(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃焼器内では、燃料が燃焼すると共に、この燃焼の結果生成される燃焼ガスが流れる。このため、燃焼器は、高温環境下におかれる複数の部品が存在する。そこで、このような部品を含む燃焼器の長寿命化が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、長寿命化を図ることができる燃焼器、及びこれを備えているガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての燃焼器は、
バーナ軸線を中心とする棒状部分を有して、燃料を噴射するノズルと、筒状を成して前記ノズルの外周を囲み、前記バーナ軸線が延びる軸線方向の一方側である上流側から他方側である下流側に、空気と前記ノズルからの燃料とを噴出するバーナ筒と、前記バーナ筒中の少なくとも下流端部の外周を囲み、前記バーナ筒の外周側と自身の内周側との間に下流側に向かって空気が流れるパージ空気流路を形成する外側流路筒と、を備え、前記バーナ筒の下流端部には、下流側に向かうに連れて、前記バーナ筒を形成するバーナ筒形成板の板厚が次第に薄くなるようテーパ面が形成され、板厚方向における前記テーパ面のテーパ面形成幅が、前記バーナ筒形成板で前記テーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上である。
【0007】
当該燃焼器では、バーナ筒の下流端部にテーパ面が形成されているので、バーナ筒の下流端よりも下流側には、バーナ筒の内周側を流れる燃料を含む気体、及びバーナ筒の外周側を流れる空気の渦流が形成され難くなり、バーナ筒の下流端近傍に火炎が形成される可能性を低下させることができる。
【0008】
ところで、渦流発生の抑制効果は、バーナ筒の下流端部に僅かでもテーパ面が形成されていると多少なりとも期待できる。しかしながら、テーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板でテーパ面が形成されていない部分における板厚の半分未満であると、バーナ筒の下流端の下流側に、燃料を含む気体の渦流及び空気の渦流が形成され易くなる。しかも、これらの渦流により、バーナ筒の下流端近傍に火炎が形成される可能性が高くなる。
【0009】
これに対して、テーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板でテーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であると、バーナ筒の下流端の下流側に、燃料を含む気体の渦流及び空気の渦流が形成されたとしてもその大きさが小さくなる、又は実質的に形成されなくなる。仮に、テーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板でテーパ面が形成されていない部分における板厚の60%の場合、バーナ筒の下流端の下流側に、燃料を含む気体の小さな渦流及び空気の小さな渦流が形成される可能性がある。しかしながら、これらの小さい渦流では、バーナ筒の下流端近傍に火炎が形成される可能性が実質的にないと言える。このため、当該燃焼器では、テーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅を、バーナ筒形成板でテーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上にしている。
【0010】
ここで、前記一態様としての前記燃焼器において、前記バーナ筒には、前記テーパ面として、前記バーナ筒の外周側に外側テーパ面が形成され、板厚方向における前記外側テーパ面のテーパ面形成幅が、前記バーナ筒形成板で前記テーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であってもよい。
【0011】
当該燃焼器では、バーナ筒の外周側を流れる空気が外側テーパ面に沿って流れることで、この空気は下流側に流れつつもバーナ軸線に近づく。このため、バーナ筒の内周側を流れる燃料を含む気体のバーナ軸線に対する放射方向への広がりを抑えることができる。
【0012】
また、前記一態様としての前記燃焼器において、前記バーナ筒には、前記テーパ面として、前記バーナ筒の外周側に外側テーパ面が形成されていると共に、前記バーナ筒の内周側に内側テーパ面が形成され、板厚方向における前記外側テーパ面のテーパ面形成幅と、板厚方向における前記内側テーパ面のテーパ形成幅とを合わせた幅が、前記バーナ筒形成板で前記テーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であってもよい。
【0013】
当該燃焼器でも、バーナ筒の下流端部にテーパ面が形成され、しかも、外側テーパ面と内側テーパ面とを合わせたテーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板でテーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であるため、バーナ筒の下流端近傍に火炎が形成される可能性を低下させることができる。
【0014】
ここで、前記外側テーパ面及び前記内側テーパ面が形成されている前記燃焼器において、板厚方向における前記外側テーパ面のテーパ面形成幅は、板厚方向における前記内側テーパ面のテーパ形成幅より広くてもよい。
【0015】
当該燃焼器におけるバーナ筒の下流端の下流側では、内側テーパ面に沿って流れる燃料を含む気体の流れよりも、外側テーパ面に沿って流れる空気の流れの影響が強まり、バーナ筒から噴出する燃料を含む気体のバーナ軸線に対する放射方向の広がりを抑えることができる。
【0016】
また、前記一態様としての前記燃焼器において、前記バーナ筒には、前記テーパ面として、前記バーナ筒の内周側に内側テーパ面が形成され、板厚方向における前記内側テーパ面のテーパ形成幅が、前記バーナ筒形成板で前記テーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であってもよい。
【0017】
当該燃焼器でも、バーナ筒の下流端部にテーパ面が形成され、しかも、内側テーパ面の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板で内側テーパ面が形成されていない部分における板厚の半分以上であるため、バーナ筒の下流端近傍に火炎が形成される可能性を低下させることができる。
【0018】
外側テーパ面が形成されている、以上のいずれかの前記燃焼器において、前記ノズルと前記バーナ筒とを有するバーナを複数備え、複数の前記バーナの前記バーナ軸線は、互いに平行であり、複数の前記バーナのうち、少なくとも一のバーナである第一バーナの前記バーナ筒の外周の一部である第一外周部が前記外側流路筒の内周の一部と対向して、前記第一外周部と前記外側流路筒の内周の一部との間に前記パージ空気流路としての第一パージ空気流路が形成され、複数の前記バーナのうち、前記第一バーナに隣接する第二バーナの前記バーナ筒における外周の一部と、前記第一バーナの前記バーナ筒における外周の一部である第二外周部との間に、下流側に向かって空気が流れる第二パージ空気流路が形成され、前記第二外周部における前記外側テーパ面の前記バーナ軸線に対する角度は、前記第一外周部における前記外周側テーパ面の前記バーナ軸線に対する角度よりも大きくてもよい。
【0019】
テーパ面のバーナ軸線に対する角度は、バーナ筒の内外周を流れる気体の流れの乱れを抑え、気体流れの抵抗を低減するために、小さい方が好ましい。しかしながら、当該燃焼器では、第二外周部における外側テーパ面のバーナ軸線に対する角度が、第一外周部における外周側テーパ面のバーナ軸線に対する角度よりも大きい、第一バーナにおける第二外周部側には、第二バーナが隣接している。このため、第一バーナ筒の下流端部で第二外周部が形成されている部分の下流端近傍に、第一バーナ筒の内周側を流れてきた燃料を含む気体が漂っていると、この下流端近傍で燃料が着火する可能性がある。そこで、当該燃焼器では、第一バーナ筒の内外周を流れる気体の流れの抵抗が多少増加するものの、第一バーナ筒から噴出した燃料を含む気体が隣接する第二バーナから遠ざかるようにするため、第二外周部に形成されている外側テーパ面のバーナ軸線に対する角度を、第一外周部に形成されている外側テーパ面のバーナ軸線に対する角度よりも大きくしている。
【0020】
前記第一バーナ及び前記第二バーナを備える前記燃焼器において、前記第一バーナは、前記第一バーナの前記バーナ筒から噴出した燃料を予混合燃焼させる予混合燃焼バーナであり、前記第二バーナは、前記第二バーナの前記バーナ筒から噴出した燃料を拡散燃焼させる拡散燃焼バーナであり、前記第二バーナを中心として、複数の前記第一バーナが周方向に並んで配置され、前記外側流路筒は、前記第二バーナを中心として、複数の前記第一バーナを覆えるよう筒状を成してもよい。
【0021】
また、以上のいずれかの前記燃焼器において、前記外側流路筒の下流側端部には、下流側に向かうに連れて、前記外側流路筒を形成する外側流路筒形成板の板厚が次第に薄くなるようテーパ面が形成され、板厚方向における前記テーパ面のテーパ面形成幅が、前記外側流路筒形成板の板厚の半分以上であってもよい。
【0022】
当該燃焼器では、パージ空気流路を流れる空気の流れの抵抗を抑えることができる。
【0023】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービンは、
以上のいずれかの前記燃焼器と、空気を圧縮して、前記燃焼器に空気を供給する圧縮機と、前記燃焼器内での燃料の燃焼で形成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る一態様では、バーナ筒の熱損傷等が抑えられ、燃焼器の長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るガスタービンの一実施形態、さらにガスタービンが備えている燃焼器の各種変形例ついて、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
「実施形態」
本実施形態のガスタービンは、
図1に示すように、外気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機1と、燃料Fを圧縮空気中で燃焼させ燃焼ガスを生成する複数の燃焼器4と、燃焼ガスにより駆動するタービン5と、を備えている。
【0028】
圧縮機1は、回転軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ2と、圧縮機ロータ2を回転可能に覆う圧縮機ケーシング3と、を有する。タービン5は、回転軸線Arを中心として回転するタービンロータ6と、タービンロータ6を回転可能に覆うタービンケーシング7と、を有する。圧縮機ロータ2の回転軸線Arとタービンロータ6の回転軸線Arとは、同一直線上に位置している。この圧縮機ロータ2とこのタービンロータ6とは、互いに連結されてガスタービンロータ8を成している。また、圧縮機ケーシング3とタービンケーシング7とは、互いに連結されてガスタービンケーシング9を成している。
【0029】
ガスタービンロータ8には、例えば、発電機のロータが連結されている。また、ガスタービンケーシング9には、燃焼器4が固定されている。
【0030】
燃焼器4は、
図2に示すように、内部で燃料Fが燃焼して、この燃料Fの燃焼の結果生成される燃焼ガスをタービン5に送る燃焼筒(又は尾筒)10と、燃焼筒10内に燃料F及び空気Aを噴出する燃料噴出器20と、を有する。
【0031】
燃料噴出器20は、
図3に示すように、噴出した燃料を拡散燃焼させるパイロットバーナ(第二バーナ又は拡散燃焼バーナ)30と、噴出した燃料を予混合燃焼させるメインバーナ(第一バーナ又は予混合燃焼バーナ)40と、パイロットバーナ30及びメインバーナ40を保持するバーナ保持筒21と、を備えている。
【0032】
パイロットバーナ30は、燃焼器軸線Acを中心として軸線方向Daに延びる棒状のパイロットノズル31と、このパイロットノズル31の外周を覆うパイロットバーナ筒33と、燃焼器軸線Acを中心として圧縮空気を旋回させる複数の旋回板32と、を有する。ここで、燃焼器軸線Acが延びている方向である軸線方向Daの一方側を上流側、他方側を下流側とする。また、燃焼器軸線Acは、このパイロットバーナ30のバーナ軸線でもある。
【0033】
パイロットノズル31の下流側端部には、燃料を噴射する噴射孔が形成されている。パイロットノズル31で噴射孔が形成されている位置よりも下流側には、複数の旋回板32が設けられている。各旋回板32は、パイロットノズル31の外周から放射方向成分を含む方向に延びて、パイロットバーナ筒33の内周面に接続されている。パイロットバーナ筒33は、パイロットノズル31の外周に位置する本体部34と、本体部34の下流側に接続され下流側向かって次第に拡径されているコーン部35と、を有する。複数の旋回板32は、パイロットバーナ筒33における本体部34の内周面に接続されている。パイロットバーナ筒33内には、その上流側から圧縮機1で圧縮された圧縮空気が流入する。パイロットバーナ筒33は、その下流端から、この圧縮空気と共に、パイロットノズル31から噴射された燃料を噴出する。この燃料は、燃焼筒10内で拡散燃焼する。
【0034】
複数のメインバーナ40は、
図4に示すように、パイロットバーナ30の外周側を囲むよう、燃焼器軸線Acを中心として、周方向に並んで配置されている。
【0035】
メインバーナ40は、
図3及び
図5に示すように、燃焼器軸線Acと平行なバーナ軸線Abを中心として軸線方向Daに延びる棒状のメインノズル41と、このメインノズル41の外周を覆うメインバーナ筒43と、バーナ軸線Abを中心として圧縮空気を旋回させる複数の旋回板42と、を有する。なお、メインバーナ40のバーナ軸線Abは、燃焼器軸線Acと平行であるため、燃焼器軸線Acに関する軸線方向Daと、バーナ軸線Abに関する軸線方向Daとは同じ方向である。また、燃焼器軸線Acに関する軸線方向Daの上流側は、バーナ軸線Abに関する軸線方向Daの上流側であり、燃焼器軸線Acに関する軸線方向Daの下流側は、バーナ軸線Abに関する軸線方向Daの下流側である。
【0036】
メインノズル41の軸線方向Daにおける中間部には、燃料を噴射する噴射孔が形成されている。メインノズル41で噴射孔が形成されている位置近傍には、複数の旋回板42が設けられている。各旋回板42は、メインノズル41の外周から放射方向成分を含む方向に延びて、メインバーナ筒43の内周面に接続されている。メインバーナ筒43は、メインノズル41の外周に位置する本体部44と、本体部44の下流側に接続され下流側向かって延びる延長部45と、を有する。複数の旋回板42は、メインバーナ筒43における本体部44の内周面に接続されている。メインバーナ筒43内には、その上流側から圧縮機1で圧縮された圧縮空気が流入する。メインバーナ筒43内では、この圧縮空気とメインノズル41から噴射された燃料とが混合して、予混合気体PMが形成される。メインバーナ筒43は、その下流端から予混合気体PMを噴出する。この予混合気体PM中の燃料は、燃焼筒10内で予混合燃焼する。
【0037】
なお、旋回板42に燃料を噴射する噴射孔を形成し、ここからメインバーナ筒43内に燃料を噴射してもよい。この場合、以上で説明した棒状のメインノズル41に相当する部分がハブ棒を成し、メインノズルは、このハブ棒と複数の旋回板42とを有して形成されることになる。ハブ棒内には、外部からの燃料が供給され、このハブ棒から旋回板42に燃料が供給される。
【0038】
メインバーナ筒43の本体部44は、
図4に示すように、軸線方向Daから見ると円形を成している。一方、メインバーナ筒43の延長部45は、軸線方向Daから見ると、燃焼器軸線Acを中心とする大円弧と、大円弧より焼器軸線Ac側に位置して焼器軸線Acを中心とする小円弧と、燃焼器軸線Acを基準にして放射方向に延びて大円弧の端と小円弧の端とを直線的に接続する接続線と、で形成されるアーチ形を成している。この延長部45の外周のうち、大円弧に相当する部分が第一外周部46を成し、小円弧に相当する部分が第二外周部47を成し、接続直線に相当する部分が第三外周部48を成す。
【0039】
バーナ保持筒21は、
図3及び
図5に示すように、燃焼器軸線Acを中心として円筒状を成し、複数のメインバーナ筒43における本体部44の外周側を覆う。
【0040】
燃焼筒10は、燃焼器軸線Acを中心として円筒状を成し、内周側に複数のメインバーナ筒43における延長部45が位置する接続部11と、燃焼器軸線Acを中心として円筒状を成し、メインバーナ40及びパイロットバーナ30から噴出した燃料が燃焼する燃料領域を形成する燃焼部13と、筒状を成し、燃料の燃焼で生成された燃焼ガスをタービン5に導く燃焼ガス案内部15と、を有する。燃焼筒10の接続部11の上流端は、バーナ保持筒21に接続されている。燃焼筒10の燃焼部13は、燃焼筒10の接続部11の下流側に形成されている。燃焼筒10の燃焼ガス案内部15は、燃焼筒10の燃焼部13の下流側に形成されている。
【0041】
円筒状の接続部11には、外周側から内周側に向かって貫通し、圧縮機1からの圧縮空気を第一パージ空気A1として、内周側に導く接続部空気孔12が形成されている。燃焼筒10の接続部11と燃焼部13との境目近傍であって、その内周側には複数のメインバーナ40の外周側と自身の内周側との間に第一パージ空気流路66を形成する外側流路筒60が配置されている。外側流路筒60は、燃焼器軸線Acを中心として円筒状の本体部61と、本体部61の下流側から外周側に向かって延びて燃焼筒10に接続される接続部62と、を有する。燃焼筒10で、外側流路筒60の本体部61と対向する部分には、外周側から内周側に向かって貫通し、圧縮機1からの圧縮空気をフィルム空気A4として、内周側に導くフィルム空気孔14が形成されている。外側流路筒60の本体部61の内周側と複数のメインバーナ筒43の延長部45における第一外周部46との間には、上流側から下流側に第一パージ空気A1が流れる前述の第一パージ空気流路66が形成されている。
【0042】
また、複数のメインバーナ筒43の延長部45における第二外周部47とパイロットバーナ筒33のコーン部35の外周との間には、上流側から下流側に第二パージ空気A2が流れる第二パージ空気流路67が形成されている。
【0043】
また、
図4に示すように、燃焼器軸線Acを中心とした周方向で隣接するメインバーナ筒43の延長部45における第三外周部48の相互間には、上流側から下流側に第三パージ空気が流れる第三パージ空気流路68が形成されている。この第三パージ空気及び前述の第二パージ空気A2は、いずれも、圧縮機1で圧縮され、バーナ保持筒21の内周側に流入してきた圧縮空気である。
【0044】
メインバーナ筒43の下流端部には、
図6及び
図7に示すように、メインバーナ筒43を形成するバーナ筒形成板49の板厚が下流側に向かうに連れて次第に薄くするためのテーパ面50が形成されている。このテーパ面50は、メインバーナ筒43の外周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第にメインバーナ筒43の内周面に近づくよう傾斜している外側テーパ面51である。この外側テーパ面51は、メインバーナ筒43の外周の全域にわたって形成されている。よって、この外側テーパ面51として、
図6に示すように、メインバーナ筒43の第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aと、
図7に示すように、メインバーナ筒43の第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bとがある。さらに、この外側テーパ面51として、メインバーナ筒43の第三外周面に形成されている外側テーパ面(図示されていない)もある。
【0045】
第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aの板厚方向におけるテーパ面形成幅t1は、
図6に示すように、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51aが形成されていない部分における板厚tの半分以上である。より好ましくは、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aの板厚方向におけるテーパ面形成幅t1は、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51aが形成されていない部分における板厚tの60%以上である。なお、以上において、基準となる板厚tは、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51aが形成されていない部分のうち、最も下流側の部分の板厚である。
【0046】
第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aの軸線方向Daにおけるテーパ面形成長さs1は、前述のテーパ面形成幅t1よりも長い。
【0047】
第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1は、50°以下で20°以上(50°≧θ1≧20°)である。なお、ここでは、第一外周部46が形成されている部分のバーナ筒形成板49の内周面及び外周面は、いずれもバーナ軸線Abと平行である。このため、外側テーパ面51aのバーナ筒形成板49の内周面及び外周面に対する外側テーパ面51aの角度も、50°以下で20°以上である。また、ここでの外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1は、バーナ軸線Abを含み、且つ外側テーパ面51aを横切る仮想平面内での角度である。以下、テーパ面50のバーナ軸線Abに対する角度は、いずれも、バーナ軸線Abを含み、且つこのテーパ面50を横切る仮想平面内での角度である。
【0048】
また、第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bの板厚方向におけるテーパ面形成幅t2も、
図7に示すように、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51bが形成されていない部分における板厚tの半分以上である。より好ましくは、第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bの板厚方向におけるテーパ面形成幅t2は、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51bが形成されていない部分における板厚tの60%以上である。
【0049】
第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bの軸線方向Daにおけるテーパ面形成長さs2は、前述のテーパ面形成幅t2以上である。ここでは、第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bの軸線方向Daにおけるテーパ面形成長さs2は、加工容易性の観点から、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aの軸線方向Daにおけるテーパ面形成長さs1と同じ長さである。
【0050】
第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bのバーナ軸線Abに対する角度θ2は、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1よりも大きい。この角度θ2は、好ましくは、70°以下で30°以上(70°≧θ2≧30°)である。
【0051】
また、図示されていないが、第三外周部48に形成されている外側テーパ面51の板厚方向におけるテーパ面形成幅も、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51が形成されていない部分における板厚tの半分以上である。より好ましくは、第三外周部48に形成されている外側テーパ面51の板厚方向におけるテーパ面形成幅は、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51が形成されていない部分における板厚tの60%以上である。この第三外周部48に形成されている外側テーパ面51のバーナ軸線Abに対する角度は、50°以下で20°以上である。
【0052】
ここで、
図8を用いて、メインバーナ筒43xの下流端部にテーパ面が形成されていない比較例での下流端部周りでの気体の流れについて説明する。
【0053】
メインバーナ筒43xの下流端部にテーパ面が形成されていない場合、このメインバーナ筒43xの下流端面45xは、メインバーナ筒43xの内周面及び外周面に対して垂直な平面になる。この場合、メインバーナ筒43xの下流端面45xの下流側には、メインバーナ筒43x内を流れてきた予混合気体PMの渦流、及びメインバーナ筒43xの第一外周部46の外周側に形成されている第一パージ空気流路66を流れてきた第一パージ空気A1の渦流が形成される。
【0054】
このように、メインバーナ筒43xの下流端面45xの下流側に、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成されると、メインバーナ筒43xの下流端面45x近傍に火炎が形成される可能性が高まり、燃焼器の運転状態によっては、メインバーナ筒43xの下流端面45x近傍に火炎が形成されることもある。このため、メインバーナ筒43xの下流端部が高温環境中に置かれることになり、メインバーナ筒43xが熱損傷等を受け、メインバーナ筒43xの寿命が短くなる。
【0055】
一方、本実施形態におけるメインバーナ筒43の下流端部には、前述したように、メインバーナ筒43の外周の全域にわたって外側テーパ面51が形成されている。このため、本実施形態におけるメインバーナ筒43の下流端の下流側には、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成され難くなり、メインバーナ筒43の下流端近傍に火炎が形成される可能性を低下させることができる。このため、本実施形態では、比較例よりも、メインバーナ筒43の熱損傷等が抑えられ、メインバーナ筒43の寿命を長くすることができる。
【0056】
ところで、渦流発生の抑制効果は、メインバーナ筒43の下流端部に僅かでもテーパ面50が形成されていると多少なりとも期待できる。しかしながら、テーパ面50の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板49でテーパ面50が形成されていない部分における板厚tの半分未満であると、メインバーナ筒43の下流端の下流側に、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成され易くなる。しかも、これらの渦流により、メインバーナ筒43の下流端近傍に火炎が形成される可能性が高くなる。
【0057】
これに対して、テーパ面50の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板49でテーパ面50が形成されていない部分における板厚tの半分以上であると、メインバーナ筒43の下流端の下流側に、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成されたとしてもその大きさが小さくなる、又は実質的に形成されなくなる。仮に、テーパ面50の板厚方向におけるテーパ面形成幅が、バーナ筒形成板49でテーパ面50が形成されていない部分における板厚tの60%の場合、メインバーナ筒43の下流端の下流側に、予混合気体PMの小さな渦流及び第一パージ空気A1の小さな渦流が形成される可能性がある。しかしながら、これらの小さい渦流では、メインバーナ筒43の下流端近傍に火炎が形成される可能性が実質的にないと言える。このため、本実施形態では、テーパ面50の板厚方向におけるテーパ面形成幅を、バーナ筒形成板49でテーパ面50が形成されていない部分における板厚tの半分以上にしている。
【0058】
また、本実施形態では、テーパ面50として、メインバーナ筒43の外周側に形成され、下流側に向かうに連れて次第にメインバーナ筒43の内周面に近づくよう傾斜している外側テーパ面51を採用している。これにより、メインバーナ筒43から噴出する予混合気体PMのバーナ軸線Abに対する放射方向の広がりを抑えることができる。このため、予混合火炎が燃焼筒10の内周面から離れ、燃焼筒10の損傷を抑えることができる。
【0059】
テーパ面50のバーナ軸線Abに対する角度は、パイロットバーナ筒33の内外周を流れる気体の流れの乱れを抑え、気体流れの抵抗を低減するために、小さい方が好ましい。しかしながら、本実施形態では、前述したように、第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bのバーナ軸線Abに対する角度θ2を、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1よりも大きくしている。メインバーナ筒43における第二外周部47の燃焼器軸線Ac側には、
図3及び
図7に示すように、燃料と空気とが予混合されていない気体AFを噴出して拡散火炎を形成するパイロットバーナ30が配置されている。このため、メインバーナ筒43の下流端部で第二外周部47が形成されている部分の下流端近傍に、予混合気体PMが漂っていると、この下流端近傍で予混合気体PMが着火する可能性がある。そこで、本実施形態では、パイロットバーナ筒33の内外周を流れる気体の流れの抵抗が多少増加するものの、メインバーナ筒43から噴出した予混合気体PMがパイロットバーナ30から遠ざかるようにするため、第二外周部47に形成されている外側テーパ面51bのバーナ軸線Abに対する角度θ2を、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1よりも大きくしている。
【0060】
また、メインバーナ筒43の第三外周部48の周方向側(燃焼器軸線Acを中心とする周方向)には、
図4に示すように、他のメインバーナ40が配置されている。このため、第三外周部48に形成されている外側テーパ面51のバーナ軸線Abに対する角度に関しても、メインバーナ筒43から噴出した予混合気体PMが周方向で隣接する他のメインバーナ40から遠ざかるようにするため、第一外周部46に形成されている外側テーパ面51aのバーナ軸線Abに対する角度θ1よりも大きくすることが好ましい。
【0061】
以上のように、本実施形態では、メインバーナ筒43の下流端近傍で火炎が形成されるのを抑えることができるため、メインバーナ筒43の熱損傷等が抑えられ、メインバーナ筒43の寿命を長くすることができる。
【0062】
「燃焼器の第一変形例」
上記実施形態における燃焼器の第一変形例について、
図9を用いて説明する。
【0063】
本変形例の燃焼器は、上記実施形態の燃焼器における外側流路筒60の下流端部にテーパ面を形成したもので、その他の構成に関しては上記実施形態の燃焼器と同一である。外側流路筒60のテーパ面は、外側流路筒60の外周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第に外側流路筒60の内周面に近づくよう傾斜している外側テーパ面64である。この外側テーパ面64の板厚方向におけるテーパ面形成幅は、外側流路筒60の本体部61を形成する外側流路筒形成板63で外側テーパ面64が形成されていない部分における板厚の半分以上である。
【0064】
このため、本変形例における外側流路筒60の下流端の下流側に、外側流路筒60の内周側を流れる第一パージ空気A1、及び外側流路筒60の外周側を流れるフィルム空気A4の渦流が形成され難くなり、これら空気の流れの抵抗を抑えることができる。
【0065】
特に、本変形例では、テーパ面として、外側流路筒60の外周側に外側テーパ面64を形成しているので、フィルム空気A4及び第一パージ空気A1の流れが、下流側に流れるに連れて多少燃焼器軸線Ac(
図3参照)側、つまり燃焼筒10の内周面から離れる側に寄ることなる。このため、本変形例では、メインバーナ筒43から噴出した予混合気体PMのうち、外側流路筒60側を流れる予混合気体PMも、下流側に流れるに連れて燃焼器軸線Ac側に寄ることになる。よって、本変形例では、メインバーナ筒43の下流端で第一外周部46が形成されている部分の下流端の熱損傷等をより抑えることができると共に、燃焼筒10の内周面の熱損傷等をより抑えることができる。
【0066】
「燃焼器の第二変形例」
上記実施形態における燃焼器の第二変形例について、
図10を用いて説明する。
【0067】
本変形例の燃焼器も、第一変形例の燃焼器と同様、上記実施形態の燃焼器における外側流路筒60の下流端部にテーパ面を形成したものである。但し、本変形例における外側流路筒60のテーパ面は、外側流路筒60の内周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第に外側流路筒60の外周面に近づくよう傾斜している内側テーパ面65である。この内側テーパ面65の板厚方向におけるテーパ面形成幅は、外側流路筒60の本体部61を形成する外側流路筒形成板63で内側テーパ面65が形成されていない部分における板厚の半分以上である。
【0068】
このため、本変形例における外側流路筒60の下流端の下流側に、外側流路筒60の内周側を流れる第一パージ空気A1、及び外側流路筒60の外周側を流れるフィルム空気A4の渦流が形成され難くなり、これら空気の流れの抵抗を抑えることができる。
【0069】
また、本変形例では、テーパ面として、外側流路筒60の内周側に内側テーパ面65を形成しているので、フィルム空気A4及び第一パージ空気A1の一部の流れが、下流側に流れるに連れて多少燃焼器軸線Ac(
図3参照)から離れる側、つまり燃焼筒10の内周面側に寄ることになる。このため、本変形例では、フィルム空気A4が上記実施形態や第一変形例よりも、燃焼筒10の内周面に沿って流れ、燃焼筒10のフィルム冷却効果を高めることができる。
【0070】
以上のように、外側流路筒60に外側テーパ面64(
図9参照)を形成する場合と、外側流路筒60に内側テーパ面65を形成する場合とで、異なる効果が得られる。このため、外側流路筒60に、外側テーパ面64を形成するか、内側テーパ面65を形成するかは、それぞれの効果を比較考量して定めることが好ましい。
【0071】
「燃焼器の第三変形例」
上記実施形態における燃焼器の第三変形例について、
図11を用いて説明する。
【0072】
本変形例の燃焼器は、メインバーナ筒43の下流端部に、外側テーパ面51c及び内側テーパ面52を形成したものである。外側テーパ面51cは、上記実施形態と同様、メインバーナ筒43の外周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第にメインバーナ筒43の内周面に近づくよう傾斜している面である。また、内側テーパ面52は、メインバーナ筒43の内周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第にメインバーナ筒43の外周面に近づくよう傾斜している面である。
【0073】
本変形例において、外側テーパ面51cの板厚方向におけるテーパ面形成幅t3と、内側テーパ面52の板厚方向におけるテーパ面形成幅t4とを合わせた幅は、バーナ筒形成板49で外側テーパ面51c及び内側テーパ面52が形成されていない部分における板厚tの半分以上である。言い換えると、外側テーパ面51cと内側テーパ面52とを合わせたテーパ面50の板厚方向の幅は、テーパ面50が形成されていない部分における板厚tの半分以上である。より好ましくは、外側テーパ面51cと内側テーパ面52とを合わせたテーパ面50の板厚方向におけるテーパ面形成幅は、バーナ筒形成板49でテーパ面50が形成されていない部分における板厚tの60%以上である。また、板厚方向における外側テーパ面51cのテーパ面形成幅t3は、板厚方向における内側テーパ面52のテーパ形成幅t4より広い。
【0074】
外側テーパ面51cのバーナ軸線Abに対する角度θ1は、上記実施形態と同様、50°以下で20°以上(50°≧θ1≧20°)である。また、内側テーパ面52のバーナ軸線Abに対する角度θ3も、50°以下で20°以上(50°≧θ3≧20°)である。なお、線に対する面の角度は、補角関係にある二つの角度のうち、一方の角度で示される。本願では、テーパ面50の軸線に対する角度として、補角関係にある二つの角度のうち、小さい方の角度を採用している。なお、外側テーパ面51cのバーナ軸線Abに対する角度θ1と内側テーパ面52のバーナ軸線Abに対する角度θ3とは、同じ角度でなくてもよい。
【0075】
本変形例では、以上で説明したように、外側テーパ面51cと内側テーパ面52とを合わせたテーパ面50の板厚方向の幅は、上記実施形態及び上記変形例と同様、テーパ面50が形成されていない部分における板厚tの半分以上である。このため、メインバーナ筒43の下流端の下流側に、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成されたとしてもその大きさが小さくなる、又は実質的に形成されなくなる。よって、本変形例でも、メインバーナ筒43の熱損傷等が抑えられ、メインバーナ筒43の寿命を長くすることができる。
【0076】
また、本変形例では、板厚方向における外側テーパ面51cのテーパ面形成幅t3は、板厚方向における内側テーパ面52のテーパ形成幅t4より広い。このため、メインバーナ筒43の下流端の下流側では、内側テーパ面52に沿って流れる予混合気体PMの流れよりも、外側テーパ面51cに沿って流れる第一パージ空気A1の流れの影響が強まり、メインバーナ筒43から噴出する予混合気体PMのバーナ軸線Abに対する放射方向の広がりを抑えることができる。
【0077】
「燃焼器の第四変形例」
上記実施形態における燃焼器の第四変形例について、
図12を用いて説明する。
【0078】
本変形例の燃焼器は、メインバーナ筒43の下流端部に、内側テーパ面52aを形成したものである。内側テーパ面52aは、メインバーナ筒43の内周側に形成されており、下流側に向かうに連れて次第にメインバーナ筒43の外周面に近づくよう傾斜している面である。
【0079】
本変形例において、内側テーパ面52aの板厚方向におけるテーパ面形成幅t5は、バーナ筒形成板49で内側テーパ面52aが形成されていない部分における板厚tの半分以上である。より好ましくは、内側テーパ面52aの板厚方向におけるテーパ面形成幅t5は、バーナ筒形成板49で内側テーパ面52aが形成されていない部分における板厚tの60%以上である。内側テーパ面52aのバーナ軸線Abに対する角度θ3は、50°以下で20°以上(50°≧θ3≧20°)である。
【0080】
本変形例において、内側テーパ面52aの板厚方向の幅t5は、前述したように、内側テーパ面52aが形成されていない部分における板厚tの半分以上である。このため、メインバーナ筒43の下流端の下流側に、予混合気体PMの渦流及び第一パージ空気A1の渦流が形成されたとしてもその大きさが小さくなる、又は実質的に形成されなくなる。よって、本変形例でも、メインバーナ筒43の熱損傷等が抑えられ、メインバーナ筒43の寿命を長くすることができる。
【0081】
なお、本変形例では、テーパ面50として内側テーパ面52aを形成しているため、上記実施形態及び以上の各変形例と異なり、メインバーナ筒43から噴出する予混合気体PMがバーナ軸線Abに対する放射方向の広がる傾向にある。このため、燃焼筒10の内周面に対するフィルム冷却等の冷却効果が十分に期待できる場合や、燃焼器軸線Ac(
図3参照)を中心とした放射方向におけるメインバーナ40から燃焼器内筒の内周面までの距離が大きい場合で、メインバーナ筒43から噴出する予混合気体PMがバーナ軸線Abに対する放射方向の多少広がっても、燃焼筒10の内周面の熱損傷を抑えることができる場合には、本変形例を採用してもよい。
【0082】
「燃焼器の第五変形例」
上記実施形態における燃焼器の第五変形例について、
図13を用いて説明する。
【0083】
上記実施形態及び以上の各変形例のテーパ面は、軸線を含み且つこのテーパ面を横切る仮想平面上の形状が直線である。しかしながら、テーパ面は、下流側に向かうに連れて、筒形成板の板厚が次第に薄くなるのであれば、テーパ面は、軸線を含み且つこのテーパ面を横切る仮想平面上の形状が曲線であってもよい。
【0084】
例えば、
図13に示すように、メインバーナ筒43の下流端部に形成した外側テーパ面51dは、バーナ軸線Abを含み且つこの外側テーパ面51dを横切る仮想平面上の形状が、バーナ軸線Abから遠ざかる側に凸形の滑らかな曲面である。なお、この曲面は、バーナ軸線Abへ近づく側に凹形の滑らかな曲面であってもよい。
【0085】
ここで、
図13では、メインバーナ筒43の下流端部に形成した外側テーパ面51dに関する例であるが、メインバーナ筒43の下流端部に形成した内側テーパ面や、外側流路筒60のテーパ面も、下流側に向かうに連れて、筒形成板の板厚が次第に薄くなるのであれば、軸線を含み且つこのテーパ面を横切る仮想平面上の形状が曲線であってもよい。
【0086】
また、軸線を含み且つテーパ面を横切る仮想平面上の形状が曲線であるテーパ面を採用する場合、このテーパ面の軸線に対する角度としては、このテーパ面の軸線に対する平均角度、又は、このテーパ面の上流端と下流端とを結ぶ線分の軸線に対する角度を用いる。