特許第6413340号(P6413340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6413340光モジュールの製造方法および光モジュールの製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6413340
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】光モジュールの製造方法および光モジュールの製造装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20181022BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20181022BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   G02B6/42
   G02B6/12
   H01L21/52 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-104127(P2014-104127)
(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公開番号】特開2015-219436(P2015-219436A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153110
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100131037
【弁理士】
【氏名又は名称】坪井 健児
(74)【代理人】
【識別番号】100099069
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】森山 豊
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−021570(JP,A)
【文献】 特開2006−114831(JP,A)
【文献】 特開平08−031916(JP,A)
【文献】 特開平09−298208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
G02B 6/42
G02B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を実現するためのアクティブ領域が少なくともチップ表面の所定エッジの周辺領域に設けられたチップを絶縁基板にマウントする光モジュールの製造方法であって、
前記チップ表面の前記アクティブ領域を除いた範囲を吸着するステップと、
前記所定エッジに対向したチップ裏面に位置するエッジを前記絶縁基板の表面に接触させるステップと、
前記チップ裏面の全体を前記絶縁基板の表面に接触させるステップと
を含み、
前記吸着するステップで吸着される範囲が、前記アクティブ領域を除いた範囲のうち同一直線上にない3箇所である、光モジュールの製造方法。
【請求項2】
所定の機能を実現するためのアクティブ領域が少なくともチップ表面の所定エッジの周辺領域に設けられたチップを絶縁基板にマウントする光モジュールの製造装置であって、
前記チップ表面の前記アクティブ領域を除いた範囲を吸着するコレットと、前記絶縁基板を載置するステージとを備え、
前記所定エッジに対向したチップ裏面に位置するエッジを前記絶縁基板の表面に接触させた後、前記チップ裏面の全体を前記絶縁基板の表面に接触させ
前記コレットは、吸引用開口の周囲に形成されて前記アクティブ領域を除いた範囲に当接する吸着面と、前記所定エッジの周辺領域のうち前記アクティブ領域を除いた範囲に当接する当接面とを有し、
該当接面が前記吸着面よりも突出している、光モジュールの製造装置
【請求項3】
前記ステージは、前記絶縁基板の表面が前記チップ裏面に位置する前記エッジの周辺領域に対向するように前記絶縁基板の裏面を支持する第1の支持面と、前記絶縁基板の表面が前記チップ裏面に位置する前記エッジの周辺領域を除いた範囲に対向するように前記絶縁基板の裏面を支持する第2の支持面とを有し、
前記第1の支持面が前記第2の支持面よりも上方に突出している、請求項2に記載の光モジュールの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップを絶縁基板にマウントする光モジュールの製造方法および光モジュールの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チップのような結晶片(ダイともいう)には、電子回路などが集積されており、ウェハから分離されたチップは、リード・フレームやパッケージなどに搭載される(ダイ・ボンディングともいう)。ダイ・ボンディングに関し、例えば、特許文献1には、真空コレットでチップ表面のエッジを吸着し、チップを所定位置に移動させてマウントする技術が開示されている。
【0003】
コレットによる吸着は、光電変換機能を備えた光デバイスのダイ・ボンディングにも用いられているが、例えば端面発光型の半導体レーザ(LD:Laser Diode)や端面受光型のフォトダイオード(PD:Photo Diode)では、チップの端面が特性に大きな影響を及ぼすので、チップ表面のエッジを吸着するのは好ましくない。この場合、例えば、特許文献1,2のように、チップ表面を吸着する技術を利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−264202号公報
【特許文献2】特開2006−114831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、厚さが例えば0.1mm程度のチップであった場合、特許文献1のようにチップ表面のエッジを吸着するのは不適であるが、特許文献1,2のようにチップ表面を吸着すると、チップを絶縁基板にマウントする際に、チップの反りを防止できず、チップ裏面のエッジが絶縁基板の表面から浮き上がってマウントされるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、チップの反りを防止したマウントを実施できる光モジュールの製造方法および光モジュールの製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光モジュールの製造方法は、所定の機能を実現するためのアクティブ領域が少なくともチップ表面の所定エッジの周辺領域に設けられたチップを絶縁基板にマウントする光モジュールの製造方法であって、前記チップ表面の前記アクティブ領域を除いた範囲を吸着するステップと、前記所定エッジに対向したチップ裏面に位置するエッジを前記絶縁基板の表面に接触させるステップと、前記チップ裏面の全体を前記絶縁基板の表面に接触させるステップとを含み、前記吸着するステップで吸着される範囲が、前記アクティブ領域を除いた範囲のうち同一直線上にない3箇所である
【発明の効果】
【0008】
上記によれば、チップの反りを防止したマウントを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による光モジュールの一例を示す構造図である。
図2図1のチップおよびチップをマウントする絶縁基板の斜視図である。
図3図1のチップの正面図である。
図4】本発明の第1実施形態を説明する図である。
図5図4の断面図である。
図6】本発明の第2実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係る光モジュールの製造方法および光モジュールの製造装置の具体例を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明による光モジュールの一例を示す構造図である。光モジュール1は、例えば小型のコヒーレント光受信器であり、信号を多重化した入力光から個々の信号を分離するために、偏波分離や位相分離などの処理が行われている。
【0011】
光モジュール1は矩形状のパッケージ2を有し、受信信号光(Signal、以下、信号光という)と局部発振光(Local、以下、局発光という)の2本がパッケージ2の一側面からパッケージ2の内部に入力される。また、パッケージ2の他の側面には、例えばホスト装置(図示省略)のコネクタ等に電気的に接続する出力端子3が複数設けられている。
信号光側は、従来のROSA(Receiving Optical Sub-Assembly)と同じ構造であり、シングルモードファイバ4のフェルール5を受け入れるスリーブ6と、スリーブ6を保持するジョイントスリーブ7と、集光レンズ9を収容したレンズホルダ8と有し、レンズホルダ8がパッケージ2の一側面に固定されている。
【0012】
レンズホルダ8がジョイントスリーブ7をXY方向(光軸に対して垂直方向)にスライドさせてXY面内の光学調芯を行い、ジョイントスリーブ7によるスリーブ6の保持長さを変えてZ方向(光軸方向)の光学調芯を行う。集光レンズ9で集められた信号光はパッケージ2の内部に向けて出射される。
パッケージ2内の金属製のベース2a上には、偏波分離の処理を行う光学部品や位相分離の処理を行う光デバイス(以下、チップと称する)などが設けられている。
【0013】
詳しくは、信号光側の構造には、VOA(Variable Optical Attenuator)20、コリメートレンズ21、ビームスプリッタ22、パワーモニタ用PD23、偏波ビームスプリッタ24、スキュー調整素子25、集光レンズ26,29、ミラー28が設けられている。信号光側は、集光レンズ9、コリメートレンズ21、集光レンズ26,29による3レンズで形成されており、VOA20の開口を確保すると共に、シングルモードファイバ4の端から後述するチップ40の端までの結合効率を確保する。
【0014】
集光レンズ9で集められた信号光は、VOA20を通過してコリメートレンズ21でコリメート光に変換される。コリメート光に変換された信号光は、ビームスプリッタ22でパワーモニタ用PD23に向かう光と、偏波ビームスプリッタ24に向かう光とに分岐される。なお、パワーモニタ用PD23への分岐比は10%に満たないものであり、このPD23で過入力状態が検知された場合、VOA20の減衰度を大きくして信号光を遮断できる。
【0015】
偏波ビームスプリッタ24に向かった信号光は、この偏波ビームスプリッタ24で直進して一方のチップ40に向かう光と、90°曲げられてから他方のチップ40に向かう光とに分離される(分岐比50%)。
偏波ビームスプリッタ24で直進した信号光は、スキュー調整素子25で他方のチップ40に向かう信号光の時間を補償した後、例えば2段階の集光レンズ26で集められて一方のチップ40に到達する。
【0016】
偏波ビームスプリッタ24で90°曲げられた信号光は、ミラー28で再び90°曲げられた後、例えば2段階の集光レンズ29で集められて他方のチップ40に到達する。
これに対し、局発光側は、偏波保持ファイバ10のフェルール11を受け入れるスリーブ12,13と、スリーブ13を保持すると共にコリメートレンズ15を収容するレンズホルダ14と有し、レンズホルダ14がパッケージ2の一側面に固定されている。
【0017】
偏波保持ファイバ19で偏向方向が維持された局発光源(図示省略)からの局発光は、コリメートレンズ15でコリメート光に変換された後、パッケージ2の内部に向けて出射される。
局発光側の構造には、偏光子30、ビームスプリッタ31、スキュー調整素子32、集光レンズ33,36、半波長板34、ミラー35が設けられている。
【0018】
コリメート光に変換された局発光は、偏光子30でその偏向方向が確定される。これにより、偏波保持ファイバ19で維持した偏向方向が仮にパッケージ2の組み立て時にずれたとしても、偏向方向を0°か90°に確定できる。
偏向方向が確定された局発光は、ビームスプリッタ31で90°曲げられてから一方のチップ40に向かう光と、直進して他方のチップ40に向かう光とに分岐される(分岐比50%)。
【0019】
ビームスプリッタ31で90°曲げられた局発光は、半波長板34でその偏向方向がビームスプリッタ31で直進した局発光に対して90°変えられ、ミラー35で再び90°曲げられた後、例えば2段階の集光レンズ36で集められて一方のチップ40に到達する。
ビームスプリッタ31で直進した局発光は、スキュー調整素子32で一方のチップ40に向かう局発光の時間を補償した後、例えば2段階の集光レンズ33で集められて他方のチップ40に到達する。
【0020】
このように、パッケージ2の内部に出射された信号光および局発光は、2個のチップ40に振り分けられて入力される。
各チップ40は、例えばPD集積型MMIチップであり。このチップ40のPDで生成された光電流はアンプ50で電圧信号に線形変換され、出力端子3から例えばホスト装置に出力され、その電気回路で信号処理される。
【0021】
図2は、図1のチップおよびチップをマウントする絶縁基板の斜視図であり、図3は、図1のチップの正面図である。
チップ40は、例えば半絶縁性のInP(リン化インジウム)製のチップ本体41を有する。チップ本体41は、例えば1.6mm×4.1mm程度のチップ表面42や図6で説明するチップ裏面43が設けられ、厚さが例えば0.1mm程度の薄板状に形成されている。
【0022】
図2に示すように、チップ40は例えばセラミック製の絶縁基板81(キャリア基板ともいう)にマウントされ、チップ裏面43が絶縁基板81の表面82と隙間が生じないように、特に、チップ裏面43の短辺(長さ1.6mmの辺)に位置するエッジ43aが表面82と隙間が生じないように載置されている。なお、図2のチップ表面42の短辺(長さ1.6mmの辺)に位置するエッジ42aが本発明の所定エッジに相当し、チップ裏面43のエッジ43aが本発明の所定エッジに対向したチップ裏面に位置するエッジに相当する。
【0023】
そして、チップ40は、例えば、縦長の矩形状をなすチップ本体41のコーナー領域、中央領域およびエッジ42a,43aの周辺領域がアクティブ領域(機能領域ともいう)に設定されている。詳しくは、図3に示すように、チップ40は、MMI(Multi-Mode Interference)ミキサ44(90°ハイブリッドともいう)と、導波路型PD45とを有している。
【0024】
MMIミキサ44は、チップ40内に入力された信号光と局発光とを光結合させて同相成分と直交位相成分に分離する機能を備えており、入力された信号を取り出すための2個のSSC(Spot-Size Converter)域44aと、多モード干渉を実行するための1個のMMI域44bとを有し、いずれもアクティブ領域である。
しかし、図3で見て、SSC域44aは、エッジ42aとは反対側のチップ本体41のコーナー領域に形成され、また、MMI域44bは、SSC域44aから導波路型PD45に向けて延びた導波路が合流する、チップ本体41の中央領域に集められて形成されており、MMIミキサ44には、広い非アクティブ領域44cが3個存在する。なお、非アクティブ領域44cが本発明のアクティブ領域を除いた範囲に相当する。
【0025】
導波路型PD45は、MMI域44bで分岐された例えば4本の導波路内の出力を端面で受光するための、例えば4個のPD/MIM(Metal-Insulator-Metal)域45aを有しており、アクティブ領域である。
しかし、図3で見て、各PD/MIM域45aは、エッジ42aの両端付近やエッジ42aの中央付近に形成され、アクティブ領域をなす導波路型PD45にも非アクティブ領域45cが2個存在する。
【0026】
このように、チップ本体41には、例えば、SSC域44a、MMI域44bやPD/MIM域45aのアクティブ領域に比べ、特に3個の非アクティブ領域44cが広範囲に亘って形成されている。そこで、光モジュールの製造装置では、チップ40を絶縁基板81にマウントする際、後述するコレットの吸着範囲はチップ表面42の非アクティブ領域44cだけに限定している。また、チップ裏面43のエッジ43aを絶縁基板81の表面82に接触させた後、チップ裏面43の全体を表面82に接触させている。
【0027】
(第1実施形態)
図4は、本発明の第1実施形態を説明する図であり、図4(A)はコレットの正面図、図4(B)はコレットの底面図である。また、図5(A)は図4のA−A線矢視断面図、図5(B)は図4のB−B線矢視断面図である。
図4(A)に示すように、コレット60はコレット本体61を有し、コレット本体61の上面62には円筒状の管路63が立設されている。
【0028】
図5に示すように、コレット本体61の内部には通気孔64が形成され、通気孔64は管路63に連通している。管路63の内部は例えば真空ポンプ(図示省略)に連結されており、真空ポンプで管路63内の空気を吸引すると、通気孔64の内部が減圧されてコレット60に吸着力を発生させることができる。
コレット本体61の下面65には、通気孔64に連通する例えば3個の吸引用開口66が形成されている。各吸引用開口66は、図3で説明したMMIミキサ44の3個の非アクティブ領域44cに対応した位置に設けられている。
【0029】
吸引用開口66の周囲には吸着面67が形成されており、各吸着面67が同じく3個の非アクティブ領域44cにそれぞれ当接する。
また、コレット本体61の下面65には、例えば2個の当接面68が形成されている。当接面68は、図3で説明した導波路型PD45の2個の非アクティブ領域45cに対応した位置に設けられており、2個の非アクティブ領域45cにそれぞれ当接するが、チップ表面42のエッジ42aやアクティブ領域をなすPD/MIM域45aには当接しない。
【0030】
また、図5の網目部分は、コレット60の製造時に通気孔64を塞いだ部材であり、図5(B)に示すように、当接面68の付近には吸引用開口が形成されていない。このため、導波路型PD45における2個の非アクティブ領域45cには、吸着力を生じさせない。
そして、図4(A)に示すように、下面65から吸着面67までの高さh、下面65から当接面68までの高さHとすると、後者の高さHが前者の高さhよりも例えば10μm(1μm=1×10-6m)程度大きな値に設定され、当接面68が吸着面67よりも下方に突出している。
【0031】
これにより、薄型のチップ40を絶縁基板81にマウントする場合、MMIミキサ44の3個の非アクティブ領域44cを吸着したコレット60が絶縁基板81に向けて例えば下降すると、まず、アクティブ領域であるチップ裏面43のエッジ43aが絶縁基板81の表面82に接触する。当該エッジ43aの周辺領域は吸着されない範囲であるが、表面82に隙間無くマウントできる。
【0032】
続いて、コレット60が絶縁基板81に向けてさらに下降すると、チップ裏面43の全体が絶縁基板81の表面82に接触する。このように、エッジ43aを表面82に接触させた後、チップ裏面43の全体を表面82に接触させるので、チップ本体41の反りを防止した絶縁基板81への均一なマウントを達成できる。
また、コレット60の当接面68が吸着面67よりも突出しているので、チップ裏面43のエッジ43aを表面82に容易に接触させることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態を説明する図である。上記第1実施形態では、コレットを工夫したものであるが、絶縁基板を載置するステージを工夫してもよい。
具体的には、図6に示すように、ステージ70が第1の支持面71および第2の支持面72を有している。なお、この図6では、第2実施形態への理解を容易にするために、誇張したステージ70を描いている。
【0034】
第1の支持面71は、絶縁基板81の表面82がチップ裏面43のエッジ43aの周辺領域に対向するように絶縁基板81の裏面83を支持し、第2の支持面72は、表面82がエッジ43aの周辺領域を除いた領域(例えば、図3で説明したMMIミキサ44の3個の非アクティブ領域44cなど)に対向するように裏面83を支持している。
そして、図6に示すように、ステージ70の上面と水平面とのなす角θとすると、4.1mm程度の長さを有したチップ本体41を用い、上記第1実施形態と同様に10μmの突出量を想定すると、tanθ=10μm/4.1mmとなり(θ=約0.14)、第1の支持面71が第2の支持面72よりも上方に突出している。
【0035】
これにより、チップ40を絶縁基板81にマウントする場合、当接面68と吸着面67が例えば同じ高さのコレット60を絶縁基板81に向けて例えば下降させると、まず、アクティブ領域であるチップ裏面43のエッジ43aが絶縁基板81の表面82に接触する。当該エッジ43aの周辺領域は吸着されない範囲であるが、表面82に隙間無くマウントできる。
【0036】
なお、上記θを最大0.3程度に設定すれば、エッジ43aの周辺領域への負荷を増やすことなく、チップ本体41の反りを防止した絶縁基板81への均一なマウントを達成できる。
また、第2実施形態では、当接面68と吸着面67が同じ高さのコレット60を例で説明したが、第1実施形態で説明したコレット60を用いてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…光モジュール、2…パッケージ、2a…ベース、3…出力端子、4…シングルモードファイバ、5,11…フェルール、6,12,13…スリーブ、7…ジョイントスリーブ、8,14…レンズホルダ、9,26,29,33,36…集光レンズ、10…偏波保持ファイバ、15,21…コリメートレンズ、20…VOA、22,31…ビームスプリッタ、23…パワーモニタ用PD、24…偏波ビームスプリッタ、25,32…スキュー調整素子、28,35…ミラー、30…偏光子、34…半波長板、40…チップ、41…チップ本体、42…チップ表面、42a,43a…エッジ、43…チップ裏面、44…MMIミキサ、44a…SSC域、44b…MMI域、44c,45c…非アクティブ領域、45…導波路型PD、45a…PD/MIM域、50…アンプ、60…コレット、61…コレット本体、62…上面、63…管路、64…通気孔、65…下面、66…吸引用開口、67…吸着面、68…当接面、70…ステージ、71…第1の支持面、72…第2の支持面、81…絶縁基板、82…表面、83…裏面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6