(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御部は、前記合計値が最も高いと判定した画像形成装置の適性程度と他の画像形成装置の適性程度とを区別して前記表示部に表示させる請求項1又は請求項2に記載の端末装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、端末装置と複数の画像形成装置を、ネットワークを通じて接続した画像形成システムにおいては、端末装置側で各画像形成装置のいずれかを選択して、印刷データを当該選択した画像形成装置に送信し、この選択した画像形成装置に、印刷データを印刷させる。
【0007】
しかしながら、端末装置の操作者は、画像形成装置の選択に際し、各画像形成装置のいずれが印刷対象とする印刷データの印刷に最も適しているかを判断しようとしても容易に判断できない。例えば、各画像形成装置別に、特許文献1のように助言情報を求めて、各画像形成装置の助言情報を端末装置の表示部に表示したとしても、操作者が複数の助言情報を比較検討する必要があり、各画像形成装置のいずれが印刷データの印刷に最も適しているかを判断できるとは限らず、また判断できたとしても、それまでに時間を要する。また、各画像形成装置別に、特許文献2のように推奨印刷設定を決定し、各画像形成装置の推奨印刷設定を端末装置の表示部に表示したとしても、操作者が複数の推奨印刷設定を比較検討する必要があり、各画像形成装置のいずれが印刷データの印刷に最も適しているかを容易に判断できない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、端末装置の操作者が、ネットワーク上の各画像形成装置のいずれが印刷データの印刷に最も適しているかを容易に判断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る端末装置は、複数の画像形成装置にネットワークを通じて接続された端末装置であって、
前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、
前記複数の画像形成装置のそれぞれの印刷設定及び動作状況を示す機能状況データが前記ネットワークを通じて前記第1通信部で受信されたときに、前記各画像形成装置別に、前記機能状況データに基づき、印刷データの印刷に対する画像形成装置の印刷設定及び動作状況の適正程度を判定する第1制御部と、
前記各画像形成装置について判定されたそれぞれの適正程度を表示する表示部と、
前記各画像形成装置のいずれかへの前記印刷データの送信を指示する送信指示が入力される操作部とを備え、
前記第1通信部は、前記ネットワークを通じて前記印刷データを、前記操作部に入力された前記送信指示が示す画像形成装置に送信し、
前記機能状況データは、複数の項目を含み、前記画像形成装置によりカラー印刷及びモノクロ印刷のいずれが行われるか、印刷に用いる記録媒体のサイズ、又は前記記録媒体の残り枚数と、前記画像形成装置で実行中及び待機中のジョブを完了するまでの第2時間とを、前記項目として有し、
前記第1制御部は、前記第2時間と前記画像形成装置による前記印刷データの印刷が終了するまでの第1時間との和からなる第1ジョブ時間を求め、前記機能状況データが含む項目及び前記第1ジョブ時間別に、前記印刷データの印刷に対する適正程度を示すポイントを定め、前記機能状況データが含む項目及び前記第1ジョブ時間についての当該ポイントの合計値が最も高い画像形成装置を、前記適正程度が最も高い画像形成装置であると判定し、当該判定の結果を前記表示部に表示させ、
前記第1制御部は、
前記各画像形成装置のうち予め定められているデフォルトの画像形成装置において実行中及び待機中のジョブを完了するまでの第2時間と、当該第2時間と前記デフォルトの画像形成装置による前記印刷データの印刷が終了するまでの第1時間との和からなる第2ジョブ時間を求め、当該第2
ジョブ時間を前記表示部に表示させると共に、
前記第1ジョブ時間が前記第2ジョブ時間未満である場合に前記適正程度を示すポイントを加算し、前記第1ジョブ時間が前記第2ジョブ時間未満ではない場合には前記適正程度を示すポイントを加算しないことにより、前記第1ジョブ時間についての前記適正程度を示すポイントを定めるものである。
【0010】
本発明の一局面に係る画像形成システムは、上記端末装置と、前記端末装置にネットワークを通じて接続された複数の画像形成装置と、を備える画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記ネットワークを通じて、前記端末装置との間で通信を行う第2通信部と、
前記機能状況データの送信要求が前記ネットワークを通じて前記第2通信部で受信されると、自己の画像形成装置の機能状況データを、前記第2通信部から前記ネットワークを通じて前記端末装置へと送信させる第2制御部と、
前記印刷データが前記ネットワークを通じて前記第2通信部で受信されると、前記印刷データを記録媒体に印刷する画像形成部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の一局面に係るプリンタードライバーは、ネットワークを通じて複数の画像形成装置に接続された端末装置を、
前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、
前記複数の画像形成装置のそれぞれの印刷設定及び動作状況を示す機能状況データが前記ネットワークを通じて前記第1通信部で受信されたときに、前記各画像形成装置別に、前記機能状況データに基づき、印刷データの印刷に対する画像形成装置の印刷設定及び動作状況の適正程度を判定し、当該各画像形成装置について判定したそれぞれの適正程度を表示部に表示させる第1制御部と、
前記複数の画像形成装置のいずれかへの前記印刷データの送信を指示する送信指示に従って、前記ネットワークを通じて前記印刷データを、当該送信指示が示す画像形成装置に送信する第1通信部と、して機能させるプリンタードライバーであって、
更に前記端末装置を、
前記機能状況データが、複数の項目を含み、前記画像形成装置によりカラー印刷及びモノクロ印刷のいずれが行われるか、印刷に用いる記録媒体のサイズ、又は前記記録媒体の残り枚数と、前記画像形成装置で実行中及び待機中のジョブを完了するまでの第2時間とを、前記項目として有し、
前記第1制御部は、前記第2時間と前記画像形成装置による前記印刷データの印刷が終了するまでの第1時間との和からなる
第1ジョブ時間を求め、前記機能状況データが含む項目及び前記ジョブ時間別に、前記印刷データの印刷に対する適正程度を示すポイントを定め、前記機能状況データが含む項目及び前記ジョブ時間についての当該ポイントの合計値が最も高い画像形成装置を、前記適正程度が最も高い画像形成装置であると判定し、当該判定の結果を前記表示部に表示させ、
前記第1制御部は、
前記各画像形成装置のうち予め定められているデフォルトの画像形成装置において実行中及び待機中のジョブを完了するまでの第2時間と、当該第2時間と前記デフォルトの画像形成装置による前記印刷データの印刷が終了するまでの第1時間との和からなる第2ジョブ時間を求め、当該第2
ジョブ時間を前記表示部に表示させると共に、
前記第1ジョブ時間が前記第2ジョブ時間未満である場合に前記適正程度を示すポイントを加算し、前記第1ジョブ時間が前記第2ジョブ時間未満ではない場合には前記適正程度を示すポイントを加算しないことにより、前記第1ジョブ時間についての前記適正程度を示すポイントを定めるように機能させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、端末装置の操作者は、第1制御部によって判定される適正程度に基づいて、ネットワーク上の複数の画像形成装置のうち、いずれが印刷データの印刷に適しているかを容易に判断できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態にかかる画像形成装置システムについて図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、複数の端末装置10、複数の画像形成装置20、及びサーバー30がネットワークNにより接続されてなる画像形成システムSyを示すブロック図である。この画像形成システムSyにおいて、各端末装置10は、パーソナルコンピューター(PC)等であって、第1制御部11、第1表示部12、第1入力操作部13、第1通信部14、及び第1記憶部15等を備えている。第1制御部11は、第1記憶部15に記憶されているプリンタードライバー及び各種のアプリケーションプログラム等を実行して様々な処理を行う。本実施形態では、第1制御部11は、上記プリンタードライバーに従って動作することにより、プリンタードライバー部11aとして機能する。複数の端末装置10は、同様の構成を有している。
【0016】
各画像形成装置20は、互いに略同様の構成を有しており、第2制御部21、第2表示部22、第2入力操作部23、第2通信部24、画像読取部25、画像形成部26、及び第2記憶部27等を備えている。
【0017】
サーバー30は、端末装置10と同様に、第3制御部31、第3表示部32、第3入力操作部33、第3通信部34、及び第3記憶部35等を備えている。
【0018】
このような構成の画像形成システムSyにおいて、各端末装置10、各画像形成装置20、及びサーバー30は、周知の通信プロトコルに従って、1つ乃至複数の通信相手を指定して、相互にデータ通信を行うことができる。
【0019】
例えば、端末装置10では、プリンタードライバー部11aにより、文書、図形、画像等からなる印刷データを有する印刷ページを生成する。なお、印刷ページとは、印刷データを構成する頁単位での各画像を示す。
【0020】
プリンタードライバー部11aは、この印刷データを、第1通信部14からネットワークNを通じて画像形成装置20へと送信させる。画像形成装置20では、印刷データを、ネットワークNを通じて第2通信部24で受信し、第2制御部21が、画像形成部26により該印刷データを記録紙に形成して画像形成させる。
【0021】
更に、サーバー30では、各端末装置10からの指示に従って、各画像形成装置20からネットワークNを通じて様々なデータを第3通信部34で受信し、これらのデータを第3記憶部35に保存し、第3記憶部35内のデータを、第3通信部34からネットワークNを通じて端末装置10に送信する。
【0022】
次に、画像形成装置20の構成を詳しく説明する。
図2は、画像形成装置20の構成を示す正面断面図である。この画像形成装置20は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。また、画像形成装置20は、装置本体41に、画像読取部(ISU;Image scanner unit)25、第2入力操作部23、画像形成部26、定着部42、及び給紙部43等を設けて構成される。
【0023】
第2入力操作部23は、操作者により操作されて、画像形成動作や画像読取動作等の実行指示を受け付ける。
【0024】
画像読取動作を行う場合、画像読取部25は、原稿の画像を光学的に読取って、画像データを生成する。画像読取部25により生成された画像データは、第2記憶部27に保存される。
【0025】
画像形成動作を行う場合は、上記の画像読取動作により生成されて第2記憶部27に記憶されている画像データ、端末装置10から送信されてネットワークNを通じて第2通信部24で受信された画像データ等に基づいて、画像形成部26が、給紙部43から供給される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。
【0026】
画像形成部26は、マゼンタ用の画像形成ユニット44M、シアン用の画像形成ユニット44C、イエロー用の画像形成ユニット44Y、及びブラック用の画像形成ユニット44Bkを備えている。各画像形成ユニット44M、44C、44Y、及び44Bkは、感光体ドラム45と、感光体ドラム45の表面を均一に帯電させる帯電部と、感光体ドラム45の表面を露光して、その表面に静電潜像を形成する露光部(LSU;Laser scanning units)46と、トナーを用いて、感光体ドラム45の表面の静電潜像をトナー像に現像
する現像部47と、1次転写ローラー48とをそれぞれ備えている。
【0027】
カラー印刷を行う場合、各画像形成ユニット44M、44C、44Y、及び44Bkにおいては、感光体ドラム45の表面を均一に帯電させてから露光して、その表面にカラーの色成分の画像に対応する静電潜像を形成し、感光体ドラム45の表面の静電潜像を現像部47により現像して、感光体ドラム45上にその色成分のトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー48により駆動ローラー51A及び従動ローラー51Bに張架されている中間転写ベルト52上に1次転写させる。
【0028】
中間転写ベルト52は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定されており、感光体ドラム45の周面に当接した状態で駆動ローラー51Aによって回転駆動される。
【0029】
中間転写ベルト52上に転写される各色成分のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト52上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー53は、中間転写ベルト52の表面に形成されたカラーのトナー像を、該2次転写ローラー53と中間転写ベルト52との間のニップ部Nにおいて給紙部43から搬送路54を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写させる。
【0030】
この後、定着部42で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー対55を通じて排出トレイ56に排出される。
【0031】
給紙部43は、複数の給紙カセット49を備えている。操作者による第2入力操作部23の操作でいずれかの給紙カセット49が指示されると、この給紙カセット49のピックアップローラー57が回転駆動されて、記録紙Pが給紙カセット49から搬送路54へと搬送供給される。
【0032】
このような多機能の画像形成装置20においては、随時、カラー印刷、モノクロ印刷、及び記録紙のサイズ等を示す印刷設定が選択されたり変更されたりし、また記録紙の残り枚数及び実行中のジョブの有無等を示す動作状況が逐次に変化する。このため、印刷データの印刷を指示する前に、画像形成装置20について、上記印刷設定や動作状況を確認できることが望ましい。
【0033】
また、先に述べたように端末装置10により印刷データが生成されて、この印刷データが端末装置10からネットワークNを通じて画像形成装置20へと送信されると、画像形成装置20により印刷データが解析されて記録紙に形成される。このとき、ネットワークN上の各画像形成装置20では、それぞれの印刷設定や動作状況が互いに異なるため、当該印刷データの印刷に最も適した印刷設定や動作状況を有する画像形成装置20が分かれば、端末装置10からその画像形成装置20へと印刷データを送信することが可能になる。
【0034】
そこで、本実施形態における端末装置10では、各画像形成装置20別に、画像形成装置20の印刷設定や動作状況を取得して、画像形成装置20の印刷設定や動作状況を反映した管理情報を求め、この管理情報を第1表示部12に表示する。これと共に、端末装置10では、当該管理情報に基づき印刷データの印刷に最も適した印刷設定や動作状況の画像形成装置20を判定して、この判定結果を第1表示部12に表示する。このため、端末装置10の操作者は、各画像形成装置20のいずれが印刷データの印刷に最適であるかを容易に判断することができる。また操作者は、印刷データを端末装置10からネットワークNを通じて上記最適な画像形成装置20に送信することで、当該印刷データの印刷に最適な画像形成装置20により印刷データを記録紙Pに印刷させることができる。
【0035】
次に、
図3に示すフローチャート及び
図4A乃至
図9に示す端末装置10の第1表示部12の画面を参照しつつ、端末装置10から画像形成装置20へと印刷データを送信するまでの手順を説明する。なお、
図3に示すフローチャートの処理は、端末装置10の第1制御部11のプリンタードライバー部11aが実行する。
【0036】
まず、端末装置10において、操作者が、第1入力操作部13を操作して、印刷対象とする印刷データの印刷指示を入力する。これに従って、プリンタードライバー部11aは、当該端末装置10に印刷用のデフォルトの画像形成装置として設定されている画像形成装置20に対して、ジョブ時間T2の送信を要求する送信要求を、第1通信部14からネットワークNを通じて該画像形成装置20へと送信する(S101)。当該ジョブ時間T2とは、この時点で画像形成装置20において実行中及び待機中となっている全てのジョブを完了するまでに必要な処理時間である。
【0037】
画像形成装置20では、ジョブ時間T2の送信要求を第2通信部24で受信すると、第2制御部21は、このジョブ時間T2の送信要求に応じて該画像形成装置20で実行中及び待機中の全てのジョブが終了するまでのジョブ時間T2を算出し、算出したジョブ時間T2を、第2通信部24からネットワークNを通じて上記端末装置10に向けて送信させる。第2制御部21による当該ジョブ時間T2の算出は、例えば、ジョブがプリントジョブである場合は、1枚の印刷ページの印刷時間として予め定められた時間と、印刷ページ枚数の積で求められる。また、スキャンジョブの場合は、1枚の原稿の読取時間として予め定められた時間と、原稿枚数の積で求められる。
【0038】
端末装置10では、ジョブ時間T2を第1通信部14で受信すると(S102)、プリンタードライバー部11aは、上記印刷データを画像形成装置20で印刷するために必要と想定されるジョブ時間T1を算出する。プリンタードライバー部11aは、算出したジョブ時間T1を、上記受信したジョブ時間T2に加算して、上記デフォルト設定されている画像形成装置20により上記印刷データの印刷が終了するまでの所要時間であるジョブ時間Ttを算出する。プリンタードライバー部11aは、このジョブ時間Ttを
図4Aに示すように第1表示部12の画面Gの最も下側に表示する(S103)。なお、ジョブ時間T1は、例えば、1枚の印刷ページの印刷時間として予め定められた時間と、印刷ページ枚数の積で求められる。
【0039】
このとき、操作者は、第1表示部12の画面Gの下側に表示されているジョブ時間Ttを確認し、印刷データの印刷を終えるのに要する時間がジョブ時間Ttでよいと判断すれば、第1入力操作部13により画面Gの最も下側に表示されているOKキー201を操作して、印刷実行指示を入力する。プリンタードライバー部11aは、当該印刷実行指示が入力されると(S104で「OKキー」)、印刷データを第1通信部14からネットワークNを通じて上記画像形成装置20へと送信させる(S105)。
【0040】
画像形成装置20では、印刷データを第2通信部24が受信すると、第2制御部21は、画像形成部26により印刷データを記録紙に印刷させる。第2制御部21は、この印刷が終了すると、印刷終了メッセージを第2通信部24からネットワークNを通じて上記端末装置10へと送信させる。
【0041】
端末装置10では、当該印刷終了メッセージを第1通信部14が受信すると、プリンタードライバー部11aは、印刷終了メッセージを第1表示部12の画面Gに表示させる(S106)。これにより、操作者に対して印刷データの印刷の終了が報知される。
【0042】
従って、端末装置10において、デフォルト設定されている画像形成装置20で上記印刷データを印刷する場合に要する処理時間であるジョブ時間Ttに操作者が納得した場合は、印刷データが当該デフォルト設定されている画像形成装置20に送信されて、この画像形成装置20で印刷データが印刷される。この場合は、各画像形成装置20のいずれかを選択する必要がなく、最も簡単な操作により印刷データの印刷を行うことができる。
【0043】
一方、操作者は、上記ジョブ時間Ttに納得しなければ、或いは他の画像形成装置20による印刷を望むのであれば、第1入力操作部13の操作により画面Gにおけるジョブ管理タブ202を押下して、他装置検索指示を入力する。プリンタードライバー部11aは、当該他装置検索指示が入力されると(S104で「ジョブ管理タブ」)、端末装置10により既知の方法で検知されている、この時点でネットワークN上に存在する各画像形成装置20のそれぞれに対して、画像形成装置20の印刷設定や動作状況等を示す機能状況データの送信要求を、第1通信部14からネットワークNを通じて各画像形成装置20に向けて送信させる(S107)。
【0044】
各画像形成装置20では、機能状況データの送信要求を第2通信部24で受信すると、第2制御部21は、自己の画像形成装置20についての当該時点での印刷設定や動作状況等を示す機能状況データを生成して、この機能状況データを第2通信部24からネットワークNを通じて端末装置10へと送信する。
【0045】
ここで、印刷設定とは、カラー印刷の可否、印刷可能な記録紙サイズ、記録紙供給元として選択されている給紙カセット、印刷対象とされる画像の向き等である。また、動作状況とは、記録紙の残り枚数、実行中及び待機中のジョブの数、これらのジョブを実行完了するまでに要するジョブ時間等である。この他、機能状況データには、画像形成装置20の名称、IPアドレス等も含まれる。なお、各給紙カセット49における記録紙の用紙サイズは、画像形成装置20における第2入力操作部23の操作で入力されて、第2記憶部27等に保存されている。すなわち、各画像形成装置20は、端末装置10に対して、上記機能状況データの送信要求を受信した時点での装置状態を示す機能状況データを送信する。
【0046】
端末装置10では、各画像形成装置20の機能状況データを第1通信部14が受信すると(S108)、プリンタードライバー部11aは、各画像形成装置20の機能状況データの示す内容に基づき、
図4Bに示すようなジョブ管理ウィンドウWaを生成して、第1表示部12に画面Gとして表示させる(S109)。
【0047】
プリンタードライバー部11aは、印刷指示の対象とされている上記印刷データの解析により、当該印刷データの印刷に必要な用紙サイズ、用紙枚数、カラー/モノクロ印刷の別、拡大縮小の内容、等を検出している。本実施形態では、プリンタードライバー部11aが、上記印刷データは、印刷に必要な用紙サイズがA4(A4縦搬送)、用紙枚数10枚、カラー印刷、拡大縮小は100%(等倍)、印刷対象とされる画像の向きがA4縦、等であることを検出している例を示す。
【0048】
プリンタードライバー部11aは、各画像形成装置20の機能状況データの示す内容と、上記検出した内容との比較により、各画像形成装置20におけるカラー印刷の可否(「Yes」又は「No」)、記録紙の用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)、記録紙の残り枚数の適否、すなわち、当該印刷データの印刷に足りる枚数の記録紙があるか否か(「Yes」又は「No」)等を判定する。そして、プリンタードライバー部11aは、当該判定結果を用いて、上記ジョブ管理ウィンドウWaを生成する。
【0049】
図4Bでは、上記他装置検索指示が入力された時点でネットワークN上に存在する3つの画像形成装置20(デフォルト設定されている画像形成装置20を含む)の管理情報Dが、ジョブ管理ウィンドウWaに表示される例を示す。これらの管理情報Dは、画像形成装置20の名称、IPアドレス、カラー印刷の可否(「Yes」又は「No」)、記録紙の用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)、記録紙の残り枚数の適否、すなわち、当該印刷データの印刷に足りる枚数の記録紙があるか否か(「Yes」又は「No」)、ジョブタイム、及び適正程度という7つの項目からなる。なお、ジョブ管理ウィンドウWaでは、上下方向のスクロール操作により全ての画像形成装置20の管理情報Dの表示が可能となる。
【0050】
また、プリンタードライバー部11aは、機能状況データに含まれている各給紙カセット49における記録紙の用紙サイズが印刷データによって示される印刷ページのサイズに一致するか否かに応じて、記録紙の用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)を判定する。そして、プリンタードライバー部11aは、この判定した用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)を、第1表示部12により、ジョブ管理ウィンドウWaの管理情報Dに表示させる。
【0051】
更に、プリンタードライバー部11aは、機能状況データに含まれている各給紙カセット49における記録紙の残り枚数が、印刷データによって示される印刷ページの枚数以上であるか否かに応じて、記録紙の残り枚数の適否(「Yes」又は「No」)を判定する。そして、プリンタードライバー部11aは、この判定した残り枚数の適否(「Yes」又は「No」)を、第1表示部12により、ジョブ管理ウィンドウWaの管理情報Dに表示させる。なお、各給紙カセット49における記録紙の残り枚数は、画像形成装置20において、画像形成装置20における第2入力操作部23の操作で給紙カセット49にセットされた記録紙のセット枚数が入力されて第2記憶部27等に保存された後、給紙カセット49からの給紙の度に、給紙枚数を上記セット枚数から減算することにより求められる。
【0052】
また、機能状況データに含まれている画像形成装置20で実行中及び待機中のジョブの実行が完了するまでのジョブ時間T2に、印刷データによって示される各印刷ページを画像形成装置20で印刷するのに要するジョブ時間T1が加算されて、全ての印刷が終了するまでのジョブ時間Taが求められる。そして、プリンタードライバー部11aは、第1表示部12により、このジョブ時間Taを、ジョブ管理ウィンドウWaの管理情報Dとして表示させる。
【0053】
従って、ジョブ管理ウィンドウWaの管理情報Dとして、機能状況データに含まれている画像形成装置20の名称、IPアドレス、及びカラー印刷の可否(「Yes」又は「No」)は、そのまま表示される。また、ジョブ管理ウィンドウWaの管理情報Dとして、機能状況データに基づき求められた記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)、記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の残り枚数の適否(「Yes」又は「No」)、及び全ての印刷が終了するまでのジョブ時間Taが表示される。
【0054】
引き続いて、プリンタードライバー部11aは、各画像形成装置20別に、画像形成装置20の管理情報Dに基づき、上記印刷データの印刷に対する印刷設定及び動作状況の適正程度を求める。プリンタードライバー部11aは、当該適正程度を、例えば以下に示すように、ポイントを用いて算出する。例えば、カラー印刷の可否(「Yes」又は「No」)に応じて、可は「2」ポイント、否は「0」ポイントとする。また、用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)に応じて、適合は「2」ポイント、否適合は「0」ポイントとする。更に、記録紙の残り枚数の適否(「Yes」又は「No」)に応じて、適合は「1」ポイント、否適合は「0」ポイントを求める。また、ジョブ管理ウィンドウWaに表示されているジョブ時間Taが第1表示部12の画面Gの下側に表示されているジョブ時間Tt未満であるか否かに応じて、ジョブ時間Tt未満の場合は「1」ポイント、ジョブ時間Tt未満ではない場合は「0」ポイントとする。プリンタードライバー部11aは、これらのポイントの合計値を、ネットワークN上に存在している各画像形成装置20について求める(S110)。
【0055】
そして、プリンタードライバー部11aは、各画像形成装置20のポイントの合計値を比較して、最も大きな合計値の画像形成装置20を選択する。プリンタードライバー部11aは、当該選択した画像形成装置20の印刷設定及び動作状況が、上記印刷データの印刷に最も適していると判定し、ジョブ管理ウィンドウWaにおける該選択した画像形成装置20の管理情報Dの表示領域に、最適であることを示すチェックマークCmを表示すると共に、適正程度を示す画像として「優良」を表示させる(S111)。なお、プリンタードライバー部11aは、選択しなかった他の画像形成装置20の管理情報Dの表示領域には、矢印マークRmを表示する(S111)。
【0056】
このように、印刷データの印刷に対する各画像形成装置20の印刷設定及び動作状況の適正程度を求めて、各画像形成装置20の印刷設定及び動作状況の適正程度を比較し、ジョブ管理ウィンドウWaの表示において、上記印刷データの印刷に最も適している管理情報Dの表示領域にチェックマークCmを付与すると共に、適正程度として「優良」を表示し、また他の画像形成装置20の管理情報Dの表示領域に矢印マークRmを付与することで、操作者は、ジョブ管理ウィンドウWaを見れば、印刷データの印刷に最も適している画像形成装置20を容易に判別することができる。
【0057】
次に、端末装置10において、操作者が、第1入力操作部13を操作して、ジョブ管理ウィンドウWaにおけるチェックマークCm付きのいずれかの画像形成装置20の管理情報Dの選択キー203を押下し、他装置選択指示が入力された場合の処理を説明する。プリンタードライバー部11aは、当該他装置選択指示が入力されると(S112)、当該選択されたチェックマークCm付きの画像形成装置20の印刷設定及び動作状況の詳細を示すポップアップウィンドウWb(
図5参照)を、第1表示部12に画面Gとして表示させる(S113)。
【0058】
このポップアップウィンドウWbには、チェックマークCm付きの管理情報Dが表示される。プリンタードライバー部11aは、管理情報Dとして、上記印刷データに基づいて印刷される画像のプレビュー212を表示させ、更にカラー印刷の可否を示すカラー/モノクロ欄213と、印刷ページの拡大縮小率を示す拡大縮小率欄214と、印刷ページの縦横向き及び上下方向を示す印刷方向欄215と、給紙カセット選択キー216と、提言欄217とを表示させる。プリンタードライバー部11aは、このポップアップウィンドウWbに、チェックマークCm付きの管理情報Dを表示させ、また印刷データのプレビュー212を表示させる。
【0059】
操作者は、このポップアップウィンドウWbを見て、印刷データの印刷に最も適している画像形成装置20による該印刷データの印刷状態を把握することができる。そして、操作者は、当該印刷状態に納得すれば、第1入力操作部13を操作して、印刷キー204を押下して印刷指示を入力する。プリンタードライバー部11aは、当該印刷指示が入力されると(S114で「印刷キー」)、印刷データを、第1通信部14からネットワークNを通じてチェックマークCm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20へと送信する(S105)。
【0060】
画像形成装置20では、印刷データを第2通信部24で受信すると、第2制御部21は、この印刷データを解析して、画像形成部26により記録紙に印刷させる。この印刷が終了すると、第2制御部21は、印刷終了メッセージを第2通信部24からネットワークNを通じて端末装置10へと送信する。
【0061】
端末装置10では、印刷終了メッセージを第1通信部14が受信すると、プリンタードライバー部11aが、第1表示部12の画面Gに表示する(S106)。
【0062】
また、第1入力操作部13の操作により
図5に示すポップアップウィンドウWbにおける閉キー205が押下されると(S114で「閉キー」)、プリンタードライバー部11aは、印刷データを画像形成装置20に送信させることなく、ポップアップウィンドウWbを閉じ、
図4Bに示すジョブ管理ウィンドウWaを第1表示部12によりその画面Gとして再度表示させる。この後は、S112からの処理が繰り返される。
【0063】
一方、端末装置10において、操作者が第1入力操作部13の操作によりジョブ管理ウィンドウWaにおける矢印マークRm付きの管理情報Dの選択キー203を押下した場合は(S112)、プリンタードライバー部11aは、
図6に示すような矢印マークRm付きの管理情報Dに対応するポップアップウィンドウWbを第1表示部12の画面Gに表示する(S113)。
【0064】
このポップアップウィンドウWbには、矢印マークRm付きの管理情報Dが表示され、また印刷ページのプレビュー212が表示され、またカラー/モノクロ欄213、拡大縮小率欄214、印刷方向欄215、給紙カセット選択キー216、及び提言欄217が表示されている。
【0065】
図5と
図6を比較すると明らかなように、
図6に示すポップアップウィンドウWbは、カラー/モノクロ欄213でモノクロのチェックボックス213bが選択表示されている点、及び提言欄217に「モノクロで印刷されます。」というメッセージが表示されている点で、
図5に示すポップアップウィンドウWbとは異なる。
【0066】
ここでは、プリンタードライバー部11aは、
図6に示すポップアップウィンドウWbの表示に際し、矢印マークRm付きの当該画像形成装置20では、印刷設定にモノクロ印刷が設定されており、管理情報Dにおけるカラー印刷の可否を「No」と判定しているため、カラー/モノクロ欄213では、モノクロのチェックボックス213bが選択された表示行う場合を示している。また、プリンタードライバー部11aは、カラー印刷の可否「No」に対応付けて予め設定された「モノクロで印刷されます。」というメッセージを第1記憶部15から読出して、このメッセージを提言欄217に表示する。
【0067】
操作者は、カラー/モノクロ欄213におけるモノクロのチェックボックス213bの選択表示及び提言欄217におけるメッセージを見て、矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20を選択すると、モノクロで印刷されることを理解できる。
【0068】
操作者が、モノクロ印刷に納得して、第1入力操作部13を操作して印刷キー204を押下し、印刷実行指示を入力すると(S114で「印刷キー」)、プリンタードライバー部11aは、印刷データを、ネットワークNを通じて矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20へと送信する(S105)。
【0069】
当該画像形成装置20では、印刷データを第2通信部24で受信すると、第2制御部21は、この印刷データを解析して、画像形成部26によりモノクロの印刷ページを記録紙に印刷させる。
【0070】
一方、操作者は、ポップアップウィンドウWbに示される上記印刷状態に納得しない場合、ポップアップウィンドウWbの表示時に(S113)、第1入力操作部13を操作して、
図6に示すカラー/モノクロ欄213でカラーのチェックボックス213cを押下することで、当該
矢印Rm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20の印刷設定をカラー印刷に設定するカラー設定指示を入力することが可能である。このとき、プリンタードライバー部11aは、カラー/モノクロ欄213における
カラーのチェックボックス213cが選択された表示とする。さらに、プリンタードライバー部11aは、提言欄217の「モノクロで印刷されます。」というメッセージを非表示とする。
【0071】
当該カラー設定指示が入力されると、プリンタードライバー部11aは、当該カラー設定指示を、第1通信部14により、ネットワークNを介して、当該画像形成装置20に送信する。この画像形成装置20は、当該
カラー設定指示を受信すると、第2制御部21が、印刷のモノクロ設定をカラーに変更する。このように設定を変更した後、操作者が第1入力操作部13を操作して、印刷キー204を押下して印刷指示を入力すると、上記印刷データを用いて、当該画像形成装置20によりカラー印刷が行われる。
【0072】
さらに、操作者は、ポップアップウィンドウWbの表示時に(S113)、第1入力操作部13の操作により、
図6に示す拡大縮小率欄214における他の拡大縮小率を示すチェックボックスを押下することで、当該チェックマーク
Rm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20による印刷設定の拡大縮小率を変更できる。例えば、操作者は、第1入力操作部13の操作により、1/2倍のチェックボックス214bを押下することで、当該画像形成装置20の印刷設定の拡大縮小率を1/2に設定する1/2縮小設定指示を入力することが可能である。更に、プリンタードライバー部11aは、拡大縮小率1/2倍に予め対応付けられた「印刷ページが縮小されて印刷されます。」というメッセージを第1記憶部15から読出して、このメッセージを提言欄217に表示させる。このようにカラー設定及び1/2縮小設定がされた場合のポップアップウィンドウWbの例を
図7に示す。
【0073】
このように1/2縮小設定指示が入力されると、プリンタードライバー部11aは、当該1/2縮小設定指示を、第1通信部14により、ネットワークNを介して、当該画像形成装置20に送信する。この画像形成装置20は、当該1/2縮小設定指示を受信すると、第2制御部21が、印刷の拡大縮小設定を1/2縮小に変更する。このように設定を変更した後、操作者が第1入力操作部13を操作して、印刷キー204を押下して印刷指示を入力すると、上記印刷データを用いて、当該画像形成装置20により、更に拡大縮小率を1/2縮小として印刷が行われる。
【0074】
ここで、矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20の印刷設定が上記とは異なる内容に設定されている場合を説明する。端末装置10において、操作者がジョブ管理ウィンドウWaにおける矢印マークRm付きの管理情報Dの選択キー203を押下して(S112)、プリンタードライバー部11aが、
図8に示すようなポップアップウィンドウWbが第1表示部12の画面Gに表示されたものとする(S113)。
【0075】
図5と
図8を比較すると明らかなように、
図8に示すポップアップウィンドウWbは、提言欄217に「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。」というメッセージが表示されている点で、
図5に示すポップアップウィンドウWbとは異なる。
【0076】
すなわち、当該画像形成装置20は、その機能状況データが、当該画像形成装置20で設定されている給紙カセット49では用紙切れを示しているか、又は上記印刷データを印刷するには枚数が足りないことを示している。このとき、プリンタードライバー部11aは、
図8に示すポップアップウィンドウWbの表示に際し、矢印マークRm付きの管理情報Dにおける残り枚数の適否「No」と判定するため、この残り枚数の適否「No」に対応付けて予め設定された「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。」というメッセージを第1記憶部15から読出して、このメッセージを提言欄217に表示する。
【0077】
このため、操作者は、提言欄217におけるメッセージを見て、記録紙供給元の給紙カセット49に記録紙を補充するか、又は他の給紙カセット49を記録紙供給元として選択しなければならないことを理解できる。
【0078】
このとき、仮に、上記のような印刷実行指示が操作者から入力されて、印刷データが端末装置10から画像形成装置20へと送信されても、画像形成装置20では、当該画像形成装置20では記録紙の残り枚数が不足しているので、印刷データを全頁印刷することはできない。このため、プリンタードライバー部11aは、当該画像形成装置20への印刷データの送信を一時的に禁止する。
【0079】
この状態で、操作者が、矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20まで出向いて、上記設定されている給紙カセット49に記録紙を補充し、第2入力操作部23の操作で給紙カセット49にセットされた記録紙の枚数を入力したとする。この場合、画像形成装置20では、機能状況データに含まれている給紙カセット49についての記録紙残り枚数が更新されて、この記録紙残り枚数が第2通信部24からネットワークNを通じて端末装置10へと送信される。端末装置10では、当該給紙カセット49についての記録紙残り枚数を第1通信部14で受信すると、プリンタードライバー部11aは、当該給紙カセット49についての記録紙残り枚数が、上記印刷データの印刷に必要な枚数以上であると判定して、管理情報Dの残り枚数の適否「No」を「Yes」に変更し、提言欄217における「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。」というメッセージを消去する。
【0080】
そして、操作者が、端末装置10に戻り、第1入力操作部13を操作して、印刷キー204を押下して印刷実行指示を入力すると(S114で「印刷キー」)、プリンタードライバー部11aは、上記印刷データを、第1通信部14からネットワークNを通じて矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20へと送信する(S105)。
【0081】
画像形成装置20では、印刷データを第2通信部24で受信すると、第2制御部21は、この印刷データを解析して、画像形成部26により上記給紙カセット49から供給された記録紙に印刷させる。
【0082】
なお、操作者は、
図8に示すポップアップウィンドウWbにおける提言欄217のメッセージを見て、第1入力操作部13を操作して給紙カセット選択キー216を押下して、記録紙供給元の給紙カセット49を変更することも可能である。例えば、プリンタードライバー部11aは、給紙カセット選択キー216が指示される度に、複数の給紙カセット49が記録紙供給元として順次繰り返し選択を受け付ける。
【0083】
この場合、プリンタードライバー部11aは、記録紙供給元の給紙カセット49が変更される度に、機能状況データに含まれている各給紙カセット49における記録紙の用紙サイズ及び残り枚数に基づき、記録紙供給元として選択された給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否(「Yes」又は「No」)及び残り枚数の適否(「Yes」又は「No」)を判定する。
【0084】
そして、プリンタードライバー部11aは、例えば記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否を「Yes」と判定し、かつ残り枚数の適否を「No」と判定すると、記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の残り枚数が不足しているため、
図8に示すポップアップウィンドウWbの提言欄217における「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。」というメッセージを維持して、画像形成装置20への印刷データの送信を一時的に禁止する。
【0085】
また、プリンタードライバー部11aは、記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否を「Yes」と判定し、かつ残り枚数の適否を「Yes」と判定すると、
図8に示すポップアップウィンドウWbの提言欄217における「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。」というメッセージを消去する。
【0086】
上記のように新たな給紙カセットを選択する給紙カセット選択指示が入力されると、プリンタードライバー部11aは、当該給紙カセット選択指示を、第1通信部14により、ネットワークNを介して、当該画像形成装置20に送信する。この画像形成装置20は、当該給紙カセット選択指示を受信すると、第2制御部21が、印刷に用いる給紙カセット49を、当該給紙カセット選択指示が示す給紙カセットに変更する。この場合、画像形成装置20では、新たな給紙カセット49とされたことを示す機能状況データが第2通信部24からネットワークNを通じて端末装置10へと送信される。
【0087】
この後、印刷キー204が指示されると(S114で「印刷キー」)、プリンタードライバー部11aは、第1通信部14から、印刷データを、ネットワークNを通じて矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20へと送信する(S105)。画像形成装置20では、印刷データを受信して解析し、画像形成部26により記録紙に印刷させる。
【0088】
また、プリンタードライバー部11aは、記録紙供給元の給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否を「No」と判定し、かつ残り枚数の適否を「Yes」と判定した場合は、印刷ページの拡大縮小処理が必要なため、拡大縮小設定を1/2倍に変更するようにしてもよい。この場合、プリンタードライバー部11aは、例えば
図7に示すポップアップウィンドウWbを表示させる。
【0089】
続いて、矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20の印刷設定が上記とは異なる内容に設定されている場合を更に説明する。例えば、プリンタードライバー部11aが、記録紙供給元として選択された給紙カセット49における記録紙の用紙サイズの適否を「No」と判定し、かつ残り枚数の適否を「No」と判定した場合は、
図9に示すポップアップウィンドウWbを表示させる。
【0090】
この
図9に示すポップアップウィンドウWbでは、拡大縮小率欄214における1/2倍のチェックボックス214bが選択表示され、かつ提言欄217に「給紙カセットに記録紙を補充して下さい。他の給紙カセットを選択して下さい。印刷ページが縮小されて印刷されます。」というメッセージが表示されている。このとき、印刷データが端末装置10から画像形成装置20へと送信されても、画像形成装置20では、印刷データによって示される印刷ページの全頁を印刷することできない。このため、プリンタードライバー部11aは、画像形成装置20への印刷データの送信を一時的に禁止する。
【0091】
例えば、操作者は、
図9に示すポップアップウィンドウWbにおいて、第1入力操作部13の操作により給紙カセット選択キー216を押下して、記録紙供給元の給紙カセット49を変更することにより、記録紙の用紙サイズの適否を「Yes」かつ残り枚数の適否を「Yes」とし、拡大縮小率欄214における1/2倍のチェックボックス214bの選択表示を消去させ、提言欄217におけるメッセージ全てを消去させてから、印刷キー204を押下して、印刷実行指示を入力することが可能である。
【0092】
或いは、操作者は、記録紙供給元の給紙カセット49を変更することにより、記録紙の用紙サイズの適否を「Yes」かつ残り枚数の適否を「No」とし、拡大縮小率欄214における1/2倍のチェックボックス214bの選択表示を消去させ、提言欄217における「印刷ページが縮小されて印刷されます。」というメッセージを消去させてから、矢印マークRm付きの管理情報Dに対応する画像形成装置20まで出向いて、記録紙供給元の給紙カセット49に記録紙を補充し、この後に印刷キー204を押下して、印刷実行指示を入力することが可能である。
【0093】
あるいは、操作者は、
図9に示すポップアップウィンドウWbにおいて、第1入力操作部13の操作により給紙カセット選択キー216を指示して、記録紙供給元の給紙カセット49を変更することにより、記録紙の用紙サイズの適否を「No」かつ残り枚数の適否を「Yes」とし、提言欄217における「印刷ページが縮小されて印刷されます。」というメッセージだけを残してから、印刷キー204を押下して、印刷実行指示を入力することが可能である。
【0094】
このように本実施形態における端末装置10では、各画像形成装置20の印刷設定や動作状況に基づきそれぞれの管理情報Dを求め、各画像形成装置20の管理情報Dに基づき印刷データの印刷に対する各画像形成装置20の印刷設定及び動作状況の適正程度を求めて比較し、印刷データの印刷に最も適している管理情報Dの表示領域にチェックマークCmを付与すると共に、適正程度として「優良」を表示する。このため、操作者は、印刷データの印刷に最も適している画像形成装置20を容易に選択して、この画像形成装置20により印刷データを印刷させることができる。
【0095】
また、他の画像形成装置20を選択した場合でも、印刷データを印刷する前に、当該他の画像形成装置20による印刷状態を把握した上で印刷したり、また、印刷設定を変更した上で印刷することが可能になる。
【0096】
ところで、上記実施形態では、各画像形成装置20の機能状況データを、該各画像形成装置20からネットワークNを通じて端末装置10へと送信しているが、各画像形成装置20の機能状況データを、サーバー30の第3記憶部35に保存しておき、各画像形成装置20の機能状況データを、サーバー30からネットワークNを通じて端末装置10へと送受信しても構わない。この場合、サーバー30では、各画像形成装置20の機能状況データを、該各画像形成装置20からネットワークを通じて第3通信部34で随時受信して第3記憶部35に保存しておき、各画像形成装置20の機能状況データの送信要求を、端末装置10からネットワークNを通じて第3通信部34で受信すると、第3制御部31は、各画像形成装置20の機能状況データを、第3記憶部35から読出して、第3通信部34からネットワークNを通じて端末装置10へと送信する。
【0097】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてカラー複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機や他の電子機器、例えば、プリンター、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0098】
また、
図1乃至
図9を用いて説明した上記各実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。