(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、圧電基板が水晶で構成されていた場合、水晶は異方性を有しているため、工程(1)におけるエッチング後に、圧電基板、特に溝の内面には、不本意に残存する残存部が形成される。そして、工程(4)において、残存部に露光光を照射した場合、残存部の形状によっては、残存部で反射した光が、溝の内面に向う。この場合、溝の内面のレジストマスクが不本意に感光して、工程(5)において、レジストマスクのうちの、残存すべき部位が除去される。このため、工程(6)において、金属膜のうちの、残存すべき部位(電極となるべき部分)が除去される。その結果、得られた振動ジャイロセンサーでは、電極が欠損することによる断線等の不具合が生じるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、電極が欠損することを防止または抑制することができる振動片の製造方法、かかる方法により得られる振動片、電子機器および移動体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]
本発明の振動片の製造方法は、基部と、該基部から延出する振動腕とを有し、前記振動腕の長手方向に沿って延在する溝が形成されている圧電基板と、前記溝の内面に設けられた電極とを含む振動片を製造する製造方法であって、
前記溝の内面に、前記電極となる金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクの一部に光を照射して露光する露光工程とを有し、
前記溝の内面は、前記電極が形成される電極形成面と、仮に前記光を照射した場合、前記光が反射して、前記電極形成面に前記光が照射される光反射面とを有しており、
前記露光工程において、前記光反射面に向う前記光を遮蔽する遮蔽部を設けることを特徴とする。
【0011】
これにより、光反射面に光が入射するのを防止することができる。よって、光反射面で反射された光が電極形成面のレジストマスクに照射されるのを防止することができる。その結果、電極形成面の電極に欠損部が形成されるのを防止することができる。
【0012】
[適用例2]
本発明の振動片の製造方法では、前記遮蔽部は、厚さ方向に貫通する貫通孔を有する板材で構成され、
前記露光工程では、前記遮蔽部の平面視で、前記光反射面と前記貫通孔とは、重なっていないのが好ましい。
【0013】
これにより、光反射面に光が入射するのを確実に防止することができる。よって、光反射面で反射された光が電極形成面のレジストマスクに照射されるのを確実に防止することができる。
【0014】
[適用例3]
本発明の振動片の製造方法では、前記露光工程では、前記圧電基板の厚さ方向から前記圧電基板に向って前記光を照射するのが好ましい。
【0015】
これにより、圧電基板の外表面のうちの、その厚さ方向と交わる方向の面に設けられたレジストマスクに効果的に光を照射することができる。
【0016】
[適用例4]
本発明の振動片の製造方法では、前記露光工程では、前記圧電基板の厚さ方向と交わる方向から前記圧電基板に向って前記光を照射するのが好ましい。
【0017】
これにより、圧電基板の外表面のうちの、その厚さ方向の面に設けられたレジストマスクに効果的に光を照射することができる。
【0018】
[適用例5]
本発明の振動片の製造方法では、前記圧電基板は、Zカット水晶板で構成されているのが好ましい。
これにより、本発明の効果を確実に奏することができる。
【0019】
[適用例6]
本発明の振動片の製造方法では、前記溝の内面は、前記圧電基板の結晶軸のZ軸を法線とする底面を有し、
前記露光工程では、少なくとも前記底面に前記光を照射するのが好ましい。
【0020】
これにより、電極形成面に光が照射されるのを効果的に防止または抑制することができる。
【0021】
[適用例7]
本発明の振動片の製造方法では、前記光反射面は、前記圧電基板の結晶軸のZ軸に対して傾斜した傾斜面で構成され、
前記電極形成面は、前記圧電基板の結晶軸のX軸を法線とする平面で構成されているのが好ましい。
これにより、本発明の効果を効果的に奏することができる。
【0022】
[適用例8]
本発明の振動片の製造方法では、前記露光工程に先立って、前記光反射面の位置を検出する検出工程を有しているのが好ましい。
これにより、露光工程を行う以前に、光反射面の位置を確実に把握することができる。
【0023】
[適用例9]
本発明の振動片は、本発明の振動片の製造方法によって製造されることを特徴とする。
【0024】
これにより、電極に欠損が生じるのが省略され、信頼性の高い振動片を得ることができる。
【0025】
[適用例10]
本発明の電子機器は、本発明の振動片を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
【0026】
[適用例11]
本発明の移動体は、本発明の振動片を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の振動片の製造方法、振動片、電子機器および移動体について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】
1.振動片
<第1実施形態>
図1は、本発明の振動片の製造方法により製造される振動片を示す平面図である。
図2は、
図1に示す振動片の透過図である。
図3は、
図1中のA−A線断面図である。
図4は、(a)〜(c)が、本発明の振動片の製造方法を説明するための図である。
図5は、(a)〜(c)が、本発明の振動片の製造方法を説明するための図である。
【0030】
なお、以下では、説明の便宜上、各図において、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、+Z軸側を「上」、−Z軸側を「下」ともいう。また、
図3〜
図5中では、圧電基板のうちの一方の検出用振動腕を代表的に図示している。
【0031】
まず、本発明の振動片の製造方法によって製造される振動片2について説明する。
図1および
図2に示す振動片2は、圧電基板20と、圧電基板20に形成された電極とを有している。
【0032】
−振動基板−
圧電基板20の構成材料としては、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料が挙げられる。これらの中でも、圧電基板20の構成材料としては、水晶を用いることが好ましい。水晶を用いることで、他の材料と比較して優れた周波数温度特性を有する振動片2が得られる。なお、以下では、圧電基板20を水晶で構成した場合について説明する。
【0033】
図1に示すように、圧電基板20は、水晶基板の結晶軸であるY軸(機械軸)およびX軸(電気軸)で規定されるXY平面に広がりを有し、Z軸(光軸)方向に厚みを有する板状をなしている。すなわち、圧電基板20は、Zカット水晶板で構成されている。なお、Z軸は、圧電基板20の厚さ方向と一致しているのが好ましいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点から、厚さ方向に対して若干(例えば、5°未満程度)傾けてもよい。
【0034】
なお、圧電基板20の厚さは、特に限定されず、40〜300μm程度とされる。
このような圧電基板20は、基部21と、駆動用振動腕221および駆動用振動腕222と、検出用振動腕231および検出用振動腕232と、支持部(枠体)25と、4つの連結部261、262、263、264とを有している。
【0035】
駆動用振動腕221および駆動用振動腕222は、基部21の互いに異なる位置から−Y軸方向に延出している。駆動用振動腕221および駆動用振動腕222は、−X軸方向から+X軸方向に向ってこの順に配置されている。また、駆動用振動腕221の先端部には、錘部2211が設けられ、駆動用振動腕222の先端部には、錘部2221が設けられている。また、駆動用振動腕221、222は、振動片2の重心と交わるYZ平面に関して対称的に設けられている。
【0036】
また、駆動用振動腕221および駆動用振動腕222は、同様の構成であるため、以下、駆動用振動腕221について代表的に説明する。
【0037】
図1および
図2に示すように、駆動用振動腕221の錘部2211を除いた部分には、上面および下面に開放する有底状の溝223が形成されている。このため、駆動用振動腕221は、錘部2211を除いた部分の長手方向の全長にわたって、横断面形状が「H」字状をなしている。これにより、後述の駆動信号電極331と駆動接地電極341とのX軸方向の間隔が狭くなる。よって、駆動信号電極331と駆動接地電極341との間の電界効率が向上する。その結果、駆動用振動腕221では、比較的少ない歪み量で比較的大きい電荷量を発生させることができる。従って、優れた感度を有する振動片2を得ることができる。
【0038】
検出用振動腕231および検出用振動腕232は、基部21の駆動用振動腕221および駆動用振動腕222とは異なる位置から駆動用振動腕221および駆動用振動腕222の延出方向と反対方向、すなわち+Y軸方向に延出している。検出用振動腕231および検出用振動腕232は、−X軸方向から+X軸方向に向ってこの順に配置されている。また、検出用振動腕231の先端部には、錘部2311が設けられ、検出用振動腕232の先端部には、錘部2321が設けられている。また、検出用振動腕231、232は、振動片2の重心と交わるYZ平面に関して対称的に設けられている。
【0039】
また、検出用振動腕231、232は、それぞれ同様の構成であるため、以下、検出用振動腕231について代表的に説明する。
【0040】
図3に示すように、検出用振動腕231の錘部2311を除いた部分には、上面234および下面235に開放する有底状の溝233が形成されている。このため、駆動用振動腕221は、錘部2211を除いた部分の長手方向の全長にわたって、横断面形状が「H」字状をなしている。これにより、後述の駆動信号電極331と駆動接地電極341とのX軸方向の間隔が狭くなる。よって、駆動信号電極331と駆動接地電極341との間の電界効率が向上する。その結果、検出用振動腕231では、比較的少ない歪み量で比較的大きい電荷量を発生させることができる。従って、優れた感度を有する振動片2を得ることができる。
【0041】
なお、
図3に示すように、検出用振動腕231、232では、検出用振動腕231の上面側の溝233の内面は、それぞれ、YZ平面(Z軸)に対して傾斜した傾斜面233A、233B、233C、面233Dで構成されている(検出用振動腕232でも同様)。
【0042】
検出用振動腕231において、傾斜面233A〜233Cが形成されるのは、圧電基板20がZカット水晶板で構成されていることに起因する。水晶は、異方性を有しているため、エッチングで検出用振動腕231、232を形成した際に、傾斜面233A〜233Cが必然的に生じることとなる。
【0043】
検出用振動腕231の下面側の溝233の内面にも同様に、傾斜面233A〜233Cおよび面233Dが形成されているが、上面側の溝233の内面と、下面側の溝233の内面とは、略同様の形状であるため、以下、上面側の溝233の傾斜面233A〜233Cおよび面233Dについて代表的に説明する。
【0044】
傾斜面233Aは、溝233の内面のうち、最も−X軸側に位置している。また、傾斜面233AとYZ平面とのなす角度θ1は、20〜25°程度である。
【0045】
傾斜面(光反射面)233Bは、傾斜面233Aの+X軸側に位置している。また、傾斜面233BとYZ平面とのなす角度θ2は、55〜65°程度である。
【0046】
傾斜面233Cは、傾斜面233Bの+X軸側に位置している。また、傾斜面233CとYZ平面とのなす角度θ3は、65〜75°程度である。
【0047】
面(電極形成面)233Dは、溝233の内面のうち、最も+X軸側に位置している。また、面233Dは、
X軸を法線とする平面で構成されている。
【0048】
これら傾斜面233A〜233Cのうち、仮に、傾斜面233Cに+Z軸側から光Lを照射した際、傾斜面233Cで反射した光Lは、溝233の内面には当たらず、溝233の上方に向う。一方、仮に、傾斜面233Bに+Z軸側から光Lを照射した場合、傾斜面233Bで反射した光Lは、面233Dに照射される。
【0049】
このような検出用振動腕231の幅W1は、特に限定されず、60〜200μm程度であるのが好ましい。
【0050】
また、溝233の幅W2は、特に限定されず、30〜180μm程度であるのが好ましい。そして、溝233の深さ(もっとも深い部分の深さ)Dは、特に限定されず、20〜120μm程度であるのが好ましい。
【0051】
支持部25は、連結部261、262、263、264を介して基部21を支持するものである。この支持部25は、長尺状をなす部分251、部分252および部分253に分けることができる。部分251は、X軸方向に沿って設けられている。部分252は、部分251の−X軸方向の端部から+Y軸方向に延出している。部分253は、部分251の+X軸方向の端部から+Y軸方向に延出している。このように、支持部25は、Z軸方向からみたとき、+Y軸方向に開放する形状をなしている。また、基部21は、支持部25の+Y軸方向に設けられている。
【0052】
連結部261は、長尺状をなし、部分252の+Y軸方向の端部と、基部21の−X軸方向の端部とを連結している。この連結部261は、長手方向の途中が屈曲した形状をなしている。
【0053】
連結部262は、長尺状をなし、部分253の+Y軸方向の端部と、基部21の+X軸方向の端部とを連結している。この連結部262は、長手方向の途中が屈曲した形状をなしている。
【0054】
連結部263は、長尺状をなし、部分251と基部21とを連結している。この連結部263は、部分252と駆動用振動腕221との間に位置している。また、連結部263は、長手方向の途中が屈曲した形状をなしている。
【0055】
連結部264は、長尺状をなし、部分251と基部21とを連結している。この連結部264は、部分253と駆動用振動腕222との間に位置している。また、連結部264は、長手方向の途中が屈曲した形状をなしている。
【0056】
このような圧電基板20では、基部21と、駆動用振動腕221、222と、検出用振動腕231、232と、支持部(枠体)25と、4つの連結部261、262、263、264とが、一体的に形成されているのが好ましい。
【0057】
−電極−
図1および
図2に示すように、電極は、第1検出信号電極311と、第1検出信号端子312と、第2検出信号電極313と、第2検出信号端子314と、駆動信号電極331と、駆動信号端子332と、駆動接地電極341と、駆動接地端子342とを有している。なお、
図2では、説明の便宜上、第1検出信号電極311および第1検出信号端子312、第2検出信号電極313および第2検出信号端子314、駆動信号電極331および駆動信号端子332、駆動接地電極341および駆動接地端子342を、それぞれ、異なるハッチングで図示している。また、圧電基板20の側面に形成されている電極、配線、端子を太線で図示している。
【0058】
第1検出信号電極311は、錘部2311の上面、錘部2321の下面、検出用振動腕231および検出用振動腕232に設けられている。この第1検出信号電極311は、検出用振動腕231および検出用振動腕232の検出振動が励起されたときに、該振動によって発生する電荷を検出するための電極である。
【0059】
第1検出信号端子312は、部分252の+Y軸方向の端部に形成されている。第1検出信号端子312は、連結部261の上面に形成された検出信号配線を介して、第1検出信号電極311と電気的に接続されている。
【0060】
第2検出信号電極313は、錘部2311の下面、錘部2321の上面、検出用振動腕231、検出用振動腕232に設けられている。この第2検出信号電極313は、第1検出信号電極311に対してグランドとなる電位を有する。
【0061】
第2検出信号端子314は、部分253の+Y軸方向の端部に形成されている。第2検出信号端子314は、連結部262の上面に形成された検出信号配線を介して、第2検出信号電極313と電気的に接続されている。
【0062】
なお、検出用振動腕231を+Z軸側からみたとき、−X軸方向から第2検出信号電極313、第1検出信号電極311の順に配置され、検出用振動腕231を−Z側からみたとき、−X軸方向から第1検出信号電極311、第2検出信号電極313の順に配置されている。
【0063】
また、検出用振動腕232を+Z軸側からみたとき、−X軸方向から第2検出信号電極313、第1検出信号電極311の順に配置され、検出用振動腕231を−Z側からみたとき、−X軸方向から第1検出信号電極311、第2検出信号電極313の順に配置されている。
【0064】
このように第1検出信号電極311と第2検出信号電極313とを配置することで、検出用振動腕231に生じた検出振動は、第1検出信号電極311と第2検出信号電極313との間の電荷として現れ、第1検出信号端子312と第2検出信号端子314とから信号として取り出すことができる。また、検出用振動腕232に生じた検出振動も、第1検出信号電極311と第2検出信号電極313との間の電荷として現れ、第1検出信号端子312と第2検出信号端子314とから信号として取り出すことができる。
【0065】
図1および
図2に示すように、駆動信号電極331は、駆動用振動腕221の両側面、錘部2221の外表面、駆動用振動腕222の上面および下面に形成されている。この駆動信号電極331は、駆動用振動腕221、222の駆動振動を励起させるための電極である。
【0066】
また、駆動信号端子332は、部分251の中央部よりも若干−X軸側に形成されている。駆動信号端子332は、連結部263の下面に形成された駆動信号配線を介して、駆動信号電極331と電気的に接続されている。
【0067】
駆動接地電極341は、駆動用振動腕221の上面および下面、駆動用振動腕222の両側面および錘部2211の外表面に形成されている。この駆動接地電極341は、駆動信号電極331に対してグランドとなる電位を有する。
【0068】
また、駆動接地端子342は、部分251の中央部よりも若干+X軸側に形成されている。この駆動接地端子342は、連結部264に形成された駆動信号配線を介して、駆動接地電極341と電気的に接続されている。
【0069】
このように駆動信号電極331、駆動信号端子332、駆動接地電極341、駆動接地端子342を配置することで、駆動信号端子332と駆動接地端子342との間に駆動信号を印加することで、駆動信号電極331と駆動接地電極341との間に電界を生じさせ、駆動用振動腕221、222を駆動振動させることができる。
【0070】
以上のような電極の構成としては、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
以上、振動片2の構成について説明した。
【0071】
次に、
図1を参照しつつ、振動片2の動作について説明する。
振動片2に角速度が加わらない状態において、駆動信号端子332と駆動接地端子342との間に電圧(交番電圧)を印加することで駆動信号電極331と駆動接地電極341との間に電界が生じると、駆動用振動腕221は、
図1中矢印A方向に示す方向に屈曲振動を行い、駆動用振動腕222は、
図1中矢印B方向に示す方向に屈曲振動を行う。
【0072】
この駆動振動を行っている状態で、振動片2にY軸周りの角速度が加わると、駆動用振動腕221、222にコリオリの力が働き、新たな振動が励起される。この新たな振動は、Y軸に対して周方向の振動である。また、同時に検出用振動腕231には、前記新たな振動に呼応して、矢印C方向の検出振動が励起され、検出用振動腕232には、矢印D方向の検出振動が励起される。この検出振動により、検出用振動腕231、232に発生した電荷を、第1検出信号電極311と第2検出信号電極313とから信号として取り出し、この信号に基づいて角速度が求められる。
【0073】
次に、本発明の振動片の製造方法について説明する。
本発明の振動片の製造方法は、用意工程と、金属膜形成工程と、レジストマスク形成工程と、検出工程と、配置工程と、露光工程と、現像工程と、除去工程とを有している。
【0074】
[1]用意工程
まず、圧電基板20、治具4Aおよび治具4Bを用意する。
【0075】
圧電基板20は、Zカット水晶基板をウェットエッチングによってパターニングすることにより得られる。
【0076】
治具4Aおよび治具4Bは、それぞれ、光Lを遮蔽する板材で構成されている。治具4Aおよび治具4Bには、その厚さ方向に貫通する貫通孔41、42が形成されている。各貫通孔41、42は、−Z軸側からこの順に並んでいる(
図4(c)参照)。
【0077】
[2]金属膜形成工程
次に、
図4(a)に示すように、例えば、蒸着やスパッタリング等によって、圧電基板20の全面に、電極となる金属膜30を成膜する。
【0078】
[3]レジストマスク形成工程
次に、
図4(b)に示すように、金属膜30の全面にポジ型のフォトレジスト膜40を成膜する。この成膜方法としては、例えば、プラズマCVD等の気相成膜法を用いることができる。
【0079】
[4]検出工程
次に、傾斜面233Bの位置を検出する傾斜面233Bの位置を検出する方法としては特に限定されず、例えば、撮像手段によりZ軸方向から撮像した濃淡画像に基づいて、傾斜面233Bの位置を検出する方法等が挙げられる。
【0080】
[5]配置工程
次に、
図4(c)に示すように、圧電基板20の+Z軸側に治具4Aを配置し、−Z軸側に治具4Bを配置する(以下、この状態を「配置状態」と言う)。このとき、治具4Aの平面視で、傾斜面233Bと貫通孔41、42とがずれる、すなわち、傾斜面233Bと貫通孔41、42とが重ならないように治具4Aを配置する。また、治具4Bの平面視で、傾斜面233Bと貫通孔41、42とが重ならないように治具4Bを配置する。
【0081】
また、治具4Aの貫通孔41は、配置状態では、治具4Aの平面視で、検出用振動腕231の上面234のうちの溝233よりも−X軸側の上面234Aと重なっている。また、治具4Aの貫通孔42は、一対設けられており、配置状態では、検出用振動腕231の上面234のうちの溝233よりも+X軸側の上面234Bおよび傾斜面233Cと重なっている。
【0082】
一方、治具4Bの貫通孔41は、配置状態では、治具4Aの平面視で、検出用振動腕231の下面235のうちの溝233よりも−X軸側の下面235Bと重なっている。また、治具4Aの貫通孔42は、一対設けられており、配置状態では、検出用振動腕231の上面234のうちの溝233よりも+X軸側の下面235Bおよび傾斜面233Cと重なっている。
なお、配置状態では、治具4A、4Bは、面233Dおよび面234Dを覆っている。
【0083】
[6]露光工程
そして、配置状態で+Z軸方向および−Z軸方向から圧電基板20に向って、光(露光光)Lを照射する。+Z軸側から照射された光Lは、治具4Aの貫通孔41を介して上面234Aに照射され、治具4Bの各貫通孔42を介して上面234Bおよび傾斜面233Cに照射される。
【0084】
一方、−Z軸側から照射された光Lは、治具4Bの貫通孔41を介して下面235Aに照射され、治具4Bの各貫通孔42を介して下面235Bおよび傾斜面233Cに照射される。
【0085】
ここで、前述したように、仮に、各溝233の傾斜面233Bに、Z軸側から光Lを照射した場合、傾斜面233Bで反射した光Lは、面233Dに照射される。そこで、本発明では、露光工程において、各溝233の傾斜面233Bへの光Lを遮蔽するように治具4A、4Bを配置している。これにより、各傾斜面233Bで光Lが反射して面233Dのフォトレジスト膜40に光Lが照射されるのを防止することができる。よって、現像工程において、本来であれば残存すべきフォトレジスト膜40が除去されるのを防止することができる。その結果、検出用振動腕231に不本意な電極の欠損が生じるのを防止することができ、それに起因する振動特性の低下や、断線を防止することができる。
【0086】
なお、検出用振動腕231の各側面の中央部付近には、Z軸と交わる方向から光Lを照射する、すなわち、斜め露光を行う。これにより、X軸を法線とする面に対しても光Lを照射することができる。
【0087】
また、前述したように、配置状態では、治具4A、4Bは、面233Dおよび面234Dを覆っている。これにより、直接光Lが容赦されることにより、面233Dおよび面234Dのフォトレジスト膜30が除去されるのを防止することができる。
【0088】
[7]現像工程
次に、圧電基板20に現像液を供給して現像する。これにより、
図5(a)に示すように、フォトレジスト膜40のうちの感光した部分が除去される。
【0089】
[8]除去工程
そして、
図5(b)に示すように、残存しているフォトレジスト膜をマスクとして、露出している部分を例えば、ウェットエッチングにより除去する。そして最後に、
図5(c)に示すように、残存しているフォトレジスト膜40を除去する。
【0090】
以上のように、本発明によれば、振動片2の電極に不本意な電極の欠損が生じるのを防止することができ、それに起因する振動特性の低下や、断線を防止することができる。
【0091】
<第2実施形態>
図6は、本発明の振動片の製造方法の第2実施形態により製造される振動片を示す断面図である。
【0092】
以下、この図を参照して本発明の振動片の製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0093】
本実施形態は、主に治具の形状および電極の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0094】
図6に示すように、振動片2Aでは、検出用振動腕231の幅W3が第1実施形態での検出用振動腕231の幅W1よりも広い。このため、溝233の内面には、傾斜面233Bと傾斜面233Cとの間に底面233Eが形成されている。この底面233Eは、Z軸を法線とする平面で構成されている。
【0095】
また、本実施形態では、露光工程において、底面233Eに光Lを照射する。これにより、底面233Eで反射した光Lは、+Z軸側に向う。よって、底面233Eで反射した光Lが、溝233の内面に照射するのをより確実に防止することができる。
【0096】
<第3実施形態>
図7は、本発明の振動片の製造方法の第3実施形態により製造される振動片を示す断面図である。
【0097】
以下、この図を参照して本発明の振動片の製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、電極の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0098】
図7に示すように、振動片2Bの検出用振動腕231では、第1検出信号電極311は、上面234側の溝233の傾斜面233A、233Bおよび下面235側の溝233の面233Dに設けられている。また、第2検出信号電極313は、検出用振動腕231の−X軸側の側面、下面235A、下面側の溝233の傾斜面233A、233Bに連続して設けられ、+X軸側の側面、上面234B、下面側の溝233の面233Dに連続して設けられている。
【0099】
一方、検出用振動腕232では、第1検出信号電極311は、検出用振動腕231の−X軸側の側面、下面235A、下面側の溝233の傾斜面233A、233Bに連続して設けられ、+X軸側の側面、上面234B、下面側の溝233の面233Dに連続して設けられている。第2検出信号電極313は、上面234側の溝233の傾斜面233A、233Bおよび下面235側の溝233の面233Dに設けられている。
このような振動片2Bによっても、振動片2と同様の機能を有するものとなる。
【0100】
<第4実施形態>
図8は、本発明の振動片の製造方法の第4実施形態により製造される振動片を示す断面図である。
【0101】
以下、この図を参照して本発明の振動片の製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、電極の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0102】
図8に示すように、振動片2Cの検出用振動腕231では、第1検出信号電極311は、上面234側の溝233の面233Dと、下面235側の溝233の傾斜面233A、233Bとに設けられている。また、第2検出信号電極313は、上面234側の傾斜面233A、233Bと、下面235側の溝233の面233Dとに設けられている。
【0103】
そして、検出用振動腕231の両側面には、検出接地電極315が設けられている。この検出接地電極315は、第1検出信号電極311、第2検出信号電極313に対してグランドとなる電位を有している。
【0104】
一方、検出用振動腕232では、第1検出信号電極311は、上面234側の傾斜面233A、233Bと、下面235側の面233Dとに設けられている。また、第2検出信号電極313は、上面234側の溝233の面233Dと、下面235側の溝233の傾斜面233A、233Bとに設けられている。
【0105】
そして、検出用振動腕232の両側面には、検出接地電極315が設けられている。
このような振動片2Cによっても、振動片2と同様の機能を有するものとなる。
【0106】
<第5実施形態>
図9は、本発明の振動片の製造方法の第5実施形態により製造される振動片を示す断面図である。
【0107】
以下、この図を参照して本発明の振動片の製造方法の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、電極の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0108】
図9に示すように、振動片2Dの検出用振動腕231では、第1検出信号電極311は、上面234側の溝233の面233Dに設けられている。また、第2検出信号電極313は、上面234側の傾斜面233A、233Bと、下面235側の溝233の面233Dとに設けられている。
【0109】
そして、検出用振動腕231の両側面および下面235側の溝233の傾斜面233A、233Bには、検出接地電極315が設けられている。この検出接地電極315は、第1検出信号電極311、第2検出信号電極313に対してグランドとなる電位を有している。
【0110】
一方、検出用振動腕232では、第1検出信号電極311は、上面234側の傾斜面233A、233Bと、下面235側の溝233の面233Dとに設けられている。また、第2検出信号電極313は、上面234側の溝233の面233Dに設けられている。
【0111】
そして、検出用振動腕232の両側面および下面235側の溝233の傾斜面233A、233Bには、検出接地電極315が設けられている。
このような振動片2Dによっても、振動片2と同様の機能を有するものとなる。
【0112】
2.物理量検出デバイス
次に、振動片2を用いた物理量検出デバイスについて説明する。
【0113】
図10は、
図1に示す振動片を備える物理量検出デバイスの好適な実施形態を示す断面図であり、
図11は、
図1に示す振動片を備える物理量検出デバイスの好適な実施形態を示す平面図である。
【0114】
図10および
図11に示すように、物理量検出デバイス10は、振動片2と、振動片2を収容するパッケージ8と、ICチップ9とを有している。
【0115】
パッケージ8は、凹部811を有する箱状のベース81と、凹部811の開口を塞いでベース81に接合された板状のリッド82とを有している。そして、凹部811がリッド82によって塞がれることにより形成された収容空間に振動片2が収納されている。収容空間は、減圧(真空)状態となっていてもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
【0116】
凹部811は、ベース81の上面に開放する第1凹部811aと、第1凹部811aの底面の中央部に開放する第2凹部811bと、第2凹部811bの底面の中央部に開放する第3凹部811cと、を有している。
【0117】
ベース81の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスや、各種ガラス材料を用いることができる。また、リッド82の構成材料としては、特に限定されないが、ベース81の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース81の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース81とリッド82の接合方法は、特に限定されず、例えば、接着材やろう材を介して接合することができる。
【0118】
凹部811の底面には、接続端子831、832、833、834が形成されている。接続端子831〜834の構成としては、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
【0119】
振動片2は、導電性接着材861、862、863、864によって凹部811の底面に固定されている。また、導電性接着材861によって、第2検出信号端子314と接続端子831とが電気的に接続され、導電性接着材862によって、駆動信号端子332と接続端子832とが電気的に接続され、導電性接着材863によって、駆動接地端子342と接続端子833とが電気的に接続され、導電性接着材864によって、第1検出信号端子312と接続端子834とが電気的に接続されている。
【0120】
導電性接着材861〜864としては、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、シリコーン系、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ビスマレイミド系等の接着材に銀粒子等の導電性フィラーを分散させたものを用いることができる。
【0121】
また、第1凹部811aの底部と第2凹部811bの底部には、各接続配線871、872、873、874が形成されている。
【0122】
接続配線871は、接続端子831から第1凹部811aの底部の中央部に向って延出している。接続配線872は、接続端子832から第1凹部811aの底部の中央部に向って延出している。接続配線873は、接続端子833から第1凹部811aの底部の中央部に向って延出している。接続配線874は、接続端子834から第1凹部811aの底部の中央部に向って延出している。
【0123】
図10に示すように、ICチップ9は、第3凹部811cの底面にろう材等によって固定されている。ICチップ9は、導電性ワイヤーによって各接続配線871、872、873、874と電気的に接続されている。これにより、第1検出信号端子312、第2検出信号端子314、駆動信号端子332および駆動接地端子342の各々は、ICチップ9と電気的に接続された状態となっている。ICチップ9は、振動片2を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに振動片2に生じる検出振動を検出する検出回路と、を有する。
【0124】
なお、本実施形態では、ICチップ9がパッケージ8の内部に設けられているが、ICチップ9は、パッケージ8の外部に設けられていてもよい。
【0125】
3.電子機器
次いで、振動片2を適用した電子機器について、
図12〜
図15に基づき、詳細に説明する。
【0126】
図12は、
図1に示す振動片を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
【0127】
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能する振動片2が内蔵されている。
【0128】
図13は、
図1に示す振動片を備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
【0129】
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能する振動片2が内蔵されている。
【0130】
図14は、
図1に示す振動片を備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
【0131】
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
【0132】
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
【0133】
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
【0134】
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
【0135】
このようなディジタルスチルカメラ1300には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能する振動片2が内蔵されている。
【0136】
なお、
図1に示す振動片を備える電子機器は、
図12のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、
図13の携帯電話機、
図14のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
【0137】
4.移動体
次いで、
図1に示す振動片を適用した移動体について、
図15に基づき、詳細に説明する。
【0138】
図15は、
図1に示す振動片を備える移動体を適用した自動車の構成を示す斜視図である。
【0139】
自動車1500には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能する振動片2が内蔵されており、振動片2によって車体1501の姿勢を検出することができる。振動片2の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。その他、このような姿勢制御は、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプターで利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、振動片2が組み込まれる。
【0140】
以上、本発明の振動片の製造方法、振動片、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0141】
また、本発明の振動片では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0142】
なお、前記第2実施形態では、露光工程において、底面に光を照射するが、本発明では、これに限定されず、底面およびその周面部(光反射面を除く)に光を照射してもよい。
【0143】
また、本発明の振動片の製造方法では、任意の工程を追加することができる。
また、振動片の形態は、いわゆるH型音叉の形態に限定されず、例えば、ダブルT型、二脚音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等の種々の形態であってもよい。
【0144】
また、駆動用振動腕、検出用振動腕の数は、それぞれ、1つまたは3つ以上であってもよい。また、駆動用振動腕は、検出用振動腕を兼ねていてもよい。
【0145】
また、電極の数、位置、形状、大きさ等は、各振動腕を通電により振動させることができるものであれば、前述した実施形態に限定されるものではない。