【文献】
Nokia Corporation, Nokia Networks,New SI proposal: LTE Carrier Aggregation Enhancement Beyond 5 Carriers[online],3GPP TSG-RAN#65 RP-141418,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_65/Docs/RP-141418.zip>,2014年 9月 9日
【文献】
LG Electronics,Multi-cell Periodic CSI Transmission[online],3GPP TSG-RAN WG1#69 R1-122269,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122269.zip>,2012年 5月21日
【文献】
CATT,Enhancement for CSI transmission in LTE-A Rel-11 with CA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112104,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112104.zip>,2011年 8月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記複数のチャネル状態情報を送信する場合に、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)フォーマット3より大容量のPUCCHフォーマットを選択することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
前記制御部は、上位レイヤからの通知に基づいて、前記複数のチャネル状態情報を送信するリソースを選択することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のユーザ端末。
前記制御部は、複数のセルの内の一部のセルに対するチャネル状態情報を送信する場合、所定セルのPUCCHを選択することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のユーザ端末。
前記制御部は、前記複数のチャネル状態情報の情報量が所定値を超える場合、上りリンクの異なるセルに、前記複数のチャネル状態情報を分散して割り当てることを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、LTEの後継システム(LTE Rel.12)におけるキャリアアグリゲーション(CA)と、LTE Rel.13で検討されるCAのCCの説明図である。
図1に示されるように、LTE Rel.12では、ユーザ端末当たりに最大5個のCC(CC#1〜CC#5)が設定されているのに対して、LTE Rel.13では、6個以上のCC(セル)を設定する拡張キャリアアグリゲーション(CA enhancement)が検討されている。拡張CAでは、
図1に示されるように、ユーザ端末当たりに最大32個のCC(CC#1〜CC#32)を設定することが検討されている。この場合には、最大で640MHzの帯域幅を利用してユーザ端末との間で通信することができる。これにより、例えば、通信に利用するCC数を増減又は変更することができ、柔軟且つ高速な無線通信を実現することが可能となる。
【0013】
また、Rel.13以降のLTEでは、免許不要の周波数帯、すなわちアンライセンスバンドにおける運用もターゲットとして検討されている。アンライセンスバンドとしては、たとえばWi−Fiと同じ2.4GHzまたは5GHz帯などが使用される。LTE Rel.13では、ライセンスバンドとアンライセンスバンドの間でのキャリアアグリゲーション(LAA:License-Assisted Access)を検討対象としており、例えば、ライセンスバンド100MHzとアンライセンスバンド300MHzを組み合わせたCAも検討されている。
【0014】
一方、上述のように、既存システムでは、P−CQIは、5CC以下を前提としたフォーマットを用いて上り制御チャネル(PUCCH)で送信される。このようなP−CQIは、ユーザ端末においてCCごとに別々に算出され、CCごとに無線基地局から設定された周期で個別に(例えば、RRCなどにより)この無線基地局に報告される。P−CQIの送信時に、送信データがない場合(PUSCHがない場合)、PUCCHフォーマット2にしたがってP−CQIが送信され、送信データがある場合(PUSCHがある場合)には、PUSCHを用いてP−CQIが送信される。ただし、上りリンクの1CCにおいて、同一サブフレーム(同一TTI(Transmission Time Interval))で複数CC分のP−CQIを送信することができない。例えば、同一サブフレームで複数CCのP−CQIが重複した場合、ユーザ端末は所定のルールにしたがって1つのP−CQIのみを報告し、他のP−CQIの送信は中止する(ドロップする)。
【0015】
このような既存システムのP−CQIの報告手法を、上記LTE Rel.13で検討されているCAに適用した場合、1サブフレーム(1TTI)において、1つのCC分のP−CQIのみが報告されるため、全てのCCのP−CQIを報告するために時間が費やされ、結果、各CCに対応するP−CQIの報告周期が長くなってしまう。例えば、32CCを用いたCAでは、上りリンクにおけるすべてのサブフレームでP−CQIを送信した場合であっても、最短周期が32msとなる。通常、無線基地局側では、適時にユーザ端末のCQIを獲得することが望ましいため、各CCのP−CQIの報告周期が長くなることは望ましいことではない。
【0016】
図2には、既存システムにおけるP−CQIの報告周期を規定するテーブル例が示されている。周期Npdには2、5、10、20が規定されているが、これらの周期は20CC以上のCAで採用することができない。
【0017】
本発明者等は、このようなCAの特徴に着目し、CCの設定数が5個以下となる既存システムのPUCCHフォーマットと比較して容量が大きいPUCCHフォーマット(以下、「大容量PUCCHフォーマット」)又はPUSCHを用いて、複数のCCのP−CQIを同じサブフレームで送信することを着想した。
【0018】
以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、CAを行う際にユーザ端末当たりに設定可能なCC数が32個である場合について説明する。しかしながら、本実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ユーザ端末当たりに設定可能なCC数は、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0019】
(第1の態様)
第1の態様では、P−CQIの報告にあたって上記大容量PUCCHフォーマットを用い、上りリンクの同一サブフレーム(同一TTI)で複数のCCに対応するP−CQIを送信する。この態様では、大容量PUCCHフォーマットにより、8CC分のP−CQIを1サブフレームで送信する場合について説明する。なお、大容量PUCCHフォーマットを用いて送信するCC数はこれに限られない。
【0020】
各CCに対しては、予めP−CQI報告のための周期とタイミングとを設定することができる。例えば、
図3に示される例では、CC#1〜#8については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの最初のサブフレーム(左から1番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#9〜#16については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの2番目サブフレーム(左から2番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#17〜#24については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの3番目サブフレーム(左から3番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#25〜#32については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの4番目サブフレーム(左から4番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。
【0021】
この結果、上りリンクにおいて、
図3における1番目のサブフレームでは、CC#1〜#8に対応する複数のP−CQIが送信され、2番目のサブフレームでは、CC#9〜#16に対応する複数のP−CQIが送信され、3番目のサブフレームでは、CC#17〜#24に対応する複数のP−CQIが送信され、4番目のサブフレームでは、CC#25〜#32に対応する複数のP−CQIが送信されることになる。また、CC#17〜#24については、周期が10msと設定されているため、
図3における上りリンクの13番目のサブフレームにおいても、最新のP−CQIが送信されることになる。同様に、CC#25〜#32については、14番目のサブフレームにおいても、最新のP−CQIが送信される。
【0022】
第1の態様の制御にあたって、ユーザ端末においては、上記大容量PUCCHが設定される。また、CCごとのP−CQI報告のための周期とタイミングとが無線基地局からRRCなどで設定される。ユーザ端末は、上記周期及びタイミングにしたがって、大容量PUCCHフォーマットを用いて、最大8CC分のP−CQIを同じサブフレーム(同一TTI)で送信する。
【0023】
本実施の形態で適用可能な新規フォーマット(大容量PUCCHフォーマット)としては、例えば、PUCCHフォーマット3の直交拡散ブロック符号を減らす方法が考えられる。既存のPUCCHフォーマット3は、同一のビット系列を5つまたは4つの時間シンボルにコピーし、直交拡散符号を乗算する。ユーザ毎に異なる直交拡散符号を乗算することで、互いに直交多重されるものとなっている。この直交符号長を例えば1とすることにより、異なる情報ビット系列を5つまたは4つの時間シンボルに乗せることが可能となる。ただしこの場合、同一PRB上に多重可能なユーザ数は低減する。例えば直交符号長が1の場合、送信できるビット系列長は既存のPUCCHフォーマット3の5倍または4倍となるが、多重可能なユーザ数は1となる。
【0024】
新規フォーマット(大容量PUCCHフォーマット)として、2PRB以上の周波数リソースを用いるPUCCHフォーマットを規定することも考えられる。例えば既存のPUCCHフォーマット3の構成を元に、2PRBで送信するPUCCHフォーマットを規定すれば、既存のPUCCHフォーマット3の2倍のビット系列を送信することが可能となる。いずれのPRB数を用いるか、そしてどのPRBを用いて送信するかは、当該PUCCHに多重するHARQ−ACKやCSI(CQIなど)のビット数に応じてUEが判断するものとしても良いし、あらかじめRRC等の上位レイヤシグナリングで指定しても良いし、基地局がPDCCH等の制御信号でサブフレームごとに指示するものとしても良い。
【0025】
あるいは、大容量PUCCHフォーマットとして、16QAM以上の多値変調を用いるPUCCHフォーマットを規定することも考えられる。例えば既存のPUCCHフォーマット3の構成を元に、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)を16QAM変調するPUCCHフォーマットを規定すれば、既存のPUCCHフォーマット3の2倍のビット系列を送信することが可能となる。いずれの変調方式を用いるかは、当該PUCCHに多重するHARQ−ACKやCSIのビット数に応じてUEが判断するものとしても良いし、あらかじめRRC等の上位レイヤシグナリングで指定しても良いし、基地局がPDCCH等の制御信号でサブフレームごとに指示するものとしても良い。
【0026】
上記説明において、既存のPUCCHフォーマット3の構成を元とするとは、HARQ−ACKやCSIといったUCIに対する符号化方法、無線リソースへのマッピング順序、PUCCHフォーマット3に含まれる参照信号の時間的なシンボル位置、などを再利用することを意味する。参照信号を生成する参照信号系列は、1PRBとは違うものを使うことが想定される。例えば、既存LTEで規定されている2PRBのPUSCHに多重する参照信号系列を用いることが考えられる。
【0027】
あるいは、6個以上のCCの上り制御信号を多重可能な新規フォーマットとして、PUSCHを利用することも可能である。この場合、ユーザ端末は、PUSCHの送信を行わない場合であっても上り制御信号の送信をPUSCHで行う。
【0028】
既存システムでは、ULデータ送信とUCI送信が同一サブフレームで発生した場合、ユーザ端末は、ULデータ送信を行うよう指示されたPUSCHの中にUCIを多重(Piggyback)する方法を適用している。PUSCHはPUCCHと異なり同一PRBに異なるユーザを符号多重する構成を取っておらず、PRBあたりに含めることができる情報ビット数が大きい。そこで、ULデータが無くても、UCIをPUSCHで送信するようにすれば、これを大容量PUCCHフォーマットとみなしてUCIを送信することが可能となる。
【0029】
既存のPUSCHは、基地局からのPDCCH/EPDCCH(DCIフォーマット0やDCIフォーマット4などとして規定されているULグラント)や上位レイヤシグナリングに基づいて特定サブフレーム・特定PRBで送信される。これを、例えばHARQ−ACKやCSIの送信しかない場合でもPUSCH送信を行うことができるようにすることができる。
【0030】
UCIを送信するPUSCH構成の割り当てPRBやMCSは、例えば予め上位レイヤシグナリングで指定していても良いし、下りデータ割り当てを指示するPDCCH/EPDCCH(DCIフォーマット1AやDCIフォーマット2Dなどとして規定されているDLアサインメント)や下りデータが送信されるPDSCHの情報などに基づいて定まるものであっても良い。このようにすることで、PUSCH形式の大容量PUCCHフォーマットを送信するPRBを指定するためにPDCCHを送信する必要が無くなるので、制御信号領域のオーバーヘッドを削減できる。
【0031】
また、従来、ULデータを含むPUSCHを送信した場合、ユーザ端末は当該PUSCHに対応するPHICHを受信し、再送を行うか否かを決定していた。一方で、HARQ−ACKやCSIの送信を行うPUCCHには、HARQは適用されていない。そこで、大容量PUCCHフォーマットとして使用されるPUSCHを送信する場合(すなわちULデータを含まずUCIしか含まない場合)、ユーザ端末は、当該PUSCHに対応するPHICHの受信・検出を行わなくても良いものとしても良い。このようにすることで、ユーザ端末が不要なPHICH受信を行わなくて良くなるため、ユーザ端末の処理負担を軽減することが可能となる。
【0032】
または、大容量PUCCHフォーマットとして使用されるPUSCHを送信する場合(すなわちULデータを含まずUCIしか含まない場合)、ユーザ端末は、当該PUSCHに対応するPHICHの受信・検出を行うものとしても良い。符号拡散を行わないPUSCHは、PUCCHよりも高い受信品質(信号対干渉雑音電力比:SINR)が必要となる。このようにUCIしか含まないPUSCHに対してPHICHで検出結果を通知し、HARQを適用することにより、基地局が高い品質で確実に制御信号を受信できるようになる。
【0033】
このような第1の態様によれば、ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合であっても、チャネル状態を適切に報告することができる。特に無線基地局側では、適時にユーザ端末のCQIを獲得することが望ましく、このような要望に対処することができる。
【0034】
なお、上記第1の態様では、P−CQI報告のための周期とタイミングとがCC単位で設定されているが、複数のCCを含んだCC群をあらかじめ設定し、このCC群単位で、P−CQI報告のための周期とタイミングとを設定してもよい。例えば、
図3に示されるCCにおいて、CC#1〜#8、CC#9〜#16、CC#17〜#24、CC#25〜#32を、それぞれCC群に分類し、CC群ごとに周期とタイミングとを設定してもよい。
【0035】
(第2の態様)
第2の態様では、第1の態様と同様にP−CQIの報告にあたって上記大容量PUCCHフォーマットが用いられるが、各CCに対しては、P−CQI報告のための周期とタイミングとに加えて、上りリンクにおけるCC(セル)、例えば、P−CQIの報告で使用するCCを設定することができる。
【0036】
図4に示される例では、CC#1〜#8については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの最初のサブフレーム(左から1番目のサブフレーム)で送信するタイミングとに加えて、上りリンクにおけるCC#1が設定されている。CC#9〜#16については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの2番目サブフレーム(左から2番目のサブフレーム)で送信するタイミングとに加えて、上りリンクにおけるCC#1が設定されている。CC#17〜#24については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの1番目サブフレーム(左から1番目のサブフレーム)で送信するタイミングとに加えて、上りリンクにおけるCC#2が設定されている。CC#25〜#32については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの2番目サブフレーム(左から2番目のサブフレーム)で送信するタイミングとに加えて、上りリンクにおけるCC#2が設定されている。
【0037】
なお、
図4では、上りリンクにおいて設定するCCを2個とする場合を示しているが、これに限られない。また、設定される複数CCの1つをPCellとすることができる。
【0038】
この結果、
図4に示されるように、上りリンクのCC#1においては、1番目のサブフレームで、CC#1〜#8に対応する複数のP−CQIが送信され、2番目のサブフレームでは、CC#9〜#16に対応する複数のP−CQIが送信される。さらに、CC#1〜#8とCC#9〜#16には、20msの周期が設定されているため、上りリンクのCC#1においては、21番目のサブフレームで、CC#1〜#8に対応する最新の複数のP−CQIが送信され、22番目のサブフレームで、CC#9〜#16に対応する最新の複数のP−CQIが送信される。
【0039】
また、上りリンクのCC#2においては、1番目のサブフレームで、CC#17〜#24に対応する複数のP−CQIが送信され、2番目のサブフレームで、CC#25〜#32に対応する複数のP−CQIが送信される。CC#17〜#24とCC#25〜#32には、10msの周期が設定されているため、上りリンクのCC#2においては、11番目、21番目、31番目のサブフレームで、CC#17〜#24に対応する最新の複数のP−CQIが送信される。また、12番目、22番目、32番目のサブフレームで、CC#25〜#32に対応する最新の複数のP−CQIが送信される。
【0040】
第2の態様の制御にあたって、ユーザ端末においては、上記大容量PUCCHが設定される。また、CCごとのP−CQI報告のための周期とタイミングと上りリンクのCCとが無線基地局からRRCなどで設定される。ユーザ端末は、上記周期、タイミング及び上りリンクのCCにしたがって、大容量PUCCHフォーマットを用いて、最大8CC分のP−CQIを同じサブフレームで送信する。なお、この第2の態様におけるユーザ端末は、UL CA可能なユーザ端末であることが好ましい。第2の態様を適用するユーザ端末は、自身が特定の周波数においてUL CA可能であることと、その際に第2の態様に記載されたP−CQIフィードバックが可能であることを、端末能力として基地局にあらかじめ報告しているものとする。
【0041】
このような第2の態様によれば、ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合であっても、チャネル状態を適切に報告することができる。特に無線基地局側では、適時にユーザ端末のCQIを獲得することが望ましく、このような要望に対処することができる。
【0042】
また、上りリンクにおいて、複数のCCを用いてP−CQIが報告されるため、特定のCC(例えばPCellのCC#1)に偏ってP−CQIが報告されることを避けることができる。また、
図4に示される例では、1TTIで、最大16CCのP−CQIを同時に送信することが可能となり、1送信時間におけるP−CQIの送信量を飛躍的に向上することができる。また、1送信時間におけるP−CQIの送信量が向上されるため、ユーザ端末において、P−CQI報告にかかる時間を短縮することができる。また、大容量PUCCHフォーマットの容量(例えば、1CCに対応するP−CQIの情報量を単位とした場合に、いくつ分の容量か)や、上りリンクにおいて設定するCC数を適宜変更することで、P−CQIの獲得要求に応じて、柔軟にP−CQIを報告することができる。
【0043】
(第3の態様)
第3の態様では、第2の態様と同様に上りリンクにおいて複数CCでP−CQIを報告することができるが、P−CQIは可能な限りPCellのCC#1で報告するように制御する。ただし、同一サブフレームで報告するP−CQIの量が所定量を超える場合には、上記第2の態様と同様に複数CCでP−CQIを報告する。このため、各CCに対しては、P−CQI報告のための周期とタイミングとが設定され、上りリンクにおけるCCを設定しない構成とすることができる。
【0044】
図5に示される例では、CC#1〜#8については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの最初のサブフレーム(左から1番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#9〜#16については、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの2番目サブフレーム(左から2番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#17〜#24については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの1番目サブフレーム(左から1番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。CC#25〜#32については、10msの周期と、同図に示されている上りリンクの2番目サブフレーム(左から2番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。
【0045】
ユーザ端末では、同じタイミングが設定されたCCのP−CQIの送信にあたって、P−CQIの送信量(または、送信すべきCC数)が所定値を超えているか否かを判断し、所定値を超えている場合に、PCellのCC#1とSCellのCC#2とにP−CQIを分散して割り当てて送信する。例えば、1番目のサブフレームをタイミングとして設定されたCC#1〜#8、CC#17〜#24に対応する複数のP−CQIの送信にあたり、大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否が判断される。1番目のサブフレームをタイミングとして設定されたCC数は、16であるため、8CC分のP−CQIの送信量を超えると判断され、送信すべきP−CQIはPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散して割り当てられる。この結果、
図5に示されるように、1番目のサブフレームにおいては、CC#1にCC#1〜#8に対応するP−CQIが割り当てられ、CC#2にCC#17〜#24のP−CQIが割り当てられる。
【0046】
2番目のサブフレームにおいても、1番目のサブフレームの場合と同様の処理が行われる。この結果、
図5に示されるように、2番目のサブフレームにおいては、CC#1にCC#9〜#16に対応するP−CQIが割り当てられ、CC#2にCC#25〜#32のP−CQIが割り当てられる。同様の処理は、21番目のサブフレームと22番目のサブフレームにおいても行われる。
【0047】
一方、11番目のサブフレームにおいても、11番目のサブフレームをタイミングとして設定されたCC#17〜#24に対応する複数のP−CQIの送信にあたり、大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否かが判断される。ここで、CC数が8であるため、8CC分のP−CQIの送信量を超えないと判断され、送信すべきP−CQIはPCellのCC#1に割り当てられる。この結果、
図5に示されるように、11番目のサブフレームにおいては、CC#1にCC#17〜#24のP−CQIが割り当てられて送信される。同様の処理は、12番目のサブフレーム、31番目のサブフレーム、及び、32番目のサブフレームにおいても行われる。
【0048】
以上の結果、
図5に示されるように、上りリンクのCC#1においては、1番目のサブフレームと21番目のサブフレームで、CC#1〜#8に対応する最新の複数のP−CQIが送信され、2番目のサブフレームと22番目のサブフレームでは、CC#9〜#16に対応する最新の複数のP−CQIが送信される。また、11番目のサブフレームと31番目のサブフレームとで、CC#17〜#24に対応する最新の複数のP−CQIが送信され、12番目のサブフレームと32番目のサブフレームで、CC#25〜#32に対応する最新の複数P−CQIが送信される。
【0049】
一方、上りリンクのCC#2では、1番目のサブフレームと21番目のサブフレームで、CC#17〜#24に対応する最新の複数のP−CQIが送信され、2番目のサブフレームと22番目のサブフレームで、CC#25〜#32に対応する最新の複数のP−CQIが送信される。
【0050】
第3の態様の制御にあたって、ユーザ端末においては、上記大容量PUCCHが設定される。また、CCごとのP−CQI報告のための周期とタイミングとが無線基地局からRRCなどで設定される。ユーザ端末は、上記周期、タイミングにしたがって、上述の判断処理(大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否の判断)を行い、送信量を超えている場合にPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散してリソースを確保し、P−CQIを送信する。なお、この第3の態様におけるユーザ端末は、UL CA可能なユーザ端末であることが好ましい。第3の態様を適用するユーザ端末は、自身が特定の周波数においてUL CA可能であることと、その際に第2の態様に記載されたP−CQIフィードバックが可能であることを、端末能力として基地局にあらかじめ報告しているものとする。
【0051】
このような第3の態様によれば、ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合であっても、チャネル状態を適切に報告することができる。特に無線基地局側では、適時にユーザ端末のCQIを獲得することが望ましく、このような要望に対処することができる。
【0052】
また、上りリンクにおいて、PCellのカバレッジは良好である場合が多く、極力この単一のCC(上りリンクセル)でP−CQIが送信されるため、ユーザ端末におけるバッテリ消費を抑えることができる。また、PCellのCC#1で全てのP−CQIを送信できない場合であっても、送信中止となる(ドロップされる)P−CQIを抑えることができ、無線基地局においてチャネル追従性を向上することができる。各CCに対しては、P−CQI報告のための周期とタイミングとが設定され、上りリンクにおけるCCを設定しない構成とする場合、第2の態様と比べてCCを設定する分の上位レイヤシグナリングのオーバーヘッドを削減することができる。
【0053】
(第3の態様の変形例)
上述の第3の態様では、大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否の判断を行い、送信量を超えている場合にPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散してリソースを確保し、P−CQIを送信しているが、このような制御にいくつかの条件を付加してもよい。
【0054】
例えば、P−CQIをPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散して割り当てる際に、PCellのP−CQIは常にPCellに割り当てられるようにしてもよい。一般に、PCellのCQIは、無線基地局とユーザ端末との間の接続を確保するために重要となるため、これをPCellに割り当てることで、無線基地局において確実にPCellのCQIを受信することができる。
【0055】
また、このような付加条件に加えて、セルインデックスの小さい順に、PCellのCC#1に割り当てるようにしてもよい。通常、セルインデックが小さいセルを介して送受される情報は重要性が高い場合が多く、このため、重要度の高い情報を受信するCCのCQIを、カバレッジの良好なPCellで送信することが可能となる。
【0056】
また、1サブフレームにおける送信すべきP−CQIの総量が、PCellのCC#1の容量とSCellのCC#2の容量との合計を超える場合、所定の条件にしたがって超過分のP−CQIの送信を中止してもよい。例えば、予め定められた優先度にしたがって、優先度の低い情報に関連するP−CQIから、送信を中止してもよい。優先度の決め方としては、セルインデックスが低い順に優先度が高いものと判断することができる。通常、セルインデックが小さいセルを介して送受される情報は重要性が高い場合が多く、このため、重要度の高い情報を受信するCCのCQIを、カバレッジの良好なPCellで送信することが可能となる。
【0057】
(第4の態様)
第4の態様では、特定のCCに対するP−CQIの送信にあたっては、特定CCのP−CQIを、PUCCHフォーマット2、2a、または2b(既存の送信形式)を用いて送信する。第4の態様では、特定CCのP−CQI送信と、他のCCのP−CQI(複数P−CQIの)送信とで使用するPUCCHフォーマットを変更する。特定のCCに関する情報は、RRCなどの上位レイヤシグナリングにより、ユーザ端末に設定することができる。
【0058】
第4の態様は、上記第1〜第3の態様のいずれにおいても適用することができる。特定CCのP−CQIのみを既存のPUCCHフォーマットで送信する方法を、上記第3の態様に適用した場合の一例について
図6を参照して説明する。
【0059】
図6では、特定CCがCC#1である場合が示されている。また、特定CCであるCC#1は、20msの周期と、同図に示されている上りリンクの3番目サブフレーム(左から3番目のサブフレーム)で送信するタイミングとが設定されている。このためユーザ端末は、CC#1の3番目のサブフレームにおいて、CC#1のP−CQIをPUCCHフォーマット2で送信する。同様に23番目のサブフレームで、CC#1のP−CQIをPUCCHフォーマット2で送信する。
【0060】
このほか、上記第3の態様と異なる点は、上りリンクのCC#1においては、1番目のサブフレームと21番目のサブフレームで、CC#2〜#8に対応する最新の複数のP−CQIが送信される点である。
【0061】
第4の態様の制御にあたって、ユーザ端末においては、上記大容量PUCCHフォーマットと既存のPUCCHフォーマットが設定される。また、特定CCと、CCごとのP−CQI報告のための周期とタイミングとが無線基地局からRRCなどで設定される。ユーザ端末は、上記特定CCについては、対応するP−CQIを既存のPUCCHフォーマットを用いて送信する。また、ユーザ端末は、上記周期、タイミングにしたがって、上述の判断処理(大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否の判断)を行い、送信量を超えている場合にPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散してリソースを確保し、P−CQIを送信する。なお、この第4の態様におけるユーザ端末は、UL CA可能なユーザ端末であることが好ましい。
【0062】
このような第4の態様によれば、ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合であっても、チャネル状態を適切に報告することができる。特に無線基地局側では、適時にユーザ端末のCQIを獲得することが望ましく、このような要望に対処することができる。
【0063】
また、ユーザ端末と無線基地局との接続を確保するために重要なCCを特定CCとし、他のCCについてのP−CQI送信サブフレームと異なるサブフレームに設定することで、そのP−CQIのみを既存のPUCCHを用いて1つのサブフレームで報告することができ、無線基地局における受信の確実性を向上することができる。
【0064】
(第5の態様)
第5の態様では、CC removalまたはDe-activationなどにより、CC数が5以下に制御(設定)された場合(すなわち、Rel.12で規定済のCAと同じかそれ以下のCC数になった場合)、P−CQIが、既存システムのPUCCHフォーマット2、2a、または2b(既存の送信形式)で送信される。また、複数CCのタイミングが重複した場合には、セルインデックスの低いCCのP−CQIだけ残し、他のCCに対するP−CQIの送信は中止する。第5の態様は、上記第1〜第4の態様のいずれにおいても適用することができる。
【0065】
具体例を
図7を参照して説明する。
図7は、上記第3の態様において、CCは、いわゆる、CC removalでRRCによりCC数が4(CC#1、CC#9、CC#17、CC#25)に制御される場合を想定している。もしくは、いわゆるCC De-activationで、MACの制御信号(MAC Control Element)で活性化されるCC数が4(CC#1、CC#9、CC#17、CC#25)に制御される場合を想定している。
【0066】
第5の態様の制御にあたって、ユーザ端末は、P−CQIの報告を既存システムのPUCCHフォーマット2で送信する。また、異なる上りリンクCCにおいて、P−CQIが設定される場合であっても、同一のTTIである場合、ユーザ端末は、セルインデックスの低いCCのP−CQIだけ残し、他のCCに対するP−CQIの送信は中止する。
【0067】
例えば、
図7における最初のTTI(一番左のTTI)では、CC#1のP−CQIとCC#17のP−CQIとが重複している。このため、ユーザ端末は、セルインデックスを比較して、セルインデックの低いCC#1のP−CQIをPUCCHフォーマット2で送信し、セルインデックの高いCC#17の送信を中止する(ドロップする)。同様の処理は、21番目のTTIにおいても行われる。
【0068】
また、2番目のTTIでは、CC#9のP−CQIとCC#25のP−CQIとが重複している。このため、ユーザ端末は、セルインデックスを比較して、セルインデックの低いCC#9のP−CQIをPUCCHフォーマット2で送信し、セルインデックの高いCC#25の送信を中止する(ドロップする)。同様の処理は、22番目のTTIにおいても行われる。
【0069】
なお、11番目のTTIと31番目のTTIでは、P−CQIの重複が無いため、CC#17のP−CQIがPUCCHフォーマット2で送信される。同様に、12番目のTTIと32番目のTTIでも、P−CQIの重複が無いため、CC#25のP−CQIがPUCCHフォーマット2で送信される。
【0070】
また、CC additionやCC activationなどにより、活性化されたCC数が5を超えた場合(すなわちRel.12 CAで規定されていない数のCCが活性化された場合)、大容量PUCCHフォーマットを用いるP−CQI報告を適用する。
【0071】
このような第5の態様によれば、ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合であっても、チャネル状態を適切に報告することができる。さらに、コンポーネントキャリア数が5個以下に設定された場合には、既存の通信手法が適用されるため、後方互換性を得ることができる。ユーザ端末に設定可能なコンポーネントキャリア数が6個以上に拡張される場合には、適時にユーザ端末のCQIを獲得することを望む、無線基地局の要望に対処することができる。
【0072】
(変形例)
以上の第1〜第5の態様においていくつかの変形例も考えられる。
例えば、大容量PUCCHフォーマットにおいて、P−CQIとスケジューリングリクエスト(SR)がオーバーラップした場合の処理を考慮するようにしてもよい。具体的には、P−CQIとスケジューリングリクエストがオーバーラップした場合に、スケジューリングリクエストをP−CQIに優先し、PCellのPUCCHで送信する。この場合、ユーザ端末では、スケジューリングリクエストをP−CQIよりも優先度の高い情報とみなす制御が行われる。この他、スケジューリングリクエストがある場合には、PUCCHフォーマット2、2a、または2b(既存の送信形式)を用いて送信する。この場合には、複数CCに対するP−CQIを同一サブフレームで送信することができないため、セルインデックスなどを用いた優先度に基づいて1CCのP−CQIのみを送信し、その他のCCに対応するP−CQIの送信は中止する。
【0073】
この他、P−CQIとSRS(Sounding Reference Signal)が同一CC上でオーバーラップした場合の処理を考慮するようにしてもよい。この場合、SRSの送信を中止するようにしてもよい。また、当該SRSが上位レイヤシグナリングで周期やリソースが設定されるPeriodic SRS(P−SRS)の場合はP−CQIを優先するよう制御し、ULグラントでトリガされるAperiodic SRS(A−SRS)の場合はA−SRSを優先し、P−CQIの送信を中止するよう制御しても良い。
【0074】
この他、複数CCでP−CQIの同時送信(同一TTIでの送信)があり、かつ、ユーザ端末がPower-limitedとなった場合の処理を考慮するようにしてもよい。この場合、1)PCellによるP−CQIの電力(送信)を優先し、SCellで送信するP−CQIを中止(ドロップ)またはPower-scaleするか、2)スケジューリングリクエストを優先するため、スケジューリングリクエストが多重されたP−CQIの電力(送信)を優先し、これ以外のP−CQIを中止またはPower-scaleするか、3)多重されたCC数を比較して、多くのCC数分のP−CQIが多重されているP−CQIの電力(送信)を優先し、それ以外のP−CQIを中止またはPower-scaleしてもよい。
【0075】
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記第1〜第5の態様(変形例を含む)のいずれか又はこれらの組み合わせが適用される。
【0076】
図8は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す概略構成図である。
図8に示すように、無線通信システム1は、複数の無線基地局10(11及び12(12a〜12c))と、各無線基地局10によって形成されるセル内にあり、各無線基地局10と通信可能に構成された複数のユーザ端末20と、を備えている。無線基地局10は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。
【0077】
図8において、無線基地局11は、例えば相対的に広いカバレッジを有するマクロ基地局で構成され、マクロセルC1を形成する。無線基地局12(12a〜12c)は、局所的なカバレッジを有するスモール基地局で構成され、スモールセルC2を形成する。なお、無線基地局11及び12の数は、
図8に示す数に限られない。
【0078】
マクロセルC1及びスモールセルC2では、同一の周波数帯が用いられてもよいし、異なる周波数帯が用いられてもよい。また、無線基地局11及び12は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して互いに接続される。
【0079】
なお、マクロ基地局11は、無線基地局、eNodeB(eNB)、送信ポイント(transmission point)などと呼ばれてもよい。スモール基地局12は、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB(HeNB)、送信ポイント、RRH(Remote Radio Head)などと呼ばれてもよい。
【0080】
ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでいてもよい。ユーザ端末20は、無線基地局10を経由して他のユーザ端末20と通信を実行できる。
【0081】
上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0082】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
【0083】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、同期信号や、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
【0084】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
【0085】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。また、上りリンクの参照信号として、チャネル品質測定用の参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、PUCCHやPUSCHを復調するための復調用参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)が送信される。
【0086】
図9は、本実施の形態に係る無線基地局10の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部から構成される。
【0087】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0088】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0089】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力された下り信号を無線周波数帯の信号に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野で利用されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置を適用することができる。
【0090】
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0091】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0092】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0093】
図10は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104の主な機能構成図である。なお、
図10では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0094】
図10に示すように、無線基地局10は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、受信処理部303と、を少なくとも含んで構成されている。
【0095】
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又は拡張PDCCH(EPDCCH)で伝送される下り制御信号のスケジューリングを制御する。また、システム情報、同期信号、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号などのスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号等のスケジューリングを制御する。なお、制御部301は、本発明に係る技術分野で用いられるコントローラ、制御回路又は制御装置で構成することができる。
【0096】
また、制御部301は、無線基地局10に接続するユーザ端末20におけるメジャメントの対象となるCCを制御するために、送信信号生成部302を制御することができる。具体的には、制御部301は、TAGに含まれるCC情報を送信信号生成部302に通知し、このCC情報を含む信号(例えば、上位レイヤシグナリング)を生成するように制御する(第1の態様)。また、制御部301は、TAG毎に設定されるメジャメントギャップ構成を送信信号生成部302に通知し、メジャメントギャップ構成を含む信号(例えば、上位レイヤシグナリング)を生成するように制御する(第2の態様)。
【0097】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301から通知されるタイミングアドバンスグループ(TAG)に含まれるCC情報に基づいて、このCC情報を含む信号を生成する(第1、第2の態様)。この場合、送信信号生成部302は、TAG内CCリストを含む信号を生成することができる(第1、第2の態様)。また、送信信号生成部302は、制御部301から通知されるTAG毎に設定されるメジャメントギャップ構成に基づいて、このメジャメントギャップ構成を含む信号を生成する(第2の態様)。これらの情報は、送受信部103を介して上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知信号等)や下り制御信号によりユーザ端末20へ通知される。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野で利用される信号生成器又は信号生成回路で構成することができる。
【0098】
受信処理部303は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)に対して受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。例えば、受信処理部303は、ユーザ端末20から送信されるメジャメント結果に対して受信処理(受信電力(RSRP)やチャネル状態についての測定など)を行う。より具体的には、受信処理部303は、ユーザ端末20から送信されるTAG毎のメジャメント結果に対して受信処理を行う(第1の態様)。また、受信処理部303は、ユーザ端末20から送信されるCC毎のメジャメント結果に対して受信処理を行う(第2の態様)。そして、受信処理部303は、受信処理後のメジャメント結果を制御部301に出力する。なお、受信処理部303は、本発明に係る技術分野で利用される信号処理器又は信号処理回路で構成することができる。
【0099】
図11は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成の一例を示す図である。
図11に示すように、ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0100】
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野で利用されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置で構成することができる。
【0101】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0102】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯の信号に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0103】
送受信部203は、1つ以上のセルから構成されるTAGを設定する無線基地局との間で信号を送受信することができる。また、送受信部203は、1つ以上のセルから構成されるセルグループ(CG)をそれぞれ設定する複数の無線基地局との間で信号を送受信することができる。
【0104】
図12は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204の主な機能構成図である。なお、
図12においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0105】
図12に示されるように、ユーザ端末20は、受信信号処理部401と、測定部402と、制御部403と、送信信号生成部404とを少なくとも含んで構成されている。
【0106】
受信信号処理部401は、DL信号(例えば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部401は、無線基地局10から受信した情報を、制御部403に出力する。受信信号処理部401は、例えば、報知情報、システム情報、ページング情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部403に出力する。
【0107】
受信信号処理部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0108】
測定部402は、受信した信号を用いて、受信電力(RSRP)、受信品質(RSRQ)やチャネル状態を測定し、その結果を制御部403に出力する。特に、本実施の形態においては、CAのCCそれぞれについて、上記測定が行われる。
【0109】
制御部403は、測定部402の測定結果と、受信信号処理部401を介して、無線基地局10から通知された各種情報(P−CQI報告のための周期、タイミング、CC、特定CC)に基づいて、P−CQIを生成する。制御部403は、さらに、上りリンクのリソースにP−CQIをどのように割り当てるかを送信信号生成部404に指示する。
【0110】
上記第1の態様では、ユーザ端末20においては、上記大容量PUCCHが設定されており、周期及びタイミングにしたがって、大容量PUCCHフォーマットを用いて、最大8CC分のP−CQIを同じサブフレーム(同一TTI)で送信するよう、制御部403は送信信号生成部404に指示する。
【0111】
上記第2の態様では、周期、タイミング及びCCにしたがって、大容量PUCCHフォーマットを用いて、最大8CC分のP−CQIを同じサブフレームで送信するよう、制御部403は送信信号生成部404に指示する。
【0112】
上記第3の態様では、周期、タイミングにしたがって、判断処理(大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否の判断)を行い、送信量を超えている場合にPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散してリソースを確保し、P−CQIを送信するよう、制御部403は送信信号生成部404に指示する。
【0113】
上記第4の態様では、特定CCについては、特定CCのP−CQIのみを既存のPUCCHフォーマット(例えばPUCCHフォーマット2)を用いて送信するように、制御部403は送信信号生成部404に指示する。また、他のCCのP−CQIについては、判断処理(大容量PUCCHフォーマットで送信可能な8CC分のP−CQIの送信量を超えるか否の判断)を行い、送信量を超えている場合にPCellのCC#1とSCellのCC#2とに分散してリソースを確保し、P−CQIを送信するよう、制御部403は送信信号生成部404に指示する。
【0114】
上記第5の態様では、CC removalまたはDe-activationなどにより、CC数が5以下に設定された場合、P−CQIの報告を既存システムのPUCCHフォーマット2で送信するよう、制御部403は送信信号生成部404に指示する。この際、異なるCCであっても、同一のTTIでP−CQIが重複している場合、セルインデックスの低いCCのP−CQIの送信だけを、送信信号生成部404に指示し、他のCCに対するP−CQIの送信は中止する。
【0115】
制御部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0116】
送信信号生成部404は、制御部403からの指示に基づいて、UL信号を生成し、マッピング処理を行い、送受信部203に出力する。送信信号生成部404は、制御部403からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部404は、制御部403からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部404は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部403から上りデータ信号の生成を指示される。
【0117】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0118】
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。
【0119】
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、CD−ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0120】
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、無線基地局10の制御部301は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0121】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0122】
本出願は、2015年1月29日出願の特願2015−016019に基づく。この内容は、全てここに含めておく。