(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の収納容器は、カセット本体部に設けられるローラベアリングに対して閉塞板に設けられるガイド部の溝を挿入して、閉塞板をカセット本体部に取り付けるため、ローラベアリングと、ガイド部の溝とが点接触となり、カセット本体部に対する閉塞板の安定性が悪く、容器自体の気密性が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、蓋体の開閉性を向上させるとともに、容器自体の気密性を向上させる基板収納用の収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明のうち請求項1に記載の収納容器は、容器本体の一端側の開口部に、基板を出し入れするための出入り口を備え、前記出入り口から前記基板を収納する基板収納用の収納容器であって、前記容器本体の他端側の開口部に設けられ、前記他端側の開口部から前記出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットと、前記出入り口に設けられ、前記出入り口を開閉する蓋体と、を備え、前記蓋体には、前記容器本体に係合する係合部が形成され、前記容器本体には、前記係合部と係合して前記蓋体を係止する係止部が形成され、前記係合部は、前記蓋体が前記容器本体に設けられる際の前記容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される突起を有し、前記係止部は、前記突起と嵌合可能であって、前記容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される受け孔を有するものである。
上記構成では、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される突起と、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される受け孔と、が嵌合することで、蓋体が容器本体に取り付けられる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納容器において、前記受け孔は、前記突起が嵌合される側の開口端部が傾斜状に形成されるものである。
上記構成では、蓋体(係合部)の突起が受け孔の開口端部を滑りながら受け孔と嵌合する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の収納容器において、前記受け孔は、前記突起が嵌合される側と反対側の端部に開口部分を有するものである。
上記構成では、容器本体の係止部において発生する異物を当該開口部分から排出する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の収納容器において、前記係合部は、前記蓋体が前記容器本体に設けられる際の前記蓋体の高さ方向に沿って複数設けられ、前記蓋体の高さ方向において上方に位置する係合部は、その水平方向の長さが、それよりも下方に位置する係合部の水平方向の長さより長く形成されるものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の収納容器において、前記蓋体の端部には、前記蓋体を前記容器本体の高さ方向に昇降させるための突起部が形成されるものである。
上記構成では、突起部を介して蓋体を容器本体の高さ方向に昇降させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の収納容器において、前記ファンフィルタユニットは前記容器本体に対して着脱可能に設けられ、前記ファンフィルタユニットには、前記容器本体に係合する係合部が形成され、前記容器本体には、前記ファンフィルタユニットの係合部と係合して前記ファンフィルタユニットを係止する係止部が形成され、前記係合部は、前記ファンフィルタユニットが前記容器本体に設けられる際の前記容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される突起を有し、前記係止部は、前記突起と嵌合可能であって、前記容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される受け孔を有するものである。
上記構成では、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される突起と、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される受け孔と、が嵌合することで、ファンフィルタユニットが容器本体に取り付けられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の収納容器によれば、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される突起と、容器本体の高さ方向に対して鋭角状に形成される受け孔と、を嵌合させることから、突起と、受け孔とが面接触で嵌合される。そのため、容器本体に対する蓋体の安定性が良く、収納容器自体の気密性が向上する。また、入口部分の広い受け孔に対して先端部分の細い突起を嵌合することとなるため、突起を受け孔に対して容易に嵌合することができる。そのため、蓋体を容器本体に対して容易に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る収納容器10について説明する。なお、以下の説明では、収納容器10の前後方向をX軸方向として収納容器10において基板(図示せず)を出し入れする側(後述する出入り口14側)を正面側とし、その反対側を背面側とする。さらに、収納容器10の正面視にて左右方向をY軸方向とし、後述する蓋体12及びファンフィルタ用枠体19が容器本体11に取り付けられる際の収納容器10(容器本体11)の高さ方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0016】
図1及び
図2に示すように、収納容器10は、基板を多段収納するための基板収納用の容器である。基板は、例えば、液晶パネルに用いられるガラス基板である。
収納容器10は、収納容器10の本体を構成する容器本体11と、容器本体11の一端側の開口部(後述する出入り口14)を開閉する蓋体12と、容器本体11の他端側の開口部(後述するフィルタ取付口15)から一端側の開口部(出入り口14)に向けて通風するファンフィルタユニット13と、から構成される。
【0017】
容器本体11は、横倒れ姿勢の四角筒状に形成される。容器本体11は、その一端側の開口部に、基板を出し入れするための出入り口14を備え、出入り口14から基板を収納する。容器本体11は、その内部において基板を上下方向(Z軸方向)に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する。容器本体11は、その他端側の開口部に、ファンフィルタユニット13を取り付けるためのフィルタ取付口15を備える。容器本体11は、その出入り口14側の左右両側面にスリット16を備える。スリット16は、容器本体11の上下方向に形成される長孔であり、蓋体12を容器本体11から外す際に容器本体11の内部が視認できるように構成されている。
蓋体12は、板状部材により構成される。蓋体12は、その上端部及び左右端部が垂直に折り曲げられた折り曲げ部12aを有する。折り曲げ部12aは、容器本体11の出入り口14に対して嵌め合わせ可能に構成される。
ファンフィルタユニット13は、ファンフィルタ18と、ファンフィルタ用枠体19と、から構成される。ファンフィルタ18は、フィルタ取付口15から出入り口14に向けて通風するファン一体型のフィルタである。
ファンフィルタ用枠体19は、ファンフィルタ18を容器本体11のフィルタ取付口15に取り付けるための枠体である。ファンフィルタ用枠体19は、板状部材により構成される。ファンフィルタ用枠体19は、その左右端部が垂直に折り曲げられた折り曲げ部19aを有する。折り曲げ部19aは、容器本体11のフィルタ取付口15に嵌め合わせ可能に構成される。ファンフィルタ用枠体19は、その上端部に容器本体11のフィルタ取付口15の上端部と当接する当接部分19bが形成されている。
【0018】
収納容器10は、蓋体12と、ファンフィルタユニット13と、が容器本体11に対して着脱自在に取り付けられる。具体的には、容器本体11の出入り口14(容器本体11の一端側の開口部)に蓋体12が取り付けられ、容器本体11のフィルタ取付口15(容器本体11の他端側の開口部)にファンフィルタユニット13のファンフィルタ用枠体19が取り付けられる。収納容器10は、容器本体11から蓋体12及びファンフィルタ用枠体19を取り外すことで、容器本体11を容易に洗浄できるように構成されている。
【0019】
蓋体12は、その左右両側の折り曲げ部12aの上部及び下部に、蓋体12を容器本体11に取り付けるために、容器本体11と係合する蓋体取付アーム20(「係合部」の一例)を有する。同様に、ファンフィルタ用枠体19は、その左右両側の折り曲げ部19aの上部及び下部に、ファンフィルタ用枠体19を容器本体11に取り付けるために、ファンフィルタ用枠体19と係合するフィルタ取付アーム30(「係合部」の一例)を有する。
図3に示すように、蓋体取付アーム20は、蓋体取付アーム20の本体部を形成するアーム本体21と、アーム本体21の先端部に設けられる突起22と、から構成される。同様に、フィルタ取付アーム30は、フィルタ取付アーム30の本体部を形成するアーム本体31と、アーム本体31の先端部に設けられる突起32と、から構成される。
【0020】
蓋体取付アーム20のアーム本体21は、蓋体12の左右両側の折り曲げ部12aから容器本体11への取付方向(収納容器10の前後方向)に突出して設けられる。同様に、フィルタ取付アーム30のアーム本体31は、ファンフィルタ用枠体19の左右両側の折り曲げ部19aから容器本体11への取付方向(収納容器10の前後方向)に突出して設けられる。
【0021】
蓋体取付アーム20の突起22(フィルタ取付アーム30の突起32)は、三角形状の部材で構成され、例えば樹脂製の部材により形成される。突起22(突起32)は、容器本体11の高さ方向(上下方向)に対して鋭角状に形成される頂部22c(頂部32c)を有する。突起22(突起32)は、その鋭角状の頂部22c(頂部32c)がアーム本体21(アーム本体31)に対して下方向へ突出するように設けられる。具体的には、突起22(突起32)は、アーム本体21(アーム本体31)に対して垂直に形成される側面22a(側面32a)と、その側面22a(側面32a)に対して鋭角に形成されて傾斜する傾斜面22b(傾斜面32b)と、から形成され、側面22a(側面32a)と、傾斜面22b(傾斜面32b)と、からなる頂部22c(頂部32c)を有する。突起22(突起32)は、その突出径がアーム側の基端部から先端部に向けて徐々に減縮するように形成される。
また、突起22(突起32)はその頂部22c(頂部32c)が湾曲状に形成される。これにより、突起22(突起32)が容器本体11(後述する蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37))に接触する際の異物の発生を軽減することができるとともに、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を容器本体11に取り付ける際に、突起22(突起32)が容器本体11(蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37))と係合し易くなる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)は、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の上部に形成されるアーム本体21(アーム本体31)の水平方向(突出方向)の長さが、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の下部に形成されるアーム本体21(アーム本体31)の水平方向(突出方向)の長さより長く形成される。これにより、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を容器本体11に着脱する際に、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の下部に形成される蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)が容器本体11の上部に形成される蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)と干渉しない。
【0023】
容器本体11は、その出入り口14側の左右両側面の上部及び下部に、蓋体12の蓋体取付アーム20と係合して蓋体12を係止する蓋体受け体25(「係止部」の一例)が設けられている。容器本体11は、そのフィルタ取付口15側の左右両側面の上部及び下部に、ファンフィルタ用枠体19のフィルタ取付アーム30と係合してファンフィルタユニット13(ファンフィルタ用枠体19)を係止するフィルタ受け体35(「係止部」の一例)が設けられている。
図3及び
図4に示すように、蓋体受け体25は、蓋体受け体25の本体部を形成する蓋体受け本体26と、蓋体受け本体26の上部から下部に向けて形成される蓋体受け孔27(「受け孔」の一例)と、から構成される。同様に、フィルタ受け体35は、フィルタ受け体35の本体部を形成するフィルタ受け本体36と、フィルタ受け本体36の上部から下部に向けて形成されるフィルタ受け孔37(「受け孔」の一例)と、から構成される。
【0024】
蓋体受け体25の蓋体受け本体26は、容器本体11の出入り口14側の左右両側面であって、蓋体取付アーム20の突起22が蓋体受け孔27に嵌合可能な位置に取り付けられる。同様に、フィルタ受け体35のフィルタ受け本体36は、容器本体11のフィルタ取付口15側の左右両側面であって、フィルタ取付アーム30の突起32がフィルタ受け孔37に係合可能な位置に取り付けられる。
蓋体受け本体26(フィルタ受け本体36)は、容器本体11の左右両側面から突出する板状の部材により構成される。蓋体受け本体26(フィルタ受け本体36)は、その突出する板状の部材の略中央部に蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)が形成される。
【0025】
蓋体受け体25の蓋体受け孔27(フィルタ受け体35のフィルタ受け孔37)は、蓋体取付アーム20の突起22(フィルタ取付アーム30の突起32)と嵌合可能に形成され、その上部の開口部から突起22(突起32)が嵌合される。すなわち、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)は、その上部が突起22(突起32)が嵌合される側となり、その下部が突起22(突起32)が嵌合される側と反対側となる。蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)は、容器本体11の高さ方向(上下方向)に対して鋭角状に形成される。具体的には、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)は、側面視で蓋体受け本体26(フィルタ受け本体36)に対して上下方向に形成される孔面27a(孔面37a)と、その孔面27a(孔面37a)に対して鋭角に形成されて傾斜する傾斜孔面27b(傾斜孔面37b)と、を有し、その開口幅が上部から下部に向けて徐々に減縮するように形成される。蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の開口幅は、突起22(突起32)の形状に合わせて決定される。
蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)は、その下端部に開口部分27c(開口部分37c)を有する。具体的には、開口部分27c(開口部分37c)は、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の孔面27a(孔面37a)と、傾斜孔面27b(傾斜孔面37b)と、が当接する部分であって、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)の突起22(突起32)の頂部22c(頂部32c)が嵌合する部分を開口して形成される。蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の下端部に開口部分27c(開口部分37c)を設けることで、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)の突起22(突起32)を蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に嵌合させる際に生じる異物が開口部分27c(開口部分37c)から排出され、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の下端部に堆積しない。
蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)は、その上部側(蓋体取付アーム20の突起22(フィルタ取付アーム30の突起32)が嵌合される側)の開口端部に傾斜状の面(傾斜開口面27d(傾斜開口面37d))が形成されている。具体的には、傾斜開口面27d(傾斜開口面37d)は、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の孔面27a(孔面37a)及び傾斜孔面27b(傾斜孔面37b)の上端部であって、容器本体11側から蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に向けて傾斜状に形成される。蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の上部の開口端部に傾斜開口面27d(傾斜開口面37d)を形成することで、蓋体取付アーム20の突起22(フィルタ取付アーム30の突起32)が蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に案内され易くなり、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)が容器本体11に取り付け易くなる。また、蓋体取付アーム20の突起22(フィルタ取付アーム30の突起32)が蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)から多少ズレて嵌合された場合であっても、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の自重によって、突起22(突起32)が蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の適切な位置に嵌合される。
【0026】
図1、
図2及び
図5(a)に示すように、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19には、蓋体12或いはファンフィルタ用枠体19を昇降させるための一対の突起部材40(「突起部」の一例)が設けられている。突起部材40は、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の左右両側の折り曲げ部12a(折り曲げ部19a)に対して垂直に突出する突起部である。突起部材40は、後述するシャッター開閉装置50の昇降部53における昇降アーム54の枠体支持部材58と嵌合する。
突起部材40は、昇降アーム54の枠体支持部材58と嵌合する嵌合部41と、突起部材40の中央部に傾斜状に形成される突起傾斜部42と、を有する。嵌合部41は、突起部材40の先端部に設けられ、基端部に比べて小径に形成される。突起傾斜部42は、突起部材40の基端側から嵌合部41に向けて傾斜状に形成される。突起部材40に傾斜状の突起傾斜部42を設けることで、突起部材40が嵌合部41からズレて突起傾斜部42で昇降アーム54の枠体支持部材58に嵌合した場合であっても、枠体支持部材58が突起傾斜部42を介して嵌合部41側に滑って嵌合されるため、突起部材40が昇降アーム54の枠体支持部材58と容易に嵌合できる。
また、一対の突起部材40のうちの一方の突起部材40の先端には、ローラ43が回動自在に設けられる。ローラ43は、突起部材40が昇降アーム54の枠体支持部材58に嵌合する際に、後述するシャッター開閉装置50の昇降部53のセンサ60と当接する部分である。突起部材40の先端を回動自在なローラ43により形成することで、シャッター開閉装置50のセンサ60と当接する際の異物の発生を抑制することができる。
【0027】
図6に示すように、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19は、シャッター開閉装置50によって、容器本体11に対して着脱される。シャッター開閉装置50は、装置本体を構成する筐体51と、収納容器10を装置内外に搬送する搬送部52と、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19を昇降する昇降部53と、から主に構成されている。
シャッター開閉装置50は、搬送部52において収納容器10を装置内に搬送させ、搬送させた収納容器10の蓋体12及びファンフィルタ用枠体19を昇降部53において昇降させることにより、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19を容器本体11に対して着脱させる。
【0028】
搬送部52は、シャッター開閉装置50まで搬送された収納容器10を装置内に搬入し、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19が取り外された容器本体11を、容器本体11を洗浄する洗浄装置(図示せず)へ搬出する。また、搬送部52は、洗浄装置(図示せず)によって洗浄が終了した容器本体11を装置内に搬入し、蓋体12及びファンフィルタ用枠体19が取り付けられた容器本体11(収納容器10)を装置外へ搬出する。
昇降部53は、シャッター開閉装置50の左右両側にそれぞれ設けられ、左右両側の昇降部53によって蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を左右から狭持するように構成される。昇降部53は、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を昇降させる昇降アーム54と、昇降アーム54を作動するアクチュエータ55と、昇降アーム54を昇降自在にガイドする昇降ガイド56と、から主に構成されている。
図5(b)に示すように、昇降アーム54は、昇降ガイド56に沿って昇降する昇降アーム本体57と、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40を支持する枠体支持部材58と、から主に構成されている。
昇降アーム本体57は、その基端部が昇降ガイド56に対して昇降自在に支持され、その先端側の上部において枠体支持部材58を支持する。
枠体支持部材58は、その上部に一対の凹部59が形成される。凹部59には、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40における嵌合部41が嵌め合わされる。また、一対の凹部59のうちの一方の凹部59の側方には、センサ60が設けられている。
センサ60は、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40におけるローラ43を検出する。すなわち、センサ60は、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40における嵌合部41が枠体支持部材58の凹部59に嵌合されて、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)が昇降アーム54により支持されているか否かを検出するものである。センサ60は、スイッチ式のセンサにより構成され、ローラ43が載置されてスイッチがオンされることで、ローラ43を検出する。なお、センサ60は、シャッター開閉装置50を制御する制御コントローラ(図示せず)に接続されている。センサ60からの検出信号は当該制御コントローラに送信される。当該制御コントローラは、センサ60からの検出信号によって蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)が昇降アーム54により支持されていると判断する。
アクチュエータ55は、例えば、エアー式或いは油圧式のシリンダにより構成され、その駆動により昇降アーム54を昇降させる。
昇降ガイド56は、シャッター開閉装置50の左右両端部に上下方向に延設される。
【0029】
次に、収納容器10における蓋体12の着脱について説明する。なお、ファンフィルタ用枠体19の着脱は、蓋体12と同様のため、その説明は省略する。
図6(a)に示すように、収納容器10がシャッター開閉装置50内に搬入されると、昇降部53の昇降アーム54が蓋体12の突起部材40と係合する。この時、昇降アーム54の枠体支持部材58の凹部59が、蓋体12の突起部材40の嵌合部41に下方から嵌め合わせる。なお、凹部59が嵌合部41と嵌合して、突起部材40のローラ43がセンサ60と当接することで、センサ60のスイッチがオンされ、蓋体12が昇降アーム54により支持されていることが検出される。
図6(b)に示すように、昇降部53は、昇降アーム54を蓋体12の突起部材40と係合させた状態で昇降アーム54を蓋体12の取り外し位置まで上昇させる。これにより、蓋体12が上方に持ち上がり、蓋体12が容器本体11から取り外される。
【0030】
一方、
図6(b)に示すように、洗浄装置(図示せず)により洗浄された収納容器10がシャッター開閉装置50内に搬入されると、昇降部53は、昇降アーム54を蓋体12の突起部材40と係合させた状態で昇降アーム54を蓋体12の取り付け位置まで下降させる。
図6(a)に示すように、昇降アーム54が蓋体12の取り付け位置まで下降すると、蓋体12の蓋体取付アーム20における突起22が、容器本体11の蓋体受け体25における蓋体受け孔27に嵌め合わせる。この時、蓋体取付アーム20の突起22は、蓋体12の自重によって蓋体受け体25の蓋体受け孔27に嵌め合わされる。具体的には、突起22の側面22aが蓋体受け孔27の孔面27aに面で接触するとともに、突起22の傾斜面22bが蓋体受け孔27の傾斜孔面27bに面で接触するように嵌め合わされる。これにより、蓋体12が容器本体11に取り付けられる。
【0031】
このように、収納容器10においては、容器本体11の高さ方向(上下方向)に対して鋭角状に形成される突起22(突起32)と、容器本体11の高さ方向に対して鋭角状に形成される蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)と、を嵌合させることから、突起22(突起32)と、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)とが面接触で嵌合される。そのため、容器本体11に対する蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の安定性が良く、収納容器10自体の気密性が向上する。また、入口部分の広い蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に対して先端部分の細い突起22(突起32)を嵌合することとなるため、突起22(突起32)を蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に対して容易に嵌合することができる。そのため、蓋体12を容器本体11に対して容易に取り付けることができる。
収納容器10においては、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の上部側の開口端部に傾斜状の傾斜開口面27d(傾斜開口面37d)が形成されることから、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を容器本体11に取り付ける際に、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)の突起22(突起32)が蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の中心から多少ズレた位置に嵌合された場合であっても、突起22(突起32)の先端部が、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の自重によって、傾斜開口面27d(傾斜開口面37d)を滑りながら蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)に嵌合されることとなり、突起22(突起32)と、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)と、を常に適切な位置で嵌合させることができる。そのため、容器本体11と蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)との密着性が向上し、収納容器10自体の気密性が向上する。
収納容器10においては、容器本体11の蓋体受け体25(フィルタ受け体35)において発生する異物を、蓋体受け孔27(フィルタ受け孔37)の開口部分27c(37c)から排出することができるため、収納容器10における異物の堆積を防止することができる。
収納容器10においては、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)と、容器本体11の蓋体受け体25(フィルタ受け体35)と、を干渉させることなく、複数の蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)により確実に蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を容器本体11に取り付けることができる。そのため、容器本体11と蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)との密着性が向上し、収納容器10自体の気密性が向上する。
収納容器10においては、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40をシャッター開閉装置50の昇降部53によって昇降させることで、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)を容器本体11に対して容易に着脱させることができる。
【0032】
なお、本実施の形態においては、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)を蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の高さ方向(上下方向)に沿って蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の左右に2体ずつ設けているが、これに限定されるものではなく、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)が容器本体11に対して密着して取付可能であれば、蓋体取付アーム20(フィルタ取付アーム30)を蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の左右に1体ずつ或いは3体以上ずつ設けても構わない。
本実施の形態においては、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40を一対の突起部材により構成しているが、これに限定されるものではなく、シャッター開閉装置50の昇降部53により昇降可能な構成であれば、突起部材40を1体或いは3体以上の突起部材により構成しても構わない。
本実施の形態においては、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の着脱をシャッター開閉装置50により行っているが、これに限定されるものではなく、蓋体12(ファンフィルタ用枠体19)の突起部材40を昇降可能な昇降部を有する装置であれば構わない。