(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
元画像と、単一の前記元画像に対して骨によって識別できない病変を識別できるように骨組織を減弱させる骨減弱処理を施した処理画像と、を含む複数の医用画像の中から出力対象となる医用画像を選択するための選択手段と、
前記選択された医用画像を出力する出力手段と、
前記選択された医用画像が前記処理画像である場合に、当該選択された処理画像に対して当該選択された処理画像に関連する情報をオーバーレイさせたアノテーション付き処理画像を生成し、前記選択された処理画像に対応する前記元画像を前記生成されたアノテーション付き処理画像とともに前記出力手段に出力させる制御手段と、
を備える情報処理装置。
前記出力手段は、前記選択された医用画像を外部装置に送信する送信手段、又は、前記選択された医用画像を保存する保存手段である請求項1又は2に記載の情報処理装置。
元画像と、単一の前記元画像に対して骨によって識別できない病変を識別できるように骨組織を減弱させる骨減弱処理を施した処理画像と、を含む複数の医用画像の中から出力対象となる医用画像を選択する選択工程と、
前記選択された医用画像を出力する出力工程と、
を含む情報処理方法であって、
前記出力工程では、前記選択された医用画像が前記処理画像である場合に、当該選択された処理画像に対して当該選択された処理画像に関連する情報をオーバーレイさせたアノテーション付き処理画像を生成し、前記選択された処理画像に対応する前記元画像を前記生成されたアノテーション付き処理画像とともに出力する情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1に、医用画像システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像システム100は、画像サーバー10と、情報処理装置としてのクライアント端末20と、モダリティー30とが、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。通信ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格が適用されている。
【0017】
画像サーバー10は、PACS(Picture Archiving and Communication System:医療用画像保管・転送システム)により構成され、各種モダリティー30により生成された医用画像の画像データ等を保存し、クライアント端末20等の外部装置からの要求に応じて医用画像の画像データ等を提供する。
【0018】
図2に、画像サーバー10の機能的構成を示す。
図2に示すように、画像サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備えて構成され、各部はバス18により接続されている。
【0019】
CPU11は、画像サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、ROM15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM16内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0020】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。
【0021】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0022】
通信部14は、クライアント端末20等の外部装置との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0023】
ROM15は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0024】
RAM16は、CPU11により実行制御される各種処理において、ROM15から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0025】
記憶部17は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的に、記憶部17には、複数の医用画像の画像データが記憶されている。複数の医用画像には、元画像と、当該元画像に対して骨によって識別できない病変を識別できるように画像処理した処理画像と、が含まれる。
【0026】
処理画像は、医用画像に対して骨組織を減弱させる骨減弱処理(Bone Suppression)を施した画像である。骨減弱処理は、例えば、医用画像から骨組織を抽出し、医用画像から抽出された骨組織を減弱させる処理であって、骨組織以外の組織の明瞭度を向上させることを目的として行われる。骨減弱処理については、公知の方法を用いることができる。
【0027】
また、記憶部17には、医用画像の付帯情報を管理するための患者情報テーブル171、検査情報テーブル172、シリーズ情報テーブル173、画像情報テーブル174が記憶されている。
【0028】
患者情報テーブル171は、患者単位でデータを管理するためのテーブルである。患者情報テーブル171には、
図3に示すように、患者LID(Link Identification)毎に、患者の氏名、生年月日等が対応付けられて格納されている。
患者LIDは、患者毎の識別情報である。
【0029】
検査情報テーブル172は、検査単位でデータを管理するためのテーブルである。検査情報テーブル172には、
図4に示すように、検査LID毎に、患者LID、検査日時等が対応付けられて格納されている。
検査LIDは、検査毎の識別情報である。
検査情報テーブル172内の患者LIDは、患者情報テーブル171の患者LIDとリンクしており、各検査がいずれの患者に属するものであるかを示している。
【0030】
シリーズ情報テーブル173は、シリーズ単位でデータを管理するためのテーブルである。シリーズ情報テーブル173には、
図5に示すように、シリーズLID毎に、検査LID、画像枚数、モダリティー、検査部位等が対応付けられて格納されている。
シリーズLIDは、シリーズ毎の識別情報であり、シリーズ情報テーブル173内で連番となっている。
シリーズ情報テーブル173内の検査LIDは、検査情報テーブル172の検査LIDとリンクしており、各シリーズがいずれの検査に属するものであるかを示している。
画像枚数は、対応するシリーズLIDにより管理される医用画像の枚数である。
モダリティーは、撮影に用いられた画像生成装置の種類である。
検査部位は、撮影された患者の部位・方向を示す情報である。
【0031】
図5の例では、シリーズLID「5」に対して、画像枚数「20」、モダリティー「CT」、検査部位「腹部横断面」等が対応付けられており、シリーズLID「6」に対して、画像枚数「2」、モダリティー「CR」、検査部位「胸部正面」等が対応付けられている。
【0032】
画像情報テーブル174は、画像単位でデータを管理するためのテーブルである。画像情報テーブル174には、
図6に示すように、画像LID毎に、シリーズLID、フレーム番号、画像タイプ、ファイルパス等が対応付けられて格納されている。
画像LIDは、画像毎の識別情報であり、画像情報テーブル174内で連番となっている。
画像情報テーブル174内のシリーズLIDは、シリーズ情報テーブル173のシリーズLIDとリンクしており、各画像がいずれのシリーズに属するものであるかを示している。
フレーム番号は、シリーズ内で連番となるよう採番された番号である。
画像タイプには、該当するレコードの画像が特記画像である場合に、特記画像であることを示す情報が格納される。具体的には、該当するレコードの画像が処理画像である場合には「100」が格納され、特記画像以外である場合には「Null」が格納される。
ファイルパスは、該当するレコードの画像が格納されている場所を示す情報である。
【0033】
図6の例では、画像LID「7」〜「26」に対して、シリーズLID「5」、フレーム番号「1」〜「20」、画像タイプ「Null」、ファイルパス等が対応付けられている。画像LID「7」〜「26」に対応する画像は、それぞれ、CTにより生成された一連の腹部横断面画像20枚のうちの1枚の画像である(
図5参照)。
【0034】
また、画像LID「27」に対して、シリーズLID「6」、フレーム番号「1」、画像タイプ「Null」、ファイルパス等が対応付けられている。画像LID「27」に対応する画像は、CRにより生成された胸部正面画像である(
図5参照)。
また、画像LID「28」に対して、シリーズLID「6」、フレーム番号「1」、画像タイプ「100」、ファイルパス等が対応付けられている。画像タイプが「100」であることから、画像LID「28」に対応する画像は処理画像であると判断できる。また、画像情報テーブル174内で画像LID「28」と同一のシリーズLID「6」が対応付けられている画像LID「27」に対応する画像が、画像LID「28」の処理画像に対応する元画像であると判断できる。
【0035】
なお、本実施の形態では、処理画像の管理において、便宜上、元画像と共通のシリーズLIDを用いているが、元画像と処理画像とは同じシリーズというわけではないので(単に2枚のCR画像が存在しているだけ)、画像LID「27」の画像と画像LID「28」の画像のフレーム番号は連番とならず、それぞれ「1」が格納されている。
【0036】
CPU11は、通信部14を介して、モダリティー30からDICOM規格に則った医用画像の画像ファイルを取得する。画像ファイルは、医用画像の画像データとヘッダーとから構成される。ヘッダーには、医用画像に関する付帯情報が格納されている。CPU11は、モダリティー30から取得した画像ファイルを、医用画像の画像データ(RAWデータ)と、医用画像に関する付帯情報と、に分けて管理する。
【0037】
CPU11は、クライアント端末20から医用画像の画像データ又は医用画像に関する付帯情報の取得要求があった場合に、要求された医用画像の画像データ又は付帯情報を記憶部17から読み出し、クライアント端末20に送信する。
【0038】
クライアント端末20は、画像サーバー10から取得した医用画像の画像データに基づいて医用画像を表示させ、当該医用画像の読影を行うための装置であって、PC(Personal Computer)等から構成される。
【0039】
図7に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図7に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM25、RAM26、記憶部27、メディアドライブ28を備え、各部はバス29により接続されている。
【0040】
CPU21は、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM26内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0041】
操作部22は、ユーザーによる操作指示を受け付ける機能部である。操作部22は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。例えば、操作部22は、表示部23に表示された複数の医用画像の中から出力対象となる医用画像を選択する際に用いられる。すなわち、操作部22は、選択手段として機能する。
【0042】
表示部23は、LCDにより構成される高精細モニター装置であり、CPU21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。例えば、表示部23は、読影対象となる医用画像を表示する。
【0043】
通信部24は、画像サーバー10等の外部装置との間でデータの送受信を行うインターフェースである。例えば、選択された医用画像の出力先として外部装置が指定された場合に、通信部24は、選択された医用画像を外部装置に送信する。すなわち、通信部24は、送信手段として機能する。
【0044】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0045】
RAM26は、CPU21により実行制御される各種処理において、ROM25から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。具体的には、RAM26には、画像サーバー10から取得した画像データ等が記憶される。
【0046】
記憶部27は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。例えば、選択された医用画像の出力先として記憶部27内のフォルダーが指定された場合に、記憶部27は、選択された医用画像を指定されたフォルダーに保存する。すなわち、記憶部27は、保存手段として機能する。
【0047】
メディアドライブ28は、CD−R(Compact Disk Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)等の可搬型の記録メディアに対し、医用画像やレポート等のデータの読み出し又は書き込みを行う装置である。例えば、選択された医用画像の出力先としてメディアドライブ28の記録メディアが指定された場合に、メディアドライブ28は、選択された医用画像をメディアドライブ28にセットされた記録メディアに書き込む。すなわち、メディアドライブ28は、書き込み手段として機能する。
【0048】
記録メディアにデータを書き込む際の規格としては、PDI(Portable Data for Imaging)が挙げられる。PDIは、IHE(Integrating the Healthcare Enterprise)及びIHE−J(Integrating the Healthcare Enterprise-Japan)によって定められたデータ構造に則って、DICOM画像データを記録メディアに記憶させるものである。PDIでは、可搬型の記録メディアにおけるディレクトリー構成や索引ファイル等が規定されており、異なる医療機関の間でデータ交換が保証される。
なお、記録メディアにデータを書き込むにあたって、DICOM形式、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像ファイルで書き込むこととしてもよい。
【0049】
CPU21は、通信部24を介して、画像サーバー10に対して、記憶部17に記憶されている医用画像の画像データ又は医用画像に関する付帯情報の取得要求を送信し、画像サーバー10から医用画像の画像データ又は付帯情報を取得する。
【0050】
CPU21は、表示部23に表示された複数の医用画像の中から出力対象として選択された医用画像が処理画像である場合に、当該選択された処理画像に対応する元画像を当該選択された処理画像とともに出力させる。
具体的には、処理画像の出力先としてメディアドライブ28の記録メディアが指定された場合には、CPU21は、メディアドライブ28を制御して、処理画像と、処理画像に対応する元画像と、を記録メディアに書き込ませる。
処理画像の出力先として記憶部27内のフォルダー、又は、通信ネットワークNを介してクライアント端末20と接続された外部装置内の書き込みが許可されているフォルダーが指定された場合には、CPU21は、処理画像と、処理画像に対応する元画像と、を指定されたフォルダーに書き込む。
処理画像の出力先として外部装置が指定された場合には、CPU21は、通信部24を制御して、処理画像と、処理画像に対応する元画像と、を外部装置に送信させる。
【0051】
CPU21は、選択された医用画像が処理画像である場合に、当該選択された処理画像に元画像と異なることを示す情報をオーバーレイさせたアノテーション付き処理画像を生成し、選択された処理画像に代えて、生成されたアノテーション付き処理画像を出力させる。すなわち、CPU21は、選択された医用画像が処理画像である場合に、選択された処理画像に対応する元画像をアノテーション付き処理画像とともに出力させる。
【0052】
出力される医用画像は、指定された出力モード(書き込みモード、送信モード)に応じて、DICOM形式、JPEG形式、又は、PDI形式の画像ファイルで出力される。
【0053】
モダリティー30は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する。モダリティー30は、例えば、CR、DR、CT等によって構成される。モダリティー30は、DICOM規格に則って、患者情報、検査情報等の付帯情報を医用画像の画像ファイルのヘッダーに書き込むことにより、医用画像に付帯情報を付帯させる。
【0054】
次に、動作について説明する。
図8及び
図9は、クライアント端末20において実行される医用画像出力処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21とROM25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0055】
まず、ユーザー(読影医)による操作部22からの操作により、読影対象となる患者が選択され(ステップS1)、CPU21により、画像サーバー10に対して、選択された患者に対応する医用画像の画像データの取得要求が通信部24を介して送信される。
【0056】
画像サーバー10では、通信部14により医用画像の画像データの取得要求が受信されると、CPU11により、当該取得要求に応じた医用画像の画像データが記憶部17から読み出される。具体的には、CPU11により、クライアント端末20において選択された患者の患者LIDに対応する検査LIDが検査情報テーブル172から取得され、取得された検査LIDに対応するシリーズLIDがシリーズ情報テーブル173から取得され、取得されたシリーズLIDに対応する医用画像の画像LID及びファイルパスが画像情報テーブル174から取得される。そして、CPU11により、取得されたファイルパスに基づいて、医用画像の画像データが記憶部17から読み出され、読み出された医用画像の画像データと画像LIDとが対応付けられて、通信部14を介してクライアント端末20に送信される。
【0057】
クライアント端末20では、CPU21により、画像サーバー10から、通信部24を介して医用画像の画像データ及び画像LIDが取得される。取得された医用画像の画像データ及び画像LIDは、CPU21により、RAM26に格納される。
【0058】
次に、CPU21により、取得された医用画像の画像データに基づいて、表示部23にビューアー画面が表示される(ステップS2)。
【0059】
図10に、ビューアー画面231の例を示す。ビューアー画面231には、画像表示領域A1、メディア出力ボタンB1、送信ボタンB2等が含まれる。画像表示領域A1には、選択された患者の医用画像が表示される。メディア出力ボタンB1は、医用画像の出力のうち、記録メディア又は所定のフォルダーへの書き込みを指示するためのボタンである。送信ボタンB2は、医用画像の出力のうち、外部装置への送信を指示するためのボタンである。
【0060】
次に、ユーザーによる操作部22からの操作により、表示部23に表示されたビューアー画面231上のメディア出力ボタンB1が押下されると(ステップS3;YES)、CPU21により、メディア出力画面が表示される(ステップS4)。
【0061】
図11に、メディア出力画面232の例を示す。メディア出力画面232には、書き込み先指定領域A2、書き込みモード選択領域A3、画像選択領域A4、参照ボタンB3、全画像選択クリアボタンB4、全画像選択ボタンB5、書き込みボタンB6、キャンセルボタンB7、チェックボックスC1,C2等が含まれる。
【0062】
書き込み先指定領域A2は、書き込み先のパスを指定するための領域である。参照ボタンB3が押下されると、書き込み先の記録メディア又はフォルダーを選択するためのダイアログ画面が表示され、このダイアログ画面において書き込み先の記録メディア又はフォルダーが選択されると、選択された記録メディア又はフォルダーが書き込み先指定領域A2に反映される。
書き込みモード選択領域A3は、書き込みモードとして、「汎用」又は「PDI」を選択するための領域である。
【0063】
画像選択領域A4は、書き込み候補となる医用画像が表示される領域であって、ユーザーによる操作部22からの操作により、画像選択領域A4に表示されている複数の医用画像の中から出力対象となる医用画像が選択される。画像選択領域A4において、選択された医用画像には、医用画像の周囲に、選択されたことを示す枠等が表示される。
【0064】
全画像選択クリアボタンB4は、画像選択領域A4において選択されている全ての画像選択のクリアを指示するためのボタンである。
全画像選択ボタンB5は、画像選択領域A4に表示されている全画像の選択を指示するためのボタンである。
【0065】
書き込みボタンB6は、画像選択領域A4において選択されている医用画像を、書き込み先指定領域A2で指定された書き込み先に、書き込みモード選択領域A3で選択された書き込みモードで書き込むことを指示するためのボタンである。
キャンセルボタンB7は、メディア出力画面232において設定された内容のキャンセルを指示するためのボタンである。
【0066】
チェックボックスC1は、JPEGへ変換して書き込むか否かを選択するためのものである。書き込みモード選択領域A3で「汎用」が選択され、かつ、チェックボックスC1がチェックされている場合には、JPEG形式で出力される。書き込みモード選択領域A3で「汎用」が選択され、かつ、チェックボックスC1がチェックされていない場合には、DICOM形式で出力される。書き込みモード選択領域A3で「PDI」が選択されている場合には、PDI形式で出力される。すなわち、書き込みモード選択領域A3とチェックボックスC1において、書き込みモードが指定される。
【0067】
チェックボックスC2は、マルチフレーム画像が選択された場合に、全フレームを出力するか否かを選択するためのものである。
【0068】
次に、ユーザーによる操作部22からの操作により、表示部23に表示されたメディア出力画面232の画像選択領域A4において、書き込む画像が選択されると(ステップS5)、CPU21により、選択された医用画像が処理画像であるか否かが判断される(ステップS6)。
【0069】
具体的には、CPU21により、画像サーバー10に対して、選択された医用画像に対応する画像LIDが通信部24を介して送信される。
画像サーバー10では、通信部14により選択された医用画像に対応する画像LIDが受信されると、CPU11により、当該画像LIDに対応する画像タイプが画像情報テーブル174から取得され、取得された画像タイプが通信部14を介してクライアント端末20に送信される。
クライアント端末20では、CPU21により、画像サーバー10から、通信部24を介して選択された医用画像に対応する画像タイプが取得され、取得された画像タイプが「100」であるか否かが判断される。CPU21により、画像タイプが「100」である場合には、選択された医用画像が処理画像であると判断され、画像タイプが「100」でない場合には、選択された医用画像が処理画像でないと判断される。
【0070】
選択された医用画像が処理画像である場合には(ステップS6;YES)、CPU21により、処理画像に対応する元画像(骨減弱処理を行う前の医用画像)も選択された状態となる(ステップS7)。
【0071】
具体的には、CPU21により、画像サーバー10に対して、処理画像であると判断された医用画像に対応する画像LIDが通信部24を介して送信される。
画像サーバー10では、通信部14により処理画像であると判断された医用画像に対応する画像LIDが受信されると、CPU11により、当該受信された画像LIDと同一のシリーズLIDが対応付けられている画像LID(元画像の画像LID)が画像情報テーブル174から取得され、取得された元画像の画像LIDが通信部14を介してクライアント端末20に送信される。
クライアント端末20では、CPU21により、画像サーバー10から、通信部24を介して元画像の画像LIDが取得され、取得された画像LIDに対応する医用画像が、処理画像とともに選択された状態となる。
【0072】
図11に示すメディア出力画面232の画像選択領域A4において、処理画像D1が選択された場合には(例えば、処理画像D1にマウスポインターを合わせた状態でクリックする等)、
図12に示すように、処理画像D1に対応する元画像D2も自動的に選択される。
【0073】
ステップS6において、選択された医用画像が処理画像でない場合には(ステップS6;NO)、通常どおり、操作部22からの操作により選択された医用画像のみが選択された状態となる。
【0074】
図13に、メディア出力画面232の画像選択領域A4において、元画像D2が選択された場合の例を示す。このように、元画像D2は、単独で選択することができる。
また、
図14に示すように、一連のCT画像から任意のスライス画像D3,D4,D5を複数選択することも可能である。
【0075】
ステップS7の後、又は、ステップS6において、選択された医用画像が処理画像でない場合には(ステップS6;NO)、CPU21により、メディア出力画面232における画像の選択が終了したか否かが判断される(ステップS8)。メディア出力画面232における画像の選択が終了していない場合には(ステップS8;NO)、ステップS5に戻り、処理が繰り返される。
【0076】
ステップS8において、メディア出力画面232における画像の選択が終了した場合には(ステップS8;YES)、ユーザーによる操作部22からの操作により、メディア出力画面232の書き込み先指定領域A2、書き込みモード選択領域A3及びチェックボックスC1において、書き込み先、書き込みモードが指定される(ステップS9)。
なお、出力対象となる医用画像の選択、書き込み先の指定、書き込みモードの指定の順序は、入れ替わってもよい。
【0077】
次に、
図9に移り、CPU21により、ユーザーによる操作部22からの操作により、メディア出力画面232上の書き込みボタンB6が押下されたか否かが判断される(ステップS10)。書き込みボタンB6が押下されると(ステップS10;YES)、メディア出力画面232の画像選択領域A4において、処理画像が選択されているか否かが判断される(ステップS11)。処理画像が選択されている場合には(ステップS11;YES)、CPU21により、処理画像に、元画像と異なることを示すアノテーションがオーバーレイされたアノテーション付き処理画像が生成される(ステップS12)。
【0078】
図15に、処理画像にアノテーションE1が付加されたアノテーション付き処理画像D6の例を示す。
図15では、「Bone Suppression」という文字がアノテーションE1としてオーバーレイされている。アノテーション付き処理画像D6において、アノテーションE1は、画像データとして一体化されており、後にアノテーション付き処理画像D6からアノテーションE1のみを除くことはできない。
【0079】
ステップS12の後、又は、ステップS11において、処理画像が選択されていない場合には(ステップS11;NO)、CPU21により、指定された書き込みモード(DICOM形式、JPEG形式、PDI形式)で、選択された医用画像の画像ファイルが作成される(ステップS13)。作成される画像ファイルがDICOM形式等、医用画像の付帯情報がヘッダーに含まれるものである場合には、CPU21により、選択された医用画像の画像LIDに基づいて、選択された医用画像の付帯情報が画像サーバー10から取得される。処理画像が選択されている場合には、自動的に元画像も選択されるので、選択された処理画像に対応する元画像の画像ファイルも作成されることとなる。
【0080】
次に、CPU21により、選択された医用画像の画像ファイルが指定された出力先に書き込まれる(ステップS14)。具体的には、メディア出力画面232の書き込み先指定領域A2において、メディアドライブ28の記録メディアが指定された場合には、選択された医用画像の画像ファイルが記録メディアに書き込まれる。メディア出力画面232の書き込み先指定領域A2において、記憶部27内のフォルダー、又は、通信ネットワークNを介してクライアント端末20と接続された外部装置内のフォルダーが指定された場合には、選択された医用画像の画像ファイルが指定されたフォルダーに書き込まれる。処理画像が選択されている場合には、自動的に元画像も選択されるので、アノテーション付き処理画像と元画像とが対になって出力されることとなる。
以上で、医用画像出力処理が終了する。
【0081】
医用画像出力処理では、選択された医用画像を記録メディア又は指定されたフォルダー(クライアント端末20、通信ネットワークNを介してクライアント端末20と接続された外部装置を含む。)に書き込む場合について説明したが、選択された医用画像を外部装置に送信することとしてもよい。
【0082】
例えば、
図10に示すビューアー画面231において、ユーザーによる操作部22からの操作により、送信ボタンB2が押下されると、CPU21により、送信対象となる画像を選択し、送信先となる外部装置及び送信モード(DICOM形式、JPEG形式)を指定するための画像送信画面が表示部23に表示される。送信先となる外部装置は、AE(Application Entity)タイトルやIPアドレスにより指定される。AEとは、DICOM通信を行うそれぞれの装置に搭載されたアプリケーションの実体のことをいう。AEタイトルは、そのAEを識別するための名称であり、それぞれの装置は、このAEタイトルで相互を認識し、通信することになる。医用画像の送信先毎に、予め送信モード(画像ファイルのファイル形式)を設定しておいてもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態によれば、処理画像を出力する際に、出力元の機能により、元画像と合わせて2枚1組での出力のみを可能とし、処理画像単独での出力はできないようにする。処理画像を元画像と対にして出力することにより、医用画像の出力先において、処理画像と元画像とを見比べながら読影するという本来の目的に適った処理画像の利用を実現することができる。
【0084】
また、処理画像には元画像と異なることを示す情報が埋め込まれているので、出力先において、画像ファイルのコピー等の操作により、処理画像が単独で扱われることになった場合であっても、加工された画像であることが容易に認識可能となる。
【0085】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0086】
例えば、処理画像にアノテーションを付加することなく、処理画像に対応する元画像を、処理画像とともに出力することとしてもよい。
また、
図15では、処理画像に、元画像と異なることを示す情報として、「Bone Suppression」という文字をオーバーレイさせた場合について図示したが、「参照用画像」等の文字や、注意を促すための図形等をオーバーレイさせることとしてもよい。
【0087】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。