(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貼付ステップにおいては、前記凹部において、傾斜角度が緩やかな方の溝壁側から傾斜角度が急な方の溝壁側へ向う方向に向かって前記凸部を移動させつつ、前記シートを前記凹部の内周面に押圧する請求項1から7のいずれか1項に記載のタイヤ形状解析方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0024】
図1は、本発明の実施形態にかかるタイヤ形状解析方法を実現するためのタイヤ形状解析装置を含むタイヤ形状解析システムを示す構成図である。
図2は、
図1に示したタイヤ形状解析システムのタイヤ形状解析装置の機能を示すブロック図である。これらの図において、
図1は、タイヤ形状解析システムの全体構成を模式的に示し、
図2は、タイヤ形状解析装置の主たる機能を示している。
【0025】
本実施形態にかかるタイヤ形状解析システム1は、タイヤ2の溝底表面歪みを測定するシステムに適用される。タイヤ形状解析システム1は、撮影装置3と、タイヤ形状解析装置4とを備える(
図1参照)。
【0026】
タイヤ2は、溝部M1〜M4を備えている。溝部M1〜M4は、タイヤ2の表面から凹んでいる部分である。本実施形態では4本の溝部M1〜M4を含む領域に、格子シートSS1〜SS4が貼付されている。本実施形態では、4本の溝部M1、M2、M3、M4に、それぞれ、格子シートSS1、SS2、SS3、SS4が貼付されている。格子シートSS1、SS2、SS3及びSS4の貼付の際、例えば、スプレーのりが接着剤として用いられる。格子シートSS1、SS2、SS3及びSS4の貼付は、貼付治具を利用して行う。格子シートSS1、SS2、SS3及びSS4の格子は、例えば、1mm正方格子とする。なお、以降の説明では、格子シートSS1、SS2、SS3及びSS4を総称して格子シートSSと呼ぶことがある。
【0027】
撮影装置3は、一対のカメラ31aおよび31bと、一対の照明用ランプ32aおよび32bとを有する。カメラ31aおよび31bは、タイヤ2を撮影する撮影部であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラにより構成される。カメラ31aおよび31bは、より厳密には、タイヤ2の表面から凹んでいる部分である、溝部に貼付された格子シートSSを含む領域を撮影する。
【0028】
また、撮影装置3は、カメラ固定棒33を有している。一対のカメラ31aおよび31bは、カメラ固定棒33に固定される。一対のカメラ31aおよび31bは、タイヤ2を相互に異なる方向から撮影できるように、カメラ固定棒33の異なる位置に固定される。これらのカメラ31aおよび31bは、タイヤ2を左右方向から同時に撮影して、タイヤ画像(タイヤ2のデジタル画像データ)を生成する。なお、以降の説明では、2つのカメラ31aおよび31bを総称してカメラ31と呼ぶことがある。
【0029】
照明用ランプ32aおよび32bは、カメラ31aおよび31bの撮影範囲を照らすランプであり、例えば、ハロゲンランプにより構成される。これらの照明用ランプ32aおよび32bは、常時点灯タイプであっても良いし、フラッシュ点灯タイプであっても良い。
【0030】
タイヤ形状解析装置4は、例えば、所定の解析プログラムをインストールしたPC(Personal Computer)であり、撮影装置3によって撮影されたタイヤ2の画像について画像処理を行ってタイヤ解析処理を行う。
【0031】
図2に示すように、本実施形態にかかるタイヤ形状解析装置4は、撮影装置3によって撮影されたタイヤ2の画像を、非接触形状測定手法によって解析する解析部41と、解析部41による解析結果に基づいて、溝部の表面の歪みを算出する歪み算出部42とを備える。解析部41は、画像平滑部411と、輝度分布取得部412と、間引き処理部413と、モアレ縞作成部414と、位相分布算出部415と、三次元形状算出部416とを備えている。
【0032】
画像平滑部411は、撮影した画像を平滑化する。輝度分布取得部412は、画像平滑部411が平滑化した画像から、輝度分布を示す画像を得る。間引き処理部413は、輝度分布を示す画像について間引き処理を行う。間引き処理部413と、モアレ縞作成部414は、間引き処理された画像について線形補間を行ってモアレ縞を作成する。位相分布算出部415は、モアレ縞に基づいて格子シートの位相分布を算出する。三次元形状算出部416は、算出した格子シートの位相分布に基づいて、タイヤの表面から凹んでいる部分である溝部を少なくとも含む領域における三次元形状を算出する。
【0033】
歪み算出部42は、三次元形状算出部416が算出した三次元形状に基づいて、溝底表面の歪みを算出する。
【0034】
図3は、格子シートSSを撮影した画像の例を示す図である。撮影装置3によって撮影した画像には、タイヤ2の溝部表面に貼付された格子シートSSが含まれている。
図3に示すように、溝底曲面部WRは、撮影装置3によって撮影することができる。
【0035】
図4は、
図3に示す画像について、非接触形状測定手法の一例であるサンプリングモアレ法によって、位相解析を行った例を示す図である。サンプリングモアレ法を利用することにより、他の手法に比べて高精度に溝底表面の歪みを算出できる。サンプリングモアレ法は、例えば、カメラ画素と同一方向に格子が周期的に配置されたパターンを位相解析の対象とするという制約がある。本実施形態ではタイヤ2の表面の格子シートSSに対して正面ではなく斜め方向から撮影することによって、上記制約を解消できる。
【0036】
なお、非接触形状測定手法として、デジタル画像相関法、フーリエ変換法、光切断法などを用いてもよく、溝底表面の歪みを算出できる手法であればどのような手法を用いてもよい。
【0037】
[格子シート]
本実施形態では、格子シートSSを含む模様シートMSを用いる。なお、格子シートSS以外のシートを含む模様シートMSを貼付する場合においても以下と同様の貼付治具および貼付方法を利用することができる。例えば、デジタル画像相関法に用いるランダムパターンシートをタイヤの溝底に貼付する場合についても以下と同様の貼付治具および貼付方法を利用することができる。
【0038】
図5は模様シートMSの例を示す平面図、
図6は
図5のT−T’部の断面図である。
図6に示すように、模様シートMSは、接着層L1と、格子パターン層L2と、離型層L3と、を有している。模様シートMSは、離型層L3の上に格子パターン層L2を、格子パターン層L2の上に接着層L1を、順に積層することによって得ることができる。後述するように、模様シートMSの接着層L1側をタイヤの溝に押付けた後、離型層L3を取り除くことにより、接着層L1および格子パターン層L2からなる格子シートSSが
図3に示すようにタイヤの溝底に貼付いた状態になる。このようなシートを用いることにより、タイヤの溝底表面歪みを詳細に測定することができる。
【0039】
[貼付治具]
本実施形態では、貼付治具を用いて模様シートMSをタイヤの溝に押付けることによって、格子シートSSの貼付けを行う。
【0040】
図7は本実施形態において用いる貼付治具5の一例の外観を示す斜視図、
図8は
図7中の矢印YA方向から貼付治具5を見た状態を示す図である。
図8および
図7に示すように、貼付治具5は、本体ブロック部51と、凸部52とを有している。本体ブロック部51は、貼付治具5を用いた貼付け作業の際、作業者などによって操作される部分である。凸部52は、本体ブロック部51に保持されている。
【0041】
本体ブロック部51は、その幅Wが模様シートMSの幅とほぼ等しい。本体ブロック部51の幅Wは、例えば、30mmである。
【0042】
凸部52は、本体ブロック部51の長さ方向の中央部分に設けられている。凸部52は、本体ブロック部51の表面511および512から突出した形状になっている。このような形状の貼付治具5は、例えば、合成樹脂を成型することによって得ることができる。
【0043】
本例において、凸部52を保持する本体ブロック部51は、凸部52の近傍の高さよりも、表面511の端部の高さが高く、凸部52の位置から表面511の端部へ向かう方向に緩やかな曲面を有している。また、本体ブロック部51は、凸部52の近傍の高さよりも、表面512の端部の高さが高く、凸部52の位置から表面512の端部へ向かう方向に緩やかな曲面を有している。表面511、512がこのような曲面になっているのは、表面511および512とタイヤのトレッド面とを密着させつつ、凸部52をタイヤの溝部に挿入するためである。
【0044】
また、
図9は本実施形態において用いる貼付治具5の他の例の外観を示す斜視図、
図10は
図9中の矢印YA方向から貼付治具5を見た状態を示す図である。これらの図に示すように、本体ブロック部51および凸部52は、
図7および
図8を参照して説明した貼付治具5と同様である。本例の貼付治具5は、緩衝材53および保護カバー54が、凸部52の表面に設けられている。
【0045】
緩衝材53は、格子シートSSを貼付する際に、タイヤの溝底に格子シートSSを密着させるために設けられている。緩衝材53は、例えば、厚さ1mmとする。緩衝材53には、例えば、発泡ポリエチレンまたはアクリルフォームを用いる。より具体的には、3M製の人工芝用両面粘着テープAT−30またはTRUSCO製のエッジクッションテープ(緩衝テープ)を、緩衝材53として用いる。その他、スポンジや弾性を有するゴムを緩衝材53として用いてもよい。なお、接着剤が塗布されていない緩衝材料に接着剤を塗布したものを、緩衝材53として用いてもよい。
【0046】
保護カバー54は、緩衝材53の表面を保護し、かつ、格子シートSSを貼付する際にタイヤの溝部の表面との摩擦、および模様シートMSの離型層L3との摩擦を低減するために、緩衝材53の表面に設けられている。つまり、保護カバー54は、表面の摩擦係数が緩衝材53の表面の摩擦係数よりも低い。保護カバー54には、例えば、ガムテープを用いる。
【0047】
ここで、凸部52、タイヤの溝部のトレッドゴム、緩衝材53の各材質の引張モジュラスは、
(大) 凸部52 > トレッドゴム > 緩衝材53 (小)
であるか、または、
(大) 凸部52 > 緩衝材53 (小)
であることが望ましい。凸部52の材質より、緩衝材53の材質の引張モジュラスを小さくすることにより、凸部52をタイヤの溝部に挿入した場合に、溝の形状と凸部52の形状とが一致しなくても緩衝材53の柔軟性によって格子シートSSを溝底に密着させて良好に貼付することができる。
【0048】
図11は、貼付治具5の凸部52の高さと、タイヤ2の溝M0の深さとの関係を示す図である。溝M0は、タイヤ2の表面から凹んでいる部分である。
【0049】
ここで、溝M0の深さをH1、凸部52の高さをH2とすると、
式(1)の関係になっていることが好ましい。
1.0≦H2/H1 … (1)
【0050】
式(1)において、H2/H1の値が1.0よりも小さいと、凸部52をタイヤ2の溝M0に挿入した場合、凸部52の先端が溝底に届かないため、格子シートSSを良好に貼付することが難しい。また、作業者が貼付治具で模様シートMSを押し付ける際の貼付治具のぐらつき(不安定性)を考慮すると、H2/H1の値は3.0以下の値であることが望ましい。
【0051】
なお、
図9および
図10を参照して説明したように、凸部52の表面に緩衝材53が設けられている場合、式(1)では緩衝材53を含めた凸部52の高さをH2とする。また、凸部52の表面に緩衝材53および保護カバー54が設けられている場合、式(1)では、緩衝材53および保護カバー54を含めた凸部52の高さをH2とする。凸部52の表面に緩衝材53、保護カバー54が設けられている場合において、H2/H1=1.0(H1=H2)とすることにより、本体ブロック部51の表面511、512がタイヤ2の表面21、22に接した状態において、緩衝材53による適度な押圧力が模様シートMSに加わるため、格子シートSSを特に良好な状態で貼付することができる。
【0052】
[凸部の幅とタイヤの溝幅との関係]
次に、凸部の幅とタイヤの溝幅との関係について説明する。
図12は、貼付治具の凸部52の詳細な形状を示す図である。
図13は、タイヤの溝の形状の例を示す断面図である。
【0053】
図12において、貼付治具の凸部52と表面511との境界点PA1と、凸部52と表面512との境界点PB1との距離を凸部52の幅W1と定義する。また、凸部52の先端部の角部に内接する円KQ1、KP1を想定した場合に、それらの円KQ1、KP1の半径Q1、P1を、凸部52の先端部の曲率半径と定義する。凸部52の表面に緩衝材53が設けられている場合、それを含めた先端部の角部に内接する円を想定した場合に、それらの半径を、凸部52の先端部の曲率半径と定義する。また、凸部52の表面に緩衝材53および保護カバー54が設けられている場合、それらを含めた先端部の角部に内接する円を想定した場合に、それらの半径を、凸部52の先端部の曲率半径と定義する。
【0054】
図13において、タイヤ2のトレッド部の平坦面の端点PA2と端点PB2との距離を溝幅W2と定義する。また、タイヤ2の溝底表面に内接する円KQ2、KP2を想定した場合に、それらの円KQ2、KP2の半径Q2、P2を、タイヤ2の溝底部の角部の曲率半径と定義する。本例では、半径Q2はタイヤ内側寄りの溝底部の角部の曲率半径、半径P2はタイヤ外側寄りの溝底部の角部の曲率半径、である。本例では、タイヤ2の赤道面を通るセンターラインに近い側がタイヤ内側、遠い側がタイヤ外側、である。
【0055】
上記の定義による凸部52の幅W1、タイヤ2の溝幅W2の関係は、
凸部52の幅W1<タイヤ2の溝幅W2
であることが望ましい。さらに、上記の定義による曲率半径Q1、Q2、P1、P2の関係は、タイヤ内側寄りにおいて、
凸部52の曲率半径Q1≦タイヤ2の溝底の曲率半径Q2
であり、タイヤ外側寄りにおいて、
凸部52の曲率半径P1≦タイヤ2の溝底の曲率半径P2
であることが望ましい。このような条件であれば、凸部52をタイヤ2の溝部M0に挿入して格子シートSSを良好に貼付することができる。
【0056】
[格子シートの貼付け方法]
図14は、格子シートを貼付ける際の模様シートの固定位置および貼付治具の操作方向の例を説明するための図である。
図15は、格子シートの貼付け方法のより具体的な例を示す図である。
最初に、模様シートMSの接着層L1および格子パターン層L2が溝M0の上方に位置するように模様シートMSの端部を、例えば
図14中の位置MSP、すなわちタイヤ2のトレッドの平坦面に固定する。次に、貼付治具5の凸部52の先端部を模様シートMSに押付け、凸部52の先端部が模様シートMSに接している状態を保ちつつ貼付治具5を矢印YBの方向に移動させる。そして、凸部52を溝M0に挿入することにより、模様シートMSの接着層L1が溝M0の内周面に接触する。このため、接着層L1によって、溝M0の表面に格子パターン層L2が貼付けられる。つまり、模様シートMSの接着層L1を溝M0に向けつつ、貼付治具5の凸部52により、模様シートMSを溝M0の内周面に押圧して貼付ける。
【0057】
ここで、本実施形態では、タイヤ2に設けられている溝M0において、タイヤ内側の端点PA2とタイヤ外側の端点PB2とを結ぶ線分(PA2PB2)とタイヤ内側の壁面とのなす角度φinと、上記線分(PA2PB2)とタイヤ外側の壁面とのなす角度φoutのうち、小さい方の角度をなす壁面側から大きい方の角度をなす壁面側へ向う方向に貼付治具5を移動させる。
本例では、角度φin>角度φoutであるため、矢印YBの方向に貼付治具5を移動させる。つまり、傾斜角度が緩やかな方の溝壁側から傾斜角度が急な方の溝壁側へ向う方向に、貼付治具5を移動させる。
【0058】
仮に、溝M0を形成する2つの溝壁のうち、角度が急な方の溝壁側に凸部52を押付けて貼付治具5を移動させると、その溝壁に沿ったせん断力が発生し、その影響によって格子が崩れた状態で格子シートSSが貼付される可能性が高い。このため、上記のように、溝M0を形成する2つの溝壁のうち、角度が緩やかな方の溝壁側に凸部52を押付けて貼付治具5を移動させる方が好ましい。
【0059】
次に、貼付け方法のより具体的な例について説明する。
図15において、最初に、模様シートMSを、タイヤ2の表面に固定する(ステップS1)。このとき、模様シートMSをタイヤ2の溝M0の上に固定する。本例では、アルミテープALを用いて、模様シートMSを、タイヤ2の溝M0の上方に固定する。
【0060】
次に、アルミテープALの付近に凸部52を押付け、矢印YBの方向に貼付治具5を移動させる(ステップS2)。
【0061】
凸部52の先端を溝M0の周面に接触させながら、矢印YBの方向に貼付治具5を移動させる(ステップS3)。
【0062】
最後に、貼付治具5を溝M0から離し、アルミテープALおよび模様シートMSの離形層L3を取除くことにより、接着層L1および格子パターン層L2からなる格子シートSSが溝M0に貼付けられた状態となる(ステップS4)。
【0063】
なお、貼付治具5の操作は、作業者の手指によって行ってもよいし、図示せぬ装置によって行ってもよい。
【0064】
[貼付け手段および所要時間]
発明者は、貼付け手段とその貼付け手段を採用した場合の貼付け成功率および作業の所要時間とを実測した。表1は、格子シートの貼付け手段とそれを採用した場合の貼付け成功率および所要時間とを示す表である。
【0066】
表1において、貼付け成功率は、貼付け作業の回数で、貼付け成功回数を除算することによって算出できる。格子シートSSの格子が崩れない状態で貼付できた場合は貼付け成功であり、格子シートSSの格子が崩れた状態で貼付できた場合や全く貼付できない場合は貼付け失敗である。所要時間は、貼付け作業の開始時刻から貼付け作業の完了時刻までの時間である。
【0067】
表1において、貼付け手段の「手」は作業者の手指だけで格子シートSSを貼付けた場合である。この場合、貼付け成功率は「80%」であるが、所要時間は「5分」であった。
【0068】
また、表1において、貼付け手段の「ローラー」は作業者がローラーを用いた場合である。この場合、貼付け成功率は「0%」であった。すなわち、ローラーを用いて貼付けることはできなかったため、所要時間の記録はない。
【0069】
さらに、表1において、貼付け手段の「定規」は作業者が定規の厚みを利用して貼付け作業を行った場合である。この場合、貼付け成功率は「20%」であり、所要時間は「47秒」であった。
【0070】
ここで、表1において、先述した凸部52を有する貼付治具5を用いて格子シートを貼付けた場合である。この場合、貼付け成功率は「40%」であり、所要時間は「39秒」であった。
【0071】
また、表1において、先述した凸部52に緩衝テープおよびガムテープを設けた貼付治具5を用いて格子シートを貼付けた場合である。この場合、貼付け成功率は「80%」であり、所要時間は「18秒」であった。
【0072】
以上のように、貼付治具5を用いて格子シートを貼付けることにより、格子シートSSを良好に貼付できることがわかった。
【0073】
図16は、格子シートSSの格子ピッチを説明するための図である。
図16に示すように、格子シートSSは、矩形の孔が多数設けられており、隣り合う孔の中心位置同士の距離KPが格子シートSSの格子ピッチである。
【0074】
ここで、適切な格子ピッチについて、発明者が検証した結果、以下のことが判明した。溝底表面の曲率半径をRとしたとき、格子ピッチが0.21×Rより小さい場合、格子が崩れないように格子シートSSを貼り付けるのが困難であった。また、格子ピッチが2.40×Rより大きい場合、溝底表面で生じている集中歪みの最大値を検出するのが困難であった。したがって、本実施形態において用いる格子シートの格子ピッチは、式(2)を満たすことが望ましい。
【0075】
0.21×R ≦ 格子ピッチ ≦ 2.40×R … (2)
【0076】
このような格子ピッチを有する格子シートを用いることにより、タイヤの溝底表面の歪みを高精度に測定することができる。なお、格子ピッチ>2.40×Rの場合、歪みの勾配が大きい箇所が増え、どれが本当の溝部表面歪みの集中部分なのかを特定するのが困難になるので、好ましくない。
【0077】
なお、格子シートSSは、矩形の孔が多数設けられている場合に限らず、他の形状例えば三角形の孔が多数設けられていても良い。また、孔の大きさは任意でよい(ただし、目視で格子ピッチKPを識別可能であることが前提である)。
【0078】
[溝底表面の曲率半径]
図17は、タイヤの溝底表面の曲率半径を説明するための図である。
図17に示すように、タイヤ2の溝底表面に内接する円KRを想定した場合に、その円KRの半径rがタイヤ2の溝底表面の曲率半径である。
【0079】
図18および
図19は、撮影対象であるタイヤ2に対する、撮影装置3のカメラの設置位置関係を説明するための図である。
【0080】
図18に示すように、カメラ31は、撮影対象であるタイヤ2を撮影可能な位置に設置されている。より厳密には、カメラ31は、タイヤ2に設けられている溝部M1、M2、M3およびM4を撮影可能な位置に設置されている。カメラ31は、軸Jを中心として回動可能になっており、撮影方向Yを変更できるようになっている。本実施形態では、軸Jは、タイヤ2の赤道面を通るセンターラインCLの延長線上に設置されている。
図19に示すように、センターラインCLは、タイヤ2の中心点Oから点Pを通って軸Jへ向かっている。
【0081】
図19に示すように、カメラ31は、溝部M1とタイヤの平坦面との境界点AおよびBと、溝部M2とタイヤの平坦面との境界点CおよびDと、溝部M3とタイヤの平坦面との境界点EおよびFと、溝部M4とタイヤの平坦面との境界点GおよびHと、をすべて撮影できる必要がある。
【0082】
ここで、センターラインCLと撮影方向Yとのなす角度をカメラ31の撮影角度と定義する。すると、カメラ31の撮影角度φは、次の式(3)によって規定できる。
【0083】
−θmax ≦ 撮影角度φ(deg) ≦ θmax … (3)
【0084】
なお、
図19に示す例において、角度θN(Nは自然数)は、
θ1=(→)ABと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ2=(→)BAと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ3=(→)CDと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ4=(→)DCと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ5=(→)EFと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ6=(→)FEと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ7=(→)GHと(→)POとのなす角度(絶対値)、
θ8=(→)HGと(→)POとのなす角度(絶対値)、
である。つまり、角度θ1〜θ8は、タイヤに設けられている各溝部M1〜M4のタイヤの平坦部との境界点A〜Hを結ぶ方向に向かうベクトルとセンターラインCL方向のベクトルとがそれぞれなす角度であり、角度θmaxは、角度θ1〜θ8のうちの最大絶対値である。なお、(→)POは、センターラインCL方向のベクトルであり、「(→)」は直後の符号がベクトルであることを示す。なお、タイヤを裏返して(すなわち
図19において、点Aと点H、点Bと点G、点Cと点F、点Dと点Eがそれぞれ入れ替わることに相当)撮影することも考慮して、式(3)を規定した。
【0085】
[カメラ間距離およびタイヤ・カメラ間距離]
図20および
図21は第1のカメラであるカメラ31aと第2のカメラであるカメラ31bとの間の距離であるカメラ間距離を説明するための図である。
図22は、溝底曲面の位置を説明するための図である。
【0086】
ここで、カメラ固定棒33の中心線33Cに沿った、カメラ31aとカメラ31bとの間の距離をカメラ間距離(カメラ間距離L31)と定義する。また、カメラ固定棒33の中心線33Cにおいて、カメラ31aの固定されている位置とカメラ31bの固定されている位置との中点すなわちカメラ31aとカメラ31bとの中点33Mとタイヤ2に貼付されている格子シートSSの表面との距離をタイヤ・カメラ間距離(タイヤ・カメラ間距離L33)と定義する。
【0087】
カメラ間距離L31について、発明者が検討したところ、カメラ間距離L31<150mmの場合、測定精度が低下した。また、カメラ間距離L31>400mmの場合、タイヤ・カメラ間距離L33次第で、撮影画像の格子シートSSの格子が大きく曲がり、解析が困難になることがあった。
【0088】
タイヤ・カメラ間距離L33について、発明者が検討したところ、カメラ31aおよび31bのレンズの焦点距離f=16mmとすると、タイヤ・カメラ間距離L33<168mmの場合、格子シートSS上の1ラインの輝度分布が矩形波になり、測定精度が低下した。また、タイヤ・カメラ間距離L33>295mmの場合、格子1周期あたりの画素数が減少し、測定精度が低下した。なお、168mm/16mm=10.5であり、295mm/16mm=約18.5である。
【0089】
ここで、カメラアングルに相当する、カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離の値について、発明者が検討したところ、表2に示す結果が得られた。
【0091】
タイヤ・カメラ間距離L33を295mmに固定し、カメラ間距離L31を100、150、200、300、400mmと変化させた場合、カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離の値は、0.34、0.51、0.68、1.01、1.35となった。また、
図22に示す、歪み出力範囲Wのうち溝底曲面部WRの平均歪み(溝部の幅方向)は、−1.2、−1.4、−1.6、−1.6、−1.5となった。なお、歪みの基準はインフレート圧0kPa、歪みの対比インフレート圧250kPaである。
【0092】
すると、カメラ間距離L31が100mmである場合に溝底曲面部WRの平均歪み(溝部の幅方向)は−1.2であり、他の値に比して大きなずれがある。このため、カメラ間距離が150mm〜400mmの範囲であれば、平均歪みのずれは0.2%以内になり、測定精度はほぼ不変といえる。つまり、カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離の値が0.51より小さい場合、
図21に示す、カメラ31の視線方向(撮影方向)とカメラ固定棒33の中心線33Cとのなす角度φ3が大きすぎであり、測定精度が低下する。また、カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離の値が1.35より大きい場合、撮影画像の格子シートSSの格子が大きく曲がり、測定精度が低下する。
【0093】
以上の検討の結果、カメラ間距離L31およびタイヤ・カメラ間距離L33は、式(4)、式(5)および式(6)のすべてを満たすように設定することが望ましいことがわかった。
【0094】
150mm ≦ カメラ間距離 ≦ 400mm … (4)
10.5×fmm ≦ タイヤ・カメラ間距離 ≦ 18.5×fmm … (5)
0.51 ≦ カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離 ≦ 1.35 … (6)
【0095】
以上のようにカメラ間距離およびタイヤ・カメラ間距離を設定することにより、良好な解析結果が得られた。
【0096】
ここで、発明者は、カメラ視線(カメラの撮影方向)が変わらなければ、カメラ間距離、タイヤ・カメラ間距離によらずに測定精度は一定である、という仮説を立てた。そして、発明者は、仮説の検証のために、カメラアングル(カメラ間距離/タイヤ・カメラ間距離)を1.19に固定して溝底表面の歪みを測定した。その結果を表3に示す。
【0098】
表3を参照すると、カメラ間距離が351mmの場合を歪みの基準とすると、それ以外のカメラ間距離250、240、230、220、210、200mmの場合にタイヤ幅方向の歪み測定誤差は0.24%から0.26%までの値となり、測定精度は不変であることがわかった。そして、式(4)、式(5)および式(6)のすべてを満たす範囲であれば、カメラ間距離とタイヤ・カメラ間距離とを変更しても、良好な解析結果が得られることが分かった。
【0099】
[カメラの選定]
発明者が検討したところ、カメラ・タイヤ間距離187mmにおいて、焦点距離f=35mmのカメラ31を用いた場合、格子シートSSの両端にボケが生じて、歪みを解析することが困難であった。そこで、F値(絞り値)を上げたレンズを用いたところ、今度は光量不足となり、露光時間を長くして撮影しないといけない。このため、特にカメラ31のキャリブレーションの時に、撮影所要時間を多く要するという問題が生じた。
【0100】
発明者は、これらの問題を解決するため、溝底および溝壁の両方にピントが合うようにするため、焦点距離fの小さい16mmレンズを用いたところ、良好な解析結果が得られた。
【0101】
[非接触形状手法の例]
本実施形態では、非接触形状測定手法として、例えば、サンプリングモアレ法を用いる。サンプリングモアレ法は、2次元格子を貼り付けた計測物体の撮影画像を所定画素おき(X画素おき)にサンプリングし、形状を測定する手法である。他の非接触形状測定手法として、例えば、デジタル画像相関法やフーリエ変換法などを用いてもよい。本実施形態では、サンプリングモアレ法のうち、間引き選択型サンプリングモアレ法を用いる場合について説明する。間引き選択型サンプリングモアレ法は、サンプリングモアレ法において、撮影画像の画素ごとに、解析に最適な間引き数の位相分布を参照する方法である。
【0102】
[サンプリングモアレ法によるモアレ縞の生成および位相分布の算出]
サンプリングモアレ法では、例えば、撮影した画像について、一定方向(例えば、垂直方向)に平滑化し、平滑化した画像の間引き処理および線形補間処理を行ってモアレ縞画像を得て、位相分布を利用して2つのカメラ間の画面内の対応する点を探索する。
【0103】
ここで、サンプリングモアレ法におけるモアレ縞の生成および位相分布の算出の例について、
図23を参照しながらより詳細に説明する。
図23は、サンプリングモアレ法におけるモアレ縞の生成について説明するための図である。
図23は、日本実験力学会講演論文集,No10(2010)「サンプリングモアレ法を用いた三次元形状・ひずみ分布の動的計測手法の精度評価」より引用、改変したものである。
図23に示す例は、「4」という間引き数を用いて、間引き一律型サンプリングモアレ法によってモアレ縞を生成する例である。
【0104】
ステップS11では、解析部41が、溝底表面の撮影画像について、垂直方向(縦方向)に平滑化した画像を得る。以下は、垂直方向に平滑化した場合の処理について説明するが、水平方向(横方向)に平滑化した場合も同様の処理となる。
【0105】
ステップS12では、解析部41が、平滑化した画像から、1ラインを抽出し、輝度分布を示す画像90を得る。
【0106】
ステップS13では、解析部41が、1枚の画像90について、4画素ごとに間引くことにより、画像91a〜91dという4個の画像が生成される。画像91a〜91dは、それぞれ、間引きを開始する画素が異なる。画素を間引くことによって生成される画像の数は、間引き数と一致する。例えば、間引き数が「4」の場合は4個の画像が、間引き数が「5」の場合は5個の画像が、それぞれ生成される。
【0107】
ステップS14では、解析部41が、画像91a〜91dのそれぞれについて、間引かれた画素が設定されていない画素の輝度を、間引かれた画素が設定されている画素の輝度を用いた線形補間によって設定する処理が施される。これにより、モアレ縞92a〜92dが得られる。
【0108】
ステップS15では、解析部41が、モアレ縞92a〜92dの輝度を、以下の式(7)に当てはめることにより、間引き数に対応する位相分布における画素位置(k)に対応する位置の位相σが得られる。
【0110】
ここで、Xは、間引き数であり(Xは自然数)、I(k)はk枚目(kは自然数)のモアレ縞の輝度を示す。
図23に示す例において、モアレ縞92a、92b、92c、92dはそれぞれ1番目、2番目、3番目、4番目のモアレ縞に相当する。
【0111】
モアレ縞92a〜92dを参照しながら式(7)を用いてそれぞれの画素位置に対応する位相値を算出することにより、画像90を「4」という間引き数で間引いた場合の位相分布93を算出することができる。
【0112】
モアレ縞の位相分布93に参照格子の位相分布94と演算することによって、位相が−πからπまでの周期性を有する格子シートの位相分布95を得ることができる。
【0113】
図24は、選択型サンプリングモアレ法を説明するためのフローチャートである。
【0114】
ステップS201では、解析部41の画像平滑部411が、溝底表面の撮影画像について、垂直方向(縦方向)に平滑化した画像を得る。この処理は、先述した
図23のステップS11と同様である。
【0115】
ステップS202では、解析部41の輝度分布取得部412が、平滑化した画像から、1ラインを抽出し、輝度分布を示す画像を得る。この処理は、先述した
図23のステップS12と同様である。
【0116】
ステップS203では、解析部41の間引き処理部413が、複数種類の画素数でそれぞれ間引き処理を行う。本例では、4画素間引きまたは5画素間引きを選択して行う。4画素で間引き処理を行うことによって得られる画像は、先述したステップS13の処理によって得られる画像91a〜91dと同様になる。
【0117】
ステップS204では、ステップS203において4画素および5画素でそれぞれ間引き処理を行った結果について、解析部41のモアレ縞作成部414が、モアレ縞をそれぞれ生成する。ステップS203において4画素で間引き処理を行った結果について生成したモアレ縞は、先述したステップS14の処理によって得られたモアレ縞92a〜92dと同様になる。
【0118】
図25は、5画素で間引き処理を行った結果について生成したモアレ縞の例を示す図である。
図25は、日本実験力学会講演論文集,No10(2010)「サンプリングモアレ法を用いた三次元形状・ひずみ分布の動的計測手法の精度評価」より引用、改変したものである。
図25に示すように、間引かれた画素が設定されていない画素の輝度を、間引かれた画素が設定されている画素の輝度を用いた線形補間によって設定する処理を施すことにより、モアレ縞92e〜92iが得られる。
【0119】
ステップS205では、解析部41の位相分布算出部415が、4画素で間引き処理を行った結果について生成したモアレ縞92a〜92dの輝度、および、5画素で間引き処理を行った結果について生成したモアレ縞92e〜92iの輝度を、上記の式(7)に当てはめることにより、間引き数に対応する位相分布における画素位置(k)に対応する位置の位相σが得られる。
【0120】
モアレ縞92a〜92d、モアレ縞92e〜92iを参照しながら式(7)を用いてそれぞれの画素位置に対応する位相値を算出することにより、1ラインの画像を「4」、「5」という間引き数でそれぞれ間引いた場合の位相分布を算出することができる。つまり、モアレ縞92a〜92d、モアレ縞92e〜92iの位相分布に参照格子の位相分布と演算することによって、位相が−πからπまでの周期性を有する格子シートの位相分布をそれぞれ得ることができる。
【0121】
ステップS206では、解析部41の位相分布算出部415が、画素ごとに、形状解析に適した格子シートの位相分布を参照する。
図26は、格子シートSSの画像の例を示す図である。
図26において、例えば、格子シートSSを撮影した画像において、格子ピッチのある1ピッチP4が4画素に相当する場合は、4画素間引き処理を行った結果について生成した格子シートの位相分布を参照する。また、格子シートSSを撮影した画像において、格子ピッチの別の1ピッチP5が5画素に相当する場合は、5画素間引き処理を行った結果について生成した格子シートの位相分布を参照する。
【0122】
ステップS207では、ステップS206において画素ごとに格子シートの位相分布を参照した結果に基づいて、解析部41の位相分布算出部415が、形状算出用の格子シートの位相分布を決定する。これにより、格子シートSSを撮影した画像において、格子ピッチの1ピッチがどのような画素数に相当しても、精度のよい形状解析結果を得ることができる。つまり、例えば、4画素に固定した間引きを行うと、1ピッチが5画素に相当する領域について解析精度の低下が生じることがある。これに対し、間引きする画素数を固定せずに先述したように4画素または5画素の間引きを行うことにより、1ピッチが5画素または4画素に相当する領域それぞれについて、解析精度の低下を回避することができる。このように、解析部41による解析に最適な間引き数の位相分布を選択する。
【0123】
形状算出用の位相分布は、例えば以下のように決定する。すなわち、例えば、撮影画像を平滑化した画像から1ラインを抽出した、輝度分布を示す画像90について、最も暗い画素同士の間隔に相当する画素数を求め、その画素数を間引き画素数とする。そして、その画素数で間引き処理を行った結果に対応する位相分布を、形状算出用の位相分布とする。
【0124】
以上のように位相分布を求める処理が、位相解析処理である。位相解析処理により、タイヤの溝底表面の歪みを高精度に測定することができる。
【0125】
[タイヤ形状解析方法]
図27は、本実施形態のタイヤ形状解析装置4によって実現されるタイヤ形状解析方法の例を示すフローチャートである。
【0126】
図27において、ステップS101では、タイヤ2の溝底表面を含む部分に格子シートを貼付する。このとき、タイヤ2の溝に挿入可能な凸部を有する貼付治具を用いて、格子シートを溝の内周面に押圧して貼付ける。ステップS102では、撮影部である撮影装置3が、タイヤの表面から凹んでいる部分である溝部を少なくとも含む領域に設けられた格子シートを撮影する。ステップS103では、解析部41が、撮影装置3によって撮影された画像を解析する。ステップS104では、解析部41による解析結果に基づいて、歪み算出部42が、溝部の表面の歪みを算出する。
【0127】
以上のタイヤ形状解析方法により、タイヤの溝底表面の歪みを高精度に測定することができ、さらにその測定のための格子シートを、タイヤ溝部に、短時間かつ正確に貼り付けることができる。