特許第6412971号(P6412971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6412971位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6412971
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20181015BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20181015BHJP
   G01C 11/04 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   G06F17/30 310Z
   G06F17/30 320Z
   G01C15/00 102C
   G01C11/04
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-53510(P2017-53510)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-156470(P2018-156470A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 巧
(72)【発明者】
【氏名】米林 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】北川 彩音
(72)【発明者】
【氏名】西岡 崇
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/095426(WO,A1)
【文献】 特開2011−038944(JP,A)
【文献】 特開2004−032286(JP,A)
【文献】 特開平08−123946(JP,A)
【文献】 特開2008−244660(JP,A)
【文献】 特開2001−216309(JP,A)
【文献】 特開2016−176751(JP,A)
【文献】 特開平11−331831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G01C 11/04
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持部と、
撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得部と、
取得された前記撮影画像と前記地図データとのパターンマッチングを行うことによって、前記撮影画像の中心点の場所から前記特定箇所までの実際の距離を算出し、算出した前記距離に基づいて前記特定箇所の位置情報を算出する位置情報算出部と
を備える、位置情報算出装置。
【請求項2】
前記位置情報算出部は、
前記撮影位置に含まれる撮影高度の情報と、前記撮影画像の方位角度と、前記撮影画像における中心点と前記特定箇所の距離とに基づき、前記特定箇所の位置情報を示す算出する、請求項1に記載の位置情報算出装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記構造物の特定箇所を撮影したときの、前記撮影機材の俯角をさらに含む撮影データを取得して、
前記位置情報算出部は、
前記撮影位置と前記俯角から前記特定箇所の位置情報を示す算出する、請求項1又は2に記載の位置情報算出装置。
【請求項4】
算出された前記特定箇所の位置情報へアクセスするためのアクセス情報を生成するアクセス情報生成部をさらに備える、請求項1から3の何れか一項に記載の位置情報算出装置。
【請求項5】
算出された前記特定箇所の位置情報を保持する位置情報保持部と、
生成された前記アクセス情報に基づく端末からのアクセス要求に応じて、保持された前記特定箇所の位置情報を提供する情報提供部と
をさらに備える、請求項4に記載の位置情報算出装置。
【請求項6】
前記アクセス要求を認証するアクセス認証部をさらに備え、
前記情報提供部は、認証された前記アクセス要求に応じて前記特定箇所の位置情報を提供する、請求項5に記載の位置情報算出装置。
【請求項7】
コンピュータが、構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持ステップと、
コンピュータが、撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得ステップと、
コンピュータが、取得された前記撮影画像と前記地図データとのパターンマッチングを行うことによって、前記撮影画像の中心点の場所から前記特定箇所までの実際の距離を算出し、算出した前記距離に基づいて前記特定箇所の位置情報を算出する位置情報算出ステップと
を含む、位置情報算出方法。
【請求項8】
構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持処理と、
撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得処理と、
取得された前記撮影画像と前記地図データとのパターンマッチングを行うことによって、前記撮影画像の中心点の場所から前記特定箇所までの実際の距離を算出し、算出した前記距離に基づいて前記特定箇所の位置情報を算出する位置情報算出処理と
をコンピュータに実行させる、位置情報算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光パネル等の構造物の故障を定期点検等で発見した場合、報告者は、複数設置された構造物の中から故障した構造物の場所や故障内容を紙の報告書等に記載して報告する。報告者は、故障した構造物を特定しやすいように、例えば、ドローンに搭載したカラーボールマーキング装置を用いて構造物に塗料でマーキングをする(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
一方、報告書を受領した構造物の管理者等は、報告書の内容とマーキングに従って、複数設置された構造物の中から故障した構造物を特定して修理する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社スカイロボット、“SKYMARKER(登録商標)”、[online]、SKYMARKER商品説明Webページ、[平成29年3月16日検索]、インターネット<URL: http://www.skyrobot.co.jp/skymarker.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、太陽光パネルのように複数の構造物が密集して設置されている場合、カラーボールによるマーキングは、故障した構造物への正確な投球コントロールが必要であり、例えば、ドローンの正確な姿勢制御た操縦装置等の開発や調達にコストが掛かる場合があった。
【0006】
また、マーキングが外れたり、マーキングの範囲が広がり過ぎたりした場合、周辺の正常な構造物に塗料が付着する。塗料が付着すると周辺の正常な構造物の機能に影響を与えるため、構造物に付着した塗料の清掃が必要になる場合があった。構造物に付着した塗料の清掃には、例えば足場の設置や塗料の剥離等の作業が必要となり、清掃の手間とコストが掛かってしまう場合があった。特に、構造物が太陽光パネル等、密集して設置されるものである場合、大がかりな足場の設置が必要となる場合があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、構造物の特定箇所の位置情報を容易に取得可能にする、位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、位置情報算出装置は、構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持部と、撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得部と、保持された前記地図データと、取得された前記撮影データとに基づき、前記特定箇所の位置情報を示す算出する位置情報算出部とを備える。
【0009】
(2)本発明の一態様は、前記位置情報算出部は、前記撮影位置に含まれる撮影高度の情報と、前記撮影画像の方位角度と、前記撮影画像における中心点と前記特定箇所の距離とに基づき、前記特定箇所の位置情報を示す算出する。
【0010】
(3)本発明の一態様は、前記情報取得部は、前記構造物の特定箇所を撮影したときの、前記撮影機材の俯角をさらに含む撮影データを取得して、前記位置情報算出部は、前記撮影位置と前記俯角から前記特定箇所の位置情報を示す算出する。
【0011】
(4)本発明の一態様は、位置情報算出装置において、算出された前記特定箇所の位置情報へアクセスするためのアクセス情報を生成するアクセス情報生成部をさらに備える。
【0012】
(5)本発明の一態様は、位置情報算出装置において、算出された前記特定箇所の位置情報を保持する位置情報保持部と、生成された前記アクセス情報に基づく端末からのアクセス要求に応じて、保持された前記特定箇所の位置情報を提供する情報提供部とをさらに備える。
【0013】
(6)本発明の一態様は、位置情報算出装置において、前記アクセス要求を認証するアクセス認証部をさらに備え、前記情報提供部は、認証された前記アクセス要求に応じて前記特定箇所の位置情報を提供する。
【0014】
(7)本発明の一態様は、位置情報算出方法は、構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持ステップと、撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得ステップと、保持された前記地図データと、取得された前記撮影データとに基づき、前記特定箇所の位置情報を示す算出する位置情報算出ステップとを含む。
【0015】
(8)本発明の一態様は、位置情報算出プログラムは、構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持処理と、撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、前記撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得処理と、保持された前記地図データと、取得された前記撮影データとに基づき、前記特定箇所の位置情報を示す算出する位置情報算出処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、構造物の特定箇所の位置情報を容易に取得可能にする、位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の位置情報算出装置を含む、位置情報算出システムの概要の一例を示す図。
図2】実施形態の位置情報算出装置が取得する撮影データの一例を示す図。
図3】実施形態の位置情報算出装置が取得する故障情報の一例を示す図。
図4】実施形態の位置情報算出装置のハードウェア構成の一例を示す図。
図5】実施形態の位置情報算出装置の機能構成の一例を示す図。
図6】実施形態の位置情報算出装置と通信する端末の機能構成の一例を示す図。
図7】実施形態の位置情報算出装置が取得する認証情報の一例を示す図。
図8】実施形態の位置情報算出装置が提供する位置情報の一例を示す図。
図9】実施形態の位置情報算出装置が提供するレポートの一例を示す図。
図10】実施形態の位置情報算出装置のレポート提供動作の一例を示すフローチャート。
図11】実施形態の位置情報算出装置のWebページ提供動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における位置情報算出装置、位置情報算出方法及び位置情報算出プログラムについて詳細に説明する。なお、以下に示す各図において、同一構成については同一の符号を付す。
【0019】
先ず、図1を用いて、実施形態の位置情報算出装置を含む位置情報算出システムの概要を説明する。
【0020】
図1において、位置情報算出システム1は、構造物の特定箇所の位置情報を算出するシステムである。位置情報算出システム1は、構造物として例示する太陽光パネル50の、故障箇所を特定した特定箇所の位置情報を算出する場合を示している。位置情報算出システム1は、位置情報算出装置10、端末20、故障情報報告装置30、撮影装置40を有する。
【0021】
撮影装置40は、カメラ41、及び位置情報検出装置42を有する。撮影装置40は、例えば、ドローン(無人航空機)である。撮影装置40は、太陽光パネル50の上方を移動して太陽光パネル50の故障等を調査する。撮影装置40は、例えば、遠隔操作によって、又は予め定められた移動経路を自律的に移動することによって、太陽光パネル50の上方を自由に移動できるものとする。撮影装置40は、ドローンに限定されるものではなく、例えばクレーン等であってもよい。
【0022】
カメラ41は、撮影装置40に取付けられて、太陽光パネル50を撮影する。カメラ41は、静止画又は動画を撮影する撮像デバイスを有する。カメラ41は、例えば、可視光による撮影、赤外光による撮影、紫外光による撮影等を行うものであってもよい。例えば太陽光パネルに異常が発生した場合、異常部分の温度が周辺の正常部分に比べて高くなる場合がある。
【0023】
位置情報検出装置42は、撮影装置40の位置情報を検出する。位置情報とは、例えば、緯度、経度、高度、方向等の情報である。緯度、経度及び高度の情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される信号を受信することにより検出することができる。高度の情報は、気圧を検出することにより検出してもよい。
【0024】
方向とは、カメラ41の撮影方向である。本実施形態では、カメラ41で撮影された画像の中心は、位置情報検出装置42で検出された方向と一致しているものとする。方向には、方位角度(方位角)と仰俯角を含む。方位角度は、水平方向における基準方向からの回転角度である。基準方向とは、例えば、磁来又は真北である。方位角度は、地磁気を検知するコンパスによって検出することができる。また、仰俯角は、水平方向からの上下方向の角度である。本実施形態では、カメラ41は、太陽光パネル50を上方から下向きに撮影するものであるため、俯角を用いる。方位角度と俯角を検出することにより、カメラ41の撮影方向を検出することができる。なお、本実施形態では、撮影装置40がドローン等である場合を前提に俯角を検出する場合を説明するが、例えば、水平器等によって撮影時に水平方向が保たれている場合、俯角は常に90°となるため、検出の必要はない。
【0025】
撮影装置40は、カメラ41によって撮影された撮影画像と、位置情報検出装置42によって検出された位置情報を、無線又は有線で故障情報報告装置30に送信する。撮影装置40は、例えば、故障情報報告装置30からの撮影指示に応じて撮影画像及び位置情報を送信するようにしてもよい。なお、撮影画像と位置情報は常に対応付けられている。位置情報は、例えば、撮影画像のファイルフォーマットに従った付随情報として記録されてもよい。
【0026】
故障情報報告装置30は、撮影装置40から取得した撮影画像と位置情報を含む太陽光パネル50の故障情報を、位置情報算出装置10に送信する。故障情報報告装置30は、故障情報として、撮影画像と位置情報以外の情報を位置情報算出装置10に送信してもよい。例えば、故障情報報告装置30は、太陽光パネル50の故障に関する自由コメントや、選択可能なコメントを追加して送信するようにしてもよい。故障に関するコメントとは、例えば、太陽光パネルの故障位置を示す列番号やモジュール番号、故障の程度、修理の緊急性等である。故障情報報告装置30は、例えば、太陽光パネル50の発電状況、故障調査の作業者名、日時等の情報を送信してもよい。
【0027】
位置情報算出装置10は、故障情報報告装置30から取得した撮影画像と位置情報に基づき、太陽光パネル50の故障箇所の位置情報を算出する。故障箇所の算出方法の詳細は、図2等を用いて後述する。位置情報算出装置10は、太陽光パネル50の故障に関するレポートを作成して端末20等に提供する。レポートには、カメラ41で撮影された故障箇所の撮影画像や、算出した故障箇所の位置情報を取得するためのアクセス情報を含んでいてもよい。位置情報算出装置10は、例えば、地図データに故障箇所を示す情報を重畳して、ブラウザから閲覧可能なWeb画面を生成する。位置情報算出装置10は、端末20からのアクセス要求に対してアクセス権限を有する者であるか否かを認証し、認証OKである場合、生成したWeb画面を端末20から閲覧可能に提供する。位置情報算出装置10は、端末20から、例えば、故障箇所の修理結果等を取得するようにしてもよい。
【0028】
端末20は、位置情報算出装置10が生成したWeb画面に基づき、故障箇所の位置情報を取得する。端末20は、GPS衛星からの信号に基づき、Web画面に端末20の現在位置を表示する。端末20は、故障箇所の位置情報と現在位置に基づき、太陽光パネル50の故障箇所を容易に特定することができる。端末20は、太陽光パネル50の修理記録を位置情報算出装置10に記録してもよい。
【0029】
なお、図1では、位置情報算出システム1は、位置情報算出装置10、端末20、故障情報報告装置30、及び撮影装置40をそれぞれ1台有する場合を示した。しかし、位置情報算出システム1の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、位置情報算出システム1は、位置情報算出装置10、端末20、故障情報報告装置30、又は撮影装置40が2台以上含まれるものであってもよい。例えば、複数の太陽光発電所において、それぞれ撮影装置40によって故障調査が行われるものであってもよい。また、複数の作業者がそれぞれ端末20を所持して、故障箇所の位置情報を取得するようにしてもよい。
【0030】
また、撮影装置40は、1台のカメラを有する場合を示したが、撮影装置40は、例えば、2台のカメラ(ステレオカメラ)を有するものであってもよい。また、位置情報算出装置10は、複数の撮影装置40で異なる方向から撮影された撮影画像を取得してもよい。
【0031】
また、位置情報算出システム1は、太陽光パネルの位置情報を算出する以外に、例えば、道路、線路、橋梁、建物、ダム等の位置情報を算出するものであってもよい。
【0032】
次に、図2を用いて、実施形態の位置情報算出装置10が取得する撮影データを説明する。図2は、撮影装置40において撮影されて、位置情報算出装置10において取得される撮影データの撮影状況を示している。
【0033】
図2(A)は、撮影装置40の上面図である。撮影装置40は、4機のプロペラ43とプロペラ43同士を連結する本体44とを有している。本体44の上部には、位置情報検出装置42を有している。また、図示しない下面には、カメラ41を有している。
【0034】
位置情報検出装置42は、GPS衛星からの電波を受信して、緯度、経度、及び高さの情報(x、y、h)を検出する。なお、高さhの情報は、GPSから得られる標高の情報から、太陽光パネル50が設置されている地点の標高を引いた値である。
【0035】
<方位角度AZ>
図2(A)図示した方向n1は、カメラ41で撮影される撮影画像の見かけ上の上方向を示している。また、方向n0は、真北を示している。方向n0と方向n1によって作られる角度が方位角度AZである。方位角度AZが0°の場合、撮影画像の上方向が真北となる。一方、方位角度AZが180°の場合、撮影画像の下方向が真北となる。方位角度AZは0°〜360°又は−180°〜+180°として検出される。
【0036】
<俯角AL>
図2(B)図示した方向m1は、カメラ41で撮影される画像の中心位置の方向を示している。また、方向m0は、水平方向を示している。方向m0と方向m1によって作られる角度が俯角ALである。俯角ALが90°の場合、撮影画像の中心は、真下となる。一方、俯角ALが0°の場合、撮影画像の中心が水平方向となる。俯角ALは0°〜90°として検出される。なお、撮影装置40が常に水平を保っている場合、俯角の検出は不要となる。
【0037】
<距離d>
カメラ41から故障箇所TGまでの距離dは、位置情報検出装置42が検出した高さhと俯角ALによって、d=h/cos(AL)として算出することができる。高さhは、GPSから検知された撮影高度から、太陽光パネルの標高を差し引いた数値となる。
【0038】
<比率r>
カメラ41の視野角が固定である場合、カメラから目的箇所までの距離応じて撮影画像の2次元距離が変化する。例えば、予め距離が分かっているd0[m]において略水平方向の太陽光パネル1辺の撮影画像上の長さがa0[cm]であったとする。撮影時の距離がd1である場合の撮影画像上に長さをa1とすると、比率rは次式で一定値となる。
比率r=a1/a0=d1/d0
【0039】
すなわち、撮影時の撮影高度が判れば、高さhと距離dが判り、さらに比率rが固定であるため、撮影画像上の2次元の距離から実際の距離を算出することができる。
【0040】
次に、図3を用いて、実施形態の位置情報算出装置10が取得する故障情報を説明する。故障情報は、故障情報報告装置30から位置情報算出装置10に提供される太陽光パネル50の故障に関する情報である。
【0041】
図3において、故障情報は、「撮影緯度」、「撮影経度」、「撮影高度」、「AZ」、「AL」、「故障情報」、及び「故障写真データ」を含む。「撮影緯度」、「撮影経度」、「撮影高度」、「AZ」及び「AL」は、位置情報検出装置42によって検出されたデータである。「故障情報」は、太陽光パネル50の故障調査を実施した作業者によって入力されたコメントである。「故障写真データ」は、カメラ41によって撮影された撮影画像のバイナリーデータである。
【0042】
なお、図3は、1件の故障情報を提供する場合を示したが、例えば、複数件の故障情報を合せて提供するようにしてもよい。例えば、故障情報を定期的に提供する場合、所定期間内に発生した故障をまとめて提供する。
【0043】
次に、図4を用いて、実施形態の位置情報算出装置10のハードウェア構成を説明する。
【0044】
図4において、位置情報算出装置10は、CPU11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、HDD14、操作部15、表示部16、及び通信I/F17を有する。
【0045】
位置情報算出装置10には、デスクトップ型PC、サーバ装置等の汎用のコンピュータを用いることができる。また、位置情報算出装置10には、位置情報算出専用の制御装置、又はPLC(Programmable Logic Controller)等の産業用制御機器を用いてもよい。位置情報算出装置10は、後述する位置情報算出プログラムを実行することができる。
【0046】
CPU11は、RAM12、ROM13又はHDD14に記憶された位置情報算出プログラムを実行することにより、位置情報算出装置10の制御を行う。位置情報算出プログラムは、例えば、位置情報算出プログラムを記録した記録媒体、又はネットワークを介してプログラムを提供するサーバ等から取得されて、HDD14にインストールされ、RAM12にCPU11から読出し可能に記憶される。
【0047】
操作部15は、位置情報算出装置10のオペレータによる操作入力を可能にする、例えば、キーボード、マウス、又はスイッチ等である。表示部16は、オペレータに情報を表示する表示機能を有する、例えば、液晶ディスプレイ、又はランプ等である。なお、操作部15及び表示部16は、操作表示機能を有する、例えばタッチパネル等であってもよい。
【0048】
通信I/F17は、無線LAN通信、有線LAN通信、赤外線通信、近距離無線通信等を介して他の装置との通信を制御する。通信I/F17は、ネットワーク9を介して、端末20、故障情報報告装置30、又はクラウドサーバ90との通信を制御する。ここで、クラウドサーバ90は、例えば、位置情報算出装置10で保持するデータの一部を保持したり、位置情報算出装置10の機能の一部を実行するものであってもよい。
【0049】
次に、図5を用いて、実施形態の位置情報算出装置の機能構成を説明する。
【0050】
図5において、位置情報算出装置10は、地図データ保持部101、情報取得部102、位置情報算出部103、位置情報保持部104、アクセス情報生成部105、地図データ管理部106、構造物データ管理部107、レポート生成部108、認証データ保持部109、アクセス認証部110、情報提供部111、及び通信部114の各機能を有する。情報提供部111は、位置情報重畳部112、及び表示画面生成部113を有する。
【0051】
位置情報算出装置10の上記各機能は、位置情報算出装置10を制御する位置情報算出プログラム(ソフトウェア)によって実現される機能モジュールである。位置情報算出プログラムは、CPU101で実行される。
【0052】
地図データ保持部101は、構造物としての太陽光パネル50の位置情報を含んだ地図データを保持する。地図データは、例えば、地形図、航空写真、構造物の図面等である。地形図、航空写真、構造物の図面は、それぞれ重畳して1つの地図データとしてもよい。地図データには、緯度情報及び経度情報の位置情報を含む。地図データの位置情報には標高情報を含んでいてもよい。地図データは、2D又は3Dで表現された地図である。地図データには、構造物が配置又は形状が含まれている。例えば、地図データは、太陽光パネル50のパネル配置と、それぞれのパネルの位置情報が含まれている。地図データは、縮尺を変更することにより、構造物の表示を拡大したり縮小したりすることができる。なお、建物の壁面や橋梁等、高さ方向に大きさを持つ構造物については、高さ方向の位置情報を有するものとする。地図データに用いる航空写真は、例えば、可視光又は赤外光で撮影されたものである。航空写真は、紫外光で撮影されたものであってもよい。地図データは、地図データ管理部106が、追加、更新又は削除することによって、最新の状態を端付様にしてもよい。なお、図面データは、ベクタデータをラスタライズしたものであってもよい。
【0053】
情報取得部102は、撮影機材で構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する。本実施形態では、情報取得部102は、カメラ41で太陽光パネル50の故障箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、カメラ41の位置情報とを含む撮影データを取得する。情報取得部102は、例えば、故障情報報告装置30からの送信要求を受けて、故障情報報告装置30からの送信データを受信する。また、情報取得部102は、図示しないメールサーバからメールを受信することによって撮影情報を取得するようにしてもよい。また、情報取得部102は、故障情報報告装置30に対して故障情報の有無を問い合わせて、故障情報があった場合に取得するようにしてもよい。情報取得部102は、取得した撮影データを位置情報算出部103に提供する。
【0054】
位置情報算出部103は、地図データ保持部101において保持された地図データと、情報取得部102において取得された撮影データとに基づき、特定箇所の位置情報を示す算出する。位置情報算出部103は、先ず、カメラ41による撮影画像の撮影位置から故障箇所までの距離(撮影距離)を算出する。位置情報算出部103は、算出した撮影位置から故障箇所までの距離と、撮影画像における中心点と特定箇所の距離に基づき、撮影画像の中心点の実際の場所から故障箇所までの実際の距離を算出することができる。距離と方位角度が判れば、故障箇所の位置情報を算出することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、位置情報算出部103は、撮影距離から故障箇所の位置を算出する場合を示したが、例えば、撮影画像と地図情報とのパターンマッチングを行うことにより、撮影画像の中心点の場所から故障箇所までの実際の距離を算出することができる。これにより、例えば、カメラ41が焦点距離を可変とする場合であっても、故障箇所の位置情報を算出することが可能となる。
【0056】
なお、カメラレンズにおいては、レンズ周辺部において画像の歪が発生しやすいため、撮影画像における中心点と故障箇所の距離の算出には、なるべく中心点に近い位置で故障箇所との距離を測定するようにした方がよい。位置情報算出部103は、算出した位置情報を位置情報保持部104で保持する。
【0057】
位置情報保持部104は、位置情報を端末20から取得可能に保持している。位置情報保持部104は、例えばHDD14によって実現することができる。
【0058】
アクセス情報生成部105は、位置情報保持部104に保持された故障箇所の位置情報へアクセスするためのアクセス情報を生成する。アクセス情報とは、例えば、位置情報保持部104のアドレスを表す、2次元コードである。アクセス情報は、非接触カードに提供する所定のコードであってもよい。また、アクセス情報は、位置情報保持部104へアクセスするための所定のIDであってもよい。アクセス情報生成部105は、例えば、利用時間が制限されたアクセス情報を生成するものであってもよい。また、アクセス情報生成部105は、アクセス回数やアクセスする端末を制限するアクセス情報を生成するものであってもよい。
【0059】
地図データ管理部106は、地図データの追加、削除又は更新を行う。地図データ管理部106は、例えば、地図データを提供するクラウドサーバ90から最新の地図データを取得して地図データを更新する。一般的な航空写真を用いた地図データは、例えば更新が数年に1度である場合がある。地図データ管理部106は、構造物の写真や図面を限定して取得することにより、地図データを最新の状態にすることができる。
【0060】
構造物データ管理部107は、構造物に関する情報を管理する。例えば、構造物データ管理部107は、太陽光パネル50の故障履歴、修理履歴、耐用年数、定期点検の情報、型式等の情報を管理する。構造物データ管理部107は、端末20から修理報告を受信することにより、修理履歴を更新する。構造物データ管理部107は、管理している情報を出力するものであってもよい。
【0061】
レポート生成部108は、レポートを生成する。レポート生成部108は、太陽光パネル50の故障に関するレポートを作成して端末20等に提供する。レポートには、カメラ41で撮影された故障箇所の撮影画像や、算出した故障箇所の位置情報を取得するためのアクセス情報を含んでいてもよい。レポート生成部108は、レポートを印字データ、Web画面に表示可能なデータ、又は所定のファイルフォーマットとして生成するようにしてもよい。レポート生成部108は、生成したレポートを端末20に提供してもよい。レポートには、アクセス情報生成部105において生成されたアクセス情報を含ませることができる。
【0062】
認証データ保持部109は、アクセス認証部で使用する認証データを保持する。認証データは、例えば、アクセスIDとパスワードを含む認証データを保持する。認証データ保持部109は、生体認証をするための認証データを保持してもよい。
【0063】
アクセス認証部110は、アクセス情報生成部105において生成されたアクセス情報に基づくアクセス要求を認証する。例えば、アクセス認証部110は、悪背う要求をしてきた端末20に対して認証情報の入力を要求する。アクセス認証部110は、入力されたアクセス情報と認証データ保持部109に保持された認証データとを比較して、アクセスを認証する。アクセス認証部110は、例えば利用時間が制限されたパスワードに基づきアクセスを認証するようにしてもよい。
【0064】
情報提供部111は、アクセス情報生成部105において生成されたアクセス情報に基づくアクセス要求に応じて、位置情報保持部104において保持された特定箇所の位置情報を提供する。
【0065】
また、情報提供部111は、アクセス認証部110において認証されたアクセス要求に応じて、提供する特定箇所の位置情報を変更する。例えば、情報提供部111は、利用者毎に異なる情報を提供するようにしてもよい。例えば、利用者が、太陽光パネル50の管理者であった場合、情報提供部111は、全ての情報を提供する。一方、利用者が、太陽光パネル50の修理作業者であった場合、情報提供部111は、修理に必要な情報のみを提供するようにしてもよい。
【0066】
また、情報提供部111は、構造物の位置情報と外部装置の現在位置とを表示可能な表示画面の情報を提供する。例えば、情報提供部111は、端末20が現在位置を表示するためのアプリケーションとして表示画面を提供する。アプリケーションは端末20のGPS機能(位置情報取得部)を利用して、太陽光パネル50の故障箇所と端末20の現在位置とを表示することにより、故障箇所への到達を容易にする。
【0067】
また、情報提供部111の位置情報重畳部112は、太陽光パネルの故障箇所に位置情報を地図データに重畳して提供する。位置情報は、地図データの上に所定のアイコンで表示されてもよい。
【0068】
また、情報提供部111の表示画面生成部113は、端末20に表示する表示画面を生成する。表示画面生成部113は、例えば、端末20のブラウザで表示可能なWeb画面を生成する。情報提供部111は、表示する地図データとして、可視光又は赤外光の少なくとも何れか一方で撮影された画像データを提供することができる。また、情報提供部111は、構造物の図面データを地図データとして提供するようにしてもよい。
【0069】
なお、位置情報重畳部112において重畳される位置情報は、地図データに位置情報が示された画像データとして表示されてもよい。また、重畳される位置情報は、端末20側で地図データに重ねることができるものであってもよい。位置情報を端末20側で地図データに重畳する場合、端末20は、情報提供部111から提供される地図データの代わりに別の地図データを選択して、故障箇所の位置情報を表示することができる。別の地図データは、例えば、クラウドサーバ90が提供するWebサービスによって利用することができる。
【0070】
通信部114は、ネットワーク9を介した端末20等との通信を制御する。通信部114は、例えば、SSL(Secure Socket Layer)等の暗号化通信を制御するものであってもよい。
【0071】
なお、図5においては、位置情報算出装置10が有する、地図データ保持部101、情報取得部102、位置情報算出部103、位置情報保持部104、アクセス情報生成部105、地図データ管理部106、構造物データ管理部107、レポート生成部108、認証データ保持部109、アクセス認証部110、情報提供部111、位置情報重畳部112、表示画面生成部113及び通信部114の各機能がソフトウェアによって実現される場合を説明した。しかし、位置情報算出装置10が有する上記1つ以上の機能は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0072】
また、位置情報算出装置10が有する上記各機能は、1つの機能を複数の機能に分割して実施してもよい。また、位置情報算出装置10が有する上記各機能は、2つ以上の機能を1つの機能に集約して実施してもよい。
【0073】
また、位置情報算出装置10は、1つの筐体によって実現される装置であっても、ネットワーク等を介して接続された複数の装置から実現されるシステムであってもよい。例えば、位置情報算出装置10は、サーバ装置、ノート型PC、タブレット型PC、PDA、又はスマートフォン等の装置であってもよく、クラウドコンピューティングシステムによって提供されるクラウドサービス等、仮想的な装置であってもよい。
【0074】
また、位置情報算出装置10の上記各機能の1以上の機能を他の装置において実現するようにしてもよい。すなわち、位置情報算出装置10は上記全ての機能を有している必要はなく、一部の機能を有するものであってもよい。
【0075】
次に、図6を用いて、実施形態の位置情報算出装置10と通信する端末20の機能構成を説明する。
【0076】
端末20は、例えば、ノート型PC、タブレット型PC、PDA、又はスマートフォン等の装置であって、位置情報算出装置10から取得した故障箇所の位置情報を表示することができるものである。
【0077】
端末20は、通信部201、表示部202、位置情報取得部203、及び位置情報処理部204の各機能を有する。
【0078】
通信部201は、位置情報算出装置10との通信を制御する。表示部202は、位置情報算出装置10から提供されるWeb画面等の表示画面を表示する。位置情報取得部203は、GPS衛星の電波に基づき、自装置の位置情報を取得する。位置情報処理部204は、位置情報算出装置10から取得した、太陽光パネル50の位置情報が含まれる表示画面に、位置情報取得部203において取得された自装置の位置情報を表示する。位置情報処理部204は、自装置の位置情報を利用した故障箇所までの経路をナビゲートするものであってもよい。
【0079】
なお、端末20は、図6に示した機能を全て備えている必要はない。例えば、端末20は、地図を表示する代わりに、太陽光パネル50の故障箇所の方向と距離を示すものであってもよい。
【0080】
次に、図7を用いて、実施形態の位置情報算出装置が取得する認証情報を説明する。
【0081】
認証情報は、認証データ保持部109に保持される。図7において、認証データは、「契約企業情報」、「アクセスID」、「パスワード」、及び「名前」のデータを含む。これらの情報は、端末20が位置情報算出装置10から位置情報を取得するときに、入力が要求される。位置情報算出装置10のアクセス認証部110は、入力された情報と、認証データ保持部109に保持されている認証データとを比較することにより、アクセスを認証する。
【0082】
次に、図8を用いて、実施形態の位置情報算出装置10が提供する位置情報を説明する。
【0083】
位置情報算出装置10が提供する位置情報は、「中心位置の緯度」、「中心位置の経度」、及び「画像ファイル」である。表示画面生成部113は、地図データの中で所定の中心位置を有する画像を生成する。地図データは、データ容量が大きく、不必要な部分を含む場合がある。表示画面生成部113は、故障箇所に到達するのに最適な地図データの部分を表示画面として生成する。中心位置は、例えば故障箇所の位置とすることができる。端末20は、画像ファイルと位置情報に基づき、故障箇所の位置を表示することができる。
【0084】
次に、図9を用いて、実施形態の位置情報算出装置が提供するレポートを説明する。
【0085】
図9(A)は、レポート生成部108が作成した、太陽光パネル50の故障に関するレポートである。レポート生成部108は、例えば、印刷データ又は表示データとしてレポートを作成する。レポート生成部108は、レポートの右上部分に、アクセス情報生成部105において生成された2次元コードを含めることができる。2次元コードは、このレポートに記載されている太陽光パネルの故障箇所の位置情報にアクセスするための情報である。
【0086】
図9(B)において、端末20は、レポートの2次元コードを読み取る。2次元コードには、故障箇所の位置情報にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。
【0087】
図9(C)において、端末20は、URLのリンク先にアクセスして、Web画面を表示する。Web画面には、太陽光パネルの配置を示した地図と、丸印で示された太陽光パネルの故障箇所が表示されている。
【0088】
図9(D)において、端末20は、GPSから受信した電波に基づき、自装置の位置を画面に表示する。これにより、端末20を所持する作業者は、故障箇所までの経路を容易に把握することができる。
【0089】
次に、図10を用いて、実施形態の位置情報算出装置10のレポート提供動作を説明する。なお、それぞれのステップにおける動作の詳細は既に説明しているため、説明を省略している。
【0090】
位置情報算出装置10は、故障情報を取得したか否かを判断する(ステップS11)。故障情報は、故障情報報告装置30から受信することができる。故障情報を取得していないと判断した場合(ステップS11:NO)、位置情報算出装置10は、ステップS11の処理を繰り返し、故障情報の取得を待機する。
【0091】
一方、故障情報を取得したと判断した場合(ステップS11:YES)、位置情報算出装置10は、故障情報を記録する(ステップS12)。故障情報の記録は、例えばHDD14等にすることができる。
【0092】
ステップS12の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、高さを算出する(ステップS13)。高さの算出は、撮影高度から太陽光パネルの標高を差し引くことで実行することができる。
【0093】
ステップS13の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、撮影距離を算出する(ステップS14)。撮影距離は高さと俯角によって算出することができる。
【0094】
ステップS14の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、画像内距離を算出する(ステップS15)。画像内距離の算出は、撮影画像内において、中心位置と故障箇所の距離に基づき算出することができる。
【0095】
ステップS15の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、位置情報を算出する(ステップS16)。位置情報の算出は、方位角度と実際の距離に基づき算出することができる。
【0096】
ステップS16の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、位置情報を保持する(ステップS17)。位置情報は、例えば、位置情報保持部104に保持することができる。
【0097】
ステップS17の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、地図データへ位置情報を重畳する(ステップS18)。ステップS18の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、Webページを生成する(ステップS19)。ステップS19の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、アクセス情報を生成する(ステップS20)。ステップS20の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、レポートを生成する(ステップS21)。ステップS21の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、生成したレポートを提供する(ステップS22)。ステップS22の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、フローチャートで示した処理を終了する。
【0098】
本実施形態では、ステップS11〜ステップS23までの処理が連続して実行される。
【0099】
次に、図11を用いて、実施形態の位置情報算出装置のWebページ提供動作を説明する。
【0100】
位置情報算出装置10は、アクセス要求があるか否かを判断する(ステップS21)。アクセス要求は、端末20から受信することができる。アクセス要求がないと判断した場合(ステップS21:NO)、位置情報算出装置10は、ステップS21の処理を繰り返し、アクセス要求の受信を待機する。
【0101】
一方、アクセス要求があると判断した場合(ステップS21:YES)、位置情報算出装置10は、端末20に対して認証情報を要求する(ステップS22)。ステップS22の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、認証情報の取得があるか否かを判断する(ステップS23)。認証情報の取得は、端末20から受信する。認証情報の取得がないと判断した場合(ステップS23:NO)、位置情報算出装置10は、ステップS23の処理を繰り返し、認証情報の取得を待機する。なお、所定時間以上認証情報を取得できない場合、位置情報算出装置10は、処理を中止するようにしてもよい。
【0102】
一方、認証情報の取得があると判断した場合(ステップS23:YES)、位置情報算出装置10は、認証が成功したか否かを判断する(ステップS24)。認証が成功しなかったと判断した場合(ステップS24:NO)、位置情報算出装置10は、ステップS22の処理に戻り、再び認証情報を要求する。
【0103】
一方、認証が成功したと判断した場合(ステップS24:YES)、位置情報算出装置10は、端末20に対して、故障箇所の位置情報を含むWebページを提供する(ステップS25)。ステップS25の処理を実行した後、位置情報算出装置10は、フローチャートで示した処理を終了する。
【0104】
以上、説明した、実施形態の位置情報算出装置は、構造物の位置情報を含んだ地図データを保持する地図データ保持部と、撮影機材で前記構造物の特定箇所を撮影したときの、撮影画像のデータと、撮影機材の撮影位置の情報と含む撮影データを取得する情報取得部と、保持された地図データと、取得された撮影データとに基づき、特定箇所の位置情報を示す算出する位置情報算出部とを備えることにより、構造物の特定箇所の位置情報を容易に取得可能にすることができる。
【0105】
なお、本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0106】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0107】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1…位置情報算出システム、10…位置情報算出装置、20…端末、30…故障情報報告装置、40…撮影装置、41…カメラ、42…位置情報検出装置、101…地図データ保持部、102…情報取得部、103…位置情報算出部、104…位置情報保持部、105…アクセス情報生成部、106…地図データ管理部、107…構造物データ管理部、108…レポート生成部、109…認証データ保持部、110…アクセス認証部、111…情報提供部、112…位置情報重畳部、113…表示画面生成部、114…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11