(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
混練室内に配置されロータ軸により回転して材料を混練するロータと、この混練室とこのロータ軸との間のシール部に潤滑油を供給する潤滑油供給機構とを備えるミキサーの混練制御方法において、
前記混練室内に前記材料がない場合には、前記ロータの回転速度を予め設定した待機回転速度まで低下させて、これと同時またはこの時点から予め設定した時間経過後に前記潤滑油供給機構から前記シール部に供給される前記潤滑油の供給量を予め設定した待機時供給量まで低下させて前記潤滑油を供給する待機モードに設定し、
前記混練室内に前記材料がある場合には、前記待機モードを解除することにより、前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させ、かつ、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも上昇させて、前記材料を混練することを特徴とするミキサーの混練制御方法。
前記待機モードを解除する際に、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも増加させると同時またはこの時点から予め設定した経過時間後に前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させる請求項1に記載のミキサーの混練制御方法。
混練室内に配置されロータ軸により回転して材料を混練するロータと、この混練室とこのロータ軸との間のシール部に潤滑油を供給する潤滑油供給機構とを備えるミキサーの制御システムにおいて、
前記混練室内の前記材料の有無を検知するセンサと、このセンサからの検知信号に基づいて前記ロータの回転速度および前記潤滑油の供給量を制御する制御装置とを備え、
前記センサが前記混練室内に前記材料がないと判断した場合には、前記制御装置が、前記ロータの回転速度を予め設定した待機回転速度まで低下させて、これと同時またはこの時点から予め設定した時間経過後に前記潤滑油供給機構から前記シール部に供給される前記潤滑油の供給量を予め設定した待機時供給量まで低下させて前記潤滑油を供給する待機モードに設定し、
前記センサが前記混練室内に前記材料があると判断した場合には、前記制御装置が前記待機モードを解除することにより、前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させ、かつ、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも上昇させる構成にしたことを特徴とするミキサーの混練制御システム。
前記制御装置が前記待機モードを解除する際に、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも増加させると同時またはこの時点から予め設定した経過時間後に前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させる構成にした請求項4に記載のミキサーの混練制御システム。
【背景技術】
【0002】
ゴム等の材料を混練するミキサーは、混練室内に配置されロータ軸により回転して材料を混練するロータと、この混練室とロータ軸との間のシール部に潤滑油を供給する潤滑油供給機構とを備えている。このミキサーにおいて、潤滑油の供給量を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のミキサーは、潤滑油を供給するポンプ用モータの回転速度を、ロータの回転速度に連動させることでシール部への潤滑油の供給量を調整することができる。つまり潤滑油の供給量が、ロータの回転速度に比例する構成になっている。
【0004】
このミキサーでは、混練されたゴム等の材料を排出し、次の混練すべき材料(次のバッチの材料)が供給されるまでの待機時間に、ロータの回転速度を低下させた状態にすれば潤滑油の供給量が低減する。しかし、この待機時間もロータは回転し続け、このロータの回転速度に応じた量の潤滑油がシール部に供給され続けるので、待機時間が長くなる程、無駄な量の潤滑油が供給されることになる。
【0005】
シール部に供給される潤滑油の量が過剰となると、潤滑油が混練室内に漏れ出す不具合が発生する場合がある。混練室内に潤滑油が漏れ出すと、この潤滑油によりゴム等の材料がロータ上を滑ってしまうので、混練が十分に行われない。
【0006】
一方、待機時間にミキサーを停止させると、ロータも停止して潤滑油の供給も停止されるが、再始動までに時間を要して生産性の低下等の問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的はミキサーがゴム等の材料を連続して混練する際の工程と工程との間の待機時間に、ミキサーのシール部に供給される潤滑油の量を最小限に抑えつつ、生産性の悪化を生じさせることがないミキサーの混練制御方法および制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のミキサーの混練制御方法は、混練室内に配置されロータ軸により回転して材料を混練するロータと、この混練室とこのロータ軸との間のシール部に潤滑油を供給する潤滑油供給機構とを備えるミキサーの混練制御方法において、前記混練室内に前記材料がない場合には、前記ロータの回転速度を予め設定した待機回転速度まで低下させて、これと同時またはこの時点から予め設定した時間経過後に前記潤滑油供給機構から前記シール部に供給される前記潤滑油の供給量を予め設定した待機時供給量まで低下させ
て前記潤滑油を供給する待機モードに設定し、前記混練室内に前記材料がある場合には、前記待機モードを解除することにより、前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させ、かつ、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも上昇させて、前記材料を混練することを特徴とする。
【0010】
本発明のミキサーの混練制御システムは、混練室内に配置されロータ軸により回転して材料を混練するロータと、この混練室とこのロータ軸との間のシール部に潤滑油を供給する潤滑油供給機構とを備えるミキサーの制御システムにおいて、前記混練室内の前記材料の有無を検知するセンサと、このセンサからの検知信号に基づいて前記ロータの回転速度および前記潤滑油の供給量を制御する制御装置とを備え、前記センサが前記混練室内に前記材料がないと判断した場合には、前記制御装置が、前記ロータの回転速度を予め設定した待機回転速度まで低下させて、これと同時またはこの時点から予め設定した時間経過後に前記潤滑油供給機構から前記シール部に供給される前記潤滑油の供給量を予め設定した待機時供給量まで低下させ
て前記潤滑油を供給する待機モードに設定し、前記センサが前記混練室内に前記材料があると判断した場合には、前記制御装置が前記待機モードを解除することにより、前記ロータの回転速度を前記待機回転速度よりも上昇させ、かつ、前記潤滑油の供給量を前記待機時供給量よりも上昇させる構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサにより混練室内に材料があるかないかを判断するので、材料がないと判断した場合は、ロータの回転速度を最低限の待機回転速度に低下させ、これに伴って潤滑油の供給量を最小限にすることができる。それ故、待機時間が長くなっても潤滑油が過剰に供給されて混練室内に漏れ出すことを抑制できる。これにより混練室内の材料が、潤滑油によりロータ上を滑ってしまい十分に混練されない不具合を回避するには有利になる。また、潤滑油の浪費抑制にも有益である。
【0012】
ロータを待機回転速度まで低下させる前に潤滑油が待機時供給量に低下することがないので、シール部の発熱や焼き付きは回避される。材料の混練を再開するには、待機モードを解除してロータの回転速度を最低限の待機回転速度から適切な回転速度に上げればよい。したがって、ロータを停止状態から再始動させる場合に比して遥かに迅速に通常の混練モードに移行できる。それ故、生産性を悪化させることもない。
【0013】
本発明では、待機モードを解除する際に、潤滑油の供給量を待機時供給量よりも増加させると同時またはこの時点から予め設定した経過時間後にロータの回転速度を待機回転速度よりも上昇させることもできる。これにより、待機モードを解除した後のシール部の発熱や焼き付きを回避するには有利になる。混練する材料としては例えば、加硫系配合剤が混入された未加硫ゴムを対象にする。加硫系配合剤が混入された未加硫ゴム(いわゆるファイナルゴム)は、加硫系配合剤が混入されていない未加硫ゴム(いわゆるノンプロゴム)よりもロータに対して滑り易い。そのため、本発明を適用すれば滑りなく十分に混練するにはより効果的である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のミキサーの混練制御方法および制御システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1〜
図3に例示するように本発明の制御システム1が設置されるミキサー2は、密閉型ミキサー(いわゆるバンバリーミキサー)である。ロータ軸4に支持されて混練室3内に配置されたロータ5と、混練室3とロータ軸4との間のシール部6に潤滑油を供給する潤滑油供給機構7とを備えている。
【0017】
混練室3には平行に対置された2本のロータ軸4のそれぞれにロータ5が軸支されて設置されている。混練室3の上方には材料8を投入するための投入口9が設けられていて、この投入口9から投入される材料8は混練室3内に導かれる。この投入口9から混練室3に至る経路の途中部分にはラム10が配置されていて、このラム10はラム軸11を介して昇降機構12により上下方向に移動可能な状態でミキサー2に設置されている。
【0018】
図1に例示するように材料8を混練する際にはラム10は下方に移動し、混練室3を閉止して密閉状態にする。
図2に例示するように材料8を投入口9から投入する際にはラム10は上方に移動し、混練室3の上方を開口状態として投入された材料8が混練室3内に移動できる状態にされている。
【0019】
混練室3の下方には混練した材料8を排出するための排出口13が形成され、その近傍には排出口13を開閉する蓋体14が設置されている。この実施形態では、混練室3内の材料8の有無を検知するセンサ15が蓋体14の混練室3側の面に設置されている。
【0020】
センサ15は、例えば混練室3内に向かってレーザ光を照射してこの反射光により、材料8の有無を検知するレーザセンサ15を用いることができる。このセンサ15は、蓋体14に限らずラム10の下面や混練室3の内壁面に設置することもできる。また複数のセンサ15を蓋体14やラム10等に設置することにより、材料8の有無を検知する精度を向上することもできる。このセンサ15は、逐次測定を行い、混練室3内の材料8の有無を監視することができる。
【0021】
図3に例示するように、ロータ軸4は混練室3の壁部16に形成される貫通孔を通じて混練室3の内部から混練室3外部に延設され、減速機17を介してロータ用モータMrに接続されている。このロータ用モータMrは可変速型のモータであり、混練される材料8の種類や状態に応じてその回転速度を適宜変更することができる。このロータ用モータMrの回転速度の制御は、ロータ用モータMrに有線または無線の信号線18を介して接続されている制御装置19からの信号により行われる。
【0022】
混練室3の壁部16とロータ軸4との間にはシール部6が形成され、混練室3内の材料8等が外部に漏出しないように構成されている。このシール部6には、発熱や焼き付きを防止するために近傍に設置される潤滑油供給機構7から潤滑油が適宜供給される。
【0023】
この潤滑油供給機構7は、シール部6に潤滑油を供給するための注入配管20と、タンク21内の潤滑油をこの注入配管20を介してシール部6に供給するためのポンプ22と、ポンプ22を駆動するためのポンプ用モータMpとを備えている。
【0024】
このポンプ用モータMpは可変速型のモータであり、ポンプ用モータMpに有線または無線の信号線23を介して接続される制御装置19からの信号によりその回転速度は制御
される。ポンプ用モータMpの回転速度の制御により、シール部6に供給される潤滑油の供給量を変化させることができる。
【0025】
次にミキサー2の混練制御方法について説明する。ミキサー2でゴム等の材料8を混練する場合は、まず投入口9から混練室3内に材料8が投入される。このときラム10は、
図2に例示するように上昇している。尚、ゴム以外の必要な配合剤も適宜、適量、投入口9或いは別の入口から混練室3に投入される。混練室3内に材料8等が投入された後にラム10が下降し、
図1に例示するように混練室3は密閉状態となる。
【0026】
混練室3内に投入された材料8や配合剤等は、ロータ5の回転により撹拌、混練される。このときシール部6にはロータ5の回転速度に応じて潤滑油供給機構7から潤滑油が供給され続ける。材料8が所定時間混練された後は、
図2に例示するように蓋体14を動作させて、排出口13から混練された材料8を排出させる。混練された材料8が排出された後は、蓋体14を再び動作させて排出口13を閉止する。混練された材料8の排出に伴いラム10が上昇し、次のバッチの材料8が投入口9から投入され、上記と同様にロータ5により混練される。このようにして順次、1バッチ分の材料8が混練される。
【0027】
この実施形態では、混練された材料8がミキサー2から排出され、その後、新たな材料8が混練室3内に投入されるまでの間(待機時間の間)、ロータ5は回転し続ける構成としている。ロータ5の回転を停止するためにミキサー2全体を一旦停止させると、その再始動に時間がかかり、生産性の悪化を生じさせるためである。ミキサー2が材料8の混練を行う上記の工程を以下通常モードという。
【0028】
このミキサー2に投入される材料8は、それ以前のいくつかの工程により処理されることもあるので、前工程の遅れ等により、ミキサー2に投入すべき材料8がなく、待機時間が長くなる場合がある。
【0029】
本発明では、
図4に例示するようにセンサ15により混練室3内の材料8の有無を検知する。混練室3内に材料8がある場合は、ミキサー2は上記の通常モードにより材料8の混練を連続して実行する。前工程の遅れ等によりミキサー2に投入する材料8が無い場合は、混練室3内に材料8がない状態となる。このときセンサ15の信号を受け、制御装置19は待機モードに移行する。
【0030】
図4および
図5に例示するように、センサ15から混練室3内に材料8が存在しない旨の信号を受けた制御装置19は、待機モードに移行し、ロータ用モータMrの回転速度N
Mrを待機回転速度N
Mr1以下となる速度まで低下させる。このとき混練室3内には材料8が存在せずロータ5に負荷がほとんどかからないので、ロータ用モータMrの回転速度N
Mrは極めて小さい速度にすることができる。そのため待機回転速度N
Mr1はロータ5に負荷が発生している状態では実現できないほど小さい回転速度に設定することができる。
【0031】
その後、制御装置19はポンプ用モータMpの回転速度N
Mpを待機回転速度N
Mp1以下となる速度まで低下させる。このときロータ用モータMrの回転速度N
Mrは極めて小さいので、シール部6の発熱等はほとんど発生しない。そのためポンプ用モータMpの待機回転速度N
Mp1も極めて小さい回転速度に設定することができる。ポンプ用モータMpの回転速度N
Mpの低下に伴い、潤滑油供給機構7はシール部6に供給する潤滑油の量を待機時供給量まで低下させる。
【0032】
混練室3内に材料8がありロータ5の負荷が発生している場合に、ロータ用モータMrとポンプ用モータMpの回転速度を低下させると、シール部6が発熱し、焼き付き等の不
具合を起こす可能性がある。しかしこのロータ用モータMrの待機回転速度N
Mr1とポンプ用モータMpの待機回転速度N
Mp1は、混練室3内に材料8がなくロータ5にほとんど負荷が発生しない状態を前提として決定できるので、極めて小さい値に設定することができる。この待機回転速度N
Mr1、N
Mp1は、ミキサー2のサイズや種別によって異なる値に設定されるが、通常モードで採用できる最低値の5〜50%、好ましくは5〜25%、さらに好ましくは5〜10%程度の値に設定することができる。
【0033】
この構成によればシール部6に供給される潤滑油量を極限まで抑制できるので、シール部6から混練室3内に潤滑油が漏れ出す不具合の発生を抑制するには有利である。材料8が未加硫ゴムの場合は、ゴム材料にカーボンブラックや種々の充填剤などの非加硫系配合剤を混入して混練する工程(ノンプロ混練)や、この工程の後に硫黄や加硫促進剤などの加硫系配合剤を混入して混練する工程(ファイナル混合)などのように複数回に分けて混練される。このファイナル混合の工程における未加硫ゴム(ファイナルゴム)は、ロータ5に対して滑りやすい状態となっていることが多い。
【0034】
本発明を採用したミキサー2は混練室3内に潤滑油がほとんど漏れ出さないので、ファイナル混合の工程における未加硫ゴムを混練する際に、未加硫ゴムが滑ることを抑制しながら混練できるので材料8を効率的に混練するには一段と有利となる。
【0035】
また待機時間にミキサー2全体を停止しないので、混練室3に材料8が投入されたときには迅速に混練作業を開始することができ、生産性を低下させることがない。
【0036】
ロータ用モータMrの回転速度を低下させた後、その時点から予め設定した経過時間後に、ポンプ用モータMpの回転速度を低下させ潤滑油の供給量を低下させるので、シール部6に発熱や焼き付きが発生することを抑制するには有利となる。
【0037】
この予め設定した経過時間は、例えば1.0〜10.0秒、好ましくは1.0〜5.0秒、さらに好ましくは1.0〜3.0秒とする。この時間が長すぎると、ロータ用モータMrの回転速度に対して潤滑油が過剰に供給される可能性がある。
【0038】
他方でロータ5の回転速度を低下させる前に、潤滑油の供給量を低下させるとシール部6が高温となり焼き付き等が発生する可能性がある。そのため、ロータ5の回転速度が低下する前に潤滑油の供給量が低下する状態になることは避けている。
【0039】
このロータ用モータMrの回転速度を低下させるタイミングと、潤滑油量を低下させるタイミングとは同時とすることもできる。つまりロータ用モータMrとポンプ用モータMpの回転速度を同時にそれぞれの待機回転速度N
Mr1、N
Mp1以下となる速度まで低下させる構成にすることもできる。
【0040】
このミキサー2の制御システム1は、混練室3に材料8が投入されるまでこの待機モードを維持する。即ち、ロータ用モータMrとポンプ用モータMpはそれぞれの待機回転速度N
Mr1、N
Mp1を維持する。混練室3に材料8が投入されると、センサ15がこれを検知してその旨を制御装置19に伝達する。このセンサ15からの信号を受けて、制御装置19は再始動モードへ移行する。
【0041】
図6に例示するように再始動モードに移行した制御装置19は、ポンプ用モータMpの回転速度を増加させて、待機回転速度N
Mp1以上である回転速度N
Mp2として、シール部6に供給される潤滑油量を待機時潤滑油量よりも増加させる。このとき供給される潤滑油量は、例えば通常モード時に供給される潤滑油量と同程度とすることができる。
【0042】
その後、ロータ用モータMrの回転速度を増加させて、待機回転速度N
Mr1以上である回転速度N
Mr2とする。シール部6に供給する潤滑油量を増加させた後で、この時点から予め設定した経過時間後に、ロータ用モータMrの回転速度を増加させるので、シール部6の発熱や焼き付きを抑制するのに有利である。
【0043】
この予め設定した経過時間は、上記と同様に、例えば1.0〜10.0秒、好ましくは1.0〜5.0秒、さらに好ましくは1.0〜3.0秒とする。また潤滑油量を増加させるタイミングと、ロータ用モータMrの回転速度を増加させるタイミングとは同時とすることもできる。
【0044】
ロータ用モータMrの回転速度を増加させた後に、制御装置19は通常モードへ移行して材料8の混練を行う。
【0045】
通常モードにおいては、制御装置19はロータ用モータMrの回転速度に応じて、ポンプ用モータMpの回転速度を変化させる制御を行う。これにより、シール部6への負荷に応じて潤滑油が供給されるので、シール部6の発熱等を抑制するには有利となる。
【0046】
このシール部6に温度センサを設置して、通常モードの際には制御装置19がシール部6の温度に応じてポンプ用モータMpの回転速度を変化させる構成にすることもできる。これにより、シール部6が発熱している場合は、ロータ5の回転速度に関わらず適切な量の潤滑油を供給することができる。
【0047】
センサ15は、レーザセンサに限らず混練室3内の材料8の有無を検知できる機能を有していればよい。例えば、ロータ軸4に回転トルクを検知するトルクセンサを設置し、このトルクセンサの値に応じて材料8の有無を検知する構成にすることもできる。混練室3内に材料8がありロータ5が材料8に接触しながら回転する場合はロータ軸4に発生するトルクが大きくなり、材料8がなくロータ5が混練室3内で回転している場合はロータ軸4に発生するトルクは小さくなることから、材料8の有無を検知することができる。同様の理屈により、ロータ軸4の回転に要する電力を計測する電力計をセンサ15として用いることもできる。
【0048】
また投入口9および排出口13にレーザセンサ等を設置して、材料8の通過を検知する構成を利用することもできる。排出口13から材料8が排出されたにも関わらず、投入口9を材料8が通過していない場合は、混練室3内に材料8がないと判断し、投入口9を材料8が通過している場合は混練室3内に材料8があると判断する。
【0049】
その他にも、混練室3内の材料8の有無を検知する方法が挙げられる。例えば、順次ミキサー2に投入される材料8の残バッチ数が制御装置19に入力される構成にする。そして、この残バッチ数がゼロになった際に制御装置19は混練室3内に材料8がないと判断する。或いは、残バッチ数がゼロになるとともに混練工程の停止信号が制御装置19に入力された際に混練室3内に材料8がないと判断する。このように制御装置19をセンサ15として機能させることもできる。