(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1通知を受信する前に、前記判断処理において前記記録媒体が取り除かれたと判断した場合、前記他の画像記録装置において、前記1の印刷ジョブに基づく画像が記録された記録媒体が取り除かれていないことを識別可能な表示を前記表示部に表示する表示処理を、さらに実行することを特徴とする、請求項3記載の画像記録装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、システム1の構成を示すブロック図である。システム1は、複数台のデバイスを連携させることにより特定の機能を実現するシステムである。システム1は、スキャナ10と、プリンタ100とを含む。なお、スキャナ10が、本発明の画像読取装置の一実施形態である。また、プリンタ100が、本発明の画像記録装置の一実施形態である。
【0024】
図1には、1台のスキャナ10と、3台のプリンタ100とを含むシステム1を例示する。
図1において、システム1に含まれる3台のプリンタ100は、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、第3プリンタ100Cである。なお、システム1を構成するスキャナ10およびプリンタ100の数は、
図1に示す例に限定されない。
【0025】
本実施形態のシステム1は、1台のスキャナ10と1台のプリンタ100とを連携させることにより、コピー機能を実現する。つまり、スキャナ10により原稿の画像を読み取り、当該読み取りにより得られた画像データ(以下「スキャンデータ」と称す)に基づく画像をプリンタ100により記録用紙に印刷する。
【0026】
詳細は後述するが、本実施形態のスキャナ10およびプリンタ100は、システム1においてコピー機能を実現する場合に、スキャナ10で読み取られた原稿と、プリンタ100により画像が印刷された記録用紙とが、各装置10,100にて取り残されることを抑制できるよう構成される。
【0027】
スキャナ10には、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ部18、センサ19、無線通信部20が主に設けられている。これらの各部は、入出力ポート21を介して互いに接続されている。
【0028】
CPU11は、ROM12、RAM13に記憶されるプログラムやデータに従って、入出力ポート21と接続された各部を制御する。フラッシュメモリ12は、CPU11により実行される各種プログラムや、そのプログラムを実行する際に参照する定数やテーブルを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0029】
フラッシュメモリ12には、スキャナ10の動作を制御する制御プログラム12aなどが格納される。後述する
図2(a)のフローチャートにおいてCPU11が実行する各処理は、CPU11が制御プログラム12aに従い実行する処理である。RAM13は、CPU11が制御プログラム12aを実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。
【0030】
操作キー15は、スキャナ10の筐体に設けられるメカニカルキーであり、各種の設定値や指示などをユーザから受け付ける。LCD16は、液晶表示装置であり、各種画面を表示する。LCD16の画面には、タッチパネル17がLCD16に重ねて設けられる。タッチパネル17は、例えば、指や棒などの指示体がLCD16の画面に対して接触又は近づいた場合に、接触又は近づいた位置を検知し、検知した位置をCPU11に入力する。
【0031】
スキャナ部18は、原稿の画像を読み取ってスキャンデータに変換する。本実施形態のスキャナ部18は、オート・ドキュメント・フィーダー(図示せず)により原稿を搬送することにより、当該原稿の画像をコンタクトイメージセンサ(図示せず)を用いて読み取った後、排紙トレイT1に排紙する。
【0032】
センサ19は、排紙トレイT1上における原稿の有無を検知し、検知結果に応じた信号をCPU11に出力する。センサ19は、排紙トレイT1に設けられる。センサ19は、排紙トレイT1上に載置された原稿の重さで下降し、周知の光学センサ(図示せず)の光路を遮断することで排紙トレイT1上の原稿の有無を検知する。
【0033】
無線通信部20は、無線LAN規格による通信(無線LAN通信)を行うためのインタフェースである。本実施形態では、無線通信部20が行う無線LAN通信は、IEEE802.11b/g/nの規格に準拠した無線LANによる無線通信である。スキャナ10は、無線通信部20を介して、アクセスポイント(以下「AP」と称す)50との間で、Wi−Fi(登録商標)規格に基づく無線通信を行うことができる。AP50は、Wi−Fi規格に基づく無線通信を中継する中継装置であり、スキャナ10は、AP50を介して、無線通信部120を有するプリンタ100と無線通信を行うことができる。
【0034】
第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および第3プリンタ100Cは、基本構成が共通するので、第1プリンタ100Aのみ内部構成を図示し、第2プリンタ100Bおよび第3プリンタ100Cの内部構成の図示は省略する。第1プリンタ100Aには、CPU111、フラッシュメモリ112、RAM113、操作キー115、LCD116、タッチパネル117、プリンタ部118、センサ119、無線通信部120が主に設けられている。これらの各部は、入出力ポート121を介して互いに接続されている。
【0035】
CPU111は、ROM112、RAM113に記憶されるプログラムやデータに従って、入出力ポート121と接続された各部を制御する。フラッシュメモリ112は、CPU11により実行される各種プログラムや、そのプログラムを実行する際に参照する定数やテーブルを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0036】
フラッシュメモリ112には、プリンタ100の動作を制御する制御プログラム112aなどが格納される。後述する
図2(b)のフローチャートにおいてCPU111が実行する各処理は、CPU111が制御プログラム112aに従い実行する処理である。RAM113は、CPU111が制御プログラム112aを実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。
【0037】
操作キー115、LCD116、およびタッチパネル117は、それぞれ、プリンタ100に搭載されていること以外、上述した操作キー15、LCD16、およびタッチパネル17と同様に構成される。
【0038】
プリンタ部118は、画像データに基づく画像を記録用紙に印刷する。具体的に、プリンタ部118は、給紙トレイ(図示せず)から給紙された記録用紙に、画像データに基づく画像を、記録ヘッド(図示せず)を用いて印刷し、排紙トレイT2に排紙する。センサ119は、排紙トレイT2上における原稿の有無を検知し、検知結果に応じた信号をCPU111に出力する。センサ119は、排紙トレイT2に設けられる。センサ119は、センサ19と同様のセンサとして構成される。
【0039】
無線通信部120は、無線通信部20と同様、無線LAN通信を行うためのインタフェースである。プリンタ100は、無線通信部120およびAP50を介して、無線通信部20を有するスキャナ10と無線通信を行うことができる。
【0040】
図2を参照して、本実施形態のシステム1にてコピー機能を実現するために、スキャナ10およびプリンタ100がそれぞれ実行する処理について説明する。
図2(a)は、スキャナ10のCPU11が制御プログラム12aに従って実行する画像読取処理を示すフローチャートである。本処理は、ユーザがタッチパネル17を介して入力した、プリンタ100との連携によるコピー機能を実行する指示で(以下「コピー機能実行指示」と称す)を、CPU11が受け付けた場合に開始される。
【0041】
CPU11は、連携設定処理を実行する(S101)。具体的に、CPU11は、ユーザがタッチパネル17を介して選択した1台のプリンタ100を、コピー機能を実現するために連携するプリンタとして設定する。以下、コピー機能を実現するために連携するプリンタとして設定されたプリンタ100を、「連携プリンタ100」と称することがある。
【0042】
システム1に含まれるプリンタ100は、スキャナ10に予め登録されており、ユーザは、登録されたプリンタ100の中から、1台のプリンタを連携先プリンタとして選択する。
図1に示す例では、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および第3プリンタ100Cが登録されており、プリンタ100A〜100Cのいずれかを、連携プリンタとして選択できる。
【0043】
CPU11は、連携プリンタ100、すなわち、S101にて設定されたプリンタ100に連携指示およびホスト情報を送信する(S102)。ホスト情報は、ホスト装置としてのスキャナ10の接続情報である。連携プリンタ100は、連携指示を受信すると、
図2(b)に示す処理を開始する。CPU11は、S102の処理後、原稿の読み取りを開始する(S103)。
【0044】
CPU11は、1ページ分の原稿の読み取りが完了する毎に、当該1ページ分の原稿について得られたスキャンデータを、連携プリンタ100に送信する(S104)。スキャンデータを受信した連携プリンタ100は、受信したスキャンデータに基づく画像を記録用紙に印刷する。CPU11は、全ページ分のスキャンデータの送信が完了するまで(S105:No)、1ページずつスキャンデータを送信する。
【0045】
全ページ分のスキャンデータの送信が完了したと、CPU11が判断した場合(S105:Yes)、CPU11は、連携プリンタ100からの問い合わせの受信を待機する(S106)。問い合わせは、連携プリンタ100が後述するP106の処理にて送信する。問い合わせを受信したと、CPU11が判断した場合(S106:Yes)。CPU11は、センサ19から出力される信号に基づいて、読み取り対象の原稿の回収状況を判断する(S107)。具体的に、CPU11は、スキャナ10の排紙トレイT1上の原稿の有無を判断する。
【0046】
CPU11は、問い合わせに対する応答として、回収状況情報を連携プリンタ100に返信し(S108)、本処理を終了する。回収状況情報は、読み取り対象の原稿がスキャナ10から回収されたか否か(すなわち、取り除かれたか否か)を示す情報である。S108において、CPU11は、S107の判断に応じた回収状況情報を、問い合わせ元の連携プリンタ100に送信する。
【0047】
つまり、S107にて排紙トレイT1上に原稿が存在すると判断された場合、CPU11は、スキャナ10にて原稿が未だ回収されていないことを示す情報を、回収状況情報として、連携プリンタ100に送信する。一方、S107にて排紙トレイT1上に原稿が存在しないと判断された場合、CPU11は、スキャナ10にて原稿が回収済みであることを示す情報を、回収状況情報として、連携プリンタ100に送信する。
【0048】
図2(b)は、連携プリンタ100のCPU111が制御プログラム112aに従って実行する画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、連携プリンタ100が、スキャナ10から連携指示を受信した場合に開始される。
【0049】
CPU111は、連携設定処理を実行する(P101)。具体的に、CPU111は、スキャナ10から受信したホスト情報をRAM113に記憶する。CPU111は、スキャナ10から送信されたスキャンデータを1ページ分ずつ受信し(P102)、受信したスキャンデータに基づく画像の印刷を開始する(P103)。CPU111は、全ページ分のスキャンデータの受信が完了するまで(P104:No)、P102およびP103の処理を繰り返す。
【0050】
全ページ分のスキャンデータの受信が完了したと、CPU111が判断した場合(P104:Yes)、CPU111は、自装置(すなわち、プリンタ100)の排紙トレイT2から、画像が印刷された記録用紙(以下「印刷物」と称す)が回収されたかを判断する(P105)。CPU111は、P105の判断を、センサ119から出力される信号に基づいて行う。
【0051】
CPU111は、印刷物が排紙トレイT2から回収されたと判断するまで(P105:No)、当該判断を繰り返し実行する。印刷物が排紙トレイT2から回収されたと、CPU111が判断した場合(P105:Yes)、CPU111は、ホストのスキャナ10に問い合わせを送信する(P106)。当該問い合わせの結果、CPU111は、問い合わせの送信先のスキャナ10から、回収状況情報を受信する(P107)。
【0052】
CPU111は、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(P108)。回収対象物は、スキャナ10にて読み取り対象にした原稿と、連携プリンタ100の排紙トレイT2に排紙された印刷物である。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU111が判断した場合(P108:Yes)、本処理を終了する。
【0053】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU111が判断した場合(P108:No)、CPU111は、未回収情報をLCD116に表示し(P109)、本処理を終了する。未回収情報は、全ての回収対象物のうち、未だ回収されていない回収対象物を報せる情報である。
【0054】
本実施形態において、P108の判断は、印刷物が回収済みであることを条件として実行されるので、P108の判断が否定される状況は、スキャナ10から受信した回収状況情報が、スキャナ10にて原稿が回収済みでないことを示す場合に生じる。よって、P109により表示される未回収情報は、スキャナ10にて原稿が未だ回収されていないことを報せる情報である。なお、スキャナ10から原稿を回収するよう促す情報を、未回収情報として表示する構成であってもよい。
【0055】
次に、
図3を参照して、本実施形態のシステム1においてコピー機能を実現するスキャナ10およびプリンタ100の動作例を説明する。
図3は、本実施形態のシステム1におけるスキャナ10およびプリンタ100の動作例を示すシーケンス図である。
図3には、スキャナ10と第1プリンタ100Aとの連携によりコピー機能を実現する場合を例示する。
【0056】
なお、
図3のシーケンス図において、各装置10,100Aが実行する各処理は、
図2(a)または
図2(b)のフローチャートの中で実行される処理である。よって、
図3において、上述したフローチャートと同一の処理には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3のシーケンス図の説明では、各処理を実行する主体である「スキャナ10のCPU11」および「プリンタ100のCPU111」を、それぞれ、「スキャナ10」および「第1プリンタ100A」と称する。
【0057】
第1プリンタ100Aが、排紙トレイT2から印刷物が回収されたと判断すると(P105:Yes)、第1プリンタ100Aは、スキャナ10に問い合わせを送信する(P106)。スキャナ10は、第1プリンタ100Aを受信した場合、読み取り対象の原稿の回収状況を判断する(S107)。スキャナ10は、問い合わせに対する応答として、S107の判断結果に応じた回収状況情報を第1プリンタ100Aに送信する(S108)。
【0058】
第1プリンタ100Aは、スキャナ10から受信した回収状況情報に基づいて、全ての回収対象物が回収されたかを判断する(P108)。第1プリンタ100Aが、全ての回収対象物が回収済みでないと判断した場合(P108:No)、第1プリンタ100Aは、未回収情報をLCD116に表示する(P109)。
【0059】
図3に示す例において、全ての回収対象物が回収済みでないと判断される状況は、スキャナ10に原稿が残っている状況である。よって、第1プリンタ100Aは、P109において、スキャナ10に原稿が残っている旨をLCD116に表示する。一方、第1プリンタ100Aが、全ての回収対象物が回収されていると判断した場合(P108:Yes)、第1プリンタ100Aにて未回収情報は表示されない。
【0060】
スキャナ10とプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する場合、読み取り対象の原稿および印刷物を、それぞれ、スキャナ10およびプリンタ100から回収する必要があるため、原稿または印刷物を回収し忘れる可能性がある。これに対し、第1実施形態のプリンタ100は、印刷物が回収された場合に、スキャナ10にて原稿が回収されていない場合には、スキャナ10に原稿が残っている旨をLCD116に表示する。よって、ユーザは、印刷物は回収したものの、スキャナ10にまだ未回収の原稿が残っていることを把握できるので、原稿の回収忘れを抑制できる。
【0061】
次に、
図4および
図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、1台のスキャナ10と1台のプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する構成とした。
【0062】
これに対し、第2実施形態では、1台のスキャナ10と、複数台のプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する。例えば、
図2に示す例において、1台のスキャナ10と、複数台のプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する。つまり、本実施形態のシステム1では、スキャナ10により原稿の画像を読み取り、得られたスキャンデータを複数台のプリンタ100に分割し、各プリンタ100にて記録用紙に印刷する。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。以下、第2実施形態に特有の構成を中心に説明する。
【0063】
図4(a)は、第2実施形態の画像読取処理を示すフローチャートである。本処理は、スキャナ10のCPU11が第2実施形態の制御プログラム12aに従い実行する処理である。本処理もまた、第1実施形態と同様、CPU11がコピー機能実行指示を受け付けた場合に開始される。
【0064】
本実施形態では、連携設定処理(S101)において、CPU11は、ユーザ操作により選択された複数台のプリンタ100を、連携プリンタ100として設定するとともに、ユーザ操作により指定された、複数台の連携プリンタ100に対する印刷ページの割り振りを設定する。
【0065】
CPU11は、回収状況情報の初期値をRAM13に記憶する(S201)。本実施形態の回収状況情報は、スキャナ10または連携プリンタ100から、回収対象物である、読み取り対象の原稿または印刷物が回収されたか否かを示す情報である。回収状況情報の初期値は、読み取り対象の原稿または印刷物が回収されていないことを示す値である。よって、CPU11は、S201において、スキャナ10および連携プリンタ100の各々について、回収状況情報の初期値として、読み取り対象の原稿または印刷物が回収されていないことを示す値を記憶する。
【0066】
CPU11は、第1実施形態と同様に、S102〜S105の処理を実行する。全ページ分のスキャンデータの送信が完了したと、CPU11が判断した場合(S105:Yes)、CPU11は、連携プリンタ100から、回収済み情報および問い合わせを受信したかを判断する(S202)。回収済み情報は、連携プリンタ100が、自装置にて印刷物の回収が検知された場合に、後述するP201の処理にて送信する情報である。つまり、回収済み情報は、当該回収済み情報の送信元の連携プリンタ100において、印刷物が回収されたことを示す情報である。
【0067】
回収済み情報および問い合わせを受信していないと、CPU11が判断した場合(S202:No)、CPU11は、処理をS204に移行する。一方、回収済み情報および問い合わせを受信したと、CPU11が判断した場合(S202:Yes)、CPU11は、RAM13に記憶される回収状況情報を更新する(S203)。具体的に、CPU11は、回収済み情報の送信元の連携プリンタ100に対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する。
【0068】
CPU11は、問い合わせに対する応答として、S203による更新後の回収状況情報を、問い合わせ元、すなわち、回収済み情報の送信元の連携プリンタ100に返信する(S108)。CPU11は、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(S204)。本実施形態における回収対象物は、スキャナ10にて読み取り対象にした原稿と、複数台の連携プリンタ100の各排紙トレイT2に排紙された印刷物である。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU11が判断した場合(S204:Yes)、CPU11は、本処理を終了する。
【0069】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU11が判断した場合(S204:No)、CPU11は、処理をS205に移行する。S205において、CPU11は、自装置(すなわち、スキャナ10)の排紙トレイT1から、読み取り対象の原稿が回収されたかを判断する。CPU11は、S205の判断を、センサ19から出力される信号に基づいて行う。
【0070】
原稿が排紙トレイT1から回収されたと、CPU11が判断した場合(S205:Yes)、CPU11は、RAM13に記憶される回収状況情報を更新する(S206)。具体的に、CPU11は、自装置に対する回収状況情報の値を、原稿が回収されたことを示す値に更新する。なお、自装置に対する回収状況情報の値が既に原稿が回収されたことを示す値に更新されている場合、CPU11は、その値を維持する。
【0071】
CPU11は、S204と同様に、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(S207)。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU11が判断した場合(S207:Yes)、CPU11は、本処理を終了する。
【0072】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU11が判断した場合(S207:No)、CPU11は、S206による更新後の回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD16に表示し(S208)、処理をS202に移行する。なお、未回収情報がLCD16に既に表示されている場合、CPU11は、その時点における回収状況情報に基づいて、表示中の未回収情報を更新する。よって、S204〜S207の処理によれば、全ての連携プリンタ100にて印刷物の回収が完了する前に、自装置にて原稿が回収された場合に、未回収情報がLCD16に表示される。
【0073】
図4(b)は、第2実施形態の画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、プリンタ100のCPU111が第2実施形態の制御プログラム112aに従い実行する処理である。本処理は、連携プリンタ100が、スキャナ10から連携指示を受信した場合に開始される。つまり、
図4(b)の画像記録処理は、連携プリンタ100として選択された各プリンタ100においてそれぞれ実行される。
【0074】
CPU111は、第1実施形態と同様に、P101〜P105の処理を実行する。印刷物が排紙トレイT2から回収されたと、CPU111が判断した場合(P105:Yes)、CPU111は、ホストのスキャナ10に、印刷物が回収されたことを示す回収済み情報を送信するとともに、問い合わせを送信する(P201)。
【0075】
CPU111は、問い合わせの送信先のスキャナ10から、回収状況情報を受信する(P107)。CPU111は、回収状況情報を受信した後、第1実施形態と同様に、P108の判断を実行する。全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU111が判断した場合(P108:No)、CPU111は、P107にて受信した各回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示し(P109)、本処理を終了する。
【0076】
次に、
図5を参照して、本実施形態のシステム1においてコピー機能を実現するスキャナ10およびプリンタ100の動作例を説明する。
図5は、本実施形態のシステム1におけるスキャナ10およびプリンタ100の動作例を示すシーケンス図である。
図5には、スキャナ10と第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの連携によりコピー機能を実現する場合であって、第1プリンタ100A、スキャナ10、および第2プリンタ100Bの順で、回収対象物である原稿または印刷物が回収された場合を例示する。
【0077】
なお、
図5のシーケンス図において、各装置10,100A,100Bが実行する各処理は、
図4(a)または
図4(b)のフローチャートの中で実行される処理である。よって、
図5において、上述したフローチャートと同一の処理には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5のシーケンス図の説明では、各処理を実行する主体である「スキャナ10のCPU11」および「プリンタ100のCPU111」を、それぞれ、「スキャナ10」、および「第1プリンタ100A」または「第2プリンタ100B」と称する。
【0078】
各装置10,100A,100Bのうち、まず、第1プリンタ100Aが、排紙トレイT2から印刷物が回収されたと判断すると(P105:Yes)、第1プリンタ100Aは、回収済み情報および問い合わせをスキャナ10に送信する(P201)。
【0079】
スキャナ10は、第1プリンタ100Aから受信した回収済み情報に基づき、RAM13に記憶される回収状況情報のうち、第1プリンタ100Aに対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(S203)。当該更新の結果、第1プリンタ100Aに対する回収状況情報が、印刷物が回収されたことを示す一方で、スキャナ10および第2プリンタ100Bに対する回収状況情報は、原稿または印刷物が回収されていないことを示す。
【0080】
スキャナ10は、S203による更新後の回収状況情報を第1プリンタ100Aに送信する(S108)。この場合、全ての回収対象物が回収されていないので、第1プリンタ100Aは、スキャナ10から受信した回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示する(P109)。
【0081】
図5に示す例において、第1プリンタ100Aがスキャナ10から受信した回収状況情報は、スキャナ10および第2プリンタ100Bに対する回収状況情報が、原稿または印刷物が回収されていないことを示す。よって、第1プリンタ100Aは、P109において、スキャナ10と第2プリンタ100Bに原稿と印刷物が残っている旨をLCD116に表示する。
【0082】
その後、スキャナ100が、原稿が排紙トレイT1から回収されたことを検知した場合、すなわち、S205の判断を肯定した場合、スキャナ10は、RAM13に記憶される回収状況情報のうち、自装置に対する回収状況情報の値を、原稿が回収されたことを示す値に更新する(S206)。当該更新の結果、スキャナ10および第1プリンタ100Aに対する回収状況情報が、原稿または印刷物が回収されたことを示す一方で、第2プリンタ100Bに対する回収状況情報は、印刷物が回収されていないことを示す。
【0083】
S206による更新後の回収状況情報によれば、第2プリンタ100Bでは未だ印刷物が回収されていないので、スキャナ10は、更新後の回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD16に表示する(S208)。
図5に示す例において、この時点における回収状況情報は、第2プリンタ100Bに対する回収状況情報が、印刷物が回収されていないことを示すので、スキャナ10は、S208において、第2プリンタ100Bに印刷物が残っている旨をLCD16に表示する。
【0084】
最後に、第2プリンタ100Bが、印刷物が排紙トレイT2から回収されたと判断すると(P105:Yes)、第2プリンタ100Bは、回収済み情報および問い合わせをスキャナ10に送信する(P201)。
【0085】
スキャナ10は、第2プリンタ100Bから受信した回収済み情報に基づき、第2プリンタ100Bに対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(S203)。当該更新の結果、各装置10,100A,100Bに対する回収状況情報は、いずれも、原稿または印刷物が回収されたことを示す。スキャナ10は、S203による更新後の回収状況情報を第2プリンタ100Bに送信する(S108)。この場合、全ての回収対象物が回収されているので、第2プリンタ100Bにて未回収情報は表示されない。
【0086】
第2実施形態のプリンタ100もまた、印刷物が回収された場合に、スキャナ10にて原稿が回収されていない場合には、スキャナ10に原稿が残っている旨をLCD116に表示するので、第1実施形態と同様、回収対象物が複数箇所に分散される状況下において、当該回収対象物の回収忘れを好適に抑制できる。
【0087】
特に、スキャナ10は、ホスト装置として、複数台の連携プリンタ100の各々に対する回収状況情報を管理し、連携プリンタ100から問い合わせを受ける毎に、当該回収状況情報を問い合わせ元の連携プリンタ100に送信するので、連携プリンタ100に、当該連携プリンタ100以外の装置における原稿または印刷物の回収状況を報せることができる。
【0088】
連携プリンタ100は、スキャナ10から受信した回収状況情報に基づき、スキャナ10または他の連携プリンタ100において未回収の回収対象物がある場合には、LCD116に未回収情報を表示する。よって、連携プリンタ100が複数台存在する場合であっても、回収対象物の回収忘れを好適に抑制できる。
【0089】
また、スキャナ10は、連携プリンタ100にて印刷物が回収される前に、読み取り対象の原稿が回収された場合には、プリンタ100に原稿が残っている旨をLCD16に表示するので、ユーザがスキャナ10側にいる場合であっても、プリンタ100における印刷物の回収忘れを抑制できる。
【0090】
次に、
図6から
図8を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、スキャナ10をホスト装置とし、プリンタ100をクライアントとして、スキャナ10とプリンタ100とを連携させる構成とした。
【0091】
これに対し、第3実施形態では、スマートフォンなどの端末200をホスト装置とし、スキャナ10およびプリンタ100をいずれもクライアントとして、スキャナ10とプリンタ100とを連携させる。第3実施形態において、第1実施形態および第2実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。以下、第3実施形態に特有の構成を中心に説明する。
【0092】
図6は、第3実施形態のシステム1の構成を示すブロック図である。本実施形態のシステム1は、スキャナ10およびプリンタ100に加え、端末200を含む。なお、端末200に搭載されるアプリケーション212aが、本発明の情報処理プログラムの一実施形態である。
【0093】
端末200には、CPU211、フラッシュメモリ212、RAM213、操作キー215、LCD216、タッチパネル217、音声入出力部218、電話網通信部219、無線通信部220が設けられる。これらの各部は、バスライン221を介して互いに接続される。
【0094】
CPU211は、ROM212、RAM213に記憶されるプログラムやデータに従って、入出力ポート221と接続された各部を制御する。フラッシュメモリ212は、CPU211により実行される各種プログラムや、そのプログラムを実行する際に参照する定数やテーブルを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0095】
フラッシュメモリ212には、OS212a、アプリケーション212bが格納される。OS12aは、オペレーティングシステムであり、端末200の標準機能を実現するための基本ソフトウェアである。本実施形態のOS212aは、例えば、アンドロイド(登録商標)OSである。
【0096】
アプリケーション212bは、各種デバイスのベンダによって提供されるアプリケーションである。アプリケーション212bは、ユーザによって端末200にインストールされ、端末200から、対応するデバイスの利用を可能とする。本実施形態のアプリケーション212bは、システム1内のスキャナ10およびプリンタ100を連携して動作させることができる。後述する
図7(a)のフローチャートに示す各処理は、CPU211がアプリケーション212bに従い実行する処理である。
【0097】
RAM13は、CPU11がアプリケーション212b等を実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。
【0098】
操作キー215、LCD216、およびタッチパネル217は、それぞれ、端末200に搭載されていること以外、上述した操作キー15、LCD16、およびタッチパネル17と同様に構成される。音声入出力部218は、マイクやスピーカなどで構成された音声入出力用デバイスである。電話網通信部219は、携帯電話網(図示せず)を介した通話を行うための回路である。
【0099】
無線通信部220は、上述した無線通信部20と同様、無線LAN通信を行うためのインタフェースである。端末200は、無線通信部220およびAP50を介して、無線通信部20を有するスキャナ10や、無線通信部120を有するプリンタ100と無線通信を行うことができる。
【0100】
図7を参照して、本実施形態のシステム1にてコピー機能を実現するために、端末200、スキャナ10、およびプリンタ100がそれぞれ実行する処理について説明する。
図7(a)は、端末200のCPU211がアプリケーション212bに従って実行する端末処理を示すフローチャートである。本処理は、ユーザがタッチパネル217を介して入力したコピー機能実行指示を、CPU211が受け付けた場合に開始される。
【0101】
CPU211は、連携設定処理を実行する(M301)。具体的に、CPU211は、ユーザがタッチパネル217を介して選択したスキャナ10およびプリンタ100を、コピー機能を実現するために連携するスキャナおよびプリンタとして設定する。以下、コピー機能を実現するために連携するスキャナとして設定されたスキャナ10を、「連携スキャナ10」と称することがある。なお、連携プリンタ100として、複数台のプリンタ100が選択された場合、CPU211は、連携設定処理(M301)において、ユーザ操作により指定された、複数台の連携プリンタ100に対する印刷ページの割り振りを設定する。
【0102】
システム1に含まれるスキャナ10およびプリンタ100は、端末200に予め登録されており、ユーザは、登録されたスキャナ10およびプリンタ100の中から、1台のスキャナ100と、1または複数台のプリンタを、コピー機能を実現するためのスキャナおよびプリンタとして選択する。変形例として、端末処理が行われる都度ネットワーク内のプリンタ100及びスキャナ10をブロードキャストにより検索し、検索によりヒットしたプリンタ100及びスキャナ10をLCD216に表示し、表示されたプリンタ100及びスキャナ10から、選択を受付ける構成としてもよい。
【0103】
CPU211は、回収状況情報の初期値をRAM213に記憶する(M302)。つまり、CPU211は、M302において、連携スキャナ10および連携プリンタ100の各々について、回収状況情報の初期値として、読み取り対象の原稿または印刷物が回収されていないことを示す値を記憶する。
【0104】
CPU211は、連携スキャナ10および連携プリンタ100、すなわち、M301にて設定された選択されたスキャナ10およびプリンタ100に、連携指示およびホスト情報を送信する(M303)。ホスト情報は、ホスト装置としての端末200の接続情報である。連携指示を受信したスキャナ10およびプリンタ100は、それぞれ、
図7(b)および
図7(c)に示す処理を開始する。
【0105】
CPU211は、M302の処理後、連携スキャナ10にスキャン指示を送信する(M304)。スキャン指示を受信したスキャナ10は、原稿の読み取りを開始し、当該読み取りにより得られたスキャンデータを1ページ分ずつ端末200に送信する。CPU211は、スキャナ10から送信されたスキャンデータを1ページ分ずつ受信する(M305)。
【0106】
CPU211は、スキャナ10から受信したスキャンデータから印刷データを生成し、生成された印刷データと印刷指示とを連携プリンタ100に送信する。なお、連携プリンタ100として、複数台のプリンタ100が設定されている場合、CPU211は、印刷データを、連携設定処理(M301)にて設定された割り振りに従い、各連携プリンタ100に送信する。印刷データおよび印刷指示を受信した連携プリンタ100は、受信した印刷データに基づく画像を記録用紙に印刷する。
【0107】
CPU211は、連携スキャナ10から、全ページ分のスキャンデータの送信が完了したことを示すスキャン終了通知を受信したかを判断する(M307)。スキャン終了通知を受信していないと、CPU211が判断した場合(M307:No)、CPU211は、処理をM305に移行する。
【0108】
一方、スキャン終了通知を受信したと、CPU211が判断した場合(M307:Yes)、CPU211は、連携スキャナ10または連携プリンタ100から、回収済み情報および問い合わせを受信したかを判断する(M308)。CPU211が回収済み情報および問い合わせを受信したと判断するまで(M308:No)、CPU211は、M308の判断を繰り返す。
【0109】
回収済み情報および問い合わせを受信したと、CPU211が判断した場合(M308:Yes)、CPU211は、RAM213に記憶される回収状況情報を更新する(M309)。具体的に、CPU211は、回収済み情報の送信元の連携スキャナ10または連携プリンタ100に対する回収状況情報の値を、原稿または印刷物が回収されたことを示す値に更新する。
【0110】
CPU211は、問い合わせに対する応答として、M309による更新後の回収状況情報を、問い合わせ元、すなわち、回収済み情報の送信元の連携スキャナ10または連携プリンタ100に返信する(M310)。CPU211は、RAM213に記憶される回収状況情報に基づいて、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(M311)。本実施形態における回収対象物は、1台の連携スキャナ10にて読み取り対象にした原稿と、1または複数台の連携プリンタ100の各排紙トレイT2に排紙された印刷物である。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU211が判断した場合(M312:Yes)、CPU211は、本処理を終了する。
【0111】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU211が判断した場合(M312:No)、CPU211は、M309による回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD216に表示し(M312)、処理をM308に移行する。なお、未回収情報がLCD216に既に表示されている場合、CPU211は、その時点における回収状況情報に基づいて、表示中の未回収情報を更新する。よって、M308〜M312の処理によれば、連携スキャナ10および連携プリンタ100のいずれかから最初に回収済み情報を受信したことを契機として、未回収情報がLCD216に表示される。
【0112】
図7(b)は、第3実施形態の画像読取処理を示すフローチャートである。本処理は、スキャナ10のCPU11が第3実施形態の制御プログラム12aに従い実行する処理である。本処理は、連携スキャナ10が、端末200から連携指示を受信した場合に開始される。
【0113】
CPU11は、連携設定処理を実行する(S301)。具体的に、CPU11は、端末200から受信したホスト情報をRAM13に記憶する。CPU11は、端末200から送信されたスキャン指示を受信する(S302)。CPU11は、S302の処理後、原稿の読み取りを開始する(S303)。
【0114】
CPU11は、原稿の読み取りにより得られたスキャンデータを1ページ分ずつ端末200に送信する(S304)。CPU11は、全ページ分のスキャンデータの送信が完了したかを判断する(S305)。全ページ分のスキャンデータの送信が完了していないと、CPU11が判断した場合(S305:No)、CPU11は、処理をS304に移行する。
【0115】
一方、全ページ分のスキャンデータの送信が完了したと、CPU11が判断した場合(S305:Yes)、CPU11は、スキャン終了通知を端末200に送信する(S306)。CPU11は、自装置(すなわち、スキャナ10)の排紙トレイT1から、読取対象の原稿が回収されたかを判断する(S307)。CPU11は、S307の判断を、センサ19から出力される信号に基づいて行う。
【0116】
CPU11は、原稿が排紙トレイT1から回収されたと判断するまで(S307:No)、当該判断を繰り返し実行する。原稿が排紙トレイT1から回収されたと、CPU11が判断した場合(S307:Yes)、CPU11は、ホストの端末200に、原稿が回収されたことを示す回収済み情報を送信するとともに、問い合わせを送信する(S308)。
【0117】
CPU11は、問い合わせの送信先の端末200から、回収状況情報を受信する(S309)。CPU11は、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(S310)。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU11が判断した場合(S310:Yes)、本処理を終了する。一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU11が判断した場合(S310:No)、CPU11は、未回収情報をLCD16に表示し(S311)、本処理を終了する。
【0118】
図7(c)は、第3実施形態の画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、プリンタ100のCPU111が第3実施形態の制御プログラム112aに従い実行する処理である。本処理は、連携プリンタ100が、端末200から連携指示を受信した場合に開始される。端末200が複数台のプリンタ100を連携プリンタ100として設定した場合、
図7(c)の画像記録処理は、連携プリンタ100として選択された各プリンタ100においてそれぞれ実行される。
【0119】
本処理は、P102におけるスキャンデータの送信元と、P201における回収済み情報および問い合わせの送信先と、P107における回収状況情報の送信元とが、いずれも端末200であること以外、上述した第2実施形態の画像記録処理(
図4(b))と同じ処理である。
【0120】
次に、
図8を参照して、本実施形態のシステム1において、ホストである端末200と、コピー機能を実現するスキャナ10およびプリンタ100の動作例を説明する。
図8は、本実施形態のシステム1において、端末200、スキャナ10、およびプリンタ100の動作例を示すシーケンス図である。
図8には、スキャナ10と第1プリンタ100Aとの連携によりコピー機能を実現する場合であって、第1プリンタ100A、およびスキャナ10の順で、回収対象物である原稿または印刷物が回収された場合を例示する。
【0121】
なお、
図8のシーケンス図において、各装置200,10,100Aが実行する各処理は、
図7(a)〜(c)のフローチャートの中で実行される処理である。よって、
図8において、上述したフローチャートと同一の処理には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8のシーケンス図の説明では、各処理を実行する主体である「端末200のCPU211」、「スキャナ10のCPU11」、および「プリンタ100のCPU111」を、それぞれ、「端末200」、「スキャナ10」、および「第1プリンタ100A」と称する。
【0122】
各装置10,100Aのうち、まず、第1プリンタ100Aが、排紙トレイT2から印刷物が回収されたと判断すると(P105:Yes)、第1プリンタ100Aは、回収済み情報および問い合わせを端末200に送信する(P201)。
【0123】
端末200は、第1プリンタ100Aから受信した回収済み情報に基づき、RAM213に記憶される回収状況情報のうち、第1プリンタ100Aに対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(M309)。当該更新の結果、第1プリンタ100Aに対する回収状況情報が、印刷物が回収されたことを示す一方で、スキャナ10に対する回収状況情報は、原稿が回収されていないことを示す。
【0124】
端末200は、M309による更新後の回収状況情報を第1プリンタ100Aに送信する(M310)。この場合、全ての回収対象物が回収されていないので、第1プリンタ100Aは、スキャナ10から受信した回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示する(P109)。
【0125】
図8に示す例において、第1プリンタ100Aが端末200から受信した回収状況情報は、スキャナ10に対する回収状況情報が、印刷物が回収されていないことを示す。よって、第1プリンタ100Aは、P109において、スキャナ10に原稿が残っている旨をLCD116に表示する。
【0126】
一方、端末200は、M309による更新後の回収状況情報に基づき、未回収情報をLCD216に表示する(M312)。M312によりLCD216に表示される未回収情報は、第1プリンタ100AのLCD116に表示される内容と同じである。つまり、
図8に示す例では、スキャナ10に原稿が残っている旨がLCD216に表示される。
【0127】
次に、スキャナ10が、印刷物が排紙トレイT2から回収されたと判断すると(S307:Yes)、スキャナ10は、回収済み情報および問い合わせを端末200に送信する(S308)。端末200は、スキャナ10から受信した回収済み情報に基づき、スキャナ10に対する回収状況情報の値を、原稿が回収されたことを示す値に更新する(M309)。当該更新の結果、各装置10,100Aに対する回収状況情報は、いずれも、原稿または印刷物が回収されたことを示す。
【0128】
端末200は、M309による更新後の回収状況情報をスキャナ10に送信する(M310)。この場合、全ての回収対象物が回収されているので、スキャナ10にて未回収情報は表示されない。同様に、端末200においても未回収情報は表示されない。
【0129】
第3実施形態によれば、端末200は、ホスト装置として、コピー機能を実現するために連携するスキャナ10およびプリンタ100の各々に対する回収状況情報を管理する。本実施形態の端末200によれば、スキャナ10またはプリンタ100から回収済み情報を受信する毎に、スキャナ10またはプリンタ100における未回収の回収対象物の存在を表示によりユーザに報知できる。よって、スキャナ10とプリンタ100との連携によりコピー機能を実現する場合に、回収対象物である原稿および印刷物の回収忘れを好適に抑制できる。
【0130】
一方、端末200が管理する回収状況情報は、スキャナ10またはプリンタ100から回収済み情報を受信する毎に更新され、その都度、更新後の回収状況情報を、回収済み情報の送信元に送信する。よって、スキャナ10およびプリンタ100は、端末200から受信した回収状況情報に基づき、スキャナ10またはプリンタ100において未回収の回収対象物があるかを判断できる。そして、スキャナ10またはプリンタ100において未回収の回収対象物がある場合、LCD16またはLCD116に未回収情報が表示される。よって、連携プリンタ100が複数台存在する場合であっても、回収対象物の回収忘れを好適に抑制できる。
【0131】
次に、
図9および
図10を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、スキャナ10とプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する構成とした。第4実施形態では、複数台のプリンタ100を連携させて、1台のプリンタ100に入力された印刷ジョブに従う印刷を、複数台のプリンタ100で実行する機能を実現する。第4実施形態において、第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。以下、第4実施形態に特有の構成を中心に説明する。
【0132】
図9(a)は、第1画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、プリンタ100のCPU111が第4実施形態の制御プログラム112aに従い実行する処理である。本処理は、プリンタ100が、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの外部装置から印刷ジョブを受信した場合に開始される。
【0133】
CPU111は、受信した印刷ジョブに従う印刷を開始する(P401)。印刷の実行を妨げるエラーが発生することなく、受信した印刷ジョブに従う印刷が完了した場合(PP403:No,402:Yes)、CPU111は、本処理を終了する。
【0134】
一方、印刷が完了する前に、印刷の実行を妨げるエラーが発生した場合(P402:No,P403:Yes)、CPU111は、ユーザ操作により入力された印刷継続指示を受け付けたことに応じて、連携設定処理を実行する(P404)。具体的に、CPU111は、連携設定処理(P404)において、ユーザ操作により選択された1または複数台のプリンタ100を、印刷ジョブの分割先にするプリンタ100(以下「分割先プリンタ100」と称す)を設定するとともに、ユーザ操作により指定された、分割先プリンタ100に対する、残りの印刷ジョブの割り振りを設定する。
【0135】
CPU111は、回収状況情報の初期値をRAM113に記憶する(P405)。本実施形態の回収状況情報は、自装置(すなわち、プリンタ100)または分割先プリンタ100から、回収対象物である印刷物が回収されたか否かを示す情報である。回収状況情報の初期値は、印刷物が回収されていないことを示す値である。よって、CPU111は、P405において、自装置および分割先プリンタ100の各々について、回収状況情報の初期値として、印刷物が回収されていないことを示す値を記憶する。
【0136】
CPU111は、分割先プリンタ100、すなわち、P404にて設定されたプリンタ100に連携指示およびホスト情報を送信する(P406)。ホスト情報は、ホスト装置としての自装置の接続情報である。分割先プリンタ100は、連携指示を受信すると、
図9(b)に示す処理を開始する。
【0137】
CPU111は、P406の処理後、連携設定処理(P404)にて設定された割り振りに従い、分割先プリンタ100に印刷ジョブを送信する(P407)。印刷ジョブの送信が完了するまで(P408:No)、CPU111は、S407の処理を実行する。
【0138】
印刷ジョブの送信が完了したと、CPU111が判断した場合(P408:Yes)、CPU111は、分割先プリンタ100から、回収済み情報および問い合わせを受信したかを判断する(P409)。回収済み情報は、分割先プリンタ100が、自装置にて印刷物の回収が検知された場合に、後述するP422の処理にて送信する情報である。つまり、回収済み情報は、当該回収済み情報の送信元の分割先プリンタ100において、印刷物が回収されたことを示す情報である。
【0139】
回収済み情報および問い合わせを受信していないと、CPU111が判断した場合(P409:No)、CPU111は、処理をP413に移行する。一方、回収済み情報および問い合わせを受信したと、CPU111が判断した場合(P409:Yes)、CPU111は、RAM113に記憶される回収状況情報を更新する(P410)。具体的に、CPU111は、回収済み情報の送信元の分割先プリンタ100に対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する。
【0140】
CPU111は、問い合わせに対する応答として、P410による更新後の回収状況情報を、問い合わせ元、すなわち、回収済み情報の送信元の分割先プリンタ100に返信する(P411)。CPU111は、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(P412)。本実施形態における回収対象物は、自装置の排紙トレイT2に排紙された印刷物と、分割先プリンタ100の各排紙トレイT2に排紙された印刷物である。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU111が判断した場合(P412:Yes)、CPU111は、本処理を終了する。
【0141】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU111が判断した場合(P412:No)、CPU111は、処理をP413に移行する。P413において、CPU111は、自装置(すなわち、プリンタ100)の排紙トレイT2から印刷物が回収されたかを判断する。CPU111は、S413の判断を、センサ119から出力される信号に基づいて行う。
【0142】
印刷物が排紙トレイT2から回収されたと、CPU111が判断した場合(P413:Yes)、CPU111は、RAM113に記憶される回収状況情報を更新する(P414)。具体的に、CPU111は、自装置に対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する。なお、自装置に対する回収状況情報の値が既に印刷物が回収されたことを示す値に更新されている場合、CPU111は、その値を維持する。
【0143】
CPU111は、P412と同様に、全ての回収対象物が回収済みであるかを判断する(P415)。全ての回収対象物が回収済みであると、CPU111が判断した場合(P415:Yes)、CPU111は、本処理を終了する。
【0144】
一方、全ての回収対象物が回収済みでないと、CPU111が判断した場合(P415:No)、CPU111は、P414による更新後の回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示し(P416)、処理をP409に移行する。なお、未回収情報がLCD116に既に表示されている場合、CPU111は、その時点における回収状況情報に基づいて、表示中の未回収情報を更新する。よって、P413〜P416の処理によれば、全ての分割先プリンタ100にて印刷物の回収が完了する前に、自装置にて印刷物が回収された場合に、未回収情報がLCD116に表示される。
【0145】
図9(b)は、第2画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、プリンタ100のCPU111が第4実施形態の制御プログラム112aに従い実行する処理である。本処理は、分割先プリンタ100が、ホストのプリンタ100から連携指示を受信した場合に開始される。つまり、
図9(b)の第2画像記録処理は、分割先プリンタ100として選択された各プリンタ100においてそれぞれ実行される。
【0146】
CPU111は、連携設定処理を実行する(P101)。具体的に、CPU111は、ホストのプリンタ100から受信したホスト情報をRAM113に記憶する。CPU111は、ホストのプリンタ100から送信された印刷ジョブを受信し(P421)、受信した印刷ジョブに従う印刷を開始する(P103)。
【0147】
CPU111は、第1実施形態と同様に、自装置(すなわち、プリンタ100)の排紙トレイT2から印刷物が回収されたかを判断する(P105)。印刷物が排紙トレイT2から回収されたと、CPU111が判断した場合(P105:Yes)、CPU111は、ホストのプリンタ100に、印刷物が回収されたことを示す回収済み情報を送信するとともに、問い合わせを送信する(P422)。
【0148】
当該問い合わせの結果、CPU111は、問い合わせの送信先のプリンタ100から、回収状況情報を受信する(P107)。CPU111は、P107の処理後、第1実施形態と同様に、P108,P109の処理を実行する。よって、分割先プリンタ100は、第1実施形態の連携プリンタ100と同様に、自装置の排紙トレイT2から印刷物が回収された場合に、全ての回収対象物が回収済みでないことを条件として、未回収情報をLCD116に表示する。
【0149】
次に、
図10を参照して、本実施形態のシステム1において、1の印刷ジョブに従う印刷を連携して行う複数台のプリンタ100の動作例を説明する。
図10は、本実施形態のシステム1における複数台のプリンタ100の動作例を示すシーケンス図である。
図10には、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとが連携して1の印刷ジョブに従う印刷を実行する場合であって、第2プリンタ100B、第1プリンタ100A、および第3プリンタ100Cの順で、回収対象物である印刷物が回収された場合を例示する。
【0150】
なお、
図10のシーケンス図において、各プリンタ100A,100B,100Cが実行する各処理は、
図9(a)または
図9(b)のフローチャートの中で実行される処理である。よって、
図10において、上述したフローチャートと同一の処理には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10のシーケンス図の説明では、各処理を実行する主体である「プリンタ100のCPU111」を、「第1プリンタ100A」、「第2プリンタ100B」、または「第3プリンタ100C」と称する。
【0151】
各プリンタ100A,100B,100Cのうち、まず、第2プリンタ100Bが、印刷物が排紙トレイT2から回収されたと判断すると(P105:Yes)、第2プリンタ100Bは、回収済み情報および問い合わせを、ホストである第1プリンタ100Aに送信する(P422)。
【0152】
第1プリンタ100Aは、第2プリンタ100Bから受信した回収済み情報に基づき、RAM113に記憶される回収状況情報のうち、第2プリンタ100Bに対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(P410)。当該更新の結果、第2プリンタ100Bに対する回収状況情報が、印刷物が回収されたことを示す一方で、第1プリンタ100Aおよび第3プリンタ100Bに対する回収状況情報は、印刷物が回収されていないことを示す。
【0153】
第1プリンタ100Aは、P410による更新後の回収状況情報を第2プリンタ100Bに送信する(P411)。この場合、全ての回収対象物が回収されていないので、第2プリンタ100Bは、第1プリンタ100Aから受信した回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示する(P109)。
【0154】
図10に示す例において、第2プリンタ100Bが第1プリンタ100Aから受信した回収状況情報は、第1プリンタ100Aおよび第3プリンタ100Cに対する回収状況情報が、印刷物が回収されていないことを示す。よって、第2プリンタ100Bは、P109において、第1プリンタ100Aと第3プリンタ100Cに印刷物が残っている旨をLCD116に表示する。
【0155】
その後、第1プリンタ100Aが、印刷物が排紙トレイT2から回収されたことを検知した場合、すなわち、P413の判断を肯定した場合、第1プリンタ100Aは、RAM113に記憶される回収状況情報のうち、自装置に対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(P414)。当該更新の結果、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bに対する回収状況情報が、印刷物が回収されたことを示す一方で、第3プリンタ100Cに対する回収状況情報は、印刷物が回収されていないことを示す。
【0156】
P414による更新後の回収状況情報によれば、第3プリンタ100Cでは未だ印刷物が回収されていないので、第1プリンタ100Aは、更新後の回収状況情報に基づいて、未回収情報をLCD116に表示する(P416)。
図10に示す例において、この時点における回収状況情報は、第3プリンタ100Cに対する回収状況情報が、印刷物が回収されていないことを示すので、第1プリンタ100Aは、P416において、第3プリンタ100Cに印刷物が残っている旨をLCD116に表示する。
【0157】
最後に、第3プリンタ100Cが、印刷物が排紙トレイT2から回収されたと判断すると(P105:Yes)、第3プリンタ100Cは、回収済み情報および問い合わせをスキャナ10に送信する(P422)。
【0158】
第1プリンタ100Aは、第3プリンタ100Cから受信した回収済み情報に基づき、第3プリンタ100Cに対する回収状況情報の値を、印刷物が回収されたことを示す値に更新する(P410)。当該更新の結果、各プリンタ100A,100B,100Cに対する回収状況情報は、いずれも、印刷物が回収されたことを示す。第1プリンタ100Aは、P410による更新後の回収状況情報を第3プリンタ100Cに送信する(P411)。この場合、全ての回収対象物が回収されているので、第3プリンタ100Cにて未回収情報は表示されない。
【0159】
第4実施形態によれば、1台のプリンタ100に入力された印刷ジョブに従う印刷を、複数台のプリンタ100で実行する場合に、ホスト装置になるプリンタ100は、分割先プリンタ100の各々に対する回収状況情報を管理する。本実施形態のプリンタ100によれば、分割先プリンタ100から問い合わせを受ける毎に、当該回収状況情報を問い合わせ元の分割先プリンタ100に送信するので、分割先プリンタ100に、自装置以外のプリンタ100における印刷物の回収状況を報せることができる。
【0160】
分割先プリンタ100は、ホストのプリンタ100から受信した回収状況情報に基づき、自装置以外のプリンタ100において未回収の回収対象物がある場合には、LCD116に未回収情報を表示する。よって、1の印刷ジョブに従う印刷を複数台のプリンタ100で実行したことにより、印刷物が複数箇所に分散される場合であっても、回収対象物の回収忘れを好適に抑制できる。
【0161】
また、ホストのプリンタ100は、分割先プリンタ100にて印刷物が回収される前に、自装置の印刷物が回収された場合には、分割先プリンタ100に原稿が残っている旨をLCD116に表示するので、ユーザがホストのプリンタ100側にいる場合であっても、分割先プリンタ100における印刷物の回収忘れを抑制できる。
【0162】
次に、
図11を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、プリンタ100は、印刷物が自装置から回収された場合に、スキャナ10に問い合わせを行い、スキャナ10は、当該問い合わせに対する応答として、自装置から原稿が回収されたか否かを示す情報(すなわち、回収状況情報)をプリンタ100に送信する構成とした。
【0163】
第5実施形態では、スキャナ10は、自装置から原稿が回収された場合に、その旨をプリンタ100に通知する。第5実施形態において、第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。以下、第5実施形態に特有の構成を中心に説明する。
【0164】
図11(a)は、第5実施形態の画像読取処理を示すフローチャートである。本処理は、スキャナ10のCPU11が第5実施形態の制御プログラム12aに従い実行する処理である。本処理もまた、第1実施形態と同様、CPU11がコピー機能実行指示を受け付けた場合に開始される。
【0165】
CPU11は、第1実施形態と同様に、S101〜S105の処理を実行する。全ページ分のスキャンデータの送信が完了したと、CPU11が判断した場合(S105:Yes)、CPU11は、自装置(すなわち、スキャナ10)の排紙トレイT1から、読み取り対象の原稿が回収されたかを判断する(S501)。CPU11は、S501の判断を、センサ19から出力される信号に基づいて行う。
【0166】
原稿が排紙トレイT1から回収されたと、CPU11が判断した場合(S501:Yes)、CPU11は、スキャナ10にて原稿が回収されたことを示す回収済み情報を連携プリンタ100に送信し(S502)、本処理を終了する。
【0167】
図11(b)は、第5実施形態の画像記録処理を示すフローチャートである。本処理は、プリンタ100のCPU111が第5実施形態の制御プログラム112aに従い実行する処理である。本処理は、連携プリンタ100が、スキャナ10から連携指示を受信した場合に開始される。
【0168】
CPU111は、第1実施形態と同様に、P101〜P105の処理を実行する。印刷物が排紙トレイT2から回収されたと、CPU111が判断した場合(P105:Yes)、CPU111は、スキャナ10から回収済み情報を受信したかを判断する(P501)・。
【0169】
スキャナ10から回収済み情報を受信したと、CPU111が判断した場合(P501:Yes)、CPU111は、本処理を終了する。一方、スキャナ10から回収済み情報を受信していないと、CPU111が判断した場合(P501:No)、CPU111は、未回収情報をLCD116に表示し(P109)、本処理を終了する。つまり、CPU11は、未回収情報として、スキャナ10にて原稿が未だ回収されていないことを報せる情報を表示する。
【0170】
第5実施形態のスキャナ10は、自装置から原稿が回収された場合に、回収済み情報をプリンタ100に送信するので、プリンタ100からの問い合わせを必要とすることなく、プリンタ100に原稿の回収状況を報せることができる。
【0171】
上記実施形態において、プリンタ100が、画像記録装置の一例である。スキャナ10が、画像読取装置の一例である。アプリケーション212bが、情報処理プログラムの一例である。CPU111、CPU11が、制御部の一例である。CPU211が、コンピュータの一例である。プリンタ部118が、記録部の一例である。トレイT2が、トレイの一例である。センサ119、センサ19が、センサの一例である。LCD116、LCD16、LCD216が、表示部の一例である。無線通信部120、無線通信部20、無線通信部220が、通信部の一例である。スキャナ部18が、読取部の一例である。タッチパネル17、タッチパネル217、タッチパネル117が、操作部の一例である。スキャンデータが、読み取り画像データの一例である。記録用紙が、記録媒体の一例である。読み取り対象の原稿が、原稿の一例である。印刷物が、画像が記録された記録媒体の一例である。
【0172】
P103の処理を実行するCPU111が、記録処理の一例である。P105の処理を実行するCPU111が、第1判断処理の一例である。P108の処理を実行するCPU111が、第2判断処理の一例である。P109の処理を実行するCPU111が、表示処理の一例である。P106の処理を実行するCPU111が、問い合わせ処理、送信処理の一例である。P501の処理を実行するCPU111が、受信処理の一例である。
【0173】
S104の処理を実行するCPU11が、第1送信処理の一例である。S202の処理を実行するCPU11が、受信処理の一例である。S108の処理を実行するCPU11が、第2送信処理の一例である。S205の処理を実行するCPU11が、第1判断手段の一例である。S207の処理を実行するCPU11が、第2判断手段の一例である。S208の処理を実行するCPU11が、表示処理の一例である。
【0174】
コピー機能実行指示を受け付けるCPU211が、受付処理の一例である。M304、M306の処理を実行するCPU211が、第1送信処理の一例である。M308の処理を実行するCPU211が、受信処理の一例である。M312の処理を実行するCPU211が、表示処理の一例である。M310の処理を実行するCPU211が、第2送信処理の一例である。
【0175】
P413の処理を実行するCPU111が、判断手段の一例である。P411の処理を実行するCPU111が、送信処理の一例である。P416の処理を実行するCPU111が、表示処理の一例である。
【0176】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0177】
例えば、上記実施形態では、本発明の画像記録装置として、プリンタ100を例示したが、印刷機能を有する装置であれば、複合機であっても、本発明の画像記録装置として適用できる。また、本発明の画像読取装置として、スキャナ10を例示したが、スキャン機能を有する装置であれば、複合機であっても、本発明の画像読取装置として適用できる。 上記実施形態では、スキャナ10とプリンタ100との連携によりコピー機能を実現させる場合に、原稿の読み取りを1台のスキャナ10で行う場合を例示したが、原稿の読み取りを複数台のスキャナ10で行う構成としてもよい。また。原稿の読み取りを複数台のスキャナ10で分割して行い、1のスキャンデータを得る場合にも、本発明を適用できる。
【0178】
上記第1〜3,5実施形態では、スキャナ10とプリンタ100とを連携させてコピー機能を実現する構成において、プリンタ100から印刷物が回収され、かつ、スキャナ10の原稿が未回収である場合に、プリンタ100のLCD116に未回収情報を表示させた。スキャナ機能と印刷機能とを有する複合機において、スキャナ機能と印刷機能とを用いてコピー機能を実現したときに、印刷物が回収され、かつ、読み取り対象の原稿が未回収である場合に、複合機の表示部に未回収情報を表示させてもよい。本変形例においても、別々の排紙トレイに排出される原稿と印刷物の回収忘れを抑制できる。本変形例の複合機は、本発明の画像記録装置の一例である。
【0179】
上記実施形態では、スキャナ10の排紙トレイT1に設けられたセンサ19から出力される信号に基づいて、読み取り対象の原稿がスキャナ10から回収されたことを判断する構成とした。フラットベッドスキャナで原稿を読み取る場合には、原稿が載置される原稿台を覆う原稿カバーの開閉を検知するカバー開閉センサを設け、原稿の読み取り後、カバー開閉センサにより原稿カバーの開閉が検出された場合に、読み取り対象の原稿がスキャナ10から回収されたと判断すればよい。本変形例では、カバー開閉センサが、センサの一例となる。
【0180】
上記第3実施形態では、端末200が、スキャナ10とプリンタ100との連携により実現されるコピー機能を管理する構成とした。第4実施形態の、複数台のプリンタ100を連携させて1の印刷ジョブに従う印刷を実行する機能や、原稿の読み取りを複数台のスキャナ10で分割して行い、1のスキャンデータを得る機能を、端末200が管理する構成であっても、第3実施形態と同様に本発明を適用できる。
【0181】
上記実施形態では、連携プリンタ100または分割先プリンタ100は、印刷物が回収されると、ホストのスキャナ10またはプリンタ100に問い合わせを送信する構成とした。連携プリンタ100または分割先プリンタ100は、問い合わせを、印刷物が回収されてから所定時間後(例えば、1分後)に送信する構成としてもよい。
【0182】
上記第4実施形態において、分割先プリンタ100およびホストのプリンタ100に未回収情報を表示する構成としたが、印刷ジョブの送信元の外部装置に未回収情報を表示させる構成としてもよい。本変形例は、印刷ジョブの送信元の外部装置に回収状況情報を送信することにより実現できる。
【0183】
上記実施形態では、スキャンデータの送信元のスキャナ10、および印刷ジョブの送信元のプリンタ100のいずれについても、原稿または印刷物の回収前に、スキャンデータまたは印刷ジョブを、連携プリンタ100または分割先プリンタ100に送信する構成とした。スキャナ10およびプリンタ100は、原稿または印刷物が回収されたことを条件として、スキャンデータまたは印刷ジョブを連携プリンタ100または分割先プリンタ100に送信する構成としてもよい。
【0184】
上記実施形態では、CPU11、CPU111、およびCPU211が、
図2、
図4、
図7、
図9、および
図11に記載される各処理を実行する構成として説明したが、これら各図に記載される各処理を、複数のCPUが協同的に実行する構成としてもよい。また、ASICなどのICが、単独で、または、複数によって協働的に、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。また、CPUとASICなどのICとが協同して、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。
【0185】
また、
図2、
図4、
図7、
図9、および
図11に示す各処理のうち、一部の処理を、特許請求の範囲における独立請求項から逸脱しない範囲で、省略または変更してもよい。また、また、上記実施形態により説明した各特徴や、上述した各変形例を適宜組み合わせて実施する構成としてもよい。