特許第6413812号(P6413812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6413812
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】内蔵部品の取付構造及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20181022BHJP
【FI】
   H05K5/02 H
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-20052(P2015-20052)
(22)【出願日】2015年2月4日
(65)【公開番号】特開2016-143816(P2016-143816A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕加
【審査官】 石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−091985(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0052248(US,A1)
【文献】 実開昭57−138377(JP,U)
【文献】 実開昭63−149489(JP,U)
【文献】 特開平06−309859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
1/16−1/18
G11B 33/00−33/08
33/12−33/14
H05K 5/00−5/06
7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に開口部を形成し、該開口部に内蔵部品を挿抜可能に取り付ける内蔵部品の取付構造であって、
前記筐体に、前記内蔵部品の挿抜方向に延在し、前記筐体に挿入された内蔵部品の一面と対向する第1固定板と、前記内蔵部品の挿抜方向に延在し、前記内蔵部品の一面と平行でない該内蔵部品の他の面と対向する第2固定板と、を設け、
前記第1固定板に、前記内蔵部品の挿抜方向に延びる溝を形成し、
前記第2固定板に、前記内蔵部品の挿抜方向に延びる溝を形成し、
前記内蔵部品に、前記内蔵部品の一面から突出し、前記筐体に前記内蔵部品を挿抜するときに、前記第1固定板の溝に摺接する第1突起部と、前記内蔵部品の他の面から突出し、前記筐体に前記内蔵部品を挿抜するときに、前記第2固定板の溝に摺接する第2突起部と、を設け、
前記筐体に設けられ該筐体の開口部を覆うカバーに、当該カバーの前記筐体に挿入された内蔵部品と対向する面から突出する第3突起部を設け、
前記内蔵部品に、前記第3突起部が係合する係合溝を形成する
ことを特徴とする内蔵部品の取付構造。
【請求項2】
前記第1突起部、前記第2突起部及び前記第3突起部が、段付きねじである
ことを特徴とする請求項1に記載の内蔵部品の取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の内蔵部品の取付構造を有する制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に取り付けられる内蔵部品の取付構造及びこの取付構造を有する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用の制御装置等の電子機器では、部品等を内蔵したユニット内蔵部品を筐体に固定して構成されるものがある(例えば、特許文献1)。このように、筐体にユニット内蔵部品を固定する場合、耐振動性を考慮してユニット内蔵部品は筐体に螺設される。このユニット内蔵部品は、保守点検等の際、筐体から着脱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−182658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユニット内蔵部品が筐体に螺設されている場合、ねじを緩めないと筐体からユニット内蔵部品を取り外すことができない。そこで、工数削減、コスト低減、または作業性改善(ユニット内蔵部品の着脱し易さ)等を考慮して、着脱容易に筐体にユニット内蔵部品を固定する方法が検討されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、ユニット内蔵部品(ハードディスク)の対向する側面から突出したピンを固定フレームに形成された溝に挿入して固定フレームにユニット内蔵部品を支持し、固定フレームから突出したピンを係合シートで固定して固定フレームにユニット内蔵部品を固定している。
【0006】
この固定方法では、ねじ止めを行うことなく、固定フレームにユニット内蔵部品を固定することができるが、固定フレームからユニット内蔵部品を取り外す際に、係合シートを外す必要がある。つまり、固定フレームからユニット内蔵部品を取り外す作業は、固定フレームを覆うカバー等を外し、係合シートを外してユニット内蔵部品を取り外す工程を経ることとなり、着脱作業が煩雑となる。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、着脱が容易なユニット内蔵部品の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の内蔵部品の取付構造は、筐体に開口部を形成し、該開口部に内蔵部品を挿抜可能に取り付ける内蔵部品の取付構造であって、前記筐体に、前記内蔵部品の挿抜方向に延在し、前記筐体に挿入された内蔵部品の一面と対向する第1固定板と、前記内蔵部品の挿抜方向に延在し、前記内蔵部品の一面と平行でない該内蔵部品の他の面と対向する第2固定板と、を設け、前記第1固定板に、前記内蔵部品の挿抜方向に延びる溝を形成し、前記第2固定板に、前記内蔵部品の挿抜方向に延びる溝を形成し、前記内蔵部品に、前記内蔵部品の一面から突出し、前記筐体に前記内蔵部品を挿抜するときに、前記第1固定板の溝に摺接する第1突起部と、前記内蔵部品の他の面から突出し、前記筐体に前記内蔵部品を挿抜するときに、前記第2固定板の溝に摺接する第2突起部と、を設け、前記筐体に設けられ該筐体の開口部を覆うカバーに、当該カバーの前記筐体に挿入された内蔵部品と対向する面から突出する第3突起部を設け、前記内蔵部品に、前記第3突起部が係合する係合溝を形成することを特徴としている。
【0009】
また、上記目的を達成する本発明の制御装置は、上記内蔵部品の取付構造を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
以上の発明によれば、筐体へのユニット内蔵部品の着脱が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)本発明の実施形態に係る内蔵部品の取付構造を有する制御装置の正面図、(b)同制御装置のパネルを外した状態を示す斜視図である。
図2】(a)パネルの正面図、(b)パネルの背面図である。
図3】ユニット内蔵部品の分解斜視図である。
図4】(a)ユニット内蔵部品の上面斜視図、(b)ユニット内蔵部品の下面斜視図である。
図5】(a)段付きねじの斜視図、(b)段付きねじの上面図、(c)段付きねじの縦断面図である。
図6】固定部材の斜視図である。
図7】固定部材にユニット内蔵部品を取り付ける過程を説明する説明図である。
図8】(a)固定部材に設けられたユニット内蔵部品の正面図、(b)図8(a)の要部拡大図である。
図9】(a)筐体にユニット内蔵部品が取り付けられた状態を示す上面斜視図、(b)筐体にユニット内蔵部品が取り付けられた状態を示す背面斜視図である。
図10】筐体にユニット内蔵部品が取り付けられた状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る内蔵部品の取付構造及び制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。実施形態の説明では、内蔵部品を取り出す面を前面、制御装置の載置面を下面とするが、前後方向、上下(左右)方向は、本発明をなんら限定するものではない。
【0013】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る制御装置1の正面図であり、図1(b)は、制御装置1の斜視図である。
【0014】
図1(b)に示すように、本発明の実施形態に係る制御装置1は、筐体2と、筐体2に収納されるユニット内蔵部品3と、を有する。
【0015】
筐体2は、ユニット内蔵部品3や図示省略の電源ユニット及び制御回路等を収納する。筐体2の前面には、ユニット内蔵部品3を挿入する開口部2aが形成される。この開口部2aを覆うように、筐体2にパネル4が設けられる。
【0016】
パネル4は、筐体2に螺設される板部材である。図2(a)に示すように、パネル4の板面には、複数の通気孔4aが形成されている。また、図2(b)に示すように、パネル4の背面には、スペーサ5を介して、段付きねじ6が螺合される。後に詳細に説明するが、この段付きねじ6は、筐体2にパネル4を設ける際に、ユニット内蔵部品3の係合溝3hに係合されることとなる。
【0017】
ユニット内蔵部品3は、筐体2の開口部2aに挿抜可能に設けられる。ここで、ユニット内蔵部品3について、図3乃至図5を参照して詳細に説明する。図3に示すように、ユニット内蔵部品3は、内蔵部品本体3aと固定板3bとを有する。
【0018】
内蔵部品本体3aは、例えば、バッテリユニットである。バッテリユニットは、保守・点検時やバッテリ交換時に、筐体2から取り外され、再び筐体2に取り付けられる。なお、内蔵部品本体3aは、バッテリユニットに限定されるものではなく、制御装置1の機能の一部を実現する部品を内蔵するものが適宜用いられる。内蔵部品本体3aの側面及び下面には、それぞれ固定板3bに内蔵部品本体3aを螺設するための雌ねじ部3cが形成されている。
【0019】
固定板3bは、ユニット内蔵部品3の挿抜方向(図中矢印で示す)に延在する側板3d及び下板3eを有する。側板3dは内蔵部品本体3aの側面と接し、下板3eは内蔵部品本体3aの下面と接する。また、側板3d及び下板3eには、後に詳細に説明する段付きねじ7(または段付きねじ8)が螺挿される孔3fが形成される。さらに、ユニット内蔵部品3を抜脱する方向側の固定板3bの端部(すなわち、筐体2にユニット内蔵部品3を収納した際、開口部2a側に位置する固定板3bの端部)には、固定板3bの端部から上方向に延在する係合板3gが設けられる。この係合板3gの上部には、パネル4に設けられた段付きねじ6が係合する係合溝3hが形成される。
【0020】
図4(a),(b)に示すように、内蔵部品本体3aは、段付きねじ7,8で固定板3bに螺設される。図5(a)乃至(c)に示すように、段付きねじ7は、工具で段付きねじ7を回すための溝が形成された頭部7aと、内蔵部品本体3aに螺入される軸端部7bと、頭部7aと軸端部7bとの間に設けられるねじが切られていない円筒部7cと、を有する。この円筒部7cの径は、ねじの呼び径(すなわち、軸端部7bの径)よりも大きく形成されている。なお、段付きねじ6,8も同様に、頭部6a,8a、軸端部6b,8b及び円筒部6c,8cを有する。
【0021】
図4(a)に示すように、内蔵部品本体3aの側面に段付きねじ7で側板3dを固定すると、側板3d面(すなわち、ユニット内蔵部品3の側面)から段付きねじ7の頭部7aと円筒部7cとが突出した状態で、内蔵部品本体3aが固定板3bに固定される。同様に、図4(b)に示すように、内蔵部品本体3aの下面に段付きねじ8で下板3eを固定すると、下板3e面(すなわち、ユニット内蔵部品3の下面)から段付きねじ8の頭部8aと円筒部8cとが突出した状態で内蔵部品本体3aが固定板3bに固定される。
【0022】
ユニット内蔵部品3は、筐体2内に設けられた固定部材9に固定される。図6に示すように、固定部材9は、ユニット内蔵部品3の側面と摺接する第1固定板9aと、ユニット内蔵部品3の下面と摺接する第2固定板9bと、を有する。第1固定板9aには、ユニット内蔵部品3の挿抜方向(図中矢印で示す)に延びる溝9cが形成される。この溝9cにより、ユニット内蔵部品3を筐体2に挿抜する際に、ユニット内蔵部品3の側面から突出した段付きねじ7が挿入(または、抜脱)方向に案内される。同様に、第2固定板9bには、ユニット内蔵部品3の挿抜方向に延びる溝9dが形成される。この溝9dにより、ユニット内蔵部品3を筐体2に挿抜する際に、ユニット内蔵部品3の下面から突出した段付きねじ8が挿入(または、抜脱)方向に案内される。なお、第1固定板9aの開口部2a側の端部には、筐体2に固定部材9を取り付けるための取付板9eが設けられる。この取付板9eには、溝9cと連通する溝9f及び、パネル4を筐体2に螺設するねじが螺合される雌ねじ部9gが形成されている。また、第2固定板9bの開口部2a側の端部には、溝9dと連通する溝9hが形成された案内板9iが設けられる。この溝9hによりユニット内蔵部品3の下面から突出して設けられる段付きねじ8が溝9dに案内される。
【0023】
次に、図7乃至図9を参照して、筐体2にユニット内蔵部品3を固定する手順について詳細に説明する。なお、図7及び図8では、説明のため筐体2を図示省略し、図9では、筐体2の上部を図示省略している。
【0024】
図7に示すように、筐体2の開口部2aにユニット内蔵部品3を挿入すると、ユニット内蔵部品3の側面から突出した段付きねじ7の円筒部7cが溝9c内を移動することで、ユニット内蔵部品3が固定部材9の所定位置に案内される。同様に、ユニット内蔵部品3の下面から突出した段付きねじ8の円筒部8cが溝9d内を移動することで、ユニット内蔵部品3が固定部材9の所定位置に案内される。
【0025】
つまり、図8(a),(b)に示すように、ユニット内蔵部品3を固定部材9の所定位置に設けた際、溝9cに段付きねじ7の円筒部7cが緩やかに嵌りこみ、第1固定板9aが段付きねじ7の頭部7aとユニット内蔵部品3の側面(すなわち、側板3d)との間に挟装される。同様に、溝9dに段付きねじ8の円筒部8cが緩やかに嵌りこみ、第2固定板9bが段付きねじ8の頭部8aとユニット内蔵部品3の下面(すなわち、下板3e)との間に挟装される。
【0026】
ユニット内蔵部品3を固定部材9の所定位置に設けた後、必要に応じてユニット内蔵部品3と筐体2内部に設けられた電気回路との配線接続を行った後、図9(a)に示すように、筐体2にパネル4が螺設され、筐体2の開口部2aがパネル4により覆われる。このとき、図9(b)に示すように、パネル4の背面に螺合された段付きねじ6の円筒部6cをユニット内蔵部品3の係合溝3hに係合した後、パネル4が筐体2に螺設される。
【0027】
なお、ユニット内蔵部品3を筐体2から取り外す場合は、パネル4を筐体2に固定しているねじ10を緩め、パネル4を筐体2から引き離すことで、ユニット内蔵部品3を筐体2から抜脱することとなる。つまり、パネル4の背面に螺合された段付きねじ6がユニット内蔵部品3の係合溝3hに係合していることで、ユニット内蔵部品3の係合板3gが段付きねじ6の頭部6aとスペーサ5との間に挟装されることとなる。その結果、ユニット内蔵部品3を筐体2から取り外す際に、段付きねじ6が、パネル4とユニット内蔵部品3(すなわち、固定板3b)とのつなぎの役割を果たし、パネル4を引いてユニット内蔵部品3を取り出すことができる。
【0028】
[実施例]
本発明の実施形態に係る内蔵部品の取付構造及び制御装置1について、具体的な実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
【0029】
実施例では、円筒部7c,8cの直径5mm、ネジ部はM3の段付きねじ7,8を使用した。第1固定板9aの溝9c及び第2固定板9bの溝9dの幅は5.5mmを採用した。したがって、溝9cの幅は、段付きねじ7の円筒部7cの直径5mmに対して10%の0.5mmの余裕があり、溝9cに円筒部7cが緩やかに嵌りこむことで、筐体2にユニット内蔵部品3を容易且つ滑らかに挿抜できた。同様に、溝9dに円筒部8cが緩やかに嵌りこむことで、筐体2にユニット内蔵部品3を容易且つ滑らかに挿抜できた。
【0030】
また、円筒部7c,8cの軸方向の幅が1.5mmの段付きねじ7,8を採用した。また、板厚が1.2mmの第1固定板9a及び第2固定板9bを採用した。したがって、段付きねじ7の頭部7aとユニット内蔵部品3の側板3dとの間(すなわち、円筒部7cの軸方向の幅)は、第1固定板9aの板厚1.2mmに対して25%の0.3mmの余裕があり、第1固定板9aが段付きねじ7の頭部7aとユニット内蔵部品3の側板3dとの間に緩やかに嵌りこみ挟装された。同様に、段付きねじ8の頭部8aとユニット内蔵部品3の下板3eとの間は、第2固定板9bの板厚に対して25%の余裕があるので、第2固定板9bが段付きねじ8の頭部8aとユニット内蔵部品3の下板3eとの間に緩やかに嵌りこみ挟装された。
【0031】
また、円筒部6cの直径が5mm、軸方向の幅が1.5mmの段付きねじ6を採用した。そして、係合板3gの板厚を1.2mmとし、係合板3gに溝幅5.5mmの係合溝3hを形成した。したがって、段付きねじ6と係合板3gとの嵌め合いの寸法には余裕があり、係合板3gが段付きねじ6の頭部6aとスペーサ5の端部との間に容易且つ滑らかに挿抜された。
【0032】
なお、実施例のように段付きねじ7の円筒部7cの軸方向の幅を1.5mmとするにあたり、第1固定板9aの板厚1.2mmに対して、段付きねじ7の円筒部7cの軸方向の幅を、1.2、1.24、1.3、1.4、1.5mmと変化させて、筐体2にユニット内蔵部品3を取り付けた。同様に、第2固定板9bの板厚及び係合板3gの板厚を1.2mmとし、段付きねじ7の円筒部7cの変化に応じて、段付きねじ8の円筒部8cの軸方向の幅及び段付きねじ6の円筒部6cの軸方向の幅も変化させた。
【0033】
このように円筒部7c(及び円筒部6c,8c)の寸法を変化させた実施例において、筐体2にユニット内蔵部品3を取り付け、ユニット内蔵部品3の挿抜の滑らかさと、後に詳述する耐振動性の評価を行った。その結果、円筒部7c(及び円筒部6c,8c)の軸方向の幅を小さくするほど、耐振動性には有利となるが、挿抜の滑らかさは劣る結果となった。
【0034】
つまり、いずれの実施例においても、筐体2にユニット内蔵部品3を挿脱可能に設けることができたが、第1固定板9a(及び第2固定板9b、係合板3g)の板厚が1.2mmの場合、円筒部7c(及び円筒部6c,8c)の軸方向の幅を1.3〜1.5mmとすることで、ユニット内蔵部品3の挿抜が滑らかであり、制御装置1及びユニット内蔵部品3の耐振動性が良好となった。
【0035】
なお、耐振動性の試験に合格した実施例である円筒部7c(及び円筒部6c,8c)の軸方向の幅が1.2〜1.5mmの実施例のうち、円筒部7c(及び円筒部6c,8c)の軸方向の幅が1.5mmの実施例が、挿抜の滑らかさが最も優れるユニット内蔵部品3の取付構造であると考えられる。この実施例では、溝9cの幅を円筒部7cの直径に対して10%程度の寸法の余裕分を持たせ、円筒部7cの軸方向の幅を第1固定板9aの板厚に対して25%もの寸法の余裕分を持たせて、ユニット内蔵部品3の挿抜の滑らかさを確保している。そして、このように寸法に余裕がある構造であるにもかかわらず、振動衝撃試験の基準を満たす構造となっている。
【0036】
以上のことから、第1固定板9a(及び第2固定板9b、係合板3g)の板厚に対して段付きねじ7の円筒部7c(及び段付きねじ6,8の円筒部6c,8c)の軸方向の幅の寸法を8〜25%の余裕を持たせることで、ユニット内蔵部品3の挿抜の滑らかさと耐振動性の両者が良好になるものと考えられる。
【0037】
[制御装置1の耐振動性の評価]
制御装置1の耐振動性は、制御装置1を振動試験装置の加振台の上に設置し、掃引振動耐久試験、定振動数耐久試験及び衝撃試験の3種類の耐振動試験を実施して評価した。
【0038】
掃引振動耐久試験は、JEITA IT−1004の(産業用情報処理・制御機器設置環境基準)のClass Sに相当する試験条件で、制御装置1の動作時の掃引振動試験を実施した。
【0039】
また、定振動数耐久試験及び衝撃試験は、JIS C 0911(小型電気機器の振動試験方法)、JIS C 0912(小型電気機器の衝撃試験方法)、JIS C 0040(環境試験方法(電気・電子)正弦波振動試験方法)を参考にした試験条件で、制御装置1の動作時及び非動作時の試験を実施した。
【0040】
いずれの試験においても、テストプログラムの動作異常、外観の変形、部品の脱落、または、ねじの緩み等の不具合は発生しなかった。耐振動性試験の結果より、段付きねじ7と第1固定板9a、段付きねじ8と第2固定板9b、及び、段付きねじ6と係合板3gが、それぞれお互いに緩やかに嵌め合わされていたが、ユニット内蔵部品3の挿抜方向、横方向、縦方向の固定が必要で十分な強度となることが確認された。
【0041】
以上のような、本発明の実施形態に係るユニット内蔵部品3の取付構造及び制御装置1によれば、着脱が容易なユニット内蔵部品3の取付構造を提供することができる。また、ユニット内蔵部品3の振動を抑制できる取付構造を提供することができる。
【0042】
つまり、ユニット内蔵部品3を筐体2に滑らかに挿抜できるよう、段付きねじ7と第1固定板9aや溝9cとの間(その他、段付きねじ8と第2固定板9bや溝9dとの間等)に寸法の余裕を持たせる一方、このような寸法に余裕があるにも関わらず耐振動性能を損なわないユニット内蔵部品3の取付構造を提供することができる。
【0043】
具体的に説明すると、図10に示すように、溝9cに段付きねじ7の円筒部7cを挿通することで、第1固定板9aが段付きねじ7の頭部7aとユニット内蔵部品3の側面との間に挟装されるので、ユニット内蔵部品3の横方向(図中矢印Aで示す)の振動を抑制することができる。同様に、溝9dに段付きねじ8の円筒部8cを挿通することで、第2固定板9bが段付きねじ8の頭部8aとユニット内蔵部品3の下面との間に挟装されるので、ユニット内蔵部品3の縦方向(図中矢印Bで示す)の振動を抑制することができる。さらに、パネル4の背面に設けられた段付きねじ6の円筒部6cをユニット内蔵部品3の係合溝3hに係合することで、係合板3gが段付きねじ6の頭部6aとスペーサ5との間に挟装されるので、ユニット内蔵部品3の挿抜方向(図中矢印Cで示す)の振動を抑制することができる。その結果、ユニット内蔵部品3の左右、上下、前後方向すべて固定されるので、振動によりユニット内蔵部品3の破損、故障、段付きねじ6,7,8の緩みが生じることなく、ユニット内蔵部品3を筐体2に固定することができる。
【0044】
また、段付きねじ7,8を用いることで、内蔵部品本体3aと固定板3bの固定と、ユニット内蔵部品3の側面及び下面から突出する突出部を設けることと、を同時に行うことができる。段付きねじ7(及び段付きねじ8)の数は、1つ以上であれば、ユニット内蔵部品3を固定部材9の所定位置に案内することができるが、内蔵部品本体3aと固定板3bとを固定するためには、ユニット内蔵部品3の側面と下面に2個ずつ段付きねじ7,8を設けることが好ましい。また、固定部材9に固定されたユニット内蔵部品3の振動を抑制するためには、ユニット内蔵部品3の側面(または、下面)に2個以上の段付きねじ7(または、段付きねじ8)を設けることが好ましい。一方で、制御装置1の製造コストを低減するためには、段付きねじ7,8の数は少ない方が好ましい。したがって、内蔵部品本体3aの固定、振動抑制作用及び製造コスト等を考慮して、必要な数の段付きねじ7,8が設けられることとなる。同様に、振動抑制作用と製造コスト等を考慮して、必要な数の段付きねじ6がパネル4の背面に設けられることとなる。
【0045】
また、本発明の実施形態に係るユニット内蔵部品3の取付構造及び制御装置1によれば、筐体2にユニット内蔵部品3を容易に着脱することができる。つまり、筐体2にユニット内蔵部品3を取り付ける動作は、筐体2にユニット内蔵部品3を挿設する手順と、筐体2にパネル4を螺設する手順と、により行うことができる。そして、筐体2からユニット内蔵部品3を取り外す動作は、パネル4を筐体2に固定しているねじ10を緩める手順と、パネル4を引っ張る手順と、により行うことができる。
【0046】
また、本発明の実施形態に係るユニット内蔵部品3の取付構造及び制御装置1では、筐体2に形成された開口部2aにユニット内蔵部品3を挿抜することで、ユニット内蔵部品3の取付け、取り外しを行うことができる。つまり、制御装置1の一つの面(例えば、前面)から、ユニット内蔵部品3の取付け、取り外しを行うことができる。例えば、制御装置1の配置態様によっては、保守点検を制御装置1の一つの面(例えば、前面)からしかできない場合がある。そこで、本発明の実施形態に係るユニット内蔵部品3の取付構造及び制御装置1のように、前面からユニット内蔵部品3の取付け、取り外しを行うことができれば、保守点検が容易になる。
【0047】
また、パネル4をローレットつまみねじ等で筐体2に固定すると、工具を用いることなくパネル4の取り付け(及び、取り外し)が可能となり、筐体2にユニット内蔵部品3を取り付ける作業がより容易になる。
【0048】
以上、本発明の内蔵部品の取付構造及び制御装置について、具体的な実施形態を示して詳細に説明したが、本発明の内蔵部品の取付構造及び制御装置は、実施形態に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、設計変更された形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0049】
例えば、ユニット内蔵部品3の側面及び下面から突出する突起部、並びにパネル4の背面に設けられる突起部は、段付きねじに限定されるものではなく、ユニット内蔵部品3の側面、下面若しくはパネル4の背面から突出するものであれば、特に限定されるものではない。ただし、段付きねじの円筒部は、機械加工により作成されるため、精度よく円筒部を形成することができる。つまり、ユニット内蔵部品3を固定部材9に挿抜するときには、ユニット内蔵部品3の挿抜作業を円滑に行うために、溝9cと段付きねじ7(または、溝9dと段付きねじ8)とが滑らかに摺接することが求められる。これに対して、ユニット内蔵部品3を固定部材9に固定する際には、ユニット内蔵部品3の振動を抑制するために、段付きねじ7の頭部7aとユニット内蔵部品3の側面(または、段付きねじ8の頭部8aとユニット内蔵部品3の下面)との距離は、固定部材9の厚さにより近いことが望ましい。したがって、段付きねじ7(及び段付きねじ8)は、ユニット内蔵部品3の挿抜動作と振動抑制効果を考慮して、その形状が形成されることとなる。
【0050】
すなわち、段付きねじ7,8を用いることで、固定部材9の所定位置にユニット内蔵部品3を案内するときにユニット内蔵部品3の移動を妨げないように円筒部7c,8cの径の大きさを精度良く加工することができ、また、筐体2にユニット内蔵部品3を固定したときには、ユニット内蔵部品3の振動を抑制できるように、円筒部7c,8cの高さを精度良く加工することができる。同様に、段付きねじ6を用いることで、係合溝3hへの係合が容易であり、ユニット内蔵部品3の前後方向振動を抑制するように、段付きねじ6の円筒部6cの径及び高さを精度良く加工することができる。
【0051】
また、段付きねじ8は、ユニット内蔵部品3の下面に設けることに限定されず、ユニット内蔵部品3の上面に設けても、本発明の実施形態に係る制御装置と同様の効果を得ることができる。同様に段付きねじ7は、ユニット内蔵部品3の左右どちらの側面に設けても、本発明の実施形態に係る制御装置と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、実施形態の説明では、第1固定板9aと第2固定板9bが一体となった固定部材9を筐体2に設けているが、第1固定板9aと第2固定板9bとを個別に筐体2に設けることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…制御装置
2…筐体
2a…開口部
3…ユニット内蔵部品(内蔵部品)
3a…内蔵部品本体、3b…固定板、3c…雌ねじ部
3d…側板、3e…下板、3f…孔、3g…係合板、3h…係合溝
4…パネル(カバー)
5…スペーサ
6…段付きねじ(第3突起部)
6a…頭部、6b…軸端部、6c…円筒部
7…段付きねじ(第1突起部)
7a…頭部、7b…軸端部、7c…円筒部
8…段付きねじ(第2突起部)
8a…頭部、8b…軸端部、8c…円筒部
9…固定部材
9a…第1固定板、9b…第2固定板、9c,9d…溝、9e…取付板
9f…溝、9g…雌ねじ部、9h…溝、9i…案内板
10…ねじ
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図10