(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、記録用シート材押え板における複数の突起が一体的に形成されている。しかし、インクジェット記録装置において画像記録のために搬送されるシートの幅は様々であるので、例えば、幅方向の中央を基準としてA3サイズのシートが搬送可能なインクジェット記録装置においてA5サイズのシートが搬送されると、幅方向の中央の突起はA5サイズのシートと当接するが、幅方向の両側の突起はA5サイズのシートと当接しない状態が生ずる。このとき、A5サイズのシートと当接する突起がシートからの反力によって弾性変形すると、突起同士の連結部分を介して、その突起と隣り合う突起であってA5サイズのシートとは当接しない突起にも若干変形が生ずる。このような、シートとは当接しない突起を変形させるための力までもがシートに付与されることによって、シートを所望の波打ち状態とするためには必要でない力がシートに加わり、シートが理想的な波打ち状態とならないおそれがあった。他方、各突起をすべて独立して成型すると、各突起を組み付けるための作業が繁雑となったり、各突起の形状が不安定になりやすいという不具合がある。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像が記録されるシートを、複数の当接部を有する当接部材によって所望の波打ち状態とすることができる画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る画像記録装置は、搬送路を搬送されるシートに画像を記録する記録部と、上記搬送路を搬送されるシートにそれぞれが当接するように、上記シートの搬送向きと直交する幅方向に間隔を空けて配置された複数の当接部、及び隣り合う上記当接部同士を連結する連結部を有する当接部材と、を備え、上記連結部は、上記当接部が上記シートに当接することによって上記幅方向を軸線として回転するように捻れる。
【0009】
このような構成により、連結部の両側の当接部のいずれか一方だけがシートに当接した場合に、連結部の捻れによって、他方の当接部が変形することが抑制される。
【0010】
(2) 好ましくは、上記連結部と上記支持部材とが間隙を有している。これにより、連結部が捻れた場合に、連結部が支持部材に接触して、当該連結部の捻れが妨げられることを防止できる。
【0011】
(3) 好ましくは、上記連結部は、上記搬送向きに沿った長さが、上記係合部の上記搬送向きに沿った長さよりも短い部分を有する。これにより、当接部がシートに当接した場合に連結部が容易に捻れた状態になる。
【0012】
(4) 好ましくは、上記連結部は、隣り合う上記当接部の間に位置する孔を有する。これにより、当接部がシートに当接することによって、連結部が容易に捻れた状態になる。
【0013】
(5) 好ましくは、上記連結部は、上記搬送向きに間隔をあけて設けられ、上記幅方向に延びる複数の繋ぎ部を有し、上記孔は、上記繋ぎ部によって区画されており、上記幅方向に沿って延びる長孔である。これによっても、当接部がシートに当接することにより連結部が容易に捻れた状態なる。
【0014】
(6) 好ましくは、上記当接部材は、上記搬送路における幅方向の中央部と両側の各側部とにそれぞれ設けられており、上記中央部の当接部材における上記孔の上記幅方向に沿った長さは、両側の各側部の当接部材における上記孔の上記幅方向に沿った長さよりも長い。これにより、連結部は、当接部がシートに当接する位置に適した捻じれ状態になる。
【0015】
(7) 好ましくは、上記当接部材は、上記幅方向に沿って複数設けられており、いずれか1つの当接部材は、他の当接部材よりも上記当接部の個数が多く、かつ、上記連結部における上記孔の上記幅方向に沿った長さが、他の当接部材における上記孔の上記幅方向に沿った長さよりも長い。これにより、当接部の個数が多い当接部材では、いずれかの当接部がシートに当接した場合に、連結部は確実に捻れた状態になる。
【0016】
(8) 好ましくは、上記連結部は、平板状に構成されており、幅方向の中央部における搬送向きの長さが他の部分よりも短くなっている。これにより、連結部を捻じれた状態にすることができる。
【0017】
(9) 好ましくは、上記連結部は、1本の繋ぎ部によって構成されている。これにより、連結部を捻じれた状態にすることができる。
【0018】
(10) 好ましくは、上記繋ぎ部は、幅方向の中央部が搬送向きまたは反対向きに突出するように屈曲されている。これにより、連結部を捻じれた状態にすることができる。
【0019】
(11) 好ましくは、上記繋ぎ部は、幅方向に沿って延びている。これにより、連結部を捻じれた状態にすることができる。
【0020】
(12) 好ましくは、上記連結部は、平板状に構成された繋ぎ部を有し、当該繋ぎ部における幅方向の中央部の厚さが他の部分よりも薄くなっている。これにより、連結部を捻じれた状態にすることができる。
【0021】
(13) 好ましくは、上記支持部材は、上記記録部を上記幅方向に移動可能に支持するものである。これにより、当接部材を配置するためのスペースが小さくなる。
【0022】
(14) 好ましくは、上記当接部材は、合成樹脂により一体に成形されたものである。これにより、当接部材の製造が容易になる。
【0023】
(15) 好ましくは、上記記録部は、ノズルからインク滴を吐出することによってシートに画像を記録するものである。これにより、インク滴によって形成される画像の画質を向上させることができる。
【0024】
(16) 好ましくは、上記複数の当接部は、上記ノズルよりも上記搬送向きの上流側に位置している。これにより、インク滴によって画像が形成されるシートのコックリングを防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の当接部をシートに当接させてシートを所望の湾曲状態とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の正面側を前側として前後方向8が定義され、複合機10を正面側(手前側)から見て左右方向9が定義される。
【0028】
[複合機10の全体構成]
図1に示される複合機10(本発明の画像記録装置の一例)は、ファクシミリ機能、プリント機能等の各種の機能を有している。複合機10は、概ね薄型の直方体形状に構成された筐体14と、筐体14内の下部内に装着された給送トレイ20とを有している。給送トレイ20は、筐体14から前向きに引き出し可能になっている。
【0029】
筐体14の内部には、装着された給送トレイ20の前側部分の上側に、記録用紙12がプリントアウトされる排出用空間13が設けられている。排出用空間13は前側に開口している。排出用空間13の下側には、プリントアウトされる記録用紙12(
図2参照)が載置される排出トレイ21が設けられている。排出トレイ21は、給送トレイ20上に支持されている。
【0030】
図2に示されるように、筐体14内における後側の上部にはプリンタ部11が設けられている。プリンタ部11は、インクジェット方式で記録用紙12等の被記録媒体に画像を記録する。給送トレイ20には、複数枚の記録用紙12が上下方向7に積み重ねられる支持面22が設けられている。複合機10は、給送トレイ20の支持面22上に積み重ねられた記録用紙12の片面に画像を記録する機能及び記録用紙12の両面に画像を記録する機能を有している。また、複合機10は、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録メディアの盤面上に画像を記録する機能も有している。
【0031】
プリンタ部11の下側には、給送トレイ20内の記録用紙12をプリンタ部11に給送する給送部16が設けられている。給送部16は、給送トレイ20内の最上部の記録用紙12に当接して後側上方に向けて繰り出す給送ローラ25を有している。給送ローラ25は、支持アーム26によって、給送トレイ20内の最上部の記録用紙12に当接する位置と、記録用紙12から上側に離間した位置とに回動可能に支持されている。給送ローラ25には、動力伝達機構27によって図示しないモータの動力が伝達される。
【0032】
筐体14における後部には、給送部16によって給送トレイ20から繰り出される記録用紙12を上方に向けて搬送する第1搬送経路33が設けられている。第1搬送経路33は、後側に位置する外周ガイド部材33Aと、前側に位置する内周ガイド部材33Bとによって、後側に突出した円弧状に構成されている。第1搬送経路33内を搬送される記録用紙12は、第1搬送経路33の幅方向の中心が、記録用紙12における搬送向きとは直交する幅方向の中心にほぼ一致した中央基準で搬送される。
【0033】
給送トレイ20から繰り出される記録用紙12は、第1搬送経路33の下端部から第1搬送経路33内に進入し、第1搬送経路33の上端部から前向きに排出される。プリンタ部11の上部には、第1搬送経路33を搬送された記録用紙12が前向きに搬送される第2搬送経路34が前後方向8に沿って設けられている。第2搬送経路34は、第1搬送経路33の上端部から、排出トレイ21の後端部の上側にまで達している。
【0034】
第2搬送経路34には、前後方向8の前向きに、第1搬送ローラ対59と、プラテン42と、第2搬送ローラ対44と、経路切換部36と、反転ローラ対45とが順番に設けられており、それぞれが第2搬送経路34の一部を形成している。記録用紙12は、第2搬送経路34においても、中央基準で搬送される。
【0035】
第1搬送ローラ対59は、上側に配置された第1搬送ローラ60と、下側に配置されたピンチローラ61とを備えている。第1搬送ローラ対59は、第2搬送経路34を記録用紙12が搬送される場合には、第1搬送ローラ60とピンチローラ61とが相互に圧接された状態とされて、第1搬送ローラ60が回転駆動される。
【0036】
第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対44との間に配置されたプラテン42は、第2搬送経路34を搬送される記録用紙12を前後方向8に沿った状態で支持する。プラテン42の上側には、プラテン42にて支持された記録用紙12に画像を記録する記録部24が設けられている。記録部24は、中央基準で搬送されたプラテン42上の記録用紙12に対して、幅方向の中央位置を基準として画像を形成する。
【0037】
記録部24は、プラテン42の上側において前後方向8に所定の間隔をあけた状態でそれぞれが左右方向9に沿って配置された第1ガイドレール56及び第2ガイドレール57によって支持されている。記録部24は、第1ガイドレール56及び第2ガイドレール57にスライド可能に支持されたキャリッジ40と、キャリッジ40の下部に配置された記録ヘッド38とを有している。記録ヘッド38には、複数の吐出口から下方に向かってインクを吐出するノズル39が設けられている。ノズル39には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。
【0038】
プラテン42の前側に配置された第2搬送ローラ対44は、下側の第2搬送ローラ62と、上側の対向ローラ(従動ローラ)63とを備えている。第2搬送ローラ対44は、記録用紙12が搬送される場合には、第2搬送ローラ62が対向ローラ63に圧接されて回転駆動される。
【0039】
経路切換部36は、第2搬送ローラ対44によって搬送される記録用紙12が当接すると、当該記録用紙12が経路切換部36の上方を通過する状態になる。また、後述されるように、経路切換部36にて反転ローラ対45へ案内された記録用紙12が搬送向きを反転されて後向きに搬送されると、経路切換部36に当該記録用紙12が当接することによって、当該記録用紙12は経路切換部36の下側へ案内される。
【0040】
反転ローラ対45は、下側に配置された反転ローラ67と、上側に配置された反転対向ローラ(従動ローラ)68とを備えている。反転ローラ67は、正逆回転可能である。反転対向ローラ68は、反転ローラ67に圧接した状態では、反転ローラ67の回転に追従して回転する。
【0041】
反転ローラ67が回転する向きは、記録用紙12が前向きに搬送される場合を正転と称し、記録用紙12が後向きに搬送される場合を逆転と称する。記録用紙12の片面にのみ画像が記録される場合には、反転ローラ67が正転され、反転ローラ対45により搬送される記録用紙12が排出トレイ21上に排出される。
【0042】
記録用紙12の両面に画像が記録される場合には、反転ローラ67が正転されて、片面に画像が記録された記録用紙12の後端部が反転ローラ対45を通過する直前まで搬送された後に、反転ローラ67が逆転される。これにより、記録用紙12は、経路切換部36に向かって後向きに搬送されて、経路切換部36の下側へ案内される。経路切換部36の下方には、反転ローラ対45から第1搬送経路33の下端部に達する分岐搬送ガイド71が設けられており、分岐搬送ガイド71によって第3搬送経路73が形成されている。分岐搬送ガイド71に沿って搬送される記録用紙12は、中間搬送ローラ対72によって第1搬送経路33の下端部へ搬送される。
【0043】
[プリンタ部11]
図3に示されるように、プリンタ部11は、筐体14の後部における左右の両側に設けられた左側面フレーム47及び右側面フレーム48によって支持されている。左側面フレーム47及び右側面フレーム48は、それぞれ前後方向8及び上下方向7に沿って広がっている。
【0044】
左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第1ガイドレール56及び第2ガイドレール57がそれぞれ架設状態で支持されている。第1ガイドレール56及び第2ガイドフレーム57には、記録部24におけるキャリッジ40の前側部分及び後側部分のそれぞれがスライド可能に支持されている。キャリッジ40は、第1ガイドレール56の上面における前側部分を摺動する。
【0045】
左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第2ガイドレール57の前側において、左右方向9に沿って長くなった帯板状のローラ支持フレーム65が支持されている。ローラ支持フレーム65の下側には、反転ローラ対45における上側の反転対向ローラ68(
図2参照)が取り付けられている。
【0046】
図5に示されるように、第1ガイドレール56の下側には、搬送される記録用紙12を左右方向9に沿って波打った状態に湾曲させるコルゲート部80が設けられている。コルゲート部80は、左右方向9の中央部に設けられた第1当接部材80Aと、第1当接部材80Aの左右の両側にそれぞれ設けられた第2当接部材80Bと、を有している。第1ガイドレール56の下側には、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bのそれぞれを第1ガイドレール56に押し付ける付勢部材90が設けられている。コルゲート部80及び付勢部材90の構成については後述する。
【0047】
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第1搬送ローラ対59における上側の第1搬送ローラ60のローラ軸60A(
図2参照)を回転可能に支持する切り欠き部47A及び48Aがそれぞれ設けられている。第1搬送ローラ60のローラ軸60Aが切り欠き部47A及び48Aに回転可能に支持されることにより、第1搬送ローラ60は
図3に示された状態になる。
【0048】
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第2搬送ローラ対44の下側の第2搬送ローラ62のローラ軸62Aの両側の端部がそれぞれ支持されている。第2搬送ローラ62のローラ軸62Aは、左側面フレーム47及び右側面フレーム48に設けられた支持孔部(図示せず)に、上下方向7に移動可能な状態で回転可能に支持されている。第2搬送ローラ対44における上側の対向ローラ63(
図2参照)は、第2ガイドレール57(
図3参照)の下側に取り付けられている。
【0049】
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、反転ローラ対45における下側の反転ローラ67のローラ軸67Aの両側の各端部を支持する支持孔部47D及び48Dがそれぞれ設けられている。反転ローラ67のローラ軸67Aは、支持孔部47D及び48Dに、上下方向7に移動可能な状態で回転可能に支持されている。第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対44との間に設けられたプラテン42は、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに支持されている。
【0050】
<プラテン42>
図4に示されるように、プラテン42は、左右方向9に沿って長くなった帯板状になっており、前側の側縁部が第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに回動可能に支持されている。プラテン42における後部上面には、コルゲート部80における各当接部81Aがそれぞれ当接する当接領域42Fが設けられている。各当接領域42Fは、平板状の当接部81Aにおける下面の全体が当接できる平坦面になっている。また、プラテン42の上面には、前後方向8に沿って上方に突出する複数のリブ(突出部)42Eが左右方向9に適当な間隔を空けて設けられている。各リブ42Eは、当接領域42F以外の領域において、プラテン42の後側の側縁から前後方向8の中程までにわたって設けられている。
【0051】
<コルゲート部80>
図5に示されるように、第1当接部材80Aは、第1ガイドレール(支持部材)56における左右方向9の中央部に取り付けられており、左右の各第2当接部材80Bは、第1当接部材80Aに対して左右の両側に所定の間隔を空けた状態で第1ガイドレール56に取り付けられている。第1当接部材80Aと、それぞれの第2当接部材80Bとの間隔は等しくなっている。
【0052】
第1当接部材80Aは、左右方向9に間隔を空けて配置された3個の当接本体81と、隣り合う当接本体81同士を連結する第1連結部82とを備えている。
【0053】
各当接本体81は、第1ガイドレール56の下面に対向するベース部81Bと、ベース部81Bの前端部(記録用紙12の搬送向きの下流側端部)に設けられた接続部81Kと、接続部81Kの前端部から前方且つ下方に湾曲状態で突出した湾曲部81Cと、湾曲部81Cの下端部(先端部)に設けられた当接部81Aとを有している。
【0054】
ベース部81Bは、平面視で長方形状の平板状をしており、それぞれの後端部には、第1ガイドレール56に係合する一対の係合部81Dが設けられている。各係合部81Dは、ベース部81Bの左右の両側から上方に向かって突出した支柱部81Eと、支柱部81Eの先端部において後方に向かって延びる係止部81Fとを有している。支柱部81Eは、前後方向8(記録用紙12の搬送向き)および左右方向9に沿った長さがそれぞれ一定になった断面長方形状になっている。
【0055】
第1ガイドレール56には、各ベース部81Bの係合部81Dが挿入される開口56Aが設けられている。各開口56Aは、第1ガイドレール56における後部、すなわち、第1ガイドレール56におけるキャリッジ40の摺動位置よりも後側に設けられている。開口56Aは、ベース部81Bにおける係止部81Fが貫通する大きさの貫通部56Bと、貫通部56Bの前側部分から右側方向に延びるスライド部56Cとを有している。スライド部56Cにおける前後方向8に沿った長さは、支柱部81Eが貫通可能であって、係止部81Fが貫通しないようになっている。
【0056】
当接本体81におけるベース部81Bの各係合部81Dは、第1ガイドレール56の開口56Aにおける貫通部56B内に係止部81Fがそれぞれ下方から挿入されて、第1ガイドレール56の上側に位置される。このような状態で、支柱部81Eが開口56Aのスライド部56Cに沿って右側方向にスライドされて、係合部81Dの係止部81Fがスライド部56Cの右側端部の上側に位置される。このような状態になると、係止部81Fは第1ガイドレール56の上面に係止して開口56Aから抜け止めされる。
【0057】
左右方向9の中央に位置する当接本体81のベース部81Bには、左右方向9の中央部に、前後方向8に沿った帯板状の板バネ部81Gが設けられている。板バネ部81Gは、ベース部81Bに切り込みを形成することによってベース部81Bの一部に形成された帯板状部分によって構成されている。ベース部81Bにおける前側の先端部には、上方に突出したボス部81Hが設けられている。ボス部81Hは、
図4に示されるように、ベース部81Bの各係合部81Dが第1ガイドレール56に係合した状態では、第1ガイドレール56に設けられた開口56Eに嵌合する。他の2つの当接本体81のベース部81Bには、このような板バネ部は設けられていない。
【0058】
図5に示されるように、ベース部81Bと湾曲部81Cとの間に設けられた接続部81Kは、ベース部81Bの前面における左右方向9に一定の間隔あけた位置から前方に突出する3つの接続本体81Mと、全ての接続本体81Mの前端部において上下方向7に沿って支持された平板状の取付部81Nとを有している(第2当接部材80Bの変形例である
図8(A)〜(D)参照)。接続本体81Mにおける後部には、第1ガイドレール56の下面に当接するように上方に突出した突部81P(
図6(B)、
図8(A)〜(D)参照)が設けられている。取付部81Nは、上下方向7及び左右方向9に沿った状態で、上下方向7の中程が、各接続本体81Mの先端に支持されている。取付部81Nにおける各接続本体81Mよりも上側の部分は、第1ガイドレール56における前側の側縁に沿った状態になっている。
【0059】
湾曲部81Cは、接続部81Kの取付部81Nにおける前面の下部に上端部が取り付けられている。湾曲部81Cは、左右方向9に沿った長さがほぼ一定であって、第1搬送ローラ対59の前側の外周部分に沿った形状になっている。湾曲部81Cは、上下方向7及び前後方向8に移動し得る可撓性を有している。
【0060】
当接部81Aは、湾曲部81Cの下端部から前方に向かって突出しており、平面視で、前側になるにつれて左右方向9に沿った長さが順次短くなった三角形状になっている。当接部81Aは、記録部24におけるノズル39よりも記録用紙12の搬送向き上流側に位置しており、記録用紙12が搬送されない状態では、プラテン42における後部上面の当接領域42Fに当接している。当接部81Aは、記録用紙12が搬送されると、当該記録用紙12に当接する。
【0061】
平板状の当接部81Aは、当接本体81における記録用紙12の搬送向きの下流側の先端部が、搬送される記録用紙12にほぼ平行な状態になっている。なお、当接部81Aはこのような構成に限らず、記録用紙12の搬送向きに沿って上向き傾斜(搬送向きの下流側になるにつれて上側に位置するように傾斜)した状態になっていてもよい。
【0062】
第1連結部82は、隣接する当接本体81のベース部81B同士を連結する一対の繋ぎ部82Aを有している。一対の繋ぎ部82Aは、それぞれが左右方向9に沿って延びており、前後方向8に沿った長さ(幅)が一定になった線材で構成されている。一対の第1連結部82の間には、前後方向8に沿った長さが一定の孔82Bが形成されている。この孔82Bは、一対の繋ぎ部82A及び隣り合うベース部81Bによって区画された長孔になっている。ベース部81Bが第1ガイドレール56に取り付けられた状態では、繋ぎ部82Aの上面は、第1ガイドレール56の下面とは上下方向7に沿った間隙を有している。繋ぎ部82Aの前後方向8の長さは、ベース部81Bに設けられた係合部81Dにおける支柱部81Eの前後方向8の長さよりも短くなっている。
【0063】
このような構成の第1連結部82は、ベース部81Bよりも左右方向9に沿った軸線を中心として周方向に捻れやすい。例えば、いずれか1つのベース部81Bに、第1連結部82における前後方向8の中央位置を通る左右方向9に沿った軸線6を中心とした回転力が加わった場合に、第1連結部82はその回転力により軸線6を中心として容易に捻れ、隣りに位置する他のベース部81Bに、軸線6を中心とした回転力の伝達が抑制される。
【0064】
第1当接部材80Aは、合成樹脂(例えばポリアセタール(POM))によって、3個の当接本体81及び2個の第1連結部82が一体として成形されている。
【0065】
図5に示されるように、第2当接部材80Bは、2個の当接本体81と、当接本体81同士を連結する第2連結部83とを有している。第2当接部材80Bにおいて左側に位置する当接本体81は、第1当接部材80Aにおける中央部に位置する当接本体81とほぼ同様の構成になっているが、ベース部81Bに設けられた板バネ部81Gの形状のみが異なっている。すなわち、第2当接部材80Bにおける板バネ部81Gは、前側の端部が右側方向に延びており、その先端部にボス部81Hが設けられている。第2当接部材80Bにおいて右側に位置する当接本体81は、第1当接部材80Aにおける左右の両側に位置する当接本体81と同様の構成になっている。
【0066】
第2当接部材80Bにおける2個の当接本体81の左右方向9に沿った間隔は、第1当接部材80Aにおける相互に隣り合う2個の当接本体81の左右方向9に沿った間隔よりも短くなっている。第2当接部材80Bの第2連結部83は、一対の繋ぎ部83Aを有しているが、それぞれの繋ぎ部83Aの長さが、第1当接部材80Aの第1連結部82における繋ぎ部82Aよりも短くなっていること以外は、第1当接部材80Aの第1連結部82と同様の構成になっている。従って、第2当接部材80Bの第2連結部83にも、一対の繋ぎ部83A及び一対のベース部81Bによって区画された孔83Bが設けられており、この孔83Bの左右方向9に沿った長さは、第1当接部材80Aの第1連結部82における孔82Bよりも短くなっている。
【0067】
このような構成の第2連結部83も、両側のベース部81Bよりも、左右方向9に沿った軸線6を中心として捻れやすい。例えば、いずれか一方のベース部81Bに、第2連結部83に軸線6を中心とした回転力が加わった場合に、第2連結部83が、その回転力により軸線6を中心として容易に捻れ、軸線6を中心とした回転力が他方のベース部81Bに伝達されることが抑制される。
【0068】
第2当接部材80Bも、合成樹脂(例えばポリアセタール(POM))により、2個の当接本体81及び1個の第2連結部83が一体として成形されている。なお、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bのそれぞれは、一体成型された構成に限らず、複数の部材が嵌合等によって組み合わせられた構成であってもよい。
【0069】
<付勢部材>
図5に示されるように、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bは、ガイドレール56に支持された状態において、付勢部材90によって下方から押圧されている。付勢部材90は、左右方向9に沿って長くなった前側壁91及び後側壁92を有する概ね箱形状に構成されており、上側が開放された状態になっている。
【0070】
図7(A)に示されるように、前側壁91の上側縁部には、複数の付勢部91Aが左右方向9に間隔をあけて設けられている。各付勢部91Aは、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bにおける各当接本体81のベース部81Bの下側にそれぞれ位置しており、それぞれが、左右方向9に沿って延びる板バネ形状に形成されている。各付勢部91Aにおける長手方向の一方の端部は、前側壁91と一体となっており、従って、付勢部91Aにおける長手方向の他方の端部(先端部)の外側および付勢部91Aの下側には空間91Cが形成されている。このような構成により、それぞれの付勢部91Aは、先端部が上下方向7に変位可能な可撓性を有している。
【0071】
各付勢部91Aの先端部には上方に向かって突出した押圧部91Bが設けられている。各押圧部91Bは、当接本体81のベース部81Bの前部における左右方向9の中央部にそれぞれ当接して、ベース部81Bにおける前部を上方に押し上げている。
【0072】
図7(A)に示されるように、付勢部材90には、当該付勢部材90を第1ガイドレール56に支持するための4つの支持部材93が設けられている。各支持部材93は、付勢部材90の底板94における前後方向8の中程であって左右方向9に一定の間隔を空けた位置から、上方に向かって突出している。支持部材93の上端部には、前向きに延びる係合部93Aが設けられている。なお、支持部材93の個数は4個に限らない。
【0073】
図5に示されるように、第1ガイドレール56における前後方向8の中程であって、キャリッジ40の摺動位置の後側には、4個の係合孔56Dが左右方向9に沿って形成されている。各係合孔56Dは、各支持部材93のそれぞれに対応した位置に設けられている。係合孔56Dの左側部分は、支持部材93の上端部に設けられた係合部93Aが貫通し得る大きさになっており、係合孔56Dの右側部分は、係合部93Aは貫通できないが、係合部93Aの下側部分が貫通できる大きさに形成されている。従って、支持部材93の係合部93Aを、係合孔56Dの左側部分に挿入して第1ガイドレール56の上側に位置された後に右側方向にスライドさせることによって、係合部93Aは、第1ガイドレール56の上面に係合させることができる。全ての支持部材93の係合部93Aが第1ガイドレール56の上面に係合されることにより、付勢部材90は第1ガイドレール56に支持される。
【0074】
付勢部材90が第1ガイドレールに支持された状態になると、前側壁91に設けられた各付勢部91Aの押圧部91Bが、当接本体81におけるベース部81Bの前部に圧接される。これにより、当接本体81における接続部81Kの突部81Pが第1ガイドレール56の下面に押し付けられる。当接本体81は、ベース部81Bの後部に設けられた係合部81Dが第1ガイドレール56に係合されているために、ベース部81Bの前側に位置する接続部81Kの突部81Pが第1ガイドレール56の下面に押し付けられることにより、湾曲部81Cは、下端部の当接部81Aが上方に持ち上げられるように撓む。その結果、当接部81Aの先端部が上方に変位し、当接部81Aは搬送される記録用紙12にほぼ平行な状態、或いは、搬送向きに沿って上向き傾斜した状態とされる。
【0075】
図7(B)に示されるように、付勢部材90における後側壁92の下部には、後方に向かって突出する複数の第1ガイド部材95が前後方向8に沿って設けられている。各第1ガイド部材95は、左右方向9に間隔をあけた状態で配置されている。第1ガイド部材95における後側の側縁部は、後側になるにつれて上側に位置するように傾斜しており、後端部が、後側壁92における上下方向7の中程の高さになっている。第1ガイド部材95は、第1搬送経路33から搬送される記録用紙12を、付勢部材90における底板94の下方に案内する。
【0076】
底板94の下面には、第1ガイド部材95にて案内される記録用紙12を第1搬送ローラ対59へ案内する第2ガイド部材96が設けられている。付勢部材90は、樹脂によって一体に成型されており、従って、後側壁92及び第1ガイド部材95、底板94及び第2ガイド部材96は一体に形成されている。
【0077】
<コルゲート部80及び付勢部材90の作用>
給送トレイ20の記録用紙12は、第1搬送経路33から第1搬送ローラ対59へ中央基準で搬送されると、付勢部材90の第1ガイド部材95及び第2ガイド部材96に案内されてプラテン42上に搬送される。このとき、第1搬送ローラ対59によって搬送される記録用紙12が、第1当接部材80Aにおける各当接本体81の当接部81Aに当接すると、当接部81Aが当接した記録用紙12は、プラテン本体42Aにおける当接領域42Fに押し付けられる。各当接領域42Fの左右の両側には、前後方向8に沿ったリブ42Eがそれぞれ設けられているために、記録用紙12における当接部81Aが当接した部分は、リブ42Eにおける記録用紙12の当接部分よりも、記録部24から離れた下側になる。これにより、当接部81Aによって当接領域42Fに押し付けられた記録用紙12の部分は、下側に突出するように湾曲する。
【0078】
この場合、第1当接部材80Aにおける各当接本体81の各当接部81Aには、記録用紙12からの反力が加わる。この反力により、当接部81Aは上方へ移動し、湾曲部81Cが上方に変位した状態になる。これにより、ベース部81Bも、前側の端部が上方に変位する。このとき、隣り合う当接本体81同士を連結する第1連結部82は、両者の間に孔82Bが形成された一対の繋ぎ部82Aによって連結されているために、いずれか一方または両方の当接本体81において変形が生じても、軸線6を中心として回転するように捻れることになる。これにより、第1連結体82の両側の当接本体81のいずれか一方の変位により、他方の当接本体81が変位することが抑制される。従って、一方の当接本体81の変位によって、他方の当接本体81の当接部81Aにおける記録用紙12に対する押圧力が変化することが抑制される。
【0079】
第2当接部材80Bにおいても同様であり、当接部81Aが記録用紙12に当接すると、記録用紙12における当接部81Aの当接部分が、プラテン42における当接領域42Fに押し付けられて湾曲した状態になる。この場合にも、第2連結部83の両側のいずれか一方の当接本体81が変位しても、他方の当接本体81が変位することが、第2連結部83によって抑制される。
【0080】
このように、プラテン42における当接領域42Fと、当接領域42Fにおける左右の両側の各リブ42Eと、当該当接領域42Fに対向する当接部81Aとの協働により、記録用紙12は湾曲状態とされる。その結果、記録用紙12は、左右方向9に沿って波打った状態とされる。その後、記録用紙12の波打った部分がプラテン42の所定位置において停止されて、記録部24により画像が記録される。この場合、記録用紙12が波打った状態になっていることにより、インク滴によって画像が形成される記録用紙12のコックリングの発生を抑制することができる。
【0081】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bにおけるそれぞれの当接本体81の当接部81Aが記録用紙12に当接した場合に、当接本体81の変位が第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれによって吸収されるために、その変位した当接部81Aに隣接する当接本体81が変位するおそれがない。これにより、各当接本体81の当接部81Aによって記録用紙12に所望の圧力を加えることができ、記録用紙12を左右方向9に沿って所望の波打ち状態とすることができる。
【0082】
第1当接部材80A及び第2当接部材80Bは、各当接本体81のベース部81Bに設けられた係合部81Dが第1ガイドレール56に係合しており、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが、隣接するベース部81B同士を連結している。これにより、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bを、第1ガイドレール56における所定の位置に容易に取り付けることができる。
【0083】
第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれは、第1ガイドレール56とは上下方向7において間隙を有していることにより、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが捻れた場合に、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが、第1ガイドレール56に接触して捻れが妨げられるおそれがない。
【0084】
第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれは、前後方向8に沿った長さが係合部81Dの前後方向8に沿った長さよりも短い部分を有している。これにより、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれの両側の当接部81Aのいずれかが記録用紙12に当接した場合に、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが容易に捻れた状態になる。
【0085】
また、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが孔82B及び83Bを有していることにより、それぞれがより容易に捻じれた状態になる。第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれの孔82B及び83Bが、繋ぎ部82A及び83Aによった区画された長孔であると、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれが、より一層容易に捻じれた状態になる。
【0086】
第1連結部82の孔82Bの左右方向9に沿った長さが、第2連結部83の孔83Bより長くなっているために、第1連結部82及び第2連結部83のそれぞれは、当接部81Aが記録用紙12に当接する位置に適した捻じれ状態になる。
【0087】
第1ガイドフレーム56は、記録部24を左右方向9に移動可能に支持しているために、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bを配置するためのスペースが小さくなる。
【0088】
第1当接部材80A及び第2当接部材80Bは、合成樹脂により一体に成形されたものである。これにより、第1当接部材80A及び第2当接部材80Bの製造が容易になる。
【0089】
記録部24は、ノズル39からインク滴を吐出することによって記録用紙12に画像を記録するものである。これにより、インク滴によって形成される画像の画質を向上させることができる。
【0090】
当接部81Aは、ノズル39よりも搬送向きの上流側に位置している。これにより、インク滴によって画像が形成されるシートのコックリングを防止することができる。
【0091】
[変形例1]
図8(A)は、第2当接部材80Bの第2連結部83における変形例1を示している。この第2連結部83は、左右両側の当接本体81におけるベース部81Bから左右方向9の中央部に向かって突出した平板状の連結本体83Dと、第2連結部83における左右方向9の中央部において、左右の連結本体83D同士を接続する接続部83Eとによって構成されている。各連結本体83Dは、同様の形状になっており、各連結本体83Dにおける前後方向8の中央部同士が接続部83Eによって接続されている。接続部83Eの前後方向8の長さは、それぞれの連結本体83Dの前後方向8の長さよりも短くなっている。第2連結部83は、左右方向9のいずれか一方の端部に、軸線6を中心とした回転力が加わった場合に、その回転力により、軸線6を中心として容易に捻れた状態になる。従って、一方の当接本体81の変位により、他方の当接本体81の当接部81Aにおける記録用紙12に対する押圧力が変化することを抑制できる。第1当接部材の第1連結部82についても同様の構成とすることができる。
【0092】
[変形例2]
変形例2における第2当接部材80Bの第2連結部83は、
図8(B)に示されるように、1本の繋ぎ部83Fによって構成されている。繋ぎ部83Fは、一定幅の線材によって構成されており、左右両側の当接本体81におけるベース部81Bの前後方向8の中央部同士を接続している。繋ぎ部83Fの左右方向9に沿った中心線は軸線6にほぼ一致している。このような構成でも、一方の当接本体81の変位により、他方の当接本体81の当接部81Aにおける記録用紙12に対する押圧力が変化することを抑制できる。第1当接部材の第1連結部82についても同様の構成とすることができる。
【0093】
[変形例3]
変形例3における第2当接部材80Bの第2連結部83は、
図8(C)に示されるように、一定幅の1本の線材を屈曲させた形状の繋ぎ部83Gによって構成されている。繋ぎ部83Gは、両側の当接本体81のベース部81Bにおける前側の部分から、第2連結部83における左右方向9の中央部に向かって突出しており、第2連結部83における左右方向9の中央部は、後側に突出するように屈曲した屈曲部83Hになっている。この屈曲部83Hにおける後側部分は、左右方向9に沿った直線部83Jになっており、直線部83Jにおける左右方向9に沿った中心軸が、軸線6にほぼ一致している。このような構成によっても、一方の当接本体81の変位により、他方の当接本体81の当接部81Aにおける記録用紙12に対する押圧力が変化することを抑制できる。なお、屈曲部83Hは、前側に突出する構成であってもよい。第1当接部材の第1連結部82についても同様の構成とすることができる。
【0094】
[変形例4]
変形例4における第2当接部材80Bの第2連結部83は、
図8(D)に示されるように、一定幅の帯板状の繋ぎ板83Kによって構成されている。繋ぎ板83Kは、前後方向8の長さが一定になっており、前後方向8の中央部を通る中心線が、軸線6にほぼ一致している。繋ぎ板83Kにおける左右方向9の中央部には、前後方向8に沿った溝部83Mが形成されてる。溝部83Mは、上方に向かって開口している。従って、繋ぎ板83Kにおける左右方向9の中央部における厚さが,他の部分よりも薄くなっている。このような構成でも、一方の当接本体81の変位により、他方の当接本体81の当接部81Aにおける記録用紙12に対する押圧力が変化することを抑制できる。第1当接部材の第1連結部82についても同様の構成とすることができる。
【0095】
[他の変形例]
第1当接部材80A及び第2当接部材80Bのそれぞれの当接本体81の当接部81Aは、記録用紙12を湾曲させる構成に限らず、記録用紙12の上側から当接して、プラテン42からの浮き上がりを抑制する構成であればよい。この場合には、プラテン42にリブ42Eを設けない構成、あるいは、当接部81Aを、プラテン42のリブ42Eの間の当接領域42Fよりも常時上側に位置する構成とされる。
【0096】
第1当接部材80A及び第2当接部材80Bは、記録部24における記録用紙12の搬送向きの上流側に配置されていたが、記録部24における記録用紙12の搬送向きの下流側に配置する構成としてもよい。
【0097】
また、コルゲート部80は、第1当接部材80A及び2つの第2当接部材80Bの3つによって構成されていたが、これらの3つの全てが連結された1つの当接部材によって構成としてもよい。この場合には、当接部81A、第1連結部82及び第2連結部83の全てを一体成形することができる。
【0098】
さらに、第1搬送経路33及び第2搬送経路34は、記録用紙12を中央基準で搬送し、記録部24も、中央基準で記録用紙12に画像を記録する構成であったが、第1搬送経路33及び第2搬送経路34のそれぞれにおいて、記録用紙12における搬送向きとは直交する幅方向のいずれか一方の側縁位置を基準とする片側基準で記録用紙12を搬送する構成としてもよい。この場合には、記録部24において、記録用紙12の幅方向の一方の側縁を基準とした片側基準で画像が形成される。