(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記浮遊映像投影部による前記浮遊映像と、前記ジェスチャー検出部によるジェスチャーの検出と、前記押しボタンスイッチ部による前記押しボタンの押圧操作の検出とを関連付けた制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるスロットマシンと呼ばれる遊技機が存在している。スロットマシンでは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、停止したときに窓に表示されているシンボルおよびその揃い方により役が決定し、役およびベット数(賭け数)に応じて賞が付与される。リールは、スロットマシンの前面に設けられた押しボタンを押圧するか、レバーを引くことによって回転を開始し、機器の制御によって停止する。
【0003】
ところで、スロットマシンが設置されるカジノ等の遊技施設では、1つの遊技機メーカが製造したマシンだけでなく、様々な遊技機メーカのマシンが設置される。遊技者は、様々な遊技機メーカのマシンの中から嗜好のあったマシンを選択して遊技を行う。そのため、遊技施設では、遊技者に人気のあるマシンを設置して、競合する他の遊技施設に対する優位性の確保を図っており、遊技機メーカでは、遊技施設からの要望に応えるべく、遊技者にアピールできる、演出力のあるマシンの開発に努力している。
【0004】
このような中、リール回転開始を指示する押しボタンやレバー、ベット数を入力したりラインを選択したりするためのスイッチが配置された操作入力部は、スロットマシンの前面の外観上目立つ箇所に設けられ、しかも、遊技者が直接操作するものでもあるため、演出に用いて遊技者にマシンをアピールする上で非常に重要視されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、ボタンスイッチの光透過性の材料よりなる中空状の操作子の内面に透過型スクリーンを配置すると共に、操作子の裏面側に透過型スクリーンと正対して液晶プロジェクタを配置し、液晶プロジェクタにて静止画や動画等の映像を透過型スクリーンに投影させる構成の遊技機が記載されている。
【0006】
一方、近年においては、空中に映像を表示する技術や、空中における手や指の動き(ジェスチャー)を検出して入力を受け付けるジェスチャーコントローラ技術の開発が盛んに行われている。例えば、液晶表示装置等のディスプレイの映像を、特殊なプレートを用いて空中に結像させて、観察者には、あたかもそこに液晶表示画面があるように見せる技術がある。そして、この空中に結像させる技術とジェスチャーコントローラ技術とを組み合わせることで、空中に指示入力画面を表示し、該画面に空中で触れることで指示入力が可能となり、現在、自動車業界や住宅業界、アミューズメント業界等の様々な業種において、その利用の仕方が種々検討されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された従来技術は、操作入力部における操作子の内側に立体映像を映し出す演出によって遊技者の興趣を高めようとするものであるが、立体映像と操作が関連するものではなかった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、既存の操作を基本としながら、新しい操作による指示入力を可能とし、多彩な興趣のある演出を行うことができる操作ユニットおよび遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の操作ユニットは、上記課題を解決するために、遊技機に搭載される操作ユニットであって、透光材からなる押しボタンを有する押しボタンスイッチ部と、前記押しボタンの裏面側から前記押しボタンを介して浮遊映像を前記押しボタンの上空に投影する浮遊映像投影部と、前記浮遊映像が投影される領域を少なくとも検出領域とするジェスチャー検出部と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
これによれば、押しボタンスイッチ部を用いた従来からの押しボタンを押圧する操作に加えて、浮遊映像投影部による浮遊映像の投影と、ジェスチャー検出部による遊技者の手や指の動きであるジェスチャーの検出とが可能となる。
【0012】
これにより、遊技機において、従来からある押しボタンを押圧する操作を基本としながら、これに、押しボタン上に投影される浮遊映像と該浮遊映像の投影領域を検出範囲とするジェスチャー検出とを組み合わせることで、押しボタンと浮遊映像とジェスチャーによる指示入力とが融合した、新しい操作による指示入力および多彩な興趣のある演出が可能となる。
【0013】
本発明の操作ユニットにおいては、さらに、前記押しボタンは導光板を備え、前記押しボタンスイッチ部は前記導光板に光を供給する光源を備える構成とすることもできる。
【0014】
これによれば、押しボタンに備えられた導光板が発光して、押しボタン自体が発光することとなる。したがって、導光板に形成される発光パターンを、ロゴを表示する仕様としたり、全面発光する仕様としたりすることで、より一層、多彩な興趣のある演出が可能となる。
【0015】
本発明の遊技機は、さらに、本発明の操作ユニットが搭載され、前記押しボタンスイッチ部、前記浮遊映像投影部、および前記ジェスチャー検出部を制御する制御部を備えたことを特徴としている。
【0016】
本発明は、上記した作用を有する本発明の操作ユニットが搭載された遊技機も発明の範疇としている。
【0017】
本発明の遊技機においては、さらに、前記制御部は、前記浮遊映像投影部による前記浮遊映像と、前記ジェスチャー検出部によるジェスチャーの検出と、前記押しボタンスイッチ部による前記押しボタンの押圧操作の検出とを関連付けた制御を実行する構成とすることもできる。
【0018】
これにより、遊技機において、本発明の操作ユニットを用いた、押しボタンと浮遊映像とジェスチャーによる指示入力とが融合した、新しい操作による指示入力およびより多彩な興趣のある演出が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0021】
本発明の操作ユニットは、各種遊技機の操作ユニットとして使用でき、本実施の形態では、遊技機であるスロットマシンに搭載された例を説明する。
【0022】
図1は、実施の一形態の操作ユニット17を搭載したスロットマシン11の概観斜視図である。
図1に示すように、スロットマシン11では、遊技者(操作者)と対峙する正面中央部にリール部12が設けられている。
【0023】
リール部12には、複数種類のシンボルが表示された複数のリール(図示せず)が備えられている。複数のリールは、遊技者がボタン18を操作することで回転を開始し、機器の制御によって自動に停止する。スロットマシン11では、リールが停止したときにリール部12の窓(図示せず)に表示されている、選択したラインにおけるシンボルの揃い方および揃ったシンボルの種類により役が決定し、決定した役およびベット数(賭け数)に応じて賞が遊技者に付与される。なお、リール部12の構成としては、リールが実際に設けられている構成の他、液晶画面等の表示画面より構成されていて、リールに相当する画像が表示されている構成などであってもよい。
【0024】
リール部12の上方には、遊技者に各種の情報を表示する表示画面13が設けられている。また、リール部12の下方における正面側に迫り出した部分には、ボタン9が複数配置されたボタン操作部10、ボタン9よりも大きいボタン18を備えた操作ユニット17、紙幣投入口14、およびチケット払出口15が設けられている。
【0025】
ボタン操作部10は、主にラインの選択とベット数の指定に用いられる。一方、操作ユニット17は、リールの回転開始の指示の他、詳細については後述するが、ボタン18の押圧操作と、ボタン18上空に表示される浮遊映像と、ジェスチャーによる指示入力とを用いて、ラインの選択やベット数の指定、ミニゲームの実施等に用いられる。ボタン18は、左右方向に延びる矩形状であり、当該ボタン18を介して結像される浮遊映像を用いたジェスチャーによる指示入力の際の操作性を考慮し、比較的大きく形成されている。
【0026】
図2は、操作ユニット17の外観斜視図であり、
図3はその分解斜視図である。
図2に示すように、操作ユニット17は、ボタン18を有する上面が、背面側に対して正面側が低く傾斜した立方体状の外観を有し、ボタン18、上フレーム部19、および下フレーム部20より構成される。
【0027】
上フレーム部19は、
図3に示すように、ボタン18の長手方向および短手方向並びに上下方向(押圧方向に沿った方向)の何れの方向から見ても矩形状をなす上ケース21を備えている。上ケース21の上面にはボタン開口部21aが形成され、該ボタン開口部21aにボタン18が配設されている。上ケース21内部には、ボタン18の裏面側に対向して、例えば「SPIN」のロゴ発光パターン25aが形成された導光板25が配設されている。また、上ケース21におけるボタン18の周囲には、発光部8が複数配置されている。なお、ボタン18と、上ケース21内に配設された、後述するスプリング22(
図5参照)、導光板25、レンズ保持部26(
図5参照)、LED基板27(
図5参照)等により、押しボタンスイッチ部5(
図3参照)が構成されている。
【0028】
一方、下フレーム部20は、ボタン18の短手方向および上下方向から見て矩形状をなし、ボタン18の長手方向から見ると正面側が低く傾斜した台形状をなす下ケース33を備えている。下ケース33内部には、ボタン18の上空に浮遊映像を投影する浮遊映像投影部7が配設されている。浮遊映像投影部7は、LCD(液晶表示装置)41と特殊なプレート36とを備え、LCD41に表示された映像を、プレート36を介してボタン18の上空に空中結像させて、LCD41と同様の虚像を再生するものである。
【0029】
これら上フレーム部19と下フレーム部20とは、上ケース21に形成された嵌合穴21bに、下ケース33に形成された嵌合爪33aが嵌め合わされることで一体化される。
【0030】
図4は、ボタン18の分解斜視図である。ボタン18は、
図4に示すように、ボタンカバー24と、該ボタンカバー24を担持するボタンケース23とを備える。ボタンカバー24は、透光材から形成されており、浮遊映像投影部7からの投影光を透過させるよう構成されている。ボタンケース23は、枠状部材であり、ボタンカバー24をその外周側にて担持する。ボタンカバー24とボタンケース23とは、ボタンカバー24に形成された嵌合穴24aに、ボタンケース23に形成された嵌合爪23aが嵌め合わされることで一体化される。
【0031】
ボタンケース23における裏面側(ボタンカバー24側とは反対側)の4角には、ボタン18の押圧方向に沿った上下動を可能とする軸23bが突設されている。また、ボタンケース23の裏面側の、枠を形成する4辺の各中間位置には、ボタン18の押圧方向に沿った上下動を安定化させるためのガイド部23cが突設されている。そして、該ガイド部23cの先端部には、後述するガイド溝6b(
図5参照)に当接してボタン18の脱落を防止する係止爪23dが形成されている。さらに、ボタンケース23の裏面側の正面側に位置する辺には、当該ボタン18に対する押圧操作を、後述するセンサ2(
図5参照)が検出するための検出用突起23eが設けられている。
【0032】
図5は、上フレーム部19の分解斜視図である。上フレーム部19は、上ケース21と、該上ケース21内部に配設される、スプリング22、導光板25、レンズ保持部26、LED基板27、スペーサ28、3Dジェスチャーコントローラ基板29、処理部31、およびUSB32等より構成される。
【0033】
上ケース21は、ボタン開口部21aの周囲に、発光部8となる複数の小さなLED開口部21cを有し、ボタン開口部21aの内側には、ボタン開口部21aにボタン18を取り付けるための取り付け部6が配設されている。取り付け部6におけるボタン開口部21aの4角には、ボタンケース23に設けられた軸23bが上下方向(軸方向)に摺動自在に挿通される軸穴部6aが形成されている。ボタン18は、軸23bをスプリング22に挿通させた状態で、先端部側が軸穴部6a内に挿入される。また、取り付け部6には、ガイド部23cの上下動を安定化させるガイド溝6bも形成されている。
【0034】
レンズ保持部26、LED基板27、および3Dジェスチャーコントローラ基板29はいずれも、上ケース21に形成されたボタン開口部21aと同等サイズの開口を有する枠状部材である。
【0035】
LED基板27は、複数のLED(発光ダイオード)が上面に搭載された回路基板であり、その上面において導光板25の外周部を担持するものでもある。導光板25には、例えば「SPIN」の文字を構成するロゴ発光パターン25aと、全面発光させる全面発光パターン25b(
図9参照)とが形成されている。LED基板27には、背面側の辺に、ロゴ発光パターン25aを発光させる複数のロゴ発光用LED51が備えられ、側面側の辺に、全面発光パターン25bを発光させる複数の全面発光用LED50が備えられている。導光板25には、外周部端面より、LED50,51の光が供給される。さらに、LED基板27には、発光部8を構成する複数の電飾用LED52も備えられている。これら複数のLEDとしては、フルカラーを発色できるものであることが好ましい。また、複数のLEDの点灯は、外部より入力される制御信号に応じて制御され、LED基板27の裏面には、外部配線が接続されるコネクタ3が搭載されている。
【0036】
さらに、LED基板27の上面には、ボタン18の形成された検出用突起23eを検出することで、ボタン18に対する押圧操作を検出するセンサ2が搭載されている。センサ2による検出結果は、コネクタ3に接続された外部配線より出力される。外部配線は、スロットマシン11の後述する制御部90(
図1参照)に接続されている。
【0037】
レンズ保持部26は、LED基板27に搭載された複数の電飾用LED52と対応する位置に複数のレンズ4を有している。各レンズ4は、その上面が、上ケース21のLED開口部21cから覗くように配設される。電飾用LED52の光をレンズ4がLED開口部21cから放出することで、発光部8が構成される。
【0038】
3Dジェスチャーコントローラ基板(ジェスチャー検出部)29は、ボタン18上の所定の空間において実施された手や指の動き(ジェスチャー)を検出するユーザインタフェースである。3Dジェスチャーコントローラ基板29には、当該基板29が受け付けた情報を処理する処理部31が接続され、該処理部31には、該処理部31に対する信号の入出力を可能にするUSB32が接続されている。
【0039】
レンズ保持部26、導光板25を担持したLED基板27、および3Dジェスチャーコントローラ基板29は、この順に積層され、導光板25にてボタン開口部21aを塞ぐようにビス30にて4角が上ケース21に固定される。LED基板27と3Dジェスチャーコントローラ基板29との間にはスペーサ28が介在される。
【0040】
図6は、下フレーム部20の分解斜視図である。下フレーム部20は、下ケース33と、該下ケース33内部に配設される、ブラケット34、ホルダ35、プレート36、LCDホルダ40、およびLCD41等より構成される。上述したように、プレート36とLCD41にて、浮遊映像投影部7が構成される。
【0041】
下ケース33の内底33bは、背面側が高く正面側が低い傾斜を有しており、背面側にLCD41、正面側にプレート36がそれぞれ配設される。LCD41は、LCDホルダ40に保持され、LCDホルダ40は、ビス37とナット38にてほぼ垂直に内底33bに取り付けられる。内底33bに形成されたビス37が挿通されるビス穴33cは長穴に形成されており、プレート36との距離を調整できるようになっている。
【0042】
一方、プレート36はホルダ35に保持され、ホルダ35は、ブラケット34に取り付けられる。ブラケット34は、ビス45とナット46にてほぼ垂直に内底33bに取り付けられており、ホルダ35は、該ブラケット34に一対のビス47を用いて、保持するプレート36がLCD41の表示面に対して所定の角度(例えば45度)となるように取り付けられる。ブラケット34には、プレート36の高さ位置を調整できるように、高さ方向に複数のビス穴34aが形成されている。また、内底33bに形成されたビス45が挿通されるビス穴33dも長穴に形成されており、LCD41との距離を調整できるようになっている。
【0043】
プレート36は、直交2面リフレクタの技術を用いて、LCD41に表示された映像を、ボタン18を介してその上空に結像させるものである。
【0044】
図7は、操作ユニット17におけるボタン18の押圧操作を説明する図面であり、(a)は操作ユニットの正面図、(b)はA−A線矢視断面図である。スロットマシン11の遊技者が、ゲームスタート時や演出時、選択時などにボタン18を押圧すると、
図7に示すように、ボタン18がスプリング22に抗して下方へ移動する。この移動により、ボタンケース23の裏面に設けられた検出用突起23eがLED基板27に搭載されたセンサ2の検出領域に入り、センサ2が検出用突起23eを検出して、ボタン18に対する押圧操作を検出する。ボタン18に対する押圧を解除すると、スプリング22の付勢力によって、ボタン18が上方に持ち上げられ、元の状態に戻る。
【0045】
図8は、操作ユニット17における浮遊映像投影部7を説明する図面であり、(a)は操作ユニットの正面図、(b)はB−B線矢視断面図である。
図8に示すように、LCD41で表示された映像が、プレート36を介してボタン18上空に浮遊映像として結像される。
【0046】
図9は、操作ユニット17における導光板の発光による表示を説明する図面であり、(a)は操作ユニットの側面図、(b)および(c)はC−C線矢視断面図である。(b)に示すように、ロゴ発光用LED51を消灯した状態で全面発光用LED50を点灯することで、導光板25の全面発光パターン25bを発光させて、ボタン18内部を全面発光させることができる。また、(c)に示すように、全面発光用LED50を消灯した状態でロゴ発光用LED51を点灯することで、導光板25のロゴ発光パターン25aを発光させて、ボタン18内部に文字「SPIN」を表示することができる。
【0047】
図10は、操作ユニット17における3Dジェスチャーコントローラ基板29の検出動作を説明する図面であり、(a)は傾斜した上面を水平にした操作ユニットの正面図、(b)は傾斜した上面を水平にした操作ユニットの側面図である。(a)および(b)に示すように、3Dジェスチャーコントローラ基板29は、ボタン18上空における検出可能領域内における遊技者の動作(主に指や手のひら)を検知し、処理部31が動作方向(X、Y、Z方向)や動作速度、位置情報をスロットマシン11側へ出力する。
【0048】
このような操作ユニット17を搭載したスロットマシン11においては、従来からあるボタン18を押圧する操作を基本としながら、これに、ボタン18上に投影される浮遊映像と、該浮遊映像の投影領域を検出範囲とするジェスチャー検出とを組み合わせることで、ボタン18と浮遊映像とジェスチャーによる指示入力とが融合した、新しい操作による指示入力および多彩な興趣のある演出が可能となる。
【0049】
また、ボタン18に対する押圧操作や浮遊映像、遊技者のジェスチャー検出と連動して、表示画面13を制御することにより、演出効果を高めて多彩な興趣のある演出を行うことができる。
【0050】
さらに、ボタン18は導光板25および発光部8を備えているので、ボタン18に対する押圧操作や浮遊映像、遊技者のジェスチャー検出、リール部12、および表示画面13と連動して、LED基板27の全面発光用LED50、ロゴ発光用LED51、電飾用LED52を制御することにより、より一層、演出効果を高めて多彩な興趣のある演出を行うことができる。
【0051】
スロットマシン11におけるこのような演出は、スロットマシン11に搭載された制御部90にて実行される(
図1参照)。制御部90は、CPUおよび記憶部を備え、リール部12や表示画面13、ボタン操作部10、操作ユニット17などのスロットマシン11の各部を制御するものである。記憶部には、各種の演出内容が記憶されており、CPUは、記憶部から演出内容を読み出し、演出内容に従いスロットマシン11の各部を駆動して演出を実行する。なお、操作ユニット17に関連する制御のみを行う制御回路を、操作ユニット17に搭載させた構成としてもよい。
【0052】
図11は、操作ユニット17における浮遊映像を用いた操作入力の一例を説明する図面である。LED基板27の全面発光用LED50およびロゴ発光用LED51を消灯し、浮遊映像投影部7のLCD41をONにすると、操作ユニット17におけるボタン18の上方に浮遊映像が浮かび上がる。
図11の例では、操作モードの基本の浮遊映像であるSPIN表示100を示す。SPIN表示100には、中央に大きく表示された「SPIN」の文字と共に、「LINE」,「BET」,「MENU」のボタンも表示されている。
【0053】
SPIN表示100において、遊技者が「LINE」または「BET」ボタンをタッチし、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、浮遊映像をLINE/BET表示101に切り換える。LINE/BET表示101には、ライン数を選択するボタンと、ベット数を選択するボタンとが表示されており、制御部90は、タッチされたボタンの表示色を変更する(LINE/BET表示102)。選択後、例えば10秒経過すると、制御部90はSPIN表示100に戻す。
【0054】
一方、SPIN表示100において、「MENU」ボタンがタッチされ、これが検出されると、制御部90は、浮遊映像をSERVICE/CASHOUT表示104に切り換える。SERVICE/CASHOUT表示104には、「SERVICE」,「CASHOUT」ボタンが表示されている。
【0055】
SERVICE/CASHOUT表示104において、「SERVICE」ボタンがタッチされ、これが検出されると、制御部90は、スロットマシン11を設置している遊技施設の従業員にその旨を通知する手段を講じると共に、浮遊映像をNOW COMING表示105に切り換える。その後、例えば3秒経過すると、制御部90はSPIN表示100に戻す。
【0056】
一方、SERVICE/CASHOUT表示104において、「CASHOUT」ボタンがタッチされ、これが検出されると、制御部90は、ゲームの成果に応じた金額を記載したチケットをチケット払い出し口15から排出すると共に、浮遊映像をNOW PRINTING表示107に切り換える。その後、例えば3秒経過すると、制御部90はSPIN表示100に戻す。
【0057】
また、SPIN表示100において、遊技者がSPIN表示100を押圧するように手や指を動かし(SPIN動作)、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、浮遊映像をSPIN点滅表示109に切り換える。その後、ゲームが終了すると、SPIN表示100に戻す。また、浮遊映像としてSPIN表示100がなされている状態で、ボタン18が押圧された場合も、制御部90は、浮遊映像をSPIN点滅表示109に切り換える。このように、浮遊映像を遊技に必要な操作を入力する操作画面とすると、遊技者に空中で操作させることができる。
【0058】
図12は、操作ユニット17における浮遊映像を用いた演出の例を説明する図面である。
図12の例では、演出モードにおけるミニゲームの例を示している。浮遊映像であるリール表示111には、停止したリールの映像が表示されている。リール表示111において、遊技者がリールを回転させるように手を動かし(回転動作)、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、リールが回転しているリール回転表示112の浮遊映像を表示し、その後5秒経過すると、リールを停止させたリール表示113を表示する。
【0059】
また、浮遊映像であるルーレット表示114には、停止したルーレットの映像が表示されている。ルーレット表示114において、遊技者がルーレットを回転させるように手を動かし(回転動作)、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、ルーレットが回転しているルーレット回転表示115の浮遊映像を表示し、その後5秒経過すると、ルーレットを停止させたルーレット表示116を表示する。
【0060】
また、浮遊映像である選択表示117,120には、複数の宝箱あるいは魚の映像が表示されている。選択表示117において、遊技者が宝箱あるいは魚の映像の1つにタッチし(選択動作)、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、選択された宝箱や魚に応じた金額を示した獲得金額表示118,121の浮遊映像を表示する。制御部90は、ミニゲームが終了すると、浮遊映像を通常画面119に戻す。
【0061】
このように、浮遊映像を演出用の画面にすると、今まで筐体側の表示画面13で行っていたミニゲームでの選択や、ルーレット、リール、ポーカーなど様々な演出を空中で行うことが可能となり、高い演出効果を得ることができる。
【0062】
図13は、操作ユニット17における浮遊映像を用いた演出の他の例を説明する図面である。
図13の例も、演出モードにおけるミニゲームの例を示している。浮遊映像であるシューティング表示130には複数の的(リンゴやバナナ)が表示されている。シューティング表示130において、遊技者がボタン18を連打すると、押しボタンスイッチ部5がこれを検出し、3Dジェスチャーコントローラ基板29が連打動作の大きさを検出する。制御部90は、既定時間内の押圧回数と連打動作の大きさとに応じて、シューティング可能領域(シューティング表示131内の二転鎖線で囲む領域)の大きさを決定する。そして、遊技者が、シューティング可能領域内の的に順次タッチし(シューティング動作)、3Dジェスチャーコントローラ基板29がこれを検出すると、制御部90は、シューティングされた的を当該的に応じた金額表示に変化させた獲得金額表示132の浮遊映像を表示する。なお、シューティング表示130(131)や獲得金額表示132は、浮遊映像として表示するだけでなく、筐体側の表示画面13にも表示する構成としてもよい。
【0063】
このように、浮遊映像に対する遊技者の手や指の動き(ジェスチャー)に加えて、ボタン18の押圧操作を組み合わせることで、今までのボタンの押圧操作では得られず、かつ、ジェスチャーによる指示入力のみでは得られなかった、新しい操作と演出とが可能になる。
【0064】
浮遊映像に対するジェスチャーによる指示入力では、遊技者の動きに連動して浮遊映像が変化することで、遊技者は自身の操作が有効であることを確認している。したがって、タイミングが取り辛く、かつ、手がボタンや操作パネル等に触れないため、手応えがない。これに対し、ボタン18の押圧操作は、ジェスチャーによる指示入力では得られない確実な手応えを遊技者に与えることができる。しかも、遊技者の操作と、スロットマシン11側が該操作を検出するタイミングが実質的に一致するので、操作のタイミングが重要なミニゲーム等の演出も可能となる。
【0065】
このように、ボタン18の押圧操作と、ジェスチャーによる指示入力とを組み合わせることで、ジェスチャーによる指示入力が有する脆弱な部分をカバーして、より一層、興趣のある演出を可能とする。
【0066】
さらに、ボタン18の上空の遊技者が大きく手を動かす必要のない範囲にて、ジェスチャーによる指示入力とボタン18の操作とが可能で、かつ、これらの操作の視覚を用いた確認を、浮遊映像を見ている視線を動かすことなく実施できる。
【0067】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。