【文献】
“CS533 日本語版ユーザーマニュアル”,日本,ATENジャパン株式会社,2014年 1月31日,P. 1-50,[平成30年6月25日検索],インターネット<URL: http://assets.aten.com/product/manual/CS533_Japanese_20140131.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1等の技術においても、無線通信手段を用いて操作情報を送出するときには、USB等の有線通信手段が切断されてしまうために、PCにUSBにて接続されていてもPCからの給電を受けることができなくなる。すなわち上記従来の入力デバイスでは、電池を内蔵しておく必要があり、電池切れを意識する必要があった。
【0007】
一方で、近年では複数のPC等を用いた作業が行われる機会も増えており、各PC等で電池切れ等の心配なく共用できる入力デバイスが望まれている。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、電池を用いない入力デバイスを複数の機器で共用可能とする入力インタフェース装置を提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、入力インタフェース装置であって、操作情報の入力を受け入れる少なくとも一つの操作情報入力ポートと、それぞれ情報処理装置に接続される無線通信部及び有線通信部と、前記有線通信部を介して電力の供給を受けて、前記無線通信部に電力を供給する電力供給部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記少なくとも一つの操作情報入力ポートが受け入れた操作情報を、前記有線通信部または無線通信部のどちらを出力先とするかを選択する選択手段と、前記選択手段にて選択された出力先に接続された情報処理装置に対して、前記受け入れた操作情報を出力する出力手段とを備えることとしたものである。
【0010】
このように電力供給部が有線通信部を介して受けた電力を無線通信部にも供給することで、電池を用いない入力デバイスを複数の機器で共用可能としている。
【0011】
またここで前記少なくとも一つの操作情報入力ポートは、情報処理装置におけるカーソルの移動に係る操作情報を受け入れ、前記制御部は、前記選択手段により選択されていない出力先に接続された情報処理装置に対しては、カーソルを所定位置に移動させる指示を出力することとしてもよい。
【0012】
これにより、選択手段により選択されていない出力先に接続されている情報処理装置等では、カーソルが所定位置に移動することで、入力インタフェース装置に接続された入力デバイスでの制御が直ちにできないことが容易に認識できるようになる。
【0013】
さらに前記制御部は、前記選択手段により選択されていない出力先から、前記少なくとも一つの操作情報入力ポートが受け入れる操作情報とは異なる操作情報の入力を受け入れる手段をさらに含んで、前記出力手段が、当該選択されていない出力先から受け入れた操作情報を、前記選択手段により選択された出力先に接続された情報処理装置へ出力することとしてもよい。
【0014】
このように構成することで、選択手段により選択されていない出力先に接続されている情報処理装置等に接続された入力デバイスを、選択手段により選択された出力先に接続された情報処理装置の操作のために用いることが可能となる。
【0015】
また本発明の一態様に係る情報処理装置は、操作情報を出力する入力インタフェース装置と入力デバイスとに接続され、前記入力インタフェース装置から、前記情報処理装置が出力先として選択されているか否かを表す信号を受け入れる受入手段と、当該信号が、情報処理装置が出力先として選択されていない旨の信号である場合に、前記入力デバイスから入力される操作情報を、前記入力インタフェース装置へ出力する出力制御手段と、を含むこととしたものである。
【0016】
また本発明の一態様に係る情報処理システムは、入力インタフェース装置と、情報処理装置とを含み、前記入力インタフェース装置は、操作情報の入力を受け入れる少なくとも一つの操作情報入力ポートと、それぞれ情報処理装置に接続される無線通信部及び有線通信部と、前記有線通信部を介して電力の供給を受けて、前記無線通信部に電力を供給する電力供給部と、制御部と、を具備し、当該制御部が、前記少なくとも一つの操作情報入力ポートが受け入れた操作情報を、前記有線通信部または無線通信部のどちらを介して出力するかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されていない出力先から、前記少なくとも一つの操作情報入力ポートが受け入れる操作情報とは異なる操作情報の入力を受け入れる手段と、前記選択手段にて選択された出力先に接続された情報処理装置に対して、前記受け入れた操作情報を出力する出力手段であって、選択されていない出力先から受け入れた操作情報を、前記選択手段により選択された出力先に接続された情報処理装置へ出力する出力手段と、を含み、前記情報処理装置は、入力デバイスに接続され、前記入力インタフェース装置から、情報処理装置が出力先として選択されているか否かを表す信号を受け入れる受入手段と、当該信号が、情報処理装置が出力先として選択されていない旨の信号である場合に、前記入力デバイスから入力される操作情報を、前記入力インタフェース装置へ出力する出力制御手段と、を含むこととしたものである。
【0017】
さらに本発明の一態様に係るプログラムは、操作情報を出力する入力インタフェース装置と入力デバイスとに接続される情報処理装置を、当該入力インタフェース装置から、当該情報処理装置が出力先として選択されているか否かを表す信号を受け入れる受入手段と、当該信号が、情報処理装置が出力先として選択されていない旨の信号である場合に、前記入力デバイスから入力される操作情報を、前記入力インタフェース装置へ出力する出力制御手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、電池を用いない入力デバイスが複数の機器で共用可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る入力インタフェース装置1は、
図1に例示するように制御部11と、記憶部12と、操作部13と、有線通信部14と、無線通信部15と、電力供給部16と、入力ポート17とを含んで構成されている。またこの入力インタフェース装置1の入力ポート17には、入力デバイス2が接続されており、また、この入力インタフェース装置1は有線通信部14を介して第1の情報処理装置3に、無線通信部15を介して第2の情報処理装置4にそれぞれ接続されている。
【0021】
本実施の形態の例では、第2の情報処理装置4は、無線通信部15との間で通信可能な無線通信インタフェースを備えるものとする。一例として無線通信部15がブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信手段であれば、第2の情報処理装置4はブルートゥースによる無線通信インタフェースを備える。なお、この第2の情報処理装置4が備える無線通信インタフェースは、USB(Universal Serial Bus)インタフェースに接続される無線通信モジュール(例えば、いわゆるドングル等)であってもよい。
【0022】
本実施の形態の一例では、入力インタフェース装置1は入力デバイス2と一体的なものであってもよい。この場合、入力ポート17は、入力デバイス2からの操作情報の入力を受け入れる回路であればどのようなものであってもよい。また、このときには、入力インタフェース装置1は入力デバイス2の筐体内に収納されていてもよい。この場合、入力インタフェース装置1の入力ポート17は、必ずしも必要ではなく、入力インタフェース装置1は、入力デバイス2のデバイスコントローラチップ(マウスコントローラICや、タッチパネルコントローラIC等)の信号出力端子から直接、利用者の操作の内容を表す操作情報を受け入れる。
【0023】
また本実施の形態はこれに限られず、入力インタフェース装置1は、バスパワーのUSBハブとして実装されてもよい。この場合、本実施の形態の入力インタフェース装置1の入力ポート17はUSBのコネクタとなり、入力デバイス2はこの入力ポート17に接続される。
【0024】
入力インタフェース装置1の制御部11は、マイクロコンピュータ等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の制御部11は、入力ポート17を介して入力デバイス2から操作情報を受け入れる。またこの制御部11は、当該受け入れた操作情報を、有線通信部14または無線通信部15のどちらを介して出力するかを選択する選択手段として機能する。そして制御部11は、当該選択手段としての機能において選択された出力先を介して、受け入れた操作情報を出力する。この制御部11の詳しい動作については、後に述べる。
【0025】
記憶部12は、メモリデバイスであり、制御部11によって実行されるプログラムを保持している。このプログラムはコンピュータ可読かつ非一時的な記憶媒体に格納されて提供され、この記憶部12に格納されたものであってもよいし、ネットワーク等の通信手段を介して提供され、この記憶部12に格納されたものであってもよい。またこの記憶部12は制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0026】
操作部13は、例えば利用者の操作により、第1の状態と第2の状態との間で切り替える切替スイッチである。この操作部13が上記第1の状態と第2の状態とのいずれにあるかについては、制御部11によって読取り可能としておく。
【0027】
有線通信部14は、例えばUSBインタフェース等であり、本実施の形態の例では、ホストとしての第1の情報処理装置3に接続される。この有線通信部14は、制御部11が有線通信部14を出力先として選択したときには、制御部11が出力する操作情報を、有線通信部14を介して第1の情報処理装置3に出力する。またこの有線通信部14は、第1の情報処理装置3から電力の供給を受けて、当該供給された電力を電力供給部16に出力する。具体的に有線通信部14がUSBであれば、この有線通信部14はUSBのVBUS端子を介して、ホストである第1の情報処理装置3からの電源供給を受け入れることとなる。
【0028】
無線通信部15は、例えばブルートゥース等の近距離無線通信手段、あるいは無線LANその他の無線通信手段の少なくとも一方を備えるものであり、本実施の形態の例では、第2の情報処理装置4に接続される。この無線通信部15は、制御部11が無線通信部15を出力先として選択したときには、制御部11が出力する操作情報を、上記ブルートゥース等の近距離無線通信手段、あるいは無線LANその他の無線通信手段の少なくとも一方を介して第2の情報処理装置4に出力する。
【0029】
電力供給部16は、有線通信部14を介して供給される電力を、各部に分配して供給する。本実施の形態の入力インタフェース装置1の各部は、この電力供給部16が供給する電力によって動作する。またこの電力供給部16は、入力デバイス2に対しても電力を供給する。
【0030】
入力デバイス2は、マウスやキーボード等であり、利用者の操作を受けて、当該操作の内容を表す操作情報を入力インタフェース装置1に出力する。本実施の形態の一例では、入力インタフェース装置1と入力デバイス2とは一体に形成されていてもよい。また入力デバイス2における利用者の操作を検知するために必要な電力は、入力インタフェース装置1の電力供給部16から受け入れるようになっている。
【0031】
ここで本実施の形態の制御部11の動作について説明する。本実施の形態の制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより、
図2に例示するように、操作情報受入部51と、出力先選択部52と、出力部53とを含んで構成される。
【0032】
操作情報受入部51は、入力デバイス2から利用者の操作の内容を表す操作情報を受け入れて、出力部53に出力する。出力先選択部52は、操作情報受入部51が受け入れた操作情報を、有線通信部14または無線通信部15のどちらを介して出力するか(どちらを出力先とするか)を選択する。具体的にこの出力先選択部52の一態様では、操作部13の状態に基づいて出力先を選択する。すなわち、出力先選択部52は、操作部13が第1の状態と第2の状態とのいずれの状態であるかを判断する。そして出力先選択部52は、操作部13が第1の状態であると判断すると、有線通信部14を出力先として選択する。また出力先選択部52は、操作部13が第2の状態であると判断すると、無線通信部15を出力先として選択する。
【0033】
出力部53は、操作情報受入部51から操作情報の入力を受け入れる。そして出力部53は、出力先選択部52の選択により、有線通信部14が出力先として選択されているときには、入力された操作情報を、有線通信部14を介して送出する。また出力部53は、出力先選択部52の選択により、無線通信部15が出力先として選択されているときには、有線通信部14、及び電力供給部16を介して供給された電力を用いて動作する無線通信部15に対し、入力された操作情報を出力して、無線にて当該操作情報を送出させる。
【0034】
本実施の形態では、出力部53は、出力先選択部52の選択により無線通信部15が出力先として選択されている間、有線通信部14を介して出力する情報を制御して、有線通信部14にあたかも入力デバイス2が接続されているかのような状態を維持してもよい。一例として有線通信部14がUSBである場合には、有線通信部14を介してホストである第1の情報処理装置3から操作情報の問い合わせ(ポーリング)を受け入れたときに、所定の応答を送出する。ここで所定の応答は、操作が行われなかった旨のダミーの操作情報としておけばよい。
【0035】
また別の例では、有線通信部14を介してホストである第1の情報処理装置3から操作情報の問い合わせ(ポーリング)を受け入れたときに、応答をせず、またD+及びD−を所定の基準電圧以下に設定してデバイスがデタッチされたかのように振舞ってもよい(デタッチされたとしてもVBUSを介しての電源供給が行われる場合)。さらにその後、別のデバイスがアタッチされたかのように振舞い、入力デバイス2以外のデバイスが接続されたかのように仮装してもよい。このような仮装は、アタッチ後に行われるコンフィギュレーションの段階で、出力部53が、予め設定された入力デバイス2以外のUSBデバイスのデバイスデスクリプタを用いてコンフィギュレーションを実行すればよい。これにより、例えば入力デバイス2がマウスである場合も、出力先選択部52の選択により、当初は有線通信部14が出力先として選択されていたとしても、その後、無線通信部15が出力先として選択されたときに、ホストである第1の情報処理装置3においてマウスが接続されていないと判断されるようにしておいてもよい。
【0036】
[動作例]
本実施の形態の入力インタフェース装置1は以上の構成を備えており、次のように動作する。以下の説明では、この入力インタフェース装置1は、入力デバイス2としてのマウスと一体となっている(マウスの筐体内に収納されている)ものとし、有線通信部14はUSBであり、無線通信部15はブルートゥースによる通信を行うものとする。また操作部13は、当初、第1の状態(有線通信部14を介して操作情報を出力させる状態)に設定されているものとする。
【0037】
入力インタフェース装置1の制御部11は、
図3に例示するように、入力デバイス2であるマウスに対する利用者の操作の内容を表す操作情報を受け入れる(S1)。制御部11はこの受け入れた操作情報を記憶部12に保持しておく。また制御部11は、操作部13が第1の状態と第2の状態とのいずれの状態となっているかを判断する(S2)。当初はこの操作部13が第1の状態となっているものとしているので、制御部11は処理S2において「第1の状態」であると判断し、有線通信部14を出力先として選択する(S3)。
【0038】
制御部11は、出力先として選択された有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置3からポーリング(操作情報の問い合わせ)を受け入れたか否かを調べ(S4)、ポーリングを受け入れた(Yes)と判断すると、保持している操作情報を、有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置3宛に送出する(S5)。そして処理S1に戻って処理を続ける。なお、処理S4にてポーリングを受け入れていない(No)と判断すると、そのまま処理S1に戻って処理を続ける。
【0039】
この状態では、入力デバイス2であるマウスの操作に係る操作情報は、第1の情報処理装置3に対して出力され、第1の情報処理装置3のマウスカーソルの制御等に用いられる。その後、利用者が操作部13を第2の状態に切り替える(無線通信部15を介して操作情報を出力させる状態とする)と、制御部11は処理S2において「第2の状態」となっていると判断し、無線通信部15を出力先として選択することとなる(S11)。
【0040】
そしてこの場合、制御部11は、初回(通信が確立されていない場合)は無線通信部15を起動して第2の情報処理装置4との間の通信を確立する。また通信が確立されていれば、または通信の確立が完了したならば、無線通信部15に対して記憶部12に保持している操作情報を出力し、無線通信部15を介して第2の情報処理装置4宛に操作情報を送出する(S12)。そして制御部11は処理S1に戻って処理を続ける。
【0041】
制御部11は、また処理S11,S12に前後して、ホストとなった第1の情報処理装置3からポーリング(操作情報の問い合わせ)を受け入れたか否かを調べ、ポーリングを受け入れたと判断したときには、予め定めたダミーの操作情報(入力デバイス2がマウスであれば移動やクリック等がなかった旨の操作情報)を、有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置3宛に送出することとしてもよい。
【0042】
また本実施の形態において、これらの処理の間、操作部13が第1の状態となっているか第2の状態となっているかに関わらず(つまり、有線通信部と無線通信部とのどちらが出力先として選択されるかに関わらず)、有線通信部14を介して第1の情報処理装置3から供給される電力は、電力供給部16によって入力インタフェース装置1及び入力デバイス2の各部に分配されており、電池を用いずに、入力デバイス2を複数の機器で共用可能としている。
【0043】
さらにこの後、利用者が操作部13を第1の状態に切り替えると、制御部11は処理S2において「第1の状態」であると判断し、有線通信部14を出力先として選択する(処理S3)。そして制御部11は、出力先として選択された有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置3からポーリング(操作情報の問い合わせ)を受け入れたか否かを調べ(処理S4)、ポーリングを受け入れた(Yes)と判断すると、保持している操作情報を、有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置3宛に送出する(処理S5)。そして処理S1に戻って処理を続ける。なお、処理S4にてポーリングを受け入れていない(No)と判断すると、そのまま処理S1に戻って処理を続ける。このとき制御部11は無線通信部15を介して第2の情報処理装置4宛に所定のタイミングごとに繰り返してダミーの操作情報を送出するようにしてもよい。
【0044】
また本実施の形態において、選択されていない出力先を介してダミーの操作情報を送出する場合、ダミーの操作情報としては次のようなものであってもよい。
【0045】
例えば入力デバイス2がマウス等のカーソル移動に係る操作情報を出力するものであれば、制御部11は、当該カーソル移動に係る操作情報を受け入れて、選択されていない出力先に対して、カーソルを所定位置に移動させる指示を出力する。具体的な例として、この所定位置に移動させる指示は、マウスカーソルを右下隅に向かって移動する指示等である。
【0046】
[操作情報の受け入れに係る別の例]
ここまでの説明では、入力インタフェース装置1は、当該入力インタフェース装置1自身に直接接続されていた入力デバイス2から操作情報の入力を受け入れていたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば本実施の形態の入力インタフェース装置1の制御部11は、選択されていない出力先である情報処理装置から操作情報の入力を受け入れてもよい。この例の制御部11は、当該選択されていない出力先から受け入れた操作情報を、選択された出力先へ出力するようにしてもよい。
【0047】
本実施の形態のこの例に係る入力インタフェース装置1は、
図1に例示したものと同様の構成をとるものであるが、有線通信部14と無線通信部15との少なくとも一方、並びに制御部11の動作が少々異なる。
【0048】
具体的にこの例に係る有線通信部14には第1の情報処理装置3に代えて第1の情報処理装置5aが接続されているものとする。この例でも入力インタフェース装置1の有線通信部14は、制御部11が有線通信部14を出力先として選択したときには、制御部11が出力する操作情報を、有線通信部14を介して第1の情報処理装置5aに出力する。またこの有線通信部14は、第1の情報処理装置5aから電力の供給を受けて、当該供給された電力を電力供給部16に出力している。
【0049】
またこの例に係る無線通信部15は、第2の情報処理装置4に代わる第2の情報処理装置5bとの間で通信可能に接続される。この無線通信部15は、制御部11が無線通信部15を出力先として選択したときには、制御部11が出力する操作情報を、無線通信部15を介して第2の情報処理装置5bに出力する。
【0050】
本実施の形態のここでの例では、有線通信部14と無線通信部15との少なくとも一方が次のように動作する。すなわち、有線通信部14または無線通信部15の少なくとも一方は、出力先として選択されていないときには、それぞれを介して接続されている第1の情報処理装置5aまたは第2の情報処理装置5bから操作情報の入力を受け入れて制御部11に出力する動作を行う。
【0051】
また本実施の形態のこの例に係る入力インタフェース装置1の制御部11は、
図2に代えて、
図4に例示するように、第1の操作情報受入部61と、第2の操作情報受入部62と、出力先選択部52と、出力部63と、を含んで機能的に構成される。なお、
図2に示したものと同様の構成となるものについては同じ符号を付して、繰り返しての説明を省略する。
【0052】
さらに本実施の形態のこの例では、入力インタフェース装置1に接続される情報処理装置の動作も特徴的なものとなる。以下の例では具体的に、有線通信部14と無線通信部15との双方が、出力先として選択されていないときに、それぞれを介して接続されている第1の情報処理装置5aまたは第2の情報処理装置5bから操作情報の入力を受け入れて制御部11に出力する動作を行うものとして説明する。
【0053】
この例では、情報処理装置5(情報処理装置5a,5bのそれぞれ)は、
図5に例示するように、制御部71と、記憶部72と、インタフェース部73と、表示部74とを含んで構成される。ここで制御部71は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部72に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態において、この制御部71は、後に説明するインタフェース部73に接続されている入力インタフェース装置1から、自己(情報処理装置5自身)が接続されている有線通信部14または無線通信部15が出力先として選択されているか否かを表す信号(出力先選択信号)を受け入れる。またこの制御部71は、当該受け入れた信号が、自己が接続されている有線通信部14または無線通信部15が出力先として選択されていない旨の信号である場合には、入力インタフェース装置1とは別に、インタフェース部73に接続された入力デバイス6から入力される操作情報を、入力インタフェース装置1へ出力する出力制御手段として機能する。この制御部71の動作は、制御部71が入力インタフェース装置1のデバイスドライバプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0054】
記憶部72は、メモリデバイス等であり、制御部71によって実行されるプログラムを保持する。またこの記憶部72は、制御部71のワークメモリとしても動作する。
【0055】
インタフェース部73は、USB等のインタフェースを含む。本実施の形態のこの例では、入力インタフェース装置1を介さずに、マウスやキーボード等の入力デバイス6が直接(USBハブ等、入力インタフェース装置1以外の装置を介してもよい)接続されている。さらにこのインタフェース部73は、入力インタフェース装置1にも接続されている。このインタフェース部73は、入力デバイス6や入力インタフェース装置1から入力される操作情報等の各種情報を受け入れて制御部71に出力する。またこのインタフェース部73は、制御部71から入力される指示に従って、指示された情報を入力インタフェース装置1に出力する。
【0056】
なお、このインタフェース部73は、情報処理装置5に内蔵された(あるいは情報処理装置5によりソフトウエア的に実現された(タブレット型情報処理装置のタッチパネルに表示されるキーボードやポインティングデバイスを含む))入力デバイス6から入力される操作情報等の各種情報を受け入れて、制御部71に出力し、また、制御部71から入力される指示に従って、指示された情報を入力インタフェース装置1に出力するものであってもよい。
【0057】
またこのインタフェース部73は、ブルートゥース等の無線通信インタフェースを含んでもよい。本実施の形態の一例では、第2の情報処理装置5bのインタフェース部73は、このブルートゥース等の無線通信インタフェースを含むものとする。このように無線通信インタフェースを含む場合、インタフェース部73は、無線通信インタフェースを介して受信した操作情報等の各種情報を受け入れて制御部71に出力する。また、この場合のインタフェース部73は、制御部71から入力される指示に従って、指示された情報を、無線通信インタフェースを介して入力インタフェース装置1へ送出する。本実施の形態のある例では、この無線通信インタフェースは、USBに接続される無線通信モジュール(いわゆるドングル等)によって実現されていてもよい。表示部74は、ディスプレイ等であり、制御部71から入力される指示に従って情報を表示出力する。
【0058】
またこの例における入力インタフェース装置1の第1の操作情報受入部61は、入力デバイス2から利用者の操作の内容を表す操作情報を受け入れて、出力部63に出力する。第2の操作情報受入部62は、出力先選択部52の選択により出力先として選択されていない有線通信部14または無線通信部15を介して、情報処理装置5から操作情報を受け入れて、出力部63に出力する。
【0059】
出力部63は、出力先選択部52の選択により、有線通信部14が出力先として選択されているときには、入力された操作情報を、有線通信部14を介して送出する。また出力部63は、出力先選択部52の選択により、無線通信部15が出力先として選択されているときには、有線通信部14、及び電力供給部16を介して供給された電力を用いて動作する無線通信部15に対し、入力された操作情報を出力して、無線にて当該操作情報を送出させる。
【0060】
さらにこの出力部63は、出力先選択部52の選択により、有線通信部14が出力先として選択されているときには、無線通信部15に対して、無線にて無線通信部15が出力先として選択されていないことを表す出力先選択信号を送出させる。またこの出力部63は、出力先選択部52の選択により、無線通信部15が出力先として選択されているときには、有線通信部14を介して、有線通信部14に接続された第1の情報処理装置5aに対し、有線通信部14が出力先として選択されていないことを表す出力先選択信号を送出する。
【0061】
[動作例]
本実施の形態のこの例に係る情報処理システムは、以上の構成を備え、次のように動作する。以下の説明で、入力インタフェース装置1の有線通信部14には第1の情報処理装置5aが接続され、無線通信部15は第2の情報処理装置5bとの間で通信可能に接続されているものとする。
【0062】
また、情報処理装置5aには、有線にて入力デバイス6としてのキーボードが接続されているものとする。さらに入力インタフェース装置1には、入力デバイス2としてマウスが接続されているものとする。入力インタフェース装置1の制御部11は、
図6に例示するように、入力デバイス2であるマウスに対する利用者の操作の内容を表す操作情報を受け入れる(S21)。制御部11はこの受け入れた操作情報を記憶部12に保持しておく。また制御部11は、操作部13が第1の状態と第2の状態とのいずれの状態となっているかを判断する(S22)。当初はこの操作部13が第1の状態となっているものとすると、制御部11は処理S22において「第1の状態」であると判断し、有線通信部14を出力先として選択する(S23)。
【0063】
制御部11は、出力先として選択されない無線通信部15を介して、無線通信部15が出力先として選択されていないことを表す出力先選択信号を送出させる(S24)。その後制御部11は、出力先として選択された有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置5aからポーリング(操作情報の問い合わせ)を受け入れたか否かを調べ(S25)、ポーリングを受け入れた(Yes)と判断すると、保持している操作情報を、有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置5a宛に送出する(S26)処理を行う。
【0064】
制御部11は、そして、処理S21に戻って処理を続ける。なお、処理S25にてポーリングを受け入れていない(No)と判断すると、そのまま処理S21に戻って処理を続ける。
【0065】
この状態では、入力デバイス2であるマウスの操作に係る操作情報は、第1の情報処理装置5aに対して出力され、第1の情報処理装置5aのマウスカーソルの制御等に用いられる。また、第1の情報処理装置5aは、自己に接続されているキーボードに対する操作が行われると、当該操作の内容を表す操作情報(どのキーが押下されたかを表す情報等)を受け入れて、当該操作情報に従い、キー入力に基づく処理等を行う。
【0066】
その後、利用者が操作部13を第2の状態に切り替える(無線通信部15を介して操作情報を出力させる状態とする)と、制御部11は処理S22において「第2の状態」となっていると判断し、無線通信部15を出力先として選択することとなる(S31)。制御部11は、出力先として選択されない有線通信部14を介して、有線通信部14が出力先として選択されていないことを表す出力先選択信号を送出する(S32)。
【0067】
この場合、有線通信部14を介して接続された第1の情報処理装置5aは、当該出力先選択信号を受け入れて、入力デバイス6(ここでの例ではキーボードとしている)から入力される操作情報を、入力インタフェース装置1へ出力するよう動作する。すなわち、この状態で利用者により自己に接続されているキーボードに対する操作が行われると、第1の情報処理装置5aは、当該操作の内容を表す操作情報(どのキーが押下されたかを表す情報等)を受け入れて、当該操作情報を入力インタフェース装置1へ出力する。入力インタフェース装置1では、この第1の情報処理装置5aが出力する操作情報を、入力デバイス2から入力された操作情報と同様に、記憶部12に保持する。
【0068】
そしてこの場合、制御部11は、初回(通信が確立されていない場合)は無線通信部15を起動して第2の情報処理装置5bとの間の通信を確立する。また通信が確立されていれば、または通信の確立が完了したならば、無線通信部15に対して記憶部12に保持している操作情報を出力し、無線通信部15を介して第2の情報処理装置5b宛に操作情報を送出する(S33)。そして制御部11は処理S21に戻って処理を続ける。
【0069】
これにより、第1の情報処理装置5aに接続されているキーボードの操作にかかる操作情報が、入力インタフェース装置1を介して第2の情報処理装置5bに送出され、第2の情報処理装置5bにおいて当該操作情報を用いた処理を行うことが可能となる。
【0070】
制御部11は、また処理S31,S32に前後して、ホストとなった第1の情報処理装置5aからポーリング(操作情報の問い合わせ)を受け入れたか否かを調べ、ポーリングを受け入れたと判断したときには、予め定めたダミーの操作情報(入力デバイス2がマウスであれば移動やクリック等がなかった旨の操作情報)を、有線通信部14を介して、ホストとなった第1の情報処理装置5a宛に送出することとしてもよい。
【0071】
また本実施の形態のこの例においても、上述の処理の間、操作部13が第1の状態となっているか第2の状態となっているかに関わらず、有線通信部14を介して第1の情報処理装置5aから供給される電力は、電力供給部16によって入力インタフェース装置1及び入力デバイス2の各部に分配されており、電池を用いずに、入力デバイス2を複数の機器で共用可能としている。
【0072】
また本実施の形態のこの例においても、選択されていない出力先を介してダミーの操作情報を送出する場合、ダミーの操作情報としてはカーソルを所定位置に移動させる指示、具体的にはマウスカーソルを右下隅に向かって移動する指示等であってもよい。
【0073】
[出力先選択部の変形例]
なお、ここまでの説明において出力先選択部52は、操作部13の状態に応じて出力先の選択を変更することとしていた。しかしながら本実施の形態はこれに限られない。
【0074】
例えば、出力先選択部52は、有線通信部14または無線通信部15を介して接続された情報処理装置から、出力先の選択を変更するべき旨の指示を受け入れて、当該指示に従い、出力先の選択を変更してもよい。この場合、操作部13は必ずしも必要ではない。つまりこの操作部13は仮想的にソフトウエアにて実現されてもよく、その場合、有線通信部14または無線通信部15を介して接続された情報処理装置からの指示により、第1の状態と第2の状態との間での切り替えが行われる。
【0075】
[有線通信部または無線通信部が複数ある例]
また以上の説明では有線通信部14と無線通信部15とがそれぞれ一つである場合を例として説明していたが、本実施の形態では有線通信部14または無線通信部15の少なくとも一方は複数あってもよい。
【0076】
この例では、操作部13は、どの有線通信部14または無線通信部15を介して操作情報を出力するかの設定を利用者から受け入れる。そして出力先選択部52が当該操作部13の設定により、どの有線通信部14または無線通信部15を介して操作情報を出力するかを選択することとなる。
【0077】
また無線通信部15が複数ある場合、各無線通信部15に対しては、常時給電を行っておいてもよいし、操作部13の設定により出力先として選択された無線通信部15に対してのみ給電を行ってもよい(この場合、その後有線通信部14を出力先とする設定がされたときには、例えば最後に給電していた無線通信部15、または予めデフォルトに設定された無線通信部15に対しては給電を継続しておいてもよい)。
【0078】
このように、無線通信部15に対して給電を継続しておくことで、有線から無線へ出力先の選択を切り替えたときに、無線通信部15の起動や、無線通信の再度の接続を必要とせずに、速やかに操作情報の出力が可能となる。また、出力先として選択されなくなった(選択されていない)無線通信部15が例えばIEEE802.11規格に基づく無線LANインタフェース等、比較的消費電力の大きいものである場合は、給電を停止することとしてもよい。これにより消費電力を低減できる。