(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6413204
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】制御盤冷却装置
(51)【国際特許分類】
H02B 1/56 20060101AFI20181022BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
H02B1/56 A
H05K7/20 H
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-240004(P2013-240004)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-100239(P2015-100239A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100158355
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 明子
(72)【発明者】
【氏名】久保 光生
(72)【発明者】
【氏名】朝野 浩伸
【審査官】
澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−163274(JP,A)
【文献】
再公表特許第2003/023307(JP,A1)
【文献】
特開2006−140415(JP,A)
【文献】
特開2008−263081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 − 1/38
H02B 1/46 − 7/08
H02M 7/42 − 7/98
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御盤本体と、
前記制御盤本体内に取り付けられたサーボアンプと、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記サーボアンプの上方に位置する回生抵抗器と、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記サーボアンプに並置された電磁開閉接触器と、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記電磁開閉接触器の上方に位置し前記サーボアンプに略並置された端子台と、
を有する制御盤において、
前記サーボアンプは内蔵したパワー素子を冷却するためのヒートシンクと、
前記ヒートシンクに風をおくるために前記サーボアンプ真下に設けられた少なくとも2個の電動ファンと、
前記電動ファンの真下に位置する前記制御盤本体の底面に設けた開口部と、
前記開口部に隙間なく嵌挿した管継手と、
前記管継手に接続するパイプ部品と、
を備え、
前記パイプ部品は一端が管継手の大径部に嵌挿され、他端が電動ファンの外側面に近接するように設けられ、前記パイプ部品の長さは、前記管継手より突出する該パイプ部品の先端と前記電動ファンとの隙間が前記管継手の前記制御盤本体からの飛び出し長さよりも短くなるように調整したことを特徴とする制御盤冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータを駆動するサーボアンプを保護する制御盤冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーボアンプやコントローラなどの電子制御機器を格納する制御盤(制御ボックス)は、電子制御機器の発熱により内部温度が上昇する。電子制御機器は周囲温度が仕様範囲を超えないように使う必要があり、また、温度が高いほど電子制御機器の故障が起きやすくなるため、制御盤は十分な空間容積を確保した大きなものとするか、制御盤を小さくしたい場合は参考文献1のように強制冷却ファンを追加するなどの手段が一般的にとられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−163274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御盤はスペースの関係からサイズが小さいことが望まれるが、該制御盤の内部温度を下げるために冷却ファンを追加することでコストが上昇する。
このため、制御盤を小さくしても冷却ファンを追加せずに制御盤内部温度を下げることができれば、コストを上げずに電子制御機器の信頼性を確保できる制御盤を提供することができる。
本発明は係る課題を解決するためになされたもので、制御盤を小さくしても冷却ファンを追加せずに制御盤内部温度を下げることができれば、コストを上げずに電子制御機器の信頼性を確保できる制御盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は
制御盤本体と、
前記制御盤本体内に取り付けられたサーボアンプと、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記サーボアンプの上方に位置する回生抵抗器と、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記サーボアンプに並置された電磁開閉接触器と、
前記制御盤本体内に取り付けられ前記電磁開閉接触器の上方に位置し前記サーボアンプに略並置された
端子台と、
を有する制御盤において、
前記サーボアンプは内蔵したパワー素子を冷却するためのヒートシンクと、
前記ヒートシンクに風をおくるために前記サーボアンプ真下に設けられた少なくとも2個の電動ファンと、
前記電動ファンの真下に位置する前記制御盤本体の底面に設けた開口穴と、
前記開口穴に隙間なく嵌挿した管継手と、
前記管継手に接続するパイプ部品と、
を備え、
前記パイプ部品は一端が管継手の大径部に嵌挿され、他端が電動ファンの外側面に近接するように設けられ、前記パイプ部品の長さは、前記管継手より突出する該パイプ部品の先端と前記電動ファンとの隙間が前記管継手の前記制御盤本体からの飛び出し長さよりも短くなるように調整したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
安価に入手可能な部品の追加で、冷却ファンを追加することなく、小さな制御盤でも制御盤内部温度が下がり、わずかなコストで制御盤内部にある電子制御機器の信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態に係る制御盤冷却装置の概略構造を示す正面図である。
【
図5】
図2のサーボアンプと管継手及びパイプ部品の位置関係を示す要部詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本明の実施の形態に係る制御盤冷装置につき好適の実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る制御盤冷却装置10の正面図を示し、
図2は
図1の内部構造図、
図3は
図1の側面図、
図4は
図1の底面図をそれぞれ示す。
【0009】
図1乃至
図4に示すように、制御盤冷却装置10は断面矩形状の制御盤本体11を形成し、該制御盤本体内11にはサーボアンプ12と、前記サーボアンプ12の上方に位置する回生抵抗器13と、前記サーボアンプ12に並置された電磁開閉接触器14と、前記サーボアンプに略並置された
端子台15とを備えており、これらは制御盤本体11の下面(
図2で垂直方向)にねじ部材(図示しない)により取り付けられている。
【0010】
図6に示すように、制御盤本体11の底部には、パイプ部品20(
図2及び
図6参照)を挿入する開口穴18、18が一方向,例えば
図4において裏面11aから上下方向に間隔をおいて設けられている。
【0011】
図6において、参照符号19,19は管継手を示すもので、該管継手19、19は小径部19a,19aと大径部19b、19bとが接合する部位に傾斜部を形成し、該傾斜部を開口部18、18に嵌挿して所定位置に取り付けられるようになっている。
管継手19、19は開口穴18、18に嵌挿された際に、制御盤本体11の該開口穴18、18には管継手19、19の小径部19a,19aを制御盤本体11の外方に指向するように取り付け、大径部19b、19bを制御盤本体11の内方に指向するように取り付けられている。
【0012】
参照符号20、20は管継手19、19の内径部に嵌挿されたパイプ部品を示すもので、一側が管継手19、19の大径部19b、19bに嵌挿され、他端(パイプ部材20、20
の先端)が電動ファン17、17の外側面に近接するように設けられている。
この場合、パイプ部材20、20の長さは、パイプ部材20、20の先端と電動ファン17、17のすき間(距離)がパイプ部材20、20の制御盤からの飛び出し長さよりも短くなるように調整してある。
このため、パイプ部材20、20の径の小さい方を外側として制御盤の内側から穴に挿入し、サーボアンプ12を取り付けると、パイプ部材20、20を固定するための部品を使わなくても、パイプ部材20、20は制御盤本体11の開口穴18、18と電動ファン17、17の間で外れることなく保持される。なお、パイプ部材20、20の中心と電動ファン17、17の回転中心は概略一致するような位置関係となっており、また、パイプ部材20、20の径は電動ファン17、17の大きさと概略一致するようなサイズとしてある。
【0013】
本発明の実施の形態に係る制御盤冷却装置10は以上のように構成されているので、制御盤本体11の収納されたサーボアンプ12による発熱を冷却する際には、該サーボアンプ12の電動ファン17を起動させると、外気が管継手19、パイプ部材20よりサーボアンプ12に流入し該サーボアンプ12を冷却する。
一方、サーボアンプ12を冷却した外気は制御盤本体11を流れてルーバー21(
図3参照)より外部に排出されるので、サーボアンプ12は常に冷却される。
なお、実施例のようにファンが複数ある場合は、ファンの数とパイプの数を同じとした方が外部からの空気吸入量が増えるのでよい。
また、実施例では制御盤の穴とパイプの断面形状を円としたが、角型や異形のパイプを用いてもよい。
【符号の説明】
【0014】
10 制御盤冷却装置 11 制御盤本体
12 サーボアンプ 13 回生抵抗器
14 電磁開閉抵抗器 15
端子台
16 ヒートシンク 17、17 電動ファン
18、18 開口穴 19、19 管継手
20、20 パイプ部材