特許第6413473号(P6413473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6413473
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】発光装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20181022BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20181022BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20181022BHJP
   G03G 15/043 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   B41J2/447 101R
   B41J2/447 101E
   B41J2/45
   H04N1/036
   G03G15/043
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-167785(P2014-167785)
(22)【出願日】2014年8月20日
(65)【公開番号】特開2016-43518(P2016-43518A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正喜
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−088588(JP,A)
【文献】 特開2007−125785(JP,A)
【文献】 特開2007−160930(JP,A)
【文献】 特開2007−237490(JP,A)
【文献】 特開2012−006376(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0209360(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/043
H04N 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、
前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記制御部は、第1のラインと第2のラインとにおける、前記駆動信号の出力の周期又は前記駆動信号の出力のタイミングを異なるように制御することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、
第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、
第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングおよび第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングを予め定められた開始タイミングからずらすように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングと第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングとが異なるように制御することを特徴とする請求項3または4に記載の発光装置。
【請求項6】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングおよび第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングを予め定められた開始タイミングからずらすように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記トナー像は、複数色より構成され、
前記制御部は、色毎における、前記駆動信号の出力の周期又は前記駆動信号の出力のタイミングを異なるように制御することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段によって照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行なわれる。かかる光記録手段として、レーザを用いて主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)アレイ光源を主走査方向に多数、配列してなるLEDヘッドを用いた光記録手段が採用されている。
【0003】
特許文献1、2には、記録色別に複数の光書込ヘッドを有するカラー印刷装置において、各色の記録ヘッドの能動期間をそれぞれ異なる期間に設定し、更に各色の記録ヘッドの1書込周期期間を複数期間に分割し、1ドットラインを記録するビデオデータを主走査方向に対して複数ブロックに分割すると共に、分割された各ビデオデータを副走査方向に対して異なるタイミングで発光させることにより、同時に発光駆動される光書込素子数を少なくし、装置全体で消費されるピーク電力を小さくしたことを特徴とするものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−6376号公報
【特許文献2】特開2013−212701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発光素子を点灯させるために生成される駆動信号が原因となり電磁ノイズが発生する場合がある。本発明の目的は、複数の群や複数のラインにおいて発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミングや駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズを小さくすることができる発光装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする発光装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、第1のラインと第2のラインとにおける、前記駆動信号の出力の周期又は前記駆動信号の出力のタイミングを異なるように制御することを特徴とする請求項1に記載の発光装置である。
請求項3に記載の発明は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする発光装置である。
請求項4に記載の発明は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングおよび第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングを予め定められた開始タイミングからずらすように制御する制御部と、を備えることを特徴とする発光装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御部は、前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングと第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングとが異なるように制御することを特徴とする請求項3または4に記載の発光装置である。
請求項に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記複数の発光素子を複数の群に分けたときに、第1の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2の群における発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、主走査方向に沿って配列し順次点灯する複数の発光素子から発する光により前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、第1のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングおよび第2のラインにおける発光素子の点灯を制御する駆動信号を開始するタイミングを予め定められた開始タイミングからずらすように制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記トナー像は、複数色より構成され、前記制御部は、色毎における、前記駆動信号の出力の周期又は前記駆動信号の出力のタイミングを異なるように制御することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、複数の群において発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズが小さくなる駆動信号を生成することができる発光装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、複数のラインにおいて発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズがより小さくなる駆動信号を生成することができる発光装置を提供できる。
請求項3、4の発明によれば、複数のラインにおいて発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズがより小さくなる駆動信号を生成することができる発光装置を提供できる。
請求項の発明によれば、複数の群において発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズの発生が少ない発光装置を提供することができる。
請求項6の発明によれば、複数の群において発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズが小さくなる駆動信号を生成することができる画像形成装置を提供できる。
請求項7、8の発明によれば、複数のラインにおいて発光素子の点灯を制御する駆動信号の出力タイミング及び駆動信号の出力の周期を変更しない場合と比べて、電磁ノイズの発生が少ない画像形成装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、色毎について駆動信号の出力の周期及び出力のタイミングを変更しない場合と比べて、電磁ノイズの発生が少ない画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態の画像形成装置の概要を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される発光素子ヘッドの構成を示した図である。
図3】発光素子ヘッドにおける回路基板および発光部の上面図である。
図4】(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される発光チップの構造を説明した図である。
図5】発光チップとして自己走査型発光素子アレイチップを採用した場合の信号発生回路の構成および回路基板の配線構成を示した図である。
図6】発光チップの回路構成を説明するための図である。
図7】本実施形態における信号発生回路の機能構成例を表すブロック図である。
図8】駆動波形生成部で生成される駆動信号について説明したタイミングチャートである。
図9】本実施の形態で駆動波形生成部で生成される駆動信号の第1の例を示した図である。
図10】(a)〜(b)は、感光体ドラムを露光する位置について説明した図である。
図11】本実施の形態で駆動波形生成部で生成される駆動信号の第2の例を示した図である。
図12】感光体ドラムを露光する位置について説明した図である。
図13】1ライン周期の設定例を示した図である。
図14】本実施の形態で駆動波形生成部で生成される駆動信号の第3の例を示した図である。
図15】感光体ドラムを露光する位置について説明した図である。
図16】(a)〜(c)は、クロック信号の周波数を変更したときに発生する電磁ノイズについて示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<画像形成装置の全体構成の説明>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の概要を示す図である。
この画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成部10を備える。また、この画像形成装置1は、各画像形成ユニット11で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト20を具備する。さらに、この画像形成装置1は、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30を備える。さらにまた、この画像形成装置1は、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着装置50を有している。さらに画像形成装置1は、画像形成装置1の各機構部を制御するとともに、画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像出力制御部90を備える。
【0010】
画像形成部10は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット11(具体的には11Y(イエロー)、11M(マゼンタ)、11C(シアン)、11K(黒))を備える。
【0011】
各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)は、使用されるトナーの色を除き、同じ構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット11Yを例に説明を行う。イエローの画像形成ユニット11Yは、図示しない感光層を有し、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム12を具備している。この感光体ドラム12の周囲には、帯電ロール13、発光素子ヘッド14、現像器15、一次転写ロール16、およびドラムクリーナ17が配設される。これらのうち、帯電ロール13は、回転可能に感光体ドラム12に接触配置され、感光体ドラム12を予め定められた電位に帯電する。発光素子ヘッド14は、帯電ロール13によって予め定められた電位に帯電された感光体ドラム12に、光を照射し、静電潜像を書き込む。現像器15は、対応する色成分トナー(イエローの画像形成ユニット11Yではイエローのトナー)を収容し、このトナーによって感光体ドラム12上の静電潜像を現像する。一次転写ロール16は、感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に一次転写する。ドラムクリーナ17は、一次転写後の感光体ドラム12上の残留物(トナー等)を除去する。
【0012】
感光体ドラム12は、像を保持する像保持体として機能する。また帯電ロール13は、感光体ドラム12の表面を帯電させる帯電手段として機能し、発光素子ヘッド14は、感光体ドラム12を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段(発光装置)として機能する。さらに現像器15は、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段として機能する。
【0013】
像転写体としての中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロールに回転可能に張架支持される。これらの支持ロールのうち、駆動ロール21は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20を駆動して回転させる。また、張架ロール22および25は、中間転写ベルト20を張架するとともに駆動ロール21によって駆動される中間転写ベルト20に従って回転する。補正ロール23は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制するステアリングロール(軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)として機能する。さらに、バックアップロール24は、中間転写ベルト20を張架するとともに後述する二次転写装置30の構成部材として機能する。
また、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物(トナー等)を除去するベルトクリーナ26が配設されている。
【0014】
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。このバックアップロール24には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール32が接触して配置されている。一方、二次転写ロール31は接地されている。
【0015】
また、用紙搬送系は、用紙トレイ40、搬送ロール41、レジストレーションロール42、搬送ベルト43、および排出ロール44を備える。用紙搬送系では、用紙トレイ40に積載された用紙Pを搬送ロール41にて搬送した後、レジストレーションロール42で一旦停止させ、その後予め定められたタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと送り込む。また、二次転写後の用紙Pを、搬送ベルト43を介して定着装置50へと搬送し、定着装置50から排出された用紙Pを排出ロール44によって機外へと送り出す。
【0016】
次に、この画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオン操作されると、予め定められた作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置1をプリンタとして構成する場合には、PC(パーソナルコンピュータ)等、外部から入力される画像データを画像出力制御部90がまず受信する。受信された画像データは、画像出力制御部90によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして画像形成ユニット11は、各色のトナー像形成を行う。すなわち、各色のデジタル画像信号に応じて各画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)をそれぞれ駆動する。次に、各画像形成ユニット11では、帯電ロール13により帯電された感光体ドラム12に、発光素子ヘッド14によりデジタル画像信号に応じた光を照射することで、静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像器15により現像し、各色のトナー像を形成させる。なお、この画像形成装置1を複写機として構成する場合には、図示しない原稿台にセットされる原稿をスキャナで読み取り、得られた読み取り信号を処理回路によりデジタル画像信号に変換した後、上記と同様にして各色のトナー像の形成を行うようにすればよい。
【0017】
その後、各感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、感光体ドラム12と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、一次転写ロール16によって中間転写ベルト20の表面に順次一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム12上に残存するトナーは、ドラムクリーナ17によってクリーニングされる。
【0018】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送され、バックアップロール24に対して二次転写ロール31が用紙Pを挟持する。
【0019】
そして、二次転写位置において、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像が用紙Pに二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト43により定着装置50へと搬送される。定着装置50では、用紙P上のトナー像が加熱・加圧定着され、その後、機外に設けられた排紙トレイ(図示せず)に送り出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト20に残存するトナーは、ベルトクリーナ26によってクリーニングされる。
【0020】
<発光素子ヘッドの説明>
図2は、本実施の形態が適用される発光素子ヘッド14の構成を示した図である。この発光素子ヘッド14は、ハウジング61と、発光素子として複数のLEDを備えた発光部63と、発光部63や信号発生回路100(後述の図3参照)等を搭載する回路基板62と、LEDから出射された光出力を結像させて感光体を露光し静電潜像を形成させるための光学素子の一例としてのロッドレンズ(径方向屈折率分布型レンズ)アレイ64とを備えている。
【0021】
ハウジング61は、例えば金属で形成され、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持し、発光部63の発光点とロッドレンズアレイ64の焦点面とが一致するように設定されている。また、ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向(主走査方向)に沿って配置されている。
【0022】
<発光部の説明>
図3は、発光素子ヘッド14における回路基板62および発光部63の上面図である。
図3に示すように、発光部63は、回路基板62上に、60個の発光素子アレイチップの一例としての発光チップC(C1〜C60)を、主走査方向に二列に向かい合わせて千鳥状に配置して構成されている。つまりこの場合、LEDは、予め定められた個数毎に発光チップCに搭載されるとともに、発光チップCは主走査方向に沿って複数配列する。この場合LEDは、主走査方向に沿って配列し、発光チップC毎に主走査方向または主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯する。さらに、回路基板62は、発光チップCの発光素子アレイ(後述の図4参照)の発光を制御する制御部の一例としての信号発生回路100を搭載している。
【0023】
<発光素子アレイチップの説明>
図4(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される発光チップCの構造を説明した図である。
図4(a)は、発光チップCをLEDの光が出射する方向から見た図である。また図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb断面図である。
発光チップCには、発光素子アレイの一例として主走査方向に列状に配される複数のLED71が直線状に等間隔で配されている。また基板70の両側に発光素子アレイを駆動する信号を入出力するための電極部の一例としてのボンディングパッド72が発光素子アレイを挟むようにして配されている。そしてそれぞれのLED71には光が出射する側にマイクロレンズ73が形成されている。このマイクロレンズ73により、LED71から出射した光は集光され、マイクロレンズ73を用いない場合よりも感光体ドラム12(図2参照)に対して、光を入射させる。
このマイクロレンズ73は、光硬化性樹脂等の透明樹脂からなり、その表面は非球面形状をとることが好ましい。また、マイクロレンズ73の大きさ、厚さ、焦点距離等は、使用されるLED71の波長、使用される光硬化性樹脂の屈折率等により決定される。
【0024】
<自己走査型発光素子アレイチップの説明>
なお、本実施の形態では、発光チップCとして例示した発光素子アレイチップとして自己走査型発光素子アレイ(SLED:Self-Scanning Light Emitting Device)チップを使用するのが好ましい。自己走査型発光素子アレイチップは、発光素子アレイチップの構成要素としてpnpn構造を持つ発光サイリスタを用い、発光素子の自己走査がされるように構成したものである。
【0025】
図5は、発光チップCとして自己走査型発光素子アレイチップを採用した場合の信号発生回路100の構成および回路基板62の配線構成を示した図である。
信号発生回路100には、画像出力制御部90(図1参照)より、ライン同期信号Lsync、画像データVdata、クロック信号clk、およびリセット信号RST等の各種制御信号が入力されるようになっている。そして、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種制御信号に基づいて、例えば画像データVdataの並べ替えや出力値の補正等を行い、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに対して点灯信号φI(φI1〜φI60)を出力する。なお、本実施の形態では、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに、1個ずつ点灯信号φI(φI1〜φI60)が供給されるようになっている。
【0026】
また、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種制御信号に基づき、各発光チップC1〜C60に対してスタート転送信号φS、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を出力する。
【0027】
回路基板62には、各発光チップC1〜C60のVcc端子に接続される電力供給用のVcc=−5.0Vの電源ライン101およびGND端子に接続される接地用の電源ライン102が設けられている。また、回路基板62には、信号発生回路100のスタート転送信号φS、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2を送信するスタート転送信号ライン103、第1転送信号ライン104、第2転送信号ライン105も設けられている。さらに、回路基板62には、信号発生回路100のから各発光チップC(C1〜C60)に対して点灯信号φI(φI1〜φI60)を出力する60本の点灯信号ライン106(106_1〜106_60)も設けられている。なお、回路基板62には、60本の点灯信号ライン106(106_1〜106_60)に過剰な電流が流れるのを防止するための60個の発光電流制限抵抗RIDが設けられている。また、点灯信号φI1〜φI60は、それぞれ、後述するようにハイレベル(H)およびローレベル(L)の2状態を取りうる。そして、ローレベルは−5.0Vの電位、ハイレベルは±0.0Vの電位となっている。
【0028】
図6は、発光チップC(C1〜C60)の回路構成を説明するための図である。
発光チップCは、60個の転送サイリスタS1〜S60、60個の発光サイリスタL1〜L60を備えている。なお、発光サイリスタL1〜L60は、転送サイリスタS1〜S60と同様のpnpn接続を有しており、その中のpn接続を利用することで発光ダイオード(LED)としても機能するようになっている。また、発光チップCは、59個のダイオードD1〜D59および60個の抵抗R1〜R60を備えている。さらに、発光チップCは、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2、そしてスタート転送信号φSが供給される信号線に、過剰な電流が流れるのを防止するための転送電流制限抵抗R1A、R2A、R3Aを有している。なお、発光素子アレイ81を構成する発光サイリスタL1〜L60は、図中左側からL1、L2、…、L59、L60の順で配列され、発光素子列すなわち発光素子アレイ81を形成している。また、転送サイリスタS1〜S60も、図中左側からS1、S2、…、S59、S60の順で配列され、スイッチ素子列すなわちスイッチ素子アレイ82を形成している。さらに、ダイオードD1〜D59も、図中左からD1、D2、…、D58、D59の順で配列されている。さらにまた、抵抗R1〜R60も、図中左からR1、R2、…R59、R60の順で配列されている。
【0029】
では次に、発光チップCにおける各素子の電気的な接続について説明する。
各転送サイリスタS1〜S60のアノード端子は、GND端子に接続されている。このGND端子には、電源ライン102(図5参照)が接続され、接地される。
【0030】
また、奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のカソード端子は、転送電流制限抵抗R1Aを介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には、第1転送信号ライン104(図5参照)が接続され、第1転送信号φ1が供給される。
【0031】
一方、偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のカソード端子は、転送電流制限抵抗R2Aを介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号ライン105(図5参照)が接続され、第2転送信号φ2が供給される。
【0032】
また、各転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60は、各転送サイリスタS1〜S60に対応して設けられた抵抗R1〜R60をそれぞれ介してVcc端子に接続されている。このVcc端子には、電源ライン101(図5参照)が接続され、電源電圧Vcc(−5.0V)が供給される。
【0033】
さらに、各転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60は、対応する同番号の発光サイリスタL1〜L60のゲート端子に、1対1でそれぞれ接続されている。
【0034】
また、各転送サイリスタS1〜S59のゲート端子G1〜G59には、ダイオードD1〜D59のアノード端子が接続されており、これらダイオードD1〜D59のカソード端子は、それぞれに隣接する次段の転送サイリスタS2〜S60のゲート端子G2〜G60に接続されている。すなわち、各ダイオードD1〜D59は、転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60を挟んで直列接続されている。
【0035】
そして、ダイオードD1のアノード端子すなわち転送サイリスタS1のゲート端子G1は、転送電流制限抵抗R3Aを介してφS端子に接続されている。このφS端子には、スタート転送信号ライン103(図5参照)を介してスタート転送信号φSが供給される。
【0036】
次に、各発光サイリスタL1〜L60のアノード端子は、各転送サイリスタS1〜S60のアノード端子と同様に、GND端子に接続されている。
【0037】
また、各発光サイリスタL1〜L60のカソード端子は、φI端子に接続されている。このφI端子には、点灯信号ライン106(発光チップC1の場合は点灯信号ライン106_1:図5参照)が接続され、点灯信号φI(発光チップC1の場合は点灯信号φI1)が供給される。なお、他の発光チップC2〜C60には、それぞれ、対応する点灯信号φI2〜φI60が供給される。
【0038】
<信号発生回路の機能構成の説明>
図7は、本実施形態における信号発生回路100の機能構成例を表すブロック図である。なお図7では、信号発生回路100が有する種々の機能のうち本実施形態に関係するものを選択して図示している。
図示するように本実施の形態の信号発生回路100は、画像情報取得部111と、段差補正部112と、点灯順序並び替え部113と、駆動波形生成部114とを備える。
【0039】
画像情報取得部111は、画像出力制御部90から画像データ(画像情報)を受け取る。この画像データは、上述の通り、PC等の外部から入力された画像データを、画像出力制御部90において画像処理等が施され、画像形成ユニット11で画像を形成するのに使用可能とされたものである。画像処理は、具体的には、例えば、ラスタライズ処理、色変換処理、パイルハイト処理、スクリーン処理等である。
【0040】
段差補正部112は、発光チップCの段差から生じる静電潜像のずれを補正する。つまり発光チップCは、上述したように千鳥状に配列するため、もしこのまま1ラインを出力した場合、静電潜像のラインは、千鳥状となる。よってこれを補正し、ラインが一直線状になるように補正する必要がある。段差補正部112は、それぞれの発光チップCの副走査方向のずれを考慮し、このずれに対応する時間差に対応して発光チップCのLED71が点灯するように補正する。
【0041】
点灯順序並び替え部113は、段差補正部112による補正の結果を踏まえ、発光チップCのLED71の点灯の順序を決定する。そして点灯順序並び替え部113は、LED71の点灯の順序を並び替える。
【0042】
駆動波形生成部114は、LED71を点灯させるための駆動波形を生成し、駆動信号として出力する。具体的には、例えば、上述した点灯信号φI、スタート転送信号φS、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の駆動波形を生成し駆動信号として出力する。
【0043】
<駆動信号の説明>
次に駆動波形生成部114で生成される駆動信号について説明を行なう。
【0044】
図8は、駆動波形生成部114で生成される駆動信号について説明したタイミングチャートである。
ここでは、図示するタイミングチャートを参照しながら、露光動作における発光チップCの動作を詳細に説明する。なお、図8では、説明の便宜上、それぞれの発光サイリスタLを主走査方向で順に点灯させる場合について説明を行なう。
【0045】
ここで初期状態においては、スタート転送信号φSがローレベル(L)に、第1転送信号φ1がハイレベル(H)に、第2転送信号φ2がローレベルに、そして点灯信号φIがハイレベルに、それぞれ設定されているものとする。
【0046】
動作の開始に伴い、信号発生回路100から入力されるスタート転送信号φSが、ローレベルからハイレベルに変更される。これにより、発光チップCの転送サイリスタS1のゲート端子G1にハイレベルのスタート転送信号φSが供給される。このとき、ダイオードD1〜D59を介して、他の転送サイリスタS2〜S60のゲート端子G2〜G60にもスタート転送信号φSが供給される。ただし、各ダイオードD1〜D59でそれぞれ電圧降下が生じるため、転送サイリスタS1のゲート端子G1にかかる電圧が最も高くなる。
【0047】
そして、スタート転送信号φSがハイレベルとなっている状態で、信号発生回路100から入力される第1転送信号φ1が、ハイレベルからローレベルに変更される。また、第1転送信号φ1がローレベルに変更されてから第1の期間taが経過した後、第2転送信号φ2が、ローレベルからハイレベルに変更される。
【0048】
このように、スタート転送信号φSがハイレベルとなっている状態において、ローレベルの第1転送信号φ1が供給されると、発光チップCでは、ローレベルの第1転送信号φ1が供給される奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のうち、ゲート電圧が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタS1がターンオンする。また、このとき、第2転送信号φ2はハイレベルとなっているので、偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のカソード電圧は高いままとなり、ターンオフの状態が維持される。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタS1のみがターンオンした状態になる。これに伴い、奇数番目の転送サイリスタS1とゲート同士が接続された発光サイリスタL1がターンオンし、発光可能な状態におかれる。
【0049】
転送サイリスタS1がターンオンしている状態において、第2転送信号φ2がハイレベルに変更されてから第2の期間tbが経過した後、第2転送信号φ2がハイレベルからローレベルに変更される。すると、ローレベルの第2転送信号φ2が供給される偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のうち、ゲート電圧が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタS2がターンオンする。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタS1とこれに隣接する偶数番目の転送サイリスタS2とが、共にターンオンした状態になる。これに伴い、既にターンオンしている発光サイリスタL1に加えて、偶数番目の転送サイリスタS2とゲート同士が接続された発光サイリスタL2がターンオンし、共に発光可能な状態におかれる。
【0050】
転送サイリスタS1および転送サイリスタS2が共にターンオンしている状態において、第2転送信号φ2がローレベルに変更されてから第3の期間tcが経過した後、第1転送信号φ1がローレベルからハイレベルに変更される。これに伴い、奇数番目の転送サイリスタS1はターンオフし、偶数番目の転送サイリスタS2のみがターンオンした状態になる。これに伴い、奇数番目の発光サイリスタL1はターンオフして発光不能な状態におかれ、偶数番目の発光サイリスタL2のみがターンオンを維持して発光可能な状態におかれる。なお、この例では、第1転送信号φ1がハイレベルに変更されるのに合わせて、スタート転送信号φSがハイレベルからローレベルに変更されている。
【0051】
転送サイリスタS2がターンオンしている状態において、第1転送信号φ1がハイレベルに変更されてから第4の期間tdが経過した後、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更される。これに伴い、ローレベルの第1転送信号φ1が供給される奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のうち、ゲート電圧が最も高い転送サイリスタS3がターンオンする。このとき、発光チップCでは、偶数番目の転送サイリスタS2とこれに隣接する奇数番目の転送サイリスタS3とが、共にターンオンした状態になる。これに伴い、既にターンオンしている発光サイリスタL2に加えて、奇数番目の転送サイリスタS3とゲート同士が接続された発光サイリスタL3がターンオンし、共に発光可能な状態におかれる。
【0052】
転送サイリスタS2および転送サイリスタS3が共にターンオンしている状態において、第1転送信号φ1がローレベルに変更されてから第5の期間teが経過した後、第2転送信号φ2がローレベルからハイレベルに変更される。これに伴い、偶数番目の転送サイリスタS2はターンオフし、奇数番目の転送サイリスタS3のみがターンオンした状態になる。これに伴い、偶数番目の発光サイリスタL2はターンオフして発光不能な状態におかれ、奇数番目の発光サイリスタL3のみがターンオンを維持して発光可能な状態におかれる。
【0053】
このように、発光チップCでは、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2が共にローレベルに設定される重なり期間を設けつつ、交互にハイレベル、ローレベルが切り換えられることにより、転送サイリスタS1〜S60が番号順に順次ターンオンする。また、これに伴い、発光サイリスタL1〜L60も番号順に順次ターンオンする。このとき、第2の期間tbでは、奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS1)のみがターンオンし、第3の期間tcでは、奇数番目の転送サイリスタおよび次段に設けられた偶数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS1および転送サイリスタS2)がターンオンし、第4の期間tdでは、偶数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS2)のみがターンオンし、第5の期間teでは、偶数番目の転送サイリスタおよび次段に設けられた奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS2および転送サイリスタS3)がターンオンし、その後、再び第2の期間tbにおいて奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS3)のみがターンオンする、という過程を繰り返すことになる。
【0054】
一方、点灯信号φIは、基本的に、奇数番目の転送サイリスタが単独でターンオンする第2の期間tbおよび偶数番目の転送サイリスタが単独でターンオンする第4の期間tdにおいて、ハイレベルからローレベルへの変更およびローレベルからハイレベルへの変更が行われる。
【0055】
これにより発光チップC毎に、発光サイリスタL1、L2、L3、L4、…、L59、L60が、1個ずつ順番に発光(順次点灯)する。
【0056】
なお図8では、感光体ドラム12上で1ラインを露光する時間を、1ライン周期として図示している。そして感光体ドラム12上で1ラインを露光した後は、再び同様の駆動信号が生成され、発光サイリスタL1、L2、L3、L4、…、L59、L60が、1個ずつ順番に発光して次のラインを露光し、以後これを繰り返す。なお1ラインを露光する際には、最後に休止期間があり、休止期間では、露光は行なわれない。つまり1ライン周期は、実際に露光を行なっている期間と休止期間の合計となる。
【0057】
以上説明したように信号発生回路100は、駆動波形生成部114において、駆動信号を生成する。ここで、駆動信号とは、発光素子を順次点灯を開始するために用いられる信号をいい、本実施の形態では、各LED71(発光サイリスタL1、L2、L3、L4、…、L59、L60)を点灯させるために、点灯信号φI、スタート転送信号φS、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を駆動信号として生成する。
ところがこの駆動信号を発光チップC毎や、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K(図1参照)において生成すると、この駆動信号に起因して電磁ノイズが発生する。そしてこの電磁ノイズは、駆動信号が出力されるタイミングが同じであると、より大きくなる。つまり駆動信号が出力されるタイミングが同じである場合、出力される駆動信号が重複し、そのためピーク電流がより大きくなる。よって電磁ノイズもより大きくなりやすい。また昨今は、画像形成装置1のプロセススピードの高速化に伴い、一定時間内でのLED71の点灯数は増加している。そのため画像形成装置1のプロセススピードを高速化すると、さらに電磁ノイズも大きくなりやすくなる。そして電磁ノイズが大きくなると、EMC(電磁両立性:electromagnetic compatibility)に影響を与えるおそれがあるため、電磁ノイズの発生を抑制する必要がある。
【0058】
そこで本実施の形態では、駆動波形生成部114で生成される駆動信号を以下の構成とすることで上記問題の抑制を図っている。
【0059】
図9は、本実施の形態で駆動波形生成部114で生成される駆動信号の第1の例を示した図である。
図9では、発光チップC1と発光チップC2に対して生成される駆動信号を例に採り図示している。
図示するように発光チップC1に対して生成される駆動信号と発光チップC2に対して生成される駆動信号とは、その波形は同じである。しかしそれぞれの駆動信号の開始タイミングは異なっている。つまり発光チップC1に配されるLED71と発光チップC2に配されるLED71とは時間的にずれて発光を行なう。図9では、発光チップC1より発光チップC2の駆動信号の開始タイミングを、1ライン目ではΔt1遅らし、2ライン目ではΔt2遅らした場合を示している。そして各ライン毎にこれを繰り返す。本実施の形態では、このようにすることで駆動信号を出力するタイミングをずらす。
【0060】
図10(a)〜(b)は、感光体ドラム12(図1参照)を露光する位置について説明した図である。
このうち図10(a)は、従来の場合の感光体ドラム12を露光する位置について説明をした図である。つまりこの場合、各発光チップC毎に、駆動信号の開始タイミングは同じであり、各発光チップCに配されるLED71は時間的に同期して発光を行なう。図10(a)では、発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3の3つの発光チップCについて露光する位置を示している。発光チップCのLED71は、上述したように主走査方向に順次点灯を行なう。そして感光体ドラム12は、副走査方向とは逆方向に回転するため、LED71により感光体ドラム12を露光する位置は、図示するように主走査方向および副走査方向にともに交差する方向となる。10(a)では、これを斜め方向の片矢印として図示している。なお片矢印の方向は、感光体ドラム12を露光する方向を示している。また図10(a)では、発光チップCにより3ラインを露光した場合を示している。
【0061】
また図10(b)は、図9で説明した駆動信号でLED71を点灯させたときに感光体ドラム12を露光する位置について説明をした図である。つまりこの場合、発光チップC毎にLED71は時間的にずれて発光を行なう。
【0062】
ここでは、発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3の3つの発光チップCについて駆動信号の開始タイミングをずらした場合を示している。これを感光体ドラム12の露光位置として見た場合、図10(b)に示したように露光位置が図10(a)の場合に比較して副走査方向にずれる。図10(b)の例では、1ライン目は、発光チップC3→発光チップC2→発光チップC1の順に駆動信号の開始タイミングを遅くなるように設定している。また2ライン目は、発光チップC2→発光チップC1→発光チップC3の順にの開始タイミングを遅くなるように設定している。さらに3ライン目は、発光チップC1→発光チップC2→発光チップC3の順に駆動信号の開始タイミングを遅くなるように設定している。つまり駆動信号の開始タイミングをそれぞれの発光チップCについて変更するのみならず、駆動信号の開始タイミングをライン毎に変更している。なおこの場合、休止期間をそれぞれの発光チップCについて変更するとともに、休止期間をライン毎に変更している、と言うこともできる。
【0063】
なお駆動信号の開始タイミングを変更するには、例えば、バッファ回路を設ける方法が採用できる。つまりまず生成される駆動信号として、従来のように開始タイミングを同じとし、その後、バッファ回路を通すことで、開始タイミングをずらすようにする。
また各発光チップCについて休止期間を変更したり、スタート転送信号φS(図8参照)を時間的にずらす方法でもよい。
【0064】
なお図示するように駆動信号の開始タイミングを変更した場合、1ラインの副走査方向の位置が発光チップC毎にずれることになるが、本実施の形態では、1ラインの副走査方向の長さは例えば、10μmである。よって駆動信号の開始タイミングを変更した場合、副走査方向のずれは例えば1μmである。よってこの範囲で、ずれが生じても形成される画像の画質に問題は生じにくい。
【0065】
図11は、本実施の形態で駆動波形生成部114で生成される駆動信号の第2の例を示した図である。
図11では、発光チップC1に対して生成される駆動信号を例に採り図示している。
図示するように発光チップC1に対して生成される駆動信号は、1ライン目で図示する場合と2ライン目で図示する場合とで、1ライン周期が異なっている。そして各駆動信号もこれに応じて伸び縮みし、時間的にパルス幅が拡大縮小する。また休止時間も同様に拡大縮小する。図示する例では、1ライン目の1ライン周期(図ではtL1で図示)より2ライン目の1ライン周期(図ではtL2で図示)の方が、1ライン周期は短くなっており(tL1>tL2)、各駆動信号のパルス幅や休止時間は、これに応じて短くなっている。
【0066】
図12は、このとき感光体ドラム12を露光する位置について説明した図である。
図12では、発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3の3つの発光チップCについて露光する位置を示している。図示するように発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3についてライン毎に露光開始位置は、同じとなるが、1ライン周期がライン毎に異なるため、1ラインの副走査方向の長さが、ライン毎に異なる。そしてこれに応じて感光体ドラム12上の露光位置を示す片矢印の主走査方向または副走査方向に対する傾きは、ライン毎に異なるようになる。
【0067】
図12では、1ライン目より2ライン目の方を1ライン周期を短くしている。そのため片矢印の傾きとしては、1ライン目より2ライン目の方が主走査方向に対する角度が小さくなり、副走査方向に対する角度が大きくなる。また1ライン目より3ライン目の方を1ライン周期を長くしている。そのため片矢印の傾きは、1ライン目より3ライン目の方が主走査方向に対する角度が大きくなり、副走査方向に対する角度が小さくなる。また休止期間は、1ライン目より2ライン目の方が短くなり、1ライン目より3ライン目の方が長くなる。
【0068】
ただし、1ライン周期を各ラインで変更した場合でも、その平均は、規定の1ライン周期とすることが必要となる。
図13は、1ライン周期の設定例を示した図である。
ここではN−2ライン目〜N+2ライン目で示す5ラインのうち、Nライン目の1ライン周期をノミナル値(規定値)とし、他のラインの1ライン周期を変更した設定例を示している。ここでは、N−2ライン目をノミナル値×80%、N−1ライン目をノミナル値×90%、N+1ライン目をノミナル値×110%、N+2ライン目をノミナル値×120%としている。そしてこの5ラインを一単位とし、繰り返すことで露光を行なっていく。またこの5ラインの1ライン時間の平均は、ノミナル値となる。
【0069】
なお図示するように1ライン周期が伸び縮みするのに応じて1dot点灯周期(1個のLED71が点灯する時間)や1ラインの平均光量もそれぞれ増減する。これにより形成される画像には、副走査方向に濃度むらが発生するが、上述したように1ラインの副走査方向の長さは例えば、10μmであって、この範囲で、濃度むらが生じても形成される画像の画質に問題は生じにくい。
【0070】
図14は、本実施の形態で駆動波形生成部114で生成される駆動信号の第3の例を示した図である。
図14では、発光チップC1に対して生成される駆動信号を例に採り図示している。
図示するように発光チップC1に対して生成される駆動信号は、1ライン目で図示する場合と2ライン目で図示する場合とで、1ライン周期は同じである。しかし各駆動信号は各ライン毎に伸び縮みし、時間的にパルス幅が拡大縮小する。また休止時間もこれに応じて時間が変更される。図示する例では、1ライン目より2ライン目の方が、駆動信号の出力の周期を短くし、各駆動信号のパルス幅を短くしている。例えば、φI1信号について例示するように、1ライン目のパルス幅tS1より2ライン目のパルス幅tS2の方が短い(tS1>tS2)。なおこれに応じて1ライン目より2ライン目の方が休止期間が長くなっている。
【0071】
図15は、このとき感光体ドラム12を露光する位置について説明した図である。
図15では、発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3の3つの発光チップCについて露光する位置を示している。図示するように発光チップC1、発光チップC2、発光チップC3について、1ライン周期は同じであり、ライン毎に露光位置は、同じとなるが、各発光チップについて駆動信号は各ライン毎に伸び縮みするため、これに応じて感光体ドラム12上の露光位置を示す片矢印の主走査方向または副走査方向に対する傾きは、ライン毎に異なるようになる。またこれに応じて休止期間が変化する。
【0072】
図15では、1ライン目より2ライン目の方を駆動信号の出力の周期を短くしている。そのため片矢印の傾きとしては、1ライン目より2ライン目の方が主走査方向に対する角度が小さくなり、副走査方向に対する角度が大きくなる。また1ライン目より3ライン目の方を駆動信号を周期を長くしている。そのため片矢印の傾きは、そのため片矢印の傾きは、1ライン目より3ライン目の方が主走査方向に対する角度が大きくなり、副走査方向に対する角度が小さくなる。また休止期間は、1ライン目より2ライン目の方が長くなり、1ライン目より3ライン目の方が短くなる。
【0073】
図11図15で説明した例では、1ライン周期や駆動信号のパルス幅を変更することで、駆動信号の出力の周期を変更し、駆動信号のタイミングをずらしている。
また本実施の形態では、駆動信号のパルス幅は、クロック信号clk(図5参照)のクロック数により決まる。つまり駆動信号のパルス幅は、クロック信号clkの1クロックサイクル時間の倍数となる。よって1ライン周期や駆動信号のパルス幅を変更するには、このクロック数の変更を行なえばよい。
【0074】
また1ライン周期や駆動信号のパルス幅を変更するには、クロック信号clkの周波数を変更することにより行なってもよい。これによっても駆動信号の出力の周期が変更され、駆動信号のタイミングがずれることになる。
【0075】
図16(a)〜(c)は、クロック信号clkの周波数を変更したときに発生する電磁ノイズについて示した図である。
ここで図16(a)は、クロック信号clkの周波数を367MHzとしたものである。さらに図16(b)は、クロック信号clkの周波数を214MHzとしたものであり、図16(c)は、クロック信号clkの周波数を331MHzとしたものである。
そして横軸は電磁ノイズの周波数を表し、縦軸は電磁ノイズの強度を表す。そして電磁ノイズの強度は、「規格値」で示した線に対して下回ることが必要である。
この場合、図16(a)〜(b)の場合は、電磁ノイズの強度が規格値上限にまで達する箇所がある。一方、図16(c)の場合は、図示する周波数の全域にわたり、規格値を下回る。このようにクロック信号clkの周波数により電磁ノイズの強度は異なるため、クロック信号clkの周波数を選択を行なうことで、電磁ノイズの強度がより少なくなる。
【0076】
なお上述した例で、発光チップC毎に駆動信号のタイミングをずらすときは、全ての発光チップCについてそれぞれ駆動信号のタイミングをずらす必要はない。例えば、発光チップCをいくつかのグループに分け、それぞれのグループ間において行なえばよい。つまり予め定められた発光チップC単位毎に駆動信号を変更する。この場合それぞれのグループに属する発光チップCの駆動信号の開始タイミングや駆動信号の形状、クロック信号clkの周波数は、同じとなる。
【0077】
また上述した例で、ライン毎に駆動信号のタイミングをずらすときは、全てのラインについてそれぞれ駆動信号のタイミングをずらす必要はない。例えば、2ライン毎、3ライン毎など予め定められたライン単位毎に駆動信号を変更すればよい。
【0078】
さらに発光チップC単位毎、ライン単位毎に限られるものではなく、発光素子ヘッド14単位毎に行なってもよい。この場合、例えば、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K(図1参照)毎に駆動信号の開始タイミングの変更等が行なわれる。即ち、色単位毎に行なうこともできる。
【0079】
つまり本実施の形態では、LED71をグループ分けしたときに、それぞれのグループ毎にLED71の点灯を制御する駆動信号を出力するタイミングをずらしたり、駆動信号の出力の周期をずらす。これはLED71を複数の群に分けたときに、第1の群におけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2の群におけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力のタイミングを異なるようにしたり、駆動信号の出力の周期とを異なるようにしたりする、と言うこともできる。
このそれぞれグループに属するLED71は、発光チップC単位毎に駆動信号を変更した場合は、それぞれの発光チップC単位に配されるLED71である。またライン単位毎に駆動信号を変更した場合や色毎に駆動信号を変更した場合は、1つの発光素子ヘッド14の発光チップC1〜C60に配されるLED71である。
【0080】
またライン単位毎に駆動信号を変更する場合は、第1のラインにおけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力の周期と第2のラインにおけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力の周期とを異なるように制御する、又は第1のラインにおけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力のタイミングと第2のラインにおけるLED71の点灯を制御する駆動信号の出力のタイミングとを異なるようにする、と言うこともできる。
【0081】
さらに上述した駆動信号の開始タイミングをずらしたり、駆動信号の1ライン周期の変更、駆動信号の伸び縮み、クロック信号clkの周波数の変更等をさせる方法は、二種類以上併用してもよい。
【0082】
以上詳述した例によれば、発光チップC単位毎、ライン単位毎、色単位毎に駆動信号が変更される。そのため駆動信号が出力されるタイミングが同じとなる場合が少なくなり、発生する電磁ノイズが軽減される。
【0083】
なお上述した例では、発光チップCを使用し、さらに発光チップCとして自己走査型発光素子アレイチップを使用した場合を例にとり説明を行なったがこれに限られるものではなく、LED等の発光素子は、主走査方向に沿って配列し、主走査方向または主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯するものであれば適用できる。
【符号の説明】
【0084】
1…画像形成装置、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電ロール、14…発光素子ヘッド、15…現像器、64…ロッドレンズアレイ、90…画像出力制御部、100…信号発生回路、114…駆動波形生成部、C1〜C60…発光チップ、S1,S2,S3,…,S60…転送サイリスタ、L1,L2,L3,…,L60…発光サイリスタ
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