(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像読取装置によれば、次の原稿の読み取りを所望するユーザは、読取動作中に、上記の質問表示がなされたものの、どのタイミングで次の原稿を原稿載置板にセットしてよいのか理解し難い。そのため、読取動作中に、ユーザにより、先の原稿が原稿載置板から取り除かれてしまうことで、良好な、先の原稿の読取結果が得られない場合や、読み取りが終了したにもかかわらず、読取部の待機位置への移動を待つことにより、次の原稿のセットが遅くなる場合があった。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、複数の原稿を連続的にフラットベッド方式の読み取りによって読み取る場合に、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すことができる画像読取装置および画像読取プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の画像読取装置は、原稿台と、前記原稿台に配置された原稿をフラットベッド方式で読み取る読取部と、表示部と、制御部と、を備え
たものであって、前記制御部は、原稿の読み取り指示を受け付けたことを条件として、前記読取部を初期位置から読取方向に移動させながら原稿の読み取りを実行する読取手段と、前記読取部の前記読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了した後、前記読取部を、前記読取方向とは反対方向に移動させる復帰手段と、原稿の読み取り指示を受け付けたことを条件として、次の原稿が存在することを指示するための第1操作子
と、次の原稿が存在しないことを指示するための第2操作子とを含む第1画面を前記表示部に表示する第1表示手段と、前記第1操作子に対する操作を受け付けた場合、前記読取部の前記読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了したことを条件として、次の原稿を前記原稿台に配置することを示すメッセージを含む第2画面を前記表示部に表示する第2表示手段と、
前記読取部の前記読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了する前に、前記第2操作子に対する操作を受け付けた場合、前記画像読取装置が実行可能な機能を示すメニュー画面を前記表示部に表示する第3表示手段と、前記第3表示手段によって表示された前記メニュー画面に対して、前記読取部の前記読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了するまでは、前記原稿台に配置された原稿の移動の待機を促すメッセージを表示し、前記読取部の前記読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了したことを条件として、前記原稿台に配置された原稿の移動の待機を促すメッセージを消去するメッセージ表示手段と、を備えている。
【0007】
なお、本発明は、画像読取装置を制御する制御装置、画像読取システム、画像読取方法、画像読取プログラム、画像読取プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で構成できる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の画像読取装置によれば、原稿台に配置された原稿をフラットベッド方式で読み取る読取部を備え、原稿の読み取り指示を受け付けたことを条件として、読取部を初期位置から読取方向に移動させながら原稿の読み取りが実行される。一方、原稿の読み取り指示を受け付けたことを条件として、次の原稿が存在することを指示するための第1操作子を含む第1画面
と、次の原稿が存在しないことを指示するための第2操作子とが表示部に表示される。第1操作子に対する操作を受け付けた場合、読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了したことを条件として、次の原稿を原稿台に配置することを示すメッセージを含む第2画面が表示部に表示される。よって、第2画面を見たユーザに、次の原稿をセットすべきであることを意識させることができる。読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了した後には、読取部が読取方向とは反対方向に移動されるので、かかる読取部の移動中、すなわち、読取部の復帰中、第2画面を見たユーザに、次の原稿を原稿台にセットさせることができる。これにより、次の原稿があることがユーザにより指示されると、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すことができる。
一方で、第1画面において読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了する前に、第2操作子に対する操作を受け付けた場合には、メニュー画面が表示部に表示され、このメニュー画面には、読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了するまでは、原稿台に配置された原稿の移動の待機を促すメッセージが表示され、読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了したことを条件として、原稿台に配置された原稿の移動の待機を促すメッセージが消去される。従って、メニュー画面によって次の原稿に対する設定ができるとともに、原稿の読み取りが完了したことをユーザに認識させることができるので、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すことができる。
【0009】
請求項2記載の画像読取装置によれば、請求項1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了する前に、第1操作子に対する操作を受け付けた場合には、原稿台に配置された原稿の移動の待機を促す第3画面が表示部に表示される。第3画面の表示後、読取部の読取方向への移動に伴う原稿の読み取りが完了したことを条件として、第2画面が表示部に表示される。よって、読み取り中の原稿が、原稿台から取り除かれる等によって移動されることを抑制できる。
【0013】
請求項
3記載の画像読取装置によれば、請求項1
または2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子が操作されることなく、原稿の読み取りが完了した場合には、第1操作子の表示が継続され、当該第1操作子は、原稿の読み取りの完了後、所定の期間が経過したことを条件として消去される。よって、ユーザが第1操作子を操作されることなく、原稿の読み取りが完了した場合であっても、読み取りの完了後の所定の期間に亘って、第1操作子を操作できる機会を与えることができる。
【0014】
請求項
4記載の画像読取装置によれば、請求項1から
3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子に対する操作を受け付けた場合、読取部が初期位置に復帰したことを条件として、原稿の読み取りが実行されるともに、第1画面が表示部に表示される。よって、前の原稿に引き続いて、次の原稿の読み取りを行うことができるとともに、次の原稿が存在することを示す第1操作子の操作を受け付けることができる。
【0015】
請求項
5記載の画像読取装置によれば、請求項
4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子が操作されたことに応じて、原稿の読み取りが完了した場合に表示される第2画面には、次の原稿の配置完了を示す第3操作子が含まれる。第1操作子に対する操作を受け付けた場合には、第3操作子に対する操作を受け付け、かつ、読取部が初期位置に復帰したことを条件として、原稿の読み取りが実行される。よって、次の原稿の読み取りを開始するためには、第3操作子に対する操作が必要となるので、次の原稿のセット忘れを好適に抑制できる。
【0016】
請求項
6記載の画像読取装置によれば、請求項
4または
5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子に対する操作を受け付けた場合、読取部が初期位置に復帰し、かつ、原稿台に対するカバーの開閉が検出部により検出されたことを条件として、原稿の読み取りが実行される。よって、次の原稿の読み取りを開始するためには、次の原稿のセットする際には欠かせないカバーを開閉する動作が必要となるので、次の原稿のセット忘れを好適に抑制できる。
【0017】
請求項
7記載の画像読取装置によれば、請求項
6が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子に対する操作を受け付けた場合、原稿の読み取りが完了した後に、検出部によりカバーが開いていることが検出された場合には、その旨を報せる画面が表示部に表示される。よって、カバーを開いた状態で原稿の読み取りが開始されることを抑制できる。
【0018】
請求項
8記載の画像読取装置によれば、請求項1から
7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1操作子が操作されたことに応じて、原稿の読み取りが完了した場合に表示される第2画面には、今回の原稿で読み取りを終了することを示す第4操作子が含まれる。第4操作子に対する操作を受け付けた場合には、メニュー画面が表示部に表示される。よって、第1操作子が誤って操作された場合であっても、今回の原稿で読み取りを終了させることができる。
【0019】
請求項
9記載の画像読取プログラムによれば、請求項1の画像読取装置と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1から
図4を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の画像読取装置の一実施形態であるスキャナ10の電気的構成を示すブロック図である。詳細は後述するが、本実施形態のスキャナ10は、複数の原稿を連続的にフラットベッド方式によって読み取る場合に、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すよう構成される。
【0022】
スキャナ10には、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、操作部15、LCD16、CIS17、読取位置移動部18、ADF19、カバー開閉検知センサ20、USBインターフェイス(USB_I/F)21、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)22が主に設けられる。これらの各部11〜22は、バスライン23を介して互いに接続される。
【0023】
CPU11は、ROM12に記憶される固定値やプログラム、RAM13に記憶されているデータに従って、スキャナ10の各部を制御する。ROM12は、読み出し専用のメモリである。
【0024】
ROM12には、スキャナ10の動作を制御する制御プログラム12aや、制御プログラム12aを実行する際に参照する定数やテーブルなどが格納される。
図3および
図4を参照して後述するフラットベッド方式によるスキャナ10の読み取り動作や、
図3および
図4の画面遷移図に示される各画面の表示制御は、CPU11が制御プログラム12aに従い実行する処理である。
【0025】
RAM13は、CPU11の処理に必要な情報を一時的に記憶する書換可能な揮発性のメモリである。EEPROM14は、書換可能であるとともに、電源遮断後も内容を保持可能な不揮発性のメモリである。
【0026】
操作部15は、スキャナに設定値や指示など入力するためのものである。操作部15としては、LCD16に重ねて設けられるタッチパネルや、メカニカルキーなどが例示される。ユーザがタッチパネルへのタッチ操作を行うと、CPU11は、タッチパネルからそのタッチ操作された位置を特定するための信号を受け付け、その位置に応じた処理を実行する。LCD16は、各種画面を表示する液晶表示装置である。
【0027】
CIS17は、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor)で原稿を読み取る読取部である。CIS17は、主走査方向に直線状に配列された複数の受光素子を有するリニアイメージセンサ、RGB3色の発光ダイオードを有する光源、原稿で反射された反射光をイメージセンサの各受光素子に結像させるロッドレンズアレイなどを有する。主走査方向とは、プラテンガラス44,45(
図2参照)の面に平行な方向であり、かつ、読取位置移動部18によるCIS17の移動方向に直交する方向である。
【0028】
読取位置移動部18は、CIS17を副走査方向、すなわち、矢印F方向または矢印B方向(
図2参照)に移動させるためのものである。読取位置移動部18は、ステッピングモータであるモータ、当該モータをステップ駆動するための駆動信号を生成するモータ駆動部などを含む。
【0029】
ADF19は、自動搬送装置である。ADF19は、原稿トレイ58(
図2参照)にセットされた原稿を、搬送経路に沿ってCIS17による読取位置まで搬送させるとともに、CIS17による読み取り後の原稿を排紙トレイ59(
図2参照)まで搬送させる。
【0030】
カバー開閉検知センサ20は、原稿カバー46(
図2参照)の開閉状態を検知するセンサであり、原稿カバー46が開かれているか、閉じられているかに応じた信号をCPU11に出力する。CPU11は、カバー開閉検知センサ20から入力された信号に基づき、原稿カバー46の開閉状態を判断する。カバー開閉検知センサ20としては、光学的センサや、接触式センサや、磁気センサなどの周知のセンサを採用できる。
【0031】
USB_I/F21は、USBプラグを介して、例えば、USBメモリなどの記憶媒体や、パーソナルコンピュータやハードディスクなどの他の装置を通信可能に接続するための装置であり、周知の装置で構成される。ネットワークI/F22は、スキャナ10を、LANやインターネットなどのネットワーク(図示せず)に接続するためのインターフェイスである。
【0032】
図2は、スキャナ10の一部を簡略化して示す模式図である。スキャナ10の筐体43は、概ね箱型に形成されており、上部に第1プラテンガラス44と、第2プラテンガラス45とが並設されている。
【0033】
原稿カバー46は、各プラテンガラス44,45を覆う閉姿勢と、各プラテンガラス44,45を開放する開姿勢とに回動可能に筐体43に連結されている。原稿カバー46には、ADF19、原稿トレイ58、排紙トレイ59などが設けられている。
【0034】
ADF19の内部には、分離ローラ50、分離ローラ50を軸支する軸に基端側を軸支されたアーム51の先端部に回転自在に設けられている吸入ローラ52、複数の搬送ローラ53,54、排紙ローラ55、これらに圧接する複数の従動ローラ56が設けられている。原稿はこれらのローラに搬送されて搬送経路57を搬送され、CIS17によって読み取られる位置を通過して、排紙トレイ59に排紙される。
【0035】
CIS17は、スキャナ10の筐体43の内部に収容されている。CIS17は、ADF19により搬送される原稿を読み取る場合、第2プラテンガラス45の直下にて停止し、その位置を読取位置として、光源の色を順次切り替えながら、第2プラテンガラス45を介して原稿を読み取る。一方、CIS17は、第1プラテンガラス44上にセットされる原稿をフラットベッド方式で読み取る場合、読取位置移動部18を用いて、CIS17を副走査方向(矢印F方向または矢印B方向)に一定速度で移動させつつ、光源の色を順次切り替えながら原稿を読み取る。
【0036】
図3および
図4は、スキャナ10がフラットベッド方式で原稿を読み取る場合に、LCD16に表示される画面の画面遷移の一例を示す図である。画面遷移図の説明に先立ち、フラットベッド方式による一連の読み取り動作について説明する。以下の説明において、符号「S」は、CPU11が制御プログラム12aに従い実行する、スキャナ10の読み取り動作に係る制御処理の各ステップであることを示す。
【0037】
図3に示すように、待機状態のスキャナ10において、スキャナ10が実行可能な機能を示すメニュー画面71に表示されるスタートボタン71aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、フラットベッド方式による読取開始位置から原稿の読み取りを開始する(S1)。
【0038】
CPU11は、読取位置移動部18を用いて、CIS17を副走査方向における順方向(矢印F方向)に一定速度で移動させつつ、1ページ分の原稿の読み取りを実行する(S2)。以下、原稿の読み取りが開始されてから、1ページ分の原稿の読み取りが完了するまでのスキャナ10の状態を、「読み取り中」と称す。
【0039】
CPU11は、1ページ分の原稿の読み取りが完了すると(S3)、CIS17の復帰を開始する(S4)。CPU11は、読取位置移動部18を用いて、CIS17を副走査方向における逆方向(矢印B方向)に移動させる(S4)。以下、CIS17の復帰が開始されてから、1ページ分の原稿の読み取りが完了するまでのスキャナ10の状態を、「復帰中」と称す。
【0040】
CPU11は、CIS17が所定の待機位置、例えば、CIS17のホームポジションに達したことにより、CIS17の復帰が完了した場合、次ページがないことを条件として、スキャナ10を待機状態とする(S6)。一方、CIS17の復帰が完了した場合、次ページがあり、かつ、カバー開閉検知センサ20が読み取りの完了後に原稿カバー46の開閉を検知したことを条件として、次ページの原稿の読み取りを開始する(S7)。
【0041】
本実施形態では、S7において、CPU11は、矢印B方向に移動するCIS17がフラットベッド方式による読取開始位置に達した場合に、CIS17の復帰が完了したとする。なお、CIS17が一旦所定の待機位置に戻った後で、矢印F方向に再度移動させたCIS17がフラットベッド方式による読取開始位置に達した場合に、CIS17の復帰が完了したとしてもよい。また、S6のように、CIS17が所定の待機位置に達したことで、CIS17の復帰が完了したとする構成であってもよい。
【0042】
S6において、「次ページがない」とは、後述する次ページなしボタン72b,75bのいずれかが操作された場合、終了指示ボタン73cが操作された場合、または、スキャン完了画面75の表示後、何も操作されることなく、所定時間(例えば、10秒)が経過した場合である。一方、S7において、「次ページがある」とは、後述する次ページありボタン72a,75aのいずれかが操作され、かつ、OKボタン73b,76bのいずれかが操作された場合である。
【0043】
以下、画面遷移について説明する。以下の説明において、符号「T」は、CPU11が制御プログラム12aに従い実行する、画面遷移に係る制御処理の各ステップであることを示す。
【0044】
図3に示すように、待機状態のスキャナ10において、CPU11は、スキャナ10が実行可能な機能を示すメニュー画面71をLDC16に表示する。メニュー画面71は、原稿の読み取りの開始を指示するスタートボタン71aを含む。スタートボタン71aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、読み取りの実行中であることを示すスキャン中画面72を表示する(T1)。
【0045】
T1にて表示されるスキャン中画面72には、連続的に読み取る次ページが存在することを指示する次ページありボタン72aと、次ページが存在しないことを指示する次ページなしボタン72bとを含む。以下、ボタン72a,72bを含むスキャン中画面72を、スキャン中画面72Aと称す。
【0046】
ボタン72a,72bのいずれも操作されることなく、1ページ分の原稿の読み取りが完了した場合、CPU11は、スキャン中画面72Aの表示を継続する(T2)。ボタン72a,72bのいずれも操作されることなく、CIS17の復帰が開始された場合、
図4に示すように、CPU11は、スキャン中画面72Aの表示を継続する(T3)。
【0047】
ボタン72a,72bのいずれも操作されることなく、CIS17の復帰が完了した場合、CPU11は、一連の読み取り動作が完了したことを示すスキャン完了画面75を表示する(T4)。
【0048】
スキャン完了画面75は、連続的に読み取る次ページが存在することを指示する、ボタン72aと同様の次ページありボタン75aと、次ページが存在しないことを指示する、ボタン72bと同様の次ページなしボタン75bとを含む。つまり、CIS17の復帰が完了し、一連の読み取り動作が完了したことに伴い、LCD16の表示内容が、スキャン中画面72Aからスキャン終了画面75に切り替わるものの、連続的に読み取る次ページが存在することを指示するボタンと、次ページが存在しないことを指示するボタンの表示は、スキャン終了画面75においても継続される。
【0049】
スキャン完了画面75の表示後、ボタン75a,75bのいずれも操作されることなく、所定時間(例えば、10秒)が経過した場合、CPU11は、タイムアウトであるとして、メニュー画面71をLDC16に表示する(T5)。スキャン完了画面75の表示中、次ページなしボタン75bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メニュー画面71をLDC16に表示する(T6)。
【0050】
図3に戻って説明する。読み取り中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページありボタン72aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、スキャン中画面72Aから、ボタン72a,72bを消去し、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ72cを表示する(T7)。以下、ボタン72a,72bを含まず、メッセージ72cを含むスキャン中画面72を、スキャン中画面72Bと称す。
【0051】
スキャン中画面72Bの表示中、1ページ分の原稿の読み取りが完了した場合、CPU11は、確認画面73をLCD16に表示する(T8)。確認画面73は、次ページの原稿を第1プラテンガラス44上にセットすることを促すメッセージ73aと、次ページの原稿のセットが完了したことを指示するOKボタン73bと、読み取りの終了を指示する終了指示ボタン73cとを含む。
【0052】
OKボタン73bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、読み取りの完了後に原稿カバー46が開閉されたことを、カバー開閉検知センサ20が検知したこと条件として、スキャン中画面72AをLCD16に表示する(T10)。かかる場合、CIS17の復帰完了後において、次ページがあり、かつ、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の閉鎖を検知するという条件が成立するので、CPU11は、次ページの原稿の読み取りを開始する(S7)。
【0053】
一方、OKボタン73bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合に、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の開放を検知した場合、CPU11は、エラー画面74をLCD16に表示する(T11)。エラー画面74は、原稿カバー46が開いていることを示すメッセージ74aと、エラー画面74の確認完了を示すOKボタン74bとを含む。
【0054】
OKボタン74bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の閉鎖を検知したことを条件として、スキャン中画面72Aの表示(T12)を実行する。かかる場合、CIS17の復帰完了後において、次ページがあり、かつ、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の閉鎖を検知するという条件が成立するので、CPU11は、次ページの原稿の読み取りを開始する(S7)。
【0055】
確認画面73の終了指示ボタン73cに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メニュー画面71をLCD16に表示する(T13)。よって、スキャン中画面72Aにて、次ページありボタン72aに対する操作が行われたにもかかわらず、確認画面73にて、終了指示ボタン73cに対する操作が行われた場合には、原稿の読み取りは行われず、スキャナ10は、CIS17の復帰が完了すると、待機状態とされる。
【0056】
読み取り中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページなしボタン72bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メニュー画面71をLCD16に表示する(T14)。ただし、T14の処理により表示されるメニュー画面71は、メッセージ72cと同様の、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ71bを含む。CPU11は、原稿の読み取りが完了したことを条件として、メッセージ71bを消去する(T15)。
【0057】
読み取りが完了したスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページありボタン72aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、確認画面73をLCD16に表示する(T16)。一方、読み取りが完了したスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページなしボタン72bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メニュー画面71をLCD16に表示する(T17)。
【0058】
図4に示すように、復帰中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページありボタン72aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、確認画面73をLCD16に表示する(T18)。一方、復帰中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページなしボタン72bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メニュー画面71をLCD16に表示する(T19)。
【0059】
スキャン完了画面75の表示中、次ページありボタン75aに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、確認画面76をLCD16に表示する(T20)。確認画面76は、次ページの原稿を第1プラテンガラス44上にセットすることを促すメッセージ76aと、次ページの原稿のセットが完了したことを指示するOKボタン76bとを含む。つまり、確認画面76は、読み取りの終了を指示する終了指示ボタンを含まない点で、確認画面73と異なる。
【0060】
OKボタン76bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、読み取りの完了後に原稿カバー46が開閉されたことを、カバー開閉検知センサ20が検知したこと条件として、スキャン中画面72AをLCD16に表示する(T21)。
【0061】
一方、OKボタン76bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合に、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の開放を検知した場合、CPU11は、エラー画面74をLCD16に表示する(T22)。OKボタン74bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、カバー開閉検知センサ20が原稿カバー46の閉鎖を検知したことを条件として、スキャン中画面72AをLCD16に表示する。
【0062】
上記第1実施形態によれば、スキャン中画面72Aの次ページありボタン72aを操作することによって、現在の原稿の読み取りが完了した後、連続して、次ページの原稿の読み取りを行うことができる。
【0063】
次ページありボタン72aが操作された場合、原稿の読み取りが完了したことを条件として、次ページの原稿を第1プラテンガラス44上にセットすることを促すメッセージ73aを含む確認画面73が表示される。よって、確認画面73を見たユーザに、次ページの原稿をセットすべきであることを意識させることができる。原稿の読み取りが完了した後には、CIS17の復帰が開始されるので、CIS17の復帰中に、確認画面73を見たユーザに、次ページの原稿をセットさせることができる。これにより、複数の原稿を連続的にフラットベッド方式によって読み取る場合に、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すことができる。
【0064】
確認画面73の表示は、次ページありボタン72aに対する操作がされたことを条件として表示される。よって、確認画面73は、その表示を必要とする場合にのみ表示されるので、確認画面73が、次ページの原稿が有無にかかわらず、原稿の読み取りが完了する毎に表示される場合に比べ、煩わしさを与えることがなく、ユーザの利便性が良い。
【0065】
また、原稿の読み取り完了後も、スキャン中画面72Aの表示が継続されるとともに、CIS17の復帰が完了した後も、所定時間(例えば、10秒)に亘って、次ページありボタン72aまたは次ページありボタン75aの表示が継続される。よって、これらのボタン72a,75aが表示されている間は、ボタン72a,75aの操作機会を与えることができる。また、ボタン72a,75が操作されたことに応じて、次ページの原稿を第1プラテンガラス44上にセットすることを促すメッセージ73a,76aが表示されるので、上記と同様、適切なタイミングで次の原稿のセットをユーザに促すことができる。
【0066】
次ページありボタン72aが操作されたことに応じて表示される確認画面73には、次ページの原稿のセット完了を示すOKボタン73bが表示される。同様に、次ページありボタン75aが操作されたことに応じて表示される確認画面76にも、次ページの原稿のセット完了を示すOKボタン76bが表示される。OKボタン73b,76bが操作されたことを条件として、次ページの原稿の読み取りが読取開始位置から開始される。つまり、次ページの原稿の読み取りを開始するためには、ユーザによるOKボタン73b,76bの操作が必要となるので、ユーザが次ページの原稿をセットし忘れることを好適に抑制できる。
【0067】
特に、OKボタン73b,76bが操作された場合であっても、読み取りの完了後に原稿カバー46が開閉されたことを、次ページの読み取り開始の条件とする。次ページを第1プラテンガラス44にセットするためには、原稿カバー46の開閉が必須であるため、読み取りの完了後に原稿カバー46が開閉されたことを、次ページの読み取り開始の条件とすることにより、次ページの原稿のセット忘れを好適に抑制できる。OKボタン73b,76bが操作された場合に、原稿カバー46が開いている場合には、エラー画面74が表示されるので、原稿カバー46が開いた状態で読み取りが開始されることを抑制できる。
【0068】
次ページありボタン72aが原稿の読み取り中に操作された場合には、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ72cが表示される。よって、メッセージ72cを見たユーザに、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り対象としてセットされている原稿を取り出さない意識させることができる。つまり、メッセージ72cを含むスキャン中画面72Bは、セットされた原稿の移動の待機を促す画面として機能する。よって、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り中の原稿が移動されることを抑制できる。
【0069】
一方、原稿の読み取りが完了する前に、スキャン中画面72Aの次ページなしボタン72bが操作された場合には、原稿の読み取りが完了したことを条件として、メニュー画面71が表示される。よって、原稿の読み取りは現在読み取り中の原稿が最後であり、読み取るべき次の原稿が存在しないことをユーザに印象付けることができる。
【0070】
また、原稿の読み取りが完了する前に次ページなしボタン72bが操作された操作されたことに応じてメニュー画面71が表示された場合、原稿の読み取り中、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ71bが表示される。よって、メッセージ71bを見たユーザに、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り対象としてセットされている原稿を取り出さない意識させることができる。つまり、メッセージ71bは、セットされた原稿の移動の待機を促すメッセージとして機能する。よって、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り中の原稿が移動されることを抑制できる。
【0071】
確認画面73には、読み取りの終了を指示する終了指示ボタン73が表示される。よって、次ページありボタン72aが誤って操作された場合であっても、終了指示ボタン73を操作することによって、現在読み取り中の原稿を最後に、読み取りを終了することができる。
【0072】
次に、
図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、読み取り中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページなしボタン72bに対する操作が行われた場合には、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ71bを含むメニュー画面71が表示される構成とした。
【0073】
これに代えて、第2実施形態では、次ページなしボタン72bに対する操作が行われた場合も、次ページありボタン72aに対する操作が行われた場合と同様、スキャン中画面72Bを表示する。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
図5は、第2実施形態の画面遷移の一例を示す図である。
図5の画面遷移図に示される各画面の表示制御は、CPU11が第2実施形態の制御プログラム12aに従い実行する処理である。
図5に示すように、読み取り中のスキャナ10において、スキャン中画面72Aに表示される次ページなしボタン72bに対する操作を、CPU11が受け付けた場合、CPU11は、メッセージ72cを含むスキャン中画面72BをLCD16に表示する(T31)。CPU11は、原稿の読み取りが完了したことを条件として、メニュー画面71をLCD16に表示する(T32)。
【0075】
上記第2実施形態によれば、原稿の読み取りが完了する前に、スキャン中画面72Aの次ページなしボタン72bが操作された場合、読み取りの完了を待つよう促すメッセージ72cが表示される。よって、メッセージ72cを見たユーザに、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り対象としてセットされている原稿を取り出さない意識させることができる。つまり、メッセージ72cは、セットされた原稿の移動の待機を促すメッセージとして機能する。よって、原稿の読み取りが完了する前に、読み取り中の原稿が移動されることを抑制できる。
【0076】
上記実施形態において、スキャナ10が、画像読取装置の一例である。制御プログラム12aが、画像読取プログラムの一例である。CPU11が、制御部の一例である。CIS17が、読取部の一例である。第1プラテンガラス44が、原稿台の一例である。LCD16が、表示部の一例である。原稿カバー46が、カバーの一例である。カバー開閉検知センサ20が、検出部の一例である。
【0077】
スキャン中画面72Aが、第1画面の一例である。確認画面73,76が、第2画面の一例である。スキャン中画面72Bが、第3画面の一例である。メニュー画面71が、メニュー画面の一例である。エラー画面74が、カバーが開いている旨を報せる画面の一例である。次ページありボタン72a,75aが、第1操作子の一例である。メッセージ73aが、次の原稿を原稿台に配置することを示すメッセージの一例である。次ページありボタン72bが、第2操作子の一例である。メッセージ71b,メッセージ72cが、配置された原稿の移動の待機を促すメッセージの一例である。OKボタン73b,76bが、第3操作子の一例である。終了指示ボタン73cが、第4操作子の一例である。読取開始位置が、初期位置の一例である。矢印F方向が読取方向の一例である。矢印B方向が読取方向とは反対方向の一例である。CISの復帰が完了するまでの期間と、その後のスキャン完了画面75がタイムアウトになるまでの期間とが、所定の期間の一例である。
【0078】
S2の処理を実行するCPU11が、読取手段の一例である。T1の処理を実行するCPU11が、第1表示手段の一例である。T8,T16の処理を実行するCPU11が、第2表示手段の一例である。S5の処理を実行するCPU11が、復帰手段の一例である。T7の処理を実行するCPU11が、第
4表示手段の一例である。T14,T32処理を実行するCPU11が、第
3表示手段の一例である。T31の処理を実行するCPU11が、第5表示手段の一例である。T3,T4の処理を実行するCPU11が、継続手段の一例である。T5の処理を実行するCPU11が、消去手段の一例である。T11,T22の処理を実行するCPU11が、第6表示手段の一例である。T13の処理を実行するCPU11が、第7表示手段の一例である。
T15の処理を実行するCPU11が、メッセージ表示手段の一例である。
【0079】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0080】
例えば、上記実施形態では、本発明の画像読取装置として、ADF19を有するスキャナ10を例示したが、ADFを有さないスキャナであっても、本発明の画像処理装置として採用できる。また、フラットベッド方式により原稿の読み取りを実行可能な装置であれば、スキャナ10に限らず、多機能周辺装置など種々の装置を採用できる。
【0081】
上記実施形態では、スキャン中画面72Aが、次ページありボタン72aおよび次ページなしボタン72bを含む構成としたが、次ページなしボタン72bを設けず、次ページありボタン72aのみを含む構成としてもよい。
【0082】
上記実施形態では、確認画面73が、OKボタン73bおよび終了指示73cを含む構成としたが、確認画面73が、OKボタン73bおよび終了指示73cを含まず、メッセージ73aのみを含む構成としてもよい。あるいは、確認画面73が、メッセージ73aとOKボタン73bとを含む構成としてもよい。同様に、確認画面76が、OKボタン76bを含まず、メッセージ76aのみを含む構成としてもよい。
【0083】
上記実施形態では、CPU11がT14の処理にて表示するメニュー画面71が、メッセージ71bを含む構成としたが、メッセージ71bを含まないメニュー画面71を表示する構成としてもよい。
【0084】
上記実施形態では、CIS17の復帰中にスキャン中画面72Aが表示される構成としたが、原稿の読み取り完了に伴い、LCD16の表示を、スキャン中画面72Aからスキャン完了画面75に切り替える構成としてもよい。
【0085】
上記実施形態では、スキャン中画面72Aの表示後に、スキャン完了画面75を表示させる構成としたが、スキャン完了画面75を表示させない構成としてもよい。つまり、ボタン72a,72bのいずれも操作されることなく、CIS17の復帰が完了した場合に、スキャン中画面72Aの表示を継続し、所定時間(例えば、10秒)が経過した場合に、スキャン中画面72Aを消去する構成としてもよい。
【0086】
上記実施形態では、次ページありボタン75aを含むスキャン完了画面75の表示後、所定時間(例えば、10秒)が経過すると、スキャン完了画面75が消去されて、それに伴い、次ページありボタン75aが消去される構成とした。これに代えて、次ページありボタンが消去されるタイミングは、原稿の読み取り完了後であれば、どのタイミングであってもよい。例えば、CIS17の復帰中に、LCD16の表示を、スキャン中画面72Aからメニュー画面71に切り替え、それによって、次ページありボタン72aを消去する構成としてもよい。あるいは、原稿の読み取り完了後、所定の期間が経過したタイミングで、スキャン中画面72Aまたはスキャン完了画面75から、次ページありボタン72a,75aを消去する構成であってもよい。
【0087】
上記実施形態では、CPU11が、
図3〜
図5に記載されるスキャナ10の読み取り動作や各画面の表示制御を実行する構成として説明したが、これら各図に記載される各処理を、複数のCPUが協同的に実行する構成としてもよい。また、ASICなどのICが、単独で、または、複数によって協働的に、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。また、CPU11とASICなどのICとが協同して、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。
【0088】
また、
図3〜
図5に示す各処理のうち、一部の処理を、特許請求の範囲における独立請求項から逸脱しない範囲で、省略または変更してもよい。また、上記実施形態により説明した各特徴や、上述した各変形例を適宜組み合わせて実施する構成としてもよい。