36;No)、CPU61は、ステップS31へ処理を戻して処理を継続させる。
【0076】
また、ステップS36において、業務を終了する場合(ステップS36;Yes)、会計処理部615が、一取引に係る各商品Gの会計処理を実行する(ステップS37)。そして、会計処理部615は、これら各商品の商品情報を、商品特性情報と関連付けて、表示デバイス23や顧客用表示デバイス24に表示出力したり、プリンタ66を用いてレシート等に印字出力したりした後(ステップS38)、処理を終了する。
【0077】
以上のように、本実施形態のチェックアウトシステム1によれば、撮像部164で撮像された撮像画像から商品Gの個体を識別し、当該個体に付帯された商品特性情報を商品特性ファイルF2から特定して出力する。これにより、バーコードや無線ICタグを用いずとも、商品Gそのものから、当該商品Gに固有の商品特性情報を得ることができるため、商品特性情報の取得を効率的に行うことができる。また、商品Gそのものを用いて個体を識別し、その個体の商品識別情報を特定することで、無線ICタグ等を用いて商品識別情報を保持する場合に起こり得る、偽造やすり替え等の不正行為を防止することができるため、商品識別情報の信頼性を向上させることができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0079】
例えば、上記実施形態では、第1商品画像と、第2商品画像とを異なる商品画像としたが、これに限らず、第2商品画像をPLUファイルF1に登録することで、第1商品画像として用いる形態としてもよい。なお、この形態の場合、品種識別部1612は、第2商品画像の特性シンボルが存在する領域以外の他の領域から特徴量を読み取り、商品Gの特徴量との比較を行うものとする。具体的には、
図4に例示した第2商品画像の場合、画像の中央部に特性シンボルCSが存在するため、この中央部以外の領域(例えば、画像の外縁部等)から特徴量を読み取る。
【0080】
また、第2商品画像を第1商品画像として用いる上記形態の場合、フラグ情報の値に応じて、特徴量の読み取りを行う領域を切り替える形態としてもよい。具体的に、フラグ情報の値が、商品特性情報が付帯されていることを示す場合には、特性シンボルCSの存在位置以外の領域から特徴量を読み取り、商品特性情報が付帯されていないことを示す場合には、画像中の任意の位置から特徴量を読み取る。
【0081】
また、上記実施形態では、商品Gの撮像条件を、第2商品画像の撮像時の撮像条件に近づけるため、特性シンボルを基準に撮像を行う形態を説明したが、これに限らず、例えば、果物や野菜のへたの部分等を基準に、第2商品画像及び商品Gを撮像することで、特性シンボルを用いずに両撮像条件を略同等とする形態としてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、商品読取装置101からPOS端末11に商品コード、商品特性コードを送信する形態としたが、これに限らず、商品コード、商品特性コードの各々に対応する商品情報、商品特性情報をPOS端末11に送信する形態としてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、POS端末11がPLUファイルF1及び商品特性ファイルF2を備える形態としたが、これに限らず、商品読取装置101がPLUファイルF1及び商品特性ファイルF2を備える形態としてもよいし、POS端末11及び商品読取装置101がアクセス可能な外部装置がPLUファイルF1及び商品特性ファイルF2を備える形態としてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、POS端末11及び商品読取装置101の二台構成としたが、これに限らず、POS端末11及び商品読取装置101の両機能を備える一台構成の装置としてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、POS端末11において商品情報、商品特性情報の出力(表示出力、印字出力)を行う形態としたが、これに限らず、商品読取装置101において、品種識別部1612が認識した商品の商品コード、及び個体識別部1613が特定した商品特性コードのそれぞれ対応する商品情報、商品特性情報を、表示デバイス106や顧客用表示デバイス109に表示出力する形態としてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0087】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。