【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非経口投与用製剤における使用に好適な抗スクレロスチン免疫グロブリンG(IgG)抗体(より具体的には、Ab−30およびAb−31)の結晶、そのような結晶の溶液、塩およびそれを精製するための方法、医薬としての使用のための製剤を調製するためにそのような結晶を使用する方法、ならびに、哺乳動物、具体的には人間を処置するためにそのような製剤を使用する方法に関する。
【0007】
本明細書に記載の結晶または製剤において、結晶または製剤中の抗スクレロスチンIgG抗体は、Ab−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31のいずれかの重鎖および軽鎖可変領域を含み得る。したがって、特定の実施形態において、抗体は、(a)好ましくはそれぞれ好適な定常領域に融合した、配列番号5(Ab−30重鎖可変領域)および配列番号3(Ab−30軽鎖可変領域)、もしくは(b)配列番号15(Ab−30成熟重鎖)および配列番号13(Ab−30成熟軽鎖);(c)好ましくはそれぞれ好適な定常領域に融合した、配列番号17(Ab−30R重鎖可変領域)および配列番号16(Ab−30R軽鎖可変領域);(d)配列番号17(Ab−30Rm重鎖可変領域)および配列番号20(Ab−30Rm軽鎖可変領域);または(e)好ましくはそれぞれ好適な定常領域に融合した、配列番号25(Ab−31重鎖可変領域)および配列番号23(Ab−31軽鎖可変領域)のアミノ酸配列を含むIgGである。いくつかの実施形態において、抗体は、Ab−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31の成熟重鎖および軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、本明細書に記載のように、抗体Ab−30、Ab−30R、Ab−30Rm、またはAb−31のいずれかの、重鎖および/もしくは軽鎖、または代替として、好ましくはそれぞれ好適な定常領域に融合した重鎖および/もしくは軽鎖可変領域をコード化するcDNAを哺乳動物宿主細胞において発現させることにより得ることができるアミノ酸配列を含む。好ましくは、抗体は、10
−7M以下のKd結合親和性で、配列番号1のスクレロスチンに結合する。
【0008】
本明細書に記載の抗体結晶は、例えば、サイズ、形状、形態、塩含量および他の特性により特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、結晶の長さは、約100μMから約500μMまで、または約50μMから約100μMまで、または約1μMから約50μMまでの範囲であり、任意選択で、針状、棒状、板状、ブロック状、UFO状、フットボール状、葉状、小麦状、シングレット状、羽毛状、楕円体(もしくはサーフボード状)、ストロー状、菊状、もしくは球状、またはそれらの混合である形態を有する。いくつかの実施形態において、結晶の長さは、約1μmから約10μmまで、または約1μmから約15μmまで、または約1μmから約20μmまで、または約1μmから約25μmまで、または約1μmから約30μmまで、または約1μmから約35μmまで、または約1μmから約40μmまで、または約1μmから約45μmまで、または約5μmから約10μmまで、または約5μmから約15μmまで、または約5μmから約20μmまで、または約5μmから約25μmまで、または約5μmから約30μmまで、または約5μmから約35μmまで、または約5μmから約40μmまで、または約5μmから約45μmまで、または約50μmから約75μmまで、または約50μmから約80μmまでまたは約50μmから約85μmまで、または約50μmから約90μmまで、または約50μmから約95μmまで、または約100μmから約150μmまで、または約100μmから約200μmまで、または約100μmから約250μmまで、または約100μmから約300μmまで、または約100μmから約350μmまで、または約100μmから約400μmまで、または約100μmから約450μmまでの範囲である。
【0009】
任意選択で、結晶は、クラスタ状であってもよい。また、結晶は、X線回折により特性決定される。例えば、Ab−30結晶は、針状、棒状、ブロック状、もしくは板状、またはそれらの混合、または他の形状を示してもよい。Ab−30結晶のほとんどは、棒状、針状または楕円体状を示した。例えば、Ab−31結晶は、サーフボードもしくは楕円体形状、または他の形状を示してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、結晶の長さは、約5μm、または約10μm、または約15μm、または約20μm、または約25μm、または約30μm、または約35μm、または約40μm、または約45μm、または約50μm、または約55μm、または約60μm、または約65μm、または約70μm、または約75μm、または約80μm、または約85μm、または約90μm、または約95μm、または約100μm、または約125μm、または約150μm、または約175μm、または約200μm、または約250μm、または約300μm、または約350μm、または約400μm、または約450μm、または約500μmである。本明細書に記載の様々な結晶化条件により生成される結晶の長さとは無関係に、長さは、後に、当該技術分野において知られた方法により、所望の長さに変更され得る。例えば、結晶化条件が約5μmから約100μmまでまたは約5μmから約500μmまでまたは約100μmから約500μmまでの長さの抗体結晶を生成する場合、結晶は、約5μmから約50μmまでの範囲の長さ等のより短い長さまで粉砕され得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、結晶成長条件は、考慮される結晶の特定のサイズ、形状、長さおよび/または形態を得るように修正される。結晶成長条件は、これらに限定されないが、pHの変更、沈殿剤の添加の変更、沈殿剤の濃度の変更、温度の変更、ならびに、これらに限定されないが、塩(これらに限定されないが、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸アンモニウム、酢酸カルシウム、酢酸リチウム二水和物、酢酸マグネシウム四水和物、塩化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムおよびそれらの組み合わせを含む)、アミノ酸、糖、炭水化物、洗浄剤(イオン性非イオン性両性イオン)および界面活性剤を含む添加剤の含有を含む、当該技術分野において知られた任意の手段により修正される。
【0012】
いくつかの、または任意の実施形態において、本明細書に記載の抗体結晶は、結晶化試薬中の塩の種類により特徴付けられる。
【0013】
Ab−30結晶の生成に好適な塩は、これらに限定されないが、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、酒石酸カリウムナトリウム四水和物、タクシメート、クエン酸ナトリウム二水和物、酢酸ナトリウム三水和物、酒石酸ジアンモニウム、マロン酸ナトリウム、酢酸塩、酢酸カルシウム、カコジル酸塩、CHES、硫酸リチウム、塩化マグネシウム、酢酸亜鉛、塩化セシウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムおよびギ酸アンモニウムを含む。例えば、Ab−30結晶の生成のための他の塩(水和物を含む)は、例えば、一価(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム)または二価カチオン(例えば、亜鉛、マグネシウム)との、他のリン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、硫酸塩、酒石酸塩、タクシメート塩、クエン酸塩、酢酸塩、マロン酸塩、カコジル酸塩、およびヨウ化物塩、チオシアン酸塩、またはギ酸塩を含み得る。
【0014】
Ab−31結晶の生成に好適な塩は、これらに限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびヒスチジンを含む。例えば、Ab−31結晶の生成のための他の塩は、例えば、一価(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム)カチオンとの、塩化物塩、酢酸塩、またはリン酸塩を含む。
【0015】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、結晶成長および/または形状に影響し得る結晶化添加剤により特徴付けられる。好適な結晶化添加剤は、これらに限定されないが、約200kDaから約20,000kDaまで、もしくは約400kDaから約20,000kDaまで、もしくは約1000kDから約10,000kDまでの分子量を有するPEG(例えば、PEG−3350もしくはPEG−8000)または2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)等の沈殿剤、ポリソルベート20、ポリソルベート80等の界面活性剤、洗浄剤(イオン性、非イオン性および両性イオン)、アミノ酸、短ペプチド、有機小分子、有機塩、ヌクレオチドならびに炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、添加剤(例えば、PEG、MPD、グリセロール)は、約0.1%〜約75%(w/vまたはv/v)、または約0.1〜50%(w/vまたはv/v)、または約0.1〜10%(w/vまたはv/v)、または約10%〜約50%(w/vまたはv/v)、または約20%〜50%(w/vまたはv/v)、または少なくとも10%、または少なくとも20%(w/vまたはv/v)の濃度である。いくつかの、または任意の実施形態において、結晶はまた、残留不純物を含めて、それらが生成されるプロセスにより特徴付けられる。
【0016】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、コハク酸、HEPESおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテル2000を含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化条件は、約0.1M〜約5M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mのコハク酸(または約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mのコハク酸)を含み、任意選択でさらに約6〜約9もしくは約7〜約8.5のpHの、約0.1M〜約5M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4MのHEPES(または約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5MのHEPES)、および任意選択で約0.1%〜約60%(w/v)、もしくは約0.1%〜約1%、もしくは約1%〜約3%、もしくは約2%〜約4%、もしくは約3%〜約5%または約20%〜約40%、もしくは約30%〜約60%、もしくは約10%〜約20%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約15%〜約25%のポリエチレングリコールモノメチルエーテル2000(または約0.1%、もしくは約0.5%、もしくは約1%、もしくは約1.5%、もしくは約2%、もしくは約2.5%、もしくは約3%、もしくは約3.5%、もしくは約4.5%、もしくは約5%、もしくは約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%、もしくは約55%、もしくは約60%のポリエチレングリコールモノメチルエーテル2000)を含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、1.0Mのコハク酸、pH7の0.1MのHEPES、および1%(w/v)のポリエチレングリコールモノエチルエーテル2000を含む。
【0017】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、PEG−8000、イミダゾールおよび酢酸カルシウムを含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約5%〜約10%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約25%〜約50%、もしくは約30%〜約45%、もしくは約40%〜約50%のPEG−8000(または約1%、もしくは約2%、もしくは約3%、もしくは約4%、もしくは約5%、もしくは約6%、もしくは約7%、もしくは約8%、もしくは約9%、もしくは約10%、もしくは約11%、もしくは約12%、もしくは約13%、もしくは約14%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%のPEG−8000)を含み、任意選択でさらに約0.05M〜約5M、もしくは約0.05〜約0.1M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mのイミダゾール(または約0.05、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mのイミダゾール)、および任意選択で約0.1M〜約5M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4M(または約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5M)の酢酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、10%(w/v)のPEG−8000、0.1Mのイミダゾール、および0.2Mの酢酸カルシウムを含む。
【0018】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、PEG−8000、TRISおよび塩化マグネシウムを含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約5%〜約10%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約25%〜約50%、もしくは約30%〜約45%、もしくは約40%〜約50%のPEG−8000(または約1%、もしくは約2%、もしくは約3%、もしくは約4%、もしくは約5%、もしくは約6%、もしくは約7%、もしくは約8%、もしくは約9%、もしくは約10%、もしくは約11%、もしくは約12%、もしくは約13%、もしくは約14%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%のPEG−8000)を含み、任意選択でさらに約0.05M〜約5M、もしくは約0.05M〜約1M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4MのTRIS(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5MのTRIS)、および任意選択で約0.05M〜約5M、もしくは約0.05〜約1M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mの塩化マグネシウム(または約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mの塩化マグネシウム)を含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、10%(w/v)のPEG−8000、0.1Mのトリス、および0.2Mの塩化マグネシウムを含む。
【0019】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、PEG−1000、リン酸ナトリウム/カリウムおよび塩化ナトリウムを含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約10%〜約80%、もしくは約10%〜15%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約40%〜約70%、もしくは約50%〜約80%、もしくは約30%〜約75%のPEG−1000(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%、もしくは約55%、もしくは約60%、もしくは約65%、もしくは約70%、もしくは約75%、もしくは約80%のPEG−1000)を含み、任意選択でさらに約0.05M〜約5M、もしくは約0.05M〜約1M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mのリン酸ナトリウム/カリウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mのリン酸ナトリウム/カリウム)、および任意選択で約0.05M〜約5M、もしくは約0.05M〜約1M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mの塩化ナトリウム(または約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mの塩化ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、20%(w/v)のPEG1000、0.1Mのリン酸ナトリウム/カリウム、および0.2Mの塩化ナトリウムを含む。
【0020】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、PEG−8000、カコジル酸塩、酢酸カルシウムおよびグリセロールを含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約5%〜約10%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約25%〜約50%、もしくは約30%〜約45%、もしくは約40%〜約50%のPEG−8000(または約1%、もしくは約2%、もしくは約3%、もしくは約4%、もしくは約5%、もしくは約6%、もしくは約7%、もしくは約8%、もしくは約9%、もしくは約10%、もしくは約11%、もしくは約12%、もしくは約13%、もしくは約14%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%のPEG−8000)を含み、任意選択でさらに約5〜約7、もしくは約6〜約7、もしくは約6.5のpHの、約0.05M〜約5M、もしくは約0.1M〜約2M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約3M〜約5M、もしくは約2M〜約4Mのカコジル酸塩(または約0.05M、もしくは約0.06M、もしくは約0.07M、もしくは約0.8M、もしくは約0.9M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5Mのカコジル酸塩)、任意選択で約0.05M〜約2M、もしくは約0.5M〜約1M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約5M〜約1M、もしくは約1M〜約2Mの酢酸カルシウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.12M、もしくは約0.14M、もしくは約0.16M、もしくは約0.18M、もしくは約0.2M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2Mの酢酸カルシウム)、および任意選択で約1%〜約65%(w/v)、もしくは約1%〜約10%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約5%〜約10%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約35%〜約50%、もしくは約50%〜約65%のグリセロール(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%のグリセロール)を含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、14.4%(w/v)のPEG−8000、0.08Mのカコジル酸塩、0.16Mの酢酸カルシウム、および20%(w/v)のグリセロールを含む。
【0021】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、イソプロパノールおよびリン酸ナトリウム/カリウムを含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約100%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約5%〜約10%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約35%〜約50%、もしくは約40%,〜約60%、もしくは約75%〜約90%、もしくは約80%〜約100%(v/v)のイソプロパノール(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%、もしくは約55%、もしくは約60%、もしくは約65%、もしくは約70%、もしくは約75%、もしくは約80%、もしくは約85%、もしくは約90%、もしくは約95%、もしくは約100%(v/v)のイソプロパノール)、および任意選択で約0.05〜約4M、もしくは約0.05M〜約1M、もしくは約0.1M〜約1M、もしくは約5M〜約1M、もしくは約1M〜約2M、もしくは約2M〜約4M、もしくは約3M〜約4Mのリン酸ナトリウム/カリウム(または約0.1M、もしくは約0.2M、もしくは約0.3M、もしくは約0.4M、もしくは約0.5M、もしくは約0.6M、もしくは約0.7M、もしくは約0.8M、もしくは約0.9M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4Mのリン酸ナトリウム/カリウム)を含む。いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約19.9%のイソプロパノールおよび約0.2Mのリン酸ナトリウム/カリウムを含む。
【0022】
いくつかの、または任意の実施形態において、抗体結晶は、2−プロパノール、二塩基性リン酸アンモニウム、PEG−1000、硫酸アンモニウム、酒石酸カリウム/ナトリウム、PEG−3000、PEG−8000、1,4−ブタンジオール、塩化ナトリウム、エタノール、PEG−400、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)、Jeffamine M−600、PEG−10,000からなる群から選択される要素を含む結晶化試薬を含む結晶化条件下で生成される。例えば、いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%、もしくは約10%〜約20%、もしくは約1%〜約10%、もしくは5%〜約10%、もしくは約8%〜約12%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約35%、もしくは約40%〜約50%(v/v)の2−プロパノール(または約1%、もしくは約5%、もしくは約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%(v/v)の2−プロパノール)を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約0.05M〜約10M、もしくは約0.5M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約5M〜約10Mの二塩基性リン酸アンモニウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5M、もしくは約6M、もしくは約6.5M、もしくは約7M、もしくは約7.5M、もしくは約8M、もしくは約8.5M、もしくは約9M、もしくは約9.5M、もしくは約10Mの二塩基性リン酸アンモニウム)を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約10%〜約80%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約40%〜約70%、もしくは約50%〜約80%、もしくは約30%〜約75%(w/v)のPEG−1000(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%、もしくは約55%、もしくは約60%、もしくは約65%、もしくは約70%、もしくは約75%、もしくは約80%(w/v)のPEG−1000)を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約0.5M〜約10M、もしくは約0.5M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約5M〜約10Mの硫酸アンモニウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5M、もしくは約6M、もしくは約6.5M、もしくは約7M、もしくは約7.5M、もしくは約8M、もしくは約8.5M、もしくは約9M、もしくは約9.5M、もしくは約10Mの硫酸アンモニウム)を含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約0.5M〜約10M、もしくは約0.5M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約5M〜約10Mの酒石酸カリウム/ナトリウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5M、もしくは約6M、もしくは約6.5M、もしくは約7M、もしくは約7.5M、もしくは約8M、もしくは約8.5M、もしくは約9M、もしくは約9.5M、もしくは約10Mの酒石酸カリウムナトリウム)を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%、もしくは約1%〜約5%、もしくは約1%〜約10%、もしくは約10%〜約20%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約30%〜約50%(v/v)の1,4−ブタンジオール(または約1%、もしくは約5%、もしくは約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%(v/v)の1,4−ブタンジオール)を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約0.5M〜約10M、もしくは約0.5M〜約1M、もしくは約1M〜約5M、もしくは約5M〜約10Mの塩化ナトリウム(または約0.05M、もしくは約0.1M、もしくは約0.5M、もしくは約1M、もしくは約1.5M、もしくは約2M、もしくは約2.5M、もしくは約3M、もしくは約3.5M、もしくは約4M、もしくは約4.5M、もしくは約5M、もしくは約6M、もしくは約6.5M、もしくは約7M、もしくは約7.5M、もしくは約8M、もしくは約8.5M、もしくは約9M、もしくは約9.5M、もしくは約10Mの塩化ナトリウム)を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約10%〜約50%、もしくは約10%〜約20%、もしくは約14%〜約18%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約30%〜約50%(v/v)のエタノール(または約1%、もしくは約5%、もしくは約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%(v/v)のエタノール)を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約10%〜約80%、もしくは約10%〜約15%、もしくは約15%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約25%〜約30%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約40%〜約70%、もしくは約50%〜約80%、もしくは約30%〜約75%(w/v)のPEG−400、PEG−1000、PEG−3,000、PEG−8,000もしくはPEG−10,000(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%、もしくは約55%、もしくは約60%、もしくは約65%、もしくは約70%、もしくは約75%、もしくは約80%(w/v)のPEG−400、PEG−1000、PEG−3,000、PEG−8,000もしくはPEG−10,000を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約10%〜約50%(w/v)の2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)(または約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%(w/v)の2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD))を含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、結晶化試薬は、約1%〜約50%、もしくは約1%〜約10%、もしくは約5%〜約15%、もしくは約10%〜約20%、もしくは約20%〜約25%、もしくは約20%〜約30%、もしくは約15%〜25%、もしくは約30%〜約50%(v/v)のJeffamine M−600(または約1%、もしくは約5%、もしくは約10%、もしくは約15%、もしくは約20%、もしくは約25%、もしくは約30%、もしくは約35%、もしくは約40%、もしくは約45%、もしくは約50%(v/v)のJeffamine M−600)を含む。
【0033】
本明細書に記載の別の態様は、本明細書に記載の結晶を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、結晶が形成されるように、抗体Ab−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31の溶液を、前述した塩のいずれかを含む適切な塩を含む結晶化試薬と組み合わせることを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、結晶化試薬中の塩は、約0.1M〜約30M、任意選択で約0.1M〜約10M、または約1M〜約10M、または約1M〜約5M、または約5M〜約10Mの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、方法は、結晶が形成されるように、抗体Ab−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31の溶液を、コハク酸、PEG−1000、PEG−8000またはイソプロパノールを含む含む結晶化試薬と組み合わせることを含む。本明細書に記載の結晶生成方法のいずれ対しても、いくつかの実施形態において、溶液中の抗体の元の量の少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、またはそれ以上)が、組み合わせるステップの後に結晶化する。結晶化抗体のパーセンテージの決定は、例えば実施例5に記載される方法、または当該技術分野において知られている他の方法により行うことができる。
【0034】
抗体結晶を作製する方法は、任意選択で、結晶が形成された後に結晶化試薬の少なくとも一部を(例えば遠心分離により)除去することをさらに含む。いくつかの実施形態において、次いで結晶は、有機添加剤(例えば、エタノールまたはイソプロパノール)を含む溶液中に入れられる。いくつかの実施形態において、賦形剤(例えば、スクロース、トレハロースまたはソルビトール)が溶液に添加される。
【0035】
抗体結晶を作製する方法は、任意選択で、形成した結晶を(例えば、結晶を空気乾燥させることにより、または結晶を真空もしくは窒素ガスに暴露することにより)乾燥させるステップをさらに含む。
【0036】
本明細書に記載の抗体結晶を生成するための例示的方法は、当該技術分野において知られている蒸気拡散およびバッチ結晶化を含む。
【0037】
本明細書に記載の別の態様は、製剤(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む粉末および液体製剤)、ならびに、人間を含む哺乳動物の治療のための製剤等の医薬を調製するために、本明細書に記載の抗体結晶を使用する方法である。任意選択で本明細書に記載の用量および時期的な計画のいずれかを使用した、本明細書に記載のいずれの状態の治療も帰途される。製剤は、本明細書に記載の特性(例えば、サイズ、長さ、形状、塩含量、添加剤含量、または他の特性)の1つ以上を有する抗体結晶、例えばAb−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31結晶を含む。いくつかの実施形態において、製剤中のAb−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31結晶は、約20μm〜約1mmの長さを有し、また楕円体、棒および針、またはそれらの混合の形状を有する。いくつかの実施形態において、製剤中のAb−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31結晶は、約5μm〜約500μmの長さを有し、また楕円体、棒および針、またはそれらの混合の形状を有する。
【0038】
いくつかの、または任意の実施形態において、製剤は、無菌であり、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を含み、抗体の少なくとも70%(または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、またはそれ以上)が結晶形態である。いくつかの実施形態において、製剤中の抗スクレロスチンIgG抗体は、配列番号3および5の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号13および15のアミノ酸配列を有する。
【0039】
製剤は、非経口投与に好適であり、例えば無菌であり、非経口投与に許容される、例えば<0.25EU/mLまたは0.008EU/mgのエンドトキシンレベルを有し、薬学的に許容される賦形剤を含む。製剤はまた、好ましくは、高タンパク質濃度、例えば少なくとも製剤1ml当たり少なくとも100mgの抗体、または少なくとも120mg/ml、または少なくとも140mg/ml、または少なくとも160mg/ml、または少なくとも180mg/ml、または少なくとも200mg/ml、または少なくとも220mg/ml、または少なくとも240mg/ml、またはそれ以上を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、1.5ml以下の液体中に分散した少なくとも140mgの抗体の濃度を有する。例示的実施形態において、そのような製剤は、約約10cP以下、任意選択で8cP以下、または6cP以下の粘度を有する。「粘度」という用語は、本明細書において使用される場合、「絶対粘度」を指す。動的または単純粘度と呼ばれることもある絶対粘度は、動粘性率と流体密度の積であり、すなわち 絶対粘度=動粘性率×密度である。動粘性率の次元は、L
2/T(式中、Lは長さであり、Tは時間である)である。一般に、動粘性率は、センチストークス(cSt)で表現される。動粘性率のSI単位は、mm
2/sであり、これは1cStである。絶対粘度は、センチポアズ(cP)の単位で表現される。絶対粘度のSI単位は、ミリパスカル−秒(mPa
−s)であり、1cP=1mPa
−sである。
【0040】
いくつかの、または任意の実施形態において、保存および/または投与温度における再懸濁された液体製剤の絶対粘度は、15cP以下、または14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、もしくは4cP以下である。いくつかの、または任意の実施形態において、製剤は、臨床的に許容される量の力を使用して、20ゲージ針またはそれより微細な針(例えば、25ゲージ針、27ゲージ針またはそれより微細な針)のシリンジを通して注射可能である。
【0041】
いくつかの、または任意の実施形態において、製剤は、これらに限定されないが、スクロース、トレハロースおよびソルビトール、または他の糖もしくはポリオールを含む賦形剤を含む。
【0042】
いくつかの、または任意の実施形態において、製剤は、約2〜約12、または約6〜約9、または約6〜8.5、または約7〜約7.5のpH、および約180〜約420mOsm/kg、または約200〜約400mOsm/kg、または約250〜約350mOsm/kgの範囲のオスモル濃度を有する。等張(250〜350mOsm/kg)および生理学的pH(約7〜7.5)が好ましいが、製剤は、これらの範囲外で調製されてもよい。
【0043】
製剤は、任意選択で、非経口投与前に懸濁ビヒクル中に再懸濁される。例示的懸濁ビヒクルは、これらに限定されないが、グルタメート、ソルビトール、HEPES、デキストロースおよび水を含む。いくつかの実施形態において、懸濁ビヒクルはデキストロースであり、デキストロースは、約1%から約10%までのデキストロース、または約5%から約10%までのデキストロース、または約1%から約5%までのデキストロース、または約2%から約4%までのデキストロース(例えば、約1%のデキストロース、約2%のデキストロース、約3%のデキストロース、約4%のデキストロース、約5%のデキストロース、約6%のデキストロース、約7%のデキストロース、約8%のデキストロース、約9%のデキストロース、または約10%のデキストロース)の範囲の量で提供される。いくつかの実施形態において、懸濁ビヒクルはソルビトールであり、ソルビトールは、約1%から約10%までのソルビトール、または約5%から約10%までのソルビトール、または約1%から約5%までのソルビトール、または約2%から約4%までのソルビトール(例えば、約1%のソルビトール、約2%のソルビトール、約3%のソルビトール、約4%のソルビトール、約5%のソルビトール、約6%のソルビトール、約7%のソルビトール、約8%のソルビトール、約9%のソルビトール、または約10%のソルビトール)の範囲の量で提供される。いくつかの実施形態において、懸濁ビヒクルはグルタメートであり、グルタメートは、1mMから約20mMまでのグルタメート、もしくは約10mMから約15mMまで、もしくは約5から約10mMまで、もしくは約8mMから約12mMまで(または約1mMのグルタメート、約2mMのグルタメート、約3mMのグルタメート、約4mMのグルタメート、約5mMのグルタメート、約6mMのグルタメート、約7mMのグルタメート、約8mMのグルタメート、約9mMのグルタメート、約10mMのグルタメート、約11mMのグルタメート、約12mMのグルタメート、約13mMのグルタメート、約14mMのグルタメート、約15mMのグルタメート、約16mMのグルタメート、約17mMのグルタメート、約18mMのグルタメート、約19mMのグルタメート、もしくは約20mMのグルタメート)の範囲の量で提供される。いくつかの実施形態において、懸濁ビヒクルは、ソルビトールおよびグルタメートの組み合わせ(例えば、約1mM〜約20mMのグルタメート(上に特定される中間的範囲を含む)、および約1%〜約10%のソルビトール(上に特定される中間的範囲を含む)を含む。いくつかの実施形態において、懸濁ビヒクルは、約10mMのグルタメートおよび約5%のソルビトールを含む。
【0044】
他の実施形態において、懸濁ビヒクルは、(1)HEPESおよびPEG−3350(例えば、0.5M HEPESおよび20% PEG−3350、pH7.5)、(2)トリスおよびPEG−3350(例えば、0.5Mトリスおよび50% PEG−3350、pH8)ならびに(3)トリスおよびPEG−3350(例えば、0.5Mトリスおよび50% PEG−3350、pH8.5)からなる群から選択される。
【0045】
任意選択で、非経口投与(例えば、皮下または筋肉内)に好適な製剤は、容器内、例えば単回用量バイアル、複数回用量バイアル、シリンジ、予め充填されたシリンジまたは注射デバイス内にあってもよい。いくつかの、または任意の実施形態において、容器は、抗スクレロスチン抗体の単回用量(例えば、約70〜約450mgの抗スクレロスチン抗体)を含む。いくつかの実施形態において、用量は、少なくとも約5mg、15mg、25mg、50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約240mg、約250mg、約280mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mgまたは最大約1,000mgの抗スクレロスチン抗体を含む。これらの端点の全ての間の範囲、例えば約50mg〜約80mg、約70mg〜約140mg、約70mg〜約350mg、約70mg〜約280、約70mg〜約210mg、約75mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約140mg〜約210mg、または約150mg〜約200mg、または約280mg〜約410mgの抗スクレロスチン抗体もまた企図される。用量は、任意の間隔で、例えば1週間に複数回(例えば、週に2回または3回)、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与される。例えば、いくつかの、または任意の実施形態において、約120mg〜約210mgの範囲の抗スクレロスチン抗体の用量が、1週間に2回投与される。いくつかの、または任意の実施形態において、約140mgの用量の抗スクレロスチン抗体が、1週間に2回投与される。本明細書に記載の用量のいずれも、分割用量として投与され得る。例えば、140mgの用量の抗スクレロスチン抗体は、70mgの抗スクレロスチン抗体の2回の注射として投与され得る。同様に、210mgの用量の抗スクレロスチン抗体は、105mgの抗スクレロスチン抗体の2回の注射として投与され得る。
【0046】
いくつかの、または任意の実施形態において、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体の結晶を含む製剤は、結晶化されていない同じ抗体の少なくとも50%(または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%)以上のin vivo活性を維持する。例えば、いくつかの実施形態において、Ab30の結晶を含む製剤は、結晶化していないAb30抗体と同じ(または同様の)用量で与えられ、また同じ(または同様の)様式で投与された場合、少なくとも約50%〜約100%、または少なくとも約70%〜約100%、または少なくとも80%〜少なくとも100%、または少なくとも90%〜約100%(例えば、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%)の活性のレベルを維持する。製剤は、本明細書の別の箇所に記載されるように、単回用量または複数回用量で投与され得る。いくつかの実施形態において、in vivo活性は、ベースラインと比較した、全身(例えば、頭部、胴体、腕、および脚)または股関節(例えば、全股関節および/もしくは大腿骨頸)、脊椎(例えば、腰椎)、手首、指、脛骨ならびに/または踵の骨ミネラル密度の増加である。
【0047】
いくつかの、または任意の実施形態において、本明細書に記載のようなAb−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31結晶を含む製剤は、哺乳動物対象に投与された場合、結晶化していないAb−30、Ab−30R、Ab−30RmまたはAb−31抗体により媒介される骨ミネラル密度増加のレベルの少なくとも約70%(または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%)である(ベースラインまたは対照と比較した)骨ミネラル密度の増加を媒介する(同じ(または同様の)用量で、および同じ(または同様の)投与経路で投与された場合;例えば、約100mg/ml等の本明細書に記載の用量で、皮下注射により投与された場合)。製剤は、本明細書の別の箇所で記載されるように、単一用量または複数回用量で投与され得る。
【0048】
1つの例示的実施形態において、容器は、約70mgまたは75mgの抗スクレロスチン抗体の製剤を含有してもよく、約1mg/kgの単回用量の投与に好適である。他の実施形態において、容器は、約50mg、または約60mg、または約70mg、または約80mg、または約90mg、または約100mg、または約120mg、または約130mg、または約140mg、または約150mg、または約160mg、または約170mg、または約180mg、または約190mg、または約200mg、または約210mg、または約220mg、または約230mg、または約240mg、または約250mg、または約250mg〜約450mg、または約280mg、または290mg、または300mg、または約350mg、または360mg、または約420mg、または430mg、または440mg、または450mgの、抗スクレロスチン抗体の製剤を含有してもよい。そのような実施形態のいずれにおいても、容器は、約2〜約6mg/kg、または約1mg/kg〜約4mg/kg、または約3mg/kg〜約5mg/kg、または約1mg/kg〜約3mg/kg(体重)(例えば、約2mg/kg、または約3mg/kg、または約4mg/kg、または約5mg/kg、または約6mg/kg(体重))の単回用量の投与に好適となり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、容器は、本明細書に記載のような高タンパク質濃度の抗体を含んでもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、容器は、粉末または凍結乾燥製剤を含んでもよく、約0.5〜2mLの体積への懸濁用であってもよい。
【0049】
また、上記粉末製剤のいずれかを再懸濁させる方法であって、本明細書に記載のような高タンパク質濃度を達成するために、無菌希釈剤を添加することを含む方法が開示される。
【0050】
また、そのような容器と、約0.5〜20mg/kg、または0.5〜10mg/kg(患者の体重)の用量を達成するために必要な、適切な体積または量の製剤を使用するための説明書を含むラベルとを備えるキットが開示される。いくつかの実施形態において、製剤の用量は、体重1キログラム当たり約0.1から約50ミリグラムの間(例えば、約5から50ミリグラムの間)、または約1から約100ミリグラム(mg/kg)の間の抗スクレロスチン抗体を含む。例えば、抗スクレロスチン抗体の用量は、少なくとも約0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、または約49mg/kg、または約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、または最大約100mg/kgを含み得る。これらの端点の全ての間の範囲、例えば、約1mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約5mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約40mg/kg、約5mg/kg〜約30mg/kg、約5mg/kg〜約20mg/kg、約2mg/kg〜約6mg/kg、約1mg/kg〜約4mg/kg、または約3mg/kg〜約5mg/kgもまた企図される。
【0051】
また、本明細書において、室温および/または4℃で少なくとも6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、18ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年またはそれ以上安定である製剤(例えば、粉末(すなわち、凍結乾燥された)および/または液体製剤)が開示される。いくつかの実施形態において、製剤は、Ab−30結晶を含み、製剤は、室温および/または4℃で少なくとも6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、18ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年またはそれ以上安定である。いくつかの実施形態において、Ab−30製剤は、4℃および/または室温で少なくとも9ヶ月安定である。
【0052】
また、本明細書において、これらに限定されないが、軟骨形成不全、鎖骨頭蓋骨形成不全症、内軟骨腫症、線維性骨異形成、ゴーシェ病、低リン酸血症性くる病、マルファン症候群、遺伝性多発性外骨腫症、神経線維腫症、骨形成不全症、大理石骨病、骨斑紋症、硬化性病変、偽関節、化膿性骨髄炎、歯周病、抗てんかん薬誘導性骨量減少、原発性もしくは二次性副甲状腺機能亢進症、家族性副甲状腺機能亢進症候群、無重力誘導性骨量減少、男性における骨粗鬆症、閉経後骨量減少、変形性関節症、腎性骨ジストロフィー、骨の浸潤性障害、口蓋骨量減少、顎部の骨壊死、若年性パジェット病、流蝋性過骨症、代謝性骨疾患、肥満細胞症、鎌状赤血球貧血/疾患、臓器移植関連骨量減少、腎臓移植関連骨量減少、全身性紅斑性狼瘡、強直性脊椎炎、てんかん、若年性関節炎、サラセミア、ムコ多糖症、ファブリー病、ターナー症候群、ダウン症候群、クラインフェルター症候群、ハンセン病、ペルテス病、青年期特発性脊柱側弯、乳児性発症多系統炎症性疾患、ウィンチェスター症候群、メンケス病、ウィルソン病、虚血性骨疾患(例えばレッグ−カルヴェ−ペルテス病もしくは局所遊走性骨粗鬆症)、貧血状態、ステロイドに起因する症状、糖質コルチコイド誘導性骨量減少、ヘパリン誘導性骨量減少、骨髄障害、壊血病、栄養不良、カルシウム欠乏症、骨粗鬆症、骨減少症、アルコール依存症、慢性肝疾患、閉経後状態、慢性炎症性症状、関節リウマチ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、炎症性大腸炎、クローン病、希発月経、無月経、妊娠、糖尿病、甲状腺機能亢進症、甲状腺障害、副甲状腺障害、クッシング病、末端肥大症、性腺機能低下症、運動抑制もしくは廃用、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、局所骨粗鬆症、骨軟化症、関節置換に関連する骨量減少、HIV関連骨量減少、成長ホルモンの損失に関連する骨量減少、嚢胞性線維症に関連する骨量減少、化学療法関連骨量減少、腫瘍誘導性骨量減少、癌関連骨量減少、ホルモン切除の骨量減少、多発性骨髄腫、薬物誘導性骨量減少、拒食症、疾患関連顔面骨量減少、疾患関連頭蓋骨量減少、顎の疾患関連骨量減少、頭蓋の疾患関連骨量減少、加齢に関連する骨量減少、加齢に関連する顔面骨量減少、加齢に関連する頭蓋骨量減少、加齢に関連する顎骨減少、加齢に関連する頭骨量減少、または宇宙旅行に関連する骨量減少を含む、減少した骨密度に関連した任意の障害(骨関連障害)を処置するために、本明細書に記載の製剤を使用する方法が記載される。
【0053】
本明細書に記載の製剤は、整形外科的処置、歯科的処置、移植手術、関節置換、骨グラフト、骨美容整形手術および骨修復、例えば骨折治癒、癒着不能治癒、遷延治癒および顔の形成における結果を改善するために有用である。1つ以上の製剤が、処置、置換、グラフト、手術または修復の前、間、および/または後に投与されてもよい。
【0054】
また、本明細書に記載の製剤を含む歯科インプラント、マトリックス、ゲルおよび創傷包帯材も企図される。いくつかの実施形態において、歯科インプラント、マトリックス、ゲルおよび創傷包帯材は、製剤でコーティングされる。他の実施形態において、製剤は、任意選択で歯科インプラント、マトリックスまたは創傷包帯材の適用前(または後)に、標的領域(すなわち、対象の罹患歯茎領域または罹患歯周ポケット)に適用される。これらの実施形態において、製剤は、当技術分野において知られた任意の手段により適用される。いくつかの実施形態において、製剤は、歯科インプラント、マトリックスまたは創傷包帯材の適用前に、皮下注射により標的領域に投与される。他の実施形態において、製剤は、歯科インプラント、マトリックスまたは創傷包帯材の適用前に、患部領域をブラッシングまたは別様にコーティングすることにより患部領域に投与される。
【0055】
別の態様において、哺乳動物対象における骨ミネラル密度を増加させる方法であって、本明細書に記載の製剤を、骨ミネラル密度を増加させるのに効果的な量で哺乳動物対象に投与することを含む方法が、本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、方法は、任意選択で、骨形成のマーカーのレベルを増加させる。いくつかの実施形態において、骨ミネラル密度は、少なくとも約7日間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、8週間、2ヶ月、3ヶ月またはそれ以上増加される。関連する態様において、哺乳動物対象における骨関連障害を処置する方法であって、本明細書に記載の製剤を、骨関連障害を処置するのに効果的な量で対象に投与することを含む方法が、本明細書に記載される。
【0056】
いくつかの実施形態において、製剤は、骨形成のマーカーのレベルを、骨マーカーレベルのない処置と比較して、少なくとも約10%増加させる。製剤は、単回用量または複数回用量で投与され得る。例えば、本明細書に記載の製剤は、例えば骨形成を増加させるために、短期治療計画で投与されてもよく、および/または、維持治療計画において骨ミネラル密度の損失を防止するために長期で投与されてもよい。
【0057】
上記方法のいずれにおいても、骨形成のマーカーのレベルは、その患者集団の処置前レベルまたは正常レベルと比較して、少なくとも約2週間、3週間、30日、1ヶ月、6週間、2ヶ月またはそれ以上の間に、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%またはそれ以上増加される。限定されない例として、処置後3週間での骨形成のマーカーのレベルは、例えば、その患者集団の処置前レベルまたは正常レベルと比較して、少なくとも約20%増加される。1つの例示的実施形態において、骨吸収のマーカーは、I型コラーゲンのC−テロペプチド(CTX)の血清レベルである。他の例示的実施形態において、骨形成のマーカーは、骨特異的アルカリホスファターゼ(BSAP)、オステオカルシン(OstCa)、および/または1型プロコラーゲンのN−末端伸長(P1NP)である。
【0058】
別の態様において、骨関連障害を処置する方法であって、本明細書に記載の製剤を、全身(例えば、頭部、胴体、腕および脚)または股関節(例えば、全股関節および/もしくは大腿骨頸)、脊椎(例えば、腰椎)、手首、指、脛骨ならびに/または踵の骨ミネラル密度を、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、約15%、約18%、約20%、約25%、もしくは30%またはそれ以上増加させるのに効果的な量で哺乳動物に投与することを含む方法が、本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、処置前の哺乳動物対象の骨ミネラル密度は、骨粗鬆症または骨減少症の特徴を示し、製剤の1つ以上の用量が、骨ミネラル密度がもはや骨粗鬆症および/または骨減少症の特徴を示さないように骨ミネラル密度を改善するのに効果的な量および期間で投与される。例えば、1つ以上の用量は、初期期間で、2.5または1の若年成人の正常密度の標準偏差の範囲内(すなわち、T−スコア≧−2.5またはT−スコア≧−1)となるように骨ミネラル密度を増加させるように投与され得る。例示的実施形態において、初期期間は、約3ヶ月以下、6ヶ月以下、9ヶ月以下、1年以下、18ヶ月以下、またはそれより長期である。方法は、さらに、それに続いて、任意選択で少なくとも約6ヶ月、1年、2年またはそれ以上の(例えば、対象の一生にわたる)維持期間に、骨ミネラル密度を維持するために効果的な1つ以上の量の本明細書に記載の製剤を投与することを含んでもよい。
【0059】
別の態様において、本明細書に記載の製剤を投与することにより、哺乳動物対象における骨関連疾患を処置する方法が本明細書に記載され、製剤は、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、または約49mg/kg、または約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、または最大約100mg/kgの用量の本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む。これらの端点の全ての間の範囲、例えば、約1mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約5mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約40mg/kg、約5mg/kg〜約30mg/kg、約5mg/kg〜約20mg/kg、約2mg/kg〜約6mg/kg、約1mg/kg〜約4mg/kg、または約3mg/kg〜約5mg/kgもまた企図される。
【0060】
いくつかの実施形態において、約50ミリグラムから約1,000ミリグラムまでの用量が、対象(例えば、人間対象)に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、製剤は、約5mg、15mg、25mg、50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約240mg、約250mg、約280mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mgまたは最大約1,000mgの抗スクレロスチン抗体の用量の本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む。これらの端点の全ての間の範囲、例えば約50mg〜約80mg、約70mg〜約140mg、約70mg〜約350mg、約70mg〜約280mg、約70mg〜約210、約75mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約140mg〜約210mg、または約150mg〜約200mg、または約280〜約410mgもまた企図される。
【0061】
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、用量は、任意の間隔で、例えば1週間に複数回(例えば、週に2回または3回)、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与される。いくつかの、または任意の実施形態において、約120mgから約210mgまでの範囲の用量の本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む製剤が、1週間に2回投与される。いくつかの、または任意の実施形態において、約140mgの製剤の用量の本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む製剤が、1週間に2回投与される。本明細書に記載の用量のいずれも、分割用量として投与され得る。例えば、140mgの抗スクレロスチン抗体の用量としての本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む製剤は、70mgの抗スクレロスチン抗体の2回の注射として投与され得る。同様に、210mgの用量の抗スクレロスチン抗体は、105mgの抗スクレロスチン抗体の2回の注射として投与され得る。
【0062】
さらに、低カルシウム血症または高カルシウム血症に罹患している、または罹患する危険性のある哺乳動物対象、副甲状腺ホルモンもしくはその類似体による処置が禁忌である哺乳動物対象、またはビスホスホネートによる処置が禁忌である哺乳動物対象における骨関連障害を治療する方法が、本明細書に記載される。方法は、本明細書に記載の製剤を、低カルシウム血症または高カルシウム血症(例えば、臨床的に意義のある低カルシウム血症または高カルシウム血症)をもたらすことなく、骨形成のマーカーのレベルを増加させるのに効果的な量で哺乳動物対象に投与することを含む。
【0063】
さらに別の態様において、第1の量であって、股関節、脊椎、手首、指、脛骨および/または踵の骨ミネラル密度を、少なくとも約3%増加させるのに効果的である量で、第1の期間、続いて骨ミネラル密度を維持するのに効果的な第2の量で第2の期間、骨関連障害を処置するための医薬の調製における、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体結晶の使用が本明細書に記載される。
【0064】
また、第1の量であって、股関節、脊椎、手首、指、脛骨および/または踵の骨ミネラル密度を、少なくとも約3%増加させるのに効果的である量で、第1の期間、続いて骨ミネラル密度を維持するのに効果的な第2の量で第2の期間、骨関連障害を処置するための、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体結晶の使用が提供される。例示的用量は、約0.1〜約20mg/kg、または約0.1〜約12mg/kg、または約0.5〜約12mg/kg、または約1〜約10mg/kg、または約1〜約8mg/kg、または約2〜約8mg/kg、または約3〜約8mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、約50ミリグラムから約1,000ミリグラムまでの用量が、対象(例えば、人間対象)に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、製剤は、約5mg、15mg、25mg、50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約240mg、約250mg、約280mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mgまたは最大約1,000mgの抗スクレロスチン抗体の用量の本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体を含む。これらの端点の全ての間の範囲、例えば約50mg〜約80mg、約70mg〜約140mg、約70mg〜約350mg、約70mg〜約280mg、約70mg〜約210、約75mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約140mg〜約210mg、または約150mg〜約200mg、または約280〜約410mgもまた企図される。
【0065】
いくつかの、または任意の実施形態において、本明細書に記載の方法または使用は、本明細書に記載の骨関連障害の治療のための第2の骨形成促進治療薬を投与することをさらに含んでもよい。この種の多くの治療薬が当該技術分野において知られている。いくつかの実施形態において、骨形成促進治療薬は、再吸収阻害薬、骨形成薬剤、エストロゲン受容体調整剤(これらに限定されないが、ラロキシフェン、バゼドキシフェンおよびラソフォキシフェンを含む)ならびに破骨細胞に対する阻害作用を有する薬物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の骨形成促進剤は、ビスホスホネート(これらに限定されないが、アレンドロン酸ナトリウム(FOSAMAX(登録商標))、リセドロン酸塩、イバンドロン酸ナトリウム(BONIVA(登録商標))およびゾレドロン酸(RECLAST(登録商標))を含む)、エストロゲンまたはエストロゲン類似体、カルシウム源、チボロン、カルシトニン、カルシトリオールならびにホルモン補充治療薬からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の骨形成促進剤は、これらに限定されないが、副甲状腺ホルモン(PTH)またはそのペプチド断片、PTH関連タンパク質(PTHrp)、骨形成タンパク質、オステオゲニン、NaF、PGE
2作動薬、スタチン、抗DKK1抗体もしくは阻害剤、抗RANKリガンド(RANKL)抗体(例えば、PROLIA(登録商標))もしくはRANKL阻害剤、ラネル酸ストロンチウム、ビタミンD、もしくはビタミンD誘導体またはその模倣薬を含む。いくつかの実施形態において、第2の骨形成促進剤は、Forteo(登録商標)(テリパラチド、もしくは組み替えヒト副甲状腺ホルモン類似体(1−34))またはPreotact(登録商標)(副甲状腺ホルモン)である。いくつかの、または任意の実施形態において、骨形成促進剤は、Protelos(登録商標)である。
【0066】
いくつかの実施形態において、第2の骨形成促進剤は、製剤と同時に投与される(例えば、処置期間内のある長さの時間)。他の実施形態において、第2の骨形成促進剤は、抗スクレロスチン抗体による処置期間が終了したら、ある長さの時間(すなわち、維持期間)投与される。そのような実施形態において、第2の骨形成促進剤は、約1週間〜約5年の維持期間投与される。
【0067】
方法は、さらに、それに続いて、処置期間が終了した後、任意選択で少なくとも約12週間、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年またはそれ以上の(例えば、対象の一生にわたる)維持期間に、骨ミネラル密度を維持するために効果的な1つ以上の量の製剤を投与することを含んでもよい。
【0068】
本発明の追加の態様を、以下の番号付けされた項に定義または要約する。
【0069】
1.配列番号3および5の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号13および15のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶。
【0070】
2.抗体の少なくとも70%が結晶形態である、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を含む無菌製剤。
【0071】
3.抗体の少なくとも90%が結晶形態である、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を含む無菌製剤。
【0072】
4.IgG抗体は、配列番号3および5の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号13および15のアミノ酸配列を有する、項2または項3に記載の製剤。
【0073】
5.結晶は、最大500μmの長さを有する、前項のいずれか一項に記載の結晶または製剤。
【0074】
6.結晶は、楕円体、棒および針からなる群から選択される形状を有する、前項のいずれか一項に記載の結晶または製剤。
【0075】
7.最大約500μmの長さ、ならびに楕円体、棒および針またはそれらの混合からなる群から選択される形状を有する結晶を含む、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0076】
8.結晶は、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、酒石酸カリウムナトリウム四水和物、タクシメート、クエン酸ナトリウム二水和物、酢酸ナトリウム三水和物、酒石酸ジアンモニウム、マロン酸ナトリウム、酢酸塩、酢酸カルシウム、カコジル酸塩、CHES、硫酸リチウム、塩化マグネシウム、酢酸亜鉛、塩化セシウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムおよびギ酸アンモニウムからなる群から選択される塩を含む、前項のいずれか一項に記載の結晶または製剤。
【0077】
9.凍結乾燥製剤である、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0078】
10.液体製剤である、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0079】
11.製剤1ml当たり少なくとも約100mgの前記抗体の濃度を有する、項10に記載の製剤。
【0080】
12.1.5ml以下の液体中に分散した少なくとも約140mgの抗体を含む、項10に記載の製剤。
【0081】
13.臨床的に許容される量の力を使用して、20ゲージ針またはそれより微細な針を有するシリンジを通して注射可能である、項11または項12に記載の製剤。
【0082】
14.同じ用量および同じ様式で与えられた場合、結晶化していない前記抗体の液体製剤の少なくとも50%のin vivo活性を維持する、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0083】
15.哺乳動物対象に投与された際に、製剤、および結晶化していない抗体の液体製剤が、同じ用量および同じ様式で対象に投与された場合、結晶化していない抗体の液体製剤により媒介される骨ミネラル密度増加のレベルの少なくとも約70%である骨ミネラル密度の増加を媒介する、項11または項12に記載の製剤。
【0084】
16.単回用量として投与される、項14または項15に記載の製剤。
【0085】
17.複数回用量で投与される、項14または項15に記載の製剤。
【0086】
18.少なくとも20%のPEG−3350を含む、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0087】
19.少なくとも10%のPEG−8000を含む、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0088】
20.製剤のオスモル濃度は、約180〜約420mOsm/kgの範囲である、前項のいずれか一項に記載の製剤。
【0089】
21.0.5〜2mLの体積への懸濁のための少なくとも50mgの項1に記載の抗体結晶を含む容器。
【0090】
22.項2または項3に記載の製剤を含む容器。
【0091】
23.バイアル、シリンジまたは注射デバイスである、項21または22に記載の容器。
【0092】
24.シリンジ針が20ゲージまたはそれより微細である、項23に記載の容器。
【0093】
25.項9に記載の製剤を再懸濁させる方法であって、製剤を約0.5〜2mLの無菌懸濁ビヒクルに接触させることを含む方法。
【0094】
26.懸濁ビヒクルは、グルタメート、ソルビトール、HEPES、デキストロースおよび水またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、項25に記載の方法。
【0095】
27.配列番号3および5の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号13および15のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を作製する方法であって、結晶が形成されるように、任意選択で約6〜約8のpHで、抗体の溶液を、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、酒石酸カリウムナトリウム四水和物、タクシメート、クエン酸ナトリウム二水和物、酢酸ナトリウム三水和物、酒石酸ジアンモニウム、マロン酸ナトリウム、酢酸塩、酢酸カルシウム、カコジル酸塩、CHES、硫酸リチウム、酢酸リチウム二水和物、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム四水和物、ギ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化セシウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムおよびギ酸アンモニウムからなる群から選択される塩を含む結晶化試薬と組み合わせることを含む、方法。
【0096】
28.塩の濃度は、約0.1Mから約10Mまでである、項27に記載の方法。
【0097】
29.試薬は、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)またはポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む、項27に記載の方法。
【0098】
30.MPDは、約0.1%〜約50%の濃度で存在する、項27に記載の方法。
【0099】
31.PEGは、約400kDa〜約20,000kDaの分子量を有する、項27に記載の方法。
【0100】
32.PEGは、0.1%〜約50%の濃度で存在する、項31に記載の方法。
【0101】
33.配列番号3および5の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号13および15のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を作製する方法であって、結晶が形成されるように、抗体の溶液を、コハク酸、PEG−1000、PEG−8000およびイソプロパノールからなる群から選択される要素を含む結晶化試薬と組み合わせることを含む、方法。
【0102】
34.結晶化試薬は、
(a)約0.1Mから約5Mまでのコハク酸、約0.1Mから約5MまでのHEPESおよび約0.1%(w/v)から約60%(w/v)までのポリエチレングリコールモノメチルエーテル2000、
(b)約1%(w/v)から約50%(w/v)までのPEG−8000、約0.05Mから約5Mまでのイミダゾールおよび約0.1Mから約5Mまでの酢酸カルシウム、
(c)約1%(w/v)から約50%(w/v)までのPEG−8000、約0.05Mから約5MまでのTRISおよび約0.05Mから約5Mまでの塩化マグネシウム、
(d)約10%から約80%(w/v)までのPEG−1000、約0.05Mから約5Mまでのリン酸ナトリウム/カリウムおよび約0.05Mから約5Mまでの塩化ナトリウム、
(e)約1%(w/v)から約20%(w/v)までのPEG−8000、約0.05Mから約5Mまでのカコジル酸塩、約0.1Mから約2Mまでの酢酸カルシウム、および約10%から約30%(w/v)までのグリセロール、または、
(f)約10%から約30%までのイソプロパノールおよび約0.1Mから約2Mまでのリン酸ナトリウム/カリウムを含む、項33に記載の方法。
【0103】
35.結晶が形成した後の結晶化試薬の少なくとも一部を除去することをさらに含む、項27〜34のいずれか一項に記載の方法。
【0104】
36.結晶化試薬の一部は、遠心分離により除去される、項35に記載の方法。
【0105】
37.結晶は、有機添加剤を含有する溶液に入れられる、項35に記載の方法。
【0106】
38.溶液への賦形剤の添加をさらに含む、項37に記載の方法。
【0107】
39.賦形剤は、スクロース、トレハロース、およびソルビトールからなる群から選択される、項38に記載の方法。
【0108】
40.有機添加剤は、エタノールまたはイソプロパノールである、項37に記載の方法。
【0109】
41.形成した結晶を乾燥させることをさらに含む、項27または項33に記載の方法。
【0110】
42.結晶は、空気への暴露により、または真空への暴露により、または窒素ガスへの暴露により乾燥される、項41に記載の方法。
【0111】
43.抗体の少なくとも80%が結晶化する、項27または33に記載の方法。
【0112】
44.バッチ結晶化法である、項27〜43のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
45.項27または項33に記載の方法により生成される抗体結晶。
【0114】
46.哺乳動物対象において、骨ミネラル密度を増加させる、骨密度の減少に関連した障害を処置する、骨関連障害を処置する、または処置、置換、グラフト、手術もしくは修復の結果を改善する方法であって、前項のいずれか一項に記載の製剤を、対象における骨ミネラル密度を増加させるのに効果的な量で投与することを含む方法。
【0115】
47.配列番号23および25の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号33および35のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶。
【0116】
48.結晶は、約100μM〜約500μM、または約5μM〜約50μMの長さを有する、項47に記載の結晶。
【0117】
49.結晶は、楕円体形状を有する、項47または48に記載の結晶。
【0118】
50.結晶は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびヒスチジンからなる群から選択される塩を含む、項47〜49のいずれか一項に記載の結晶。
【0119】
51.抗体の少なくとも70%が結晶形態である、項47に記載の抗体結晶を含む無菌製剤。
【0120】
52.結晶は、最大約500μmの長さを有する、項47〜51のいずれか一項に記載の結晶または製剤。
【0121】
53.結晶は、楕円体、棒および針からなる群から選択される形状を有する、項47〜51のいずれか一項に記載の結晶または製剤。
【0122】
54.最大約500μmの長さ、ならびに楕円体、棒および針またはそれらの混合からなる群から選択される形状を有する結晶を含む、項51〜53のいずれか一項に記載の製剤。
【0123】
55.配列番号23および25の軽鎖および重鎖可変領域を含み、好ましくは配列番号33および35のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチンIgG抗体の結晶を作製する方法であって、結晶が形成されるように、抗体の溶液を、任意選択で約6〜約8のpHで、リン酸カリウムおよびヒスチジンからなる群から選択される塩を含む結晶化試薬と組み合わせることを含む、方法。
【0124】
56.塩の濃度は、約1〜30mM、任意選択で約10mMである、項55に記載の方法。
【0125】
57.結晶化試薬は、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む、項55または56に記載の方法。
【0126】
58.結晶が形成した後の結晶化試薬の少なくとも一部を除去することをさらに含む、項55に記載の方法。
【0127】
59.結晶化試薬の一部は、遠心分離により除去される、項58に記載の方法。
【0128】
60.結晶は、有機添加剤を含有する溶液に入れられる、項55に記載の方法。
【0129】
61.溶液への賦形剤の添加をさらに含む、項55に記載の方法。
【0130】
62.賦形剤は、スクロース、トレハロース、またはソルビトールからなる群から選択される、項61に記載の方法。
【0131】
63.有機添加剤は、エタノールまたはイソプロパノールである、項60に記載の方法。
【0132】
64.形成した結晶を乾燥させることをさらに含む、項55に記載の方法。
【0133】
65.結晶は、空気への暴露により、または真空への暴露により、または窒素ガスへの暴露により乾燥される、項64に記載の方法。
【0134】
66.項55〜65のいずれか一項に記載の方法により生成される抗体結晶。
【0135】
67.凍結乾燥製剤である、項51〜54のいずれか一項に記載の製剤。
【0136】
68.液体製剤である、項51〜54のいずれか一項に記載の製剤。
【0137】
69.製剤1ml当たり少なくとも約100mgの前記抗体の濃度を有する、項68に記載の製剤。
【0138】
70.結晶は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびヒスチジンからなる群から選択される塩を含む、項51〜54のいずれか一項に記載の製剤。
【0139】
71.スクロース、トレハロースおよび/またはソルビトールを含む、項51〜54のいずれか一項に記載の製剤。
【0140】
72.製剤のオスモル濃度は、約180〜約420mOsm/kgの範囲である、項68に記載の製剤。
【0141】
73.1.5ml以下の液体中に分散した少なくとも約140mgの抗体を含む、項68に記載の製剤。
【0142】
74.臨床的に許容される量の力を使用して、20ゲージ針またはそれより微細な針を有するシリンジを通して注射可能である、項69または73に記載の製剤。
【0143】
75.同じ用量および同じ様式で与えられた場合、結晶化していない前記抗体の液体製剤の少なくとも50%のin vivo活性を維持する、項51〜54および66〜75のいずれか一項に記載の製剤。
【0144】
76.0.5〜2mLの体積への懸濁のための少なくとも50mgまたはそれ以上の項66に記載の抗体結晶を含む容器。
【0145】
77.項51の製剤を含む容器。
【0146】
78.バイアル、シリンジまたは注射デバイスである、項77に記載の容器。
【0147】
79.シリンジは、20ゲージまたはそれより微細な針を有する、項78に記載の容器。
【0148】
80.項67に記載の製剤を再懸濁させる方法であって、結晶を約0.5〜2mLの無菌懸濁ビヒクルに接触させることを含む方法。
【0149】
81.同じ用量および同じ様式で与えられた場合、結晶化していない前記抗体の液体製剤の少なくとも50%のin vivo活性を維持する、項51〜54および66〜75のいずれか一項に記載の製剤。
【0150】
82.哺乳動物対象に投与された際に、結晶化していない前記抗体の液体製剤により媒介される骨ミネラル密度増加のレベルの少なくとも約70%である骨ミネラル密度の増加を媒介し、製剤、および結晶化していない抗体の液体製剤は、同じ用量および同じ様式で対象に投与される、項51〜54および66〜75のいずれか一項に記載の製剤。
【0151】
83.単回用量として投与される、項81または82に記載の製剤。
【0152】
84.複数回用量で投与される、項81または82に記載の製剤。
【0153】
85.哺乳動物対象において、骨ミネラル密度を増加させる、骨密度の減少に関連した障害を処置する、骨関連障害を処置する、または処置、置換、グラフト、手術もしくは修復の結果を改善する方法であって、項51〜54および66〜75のいずれか一項に記載の製剤を、対象における骨ミネラル密度を増加させるのに効果的な量で投与することを含む方法。
【0154】
本明細書における様々な実施形態は、「含む」という言語を用いて示されているが、様々な状況において、関連する実施形態はまた、「〜からなる」または「本質的に〜からなる」という言語を用いて説明され得ることを理解されたい。「1つ(aまたはan)」という用語は、1つ以上を指し、例えば、「1つの免疫グロブリン分子」は、1つ以上の免疫グロブリン分子を示すように理解されることに留意されたい。したがって、「1つ(aまたはan)」、「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書において、交換可能に使用され得る。
【0155】
値の範囲を説明する際に、説明されている特性は、範囲内に見出される個々の値であってもよいことを理解されたい。例えば、「約pH4から約pH6までのpH」は、これらに限定されないが、pH4、4.2、4.6、5.1、5.5等、およびそのような値の間の任意の値であってもよい。さらに、「約pH4から約pH6までのpH」は、保存中に問題の製剤のpHがpH4からpH6までの範囲内で2pH単位変動することを意味するように解釈されるべきではなく、値は、溶液のpHのその範囲内で選択することができ、pHは、ほぼそのpHで緩衝が維持される。いくつかの実施形態において、「約」という用語が使用される場合、これは、列挙された数字プラスマイナス列挙された数字の5%、10%、15%またはそれ以上を意味する。意図される実際の変動は、文脈から決定され得る。
【0156】
本明細書に記載の範囲のいずれにおいても、範囲の端点はその範囲に含まれる。しかしながら、本説明は、下限および/または上限の端点が除外される同じ範囲も企図する。本発明の追加的特徴および変形例は、図面および詳細な説明を含む本出願の全内容から当業者に明らかとなり、そのような特徴は全て、本発明の態様として意図される。同様に、本明細書に記載される本発明の特徴は、特徴の組み合わせが本発明の態様または実施形態として上記で具体的に言及されているかとは無関係に、同じく本発明の態様として意図される追加の実施形態に再び組み合わされてもよい。また、本発明に重要であるとして説明されるそのような限定のみが、そのようなものとして考慮されるべきであり、本明細書において重要であるとして説明されていない限定を有さない本発明の変動は、本発明の態様として意図される。