(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の通信システム100の概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、実施形態1の通信システム100は、撮像装置(電子機器;
図2参照)1と、携帯装置(通信装置;
図3参照)2とを備え、撮像装置1と携帯装置2とは、無線通信回線(例えば、Bluetooth等の無線PAN(Personal Area Network))を介して情報通信可能に接続されている。
ここで、撮像装置1及び携帯装置2は、例えば、同一のユーザにより所持され使用されるものであるが、互いに異なるユーザにより所持され使用されても良い。
【0018】
先ず、撮像装置1について、
図2を参照して説明する。
図2は、通信システム100を構成する撮像装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、撮像装置1は、中央制御部101と、メモリ102と、撮像部103と、画像データ処理部104と、記録媒体制御部105と、操作入力部106と、無線処理部107と、動作制御部108とを備えている。
また、中央制御部101、メモリ102、撮像部103、画像データ処理部104、記録媒体制御部105、無線処理部107及び動作制御部108は、バスライン109を介して接続されている。
【0020】
中央制御部101は、撮像装置1の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部101は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像装置1用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0021】
メモリ102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部101の他、当該撮像装置1の各部によって処理されるデータ等を一時的に記録するものである。
【0022】
撮像部103は、被写体を撮像する撮像手段を構成している。具体的には、撮像部103は、レンズ部103aと、電子撮像部103bと、撮像制御部103cとを備えている。
【0023】
レンズ部103aは、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部103bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部103aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部103は、レンズ部103aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0024】
撮像制御部103cは、撮像部103による被写体の撮像を制御する。すなわち、撮像制御部103cは、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部103cは、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部103bを走査駆動して、所定周期毎にレンズ部103aにより結像された光学像を電子撮像部103bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部103bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像を読み出して画像データ処理部104に出力させる。
【0025】
画像データ処理部104は、被写体を撮像した画像の画像データを生成する。
具体的には、画像データ処理部104は、電子撮像部103bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
【0026】
また、携帯装置2にてライブビュー画像を表示する場合には、画像データ処理部104は、ライブビュー画像を構成する各フレーム画像の表示用の画像データを無線処理部107に出力する。出力された画像データは無線処理部107の通信アンテナ107aを介して携帯装置2に送信される。
また、画像を記録する際には、画像データ処理部104は、被写体のYUVデータを所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)に従って圧縮して、記録媒体制御部105に出力する。
【0027】
記録媒体制御部105は、記録媒体105aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体105aからのデータの読み出しや記録媒体105aに対するデータの書き込みを制御する。
すなわち、記録媒体制御部105は、画像データ処理部104の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)で符号化された記録用の画像データを記録媒体105aの所定の記録領域に記録させる。
なお、記録媒体105aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。
【0028】
操作入力部106は、当該撮像装置1の所定操作を行うためのものであり、例えば、装置本体の電源のON/OFFに係る電源ボタン、被写体の撮像指示に係るシャッタボタン、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン、ズーム量の調整指示に係るズームボタン(何れも図示略)等を備えている。そして、操作入力部106は、各ボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部101に出力する。
【0029】
無線処理部107は、所定の無線通信回線を介して接続された携帯装置2との情報の通信制御を行う。
すなわち、無線処理部107は、所定の無線通信回線(例えば、Bluetooth等の無線PAN(Personal Area Network)))を介して携帯装置(外部機器)2と通信可能に接続する通信手段を構成している。具体的には、無線処理部107は、例えば、通信アンテナ107aを介して携帯装置2との間で無線通信を行うための制御モジュールを具備している。
そして、無線処理部107は、例えば、予めペアリングと呼ばれる通信設定処理を行うことで、互いのデバイス情報や認証鍵のデータを無線信号により通信相手と交換する。これにより、その後、通信設定処理を毎回行わなくとも、例えば、撮像装置1と携帯装置2とが電波が届かない範囲に離れれば通信接続が解除される一方で、電波が届く範囲に近づけば自動的に通信接続される。
【0030】
撮像装置1と携帯装置2との間の無線通信では、一方(例えば、携帯装置2)がマスタとなり、他方(例えば、撮像装置1)がスレーブとなるネットワークを構成する。
また、ブルートゥースによる通信の規格には、
図3に示すように、通信速度や適用可能なプロファイルの種類(図示略)等が異なる「1.x」、「2.x」、「2.x+EDR」、「3.x」、「3.x+EDR」、「3.x+HS」、「4.x」等の複数のバージョンがある。これらのバージョンについての詳細な説明は省略するが、「1.x」、「2.x」、「2.x+EDR」、「3.x」、「3.x+EDR」、「3.x+HS」は、下位互換性を有する規格(「Bluetooth Classic」と呼ばれる)であり、「4.x」は、他のバージョンとは互換性を有しない規格(「Bluetooth Low Energy」と呼ばれる)である。
本実施形態では、無線処理部107は、例えば、「Bluetooth Classic」と呼ばれるバージョンの一つである「2.x+EDR」と、「Bluetooth Low Energy」と呼ばれるバージョンである「4.x」の両方の機能に対応し、後述する複数の通信モードを切り替えて通信を行う制御モジュールを具備するものとする。
【0031】
また、「Bluetooth Classic」と呼ばれるバージョンの通信プロトコルでは、基本的には、機器どうしの通信接続を常時確立した状態の通信モードで通信を行い、これにより、通信速度の高速化を図り、例えば、ライブビュー画像や記録用の画像の画像データ等の大容量のデータ通信に有効である。なお、バージョン「2.1」以降の規格では、例えば、機器どうしが所定の時間間隔で定期的に通信を行い、自機器に入力される操作信号のみを検出可能な通信モードで通信接続を確立する機能(「Sniff Subrating」機能)を具備することで、省電力化を図ることができる。
一方、「Bluetooth Low Energy」と呼ばれるバージョンの通信プロトコルでは、外部機器に対してデータの送信のみを行うモード(「Advertise」と呼ばれる)と、外部機器から送信されるデータの受信のみを行うモード(「Scan」と呼ばれる)を一定間隔ごとに繰り返すことで、一回当たりの通信データ量は多くないものの、「Bluetooth Classic」に対して大幅な省電力化が図られている。また、通信の際の送信電力を変化させることで、消費電力に応じて無線通信可能な範囲を変化させることもできる。
すなわち、ブルートゥースによる通信の規格では、省電力性能、一回当たりの通信データ量、無線通信可能な範囲、通信の頻度等を異ならせたものが複数ある。
【0032】
そして、無線処理部107は、外部機器との通信接続を常時確立して当該外部機器との間で逐次データの送受信を行う第1の通信モードと、「Sniff Subrating」機能を利用することで省電力化を図り、自機器に入力される操作信号のみを検出可能な第2の通信モードと、「Bluetooth Low Energy」の通信プロトコルを利用して「Bluetooth Classic」よりも大幅に省電力化した第3の通信モードとを切り替えて携帯装置2と通信可能となっている。具体的には、無線処理部107は、動作制御部108のモード特定部108b(詳細後述)により特定された通信モードに切り替えて携帯装置2との無線通信を行う。
【0033】
動作制御部108は、各種アプリケーションプログラム(図示略)の実行に基づいて、当該プログラムと協働して各種機能を実現する。
ここで、アプリケーションプログラムとしては、例えば、ライブビュー画像転送プログラム、操作待機プログラム、遠隔操作プログラム等が挙げられる。例えば、動作制御部108は、ライブビュー画像転送プログラムを実行することで、画像データ処理部104により生成されたライブビュー画像の画像データを無線処理部107により無線通信可能に接続された携帯装置2に対して逐次送信させる(ライブビュー画像転送機能)。また、例えば、動作制御部108は、操作待機プログラムを実行することで、ユーザによる操作入力部106の所定操作のみを受け付ける状態を維持する(操作待機機能)。また、例えば、動作制御部108は、遠隔操作プログラムを実行することで、無線処理部107により無線通信可能に接続された携帯装置2の所定操作に応じた操作指示を受け付ける状態を維持する(遠隔操作機能)。
なお、アプリケーションプログラムは、例えば、予めROMに記録されていても良いし、無線処理部107が外部機器(例えば、携帯装置2やサーバ等(図示略)等)から取得しても良い。
【0034】
また、動作制御部108は、第1指示検出部108aと、モード特定部108bとを具備している。
なお、動作制御部108の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0035】
第1指示検出部108aは、当該動作制御部108により実行される機能の実行指示を検出する。
すなわち、第1指示検出部(検出手段)108aは、複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出する。
ここで、複数の機能としては、例えば、上記したように、撮像されている画像を携帯装置(外部機器)2に逐次送信するライブビュー画像転送機能、ユーザによる操作入力部106の所定操作のみを受け付ける操作待機機能、携帯装置2から送信された当該撮像装置1を動作させるための操作指示を無線処理部107により受信する遠隔操作機能等が挙げられる。
具体的には、第1指示検出部108aは、携帯装置2から無線PANを介して送信され無線処理部107により受信されたデータに基づいて、上記した複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する。すなわち、携帯装置2の記録部204(後述)には、撮像装置1により実行された各種機能の実行履歴に係る履歴情報204aが記録されており、当該履歴情報204aに基づいて実行指示生成部205(後述)により何れか一の機能の実行指示に係る実行指示データが生成される。第1指示検出部108aは、携帯装置2から無線PANを介して送信され無線処理部107により受信された実行指示データを取得して、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する。
【0036】
なお、動作制御部108により実行される機能として、例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能を例示したが、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0037】
モード特定部108bは、無線処理部107の通信モードを特定する。
すなわち、モード特定部(特定手段)108bは、第1指示検出部108aにより実行指示が検出された一の機能に応じて、無線処理部107の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する。
ここで、動作制御部108により実行される複数の機能と、無線処理部107の複数の通信モードとは、例えば、対応付けテーブル(図示略)等を利用して予め対応付けられている。具体的には、例えば、ライブビュー画像転送機能と第1の通信モードとが対応付けられ、操作待機機能と第2の通信モードとが対応付けられ、遠隔操作機能と第3の通信モードとが対応付けられている。
そして、第1指示検出部108aにより何れか一の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)の実行指示が検出されると、モード特定部108bは、第1〜第3の通信モードの中で、実行指示が検出された機能と対応付けられている通信モード(例えば、第1の通信モード等)を特定する。モード特定部108bにより特定された通信モードの情報は、メモリ102に出力されて、当該メモリ102に一時的に格納されても良い。
そして、無線処理部107は、メモリ102から通信モードの情報を取得して、モード特定部108bにより特定された通信モードに切り替えて携帯装置2との無線通信を行う。
【0038】
次に、携帯装置2について、
図4を参照して説明する。
図4は、通信システム100を構成する携帯装置2の概略構成を示すブロック図である。
【0039】
図4に示すように、携帯装置2は、中央制御部201と、メモリ202と、第1無線処理部203と、記録部204と、実行指示生成部205と、第2無線処理部206と、表示部207と、表示制御部208と、送受話部209と、操作入力部210等を備えている。
また、中央制御部201、メモリ202、第1無線処理部203、記録部204、第2無線処理部206、実行指示生成部205、表示制御部208及び送受話部209は、バスライン211を介して接続されている。
【0040】
なお、携帯装置2は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)などの移動体通信網で用いられる移動局、PDA(Personal Data Assistants)等から構成されている。
【0041】
中央制御部201は、携帯装置2の各部を制御する。
具体的には、中央制御部201は、携帯装置2の各部を制御するCPU(Central Processing Unit;図示略)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、携帯装置2用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0042】
メモリ202は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部201の他、当該携帯装置2の各部によって処理されるデータ等を一時的に記録する。
【0043】
第1無線処理部203は、通信ネットワークN及び通信アンテナ203aを介してデータの送受信を行う。
即ち、通信アンテナ203aは、当該携帯装置2が無線基地局(図示略)との通信で採用している所定の通信方式(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式、GSM(Global System for Mobile communications;登録商標)方式等)に対応したデータの送受信が可能なアンテナである。そして、第1無線処理部203は、所定の通信方式に対応する通信プロトコルに従って、この通信方式で設定される通信チャネルにより無線基地局との間で通信アンテナ203aを介してデータの送受信を行う。つまり、第1無線処理部203は、中央制御部201から出力されて入力される指示信号に基づいて、通信相手の外部機器に対して、当該外部機器の外部ユーザとの通話中の音声の送受信や、電子メールのデータの送受信を行う。
なお、第1無線処理部203の構成は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能であり、例えば、図示は省略するが、無線LANモジュールを搭載し、アクセスポイント(Access Point)を介して通信ネットワークNにアクセス可能な構成としても良い。
【0044】
通信ネットワークNは、例えば、携帯装置2を無線基地局やゲートウェイサーバ(図示略)等を介して外部機器と接続する通信ネットワークである。
また、通信ネットワークNは、例えば、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークNには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信ネットワーク網と、IPネットワーク、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0045】
記録部204は、履歴情報204aを記録する。
すなわち、記録部(記録手段)204は、当該携帯装置2と無線PANを介して接続された撮像装置1による複数の機能の実行履歴に係る履歴情報204aを記録する。例えば、携帯装置2は、撮像装置1と無線PANを介して接続された状態で、撮像装置1の動作制御部108により実行されている機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)を示す情報を撮像装置1から取得する。そして、記録部204は、取得された情報とその日時に係る日時情報とを対応付けて所定期間分の履歴情報204aとして記録する。
なお、記録部204は、例えば、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等から構成されている。
【0046】
実行指示生成部205は、撮像装置1により実行される何れか一の機能の実行指示に係る実行指示データを生成する。
すなわち、実行指示生成部205は、記録部204から履歴情報204aを読み出して取得し、撮像装置1により実行された各種機能の実行履歴を考慮して実行指示データを生成する。具体的には、例えば、当該携帯装置2と撮像装置1とが無線PANを介して接続されると、実行指示生成部205は、履歴情報204aを参照して、撮像装置1による複数の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能等)の中で、所定期間内で実行頻度の最も高い機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)を特定して、特定された機能の実行指示に係る実行指示データを生成する。このとき、実行指示生成部205は、履歴情報204aの日時情報を利用して、実行指示データを生成する時点の時間帯(例えば、日中等)で実行された機能のみを抽出して、その中で実行頻度の最も高い機能を特定するようにしても良い。
さらに、撮像装置1による各機能が実行された位置に係る位置情報が履歴として履歴情報204aに記録されている場合には、実行指示生成部205は、履歴情報204aの位置情報を利用して、実行指示データを生成する地点の周辺(例えば、自宅等)で実行された機能のみを抽出して、その中で実行頻度の最も高い機能を特定するようにしても良い。
実行指示生成部205により生成された実行指示データは、メモリ202に出力されて、当該メモリ202に一時的に格納されても良い。
【0047】
第2無線処理部206は、所定の無線通信回線を介して接続された撮像装置1と通信する。
即ち、第2無線処理部206は、例えば、通信アンテナ206aを介して撮像装置1との間で無線通信を行うための制御モジュールを具備している。そして、第2無線処理部(送信手段)206は、実行指示生成部205により生成された実行指示データを取得して、無線PANを介して撮像装置1に送信する。
なお、第2無線処理部206の構成及び機能は、撮像装置1の無線処理部107と略同様であるので、詳細な説明は省略する。また、第2無線処理部206は、撮像装置1から無線処理部107の通信モードを特定する情報を取得して、同じ通信モードで通信を行うようになっている。つまり、撮像装置1の無線処理部107の通信モードが切り替えられた場合には、第2無線処理部206の通信モードも自動的に切り替えられることとなる。
【0048】
表示部207は、例えば、LCD等を具備し、中央制御部201のCPUの制御下にて各種情報を表示領域内に表示する。具体的には、表示部207は、例えば、表示制御部208から出力された画像信号に応じてアプリケーション画面(例えば、ライブビュー画像表示画面や遠隔操作画面等)を表示領域内に表示する。
【0049】
表示制御部208は、中央制御部201のCPUによる各種のアプリケーションプログラム(図示略)の実行に基づいて、アプリケーション画面を生成し、生成されたアプリケーション画面に従った画像信号を表示部207に出力する。
すなわち、例えば、予めROM等の記録手段には、撮像装置1の動作制御部108により実行可能なアプリケーションプログラム(例えば、ライブビュー画像転送プログラム、操作待機プログラム、遠隔操作プログラム等)に対応するアプリケーションプログラムが記録されている。そして、撮像装置1と無線PANを介して接続された状態で、複数の機能の中で撮像装置1の動作制御部108により実行されている機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)を示す情報が第2無線処理部206により取得されると、中央制御部201のCPUは、取得された情報に係る機能に対応するアプリケーションプログラムを実行する。表示制御部208は、中央制御部201のCPUにより実行されているアプリケーションプログラムに対応するアプリケーション画面を生成し、生成されたアプリケーション画面に従った画像信号を表示部207に出力する。
なお、アプリケーションプログラムは、例えば、第1無線処理部203が通信ネットワークNを介して外部機器(例えば、サーバ等(図示略))から取得しても良い。
【0050】
送受話部209は、通信ネットワークNを介して接続された外部機器の外部ユーザとの通話を行う。
具体的には、送受話部209は、マイク209a、スピーカ209b、データ変換部209c等を備えている。そして、送受話部209は、マイク209aから入力されるユーザの送話音声をデータ変換部209cによりA/D変換処理して送話音声データを中央制御部201に出力するとともに、中央制御部201の制御下にて、第1無線処理部203から出力されて入力される受話音声データ等の音声データをデータ変換部209cによりD/A変換処理してスピーカ209bから出力する。
【0051】
操作入力部210は、携帯装置2本体に対して各種指示を入力するためのものである。
具体的には、操作入力部210は、携帯装置2本体の電源のON/OFFに係る電源ボタン、モードや機能等の選択指示に係る上下左右のカーソルボタンや決定ボタン、電話の発着信や電子メールの送受信等の実行指示に係る通信関連ボタン、テキストの入力指示に係る数字ボタンや記号ボタン等の各種ボタン(何れも図示略)を備えている。
そして、ユーザにより各種ボタンが操作されると、操作入力部210は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部201に出力する。中央制御部201は、操作入力部210から出力され入力された操作指示に従って所定の動作(例えば、電話の発着信、電子メールの送受信等)を各部に実行させる。
【0052】
なお、操作入力部210は、表示部207と一体となって設けられたタッチパネルを有していても良く、ユーザによるタッチパネルの所定操作に基づいて、当該所定操作に応じた操作指示を中央制御部201に出力しても良い。
【0053】
<通信処理>
次に、実施形態1の通信システム100による通信処理について、
図5を参照して説明する。
図5は、通信システム100による通信処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、以下に説明する通信処理では、予め携帯装置2の記録部204に履歴情報104aが記録されているものとする。
【0054】
図5に示すように、先ず、ユーザによる撮像装置1の操作入力部106の所定操作或いは携帯装置2の操作入力部209の所定操作に基づいて、又は、撮像装置1及び携帯装置2の電源投入後に自動的に、撮像装置1の無線処理部107と携帯装置2の第2無線処理部206とが無線PANを介して無線通信可能に接続する(ステップS1)。
次に、携帯装置2の実行指示生成部205は、撮像装置1により実行される何れか一の機能の実行指示に係る実行指示データを生成する(ステップS2)。具体的には、実行指示生成部205は、記録部204の履歴情報204aを参照して、撮像装置1による複数の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能等)の中で、所定期間内で実行頻度の最も高い機能の実行指示に係る実行指示データを生成する。例えば、電源投入直後の場合等には、ユーザによる操作を待機した状態が多いと考えられるので、実行指示生成部205は、操作待機機能の実行指示に係る実行指示データを生成する。
そして、第2無線処理部206は、実行指示生成部205により生成された実行指示データを取得して、無線PANを介して撮像装置1に送信する(ステップS3)。
【0055】
撮像装置1にあっては、携帯装置2から送信された実行指示データが無線処理部107により受信されると、第1指示検出部108aは、実行指示データを取得して、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する(ステップS4)。
次に、動作制御部108は、第1指示検出部108aにより実行指示が検出された機能に応じて処理を分岐する(ステップS5)。すなわち、動作制御部108は、第1指示検出部108aによりライブビュー画像転送機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;ライブビュー画像)、処理をステップS61に移行し、操作待機機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;操作待機)、処理をステップS71に移行し、遠隔操作機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;遠隔操作)、処理をステップS81に移行する。
【0056】
<ライブビュー画像転送機能>
第1指示検出部108aによりライブビュー画像転送機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;ライブビュー画像)、モード特定部108bは、当該ライブビュー画像転送機能と対応付けられている第1の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定する(ステップS61)。そして、モード特定部108bは、特定された第1の通信モードの情報をメモリ102に出力する。
その後、無線処理部107は、メモリ102から第1の通信モードの情報を取得して、通信モードを第1の通信モードに切り替えて携帯装置2との無線通信を行う(ステップS62)。この場合、撮像装置1の無線処理部107と携帯装置2の第2無線処理部206との通信速度の高速化を図ることができる。
続けて、動作制御部108は、ライブビュー画像転送プログラムを実行することで、画像データ処理部104により生成されたライブビュー画像の画像データを無線処理部107により無線通信可能に接続された携帯装置2に対して逐次送信させる(ステップS63;ライブビュー画像転送機能)。
【0057】
<操作待機機能>
第1指示検出部108aにより操作待機機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;操作待機)、モード特定部108bは、当該操作待機機能と対応付けられている第2の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定する(ステップS71)。そして、モード特定部108bは、特定された第2の通信モードの情報をメモリ102に出力する。
その後、無線処理部107は、メモリ102から第2の通信モードの情報を取得して、通信モードを第2の通信モードに切り替えて携帯装置2との無線通信を行う(ステップS72)。この場合、撮像装置1に入力される操作信号のみを検出可能となり、省電力化を図ることができる。
続けて、動作制御部108は、操作待機プログラムを実行することで、ユーザによる操作入力部106の所定操作のみを受け付ける状態を維持する(ステップS73;操作待機)。
【0058】
<遠隔操作機能>
第1指示検出部108aにより遠隔操作機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;遠隔操作)、モード特定部108bは、当該遠隔操作機能と対応付けられている第3の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定する(ステップS81)。そして、モード特定部108bは、特定された第3の通信モードの情報をメモリ102に出力する。
その後、無線処理部107は、メモリ102から第3の通信モードの情報を取得して、通信モードを第3の通信モードに切り替えて携帯装置2との無線通信を行う(ステップS82)。この場合、撮像装置1の無線処理部107と携帯装置2の第2無線処理部206との無線通信にて、「Bluetooth Classic」に対して大幅な省電力化を図ることができる。
続けて、動作制御部108は、遠隔操作プログラムを実行することで、無線処理部107により無線通信可能に接続された携帯装置2の所定操作に応じた操作指示を受け付ける状態を維持する(ステップS83;遠隔操作機能)。
【0059】
その後、無線処理部107は、複数の機能の中で動作制御部108により実行されている機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)を示す情報を取得して、無線PANを介して携帯装置2に送信する(ステップS9)。
【0060】
携帯装置2にあっては、撮像装置1から送信された情報が第2無線処理部206により受信されると、中央制御部201のCPUは、取得された情報に係る機能に対応するアプリケーションプログラムを実行し、表示制御部208は、中央制御部201のCPUにより実行されているアプリケーションプログラムに対応するアプリケーション画面を生成し、生成されたアプリケーション画面に従った画像信号を表示部207に出力する(ステップS10)。
【0061】
なお、ユーザによる撮像装置1や携帯装置2の所定操作に基づいて、撮像装置1による動画像の撮像及び記録が開始された場合、第1の通信モードでは、当該撮像装置1により撮像されている動画像の画像データを携帯装置2に送信しても良い。このとき、撮像装置1による動画像の撮像及び記録動作は、例えば、無線処理部107の通信モードが切り替えられても、所定時間或いはユーザにより記録停止が指示されるまで継続するようになっている。
【0062】
また、ユーザによる操作入力部106の所定操作に基づいて、ユーザ所望のアプリケーションの実行が指示された場合には、動作制御部108により実行される当該アプリケーションプログラムに対応する機能に基づいて、無線処理部107の通信モードを切り替えても良い。すなわち、例えば、第1の通信モードで無線通信を行うライブビュー画像転送機能を実行中に、動作制御部108による遠隔操作プログラムの実行が指示された場合には、無線処理部107の通信モードとして、遠隔操作機能に対応する第3の通信モードが特定されて自動的に切り替えられる。
【0063】
以上のように、実施形態1の通信システム100によれば、撮像装置1は、複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出し、実行指示が検出された一の機能に応じて、無線処理部107の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定するので、複数の機能(例えば、ライブビュー画像を携帯装置2に逐次送信するライブビュー画像転送機能や、携帯装置2から送信された当該撮像装置1を動作させるための操作指示を受信する遠隔操作機能等)を具備する撮像装置1であっても、事前に全ての機能について最適な通信モードを設定しておかなくとも、各機能毎に最適な通信モードを特定して通信を行うことができる。すなわち、例えば、省電力性能、一回当たりの通信データ量、無線通信可能な範囲や通信の頻度等に応じて複数の通信モードが規定されている撮像装置1の場合、事前に全ての機能について最適な通信モードを設定しておくことはユーザにとって煩雑である。そこで、実行指示が検出された一の機能に応じた一の通信モードを選択的に特定することで、各機能毎に最適な通信モードで通信を行うことができる。
【0064】
また、携帯装置2から送信され無線処理部107により受信された実行指示データに基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出することができる。具体的には、実行指示データは、携帯装置2に記録されている撮像装置1の複数の機能の実行履歴に基づいて決定されているので、撮像装置1により実行された各機能の実行履歴を考慮して実行指示データを生成することができ、ユーザの使用状況に応じた最適な通信モードを特定して通信を行うことができる。
【0065】
[実施形態2]
以下に、実施形態2の通信システムについて
図6〜
図8を参照して説明する。
実施形態2の通信システムを構成する撮像装置1A及び携帯装置2Aは、以下に詳細に説明する以外の点で上記実施形態1の撮像装置1及び携帯装置2と略同様の構成をなし、詳細な説明は省略する。
【0066】
先ず、撮像装置1Aについて、
図6を参照して説明する。
図6は、本発明を適用した実施形態2の通信システムを構成する撮像装置1Aの概略構成を示すブロック図である。
【0067】
図6に示すように、実施形態2の撮像装置1Aの無線処理部107は、通信状態取得部107bを具備し、動作制御部108は、第2指示検出部108cと、モード特定部108bとを具備している。
【0068】
無線処理部107の通信状態取得部107bは、携帯装置2Aとの通信状態を取得する。
すなわち、通信状態取得部(取得手段)107bは、無線処理部107による所定の無線通信回線(例えば、Bluetooth等)を介した携帯装置2Aとの通信状態を取得する。具体的には、通信状態取得部107bは、携帯装置2Aの第2無線処理部206から送信され通信アンテナ107aにより受信された信号の受信信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indication)等)や、当該信号の受信の際のノイズ量等に基づいて、携帯装置2Aとの通信状態(電波環境)を検出する。
つまり、携帯装置2Aの第2無線処理部206からは一定の出力強度で信号が出力されているため、当該携帯装置2Aの第2無線処理部206までの距離が近いほど受信信号強度が大きくなり、通信状態が相対的に良いと考えられる。これに対して、携帯装置2Aの第2無線処理部206までの距離が遠いほど受信信号強度が小さくなり、通信状態が相対的に悪いと考えられる。また、携帯装置2Aの第2無線処理部206までの距離が近いほど、或いは、チャネル干渉が少ないほど、ノイズが少なくなり、通信状態が相対的に良いと考えられる。これに対して、携帯装置2Aの第2無線処理部206までの距離が遠いほど、或いは、チャネル干渉が多いほど、ノイズが多くなり、通信状態が相対的に悪いと考えられる。
また、通信状態取得部107bは、例えば、携帯装置2Aとの通信状態を複数段階(例えば、「良い」、「普通」、「悪い」の三段階等)で相対的に検出する。
なお、通信状態を特定するために例示した受信信号強度やノイズ量は、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0069】
動作制御部108の第2指示検出部108cは、通信状態取得部107bにより取得された通信状態に基づいて、複数の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能等)の中で何れか一の機能の実行指示を検出する。
すなわち、撮像装置1Aと携帯装置2Aとの複数段階の通信状態と、動作制御部108により実行される複数の機能とは、例えば、対応付けテーブル(図示略)等を利用して予め対応付けられている。具体的には、例えば、通信状態取得部107bにより取得された通信状態が相対的に良い状態の「良い」と動作制御部108によるライブビュー画像転送機能とが対応付けられ、通信状態が普通の状態の「普通」と遠隔操作機能とが対応付けられ、通信状態が相対的に悪い状態の「悪い」と操作待機機能とが対応付けられている。
そして、第2指示検出部108cは、複数の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能等)の中で通信状態取得部107bにより取得された通信状態(例えば、「良い」等)と対応付けられている何れか一の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)の実行指示を検出する。
【0070】
モード特定部108bは、上記実施形態1の撮像装置1と略同様に、第2指示検出部108cにより実行指示が検出された一の機能に応じて、無線処理部107の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する。すなわち、第2指示検出部108cにより何れか一の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能等)の実行指示が検出されると、モード特定部108bは、第1〜第3の通信モードの中で、実行指示が検出された機能と対応付けられている通信モード(例えば、第1の通信モード等)を特定する。モード特定部108bにより特定された通信モードの情報は、メモリ102に出力されて、当該メモリ102に一時的に格納されても良い。
そして、無線処理部107は、メモリ102から通信モードの情報を取得して、モード特定部108bにより特定された通信モードに切り替えて携帯装置2Aとの無線通信を行う。
【0071】
次に、携帯装置2Aについて、
図7を参照して説明する。
図7は、本発明を適用した実施形態2の通信システムを構成する携帯装置2Aの概略構成を示すブロック図である。
【0072】
図7に示すように、実施形態2の携帯装置2Aは、中央制御部201と、メモリ202と、第1無線処理部203と、第2無線処理部206と、表示部207と、表示制御部208と、送受話部209と、操作入力部210等を備えている。すなわち、携帯装置2Aは、上記実施形態1の携帯装置2が備える記録部204及び実行指示生成部205を備えない構成となっている。
なお、中央制御部201、メモリ202、第1無線処理部203、第2無線処理部206、表示部207、表示制御部208、送受話部209及び操作入力部210の構成及び機能は、上記実施形態1の携帯装置2と略同様であり、詳細な説明は省略する。
【0073】
<通信処理>
次に、実施形態2の通信システムによる通信処理について、
図8を参照して説明する。
図8は、通信システムによる通信処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、以下に詳細に説明する以外の処理は、上記実施形態1の通信処理と略同様であり、詳細な説明は省略する。
【0074】
図8に示すように、先ず、上記実施形態1と略同様に、撮像装置1Aの無線処理部107と携帯装置2Aの第2無線処理部206とが無線PANを介して無線通信可能に接続する(ステップS1)。
【0075】
次に、撮像装置1Aにあっては、通信状態取得部107bは、無線処理部107による携帯装置2Aの第2無線処理部206との通信状態を検出して取得する(ステップS102)。具体的には、通信状態取得部107bは、携帯装置2Aの第2無線処理部206から送信され通信アンテナ107aにより受信された信号の受信信号強度や、当該信号の受信の際のノイズ量等に基づいて、携帯装置2Aとの通信状態を検出する。
続けて、第2指示検出部108cは、通信状態取得部107bにより取得された通信状態に基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する(ステップS103)。具体的には、第2指示検出部108cは、複数の機能(例えば、ライブビュー画像転送機能、操作待機機能、遠隔操作機能等)の中で通信状態取得部107bにより取得された通信状態と対応付けられている何れか一の機能の実行指示を検出する。例えば、第2指示検出部108cは、通信状態として相対的に良い状態の「良い」が取得された場合にはライブビュー画像転送機能の実行指示を検出し、通信状態として普通の状態の「普通」が取得された場合には遠隔操作機能の実行指示を検出し、通信状態として相対的に悪い状態の「悪い」が取得された場合には操作待機機能の実行指示を検出する。
【0076】
続けて、動作制御部108は、第1指示検出部108aにより実行指示が検出された機能に応じて処理を分岐する(ステップS5)。
なお、ステップS5以降の各処理は、上記実施形態1と略同様である。
すなわち、ステップS5にて、第1指示検出部108aによりライブビュー画像転送機能の実行指示が検出された場合には(ステップS5;ライブビュー画像)、モード特定部108bは、ライブビュー画像転送機能と対応付けられている第1の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定し(ステップS61)、無線処理部107は、通信モードを第1の通信モードに切り替えて携帯装置2Aとの無線通信を行う(ステップS62)。この場合、通信状態が相対的に「良い」状態であるため、ライブビュー画像等の大容量のデータ通信を行うことができる。
また、ステップS5にて、第1指示検出部108aにより操作待機機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;操作待機)、モード特定部108bは、操作待機機能と対応付けられている第2の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定し(ステップS71)、無線処理部107は、通信モードを第2の通信モードに切り替えて携帯装置2Aとの無線通信を行う(ステップS72)。この場合、通信状態が相対的に「悪い」状態であるため、撮像装置1に入力される操作信号のみを検出可能となり、省電力化を図ることができる。
また、ステップS5にて、第1指示検出部108aにより遠隔操作機能の実行指示が検出された場合(ステップS5;遠隔操作)、モード特定部108bは、遠隔操作機能と対応付けられている第3の通信モードを無線処理部107の通信モードとして特定し(ステップS81)、無線処理部107は、通信モードを第3の通信モードに切り替えて携帯装置2Aとの無線通信を行う(ステップS82)。この場合、通信状態が「普通」の状態であるため、一回当たりの通信データ量が相対的に少ない遠隔操作指示の通信を行うことができる。
【0077】
以上のように、実施形態2の通信システムによれば、上記実施形態1と同様に、撮像装置1Aは、複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出し、実行指示が検出された一の機能に応じて、無線処理部107の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定するので、複数の機能を具備する撮像装置1Aであっても、事前に全ての機能について最適な通信モードを設定しておかなくとも、各機能毎に最適な通信モードを特定して通信を行うことができる。
特に、無線処理部107による所定の通信回線を介した携帯装置2Aとの通信状態を取得し、取得された通信状態に基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出するので、携帯装置2Aとの通信状態を考慮して実行される機能毎に、最適な通信モードを特定して通信を行うことができる。
【0078】
なお、上記実施形態2では、撮像装置1Aと携帯装置2Aとの通信状態の検出を撮像装置1A側で行うようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、携帯装置2A側で行っても良い。
すなわち、携帯装置2Aは、第2無線処理部206による所定の通信回線を介した撮像装置1Aとの通信状態を検出し、検出された通信状態を第2無線処理部206により撮像装置1Aに送信するように構成され、一方、撮像装置1Aは、携帯装置2Aから送信され無線処理部107により受信された通信状態を取得し、取得された通信状態に基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出して、実行指示が検出された一の機能に応じて、無線処理部107の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定するように構成されていても良い。
【0079】
また、本発明は、上記実施形態1、2に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0080】
例えば、撮像装置1(1A)、携帯装置2(2A)の構成は、上記実施形態1、2に例示したものは一例であり、これらに限られるものではない。例えば、所定の通信回線として、無線通信回線を例示して説明したが、撮像装置1と携帯装置2とを有線ケーブル等により接続して通信を行う有線通信回線であっても良い。また、例えば、撮像装置1(1A)の電源部(図示略)の蓄電残量を検出し、検出された蓄電残量に応じて機能及び通信モードを切り替えるような構成としても良い。
また、電子機器として撮像装置1(1A)を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0081】
加えて、上記実施形態にあっては、検出手段、特定手段としての機能を、撮像装置1の中央制御部101の制御下にて、第1指示検出部108a、モード特定部108bが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部101のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記録するプログラムメモリ(図示略)に、検出処理ルーチン、特定処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、検出処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出する手段として機能させるようにしても良い。また、特定処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、実行指示が検出された一の機能に応じて、通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する手段として機能させるようにしても良い。
【0082】
同様に、取得手段についても、撮像装置1の中央制御部101のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0083】
また、上記実施形態にあっては、検出手段、特定手段としての機能を、携帯装置2の中央制御部201のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記録するプログラムメモリ(図示略)に、検出処理ルーチン、特定処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、検出処理ルーチンにより中央制御部201のCPUを、複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出する手段として機能させるようにしても良い。また、特定処理ルーチンにより中央制御部201のCPUを、実行指示が検出された一の機能に応じて、通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する手段として機能させるようにしても良い。
【0084】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定の通信回線を介して外部機器と通信可能に接続する通信手段と、
複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出する検出手段と、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記複数の機能の実行履歴を記録する記録手段と、
この記録手段に記録されている複数の機能の実行履歴に基づいて、前記複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を生成する生成手段と、
を更に備え、
前記検出手段は、前記生成手段によって生成された実行指示を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記検出手段は、前記外部機器から送信され前記通信手段により受信されたデータに基づいて、前記複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項4>
前記外部機器から送信されるデータは、当該外部機器に記録されている前記複数の機能の実行履歴に基づいて決定されてなることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
<請求項5>
前記通信手段による前記所定の通信回線を介した前記外部機器との通信状態を取得する取得手段を更に備え、
前記検出手段は、前記取得手段により取得された通信状態に基づいて、前記複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項6>
前記複数の通信モードは、省電力性能、一回当たりの通信データ量、無線通信可能な範囲及び通信の頻度のうち、少なくとも何れか一を基準として規定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項7>
前記電子機器は、撮像装置を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項8>
前記複数の機能は、
撮像されている画像を外部機器に逐次送信する機能と、外部機器から送信された当該電子機器を動作させるための操作指示を受信する機能とを含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項9>
所定の通信回線を介して複数の通信モードを備えた外部機器と通信可能に接続する通信手段と、
前記外部機器で実行される複数の機能のうち、一の機能の実行指示を検出する検出手段と、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
<請求項10>
複数の機能の実行履歴を記録する記録手段と、
この記録手段に記録されている複数の機能の実行履歴に基づいて、前記外部機器の複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を生成する生成手段と、
を更に備え、
前記検出手段は、前記生成手段によって生成された実行指示を検出することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
<請求項11>
所定の通信回線を介して外部の通信装置と通信可能に接続する通信手段と、
前記外部の通信装置から送信され前記通信手段により受信された通信状態を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された通信状態に基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する検出手段と、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
<請求項12>
所定の通信回線を介して外部機器と通信可能に接続する通信手段を備える電子機器のコンピュータを、
複数の機能のうち、何れか一の機能の実行指示を検出する検出手段、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項13>
所定の通信回線を介して複数の通信モードを備えた外部機器と通信可能に接続する通信手段を備える通信装置のコンピュータを、
前記外部機器で実行される複数の機能のうち、一の機能の実行指示を検出する検出手段、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項14>
電子機器と通信装置とを備える通信システムであって、
前記通信装置は、
所定の通信回線を介して前記電子機器と通信可能に接続する装置側通信手段と、
複数の機能の実行履歴を記録する記録手段と、
この記録手段に記録されている複数の機能の実行履歴に基づいて、前記電子機器の複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を生成する生成手段と、
この生成手段により生成された実行指示を前記装置側通信手段により送信する送信手段と、を備え、
前記電子機器は、
所定の通信回線を介して前記通信装置と通信可能に接続する機器側通信手段と、
前記通信装置から送信され前記機器側通信手段により受信された実行指示に基づいて、前記複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する検出手段と、
この検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記機器側通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
<請求項15>
電子機器と通信装置とを備える通信システムであって、
前記通信装置は、
所定の通信回線を介して前記電子機器と通信可能に接続する装置側通信手段と、
この装置側通信手段による前記所定の通信回線を介した前記電子機器との通信状態を検出する装置側検出手段と、
この装置側検出手段により検出された通信状態を前記装置側通信手段により送信する送信手段と、を備え、
前記電子機器は、
所定の通信回線を介して前記通信装置と通信可能に接続する機器側通信手段と、
前記通信装置から送信され前記機器側通信手段により受信された通信状態を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された通信状態に基づいて、複数の機能の中で何れか一の機能の実行指示を検出する機器側検出手段と、
この機器側検出手段により実行指示が検出された一の機能に応じて、前記機器側通信手段の複数の通信モードの中で何れか一の通信モードを選択的に特定する特定手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。