特許第6414619号(P6414619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000002
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000003
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000004
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000005
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000006
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000007
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000008
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000009
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000010
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000011
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000012
  • 特許6414619-エンジンの保温構造 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6414619
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】エンジンの保温構造
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/00 20060101AFI20181022BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20181022BHJP
   F01P 11/10 20060101ALI20181022BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   F01P11/00 C
   B60K11/04 Z
   F01P11/10 C
   B60K15/063 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-159185(P2017-159185)
(22)【出願日】2017年8月22日
【審査請求日】2018年2月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 行矢
(72)【発明者】
【氏名】岡村 和美
(72)【発明者】
【氏名】長野 直樹
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−172604(JP,A)
【文献】 特開平09−086191(JP,A)
【文献】 特開2012−102635(JP,A)
【文献】 特開平08−226324(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102014217501(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04
B60K 15/063
F01P 11/00
F01P 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温部材を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウドが配設されたエンジンの保温構造であって、
上記シュラウドの上部に備えたシュラウドアッパに固定支持されるサブタンクが、上記保温部材のうちエンジンの側方に備えた側壁部に隣接配置されており、
上記側壁部を上記サブタンクに支持させる構成とした
エンジンの保温構造。
【請求項2】
上記側壁部は上下方向で複数箇所にて上記サブタンクに支持されており、
該サブタンクはその上部が上記シュラウドアッパに固定支持され、該サブタンクの下部がフロントサイドフレームに固定支持される構成とした
請求項1に記載のエンジンの保温構造。
【請求項3】
上記サブタンクは上記側壁部と略同じ高さに配設された
請求項1又は2に記載のエンジンの保温構造。
【請求項4】
上記側壁部は、上部側壁部と下部側壁部とで上下各側に分割して形成され、
上記サブタンクは、上記上部側壁部と上記下部側壁部とに跨って配設された
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの保温構造。
【請求項5】
上記サブタンクは上部側壁部と下部側壁部との夫々を支持する構成とした
請求項4に記載のエンジンの保温構造。
【請求項6】
上記側壁部の一部は上記サブタンクで形成された
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンジンの保温構造。
【請求項7】
エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温壁を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウドが配設されたエンジンの保温構造であって、
上記保温壁のうちエンジンの側方に備えた側壁部の一部は、エンジンをマウント支持するエンジンマウントブラケットで構成され、
上記側壁部の上記エンジンマウントブラケットより前方部分は、上記シュラウドの上部に備えたシュラウドアッパに固定支持されるサブタンクで構成された
エンジンの保温構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温壁を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウドが配設されたエンジンの保温構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン再始動時における暖機時間の短縮化による燃費向上と、エンジンオイルの保温性(潤滑性)確保による変速機の摩耗減少とを図るため、エンジンの少なくとも上方を保温部材で覆ったエンジンカプセル化構造物が知られている。
【0003】
特許文献1のエンジンカプセル化構造物に例示されるように、保温部材(エンジンルームカプセル化部材)として、エンジンの上方を上面カバーで覆うことに加えてエンジンの側方、後方の夫々についても側面カバー、後面カバー等の保温壁で覆うことは、保温効果を高めることができる点で有効である。
【0004】
その一方で、保温壁は、エンジンをその保温性を確保するためにエンジンをしっかりと覆うようにして形成すると、大型化、肉厚化し易いことに加えて、エンジンの振動に対する剛性やエンジンから発せられる熱に対しての耐熱性も要求されるため、高重量化する傾向にある。
【0005】
このため、高重量化した保温壁は、その周辺に存在する車体剛性部材にしっかりと取り付け支持する必要がる。
【0006】
しかしながら特許文献1には、保温壁としての例えば側方カバーを、エンジンルームの側方に配設されたサイドメンバ等の車体剛性部材に固定する程度の記載しか見受けられない(特許文献1の段落[0023])。
【0007】
すなわち、例えば、側方カバーと車体剛性部材との間にスパン距離を有する場合や側方カバーと車体剛性部材との間に補機が介在する場合等においては側方カバーを車体剛性部材にダイレクトに固定支持できるレイアウトとは限らず、これらの場合には、側方カバーと車体剛性部材とを連結する連結支持部材が別途、必要となり、保温壁を設けることに伴って益々高重量化することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−119384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、エンジンの側方を覆う保温壁としての側壁部を、上記サブタンクを介してシュラウドアッパに支持することが可能になり、側壁部を支持、補強するための専用の支持補強部材を不要として軽量化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温部材を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウドが配設されたエンジンの保温構造であって、
上記シュラウドの上部に備えたシュラウドアッパに固定支持されるサブタンクが、上記保温部材のうちエンジンの側方に備えた側壁部に隣接配置されており、上記側壁部を上記サブタンクに支持させる構成としたものである。
【0011】
上記構成によれば、エンジンの上方だけでなく側方を覆う保温壁としての上記側壁部を備えることでエンジンの保温効果を高めることができるとともに、側壁部を備えても該側壁部を上記サブタンクを介してシュラウドアッパに支持することが可能になり、側壁部を支持、補強するための専用の支持補強部材が不要になる分、軽量化することができる。
【0012】
この発明の態様として、上記側壁部は上下方向で複数箇所にて上記サブタンクに支持されており、該サブタンクはその上部が上記シュラウドアッパに固定支持され、該サブタンクの下部がフロントサイドフレームに固定支持される構成としたものである。
【0013】
上記構成によれば、側壁部が上下方向で複数箇所にて支持されるのでサブタンクによる側壁部の支持剛性をより向上することができる。
【0014】
この発明の態様として、上記サブタンクは上記側壁部と略同じ高さに配設されたものである。
【0015】
上記構成によれば、側壁部とサブタンクでの二重壁効果により、エンジンの側方を側壁部のみで覆うよりもエンジンの保温性能がより向上する。
【0016】
すなわち、サブタンクを、本来のラジエータサブタンクとしての機能に加えて側壁部の支持補強部材としてやエンジンの保温部材としても兼用させることができる。
【0017】
この発明の態様として、上記側壁部は、上部側壁部と下部側壁部とで上下各側に分割して形成され、上記サブタンクは、上記上部側壁部と上記下部側壁部とに跨って配設されたものである。
【0018】
このように、上記側壁部を、上部側壁部と下部側壁部とで上下各側に分割して形成することで、側壁部の一部のみを着脱できるため、側壁部全体を一体に形成するよりもサービス、メンテナンス性を高めることができる。
【0019】
さらに、上述したように、上記サブタンクを上記上部側壁部と上記下部側壁部とに跨って配設することで、上記上部側壁部と上記下部側壁部との間部分から熱が逃げることを防ぐことができる。
【0020】
この発明の態様として、上記サブタンクは上部側壁部と下部側壁部との夫々を支持する構成としたものである。
【0021】
上記構成によれば、サブタンクによって上部側壁部と下部側壁部との夫々を支持する構成とすることにより、上記側壁部を分割構造としても上部側壁部と下部側壁部との双方をしっかりと支持することができる。
【0022】
この発明の態様として、上記側壁部の一部は上記サブタンクで形成されたものである。
【0023】
上記構成によれば、保護壁の一部を形成する側壁部をサブタンクで代用する分だけ専用の保温壁を縮小できる。
【0024】
この発明は、エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温壁を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウドが配設されたエンジンの保温構造であって、上記保温壁のうちエンジンの側方に備えた側壁部の一部は、エンジンをマウント支持するエンジンマウントブラケットで構成され、上記側壁部の上記エンジンマウントブラケットより前方部分は、上記シュラウドの上部に備えたシュラウドアッパに固定支持されるサブタンクで構成されたものである。
【0025】
上記構成によれば、上記側壁部の上記エンジンマウントブラケットより前方部分は、上記サブタンクで代用することができる。
【0026】
すなわち、側壁部は、エンジンの側方に本来設置される上記エンジンマウントブラケットとサブタンクとで代用できるため、エンジンの側方に別途設ける側壁部を省略することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、エンジンの側方を覆う保温壁としての側壁部を、上記サブタンクを介してシュラウドアッパに支持することが可能になり、側壁部を支持、補強するための専用の支持補強部材を不要として軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態のエンジンの保温構造を示す斜視図
図2】エンジンの保温構造の車両右側の側壁部を車幅方向外側から見た状態で示す側面図
図3図2においてサブタンクを取り外した状態を示す側面図
図4】エンジンの保温構造の車両右側の側壁部を車幅方向内側から見た状態で示す側面図
図5】本実施形態のエンジンの保温構造の右側要部を、上蓋部を仮想線で示した平面図(a)、図5(a)において上蓋部および右側の側壁部の図示を省略した平面図(b)
図6】サブタンクおよび支持ブラケットを示す斜視図
図7図2又は図4のE−E線矢視断面図
図8図2のB−B線矢視断面図(a)、図8(a)に対応させて示した他の実施形態の断面図
図9図2のD−D線矢視断面図
図10図5(a)のF−F線に沿う要部の矢視断面図
図11図2のC−C線矢視断面図
図12図2のA−A線矢視要部断面図(a)、図12(a)中の矢視Aかつ上方から視て示した図(b)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
エンジンの保温構造の説明に先立って、まず車体構造について説明する。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Uは車両上方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。また、以下の説明において「右側」とは車両右側を示すものとし、「左側」とは車両左側を示すものとする。
【0030】
図1図3図4図11に示すように、エンジンルームの左右両サイドにおいてダッシュロアパネルから車両の前方に延びるフロントサイドフレーム1を設けている。
【0031】
このフロントサイドフレーム1は、車両前後方向の直交断面が車幅方向内側へ突のハット状のフロントサイドフレームインナ2(図3図3図11参照)と平板状のフロントサイドフレームアウタ3(図1図11参照)との上下各側のフランジ部同士を接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面1A(図11参照)を備えた車体強度部材であって、当該フロントサイドフレーム1の前端部には、クラッシュカン取付け用のセットプレート4を設けている(図1図3図4参照)。
【0032】
なお、図面においては、図示の便宜上、車両右側のフロントサイドフレーム1のみを示している。
【0033】
上述のエンジンルームの車両前方にはシュラウド12を設けている(図1参照)。
【0034】
図1に示すように、上述のシュラウド12は熱交換器としてのラジエータやコンデンサを覆うシュラウドパネル13と、該シュラウドパネル13の上部に位置するシュラウドアッパメンバ14とを備えている。
【0035】
シュラウドパネル13はアッパメンバ13Uとロアメンバ13Lと、これら上下の各メンバ13U、13Lを上下方向に連結する左右のサイドメンバ13S,13Sとで略方形枠状に一体形成したものであり、エンジンの前方かつバンパフェース開口(図示省略)の背方に設けている。
【0036】
シュラウドパネル13は、正面視で上記各メンバ13U,13L,13S,13Sの内側に、前後方向に貫通する複数の開口部13aが配設されており、該開口部13aには、運転状態によって該開口部13aを開閉可能とする複数のグリルシャッタ(図示省略)を備えている。
【0037】
グリルシャッタは、例えば、IGオフ時に開口部13aを閉塞するとともに高速走行時に開口するように揺動可能に開口部13aの車幅方向の両縁に軸支されている。シュラウドパネル13は、このようにグリルシャッタにより開口部13aを閉塞した状態においては、エンジンを前側から覆う保温壁としての前壁部としても機能するため、後述する上蓋部51と、グリルシャッタで開口部13aを閉塞したシュラウドパネル13とで上方から前方へかけてエンジンの効率的なカプセル化を可能としている。
【0038】
上述のシュラウドアッパメンバ14は、車幅方向中央に位置するシュラウドアッパメンバセンタ14aの車幅方向両端部にシュラウドアッパメンバサイド14b、14bを一体的に連結したもので、左右のシュラウドアッパメンバサイド14b、14bの左右両端部は不図示のエプロンに連結される。
【0039】
図1図3図5(a)(b)、図8(a)に示すように、エンジンを車体強度部材であるフロントサイドフレーム1にマウント支持するエンジンマウントブラケット20をエンジンの車両右側の後部に設けている。
【0040】
上述のエンジンマウントブラケット20は、図1図3図4に示すように、アルミダイカストにより形成された縦壁状のマウントブラケット本体21(車体側のマウントブラケット)と、図1図3図4図5(a)に示すように、緩衝部材としてのマウントラバー22と、図4図5(a)に示すように、車幅方向内(エンジン)側へ延びる腕部23(エンジン側のマウントブラケット)とを備えている。
【0041】
マウントブラケット本体21は、その下部の前後各側から下方へ延びる脚部21a,21bがフロントサイドフレーム1の上面に取り付けられている(図1図3図4参照)。また、腕部23は、マウントブラケット本体21の上部の前後方向の中央部に設けられた開口空間21c(図1図4図8(a)参照)においてマウントラバー22を介して配設されており、車幅方向内(エンジン)側へ延びてエンジンを支持している。
【0042】
エンジンマウントブラケット20は、エンジンの車両右側の後部に、別途側壁部を設けることなく、当該部分におけるエンジンの保温壁をエンジンマウントブラケット20で代用すべく構成している。
【0043】
これにより、保温部材50の後述する右側の側壁部58の一部をエンジンマウントブラケット20で代用し、この分だけ側壁部58を一部省略して、保温部材50の重量およびコストの低減を図るよう構成している。
【0044】
図1図2図5(a)(b)に示すように、エンジンに対して車両右側における、エンジンマウントブラケット20よりも前側にはサブタンク30が配設されている。
【0045】
サブタンク30は、ラジエータと配管で接続され、ラジエータ内の冷却水の温度上昇に伴うオーバーフロー分が流入して貯留する一方、ラジエータ内の冷却水が蒸発等により損失すると、貯留する冷却水をラジエータ側へ戻すことで、ラジエータ内の冷却水を所定量に保つものである。
【0046】
サブタンク30は、図6に示すように、冷却水を貯留するタンク本体部31と、タンク本体部31の上面(上壁部31u)から突出し、キャップ32が装着されたネック部33とを備えており、ラジエータに接続される配管の一端(図示省略)は、キャップ32の給水口32aに接続されている。
【0047】
タンク本体部31は、図6に示すように、前壁部31f、後壁部31r(図5(a)(b)、図8(a),図10図12(a)(b)参照)、車幅内壁部31i、車幅外壁部31o、上壁部31uおよび底壁部31dを有して一体に形成されている。タンク本体部31のその上部外周面(車幅内壁部31i、前壁部31f、後壁部および車幅外壁部31oの各外面の上部)には、周方向全体に亘って鍔部34が形成されている。
【0048】
タンク本体部31の下部の車幅方向の内側部分は、車幅方向外側部分と比較して下方に延出した下方延出部35が一体に形成されている。これに伴って車幅内壁部31iは、車幅外壁部31oよりも下方へ延設されており(図6図9図11参照)、車幅内壁部31iの外面(タンク本体部31の車両左側面)における鍔部34に対して上下各側の略全体が、上下方向かつ車幅方向に延びる平坦な面状に形成されている。
【0049】
図2図5(a)(b)、図6図9図10に示すように、サブタンク30はその上部がシュラウドアッパメンバ14に支持ブラケット40を介して固定支持されている。
【0050】
詳述すると、図5(a)に示すように、サブタンク30の上壁部31uにおける、前側の車幅方向内側コーナー部分よりも車幅方向外側部位には、支持ブラケット40を支持可能に他の部位に対して凹状としたブラケット支持部36が設けられており(図6図10参照)、ブラケット支持部36の車幅方向外端から車幅方向外方へ延出する車幅外方フランジ部37(図2図5(b)、図6参照)が設けられるとともに、ブラケット支持部36の車幅方向内端から前方へ突出する前方フランジ部38(図5(b)、図6図10参照)が設けられている。
【0051】
図5(b)、図6図10に示すように、車幅外方フランジ部37および前方フランジ部38の夫々には、支持ブラケット40への取付け用の取付け孔37a,38aが設けられている。
【0052】
支持ブラケット40は、ブラケット支持部36に支持された状態で車幅方向に直線状に延びるブラケット本体部41と、ブラケット本体部41の車幅方向外端から前方かつ車幅方向外側へ延びるブラケット車幅外側前方延出部42と、ブラケット本体部41の車幅方向内端から前方へ延びるブラケット車幅内側前方延出部43とで一体に形成されている。
【0053】
そして、ブラケット車幅外側前方延出部42およびブラケット車幅内側前方延出部43の各前部(先端部)には、車両右側のシュラウドアッパメンバサイド14bへの取付け用の取付け孔42a,43aが設けられている。
【0054】
一方、ブラケット本体部41の車幅方向外側部、およびブラケット車幅内側前方延出部43の後部(基端部)の夫々には、サブタンク30への取付け用の取付け孔41a,43bが設けられている。
【0055】
また図5(a)(b)、図10に示すように、シュラウドアッパメンバサイド14bの後縁における、支持ブラケット40に対向する車幅方向の外内各側には、後方へ向けて延出したフランジ部14F,14Fが一体形成されており、これらフランジ部14F,14Fの夫々には、支持ブラケット40への取り付け用の取付け孔14c,14dが設けられている。
【0056】
図5(a)(b)、図6図10に示すように、サブタンク30と支持ブラケット40とは、取付け孔41a,37aおよび取付け孔43b,38aの夫々において、ボルトBおよびナットNにより締結されている。
【0057】
さらに、シュラウドアッパメンバサイド14bと支持ブラケット40とは、取付け孔42a,14cおよび取付け孔43a,14dの夫々において、ボルトBおよびナットNにより締結されている。これにより、サブタンク30の上部は、車幅方向の外内各側において支持ブラケット40を介してシュラウドアッパメンバサイド14bに取り付け固定されている。
【0058】
図11に示すように、サブタンク30の下部がフロントサイドフレーム1に固定支持される構成としている。
【0059】
図2図6に示すように、タンク本体部31の下方延出部35の下面かつ後部には、クリップ状ラバー部材39をフロントサイドフレーム1に係合可能に下方に向けて突設する一方で、図11に示すように、フロントサイドフレームインナ2の上面部2aには、係合ピン10をサブタンク30に係合可能に該上面部2aから上方に突設している。なお、図2はフロントサイドフレーム1の図示を省略している。
【0060】
そして図11に示すように、サブタンク30の下部は、係合ピン10をクリップ状ラバー部材39に下方から差し込んで係合することでフロントサイドフレーム1に固定支持されている。
【0061】
ところで、図1図3図4に示すように、エンジンの上方を覆う上蓋部51と、エンジンの側周面(平面視で外周側)を覆う保温壁部(55,58,12)とを備えている。
【0062】
保温壁部は、エンジンの後方を覆う後壁部55および左右各側方を覆う側壁部58(車両右側のみ図示)に加えて、エンジンの前方に配設したシュラウド12を備えている。
【0063】
シュラウド12は、該シュラウド12に設けた開口部13aを開閉するグリルシャッタを備えることで、ラジエータへの導風量を調整する本来の機能に加えてエンジンの前方を覆う保温部材(前壁部)としての機能も兼用している。一方、上蓋部51、後壁部55および左右各側壁部58は、エンジンを保温する保温部材として専用に備えている。
【0064】
上蓋部51は、図4に示すように、外皮としての合成樹脂製の上面カバー52と、この上面カバー52の内面に一体的に配設されたグラスウール材やウレタン材等からなる保温部材53とを備えている。
上蓋部51は、その後端が後壁部55の上端に軸支されており、エンジンの上方を開閉可能に形成している。
【0065】
後壁部55は、図4に示すように、外皮としての合成樹脂製の後面カバー56と、この後面カバー56の内面に一体的に配設されたグラスウール材やウレタン材等からなる保温部材57とを備えている。
【0066】
続いて左右各側壁部58のうち車両右側の側壁部58について以下、説明する。
図1図4図7図9図11に示すように、側壁部58は、上部側壁部61と下部側壁部71との2部材により上下各側に分割して形成されている。
【0067】
上部側壁部61は、同図および図5(a)の特に図4図7図9図11に示すように、外皮としての合成樹脂製の上部側面カバー62と、この上部側面カバー62の内面に一体的に配設されたグラスウール材やウレタン材等からなる保温部材63とを備えている。
【0068】
図7図9図11に示すように、上部側壁部61を構成する上部側面カバー62の上端には、閉塞状態の後述する上蓋部51の外周縁部のうちフランジ部52iと対向するフランジ部61aが一体形成されている。
【0069】
下部側壁部71は、図1図4図7図8(a)、図9図11に示すように、外皮としての合成樹脂製の下部側面カバー72と、この下部側面カバー45の内面に一体的に配設されたグラスウール材やウレタン材等からなる保温部材73とを備えている。なお、図4中の符号F3は、保温部材63,73を上部側面カバー62,72に固定するファスナを示す。
【0070】
図3図4に示すように、側壁部58は、上部側壁部61と下部側壁部71との互いの対向縁部の前側部分がファスナF1により固定されるとともに、対向縁部の後方部分が係合構造60(図3参照)によって係合されることにより、一枚のパネル状に一体化されている。
【0071】
具体的に図4に示すように、上部側壁部61の下端前方部分には、下方へ延出する舌片状のフランジ部64が設けられ、フランジ部64には、下部側壁部71への取付け用の取付孔64aが設けられている。
【0072】
一方図3に示すように、下部側壁部71の上部の前方部分であって、車体側面視で取付孔64aとの対向部分には、上部側壁部61への取付け用の取付孔71aが設けられている。
【0073】
そして、上部側壁部61と下部側壁部71とは、各取付孔64a,71aにおいてファスナF1等により取り付け固定されている。
【0074】
図3に示すように、上部側壁部61の下端後方部分と下部側壁部71の上端後方部分との対向縁部であって後方部分には、互いに上下方向および車幅方向に係合する係合構造60が設けられている。
【0075】
詳しくは、図3図12(a)(b)に示すように、係合構造60は、上部側壁部61の下端後方部分に下部側壁部71と係合可能に下方へ突出する係合突部65と、下部側壁部71の上端後方部分に係合突部65と係合可能に設けられた被係合部(75a(図12(a)参照),76(図12(b)参照))とで構成されている。
【0076】
図12(a)(b)に示すように、係合突部65は、その基部65aが下方へ突出するとともに先端部に備えた先端爪部65bが後方に向けて突出する鉤状に形成されている。さらに係合突部65は、その基部65aが上部側壁部61の外面から車幅方向外側に迫り出して形成されている(同図参照)。
【0077】
一方、下部側壁部71の上端後方部分における、係合突部65との係合部分には、該上端後方部分から下方へ向けて凹状の溝部75が形成され、さらに下部側壁部71の上縁であって溝部75よりも後方部には、車幅方向外側へ鍔状に突出するフランジ部76が形成されている。
【0078】
上部側壁部61と下部側壁部71とは、これら対向縁部の前側部分においては上述したように、ファスナF1等により取り付け固定されるとともに、後側部分においては、上部側壁部61の下端が下部側壁部71のフランジ部76の上面に支持された状態となる(図12(b)参照)。さらに、係合突部65は、溝部75に上方から差し込まれるとともに、溝部75を通じて下部側壁部71の車幅方向内側から車幅方向外側へ突出した状態となる。
【0079】
このとき、係合突部65の先端爪部65bは下部側壁部71の溝部75の後縁75aに対して車幅方向外側に配置され、上部側壁部61と下部側壁部71とは、係合突部65の先端爪部65bと、下部側壁部71のフランジ部76とが上下方向に係合するとともに、係合突部65の先端爪部65bと溝部75の後縁75aとが車幅方向に係合する。
すなわち、下部側壁部71のフランジ部76および溝部75の後縁75aを、上記の被係合部75a,76として形成している。
【0080】
図1図2図7図8(a)、図9図11図12(a)(b)に示すように、サブタンク30は、側壁部58と略同じ高さに配設されている。
具体的には、サブタンク30は、エンジンマウントブラケット20の縦壁状のマウントブラケット本体21に対して前方に配置される一方で(図1図2図5(b)、図8(a)参照)、図8、(a)に示すように、側壁部58は、エンジンマウントブラケット20の縦壁状のマウントブラケット本体21の前端から前方へ延びている。さらに側壁部58は、平面視でサブタンク30に相当する部位においてサブタンク30を回避するように車幅方向内側へ凹状とした凹部58aが形成されている(図3図8(a)、図12(a)参照)。
【0081】
すなわち、サブタンク30は、少なくともその車幅内壁部31iが側壁部58に設けた凹部58aに車幅方向外側から嵌め込まれるように配設されている。これにより、サブタンク30における車幅内壁部31iと、側壁部58における、該車幅内壁部31iに対向する部分とは、図7図8(a)、図9図11図12(a)に示すように、互いに車幅方向に隣接するように配置されている。
【0082】
そして車幅内壁部31iと側壁部58とは、互いの対向部分において2重壁を構成している。厳密には当例ではサブタンク30は、その車幅内壁部31iの外面(車幅方向外面)と側壁部58の外面(車幅方向内面)との間に若干隙間を隔てて隣接(近接)配置しているが、互いに接触させて配置してもよい。
【0083】
さらに図2図7図9図11図12(b)に示すように、サブタンク30は、上部側壁部61と下部側壁部71とに跨って配設されている。
詳述すると、サブタンク30の車幅内壁部31iは、上部側壁部61と下部側壁部71とに跨って、これら61,71に対して上下方向および車幅方向に可及的にオーバーラップするように配設されている。当例では、サブタンク本体部31は、その上下方向の長さが側壁部58の上下方向の長さと略同じに形成し、その上下方向の略全体が側壁部58に対して車両側面視でオーバーラップする大きさで形成されている(図2参照)。
【0084】
図1図4図6図7図8(a)、図9の特に図7図8(a)、図9に示すように、側壁部58は、サブタンク30に支持されている。
すなわち、サブタンク30は上述したように、支持ブラケット40を介して車体側のシュラウドアッパメンバ14に支持されており(図5(a)(b)、図10参照)、このようなサブタンク30が側壁部58を支持することで、側壁部58は、サブタンク30を介して車体側のシュラウドアッパメンバ14に支持されている。
【0085】
側壁部58を支持する上記サブタンク30は、上部側壁部61と下部側壁部71との夫々を支持する構成としている(図2図4図6図8(a)、図11参照)。
【0086】
具体的には図6に示すように、サブタンク30の車幅内壁部31iの鍔部34より上部には、上側フランジ部81が設けられ、同様にサブタンク30の前壁部31fの上下方向の中間位置には、前方へ延出する中間フランジ部82が設けられ、下方延突部35の前側部分には、下方へ延出する下側フランジ部83が設けられている。
【0087】
上側フランジ部81、中間フランジ部82および下側フランジ部83は、いずれも車幅方向内側を指向する(すなわち側壁部58に対向する)フランジ面を夫々備えており、これらフランジ面には、側壁部58への取り付け用の取付け孔81a,82a,83aが夫々設けられている。
【0088】
一方図3図4図7に示すように、上部側壁部61における上側フランジ部81の取付け孔81aとの対向部分には、サブタンク30への取り付け用の取付け孔66aが設けられている。
図3図4図8(a)、図9に示すように、下部側壁部71における、中間フランジ部82の取付け孔82a(図8(a)参照)および下側フランジ部83の取付け孔83a(図9参照)との各対向部分には、サブタンク30への取り付け用の取付け孔74a,74bが夫々設けられている。
【0089】
そして図7に示すように、サブタンク30の車幅内壁部31iと、上部側壁部61は、取付け孔81a,66aにおいてファスナF2等で取り付け固定されており、上部側壁部61は、この取付け箇所(81a,66a)においてサブタンク30に固定支持されている。
【0090】
図2図8(a)、図9に示すように、サブタンク30の車幅内壁部31iと、下部側壁部71は、取付け孔82a,74a(図8(a)参照)および取付け孔83a,74b(図9参照)の夫々においてファスナF2等で取り付け固定されており、下部側壁部71は、これら2箇所の取付け箇所(82a,74aおよび83a,74b)においてサブタンク30に固定支持されている。
【0091】
図2図4に示すように、上蓋部51を構成する上面カバー52の前側のフランジ部52fと、シュラウドパネル13のアッパメンバ13Uとの間はシール部材84でシールされている。
【0092】
上蓋部51の上面カバー52における車両右側のフランジ部52iは、図2図3図7図11に示すように、上部側面カバー62のフランジ部61aに上載支持されており、上面カバー52のフランジ部52iと上部側面カバー62のフランジ部61aとの間にはシール部材85でシールされている。また、図1図3に示すように、エンジンマウントブラケット20のマウントブラケット本体21における上片部21eに上載支持されている。
【0093】
図1図3に示すように、上蓋部51の車幅方向右側部においてスカート部52eの前側側部から車幅方向外方に向けて延びる半円筒形状のガイド部90を設け、このガイド部90の下部には、ハーネスまたはパイプ部材を挿通させる空間部91が形成されている。
【0094】
この空間部91には、外周に保温材を巻付けた状態のハーネスまたはパイプ部材が挿通されるので、当該空間部91からの熱逃げが懸念されることはない。
【0095】
このように、上記実施例のエンジンの保温構造は、エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温部材53,63,73を有する上蓋部51および側壁部58を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウド12が配設されたエンジンの保温構造であって、上記シュラウド12におけるシュラウドパネル13の上部に備えたシュラウドアッパメンバ14に固定支持されるラジエータ用のサブタンク30が、エンジンの右側方の前部に備えた側壁部58(前方側壁部)に隣接配置されており、側壁部58をサブタンク30に支持させる構成としたものである(図1図7図8(a)、図9参照)。
【0096】
上記構成によれば、エンジンの上方だけでなく右側方の前側を覆う保温壁としての上記側壁部58を備えることでエンジンの保温効果を高めることができるとともに、該側壁部58をサブタンク30を介してシュラウドアッパメンバ14に支持することが可能になり(図1図2図5(b)、図6図10参照)、側壁部58を支持、補強するための専用の支持補強部材が不要になる分、軽量化することができる(図11参照)。
【0097】
この発明の一実施形態においては、上記側壁部58は上下方向で複数箇所にて上記サブタンク30に支持されており(図2図5(b)、図6図10図11参照)、該サブタンク30はその上部が上記シュラウドアッパメンバ14に車幅方向の内外2箇所で固定支持され(図2図5(b)、図6図10参照)、該サブタンク30の下部がフロントサイドフレーム1に1箇所で固定支持される構成としたものである(図11参照)。
【0098】
上記構成によれば、側壁部58が上下方向で複数箇所にて支持されるのでサブタンク30による側壁部58の支持剛性をより向上することができる。
【0099】
この発明の一実施形態においては、上記サブタンク30は上記側壁部58と略同じ高さに配設されたものである(図1図2図7図8(a)〜図12(a)参照)。
【0100】
上記構成によれば、側壁部58とサブタンク30での二重壁効果により、エンジンの側方を側壁部58のみで覆うよりもエンジンの保温性能がより向上する。
【0101】
すなわち、サブタンク30を、本来のラジエータサブタンク30としての機能に加えて側壁部58の支持補強部材としてやエンジンの保温部材としても兼用させることができる。
【0102】
この発明の一実施形態においては、上記側壁部58は、上部側壁部61と下部側壁部71とで上下各側に分割して形成され、上記サブタンク30は、上記上部側壁部61と上記下部側壁部71とに跨って配設されたものである(図1図2図7図9図11参照)。
【0103】
このように、上記側壁部58を、上部側壁部61と下部側壁部71とで上下各側に分割して形成することで、側壁部58の一部のみを着脱できるため(つまり側壁部58を一体として着脱せずとも上部側壁部61と下部側壁部71とを別々に着脱できるため)、側壁部58全体を一体に形成するよりもサービス、メンテナンス性を高めることができる。
【0104】
さらに、上述したように、上記サブタンク30を上記上部側壁部61と上記下部側壁部71とに跨って配設することで、上記上部側壁部61と上記下部側壁部71との間部分から熱が逃げることをサブタンク30によって防ぐことができる。
【0105】
この発明の一実施形態においては、上記サブタンク30は上部側壁部61と下部側壁部71との夫々を支持する構成としたものである(図2図4図7図8(a)、図9参照)。
【0106】
上記構成によれば、サブタンク30によって上部側壁部61と下部側壁部71との夫々を支持する構成とすることにより、上記側壁部58を分割構造としても上部側壁部61と下部側壁部71との双方をしっかりと支持することができる。
【0107】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、上記側壁部58の少なくとも一部をサブタンク30で形成してもよい。
具体的には、図8(b)に示す他の実施形態のように、側壁部58Aは、サブタンク30の車幅内壁面との対向部分を省略して形成している。そして、サブタンク30の車幅内壁部31iにおける、側壁部58を省略した領域に対応する部位においては、適宜、不図示の保温部材を備える等して、該部位によってエンジンをダイレクトに覆う構成としている。
【0108】
この構成においては、側壁部58Aにおけるサブタンク30の車幅内壁部31iに対して車両側面視で外周側を、上記サブタンク30で支持させる構成としている。
【0109】
例えば、図8(b)の実施形態においては、上述した中間フランジ部82を前壁部31の前方から延出する中間前方フランジ部82fだけでなく後壁部55から後方へ延出する中間後方フランジ部82rを備えている。
【0110】
そして、側壁部58Aのサブタンク本体31よりも前側部分58Afを、中間前方フランジ部82fを介して支持するとともに、側壁部58Aのサブタンク本体31よりも後側部分58Arを、中間後方フランジ部82rを介して支持する構成とすることができる。
【0111】
上記構成によれば、保護壁の一部を形成する側壁部58をサブタンク30で代用する分だけ専用の保温壁を縮小できる。
【0112】
なお、さらに他の実施形態として側壁部58の全体をサブタンク30の車幅内壁部31i全体で形成してもよい。
詳しくは図示省略するが、エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温壁を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウド12が配設されたエンジンの保温構造であって、上記保温壁のうちエンジンの側方に備えた側壁部58の一部は、エンジンをマウント支持するエンジンマウントブラケット20で構成され、上記側壁部58の上記エンジンマウントブラケット20より前方部分は、上記シュラウド12の上部に備えたシュラウドアッパメンバ14に固定支持されるサブタンク30で構成することができる。
【0113】
上記構成によれば、上記側壁部58の上記エンジンマウントブラケット20より前方部分は、上記サブタンク30の車幅内壁部31iで代用することができる
すなわち、側壁部58は、エンジンの側方に本来設置される上記エンジンマウントブラケット20とサブタンク30とで代用できるため、エンジンの側方に別途設ける側壁部58を省略することができる。
【符号の説明】
【0114】
12…シュラウド
14…シュラウドアッパメンバ(シュラウドアッパ)
20…エンジンマウントブラケット
30…サブタンク
51…上蓋部(保温部材)
58…側壁部(保温部材)
61…上部側壁部
71…下部側壁部
【要約】
【課題】エンジンの側方を覆う保温壁としての側壁部を、上記サブタンクを介してシュラウドアッパに支持することが可能になるとともに、側壁部を支持、補強する支持補強部材を不要として軽量化を図ること。
【解決手段】
エンジンの少なくとも上方および側方を覆う保温部材51,58を備えるとともに、エンジンの前方にシュラウド12が配設されたエンジンの保温構造であって、シュラウドの上部に備えたシュラウドアッパ14に固定支持されるサブタンク30が、保温部材51,58のうちエンジンの側方に備えた側壁部58に隣接配置されており、側壁部58をサブタンク30に支持させる構成とした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12