特許第6413197号(P6413197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6413197
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】キャリーバッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 5/14 20060101AFI20181022BHJP
【FI】
   A45C5/14 A
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-224032(P2014-224032)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2015-109967(P2015-109967A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2017年10月26日
(31)【優先権主張番号】特願2013-230958(P2013-230958)
(32)【優先日】2013年11月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】713012242
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 正樹
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−030622(JP,A)
【文献】 特表平10−503699(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184613(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台部に車輪又は前記車輪とスタンド部を設け前記荷台部に立設されたハンドル部を設けた台車に、バッグ部を前記荷台部に載置させながら取付部によって前記台車に取り付けたキャリーバッグにおいて、
前記ハンドル部側に捲れ上がることができるカバー部を前記バッグ部又は前記ハンドル部に設け、前記カバー部に第1係合部材を設け前記第1係合部材が係合可能な第2係合部材を前記バッグ部の前記取付部に設けたことを特徴とするキャリーバッグ。
【請求項2】
前記ハンドル部側に捲れ上がることができる前記カバー部を前記バッグ部又は前記ハンドル部に設け、前記カバー部に前記第1係合部材を設け前記第1係合部材が係合可能な前記第2係合部材を前記ハンドル部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャリーバッグ。
【請求項3】
前記ハンドル部側に捲れ上がることができる前記カバー部を前記バッグ部又は前記ハンドル部に設け、前記カバー部に前記第1係合部材を設け前記第1係合部材が係合可能な前記第2係合部材を前記バッグ部の後面部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャリーバッグ。
【請求項4】
前記第1係合部材は係合装置に雄型バックル部又は雌型バックル部を設け、前記第2係合部材は前記係合装置に前記第1係合部材の前記雄型バックル部又は前記雌型バックル部と脱着自在に係合可能な雌型バックル部又は雄型バックル部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のキャリーバッグ。
【請求項5】
前記第2係合部材は、前記雌型バックル部もしくは前記雄型バックル部を固定状態もしくは係止状態で帯状体からなる第2バンドに装着し、取り付け位置に前記帯状体からなる前記第2バンドを沿設状態に配して両端をそれぞれ取り付けることで設け、又は前記帯状体からなるベルト部に前記雌型バックル部もしくは前記雄型バックル部を固定状態もしくは係止状態で装着して設けたことを特徴とする請求項4に記載のキャリーバッグ。
【請求項6】
第1バンドに前記雄型バックル部又は前記雌型バックル部を取り付けた前記第1係合部材を前記カバー部に設け、前記ハンドル部側に捲れ上がることができる前記カバー部を前記バッグ部側に垂れ下げ前記カバー部を前記バッグ部に沿設させた状態の時に、帯状で平面形状又はループ形状からなる保護帯を少なくとも一部が前記雄型バックル部又は前記雌型バックル部の係合部と前記バッグ部との中間位置に配するように前記カバー部又は前記第一係合部材から突出して設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載のキャリーバッグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、買い物などに荷物等を収納して運搬することができるキャリーバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来のキャリーバッグの一例を示す斜視図である。
図13に示すように、従来のキャリーバッグ80はバッグ部81を台車82に載置取り付けた構造になっている。
これにより、荷物等をバッグ部81に詰め込み、台車82のハンドル部83を押したり引っ張ったりすることで、買い物などで荷物等を容易に運搬することができるので、キャリーバッグ80は多くのユーザーに利用されている。
しかし、このキャリーバッグ80は、スーパーマーケット等で使用する場合には、このキャリーバッグ80とショッピングカートとを同時に持ちながら、スーパーマーケット内の狭い通路を移動したり、代金の支払いをしたりしなければならず、邪魔になることが多い。
このため買い物をする前に、キャリーバッグ80を店先や店内の隅に仮置きして、買い物をするユーザーが多い。
このように、キャリーバッグ80をユーザーの目の届かないところにおいて、買い物をすると、キャリーバッグ80が盗難にあう危険性がある。
【0003】
そこで、図示しないフックをキャリーバッグ80のハンドル部83等に設け、このフックをショッピングカートの前面に引っ掛けることで、キャリーバッグ80をショッピングカートと一緒に運ぶことができるようにしたキャリーバッグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3184613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の技術では、次のような問題がある。
フックをショッピングカートの前面に引っ掛けることでキャリーバッグ80をショッピングカートに吊下げ状態で取り付けるようにした上記のキャリーバッグ80では、取り付け作業を行うユーザーは、フックを前方に向けるようにしてキャリーバッグ80を持ち上げ、ショッピングカートにフックを押し当て引っ掛ける。
しかし、フックの先端は、持ち上げた状態のキャリーバッグ80の前方に位置しているためキャリーバッグ80が視界を遮りユーザーからはフックが見えづらく、ユーザーは前かがみの無理な姿勢でキャリーバッグ80の後方位置からキャリーバッグ80越しに取り付け位置を覗きこむようにしてフックの先端を確認しながら取り付け作業をする必要がある。
しかも、作業を行うユーザーは、取り付け作業を完了するまでの間キャリーバッグ80をずっと持ち続けていなければならず、さらに、キャリーバッグ80の全体重を支え続けながらフックをショッピングカートに引っかけるという2つの作業を同時に行わなければならないので、取り付け作業は力のない高齢者のユーザーにはとても難しい作業である。
しかも、バッグ部81内に瓶入り飲料水などの重量物が収納してあれば、取り付け作業はかなりの腕力や技術を必要とし作業はさらに困難である。
また、フックをショッピングカートの前面に引っかけることで、キャリーバッグ80をショッピングカートと一緒に運ぶことができるようにした上記のキャリーバッグ80では、
ショッピングカートの全長が、キャリーバッグ80の分だけ長くなり、小回りが利かず、ユーザーの操作性を阻害する。
さらに、キャリーバッグ80をショッピングカートの前面に引っ掛けているため、ユーザーの目が届き難い。
また、収納物をキャリーバッグ80のバッグ部81から取り出す際に、ユーザーがショッピングカートの前面まで移動しなければならず、面倒である。
さらに、キャリーバッグ80が、ほぼ一点支持状態で、ショッピングカートの前面に引っ掛けられているので、ショッピングカートを急に方向転換すると、キャリーバッグ80がフックを支点に大きく振られ、キャリーバッグ80が暴れる。そして、重量物がバッグ部81内に収納されている場合には、フックが外れて、キャリーバッグ80が飛ぶおそれがある。
【0006】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、力のない高齢者のユーザーでも、取り付け作業を無理のない姿勢で安全且つ楽に完了させることが可能で、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートでも、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に脱着自在に確固として取り付けることができ、キャリーバッグを取り付けても、ショッピングカートの操作性を損なうことなく安全に買い物を行うことができるキャリーバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、荷台部に車輪又は車輪とスタンド部を設け荷台部に立設されたハンドル部を設けた台車に、バッグ部を荷台部に載置させながら取付部によって台車に取り付けたキャリーバッグにおいて、ハンドル部側に捲れ上がることができるカバー部をバッグ部又はハンドル部に設け、カバー部に第1係合部材を設け第1係合部材が係合可能な第2係合部材をバッグ部の取付部に設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のキャリーバッグにおいて、ハンドル部側に捲れ上がることができるカバー部をバッグ部又はハンドル部に設け、カバー部に第1係合部材を設け第1係合部材が係合可能な第2係合部材をハンドル部に設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のキャリーバッグにおいて、ハンドル部側に捲れ上がることができるカバー部をバッグ部又はハンドル部に設け、カバー部に第1係合部材を設け第1係合部材が係合可能な第2係合部材をバッグ部の後面部に設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のキャリーバッグにおいて、第1係合部材は係合装置に雄型バックル部又は雌型バックル部を設け、第2係合部材は係合装置に第1係合部材の雄型バックル部又は雌型バックル部と脱着自在に係合可能な雌型バックル部又は雄型バックル部を設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載のキャリーバッグにおいて、第2係合部材は、雌型バックル部もしくは雄型バックル部を固定状態もしくは係止状態で帯状体からなる第2バンドに装着し、取り付け位置に帯状体からなる第2バンドを沿設状態に配して両端をそれぞれ取り付けることで設け、又は帯状体からなるベルト部に雌型バックル部もしくは雄型バックル部を固定状態もしくは係止状態で装着して設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載のキャリーバッグにおいて、第1バンドに雄型バックル部又は雌型バックル部を取り付けた第1係合部材をカバー部に設け、ハンドル部側に捲れ上がることができるカバー部をバッグ部側に垂れ下げカバー部をバッグ部に沿設させた状態の時に、帯状で平面形状又はループ形状からなる保護帯を少なくとも一部が雄型バックル部又は雌型バックル部の係合部とバッグ部との中間位置に配するようにカバー部又は第一係合部材から突出して設けた構成とした。
これにより、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができ、しかも、さまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートにも対応し、キャリーバッグをショッピングカートの後部分の同様の位置に配し取り付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳しく説明したように、この発明によれば、キャリーバッグをショッピングカートの後部分に取り付けることができ、しかも取り付け作業に用いる係合機構はユーザーに対面する位置に配することで、係合機構の直前に立つユーザーは無理のない自然な姿勢で係合作業を行うことができ、たとえバッグ部内に重量物が収納されていてもユーザーは安全で尚且つ楽に取り付け作業を完了させることが可能で、さらに、キャリーバッグはさまざまな形状や高さのハンドルを備えたショッピングカートの後部分に2点支持状態で脱着自在に確固として取り付けることができるという優れた効果がある。
そして、キャリーバッグはショッピングカートの後部分に取り付けることができるので、ショッピングカートは小回りが容易であり、ショッピングカートを容易に操作することができる。
また、キャリーバッグがショッピングカートの後部分に確固として取り付けられるので、ショッピングカートの移動中にキャリーバッグがあばれてユーザーの足や体に不意にぶつかったりすることもなく、重量物がバッグ部内に収納されていたとしてもキャリーバッグがショッピングカートから外れて飛び出すことはないので、この結果、ユーザーは安全に買い物ができる。
また、キャリーバッグが、ショッピングカート後部分のハンドルに取り付けられユーザーの直前に位置するので、ユーザーの目が届き易く、盗難に遭う心配もなく、また、ユーザーは移動することなく、必要な物をバッグ内から容易に取り出すことができるので、非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の第1実施例に係るキャリーバッグを斜め前側から見た斜視図である。
図2】カバー部を捲り上げ係合機構を係合させた状態を表した第1実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図である。
図3】係合機構の第1及び第2係合部材の構造と機能を説明するための断面図である。
図4】この発明の第1実施例に係るキャリーバッグをショッピングカートに取り付ける方法を示す側面図である。
図5】第1実施例に係るキャリーバッグのハンドル部における収納エリアと第1及び第2係合部材の位置関係を示す側面図である。
図6】この発明の第1実施例に係るキャリーバッグをショッピングカートの後部分に2点支持状態で取り付けた状態を示す斜視図である。
図7】この発明の第2実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図である。
図8】この発明の第3実施例に係るキャリーバッグの上部を斜め後側から見た斜視図である。
図9】この発明の第4実施例に係るキャリーバッグの上部を斜め後側から見た斜視図である。
図10】この発明の第5実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図である。
図11】この発明の第6実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図である。
図12】(C)及び(D)は、それぞれこの発明の第7実施例に係るキャリーバッグのカバー部及び第1係合部材を拡大して表した斜視図である。
図13】従来のキャリーバッグの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
以下、図1図2において本発明の構成を示す。
1−1はキャリーバッグであり、2はバッグ部であり、3は台車であり、4は係合機構であり、5は車輪であり、6は荷台部であり、7は隙間であり、8は中間フレームであり、9はカバー部であり、10はハンドル部であり、11は握り手部であり、12は最上部であり、13はベルト部であり、14−1,14−2は取付部であり、15はスタンド部であり、16は収納エリアであり、17は後面部であり、18は前面部であり、20は面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」であり、28は挿嵌部であり、30は内側面であり、31は外側面であり、41は第1係合部材であり、41Aは第1バンドであり、41Bは雄型バックル部であり、42は第2係合部材であり、42Aは第2バンドであり、42Bは雌型バックル部である。
【0017】
なお、本発明で取付部14−1〜14−6とは、バッグ部2と台車3とを支持するもの、またはバッグ部2を台車3に取り付けるために設けられたものを指し、挿嵌部28も取付部14−1,14−3,14−5であり、ベルト部13も取付部14−2,14−4,14−6である。
【実施例1】
【0018】
図1は、この発明の第1実施例に係るキャリーバッグ1−1を斜め前側から見た斜視図である。
図2は、第1実施例に係るキャリーバッグ1−1を斜め後側から見た斜視図であり、図2は、キャリーバッグ1−1のカバー部9をハンドル部10側に捲り上げ、係合機構4を係合させた状態を表した図である。
【0019】
台車3はフレーム構造を成し、バッグ部2を載置するための荷台部6と、この荷台部6を操作するためのハンドル部10,10とを有している。
荷台部6は、ほほ水平な四角形状であり、その後部両側には、前後方向に回転する一対の車輪5,5を有しており、略U字状のスタンド部15が荷台部6の下部から下斜め前方に突出するように設けられている。
ハンドル部10,10は、荷台部6の後部両側にそれぞれ立てられ、それぞれのハンドル部10,10は上部付近で互いの距離を近づけるように曲げ加工を施し、ハンドル部10,10の上部にはそれぞれのハンドル部10,10を橋渡すように横方向に延ばして連結させた状態にして握り手部11とし、握り手部11の下側にもそれぞれのハンドル部10,10を橋渡すように横方向に延ばして設けられた中間フレーム8が形成されている。
握り手部11は、上方向から見て、荷台部6の後部両側にそれぞれ立てられたハンドル部10,10の左右の中心に位置し、握り手部11を握ることでユーザーはキャリーバッグ1−1の左右幅の中心を持つことができ、キャリーバッグ1−1をバランス良く運搬することができる。
【0020】
カバー部9や取付部14−1,14−2やバッグ部2は、たとえば天然繊維もしくは合成繊維の織布または不織布からなり、バッグ部2には、取付部14−1として略四角状で左右の縁が後面部17の左右端に縫合で固定された挿嵌部28が設けられている。
これにより、バッグ部2の後面部17と挿嵌部28に挟まれるようにして形成された上下に開口状態の隙間7に台車3のハンドル部10,10を通し入れ、荷台部6上にバッグ部2を載置することで、バッグ部2を台車3に載置取り付けることができる。
【0021】
さらにバッグ部2の上部には、バッグ部2をハンドル部10,10に吊下状態で取り付けるための取付部14−2としてベルト部13が設けられている。
ベルト部13はバッグ部2の後面部17上部で且つ、左右幅の中心位置に一方端部を縫合で固定したベルト状からなり、ベルト部13はバッグ部2を台車3に載置取り付けた状態でハンドル部10,10に設けられた中間フレーム8に掛けるようにして中間フレーム8の上方を通過させるように通しながら下方向に折り返し、ベルト部13の他方端部で挿嵌部28に向かい合う部分と挿嵌部28の上部の適宜位置には、一対で互いに係合可能な面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20をそれぞれに縫合固定し、面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20同士を押しあて、係合させることによりベルト部13の他方端部を挿嵌部28に固定してある。
これによりバッグ部2の上部をハンドル部10,10に吊下げ状態で取り付けることができる。
【0022】
カバー部9は、バッグ部2を台車3に載置取り付けた状態の時に、基端部がバッグ部2に設けられた図示しない口21とハンドル部10,10との中間に位置する後面部17の上部で尚且つ、バッグ部2の左右幅の中心に位置するように縫合で固定された略四角形状のたとえば舌状であり、カバー部9は握り手部11の上端に位置する最上部12よりも長い横幅を有している。
カバー部9は、通常は起立姿勢のキャリーバッグ1−1のバッグ部2の前面部18に先端部を垂れ下げた状態にある。
カバー部9はバッグ部2の前面部18に垂れ下げられる事で図示しない横方向にのびた口21を覆い、捲り上げることで口21を露出させることができる。
そして、カバー部9はハンドル部10,10側に捲り上げた状態の時、カバー部9は最上部12の全体を覆いながら上方を越えて、上方向から見て握り手部11を通過し、略下方向に折り返すことが可能な長さで設けられており、この時、カバー部9の最上部12の上方に位置する部分とカバー部9の先端部との間の任意の位置で且つ、カバー部9の左右幅の中央位置に第1バンド41Aの一方端部を縫合で固定し、他方端部には係合装置となる雄型バックル部41Bを取り付けることで、係合機構4の第1係合部材41をカバー部9に設けている。
【0023】
係合機構4の第2係合部材42は、バッグ部2を中間フレーム8に吊下げ状態で取り付けているベルト部13の後面に位置する部分に設けられている。
第2係合部材42は第2バンド42Aの一方端部をベルト部13の左右幅の中心位置で且つ適宜な高さ位置に縫合で固定し、第2バンド42Aの他方端部には第1係合部材41の雄型バックル部41Bと係合可能な雌型バックル部42Bが係合装置として取り付けられている。
通常は第2係合部材42の係合装置である雌型バックル部42Bは、ベルト部13の後面に位置する部分からベルト部13に沿うようにして垂れ下げられた状態にあるが、第2係合部材42を引っ張り、ベルト部13の上部から突出させ、同時にカバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げ、カバー部9に設けられた第1係合部材41をハンドル部10,10の上方を通過させ後方位置までもっていくことで、第1係合部材41と第2係合部材42とを係合させることができる。
【0024】
カバー部9は、バッグ部2の前面部18に垂れ下げられ図示しない口21を覆うことで、移動中の口21からの収納物の飛び出し防止や、雨水やほこり泥ハネなどからバッグ部2や収納物を保護するという従来の役割だけでなく、カバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げ係合機構4を係合させることで、キャリーバッグ1−1の上部をショッピングカート100のハンドル110に取り付けるという別の役割も担っている。
【0025】
なお、通常はバッグ部2の前面部18に垂れ下げられたカバー部9に設けられた第1係合部材41の雄型バックル部41Bは、図示されていないがバッグ部2前面部18の適宜位置に取り付けられたダミーの雌型バックル部19に係合されることで、カバー部9が不意に捲れ上がることを防止している。
そして第1係合部材41の雄型バックル部41Bをダミーの雌型バックル部19から外すことで、カバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げることができる。
【0026】
図3は、第1実施例における係合機構4の第1及び第2係合部材41,42の構造と機能を説明するための断面図である。
図3の(a)に示すように、係合機構4の第1及び第2係合部材41,42は、係合装置に周知の雄型及び雌型バックル部41B,42Bを利用した部材である。
すなわち、第1係合部材41は、バッグ部2のカバー部9に一方端部(図3の左方端部)が取り付けられた第1バンド41Aと、この第1バンド41Aの他方端部(図3の右方端部)に取り付けられた雄型バックル部41Bとでなる。
雄型バックル部41Bには、中央のガイド爪41Cと1対の係合爪41D,41Dとが突設されている。
一方、第2係合部材42は、バッグ部2に設けられたベルト部13に一方端部(図3の右方端部)が取り付けられた第2バンド42Aと、この第2バンド42Aの他方端部(図3の左方端部)に取り付けられた雌型バックル部42Bとでなる。
雌型バックル部42Bには、ガイド穴42Cと1対の挿入穴42D,42Dが設けられている。
これにより、図3の(b)に示すように、雄型バックル部41Bのガイド爪41Cと1対の係合爪41D,41Dとを、雌型バックル部42Bのガイド穴42Cと1対の挿入穴42D,42Dとに挿入することで、雄型バックル部41Bと雌型バックル部42Bとを係合させることができる。
そして、矢印で示すように、雄型バックル部41Bの係合爪41D,41Dを雌型バックル部42B内に押し込むことで、雄型バックル部41Bを雌型バックル部42Bから取り外すことができる。
【0027】
図4は、キャリーバッグ1−1をショッピングカート100に取り付ける方法を説明するための側面図である。
【0028】
図4の(イ)に示すように、キャリーバッグ1−1をショッピングカート100の後部分に取り付ける場合は、キャリーバッグ1−1の前面をショッピングカート100の後部分に向け配置する。
つまりバッグ部2の前面部18をショッピングカート100の後部分に向けた状態で配置させ、キャリーバッグ1−1を持ち上げ、スタンド部15をショッピングカート100の下段柵120に引っ掛けることで、キャリーバッグ1−1の下部をショッピングカート100の下段柵120に支持させる。
そして、下段柵120に引っかけたキャリーバッグ1−1のスタンド部15を支点にして、キャリーバッグ1−1を前方に起こすようにしてバッグ部2の上部から突出したハンドル部10,10をショッピングカート100のハンドル110に接触させる。
この結果、キャリーバッグ1−1は起立姿勢状態でハンドル部10,10をショッピングカート100のハンドル110に接触させた状態でショッピングカート100の後部分に仮設置された状態となる。
キャリーバッグ1−1はショッピングカート100に起立姿勢で仮設置させたことで、ユーザーはキャリーバッグ1−1を仮設置させた状態のままでキャリーバッグ1−1の上部をショッピングカート100のハンドル110に取り付ける作業を行うことができるので、今後の作業をユーザーはキャリーバッグ1−1を持ち続けながら行う必要がない。
【0029】
そして、図4の(ロ)に示すように、ユーザーはキャリーバッグ1−1を一方の手で支えることで仮設置の状態を維持したまま、他方の手でカバー部9を捲り上げカバー部9に設けられた第1係合部材41を、ショッピングカート100のハンドル110の前方のスペースから上方向に引っ張り上げ、カバー部9でハンドル110とハンドル部10,10をひとまとめに覆うようにしながら第1係合部材41をハンドル110とハンドル部10,10の上方を通過させ後方位置までもっていく。
このときショッピングカート100のハンドル110は、ハンドル部10,10と接触状態を保ちながらカバー部9に挟まれることで、ハンドル110はハンドル部10,10とカバー部9によって形成された収納エリア16に収納された状態となる。
そしてカバー部9は、ハンドル部10,10の上部に設けられた握り手部11に接触させながら最上部12で折り返し、ユーザーは略下方向に僅かに体重を掛けるようにして第1係合部材41を引っ張ることで、滑車の原理により、ユーザーは少ない力でも十分な力でカバー部9に設けた第1係合部材41を適宜位置まで引っ張り、且つ引っ張った状態を維持することができる。
さらに、カバー部9は滑車の原理で強く引っぱられることで、収納エリア16はその空間を狭め、この結果、引っぱられることで張力を有したカバー部9は、ハンドル110とハンドル部10,10の接触状態を維持しながら収納エリア16にてハンドル110を収納した状態となり、同時に、ユーザーは片手だけでも無理なくキャリーバッグ1−1をショッピングカート100の後部分に起立姿勢で仮設置させた状態を維持させることができる。
そして、キャリーバッグ1−1のベルト部13に垂れ下げられた状態にある第2係合部材42の雌型バックル部42Bを上方向に引っ張り上げ、カバー部9に設けた第1係合部材41の雄型バックル部41Bを雌型バックル部42Bに係合させることで、キャリーバッグ1−1の上部をショッピングカート100のハンドル110に固定させることができる。
【0030】
この結果、キャリーバッグ1−1は、フレーム構造からなる台車3の上部と下部の2か所をショッピングカート100に取り付けることで、キャリーバッグ1−1を2点支持状態で確固としてショッピングカート100の後部分に固定することができる。
しかも、キャリーバッグ1−1を固定状態のショッピングカート100は操作性が損なわれることはなく、安全に移動させることができる。
そして、係合機構4の第1係合部材41と第2係合部材42との係合状態を解除し、キャリーバッグ1−1を後方に傾けながら引き上げることで、ショッピングカート100の下段柵120からスタンド部15を外し、キャリーバッグ1−1をショッピングカート100から取り外すことができる。
【0031】
なお、第1係合部材41を設けたカバー部9は、ハンドル部10,10側に捲り上げ、ハンドル部10,10の上方を越えて後方位置にまでもっていくことが可能なので、ユーザーは第1及び第2係合部材41,42の係合作業をユーザーに対面する位置であるキャリーバッグ1−1の後方位置で行うことができる。
したがって、ユーザーは、ユーザーの直前に位置している第1係合部材41を設けたカバー部9を、ハンドル部10,10の下方の適宜位置まで引っ張り、その状態を維持させるような力を必要とする一連の作業を容易に行うことが可能であり、ユーザーは無理のない自然な姿勢で係合機構の係合状態を目視確認しながら、迅速且つ安全に取り付け作業を完了させることができる。
【0032】
図5は第1実施例のハンドル部10,10における係合機構4が係合状態の時の収納エリア16と第1及び第2係合部材41,42の位置関係を示す側面図であり、図5はキャリーバッグ1−1のカバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げ、係合機構4を係合させた状態を表した図である。
【0033】
図5は、キャリーバッグ1−1の前側を左側に向けた状態を表した図であり、カバー部9は基端部をバッグ部2の後面部17上部に縫合で固定されている。
通常はバッグ部2の前面部18に垂れ下げられ口21を覆うことで、バッグ部2内の収納物やバッグ部2を保護する役割を持つカバー部9は、ハンドル部10,10側に反転させるように捲り上げた状態にして、握り手部11に接触させながら最上部12で略下方向に折り返されている。
カバー部9には第1バンド41Aの一方端部を縫合で固定し、第1バンド41Aの他方端部には係合装置として雄型バックル部41Bが設けられている。
第2係合部材42は、第2バンド42Aの一方端部をベルト部13の後面に位置する部分の適宜位置に縫合で固定し、第2バンド42Aの他方端部には雌型バックル部42Bが設けられている。
第2係合部材42は雌型バックル部42Bを上方向に引っ張り上げることでベルト部13より上方向に突出させ、第1係合部材41と係合されている。
係合機構4を係合させることにより、ハンドル部10,10の前側に面する部分と、カバー部9との間には、ショッピングカート100のハンドル110を通し入れることでハンドル部10,10とカバー部9によってハンドル110を挟むようにして固定することができる空間である収納エリア16がハンドル部10,10に沿って細長略半円柱状で形成される。
【0034】
バッグ部2より突出したハンドル部10,10の前側に面する部分に沿って細長略半円柱状に形成される収納エリア16は、さまざまな高さのハンドル110に対応しキャリーバッグ1−1をショッピングカート100に固定することが可能であり、厳密に言うとキャリーバッグ1−1のスタンド部15を下段柵120に支持した状態で、ハンドル部10,10の前側面に接触可能な高さのハンドル110を備えたショッピングカート100であれば、ハンドル110の高さの高低の差にかかわらず、ショッピングカート100に対し同様の固定位置にキャリーバッグ1−1を配し、固定することができる。
これらをさらに具体的に説明すると、図4で示されたキャリーバッグ1−1の場合、スタンド部15を下段柵120に支持した状態でハンドル110をハンドル部10,10に接触可能であればハンドル110高の異なるいかなるショッピングカート100に取り付けた場合でも、キャリーバッグ1−1は常にショッピングカート100に対し2点支持状態で尚且つ、ハンドル部10,10をハンドル110に接触させた状態で取り付けることができる。
【0035】
また、ハンドル部10,10とカバー部9によって形成された収納エリア16はハンドル部10,10の前側に面する部分に存在し、第2係合部材42はハンドル部10,10の後側に面する位置に存在している。
つまり、収納エリア16と第2係合部材42の位置関係は、同一の高さ位置に、ベルト部13を挟んで一定の距離をあけた状態で存在し、第2係合部材42は収納エリア16には位置することはない。
このため、例えば収納エリア16にハンドル110を収納しようとするときに第2係合部材42が、ハンドル110に引っ掛かったり、ハンドル110の収納を阻害することはなく、同様に、第1係合部材41と第2係合部材42との係合を、収納エリア16に収納されたハンドル110が阻害することもない。
よって、第2係合部材42はベルト部13の後面に位置する部分に取り付けることで、収納エリア16でのハンドル110の収納作業や第1及び第2係合部材41,42の係合作業を円滑に行うことができる。
【0036】
しかも、第2係合部材42は、取り付け位置をバッグ部2の上部から上方向に突出するように設けられたベルト部13に設けることで、キャリーバッグ1−1は、ハンドル部10,10の前側に面する部分に沿って、上下方向に広範囲の収納エリア16を確保しながら尚且つ、収納エリア16の後方位置に第2係合部材42を配することができる。
この結果、キャリーバッグ1−1には第2係合部材42の取り付け位置よりも低い位置にまで収納エリア16を広げて設けることができる。
【0037】
さらに、第2係合部材42の取り付け位置は、ベルト部13の適宜な高さ位置に設けることが可能であり、握り手部11に接近した位置に配すれば、第1係合部材41を設けているカバー部9や、第2バンド42Aの全長を短縮させて設けることが可能となる。
長すぎるカバー部9は、製造コスト高になるだけでなく、口21を露出させる時に捲り上げにくく扱いづらいが、カバー部9は全長を短縮させることで扱い易くなり、ユーザーは荷物の出し入れ作業などを円滑に行うことができるメリットがある。
【0038】
なお、第2係合部材42を設ける位置は、ベルト部13や挿嵌部28などの取付部14−1,14−2にすることで、第2係合部材42は、縫合固定や、接着固定や、さらにはベルト部13や挿嵌部28は自由に孔を開けることが可能なのでハトメ金具26やリベット24止め固定など種々の取り付け方法を採用することが可能である。
この結果、取り付け方法の異なるさまざまな係合機構になり得るものの中から最適な係合機構を選択し採用することができる。
【0039】
また、第2係合部材42になり得るものの中には、スナップボタンのように中央に孔が存在するものや、長年の使用によって第2係合部材42の取り付け部分の縫い目やリベット24止めの孔が大きく広がってしまうことがあるが、第2係合部材42は、取り付け位置を取付部14−1,14−2にすることによって、キャリーバッグ1−1を雨天時に使用した場合、雨に濡れることで取り付け部分の縫い目や孔が雨水を通してしまっても、雨水がバッグ部2内へ浸入することがないので、収納されている荷物が濡れることはない。
このため第2係合部材42の取り付け部分には、防水シールや特別な縫製加工などの防水対策を施す必要がない。
【0040】
さらに、第2係合部材42は、取り付け位置をベルト部13や挿嵌部28などの取付部14−1,14−2にすることで、台車3からバッグ部2を脱着する作業中に、第2係合部材42はバッグ部2やハンドル部10,10に引っ掛かったりすることで破損したり、第2係合部材42が台車3とバッグ部2の脱着作業を阻害することがなく、スムーズに作業を完了させることができる。
【0041】
図6はキャリーバッグ1−1をショッピングカート100の後部分に2点支持状態で取り付けた状態を示す斜視図である。
【0042】
ショッピングカート100にはさまざまなデザインのものが存在しており、図6に示すショッピングカート100は、後部分に横方向に延びた棒状のハンドル110の中央部分を欠損させ、ハンドル110が左右2ヶ所からなるデザインを採用したものである。
しかし、中央部分を欠損させたデザインのハンドル110,110は、キャリーバッグをハンドル110,110に固定した時、欠損部分に位置するカバー部9が、後方に折れ曲がるように変形することでハンドル110,110の欠損部分からすり抜けて脱落し、この結果キャリーバッグが後方に立つユーザー側に倒れてくる危険性がある。
このようなカバー部9の変形によるハンドル110,110からの脱落を防止するためには、収納エリア16を形成状態のカバー部9の左右の先端部や縁が容易に捲れ上がらないようにする対策が必要である。
【0043】
そこで、図6に示されるキャリーバッグ1−1は、カバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げた状態の時、少なくともカバー部9は最上部12の上方を越えて上方向から見て握り手部11を通過する長さで設けた。
しかもカバー部9は、握り手部11に設けられた最上部12よりも長い横幅を有している。
【0044】
したがってカバー部9は、収納エリア16にハンドル110,110を収納し、ハンドル部10,10の上方を越え、カバー部9に設けられた第1係合部材41を第2係合部材42に係合させた時、カバー部9は最上部12の全体を完全に覆いながら握り手部11で下方に折り返した状態となる。
カバー部9は、握り手部11と接触しながら折り返した状態で略下方向に引っ張られることで、収納エリア16を形成する基端部から最上部12に位置するカバー部9は、その左右縁や四隅が捲れ上がることを防止する効果を得ることができ、たとえ第1係合部材41がカバー部9の左右幅の中央に1ヶ所しか設けられていなくても、カバー部9は2ヶ所からなるハンドル110,110の双方をしっかりと固定することができる。
【0045】
しかも、左右2ヶ所からなるハンドル110,110の双方を、左右縁で固定しているカバー部9は、ハンドル110,110を覆っている左右縁が前方に盛り上がった状態になり、そして左右縁が前方に引っ張られることにより、握り手部11で折り返された状態のカバー部9は、最上部12全体を覆いながらその左右縁がハンドル部10,10の形状に沿って下方に巻きつくように湾曲した形状となる。
【0046】
このためカバー部9はハンドル部10,10に対して左右方向に外れることなく安定して固定することができる。
【実施例2】
【0047】
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図7は、この発明の第2実施例に係るキャリーバッグ1−2を斜め後側から見た斜視図である。
【0048】
図7に示す第2実施例のキャリーバッグ1−2は、挿嵌部28は左右の両端がバッグ部2の左右側面に縫合で固定され、固定された挿嵌部28と後面部17との間にはハンドル部10,10を通し入れることができる隙間7が上下に開口した状態で存在し、隙間7に台車3のハンドル部10,10を通し入れ、荷台部6上にバッグ部2を載置させ、さらに第1実施例と同様にベルト部13を用いてバッグ部2を台車3に載置取り付けている。
図示されていないがカバー部9は、基端部をバッグ部2の上部に縫合で固定されており先端部はバッグ部2の前面部18に垂れ下げた状態にある。
第2実施例のキャリーバッグ1−2に設けられた第2係合部材42は、第1実施例で示した第2バンド42Aと雌型バックル部42Bからなるものとは異なり、係合装置であるバックル部の載置底面部を延設し取付孔を有する固定台座27,27を設けた構造の雌型バックル部42Eを採用している。
固定台座27,27が設けられた構造の雌型バックル部42Eは、ベルト部13の取り付け位置にリベット24,24の取付孔を開け、取付孔を合わせるようにしてベルト部13の表面には雌型バックル部42Eを配し、裏面には図示されていないが板状で取付孔を有する装着用部材を取付孔に合わせて配し、固定台座27,27の取付孔よりリベット24,24を挿入し装着用部材の取付孔から突出したリベット24,24の先端をつぶし広げることで雌型バックル部42Eをベルト部13に固定させている。
雌型バックル部42Eは、挿入穴42D,42Dを上方向に向けた状態で、ベルト部13の後面に位置する部分に直接固定することで、第2係合部材42は係合装置が常に上方向を向いた状態で且つ固定状態で取り付けられている。
第2係合部材42はベルト部13に固定状態で取り付けられることで、ユーザーは第2係合部材42をわざわざ手で持たなくても第1係合部材41との係合作業を片手で行うことが可能となる。
つまりユーザーは、一方の手でキャリーバッグ1−2を起立姿勢状態でショッピングカート100に仮設置させながら併せてキャリーバッグ1−2を支え、キャリーバッグ1−2を一方の手で支えながら他方の手は片手のみで第1係合部材41を第2係合部材42に係合させる作業を行うことができるので、係合作業中のキャリーバッグ1−2は常に片手で支えられており、キャリーバッグ1−2は作業中にぐらついたりユーザーに向かって手前側に倒れてしまうような心配がなく、ユーザーはさらに安全に係合作業及び取り外し作業を完了させることができるという優れた効果がある。
【0049】
なお、図7に示す第2実施例では、ハンドル部10,10の上部は上方向に湾曲させながら横方向に延ばして連結させた形状のデザインを採用し、さらにクッション性のある発泡ゴム素材からなる円筒形のグリップ25を装着し握り手部11aとしている。
これにより、収納エリア16を形成するためにカバー部9を握り手部11aに接触させ、最上部12で折り返した状態の時に、発泡ゴム素材からなるグリップ25は滑りにくく、しかも押さえつけられることで自由な形に変形するので、握り手部11aは接触するカバー部9に合わせて適宜変形することで、カバー部9は握り手部11aに対し充分な接触面を確保することができる。
よって、握り手部11aは上方向に湾曲させた形状のデザインであっても、カバー部9が握り手部11aから外れてしまうようなことがない。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【実施例3】
【0050】
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図8は、この発明の第3実施例に係るキャリーバッグの上部を斜め後側から見た斜視図である。
【0051】
図8に示す第3実施例のキャリーバッグ1−3は、取付部14−4であるベルト部13を細幅状の帯状体で設け、係合機構4の第2係合部材42は、台車3にバッグ部2を載置取り付けた状態のベルト部13の後面に位置する部分に雄型バックル部41Bが係合爪41D,41Dを上方向に向けた状態で装着できるように雄型バックル部41Bのバンド取付孔51,51にベルト部13を挿通させ、第2係合部材42である雄型バックル部41Bを取付部14−4であるベルト部13に係止状態で直接取り付けることで設けたものである。
【0052】
なお、第3実施例で示された雄型バックル部41Bは、厳密に説明すると、係合爪41D,41Dを上方向に向けた状態の時、係合爪41D,41Dが設けられた雄型バックル部41Bの下方に位置する基部50には、バンドを挿入し係止させるバンド取付部分としてのバンド取付孔51が設けられておりバンド取付孔51の中間であって基部50の幅方向に連結杆52が架設され、この連結杆52によってバンド取付孔51が連結杆52の上下位置に2ヶ所に分割されている。これにより、ベルト部13を2ヶ所からなるバンド取付孔51,51に挿通させることにより、雄型バックル部41Bを、上下方向に延びたベルト部13に対し係合爪41D,41Dを上方向に向けた係止状態で取り付けることができる。
【0053】
なおベルト部13に取り付けられた雄型バックル部41Bはベルト部13の張力を緩めた状態にすることで、ベルト部13上をスライド移動させることが可能であり、しかも、係合爪41D,41Dは横方向から見て、張りを持たせた状態のベルト部13に対し略平行状態を保ちながらベルト部13上の任意の位置で係止することが可能な構造となっている。
よって、第2係合部材42である雄型バックル部41Bはベルト部13上を自由にスライド移動が可能なのでユーザーは最適な高さ位置に雄型バックル部41Bを調整移動させることができる。
しかも、万が一ユーザーの衣服の一部などが、上方向を向いている係合爪41D,41Dに引っかけてしまった場合でも、ベルト部13に係止状態の雄型バックル部41Bは、過度な力が係合爪41D,41Dにかかった場合、復元弾力をもって係合爪41D,41Dの向きを一時的に下方に下げ、係合爪41D,41D及び衣服の破損を回避する事ができる。
【0054】
また、取り付けられた第2係合部材42は、ベルト部13に垂れ下げ状態で取り付けられるより、見た目もスマートで良く、キャリーバッグを移動中に第2係合部材42があばれることもない。
さらにベルト部13に設けられた雄型バックル部41Bは係合爪41D,41Dを常に上方向に向けた状態で係止しているので、第2実施例と同様にユーザーは第2係合部材42をわざわざ手で持たなくても第1係合部材41との係合作業及び取り外し作業を片手で行うことが可能である。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【実施例4】
【0055】
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図9は、この発明の第4実施例に係るキャリーバッグの上部を斜め後側から見た斜視図である。
【0056】
図9に示す第4実施例のキャリーバッグ1−4は、
取付部14−2であるベルト部13が第1実施例のように横幅を有するベルト状で設けられている。
バッグ部2を固定状態のベルト部13には、第2係合部材42として、係合爪41D,41Dを上方向に向けた状態の雄型バックル部41Bを係止状態で取り付けた細幅状の帯状体からなる第2バンド42Gを長手方向をベルト部13の全長方向に沿うようにしてベルト部13の適宜位置に重合沿設し、第2バンド42Gの両端部をベルト部13にそれぞれ縫合固定し取り付けてある。
なお、第2バンド42Gに取り付けられた雄型バックル部41Bは第3実施例と同様に、第2バンド42Gをバンド取付孔51,51に挿通させることにより、雄型バックル部41Bは第2バンド42Gに係止状態で取り付けられている。
【0057】
第4実施例のキャリーバッグ1−4は第3実施例のキャリーバッグ1−3と同様に、第2係合部材42の雄型バックル部41Bはベルト部13に対し、取り付け位置をスライド移動させ、最適な高さに適宜調整することが可能であり、図9に示す第4実施例のキャリーバッグ1−4では、雄型バックル部41Bは係合爪41D,41Dを上方向に向けた状態で且つ、ベルト部13の上部から突設させ、係止した状態にしてある。
雄型バックル部41Bは、係合爪41D,41Dをベルト部13の上部から突出させた状態で係止したことで、ユーザーはキャリーバッグ1−4における第2係合部材42の係合装置の位置をキャリーバッグ1−4の前面、後面どちら側から見ても容易に発見することができる。
また、取り付けられた第2係合部材42は見た目もスマートである。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第3実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【実施例5】
【0058】
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図10は、この発明の第5実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図であり図10はキャリーバッグ1−5のカバー部9aをハンドル部10,10側に捲り上げ、係合機構4を係合させた状態を表した図である。
【0059】
図10に示すように、この実施例のキャリーバッグ1−5は、カバー部9aの取り付け位置及び係合機構4の第2係合部材42の取り付け位置が他の実施例とは異なる。
【0060】
具体的には、カバー部9aは、基端部の縁を折り返すようにして縫合し、基端部をループ状に形成し、バッグ部2を台車3に載置取り付けた状態のハンドル部10,10に設けられた中間フレーム8に、カバー部9aがバッグ部2の前面部18に対し内側面30を対面した状態で垂れ下げることができるようにループ形状の基端部を通し入れ、カバー部9aの基端部を中間フレーム8に取り付けている。
第1係合部材41は、通常はバッグ部2の前面部18に先端を垂れ下げた状態のカバー部9aに、第1バンド41Aの一方端部を縫合で固定し、他方端部には係合装置となる雄型バックル部41Bを取り付けることで第1係合部材41として設けている。
係合機構4の第2係合部材42は、挿嵌部28の後面の上部に位置する部分に第2バンド42Aの一方端部を縫合固定し、第2バンド42Aの他方端部には雌型バックル部42Bを取り付けることで設けている。
【0061】
また、図示されていないがキャリーバッグ1−5は、係合機構4の第2係合部材42の取り付け位置を挿嵌部28ではなく、バッグ部2の後面部17上部に設けても良い。
【0062】
さらに、図示されていないがキャリーバッグ1−5は係合機構4の第2係合部材42の取り付け位置を挿嵌部28や後面部17ではなく、ハンドル部10,10のカバー部9aが取り付けられた中間フレーム8と握り手部11との中間位置に中間フレーム8を増設し、
第2バンド42Aを適宜短縮し且つ、一方端部の縁を折り返すようにして縫合し、一方端部の先端部をループ状に形成し、増設した中間フレーム8に通し入れることで第2係合部材42を中間フレーム8に設けても良い。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【実施例6】
【0063】
次に、この発明の第6実施例について説明する。
図11は、この発明の第6実施例に係るキャリーバッグを斜め後側から見た斜視図であり、図11はキャリーバッグ1−6のカバー部9をハンドル部10,10側に捲り上げ、係合機構4を係合させた状態を表した図である。
【0064】
図11に示すように、この実施例のキャリーバッグ1−6は、係合機構4である第1及び第2係合部材41,42が、他の実施例と異なる。
【0065】
具体的には、ハンドル部10,10側に反転させるように捲れ上げ最上部12で折り返された状態のカバー部9の最上部12との接触位置とカバー部9の先端部との間の任意の位置に、先端が鉤状からなる引っかけ部41Fを第1係合部材41として取り付けてある。
厳密に説明すると、先端が鉤状からなる引っかけ部41Fの基体部22には取付孔が設けられており、カバー部9の取り付け位置に穴を開け、カバー部9に開けた穴に基体部22の取付孔を重ね合わせながらリベット24を用いて、先端が鉤状からなる引っかけ部41Fがカバー部9の穴に対し回転自在になるように取り付けられている。
【0066】
係合機構4の第2係合部材42は、バッグ部2を中間フレーム8に吊下げ状態で取り付けているベルト部13の後面に位置する部分に設けられている。
第2係合部材42はベルト部13の後面に位置する部分の左右幅の中心位置で且つ、適宜な高さ位置に孔23を開け、孔23の周縁にハトメ金具26からなる受け部42Fを装着し設けられている。
第1係合部材41の鉤状からなる引っかけ部41Fは、孔23の周縁にハトメ金具26を設けた受け部42Fに引っかけることにより、第1係合部材41を第2係合部材42に係合させることができる。
なお、第2係合部材42である受け部42Fはベルト部13の後面に位置する部分にのみ設けられており、ベルト部13前面に位置する部分には設けられていないため、係合状態の鉤状からなる引っかけ部41Fの先端は、ベルト部13の前面から突出することはない。
よって、収納エリア16に収納されたハンドル110に鉤状からなる引っかけ部41Fの先端が接触したり、収納エリア16でのハンドル110の収納作業を鉤状からなる引っかけ部41Fが阻害することはない。
【0067】
なお、ベルト部13は、一方端部をカバー部9の基端部に重ねた状態でバッグ部2上部にまとめて縫合固定されており、ベルト部13の他方端部は、ベルト部13の他方端部と後面部17の上部の対面する適宜位置に一対で互いに係合可能な面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20をそれぞれに設け、ベルト部13の他方端部を後面部17の上部に押し当てることで係合させ取り付けている。
【0068】
挿嵌部28は後面部17に上下2か所設けられており、挿嵌部28はベルト状で両端がバッグ部2の左右側面に縫合で固定され、縫合で固定された挿嵌部28と後面部17との間にはハンドル部10,10を通し入れることができる隙間7が上下に開口した状態で存在している。
さらに挿嵌部28と後面部17の向かい合うそれぞれの面には一対で互いに係合可能な面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20がそれぞれ向かい合う状態で設けられている。
ユーザーはハンドル部10,10を挿嵌部28と後面部17との間の隙間7に通し入れ、バッグ部2を荷台部6に載置させた後に挿嵌部28を後面部17に押し当て面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20同士を係合させることで隙間7を無くし、バッグ部2をハンドル部10,10によりしっかりと固定させることができる構造となっている。
【0069】
なお、孔23を設け、孔23の周縁に受け部42Fを装着して設けた第2係合部材42はベルト部13に設けることで、第2係合部材42をバッグ部2の後面部17に設けた場合に比べ、キャリーバッグ1−6を雨天時に使用した場合でも、雨水は孔23からバッグ部2内へ浸入することがないので雨水の浸入により荷物が濡れる危険性がない。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【実施例7】
【0070】
次に、この発明の第7実施例について説明する。
図12の(C)及び(D)は、それぞれこの発明の第7実施例に係るキャリーバッグを示す斜視図であり、図12の(C)及び(D)は、起立姿勢のキャリーバッグ1−7,1−8において、バッグ部2の前面部18に垂れ下げられた状態のカバー部9及び第1係合部材41を拡大した斜視図である。
【0071】
図12の(C)及び(D)は、それぞれ請求項6に対応する実施形態を示している。
【0072】
図12の(C)に示すキャリーバッグ1−7は、第1バンド41Aの一方端部に雌型バックル部42Bを取り付けた第1係合部材41に、帯状からなり第1係合部材41よりも横幅、全長が共に長い保護帯45を長手方向を第1係合部材41の全長に沿うような状態で尚且つ、保護帯45の先端が第1係合部材41の係合部43である挿入穴42D,42Dの先端よりも突出するようにして重ね合わせた状態にする。
そして、第1係合部材41が、バッグ部2の前面部18に垂れ下げられた状態の時に、雌型バックル部42Bの係合部43と前面部18との中間位置に保護帯45が位置するように、第1バンド41Aの他方端部と重ね合わせた保護帯45とを一緒にカバー部9の先端部に縫合固定し、カバー部9に取り付けている。
【0073】
ショッピングカート100に取り付けられたキャリーバッグはショッピングカート100から取り外す際に、ハンドル110の前方のスペースに通された状態のカバー部9を引き抜くが、カバー部9を引き抜く時に、カバー部9に設けられた第1係合部材41の雄型及び雌型バックル部41B,42Bの係合部43は、ショッピングカート100の格子状の金属フレームや買い物カゴにぶつかったり引っ掛かったりして破損する危険性がある。
【0074】
そこで、図12の(C)に示すキャリーバッグ1−7は、起立姿勢にした時、保護帯45を、雌型バックル部42Bの係合部43と前面部18との中間位置に配するようにカバー部9から突設することで、ショッピングカート100からキャリーバッグ1−7を取り外す際に、ハンドル110の前方のスペースから、カバー部9をショッピングカート100側である前方に倒しながらカバー部9を引き抜いても、雌型バックル部42Bがショッピングカート100の金属フレームと対向する位置には帯状からなる保護帯45が存在するため、雌型バックル部42Bが格子状の金属フレームに直接接触したり引っ掛かることはなく、この結果、雌型バックル部42Bが金属フレームに強く当たることで係合部が破損する危険性を防止することができる。
【0075】
なお、保護帯45には、柔軟でクッション性が高く、自重で垂れ下がり難い例えば発泡ネオプレーン系の発泡合成樹脂素材などを用いることにより、保護帯45は係合部43の保護効果をより高めることができる。
【0076】
又、図12の(D)に示すキャリーバッグ1−8は、カバー部9の先端部に第1バンド41Aを縫製にて固定し、第1バンド41Aに雄型バックル部41Bを係止状態で取り付けることでカバー部9に第1係合部材41を設けている。
雄型バックル部41Bは、基部50の前後位置に設けられたバンド取付孔51,51に第1バンド41Aを挿通させることにより、第1バンド41Aに係止状態で取り付けられており、基部50の前方に位置する係合爪41D,41Dに近い位置に設けられたバンド取付孔51の下方より係合部43である係合爪41D,41Dの先端方向に向かって突出した第1バンド41Aは、ループ形状を形成しながらも係合部43の先端から突出することができる長さで設けられ、さらにループ形状を形成しながら基部50に向かって折り返した状態の第1バンド41Aは、基部50の前方に位置するバンド取付孔51から下方に突出し基部50の下部に位置している第1バンド41Aの下面に重ね合わせ、接触面を縫い合わせ、固定してある。
【0077】
第1バンド41Aは基部50の前方に位置するバンド取付孔51から突出し、ループ形状を形成しながら折り返し縫い合わせることで、係止状態の雄型バックル部41Bは縫い合わせた部分よりも前方にスライド移動することが制限されると共に、縫い合わせた部分よりも前方に位置するループ形状の第1バンド41Aは保護帯45とすることができる。
保護帯45は、先方をループ形状で形成することでクッション性を高めるだけでなく自重で垂れ下がり難くなっており、保護帯45はショッピングカート100の金属フレームに雄型バックル部41Bの係合部43が接触することを防止し、金属フレームに強く当たることで雄型バックル部41Bが破損することを防ぐことができる。
【0078】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるのもではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記第1実施例では、係合機構4の第1係合部材41として、雄型バックル部41Bを係合装置に用い、第2係合部材42として、雌型バックル部42Bを係合装置に用いた例を示したが、第1係合部材41として、雌型バックル部42Bを係合装置に用い、第2係合部材42として、雄型バックル部41Bを係合装置に用いることができるのは、勿論であり、バックル部の構造も周知の構造の一例にすぎないことは、勿論である。
【0079】
また、第1及び第2係合部材41,42の係合装置には、面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20やスナップボタンやホックや引っかけ部やマグネットなどを用いてもよいことは、勿論である。
【0080】
また、実施例では荷台部6の後部両側に、前後方向に回転する一対の車輪5,5を設けスタンド部15を荷台部6の下部から下斜め前方に突出するように設けるとしているが、車輪5,5は左右方向に回転するように設けてもよいことは、勿論であり、さらに前後左右方向に回転自在により進行方向を選ばないキャスターを車輪5,5の代わりに設けてもよいことは、勿論である。
さらに、スタンド部15の代わりに車輪5,5やキャスターを前部両側にも設けることで4輪構造としてもよいことは、勿論である。
【0081】
なお、実施例ではバッグ部2の口21の周縁には開閉手段としてファスナを設けているが、バッグ部2の口21は巾着構造などさまざまな開閉手段を用いてもよいことは、勿論である。
【0082】
また、実施例では、バッグ部2の前面部18にダミーの雌型バックル部19を設けているが、ダミーの雌型バックル部19は設けなくてもよいのは、勿論である。
【0083】
なお、カバー部9は、発泡ゴム素材やウレタン素材などの滑り止め効果や固定効果をねらった素材で形成したり、カバー部9の外側面31に、発泡ゴム素材やウレタン素材などの固定手段や滑り止め手段を設けてもよいのは勿論である。
【0084】
また、第3実施例、第4実施例の第1係合部材41は係合装置が第2係合部材42と脱着自在に係合可能な雌型バックル部42Bであることは勿論である。
【0085】
なお、実施例のベルト部13は、バッグ部2の後面部17の上部にベルト部13の一方端部を縫合で固定し、ベルト部13の他方端部と挿嵌部28の上部の適宜位置に一対で互いに係合可能な面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20をそれぞれに設け、面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20同士を押しあて、係合させることによりベルト部13の他方端部を挿嵌部28に固定する構造であるが、挿嵌部28の上部にベルト部13の一方端部を縫合固定し、ベルト部13の他方端部と後面部17の上部に面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20をそれぞれに設けベルト部13の他方端部と後面部17の上部を固定してもよいのは勿論である。
さらに挿嵌部28の上部または後面部17の上部に、ベルト部13の両端部を縫合や互いに係合可能な面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20などを用いて固定してもよいのは勿論である。
さらに面ファスナ「マジックテープ(登録商標)」20の代わりに別の取り付け手段を用いてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
1−1〜1−8…キャリーバッグ、
2…バッグ部、
3…台車、
5…車輪、
6…荷台部、
9,9a…カバー部、
10…ハンドル部、
13…ベルト部、
14−1〜14−6…取付部、
15…スタンド部、
17…後面部、
41…第1係合部材、
41A…第1バンド、
41B…雄型バックル部、
42…第2係合部材、
42A,42G…第2バンド、
42B,42E…雌型バックル部、
43…係合部、
45…保護帯、


















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