特許第6413052号(P6413052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6413052
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/14 20060101AFI20181015BHJP
【FI】
   G02C5/14
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-107464(P2018-107464)
(22)【出願日】2018年6月5日
【審査請求日】2018年6月5日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599138054
【氏名又は名称】寺川 英太郎
(72)【発明者】
【氏名】寺川 英太郎
【審査官】 小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6343744(JP,B1)
【文献】 実開昭56−161615(JP,U)
【文献】 中国実用新案第205643909(CN,U)
【文献】 実開昭54−179737(JP,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2013−0005335(KR,U)
【文献】 特許第6122229(JP,B1)
【文献】 特開2008−020678(JP,A)
【文献】 実開昭60−033323(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/080773(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のフレームから下方に設けられた、もみあげを押える下前押え部に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を備え、前記突起部6の表面には、該突起部6間に分け入った髪を保持するラバー材20が設けられている眼鏡。
【請求項2】
前記下前押え部が、眼鏡のフレームに対し、連結部を介して、着脱自在である請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
眼鏡の少なくとも一本のモダンに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を設けた請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記下前押え部が、もみあげに沿って棒状に又は、櫛状に又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材である請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記下前押え部は、前記フレームに対して姿勢変更に又は、もみあげの凹部に嵌るように変形する可塑性を有する部材で形成されている請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記モダンは、前記フレームに対して、上下方向に角度変更可能に結合されている請求項3に記載の眼鏡。
【請求項7】
前記下前押え部は、前記フレームに対して、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されている請求項1又は2又は5に記載の眼鏡。
【請求項8】
前記連結部には、さらに、左右の前記連結部を架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部が着脱自在に設けられている請求項2に記載の眼鏡。
【請求項9】
前記突起部及び前記下前押え部の材質がエラストマーからなる請求項1又は2又は4又は5又は7の何れかに記載の眼鏡。
【請求項10】
前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられている請求項1から9の何れかに記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンプルな、頭髪に入り込み地肌に接して保持され、装着感が良く、着脱が容易な眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡はモダンを耳の耳介側頭溝に掛けて、鼻パッドを使用して装着しているので、レンズ部に取り付けた鼻パッドは、鼻に負担をかけている。近年、この鼻パッドを取り外した眼鏡が考案されている。この眼鏡を保持するために、保持部をこめかみや頬や頬骨弓部上に当接させて挟持しているが、これらは保持部だけで眼鏡を保持することはできない。また、こめかみや頬に当接した部分は変色して跡が残る。これらの方法で眼鏡を保持することを継続させるための構造には、さらなる改良を必要とする。
【0003】
この問題に対しては、特許文献1は、頬骨の凹み部分を押えるべく、眼鏡フレームのテンプル2の内側を突起させる構造であり、左右頬骨の後上の凹み部分にテンプル2の突起部分3aにソフトなラバー部材を使用して、皮膚が滑りにくくしている。しかし、顔の皺や弛みを伸ばすためであり、鼻パッドを取り外すことはできず、鼻への負担はなくせない。
【0004】
特許文献2は、左右のテンプルに頭側面の頬骨弓ないしその周辺一に接触係止させる舌状接触体を装着した構成である。しかし、頬骨の凹み部分は頭髪が密集しており、髪の毛は細くキューティクルにより滑りやすくクッションの役割をしている。そして、舌状接触体7は平面であり、人が普通に動作した場合や汗をかいた場合には、移動して作用効果は期待するほどなく眼鏡を保持できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−257525号公報
【特許文献2】実願昭56−161615号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
眼鏡は、レンズや機器の重量が鼻や顔の柔らかい皮膚面を押圧し、鼻パッドや眼鏡の保持部が当接した部分は変色して跡が残る。また、眼鏡の保持部が外観から目立つ顔面や頭髪上にあり、そうした製品を長期間装着することが問題であることは変わらない。本発明は、こうした問題を解決しようとするもので、眼鏡の鼻や耳や顔への負担を軽減させ、デザイン性を良くするために、眼鏡の保持部を外観から目立ち難い側頭部に設けている。シンプルな通気性の良い形状である。保持部が髪の間に分け入って地肌に接して確実に眼鏡を固定する。そして、着脱が容易であって装着感が良く、安定して長期間装着できる眼鏡を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の眼鏡は、眼鏡のフレームから下方に設けられた、もみあげを押える下前押え部に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を備え、前記突起部の表面には、該突起部間に分け入った髪を保持するラバー材が設けられている眼鏡。
【0008】
第2発明の眼鏡は、第1発明において、前記下前押え部が、眼鏡のフレームに対し、連結部を介して、着脱自在であることを特徴とする。
【0009】
第3発明の眼鏡は、第1又は2発明において、眼鏡の少なくとも一本のモダンに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を設けたことを特徴とする。
【0010】
第4発明の眼鏡は、第1又は2発明において、前記下前押え部が、もみあげに沿って棒状に又は、櫛状に又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材であることを特徴とする。
【0011】
「第5発明の眼鏡は、第1又は2発明において、」
【0012】
「第6発明の眼鏡は、第3発明において、」
【0013】
第7発明の眼鏡は、第1又は2又は5又は6発明において、前記下前押え部は、前記フレームに対して、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されていることを特徴とする。
【0014】
「第8発明の眼鏡は、第3発明において、」の第2発明を削除した根拠と、「前記連結部には、さらに、左右の前記連結部を架橋して、」
【0015】
「第9発明の眼鏡は、第1又は2又は4又は5又は7発明の何れかにおいて、前記突起部及び前記下前押え部の材質がエラストマーからなる」
【0016】
第10発明の眼鏡は、第1から第9発明の何れかにおいて、前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1発明の眼鏡によれば、眼鏡のフレームから下方に設けられた、もみあげを押える下前押え部に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を備え、前記突起部の表面には、該突起部間に分け入った髪を保持するラバー材が設けられているので、テンプルとモダンと下前押え部が一体化したシンプルな構造であり、製造は極めて容易である。
【0018】
第2発明によれば、前記下前押え部が、眼鏡のフレームに対し、連結部を介して、着脱自在であるので、様々な形状の眼鏡のテンプルに取り付けることができる。また、前記下前押え部を前後方向に移動させることにより、レンズと目との間を示す角膜頂点間距離12mmの調整が可能である。
【0019】
第3発明によれば、眼鏡の少なくとも一本のモダンに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を設けたので、回転モーメントを阻止できる。
【0020】
第4発明によれば、前記下前押え部が、もみあげに沿って棒状に又は、櫛状に又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材であるので、もみあげの凹部に嵌り込み、地肌に接する長さにした複数の突起部に隙間を設けることにより、挟持力が分散されて当接する痛さは緩和され装着感の良い眼鏡となる。
【0021】
第5発明によれば、前記下前押え部は、前記フレームに対して姿勢変更に又は、もみあげの凹部に嵌るように変形する可塑性を有する部材で形成されているので、もみあげの凹部に確実に嵌るように調整できる。
【0022】
第6発明によれば、前記下前押え部及び又は、前記モダンは、前記フレームに対して、上下方向に角度変更可能に結合されているので、レンズの高さ調整が可能である。また、レンズを上方に退避させることができる
【0023】
第7発明によれば、前記下前押え部は、前記フレームに対して、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されているので、前記下前押え部を装着感の良い適宜の挟持力と位置に調整できる。
【0024】
第8発明によれば、前記連結部又は前記モダンには、さらに、左右の前記連結部又は前記モダンを架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部が着脱自在に設けられているので、側頭挟持部の取り付け角度を変更して、適宜の位置で固定することにより、重い眼鏡や機器を取り付けた眼鏡を保持できる。
【0025】
第9発明によれば、前記連結部及び前記突起部及び前記下前押え部及び前記側頭挟持部の材質がエラストマーからなることにより、軽量で柔軟性を有しているので、様々な装着者の側頭部の形状に対応して、フィットさせることができる。
【0026】
第10発明によれば、前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられているので、眼鏡をかけた時にそれらの機器を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1発明の実施例を示す斜視図、側面図である。
図2】第1発明の実施例を示す側面図、斜視図、上面図である。
図3】第2発明の実施例を示す側面図である。
図4】第3発明の実施例を示す斜視図、側面図である。
図5】第4発明の実施例を示す斜視図、側面図である。
図6】第5発明の実施例を示す側面図、正面図である。
図7】第6発明の実施例を示す側面図である。
図8】第7発明の実施例を示す側面図、底面図、上面図である。
図9】第8発明の実施例を示す側面図、正面図である。
図10】第10発明の実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る眼鏡の実施形態の例を、様々な眼鏡を例にして図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0029】
これらの図において、第1発明の眼鏡は、眼鏡のフレームから下方に設けられた、もみあげ1を押える下前押え部3に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を備え、前記突起部6の表面には、該突起部6間に分け入った髪を保持するラバー材20が設けられていることを特徴としている。
【0030】
眼鏡をかけた時、テンプル2から下方に設けた下前押え部3は、耳の前方の位置になる。モダン4は後頭部を挟持して従来のモダン4と同様の作用効果がある。下前押え部3の複数の突起部6が髪の間に分け入って、地肌に接して眼鏡を保持する作用効果があるので、確実に眼鏡を保持できる。側頭部には、髪の毛が生えているので、髪の毛の多い人は下前押え部3を隠すことができる。特に女性の場合、外観から眼鏡を保持している方法が見えないので、眼鏡だけがスッキリ見える。
【0031】
図2(a)は第1発明の下前押え部3の形状が円形であることを示す一実施例の側面図である。図2(b)は第1発明の下前押え部3の形状が方形であることを示す一実施例の側面図である。下前押え部3の形状は円形、方形など形状は限定しない。また、モダン4の形状も眼鏡のデザインに合わせ限定しない。
【0032】
図2(c)は第1発明の突起部6の形状を、高さ6mm、直径3mmの円柱にして、3mmの隙間を開けて円形状に設けたことを示す一実施例の斜視図である。図2(d)は楕円柱の突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図である。図2(e)は三角柱の突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図である。図2(f)は1mmのシャフト21の先端に突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図である。1mmのシャフト21の材質は、鉄、ステンレス、チタンなどの弾力性を有する材質が良い。図2(g)は第1発明の下前押え部3に設けた突起部6の形状を、先端を丸くした円錐体19にしたことを示す一実施例の斜視図である。先端が丸いので痛さは感じない。
【0033】
図2(h)は突起部6の先端にラバー材20を設けた下前押え部3を示す一実施例の上面図である。突起部6の先端部に設ける滑らない部材、粘着性の部材として、シリコン、ウレタン、アクリルなどのラバー材20を使用することで地肌への密着度が向上する。突起部6全体にラバー材20を設けた場合は、頭髪に接して摩擦力が増加して、眼鏡は固定される。また、突起部6には隙間を設けているので、通気性が良く地肌に汗をかいても蒸れを予防できる。突起部6が地肌に接しても髪の毛が緩衝材となり、接触痕が残ることはない。
【0034】
第1発明の眼鏡に取り付けた下前押え部3は、耳より外側に突出することなく、テンプル2と平行して取り付けたシンプルな形状である。眼鏡を着脱する時は、従来の眼鏡のかけ方と同様に、左右のテンプル2を持ち、少し外側に開けた状態で側頭部の地肌に沿わせながら、下前押え部3が頬骨弓部15上の凹部14に嵌る位置まで後方に押し込めば良い。髪の毛に絡むことはなく着脱は容易である。
【0035】
本発明で言う眼鏡は、老眼鏡、度付きメガネ、TV・映画用3Dメガネ、伊達メガネ、サングラス、スポーツサングラス、保護メガネ、拡大鏡を付けたメガネ、ライトを付けたメガネ、剣道用メガネ、手術用メガネ等である。
【0036】
以下の図では、第1発明の構成部分と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化し、第1発明と異なる部分の実施形態について説明する。
【実施例2】
【0037】
第2発明の眼鏡は、前記下前押え部3が、眼鏡のフレームに対し、連結部12を介して、着脱自在であることを特徴としている。
【0038】
図3(a)は下前押え部3の上部に、第2発明の連結部12を取り付けたことを示す一実施形態の側面図であり、連結部12の中心部に、テンプル2に嵌め込むための隙間を設け、締め付け用のネジ18を取り付けている。図3(b)は連結部12の隙間をテンプル2に嵌め込み、ネジ18を締め付けて、下前押え部3をテンプル2に固定したことを示す一実施形態の側面図である。連結部12をテンプル2に連結する形態は限定しない。そして、連結部12の形状を様々なテンプル2に連結、分離可能な形状にすることにより、下前押え部3をすべての眼鏡に取り付け可能になる。連結部12の取り付け位置を前後方向に調整することにより、下前押え部3の突起部6をもみあげ1の中の凹部14の適宜の位置に嵌め込むことができる。
【0039】
図3(c)は連結部12に設けたネジ18を、テンプル2に設けた軸穴にねじ込んだことを示す一実施形態の側面図である。図3(d)は連結部12にテンプル2の形状に合致した溝を設け、連結部12をテンプル2に嵌め込んだことを示す一実施形態の側面図である。めた、別の方法として、連結部12を直接テンプル2に接着する方法もある。
【実施例3】
【0040】
第3発明の眼鏡は、眼鏡の少なくとも一本のモダン4に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を設けたことを特徴としている。
【0041】
図4(a)は第3発明の楕円柱の突起部6を、プレート22上に設けたことを示す一実施形態の斜視図であり、周縁を丸くした横2mm×縦4mm×高さ5mmの楕円柱の突起部6を縦長にして3mmの隙間を開けて、プレート22上に並べたことを示す一実施例の斜視図である。図4(b)は楕円柱の突起部6を設けたプレート22を、モダン4に貼り付けたことを示す一実施例の側面図である。モダン4の形状に合致したプレート22に、突起部6を設けることにより、様々な眼鏡に対応できる。
【0042】
図4(c)は第1発明の楕円柱の突起部6を下前押え部3に設け、後方下方に伸びたモダン4を示す一実施形態の側面図であり、図4(d)は上下方向二股に分かれたプレート22上に突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図である。図4(e)は突起部6を上下方向二股に分かれたプレート22に設け、プレート22の下方のプレート22を一本のモダン4に、貼り付けたことを示す一実施例の側面図である。二本のプレート22の突起部6が地肌に接することにより、安定して眼鏡が保持できる。図4(f)は二本のモダン4に円柱の突起部6を取り付けたことを示す一実施例の側面図である。上下二段の突起部6により、保持力を増加させる作用効果がある。図4(g)は第3発明の楕円柱の突起部6を、モダン4に上下3段にして設けたことを示す一実施例の側面図である。保持力を増加させる作用効果があり、安定して眼鏡が保持できる。
【実施例4】
【0043】
第4発明の眼鏡は、前記下前押え部3が、もみあげ1に沿って棒状7に又は、櫛状8に又は、熊手状9に広がる部材、又は、もみあげ1を輪状10に押える部材であることを特徴としている。
【0044】
図5(a)は第4発明の下前押え部3が棒状7に形成され、突起部6がシャフト21の先端に取り付けられたことを示す一実施例の斜視図であり、棒状7に設けた1mmのシャフト21を使用することで隙間の間隔が広くなり、髪の毛が隙間に入り込み眼鏡が保持される。図5(b)は楕円柱に形成された突起部6が櫛状8に設けられたことを示す一実施例の斜視図であり、櫛状8に設けた突起部6を使用することで、地肌に接する突起部6の面が縦長となり、髪の毛の隙間に入り込み易く眼鏡が保持される。
【0045】
図5(c)は三角柱に形成された突起部6が櫛状8に設けられたことを示す一実施例の斜視図であり、三角柱の突起部6を使用することで、地肌に接する突起部6の面が縦長となり、三角柱の上部の間隔が狭くなるので、隙間に入った髪の毛により、下前押え部3はずり落ちずに保持される。図5(d)は第4発明の熊手状9の下前押え部3に突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図であり、熊手状9の隙間に髪の毛が入り易くしている。
【0046】
図5(e)は第4発明の下前押え部3が大中小三個の円形の輪状10で形成され、輪状10と同一幅の突起部6を取り付けたことを示す一実施例の側面図である。大中小の輪状10の間と突起部6の間の隙間によって、通気性の良い下前押え部3となる。図5(f)は方形の輪状10に設けた下前押え部31に長方柱の突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図である。被装着者のもみあげ1の凹部14に嵌る横長の下前押え部3であって、装着感は良く眼鏡を確実に保持できる。
【実施例5】
【0047】
第5発明の眼鏡は、前記下前押え部3は、前記フレームに対して姿勢変更に又は、もみあげ1の凹部7に嵌るように変形する可塑性を有する部材11で形成されていることを特徴としている。
【0048】
図6(a)は第5発明の下前押え部3に関節16を設け、フレームに対して下前押え部3が姿勢変更することを示す一実施例の側面図である。図6(b)は矢印が示すように、下前押え部3下方が内側に姿勢変更できることを示す一実施例の正面図である。下前押え部3の突起部6の先端が、確実に被装着者の凹部14に嵌るように調整が可能である。図6(c)は第5発明の下前押え部3に可塑性を有する部材11を設け、フレームに対して下前押え部3が変形することを示す一実施例の側面図である。図6(d)は矢印が示すように、下前押え部3が三次元的に内側に変形することを示す一実施例の正面図である。下前押え部3の突起部6の先端が、確実に被装着者の凹部14に嵌るように調整が可能である。
【実施例6】
【0049】
第6発明の眼鏡は、前記モダン4は、前記フレームに対して、上下方向に角度変更可能に結合されていることを特徴としている。
【0050】
図7(a)は第6発明の下前押え部3を角度変更可能にするために、連結部12に関節16を設け、上下方向に回動可能に取り付けたことを示す一実施例の側面図である。一定以上の力でテンプル2を動かして、微妙に上下に移動するレンズ部の位置を修正することが可能である。図7(b)は第6発明のモダン4を角度変更可能にするために、テンプル2の後端部に関節16を設け、上下方向に回動可能に取り付けたことを示す一実施例の側面図である。一定以上の力でテンプル2又はモダン4を動かして、微妙に上下に移動するレンズ部の高さを修正することが可能である。また、眼鏡を上方に回動させて前頭部上に退避させることもできる。
【0051】
図7(c)はテンプル2とモダン4と下前押え部3とを連結する位置に、角度変更可能にするために可塑性を有する部材11を設けたことを示す一実施例の側面図である。適宜の上下方向の角度及びねじれの修正が可能である。
【実施例7】
【0052】
第7発明の眼鏡は、前記下前押え部3は、前記フレームに対して、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されていることを特徴としている。
【0053】
図8(a)は第7発明の下前押え部3とテンプル2が連結する部分の二か所に関節16を設け、水平方向に回転可能にしたことを示す一実施形態の側面図であり、図8(b)は 図8(a)の底面図である。矢印が示すように、一定以上の力で下前押え部3を水平方向に動かして、側頭部の地肌に接する押し圧力を、適宜の強さに調整することが可能である。身体を激しく動かす時や仕事をしている時など、眼鏡の使用状況に応じて最適な押し圧に変更することで、長時間良好な装着感を維持することができる。
【0054】
図8(c)は第7発明の下前押え部3とテンプル2を連結する部分に可塑性を有する部材11を設け、水平方向に変更可能にしたことを示す一実施形態の上面図である。可塑性を有する部材11は下前押え部3を三次元的に動かくことができるので、図1(b)が示すように、下前押え部3を被装着者の頬骨弓部15上の凹部14の位置に正確に嵌まるように位置調整が可能となる。
【実施例8】
【0055】
第8発明の眼鏡は、前記連結部12には、さらに、左右の前記連結部12を架橋して、頭から顎17の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部13が着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【0056】
図9(a)は第8発明の側頭挟持部13−1〜5を連結部12に設けたことを示す一実施形態の側面図である。側頭挟持部13−1〜5を取り付けることにより、重い眼鏡の回転モーメントが相殺できる。側頭挟持部13−1は顎17に接して回転モーメントを相殺している。側頭挟持部13−2は目の上の位置の顔面に接しないように連結している。これによって、レンズやディスプレイなどが取り付けられる。側頭挟持部13−3は前頭部を跨いで設けているので、前頭部の髪の毛で隠すことができる。側頭挟持部13−4は上頭部を跨いで連結しているので、挟持する力が左右に分割され、左右のバランスを良くして上頭部や側頭部にフィットする。側頭挟持部13−5は後頭部を跨いで設けている。これらの側頭挟持部13−1〜5は眼鏡以外の使用目的に応じた機器などを保持するための挟持力の補助ができる。
【0057】
図9(b)は第8発明の前頭部を跨いで設けている側頭挟持部13−3の端部を、眼鏡のテンプル2の後端部に連結部12を介して設けることにより、ブリッジのない眼鏡にできることを示す一実施形態の正面図であり、図9(c)は図9(b)の側面図である。側頭挟持部13−3が前頭部を跨いで連結しているので、女性の場合は前方から側頭挟持部13−3をかけると、髪の毛の上からヘアーバンドのように見える。男性の場合も髪の毛の中に隠れる。
【0058】
図9(d)は第8発明の後頭部を跨いで設けている側頭挟持部13−5の端部を、眼鏡のテンプル2の後端部に連結部12を介して設けることにより、ブリッジのない眼鏡にできることを示す一実施形態の側面図であり、図9(b)の正面図である。側頭挟持部13−5の端部を連結部12に連結させ、後頭部を跨いで設けているので、前後、左右方向のバランスが良く眼鏡を保持できる。側頭挟持部13−1〜5の材質は弾性体で形成され、長期間継続して使用できるように、適宜の強さや長さに調整することができる。連結部12に設けた関節16により側頭挟持部13−3、13−5の取り付け角度の調整が可能である。
【0059】
図9(e)は第8発明の後頭部を跨いで設けている側頭挟持部13の端部を、眼鏡のモダン4の後端部に架橋したことを示す一実施形態の側面図である。細いテンプル2を使用した挟持力の弱い眼鏡の場合、側頭挟持部13には紐23を使用している。側頭挟持部13の材質として、ゴム、細い金属など調整可能な材質が適している。
【実施例9】
【0060】
第9発明の眼鏡は、前記突起部6及び前記下前押え部3の材質がエラストマーからなることを特徴としている。
【0061】
第1発明の突起部6の材質がエラストマーであることにより、適宜の柔軟性で地肌に接するのでフィット感が良く固定できる。人肌のように柔軟な部材であるエラストマーゲル状ウレタンを用いても良い。また、肌の温度で変形する樹脂も適している。モダン4及び下前押え部3の材質がエラストマーであることにより、柔軟性に優れたモダン4及び下前押え部3は、被装着者の側頭部に合わせて、適宜の挟持力で接するので、フィット感が良い。モダン4及び下前押え部3に金属芯を挿入した場合、所定の形状を維持することができる。側頭挟持部13の材質がエラストマーであることにより、柔軟性に優れた側頭挟持部13は被装着者の頭から顎17の間の適宜の位置を跨いで、適宜の挟持力で当接するので、様々な種類の眼鏡に対応が可能である。
【0062】
本発明の突起部6及びモダン4及び下前押え部3及び側頭挟持部13の材質は、シリコンゴム、合成ゴム、天然ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどの熱硬化性エラストマーである。また、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系、塩ビ系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系などがある。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、テフロン、AS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリエステル等である。
【実施例10】
【0063】
第10発明の眼鏡は、前記眼鏡に、ウエアラブル機器30、ヒアラブル端末32、花粉予防メガネ36、耳つぼ押え具34、マスク係止具37、骨伝導補聴器38の何れかが取り付けられていることを特徴としている。
【0064】
図10(a)は眼鏡に第10発明のウエアラブル機器30を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。テンプル2にバッテリーや通信機器を取り付け、レンズ部にディスプレイ31を設けて重さが加わった場合でも、もみあげ1を押える下前押え部3とモダン4により安定して保持し、ウエアラブル機器として使用可能である。図10(b)はテンプル2の後端に顎17を跨いで連結した第8発明の側頭挟持部13−1を設け、テンプル2の先端には第10発明のメガネ型のウエアラブル機器30を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。重いウエアラブル機器30であっても、顎17を跨いでいる側頭挟持部13−1と下前押え部3とモダン4とにより、前面からウエアラブル機器30をかけることができる。図10(c)はレンズ部に花粉予防メガネ36を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。鼻に乗せることなくかけることができる。
【0065】
図10(d)は眼鏡に第10発明のヒアラブル端末32を下前押え部3に取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。下前押え部3内にバッテリーや通信機器を内蔵し、イヤホン33を連結すれば、イヤホン33は外れにくくなる。耳の横にある下前押え部3に、操作ボタンの取り付けができるので使いやすい。図10(e)は第10発明の耳つぼ押え具34を下前押え部3に取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。下前押え部3から支持棒を耳珠35まで延設し、耳珠35の中にある耳つぼの起点を刺激することで耳つぼ効果がある。耳周辺にある他の耳つぼを押えることも可能である。
【0066】
図10(f)は眼鏡のモダン4の下端に沿って溝又は係止具を設け、この溝にマスクの紐が入り込むマスク係止具37を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。マスクの紐をマスク係止具37にかけることにより、長時間マスクをかけた時、耳の痛さが緩和される。図10(g)は第1発明の下前押え部3又はモダン4に設けた突起部6内に骨伝導スピーカー38を設けたことを示す一実施形態の側面図である。髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6の先端に骨伝導スピーカー38を設けることにより、外観から見えず、耳に接しない補聴器として適している。
【符号の説明】
【0067】
1 もみあげ
2 テンプル
3 下前押え部
4 モダン
6 突起部
7 棒状
8 櫛状
9 熊手状
10 輪状
11 可塑性を有する部材
12 連結部
13 側頭挟持部
14 凹部
15 頬骨弓部
16 関節
17 顎
18 ネジ
19 円錐体
20 ラバー材
21 シャフト
22 プレート
23 紐
30 ウエアラブル機器
31 ディスプレイ
32 ヒアラブル端末
33 イヤホン
34 耳つぼ押え具
35 耳珠
36 花粉予防メガネ
37 マスク係止具
38 骨伝導補聴器
39 骨伝導スピーカー
【要約】
【課題】
眼鏡の鼻や耳や顔への負担を軽減させて、デザイン性を良くするために、眼鏡の保持部を外観から目立ち難い側頭部に設けている。シンプルな通気性の良い形状である。保持部が髪の間に分け入って地肌に接して確実に眼鏡を固定する。そして、着脱が容易であって装着感が良く、安定して長期間装着できる眼鏡を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
眼鏡のフレームから下方に設けられた、もみあげを押える下前押え部に、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を備え、前記突起部の表面には、該突起部間に分け入った髪を保持するラバー材が設けられている構成である
図1
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