(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の綴じ装置の実施の形態について説明する。
【0018】
<第1の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図1及び
図2は、第1の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。ここで、
図1は、綴じ装置1Aの内部構成を示し、
図2は、綴じ装置1Aの外観構成を示す。また、
図3は、シート束を綴じた片の一例を示す構成図、
図4は、片の一例を示す構成図である。
【0019】
まず、綴じ装置1Aでの処理の対象となる片及びシート束について説明すると、第1の実施の形態の綴じ装置1Aは、
図3に示すように、複数枚のシートが積層されたシート束10に消耗品である片2を巻き付けることで、シート束10を綴じる装置である。シート束10は、書類等の用紙や、金属材料または樹脂材料等で形成されたシート状部材等を積層したものである。
【0020】
片2は、一方の側がシート束10の一の面である下面から、シート束10の端部10a側に巻かれる。また、片2は、他方の側がシート束10に形成された貫通孔10bを通して巻かれる。そして、片2は、それぞれの端部側がシート束10の他の面である上面に貼り付けられる形態でシート束10を綴じる。
【0021】
片2は、
図4に示すように、例えば矩形状に形成されており、一方の面2aを平面とし、他方の面2bに粘着層3が設けられ、例えば、長尺な剥離紙4に、長手方向に複数個仮着されている。これにより、片2は、長期間待機された後に使用される場合であっても、粘着層3の粘着力の低下を防止することができる。
【0022】
更に、片2及び剥離紙4で構成されるテープ5は、例えば、ロール状に巻回されロール体となって、綴じ装置1Aに収納される。片2及び剥離紙4には、テープ5を送り出す機構が係合される係合孔6が、長手方向に所定の間隔を開けて複数個形成されている。
【0023】
次に、綴じ装置1Aの構成について説明する。綴じ装置1Aは、シート束10を移動させることによるシート束10と片2との相対移動で、片2を予備整形する構成で、
図1及び
図2に示すように、ベース部11Aと、ベース部11Aに対して回転可能に設けられるハンドル部12を備える。また、綴じ装置1Aは、綴じ対象のシート束10を挟持して移動する挟持部20と、挟持部20との協働で片2を整形して、片2でシート束10を綴じる綴じ部40と、挟持部20との協働でテープ5を送る片送り部の一例としての送り部50と、テープ5のロール体7が収納されたカセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部60Aを備える。
【0024】
ハンドル部12は操作部材の一例で、ベース部11Aの一方の端部側に設けられた軸支持部11mに、ハンドル部12の一方の端部側に設けられた軸12mが係合される。これにより、ハンドル部12は、一方の端部側が軸12mを支点として回転可能にベース部11Aに取り付けられ、他方の端部側が自由端となる。ハンドル部12には、綴じ装置1Aを把持して操作するための把持部位12aが設けられ、綴じ装置1Aを操作する際には、把持部位12aを把持することで操作が可能となっている。
【0025】
綴じ装置1Aは、ハンドル部12の自由端側が操作されることで、ハンドル部12が軸12mを支点に回転し、このハンドル部12が回転する動作が、後述するように綴じ部40に伝達されて、綴じ部40が作動する。
【0026】
ここで、綴じ装置1Aは、机等に載置して使用する形態が想定され、以下の説明では、ベース部11Aが設けられる側を、下面、下側、下方等、上下方向の下と定義し、ハンドル部12が設けられる側を、上面、上側、上方等、上下方向の上と定義する。また、ハンドル部12の自由端側を、前面、前側、前方等、前後方向の前と定義し、軸12mが設けられる側を、後面、後ろ側、後方等、前後方向の後と定義する。
【0027】
ベース部11Aは、主枠体11eと下部枠体11fを備える。ベース部11Aは、主枠体11eの後方上部に軸支持部11mが設けられる。また、ベース部11Aは、主枠体11eの後方下部に設けた軸11gを支点に、下部枠体11fが回転可能に取り付けられる。ベース部11Aは、下部枠体11fの矢印J
1及び矢印J
2方向への回転動作で、下部枠体11fが後方へ開き、ベース部11Aの下部が開閉可能に構成される。更に、ベース部11Aは、挟持部20を移動可能に支持する移動支持部11nを主枠体11eに備える。
【0028】
移動支持部11nは、ハンドル部12の自由端側と対向してベース部11Aの前方上面側に設けられ、矢印F及び矢印R方向への挟持部20の移動をガイドする前後方向に沿って設けられた溝部で構成される。
【0029】
次に、挟持部20について説明する。挟持部20は載置手段の一例で、ベース部11Aの前方上面に、移動支持部11nによって前後方向へ移動可能に取り付けられ、ハンドル部12の自由端側の下方に位置するシート束10の挿抜位置と、綴じ部40の下方に位置する綴じ位置との間を移動可能に構成される。
【0030】
挟持部20は、綴じ対象物であるシート束10が載置されるトレイ23と、トレイ23に対して回転可能に取り付けられ、回転動作でシート束10をトレイ23に押さえ付ける押さえ部材24を備える。
【0031】
尚、挟持部20は、後述するように、シート束10に片2を1周巻き付ける動作の一部の予備整形に関わることから、予備整形手段を構成する。また、挟持部20は、テープ5を送る動作の一部に関わることから、搬送手段を構成する。
【0032】
トレイ23は、ベース部11Aの形状に合わせて本例では矩形平板状の形状で構成され、シート束10が載置される載置部23aと、ベース部11Aの移動支持部11nに係合される係合ガイド部23bを備える。係合ガイド部23bは、載置部23aの下面から下方に突出する形状で、ベース部11Aの移動支持部11nに係合される。これにより、挟持部20は、係合ガイド部23bが移動支持部11nにガイドされて、挿抜位置と綴じ位置との間の移動が可能となる。
【0033】
また、挟持部20は、載置部23aの後方側の端部に、押さえ部材24を回転可能に支持する回転軸23cが設けられる。更に、載置部23aの後端側には、幅方向略中央に、矩形状をなす切欠部23dが設けられている。切欠部23dは、挟持部20が綴じ位置に移動すると、シート束10を綴じる片2及び綴じ部40の後述する抜き刃44等が侵入可能な開口を、片2の貼着位置を避けて載置部23aに設けて構成される。
【0034】
挟持部20は、剥離紙4を保持する保持爪23eを備える。保持爪23eは搬送手段の一例で、剥離紙4の搬送経路に対向して係合ガイド部23bに設けられ、挟持部20の移動で矢印F及び矢印R方向に移動する。保持爪23eは、剥離紙4が引き出される搬送方向において、上流側に設けられた軸23fを支点とした回転動作で回転可能に構成され、バネ23gで剥離紙4方向に付勢される。
【0035】
保持爪23eは、挟持部20を挿抜位置から綴じ位置に移動させる動作で矢印R方向に移動すると、バネ23gに抗して軸23fを支点に矢印G
1方向に回転し、剥離紙4の搬送経路から退避する。これにより、剥離紙4の係合孔6とは係合せず、挟持部20を挿抜位置から綴じ位置に移動させる動作で、テープ5及び剥離紙4が逆送りされない。
【0036】
一方、保持爪23eは、挟持部20を綴じ位置から挿抜位置に移動させる動作で矢印F方向に移動すると、バネ23gの力で軸23fを支点に矢印G
2方向に回転し、剥離紙4の搬送経路に突出する。これにより、保持爪23eが剥離紙4の係合孔6と係合し、挟持部20を綴じ位置から挿抜位置に移動させる動作で、テープ5及び剥離紙4が引き出される。
【0037】
押さえ部材24は、後端側が回転軸23cにより回転可能に支持され、トレイ23に対して矢印H
1及び矢印H
2方向に回転して、トレイ23の前方側を開閉する。押さえ部材24は弾性を有する材質で構成され、前方側を基端とした弾性片24bが一体で設けられる。
【0038】
弾性片24bは、載置部23aの切欠部23dの左右両側に位置するように、押さえ部材24から2本の部材が突出する形態で設けられ、後端側が自由端となってトレイ23側に折曲している。そして、弾性片24bは、後端がトレイ23に当接し、押さえ部材24の全体を持ち上げた状態として保持する。
【0039】
尚、挟持部20を構成するトレイ23及び押さえ部材24について、押さえ部材24を設けた意図は、シート束10の綴じ位置がトレイ23からずれないようにするためであって、綴じ動作の際に、シート束1の綴じ位置がトレイ23からずれないようなっていれば、必ずしも押さえ部材24を設ける必要はない。
【0040】
図5は、抜き刃の駆動機構を示す斜視図で、次に、各図を参照して、ハンドル部12の操作で綴じ部40及び抜き刃44を動作させる機構について説明する。
【0041】
綴じ部40は、ハンドル部12の内側下面に設けられる駆動部材41を備える。また、綴じ部40は、駆動部材41の変位で上下方向に移動するガイドレバー42と、シート束10を綴じる片2を押圧する押圧レバー43と、シート束10を貫通する抜き刃44を部品配設部27に備える。
【0042】
部品配設部27は、ベース部11Aと一体的に設けられ、挟持部20の移動経路に、綴じ位置へ移動する挟持部20が進入する進入溝28が設けられる。また、部品配設部27とベース部11Aは、剥離紙4から剥離された片2を待機させる片待機部28aが、進入溝28に挿入される挟持部20で挟持されたシート束10の移動経路に設けられる。進入溝28は、ベース部11Aと部品配設部27との間に離間して設けられた開口であり、挟持部20が進入することで、押さえ部材24をトレイ23に対して近接する矢印H
1方向に押圧し、シート束10をトレイ23と押さえ部材24との間で挟持して保持する。挟持部20と進入溝28及び押圧レバー43は、挟持部20を移動させることによるシート束10と片2との相対移動で、片2を予備整形する予備整形手段を構成する。
【0043】
綴じ部40は、押圧レバー43と抜き刃44が、進入溝28の上方に設けられ、ハンドル部12の動きを抜き刃44及びガイドレバー42を介して押圧レバー43に伝達する駆動部材41に第1のガイド孔41aと第2のガイド孔41bを備える。第1のガイド孔41aは、長孔に形成され、ガイドレバー42の凸部42aが係合される。第2のガイド孔41bは、長孔に形成され。抜き刃44が取り付けられた
図5に示す取付部材49の凸部49aが係合される。
【0044】
ハンドル部12の自由端側が操作されることで、ハンドル部12が軸12mを支点に回転すると、駆動部材41の第1のガイド孔41a及び第2のガイド孔41bの位置が上下方向に変位する。これにより、ハンドル部12が回転する動作で、ガイドレバー42を上下方向に直線移動させる。また、抜き刃44を上下方向に直線移動させる。
【0045】
ガイドレバー42は、部品配設部27にガイドされて、上下方向に移動可能に設けられる。ガイドレバー42には、コイルバネ45等の弾性部材が巻挿される。コイルバネ45は、ハンドル部12の所謂リターンバネを構成し、部品配設部27の受け部46により下端部がベース部11Aで受けられる。また、コイルバネ45は、駆動部材41の第1のガイド孔41aに係合されたガイドレバー42の凸部42aにより、上端部がハンドル部12で受けられる。
【0046】
これにより、ハンドル部12は、コイルバネ45によって、ベース部11Aから離間する矢印U方向に付勢される。また、ハンドル部12が矢印D方向に押されることで、コイルバネ45が収縮すると共に、ガイドレバー42が矢印D方向に直線移動する。ここで、第1のガイド孔41aを長穴形状とすることで、変位の軌跡が軸12mを中心とした円弧形状となる第1のガイド孔41aに沿って凸部42aが移動可能となり、凸部42aの変位の軌跡が円弧形状とならずにガイドレバー42が直線移動する。
【0047】
押圧レバー43は、ガイドレバー42の前方側に設けられる。押圧レバー43は、シート束10に片2を押圧して貼着する押圧部43aを備える。押圧レバー43は、コイルバネ等の弾性体でなる押圧バネ47が巻挿されている。押圧バネ47は、一端が押圧部43aに係止され、他端がガイドレバー42と連動して移動する移動部材48に係止される。
【0048】
抜き刃44は、押圧レバー43の前方側に設けられる。抜き刃44は、
図5に示すように、刃部44aの上方近傍に、片2が挿通される挿通孔44bが形成される。抜き刃44は、取付部材49に取り付けられており、この取付部材49は、ガイドレバー42に接続されている。
【0049】
抜き刃44は、ハンドル部12が操作されていない待機位置にある状態では、先端の刃部44aが進入溝28から下方に突出せず、ハンドル部12が矢印U方向に押されると、押圧レバー43の押圧部43aに押圧されているシート束10に貫通するように、刃部44aの高さ及び移動量が設定されている。
【0050】
抜き刃44は、
図5に示すように、取付部材49の左右の側方に凸部49aが突出し、各凸部49aが、駆動部材41の第2のガイド孔41bに係合されている。ここで、第2のガイド孔41bを長穴形状とすることで、変位の軌跡が軸12mを中心とした円弧形状となる第2のガイド孔41bに沿って凸部49aが移動可能となり、凸部49aの変位の軌跡が円弧形状とならずに抜き刃44が直線移動する。
【0051】
以上のような綴じ部40は、ハンドル部12が矢印D方向に押し下げられると、ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印D方向への回転動作で、駆動部材41の第2のガイド孔41bによって抜き刃44を駆動する凸部49aが押圧され、抜き刃44が矢印D方向に移動する。これにより、抜き刃44がシート束10を貫通する動作が行われる。
【0052】
また、ハンドル部12が矢印U方向に押し上げられると、ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印U方向への回転動作で、駆動部材41の第2のガイド孔41bによって抜き刃44を駆動する凸部49aが押し上げられ、抜き刃44が矢印U方向に移動する。これにより、シート束10に貫通した抜き刃44が引き抜かれる動作が行われる。この抜き刃44が引き抜かれる動作では、後述するように、抜き刃44で保持した片2が、抜き刃44と連なって、シート束10の表面側に引き抜かれる動作が行われる。
【0053】
次に、綴じ部40の一部を構成する押圧ローラ56について説明する。押圧ローラ56は、抜き刃44の前方側に設けられる。押圧ローラ56は、コイルバネ57等の弾性部材によって下方に付勢され、挟持部20が綴じ位置と挿抜位置との間を移動する動作で、シート束10を綴じた片2を押圧する。
【0054】
次に、送り部50及びカセット収納部60Aについて説明する。送り部50は搬送手段の一例で、ベース部11Aの主枠体11eに設けられた第1のガイド構成部材50aと、第1のガイド構成部材50aと対向して下部枠体11fに設けられた第2のガイド構成部材50bによって、挟持部20の動作で搬送される片2が剥離される前のテープ5及び片2が剥離された剥離紙4の搬送路51を構成する。
【0055】
送り部50は、カセット収納部60Aに収納されたカセット8から引き出されたテープ5をガイドする第1のローラ52aと、第1のローラ52aの下流側で、テープ5の搬送経路を水平方向より下方に向ける第2のローラ52bを備え、屈曲した搬送経路を構成する。また、送り部50は、剥離紙4を保持する係止爪52cと、係止爪52cで保持された剥離紙4を退避させる退避部52dを備える。
【0056】
送り部50は、第1のローラ52aが第1のガイド構成部材50aに設けられる。また、送り部50は、第2のローラ52bと係止爪52cが、第2のガイド構成部材50bに設けられる。更に送り部50は、退避部52dが、第1のガイド構成部材50aと第2のガイド構成部材50bとの間の空間で構成される。
【0057】
送り部50は、第2のローラ52bで搬送経路を鋭角状に屈曲させることで、片2の剛性を利用してテープ5から片2を剥離させる剥離部52eを構成する。送り部50では、カセット収納部60Aに収納されたカセット8から引き出されたテープ5が、第1のローラ52aにガイドされて上側に向けて搬送される。次いで、テープ5は、第2のローラ52bにガイドされて、鋭角状に折曲される。剥離紙4が剥離部52eで鋭角状に折曲されることで、剥離紙4に仮着されている片2のみが上方に直進し、片2は、折れ曲がることなく真っ直ぐな状態で、剥離紙4から半分程度剥離された状態となる。剥離紙4から剥離された片2は、
図4に示す粘着層3を、挟持部20に挟まれて進入してくるシート束10側にして、シート束10を待ち受ける状態となる。第2のローラ52bより下流側の剥離紙4は、ベース部11Aの前方側へと搬送されて排出される。
【0058】
係止爪52cは、第2のローラ52bの下流側に設けられ、前方に傾斜した形態で搬送路51に突出し、剥離紙4の係合孔6と係合する。退避部52dは、係止爪52cと対向する位置に、剥離紙4が入る空間を設けて構成される。
【0059】
挟持部20を挿抜位置から綴じ位置に移動させることで、保持爪23eが矢印R方向に移動する動作で、テープ5及び剥離紙4に逆送りされる方向の力が加えられると、係止爪52cが剥離紙4の係合孔6と係合し、テープ5及び剥離紙4が逆送りされない。
【0060】
一方、挟持部20を綴じ位置から挿抜位置に移動させることで、保持爪23eが矢印F方向に移動する動作で、テープ5及び剥離紙4に順送りされる方向の力が加えられると、剥離紙4の係合孔6が係止爪52cから外れ、剥離紙4が退避部52dに入り、テープ5及び剥離紙4の順方向への搬送が可能となる。剥離紙4を搬送する力が加わらなくなると、剥離紙4の係合孔6が係止爪52cに係合する。
【0061】
カセット収納部60Aは収納部の一例で、ベース部11Aとハンドル部12を備えた装置本体110Aの下部、本例ではベース部11Aの後方下部に設けられる。カセット収納部60Aに収納されるカセット8は、片2が貼着された面が内側を向くような内巻きの形態でテープ5が巻かれたロール体7が収納され、引出口8aからテープ5が引き出される。
【0062】
カセット収納部60Aは、ロール体7の円周方向が縦向きとなるように、カセット8が縦向きで収納され、カセット8の引出口8aから引き出されたテープ5が、送り部50の下部から搬送路51に誘導され、かつ、収納されるカセット8の外形が、本例ではハンドル部12の後端より後方側に突出しない位置となるように構成される。
【0063】
カセット収納部60Aは、装置本体110Aにおいて、ハンドル部12の把持部位12aの後方側の部位であって、本例ではベース部11Aに設けられる。また、カセット収納部60Aは、挟持部20によって後述するように載置されるシート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部60Aは、カセット8の引出口8aが、送り部50を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。また、カセット収納部60Aは、挟持部20によって載置されるシート束10を介してハンドル部12の把持部位12aと相対する側の部位に設けられる。
【0064】
カセット収納部60Aは、剥離部52eに至る搬送経路の略直下に引出口8aが位置するように、本例では、引出口8aが上側を向く形態でカセット8が収納され、テープ5の引出口8aから引き出される部位が、搬送路51の下部に設けられる。これにより、引出口8aから剥離部52eに至る搬送経路は略直線状である。
【0065】
剥離部52eでは、第2のローラ52bで搬送経路を鋭角状に屈曲させることで、片2の剛性を利用してテープ5から片2を剥離させる構成であるが、剥離部52eに至る搬送経路を直線状とすることで、テープ5及び剥離紙4を搬送する際の負荷が低減される。
【0066】
カセット収納部60Aは、カセット8の収納位置が下部枠体11fの軸11gの位置に合わせた構成とすることで、軸11gを支点とした下部枠体11fの回転動作で開閉可能に構成される。
【0067】
<第1の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図6は、カセット収納部を開閉した状態を示す説明図であり、次に、綴じ装置1Aにおいて、カセット8と、テープ5及び剥離紙4を着脱する動作について説明する。
【0068】
図6に示すように、軸11gを支点とした矢印J
1方向への回転動作で下部枠体11fを開くと、カセット収納部60Aの前側が開く。これにより、ベース部11Aの前側から、カセット8の着脱が可能となる。
【0069】
また、下部枠体11fを開くと、第1のガイド構成部材50aに対して第2のガイド構成部材50bが下方へ開き、第2のローラ52b及び係止爪52cが搬送経路から退避して搬送路51が露出する。これにより、カセット収納部60Aに装着したカセット8からテープ5を引き出し、
図4で説明した係合孔6が係止爪52cに掛かるようにしてテープ5及び剥離紙4を搬送路51に装着する作業が容易に行える。
【0070】
図1に示すように、軸11gを支点とした矢印J
2方向への回転動作で下部枠体11fを綴じると、カセット8がカセット収納部60Aに保持される。また、下部枠体11fを綴じると、第1のガイド構成部材50aと第2のガイド構成部材50bが対向して搬送路51が形成され、テープ5及び剥離紙4が、所定の搬送経路に装着される。
【0071】
このように、ベース部11Aの下部にカセット収納部60Aを備えると共に、下部枠体11fを開閉可能な構成として、カセット収納部60A及び搬送路51が開閉される構成とすることで、下部枠体11fを開いた状態では、
図6に示すように、カセット収納部60Aから引き出される部位も含めて、テープ5及び剥離紙4の搬送経路の全体が露出する。これにより、テープ5及び剥離紙4の着脱が容易に行える。
【0072】
なお、本例では、ロール体7がカセット8に収納される形態で説明したが、カセット収納部60Aをロール体7に合わせた形状として、ロール体7を直接カセット収納部60Aに収納できるような構成としても良い。
【0073】
図7は、片でシート束を綴じる動作の概要を示す説明図、
図8〜
図13は、第1の実施の形態の綴じ装置の動作の一例を示す説明図であり、次に、各図を参照して、第1の実施の形態の綴じ装置1Aで片2によりシート束10を綴じる動作について説明する。
【0074】
図7(a)及び
図8に示す待機状態では、ハンドル部12は操作されておらず、抜き刃44が進入溝28の上方の待機位置に退避している。また、挟持部20は、押さえ部材24が矢印H
2方向に回転して、トレイ23に対して開いた状態となって、挿抜位置Pp1に位置する。
【0075】
更に、片2は、剥離紙4から半分程度剥離した部分が片待機部28aに突出し、
図7(a)に示すように、挟持部20で挟持されて挿抜位置Pp1から綴じ位置Pp2へと移動するシート束10の移動経路で待機する。
【0076】
このような待機状態の綴じ装置1Aにおいて、シート束10がトレイ23の載置部23aに置かれると、押さえ部材24及び弾性片24bが、シート束10の厚さに応じて弾性変形し、弾性片24bによって載置部23aに仮押さえされる。
【0077】
図9に示すシート束10の保持状態では、押さえ部材24が作業者により矢印H
1方向に押されることで、押さえ部材24が回転軸23cを支点に矢印H
1方向に回転し、押さえ部材24及び弾性片24bが更に弾性変形して、押さえ部材24とトレイ23間で、弾性片24bによってシート束10が保持される。
【0078】
図10に示す片2が予備整形される状態では、シート束10が保持された挟持部20が作業者により矢印Rに押されることにより、シート束10が保持された挟持部20が、挿抜位置Pp1から矢印R方向に移動して、片待機部28aで待機している片2にシート束10の端部10aが接する。シート束10が保持された挟持部20が更に矢印R方向に移動すると、シート束10及びシート束10に押された片2が、押圧レバー43の押圧部43aと進入溝28との間に挟まれる。
【0079】
そして、シート束10が保持された挟持部20が綴じ位置Pp2まで移動すると、
図7(b)に示すように、押圧レバー43の押圧部43a及び進入溝28と、シート束10の端部10aとの組み合わせによる凹凸形状の間に片2が入る。これにより、片2は、シート束10の端部10aと、押圧レバー43の押圧部43a及び進入溝28の形状に合わせて予備整形されると共に、剥離紙4から剥離される。
【0080】
シート束10が保持された挟持部20が挿抜位置Pp1から綴じ位置Pp2まで移動する動作では、テープ5及び剥離紙4に逆送りされる方向の力が加えられ、係止爪52cが剥離紙4の係合孔6と係合する。また、保持爪23eがバネ23gに抗して軸23fを支点に矢印G
1方向に回転し、剥離紙4の搬送経路から退避する。これにより、保持爪23eが剥離紙4の係合孔6とは係合せず、挟持部20を挿抜位置Pp1から綴じ位置Pp2に移動させる動作で、テープ5及び剥離紙4が逆送りされない。
【0081】
図11に示すシート束10が抜き刃44で穿孔される状態では、ハンドル部12の把持部位12aが把持されて、ハンドル部12がコイルバネ45の付勢力に抗して矢印D方向に押し下げられると、ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印D方向への回転動作で、駆動部材41の第1のガイド孔41aによってガイドレバー42の凸部42aが押圧され、ガイドレバー42が矢印D方向に移動する。
【0082】
ガイドレバー42が矢印D方向に移動すると、ガイドレバー42で移動部材48が押圧され、押圧バネ47を介して押圧レバー43が押圧されて、押圧レバー43が矢印D方向に移動する。これにより、挟持部20で保持されて綴じ位置Pp2に移動したシート束10が、押圧レバー43の押圧部43aで押圧され、予備整形された片2において、押圧レバー43の押圧部43a及び進入溝28に挟まれる部位が、シート束10の表面及び裏面に貼着される。
【0083】
また、ハンドル部12が矢印D方向に押し下げられると、ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印D方向への回転動作で、駆動部材41の第2のガイド孔41bによって抜き刃44を駆動する凸部49aが押圧され、抜き刃44が矢印D方向に移動する。
【0084】
そして、ハンドル部12が下死点に到達するまで押し下げられると、押圧レバー43でシート束10を押圧した状態で、
図7(c)に示すように、抜き刃44がシート束10を貫通する。抜き刃44がシート束10を貫通すると、抜き刃44の挿通孔44bに、片2においてシート束10に貼着されていない部位であるシート束10の裏面側の自由端が進入する。
【0085】
図12に示す片2をシート束10に挿通させる状態では、ハンドル部12の把持部位12aを把持する力が弱まる等により、ハンドル部12を押圧する力が、コイルバネ45の復元力より弱くなると、復元しようとするコイルバネ45の力で、ガイドレバー42の凸部42aを介して駆動部材41の第1のガイド孔41aが押圧され、ハンドル部12が矢印U方向に押し上げられる。
【0086】
ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印U方向への回転動作で、ガイドレバー42が矢印U方向に移動すると、押圧バネ47を介して押圧レバー43が押し上げられて、押圧レバー43が矢印U方向に移動し、シート束10の押圧が解放される。
【0087】
また、ハンドル部12の軸12mを支点とした矢印U方向への回転動作で、駆動部材41の第2のガイド孔41bによって抜き刃44を駆動する凸部49aが押し上げられ、抜き刃44が矢印U方向に移動する。そして、
図7(d)に示すように、抜き刃44の戻り動作、即ち、シート束10に貫通した抜き刃44が引き抜かれる動作で、挿通孔44bに挿通した片2の自由端が抜き刃44と連なって、シート束10の表面側に引き抜かれる。
【0088】
図13に示す片2を本整形してシート束10を取り出す状態では、ハンドル部12が上死点まで押し上げられて待機位置まで戻った後、シート束10を保持している挟持部20を矢印F方向へ移動させる。挟持部20が綴じ位置Pp2から挿抜位置Pp1へ移動する動作で、
図7(e)に示すように、シート束10を挿通した片2が、シート束10と押圧ローラ56との間に挟まれる。そして、片2が押圧ローラ56でシート束10に押圧されることで、片2は、シート束10に貼り付けられて本整形される。
【0089】
挟持部20が綴じ位置Pp2から挿抜位置Pp1まで移動する動作では、保持爪23eが矢印F方向に移動することで、バネ23gの力で軸23fを支点に矢印G
2方向に回転し、剥離紙4の搬送経路に突出する。これにより、保持爪23eが剥離紙4の係合孔6と係合し、剥離紙4を矢印F方向に移動させる力が加えられる。剥離紙4を矢印F方向に移動させる力が加えられると、剥離紙4の係合孔6が係止爪52cから外れ、剥離紙4が退避部52dに入る。
【0090】
これにより、挟持部20を綴じ位置Pp2から挿抜位置Pp1に移動させる動作で、テープ5及び剥離紙4が、片2の1つ分の長さ引き出される。挟持部20が停止して、剥離紙4を移動させる力が加わらなくなると、剥離紙4の係合孔6が係止爪52cに係合する。テープ5及び剥離紙4が、片2の1つ分の長さ引き出されると、次の片2が、剥離紙4から半分程度剥離した部分が片待機部28aに突出する。
【0091】
挟持部20を挿抜位置Pp1まで移動させた後、押さえ部材24を回転軸23cを支点に矢印H
2方向に回転させ、押さえ部材24を開くことで、シート束10をトレイ23から取り出すことが可能となる。
【0092】
綴じ装置1Aは、ハンドル部12が軸12mを支点とした回転動作で変位する構成で、カセット収納部60Aが、装置本体110Aにおいて、挟持部20によって載置されるシート束10を介してハンドル部12の把持部位12aと相対する側の部位、本例では、ハンドル部12の把持部位12aの後方側の部位であって、シート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられることで、ハンドル部12の把持部位12aを把持するのに支障をきたすことがない。
【0093】
また、装置本体110Aの前後方向の寸法の小型化を図ることができ、カセット収納部60Aに収納されるカセット8の外形が、本例ではハンドル部12の後端より後方側に突出しない位置となるように構成されることで、卓上で使用する場合でも、設置面積を少なくできる。
【0094】
<第2の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図14は、第2の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の綴じ装置1Bは、カセット8を前方下部に収納する構成である。なお、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0095】
綴じ装置1Bは、カセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部60Bを、ベース部11Bとハンドル部12を備えた装置本体110Bの下部、本例では、ハンドル部12の回転動作の軸12mと反対側となるベース部11Bの前方下部に備える。ベース部11Bは、主枠体11hと下部枠体11iを備える。ベース部11Bは、主枠体11hの後方上部に軸支持部11mが設けられる。また、ベース部11Bは、主枠体11hの前方に設けた軸11jを支点に、下部枠体11iが回転可能に取り付けられる。ベース部11Bは、下部枠体11iの矢印K
1及び矢印K
2方向への回転動作で、下部枠体11iが前方へ開き、ベース部11Bの下部が開閉可能に構成される。綴じ装置1Bでも、ハンドル部12には、綴じ装置1Bを把持して操作するための把持部位12aが設けられ、綴じ装置1Bを操作する際には、把持部位12aを把持することで操作が可能となっている。
【0096】
送り部50は、ベース部11Bの主枠体11hに第1のガイド構成部材50aが設けられ、第1のローラ52aが第1のガイド構成部材50aに設けられる。また、送り部50は、ベース部11Bの下部枠体11iに第2のガイド構成部材50bが設けられ、第2のローラ52bと係止爪52cが、第2のガイド構成部材50bに設けられる。
【0097】
カセット収納部60Bは収納部の一例で、装置本体110Bにおいて、抜き刃44を介してハンドル部12の回転動作の軸12mと相対する側の部位、本例では、ベース部11Bの前方下部に設けられる。カセット収納部60Bは、下部枠体11iに設けられ、カセット8の引出口8aから引き出されたテープ5が、送り部50の下部から搬送路51に誘導され、かつ、収納されるカセット8の外形が、本例では主枠体11hの前端より前方側に突出しない位置となるように構成される。
【0098】
カセット収納部60Bも、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同様に、剥離部52eに至る搬送経路の略直下に引出口8aが位置するように、本例では、引出口8aが上側を向く形態でカセット8が収納され、テープ5の引出口8aから引き出される部位が、搬送路51の下部に設けられる。
【0099】
カセット収納部60Bは、装置本体110Bにおいて、ハンドル部12の把持部位12aの前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部60Bは、挟持部20によって載置されるシート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部60Bは、カセット8の引出口8aが、送り部50を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。また、カセット収納部60Bは、挟持部20によって載置されるシート束10を介してハンドル部12の把持部位12aと相対する側の部位に設けられる。
【0100】
カセット収納部60Bは、下部枠体11iに設けられる構成とすることで、軸11jを支点とした下部枠体11iの回転動作で開閉可能に構成される。
【0101】
<第2の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図15は、カセット収納部を開閉した状態を示す説明図であり、次に、綴じ装置1Bにおいて、カセット8と、テープ5及び剥離紙4を着脱する動作について説明する。
【0102】
図15に示すように、軸11jを支点とした矢印K
1方向への回転動作で下部枠体11iを開くと、カセット収納部60Bが開く。これにより、ベース部11Bの下側から、カセット8の着脱が可能となる。
【0103】
また、下部枠体11iを開くと、第1のガイド構成部材50aに対して第2のガイド構成部材50bが下方へ開き、第2のローラ52b及び係止爪52cが搬送経路から退避して搬送路51が露出する。これにより、カセット収納部60Bに装着したカセット8からテープ5を引き出し、
図4で説明した係合孔6が係止爪52cに掛かるようにしてテープ5及び剥離紙4を搬送路51に装着する作業が容易に行える。
【0104】
図14に示すように、軸11jを支点とした矢印K
2方向への回転動作で下部枠体11iを綴じると、カセット8が所定の位置に装着されると共に、第1のガイド構成部材50aと第2のガイド構成部材50bが対向して搬送路51が形成され、テープ5及び剥離紙4が、所定の搬送経路に装着される。
【0105】
このように、ベース部11Bの下部にカセット収納部60Bを備えると共に、下部枠体11iを開閉可能な構成として、カセット収納部60B及び搬送路51が開閉される構成とすることで、下部枠体11iを開いた状態では、
図15に示すように、カセット収納部60Bから引き出される部位も含めて、テープ5及び剥離紙4の搬送経路の全体が露出する。これにより、テープ5及び剥離紙4の着脱が容易に行える。
【0106】
なお、本例でも、ロール体7がカセット8に収納される形態で説明したが、カセット収納部60Bをロール体7に合わせた形状として、ロール体7を直接カセット収納部60Bに収納できるような構成としても良い。
【0107】
綴じ装置1Bでも、ハンドル部12が軸12mを支点とした回転動作で変位する構成で、カセット収納部60Bが、装置本体110Bにおいて、挟持部20によって載置されるシート束10を介してハンドル部12の把持部位12aと相対する側の部位、本例では、ハンドル部12の把持部位12aの前方側の部位であって、シート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられることで、ハンドル部12の把持部位12aを把持するのに支障をきたすことがない。
【0108】
また、装置本体110Bの前後方向の寸法の小型化を図ることができ、カセット収納部60Bに収納されるカセット8の外形が、本例ではハンドル部12の後端より後方側に突出しない位置となるように構成されることで、卓上で使用する場合でも、設置面積を少なくできる。
【0109】
図16は、第2の実施の形態の綴じ装置の変形例を示す構成図である。なお、第2の実施の形態の綴じ装置1Bと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0110】
変形例の綴じ装置1B
1は、ハンドル部12には、綴じ装置1B
1を把持して操作するための第1の把持部位12a
1が設けられる。また、カセット収納部60Bの非形成位置である主枠体11hの後方下部を切欠いて、綴じ装置1B
1を把持して操作するための第2の把持部位11d
1が設けられ、綴じ装置1B
1を操作する際には、第1の把持部位12a
1と第2の把持部位11d
1を把持することで操作が可能となっている。
【0111】
図17は、第2の実施の形態の綴じ装置の他の変形例を示す構成図である。なお、第2の実施の形態の綴じ装置1Bと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0112】
他の変形例の綴じ装置1B
2は、ハンドル部12には、綴じ装置1B
2を把持して操作するための第1の把持部位12a
1が設けられる。また、カセット収納部60Bの非形成位置である主枠体11hの後方下部に、指が入るような例えば長孔形状の開口を設けて、綴じ装置1B
2を把持して操作するための第2の把持部位11d
2が設けられ、綴じ装置1B
2を操作する際には、第1の把持部位12a
1と第2の把持部位11d
2を把持することで操作が可能となっている。
【0113】
何れの変形例でも、カセット収納部60Bが、装置本体110Bにおいてハンドル部12の第1の把持部位12a
1の前方側の部位に設けられることで、ベース部11Bの形状の自由度が増し、より把持に適した形状とすることができる。
【0114】
<第3の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図18及び
図19は、第3の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。ここで、
図18は、綴じ装置1Cの内部構成を示す側面図、
図19は、綴じ装置1Cの上面図である。第3の実施の形態の綴じ装置1Cは、カセット8を横向きとして前方下部に収納する構成である。なお、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0115】
綴じ装置1Cは、カセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部60Cを、ベース部11Cとハンドル部12を備えた装置本体110Cの下部、本例では、ハンドル部12の回転動作の軸12mと反対側となるベース部11Cの前方下部に備える。ベース部11Cは、主枠体11pと下部枠体11qを備える。ベース部11Cは、主枠体11pの後方上部に軸支持部11mが設けられる。また、ベース部11Cは、主枠体11pの前方に設けた軸11rを支点に、下部枠体11qが回転可能に取り付けられる。ベース部11Cは、下部枠体11qの矢印K
1及び矢印K
2方向への回転動作で、下部枠体11qが前方へ開き、ベース部11Cの下部が開閉可能に構成される。綴じ装置1Cは、ハンドル部12には、綴じ装置1Cを把持して操作するための第1の把持部位12a
1が設けられる。また、ベース部11Cには、綴じ装置1Cを把持して操作するための第2の把持部位11d
3が設けられ、綴じ装置1Cを操作する際には、第1の把持部位12a
1と第2の把持部位11d
3を把持することで操作が可能となっている。
【0116】
送り部50は、ベース部11Cの主枠体11pに第1のガイド構成部材50aが設けられ、第1のローラ52aが第1のガイド構成部材50aに設けられる。また、送り部50は、ベース部11Cの下部枠体11qに第2のガイド構成部材50bが設けられ、第2のローラ52bと係止爪52cが、第2のガイド構成部材50bに設けられる。
【0117】
これにより、軸11rを支点とした矢印K
1方向への回転動作で下部枠体11qを開くと、カセット収納部60Bが開き、カセット8の着脱が可能となると共に、第1のガイド構成部材50aに対して第2のガイド構成部材50bが下方へ開き、搬送路51が露出して、テープ5及び剥離紙4の着脱が可能になる。
【0118】
また、軸11rを支点とした矢印K
2方向への回転動作で下部枠体11qを綴じると、カセット8が所定の位置に装着されると共に、第1のガイド構成部材50aと第2のガイド構成部材50bが対向して搬送路51が形成され、テープ5及び剥離紙4が、所定の搬送経路に装着される。
【0119】
カセット収納部60Cは、ロール体7の円周方向が横向きとなるように、カセット8が横向きで収納され、カセット8の引出口8aから引き出されたテープ5が、送り部50の下部から搬送路51に誘導され、かつ、収納されるカセット8の外形が、本例では主枠体11hの前端より前方側に突出しない位置となるように構成される。すなわち、カセット収納部60Cは、装置本体110Bにおいて、抜き刃44を介してハンドル部12の回転動作の軸12mと相対する側の部位に設けられる。
【0120】
カセット収納部60Cにおいて、テープ5の引出口8aから引き出される部位が、搬送路51の下部に設けられ、カセット8の引出口8aから横向きに引き出されるテープ5は、
図19に示すように、剥離部52eにおいて縦方向に搬送されるように搬送経路が曲げられる。
【0121】
カセット収納部60Cは、装置本体110Cにおいて、ハンドル部12の第1の把持部位12a
1、もしくは、ベース部11Cの第2の把持部位11d
3の前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部60Cは、挟持部20によって載置されるシート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部60Cは、カセット8の引出口8aが、送り部50を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。また、カセット収納部60Cは、挟持部20によって載置されるシート束10を介してハンドル部12の第1の把持部位12a
1と相対する側の部位に設けられる。
【0122】
綴じ装置1Cでは、カセット8が横向きで取り付けられることで、高さ方向の寸法も低く抑えることができる。これにより、ベース部11Cの形状の自由度が増し、より把持に適した形状とすることができる。また、装置本体110Cの前後方向の寸法の小型化を図ることができ、卓上で使用する場合でも、設置面積を少なくできる。
【0123】
なお、綴じ装置1A、綴じ装置1B及び綴じ装置1Cでは、シート束10を移動させることによるシート束10と片2との相対移動で、片2を予備整形する構成で、シート束10を移動させる挟持部20の動作を、ハンドル部12の操作と連動させる構成としても良い。また、シート束10を移動させず、片2側を移動させることによるシート束10と片2との相対移動で、片2を予備整形する構成としても良い。
【0124】
また、綴じ装置1A、綴じ装置1B及び綴じ装置1Cでは、直線移動で抜き刃44及び押圧レバー43を移動させる操作部材を、抜き刃44及び押圧レバー43の直上に備える構成としても良い。
【0125】
<第4の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図20及び
図21は、第4の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。綴じ装置1Dは、ベース部111と、ベース部111に対して回転可能に設けられるハンドル部122を備える。
【0126】
ベース部111は、テープ5のロール体7が収納されたカセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部111aを前方下部に備える。また、ベース部111は、シート束10が挿入される進入溝111bを備える。更に、ベース部111は、図示しないが、カセット8から引き出されたテープ5及び剥離紙4を搬送する送り部、片を予備整形する構成等、上述した各実施の形態で説明した構成を備える。
【0127】
ハンドル部122は操作部材の一例で、軸122aを支点として回転可能にベース部111に取り付けられる。ハンドル部122は、一方の端部側に抜き刃140が連結される連結部122bを備え、他方の端部側が自由端となる。綴じ装置1Dは、ハンドル部122には、綴じ装置1Dを把持して操作するための第1の把持部位122dが設けられる。また、ベース部111には、綴じ装置1Dを把持して操作するための第2の把持部位111dが設けられ、綴じ装置1Dを操作する際には、第1の把持部位122dと第2の把持部位111dを把持することで操作が可能となっている。
【0128】
カセット収納部111aは、ハンドル部122の第1の把持部位122d、もしくは、ベース部111の第2の把持部位111dの前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部111aは、進入溝111bに載置されるシート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部111aは、進入溝111bに載置されるシート束10を介してハンドル部122の第1の把持部位122dと相対する側の部位に設けられる。
【0129】
綴じ装置1Dは、第1の把持部位122dと第2の把持部位111dが把持されることで、ハンドル部122が軸122aを支点に回転し、このハンドル部122が回転する動作が抜き刃140に伝達される。
【0130】
ハンドル部122が矢印L
1方向に操作されると、軸122aを支点に回転することで、抜き刃140が矢印L
11方向に移動し、進入溝111bに挿入されたシート束10を貫通する。また、図示しないが、予備整形された片を抜き刃140で保持する。
【0131】
ハンドル部122が矢印L
2方向に操作されると、軸122aを支点に回転することで、抜き刃140が矢印L
21方向に移動し、シート束10に貫通した抜き刃140が引き抜かれる動作で、片が抜き刃140と連なって、シート束10の表面側に引き抜かれる。
【0132】
図22及び
図23は、第4の実施の形態の綴じ装置の変形例を示す構成図である。変形例の綴じ装置1D
1は、カセット収納部111a
1が、ハンドル部122の第1の把持部位122d、もしくは、ベース部111の第2の把持部位111dの前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部111a
1が、抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部111a
1が、進入溝111bに載置されるシート束10を介してハンドル部122の第1の把持部位122dと相対する側の部位に設けられる。
【0133】
綴じ装置1Dでは、カセット8が装置の前方下部に取り付けられ、綴じ装置1D
1では、カセット8が装置の前方上部に取り付けられることで、ハンドル部122側の後方に突出する形状が無い。これにより、ハンドル部122及びベース部111の形状の自由度が増え、例えば、片手で把持できるような形状とすることができる。
【0134】
<第5の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図24及び
図25は、第5の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。綴じ装置1Eは、ベース部112と、ベース部112に対して回転可能に設けられるハンドル部123と、ハンドル部123の動作を抜き刃140に伝達するリンク124を備える。
【0135】
ベース部112は、テープ5のロール体7が収納されたカセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部112aを前方下部に備える。また、ベース部112は、シート束10が挿入される進入溝112bを備える。更に、ベース部112は、図示しないが、カセット8から引き出されたテープ5及び剥離紙4を搬送する送り部、片を予備整形する構成等、上述した各実施の形態で説明した構成を備える。
【0136】
ハンドル部123は操作部材の一例で、軸123aを支点として回転可能にベース部112に取り付けられる。ハンドル部123は、一方の端部側にリンク124が連結される連結部123bを備え、他方の端部側が自由端となる。綴じ装置1Eは、ハンドル部123には、綴じ装置1Eを把持して操作するための第1の把持部位123eが設けられる。また、ベース部112には、綴じ装置1Eを把持して操作するための第2の把持部位112eが設けられ、綴じ装置1Eを操作する際には、第1の把持部位123eと第2の把持部位112eを把持することで操作が可能となっている。
【0137】
カセット収納部112aは、ハンドル部123の第1の把持部位123e、もしくは、ベース部112の第2の把持部位112eの前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部112aは、進入溝112bに載置されるシート束10を介して抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部112aは、進入溝112bに載置されるシート束10を介してハンドル部123の第1の把持部位123eと相対する側の部位に設けられる。
【0138】
リンク124は、軸124aを支点として回転可能にベース部112に取り付けられる。リンク124は、一方の端部にハンドル部123の連結部123bと連結される連結軸124bを備え、他方の端部に抜き刃140が連結される連結部124cを備える。
【0139】
綴じ装置1Eは、第1の把持部位123eと第2の把持部位112eが把持されることで、ハンドル部123が軸123aを支点に回転すると共に、リンク124が軸124aを支点に回転し、このハンドル部123及びリンク124が回転する動作が抜き刃140に伝達される。
【0140】
ハンドル部123が矢印M
1方向に操作されると、ハンドル部123が軸123aを支点に回転すると共に、リンク124が軸124aを支点に回転することで、抜き刃140が矢印M
11方向に移動し、進入溝112bに挿入されたシート束10を貫通する。また、図示しないが、予備整形された片を抜き刃140で保持する。
【0141】
ハンドル部123が矢印M
2方向に操作されると、ハンドル部123が軸123aを支点に回転すると共に、リンク124が軸124aを支点に回転することで、抜き刃140が矢印M
21方向に移動し、シート束10に貫通した抜き刃140が引き抜かれる動作で、片が抜き刃140と連なって、シート束10の表面側に引き抜かれる。
【0142】
図26及び
図27は、第5の実施の形態の綴じ装置の変形例を示す構成図である。変形例の綴じ装置1E
1は、カセット収納部111a
1が、ハンドル部123の第1の把持部位123e、もしくは、ベース部112の第2の把持部位112eの前方側の部位に設けられる。また、カセット収納部111a
1が、抜き刃44と相対する側の部位に設けられる。更に、カセット収納部111a
1が、進入溝111bに載置されるシート束10を介してハンドル部123の第1の把持部位123eと相対する側の部位に設けられる。
【0143】
綴じ装置1Eでは、カセット8が装置の前方下部に取り付けられ、綴じ装置1E
1では、カセット8が装置の前方上部に取り付けられることで、ハンドル部123側の後方に突出する形状が無い。これにより、ハンドル部123及びベース部112の形状の自由度が増え、例えば、片手で把持できるような形状とすることができる。また、リンク124を用いてハンドル部123の動作を抜き刃140に伝達することで、ハンドル部123の動作に対する抜き刃140の作動比の設定の自由度が向上し、ハンドル部123の形状の自由度がより向上する。
【0144】
<第6の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図28は、第6の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。第6の実施の形態の綴じ装置1Fは、カセット8を後方に収納する構成である。なお、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0145】
綴じ装置1Fは、ハンドル部12には、綴じ装置1Fを把持して操作するための第1の把持部位12a
1が設けられる。また、ベース部11Kには、綴じ装置1Fを把持して操作するための第2の把持部位11K
1が設けられ、綴じ装置1Fを操作する際には、第1の把持部位12a
1と第2の把持部位11K
1を把持することで操作が可能となっている。
【0146】
綴じ装置1Fは、カセット8が着脱可能に装着されるカセット収納部60Fを、ベース部11Kとハンドル部12を備えた装置本体110Fの後方に備える。
【0147】
カセット収納部60Fは収納部の一例で、装置本体110Fにおいて、ハンドル部12の第1の把持部位12a
1、もしくは、ベース部11Kの第2の把持部位11k
1の後方側の部位、本例では、ベース部11Kの後方に設けられる。
【0148】
綴じ装置1Fでは、カセット8が装置本体110Fの後方に取り付けられることで、高さ方向の寸法を低く抑えることができる。これにより、ベース部11Kの形状の自由度が増し、把持に適した形状とすることができる。
【0149】
<第7の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図29及び
図30は、第7の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。なお、第4の実施の形態の綴じ装置1Dと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0150】
綴じ装置1Gは、ハンドル部122には、綴じ装置1Gを把持して操作するための第1の把持部位122dが設けられる。また、ベース部111には、綴じ装置1Gを把持して操作するための第2の把持部位111dが設けられ、綴じ装置1Gを操作する際には、第1の把持部位122dと第2の把持部位111dを把持することで操作が可能となっている。
【0151】
カセット収納部111gは、ベース部111の第2の把持部位111dの後方側の部位に設けられる。
【0152】
綴じ装置1Gでは、カセット8が装置の後方で把持の妨げにならない位置に取り付けられることで、ハンドル部122及びベース部111の形状の自由度が増え、例えば、片手で把持できるような形状とすることができる。
【0153】
<第8の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図31及び
図32は、第8の実施の形態の綴じ装置の一例を示す構成図である。なお、第5の実施の形態の綴じ装置1Eと同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0154】
綴じ装置1Hは、ハンドル部123には、綴じ装置1Hを把持して操作するための第1の把持部位123eが設けられる。また、ベース部112には、綴じ装置1Hを把持して操作するための第2の把持部位112eが設けられ、綴じ装置1Hを操作する際には、第1の把持部位123eと第2の把持部位112eを把持することで操作が可能となっている。
【0155】
カセット収納部112hは、ベース部112の第2の把持部位112eの後方側の部位に設けられる。
【0156】
綴じ装置1Hでは、カセット8が装置の後方で把持の妨げにならない位置に取り付けられることで、ハンドル部123及びベース部112の形状の自由度が増え、例えば、片手で把持できるような形状とすることができる。
【0157】
<テープの収納形態の変形例>
図33は、カセットの変形例を示す説明図で、消耗品であるテープ5の収納形態の変形例について説明する。カセット80は、長尺状のテープ5が蛇腹状に折り畳まれて収納され、引出口80aから引き出される構成である。このように、テープ5は、ロール状に巻かれる形態、蛇腹状に折り畳まれる形態、その他、所定の大きさに収まるように折り畳まれる形態であれば、収納形態は問わない。