(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビグアニド、酵素阻害剤、スルホニル尿素、メグリチニド、チアゾリジンジオン、並びにインスリン及びインスリンアナログからなる群から選択される糖尿病薬を併用して、糖尿病又はIGTに罹患している対象を治療するための、請求項1に記載の飲料。
前記飲料は、ビグアニド、酵素阻害剤、スルホニル尿素、メグリチニド、チアゾリジンジオン、並びにインスリン及びインスリンアナログからなる群から選択される少なくとも1種を含む糖尿病薬と併用するための飲料である、請求項5に記載の使用。
【発明の概要】
【0033】
本発明は、飲料、又は飲料として再構成するための飲料用粉末を提供するものであり、前記飲料は、糖尿病又は前糖尿病の疾患パラメータを改善するために糖尿病患者又は前糖尿病患者により使用されるためのものであり、
a)個々の1回分当たり少なくとも8gの、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される水溶性又は水分散性化合物を含有し、
b)個々の1回分当たり水性液体70〜400mlを含有し、
c)シアバンド形成を呈する。
【0034】
糖尿病又は耐糖能障害(IGT)に罹患しているヒト対象において食事によってもたらされる血中グルコースレベルを緩和するための飲料であって、
・飲料1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物
・1回分当たり70ml〜400mlの量(好ましくは100ml〜250ml、より好ましくは125ml〜175mlの量)の水性液体
を含み、本明細書に記載のシアバンド形成試験を施すとシアバンド形成を呈する飲料が提供される。
【0035】
好ましい一組の実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質である。
【0036】
糖尿病又は耐糖能障害に罹患している対象において食事によってもたらされる血中グルコースレベルを緩和するための方法であって、
飲料の調製のための1回分単位量の粉末を用意するステップであって、粉末は、1回分の粉末の乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物を含む、ステップと、
1回分単位量の粉末を、1回分単位量当たり70〜400グラムの量の水性液体と混合するステップと、
食事の摂取前に飲料を投与するステップと、
を含み、飲料は、本明細書に記載の標準回転シリンダーシアバンド形成試験でシアバンド形成を呈する、方法がさらに提供される。
【0037】
好ましい一組の実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質である。
【0038】
水性液体の好ましい量は、70ml〜200ml、より好ましくは125ml〜175mlである。
【0039】
糖尿病又は耐糖能障害(IGT)に罹患しているヒト対象において食後の血中グルコースレベルを緩和するための1回分の飲料を提供するためのキットであって、
飲料1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1回分の水溶性又は水分散性物質と、
70ml〜400mlの液体体積を表示するレベルを有する容器と、
容器のための蓋と、
消費前の激しい混合を可能にする、容器内の前記レベルから上の空間であって、粉末と前記レベルまで充填された水との混合は、本明細書に記載の標準回転シリンダーシアバンド形成試験でシアバンド形成を呈する飲料を提供する、空間と、
を含むキットがさらに提供される。
【0040】
好ましい一組の実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質である。
【0041】
水溶性又は水分散性化合物が、飲料1回分当たり乾燥重量基準で合計少なくとも8gの量で存在するタンパク質である、請求項1又は2に記載の飲料がさらに提供される。
【0042】
好ましい一組の実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質である。
【0043】
一組の実施形態では、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質の少なくとも1種から選択される水溶性又は水分散性化合物が、リシン、スレオニン、ロイシン、アルギニン、イソロイシン及びバリンからなる群から選択される1種又は複数種のアミノ酸を含むことが好ましい。アミノ酸は、アミノ酸自体として存在することができ、又はペプチド若しくはタンパク質においてペプチドバンドによって接合しているアミノ酸として存在することができる。
【0044】
本発明者らは、糖尿病又はIGTに罹患している対象において、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質から選択される一定の割合の水溶性又は水分散性化合物の水性飲料組成物が、シアバンド形成を呈するように配合される場合、食後グルコースの望ましくないピークを制御するのにはるかに有効であることを見出した。驚くべきことには、シアバンド形成を呈する配合物は、健常な対象、特に標準パン食を消費してから2時間以内に実質的にベースラインレベルに戻る血中グルコース曲線を伴う対象では、食後グルコースのピークの制御にそれほど有効であることは見出されていない。
【0045】
シアバンド形成(Phys Rev E Stat Nonlin Soft Matter Phys 2008年11月;78(5Pt1):051504.Epub 2008年11月18日参照)とは、駆動された材料において流動領域及び非流動領域が形成されることを指す。準二次元的な流動は、シアバンド形成挙動を特徴付けるのに有用な手段を提供する。シアバンドは、降伏応力を伴う流体で観測されるが、降伏応力流体の中には、シアバンド形成を呈するものもそうでないものもある。
【0046】
Eur Phys J E Soft Matter 2010年11月;33(3):183〜8.Epub 2010年10月31日は降伏応力流体のシアバンド形成の課題に取り組んでおり、系の特徴的な緩和時間と再構築時間の比率が1未満になる場合に、駆動された流動においてシアバンド形成が生じることを提唱している。
【0047】
Phys Rev E Stat Nonlin Soft Matter Phys 2008年4月;77(4Pt1):041507.Epub 4月23日は、均一応力状況のゲル様系でもシアバンド形成が生じる場合があり、その流動バンドの幅が、応力よりもむしろ巨視的にかかるせん断速度によって決定されることを示している。
【0048】
シアバンド形成はせん断の局所化とも説明されており、水性Laponite懸濁液で観測されている(Phys Rev E Stat Nonlin Soft Matter Phys 2008年(3月;77(3Pt1):031406.Epub 2008年3月20日)。
【0049】
したがって、駆動された液体におけるシアバンド形成は、駆動力の適用点から高せん断のバンド又は領域によって距離を隔てられて存在する、著しいせん断を呈していないバンド又は局所化領域を特徴とする。
【0050】
円形容器の中心の急速回転シリンダーなどの駆動シャフトによって駆動される流体では、シアバンド形成の存在は、駆動シャフトから距離を隔てて存在する色素液滴を使用して視覚的に観測することができる。
【0051】
非シアバンド形成液体では、駆動シャフトに隣接した急速流動から、駆動シャフトからより離れた低速流動までの流動連続体は、色素液滴の前縁から回転方向に最後尾まで色素液滴の著しい歪みを生じる。それとは対照的に、シアバンド形成液体は、著しいせん断のないバンド又は局所化領域を有し、これは、歪んだ色素液滴の前縁から回転方向に最後尾まで色素液滴の歪みが少ないことによって視覚的に認識することができる。
【0052】
本発明の組成物及び方法に関して、シアバンド形成とは、円筒形容器又は管の中心で高せん断によって駆動された液体が、その容器又は管の壁に隣接して低せん断のバンドを形成する能力の尺度である。シアバンド形成は、壁に隣接した液体の相対的に小さい歪みのバンドから明らかになり、これは、色素液滴を使用して、液体が駆動される時間にわたる歪みの程度を定量化することによって観測することができる。
【0053】
液体がシアバンド形成液体であるかどうかを決定するために本明細書で使用される標準シアバンド形成試験は実施例に記載されている。
【0054】
理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、シアバンド形成を呈するような組成物によってもたらされるグルコース制御の改善は、シアバンド形成を呈する組成物によって胃腸管壁の近傍に相対的に静止した層が形成され、その結果、シアバンド形成を呈していない又は極めて低い程度に呈する対応する液体の場合に生じるはずの速度よりも遅く炭水化物が腸壁内を通過していくことに起因し得るものであると考える。さらに、相対的に静止した層に可溶性又は分散性タンパク質が堆積すると、制御された、より緩徐、より長時間の、消化酵素へのタンパク質の曝露がもたらされる。このことは、タンパク質がインスリン放出を刺激する効果が延長されることを意味する。
【0055】
本発明者らは、食後グルコースの制御におけるこの著しい改善が、IGT又は糖尿病に罹患している対象に特有のものであることを見出した。また、この利益は、糖尿病の薬物管理、特に併用療法を必要とする対象などの糖尿病対象では特に顕著である。そのような対象は、健常な対象と比較してインスリン応答が緩徐であり、(a)シアバンド形成液体によって、より緩徐なグルコースの取込み動態が引き起こされること、及び(b)これらのシアバンド形成液体における、タンパク質の小腸上部の消化酵素へのより延長された曝露から、さらに多くの利益を得ることができる。
【0056】
シアバンド形成は材料に固有の流動特性であり、液体及び軟質(変形可能な)固体材料を特徴付けるために使用することができる。そのような特徴付け作業は、流動の駆動が十分に制御される条件下で最も良好に行われる(以下の実施例の試験プロトコール参照)。この試験プロトコールを使用すると、シアバンド形成に対する特定の成分の効果を容易に決定することができる。本発明の組成物は、飲料1回分当たり乾燥重量基準で合計少なくとも8g(好ましくは少なくとも10g、より好ましくは少なくとも15g、さらに好ましくは15g〜25g)の量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質から選択される少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物を含む水分散性粉末を含む。好ましくは、この組成物はガラクトマンナンガムも含み、構成成分の割合、並びにタンパク質及びガラクトマンナンガムの種類における特定の変動の寄与、並びに追加の成分の使用及び量は、本明細書の実施例に記載のシアバンド形成試験によって容易に決定し得る。いくつかの成分(例えばイヌリン(可溶性繊維))は適切な量で使用され得るが、割合が多すぎるとシアバンド形成パフォーマンスが妨害される可能性がある。
【0057】
特に好ましい一実施形態では、飲料組成物は、
・飲料1回分当たり乾燥重量基準で合計少なくとも8gの量の水溶性又は水分散性タンパク質
・1回分当たり70ml〜400mlの量の水性液体
を含み、
該飲料は、本明細書に記載のシアバンド形成試験を施すとシアバンド形成を呈する。
【0058】
該組成物は、増粘剤、繊維等の存在下で乾燥粉末組成物を水と混合することによって形成される場合、粘度が徐々に増大し得る。そのような実施形態では、シアバンド形成が存在するかどうかの決定は、乾燥組成物を水と激しく混合し始めてから10分後に決定される。
【0059】
アミノ酸、ペプチド及びタンパク質(好ましくはタンパク質)の群から選択される水溶性又は水分散性化合物の量は、1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gである。好ましい量は乾燥重量基準で合計少なくとも15gである。8g〜40g、特に10g〜35gが好ましく、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gである。最も好ましい実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質であり、水溶性又は水分散性タンパク質は、1回分当たり乾燥重量基準で8g〜40g、好ましくは10g〜35g、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gの量で存在する。
【0060】
水溶性又は水分散性化合物は好ましくはタンパク質である。タンパク質は、植物又は動物由来の水溶性及び水分散性タンパク質から、好ましくはカゼイン及びその塩並びにホエー及びホエーの加水分解産物からなる群から選択することができる。植物由来の水溶性又は水分散性タンパク質の例としてダイズタンパク質及びエンドウマメタンパク質が挙げられる。タンパク質のさらなる例として乳タンパク質濃縮物(MPC)が挙げられる。タンパク質は、乳ホエー及びその誘導体(例えば加水分解された乳ホエー)から選択されることがより好ましい。
【0061】
用語「ペプチド」は、共有結合によって接合した少なくとも2種のアミノ酸から構成されている化合物を意味し、この共有結合は、1つのアミノ酸のアミノ基と次のアミノ酸のカルボキシル基との接合点から水分子が排除されることによって形成される。ペプチドという用語は、特定数のアミノ酸を示唆するためには使用されず、数百以上のアミノ酸を含有し得る。「ペプチド」は「ポリペプチド」と交換可能である。タンパク質は、単一ペプチド鎖又は一緒になって接合しているいくつかのペプチド鎖から構成され得る。ペプチドとタンパク質の主な差異は構造のレベルである。タンパク質は一次、二次及び三次レベルの構造を有し得る。
【0062】
アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される水溶性又は水分散性化合物は、リシン、スレオニン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン及びバリンからなる群から選択される1種又は複数種のアミノ酸を含むことが好ましい。
【0063】
食前に多量の液体を定期的に消費すると、食事を摂ったときに胃の不快感を引き起こす可能性があることが、消費者への質問で見出されている。食前の飲料は、体積300ml以下、より好ましくは200ml以下であることが好ましい。
【0064】
全固体粉末に基づく前記水溶性又は水分散性化合物(好ましくはタンパク質)の割合は、好ましくは40〜90%、より好ましくは50〜80%である。
【0065】
飲料は、好ましくは、1種又は複数種の多糖、特に、好ましくはグアーガム及びその誘導体から選択されるガラクトマンナンガムをさらに含む。一組の実施形態では、全多糖(好ましくは全ガラクトマンナンガム)含有量は、好ましくは1回分当たり10g以下(例えば、1回分当たり8g以下又は1回分当たり7g以下)であり、好ましくは1回分当たり少なくとも1g(例えば、1回分当たり少なくとも2g又は1回分当たり少なくとも3g)であり、最も好ましくは1回分当たり4g〜6gである。
【0066】
ガムの割合は、好ましくは粉末の5〜30%w/w、より好ましくは粉末の10〜20%w/wである。
【0067】
飲料は、特に飲料が糖尿病薬と併用される場合に、糖尿病又はIGTに罹患している対象の治療に適している。そのような薬物の例として、ビグアニド(例えばメトホルミン)、酵素阻害剤(例えば、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)、α−グルコシダーゼ阻害剤)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド)、メグリチニド(例えばレパグリニド)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、並びにインスリン及びインスリンアナログ(例えばリスプロ)からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0068】
組成物は、糖尿病又はIGTの治療のための組み合わせ薬物を用いた併用療法を受けている対象に使用することができる。そのような併用療法の例として、スルホニル尿素及びメトホルミンの組み合わせ、レパグリニド及びメトホルミンの組み合わせ、チアゾリジンジオン及びメトホルミンの組み合わせ、並びに酵素阻害剤及びメトホルミンの組み合わせが挙げられる。
【0069】
飲料は、食前に少なくとも1日1回、又は食前に1日2回若しくは3回投与するために使用され得る。
【0070】
糖尿病薬はしばしば食事と共に摂取され、好ましい一実施形態では、本発明の飲料は、食事及び薬物の消費前に時間を設けて摂取される。
【0071】
飲料は、好ましくは、食事の摂取前30分以内、好ましくは食事の摂取前15分以内に、糖尿病又はIGTに罹患している対象に投与するために使用される。食前15分以内に飲料を摂取することは食前30分前に飲料を摂取するよりかなり有利であることが消費者への質問によって見出されている。また、この組成物は食事の消費前15分以内に消費される場合に特に有効である。
【0072】
飲料が、食事(又は食事/薬物投与事象)前のある範囲の時間に摂取されるときに高レベルの有効性を維持する場合、すなわち飲料が、食事の直前に摂取されるとき及び食事の15分前(又はさらに長時間前)に摂取されるときの両方で有効である場合、特に望ましい。その理由は、患者が実際には食前の種々の時点で飲料を使用する可能性が高いからである。
【0073】
タンパク質を含有するシアバンド形成飲料が、固定量の水と固定量の粉末化材料を混合することによって調製される場合、以下の問題が生じる。
1.混合に時間がかかりすぎると、飲料は、粘度が増大しすぎるので口に合わなくなる場合がある。
2.混合時間が短すぎると、飲料は粉末成分の凝集により受け入れ難くなる場合がある。
3.飲料の均質性が、混合を行う容器の形状によって変わる場合がある。例えば、滑らかで緩やかに湾曲した端部を有する容器は、鋭角の隅部を有する容器と比較すると凝集が少なくなる。
4.飲料の均質性の度合いは撹拌器具の形状の影響を受ける。
5.飲料を混合する容器を、任意の目的で再使用する必要がある場合、容器の洗浄が遅れると、除去しにくくなる可能性のある接着膜が形成される場合がある。
6.飲料を定期的に再構成する場合、使用者が準備する水の量が容易に変わりやすい。粉末の水中濃度は、飲料のシアバンド形成の特徴に強力に影響を及ぼし得る。
【0074】
飲料は、食事の摂取前30秒〜15分に消費されることが最も好ましい。飲料組成物が、水性液体と混合して調製される場合、飲料は、混合直後に消費されることが好ましいことがある。このことは特に、飲料が、例えば繊維又はガム成分の存在に起因して混合後に粘度が顕著に増大する場合に当てはまる。この組の実施形態では、粉末と水性液体を混合してから5分以内、混合してから好ましくは3分以内、最も好ましくは2分以内に飲料を消費することが好ましいことがある。
【0075】
また、
糖尿病又は耐糖能障害に罹患している対象において食事によってもたらされる血中グルコースレベルを緩和するための方法であって、
飲料の調製のための1回分単位量の粉末を用意するステップであって、粉末は、1回分の粉末の乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物を含む、ステップと、
1回分単位量の粉末を、1回分単位量当たり70〜400グラムの量の水性液体と混合するステップと、
食事の摂取前に飲料を投与するステップと、
を含み、飲料は、本明細書に記載の標準回転シリンダーシアバンド形成試験でシアバンド形成を呈する、方法が提供される。
【0076】
アミノ酸、ペプチド及びタンパク質(好ましくはタンパク質)の群から選択される水溶性又は水分散性化合物の量は、1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gである。好ましい量は乾燥重量基準で合計少なくとも15gである。8g〜40g、特に10g〜35gが好ましく、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gである。最も好ましい実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質であり、水溶性又は水分散性タンパク質は、1回分当たり乾燥重量基準で8g〜40g、好ましくは10g〜35g、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gの量で存在する。
【0077】
好ましいタンパク質は、概して植物又は動物由来の水溶性又は水分散性タンパク質から、好ましくはカゼイン及びその塩並びにホエー及びホエーの加水分解産物からなる群から選択される。植物由来の水溶性又は水分散性タンパク質の例として、ダイズに由来するようなタンパク質が挙げられる。可溶性又はコロイド状タンパク質は、乳ホエー及びその誘導体(例えば加水分解された乳ホエー)から選択されることがより好ましい。
【0078】
粉末は、多糖、好ましくはガラクトマンナンガム、例えばグアーガム及びその誘導体(例えば加水分解されたグアーガム)から選択されるもの、より好ましくはグアーガムをさらに含み得、好ましくは含む。
【0079】
粉末の全ガラクトマンナン又は多糖ガム含有量は、好ましくは1回分当たり10g以下(例えば、1回分当たり8g以下又は1回分当たり7g以下)であり、好ましくは1回分当たり少なくとも1g(例えば、1回分当たり少なくとも2g又は1回分当たり少なくとも3g)であり、最も好ましくは1回分当たり4g〜6gである。
【0080】
食後グルコースプロファイルの調節において最適な結果を得るために、飲料は、好ましくは食事の摂取前30分以内、好ましくは食事の摂取前15分以内、最も好ましくは食事の摂取前30秒〜15分に、糖尿病又はIGTに罹患している対象に投与される。
【0081】
粉末は、それを水性液体と組み合わせ、撹拌することによって、又は振盪することによって(好ましくは密封容器内で)、水性液体と混合することができる。一組の実施形態では、粉末は、蓋を有し、好ましくは、組み合わされた液体及び粉末の体積より少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%大きい容積、さらに好ましくは液体及び粉末の体積より50%〜200%大きい容積を有する容器内で、粉末及び液体を一緒に振盪することによって水性液体と混合される。
【0082】
この組の実施形態では、IGT又は糖尿病に罹患している対象による消費のための組成物を形成する方法は、粉末及び液体を細長い容器に添加するステップと、容器を蓋で密閉するステップと、最長寸法を横向きにして容器を保持し、左右の動きを用いて振盪するステップと、を好ましくは含む。
【0083】
粉末及び水性液体の混合後に飲料の粘度が顕著に増大する場合、粉末を水性液体と混合し始めてから5分以内に、組成物を糖尿病又はIGTに罹患している対象に投与することが概して好ましい。
【0084】
好ましい一実施形態において後述するシアバンド形成試験によって、回転シリンダーに隣接した急速流動領域と、シアバンド形成をもたらすように流動が低減した、回転シリンダーから距離を隔てて存在する外側トロイド状領域と、が生成される。
【0085】
本発明者らは、(シアバンド形成試験の条件下で)駆動回転シリンダーの表面から一定の距離のシアバンド形成界面をもたらす組成物は食後グルコースの低減に特に有効であることを見出した。理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、界面の位置は、食後グルコースの低減を強化するのに有益となり得る腸壁に隣接した静止層の完全性と相関し得ると考える。
【0086】
本発明の好ましい実施形態では、シアバンド形成試験により、直径12mmの回転シリンダーから少なくとも2.5mm、好ましくは少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも7mm(例えば、少なくとも10mm又は少なくとも12mm)の距離に(後述のように決定される)シアバンド形成界面が得られる。試験は、直径90mmの皿の中で、皿の壁から20mmの位置に色素を滴下して実施される。本発明の組成物では、色素液滴は、液体せん断が十分小さくなってシアバンド形成をもたらすトロイド状領域内にある。
【0087】
典型的には、界面の距離は、回転シリンダーから18mm以内、より好ましくは回転シリンダーから16mm以内である。界面は、一組の実施形態では、2.5〜18mm、好ましくは5mm〜16mm、より好ましくは7mm〜16mm(例えば、10mm〜16mm又は12mm〜16mm)である。
【0088】
IGT又は糖尿病に罹患している対象を治療する方法は、ビグアニド(例えばメトホルミン)、酵素阻害剤(例えば、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)、α−グルコシダーゼ阻害剤)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド)、メグリチニド(例えばレパグリニド)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、並びにインスリン及びインスリン類似体(例えばリスプロ)からなる群から選択される少なくとも1種を好ましくは含む糖尿病薬による治療を受けているような対象に特に適しており、糖尿病薬による治療は前記飲料と併用して継続される。該薬物は食事と共に消費され、飲料は食事/薬物投与事象前に摂取されることが好ましい。
【0089】
糖尿病薬がメトホルミンである場合、飲料は、1日1回又は2回、メトホルミン/食事事象前に摂取され得る。メトホルミンが1日1回摂取される場合、飲料はメトホルミン/食事事象前に摂取され得、この場合、メトホルミンの量は500〜1000mgになり得る。メトホルミンが1日2回摂取される場合、飲料は、これらの2回のメトホルミン/食事事象前又は1回のメトホルミン/食事事象前に摂取され得、この場合、メトホルミンの量は500〜1000mgになり得る。
【0090】
好ましい一組の実施形態では、糖尿病又はIGTに罹患している対象は、糖尿病の組み合わせ薬物療法(例えば、スルホニル尿素及びメトホルミンの組み合わせ、レパグリニド及びメトホルミンの組み合わせ、チアゾリジンジオン及びメトホルミンの組み合わせ、酵素阻害剤及びメトホルミンの組み合わせ)による治療を同時に受ける。
【0091】
本発明の飲料は、食事がグルテン又はグルテン含有炭水化物を含む場合、食後血中グルコースプロファイルの低減に特に有用であることが見出された。グルテンを含有する材料の例として、コムギ粉から製造された製品、例えばパン、ピザ、ケーキ、ビスケット、シリアル及びペストリーが挙げられる。本発明の飲料は、食事がパン、トースト、サンドイッチ及びシリアルのうちの1種又は複数種を実質的に含む場合にさらに有効である。
【0092】
一組の実施形態では、
糖尿病又は耐糖能障害(IGT)に罹患しているヒト対象において食後の血中グルコースレベルを緩和するための1回分の飲料を提供するためのキットであって、
飲料1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1回分の水溶性又は水分散性物質と、
70ml〜400mlの液体体積を表示するレベルを有する容器と、
容器のための蓋と、
消費前の激しい混合を可能にする、容器内の前記レベルから上の空間であって、粉末と前記レベルまで充填された水との混合は、本明細書に記載の標準回転シリンダーシアバンド形成試験でシアバンド形成を呈する飲料を提供する、空間と、
を含むキットが提供される。
【0093】
アミノ酸、ペプチド及びタンパク質(好ましくはタンパク質)の群から選択される水溶性又は水分散性化合物の量は、1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gである。好ましい量は乾燥重量基準で合計少なくとも15gである。8g〜40g、特に10g〜35gが好ましく、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gである。最も好ましい実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質であり、水溶性又は水分散性タンパク質は、1回分当たり乾燥重量基準で8g〜40g、好ましくは10g〜35g、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gの量で存在する。
【0094】
好ましいタンパク質は、植物又は動物由来の水溶性又は水分散性タンパク質から、好ましくはカゼイン及びその塩並びにホエー及びホエーの加水分解産物からなる群から選択され、より好ましくは乳ホエー及びその誘導体(例えば加水分解された乳ホエー)から選択され得る。
【0095】
一組の実施形態では、粉末は、多糖、例えばガラクトマンナンガム、例えばグアーガム及びその誘導体から選択されるものをさらに含む。全ガラクトマンナンガム含有量は、一組の実施形態では、1回分当たり10g以下(例えば、1回分当たり8g以下又は1回分当たり7g以下)であり、好ましくは1回分当たり少なくとも1g(例えば、1回分当たり少なくとも2g又は1回分当たり少なくとも3g)であり、最も好ましくは1回分当たり4g〜6gである。
【0096】
容器は、液体及び粉末の体積より少なくとも20%(好ましくは少なくとも50%)大きい容積、好ましくは組み合わされた液体及び粉末の体積より50%〜200%大きい容積を有し得る。
【0097】
一組の実施形態では、糖尿病又は耐糖能障害の管理のための飲料組成物の製造における、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物を含む水分散性乾燥粉末並びに水性液体の使用であって、飲料1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gの総量の少なくとも1種の水溶性又は水分散性化合物を含む1回分の乾燥粉末を、1回分当たり70〜400gの量の水性液体と混合することを含み、飲料混合物は、本明細書に記載の標準回転シリンダーシアバンド形成試験でシアバンド形成を呈する、使用が提供される。
【0098】
アミノ酸、ペプチド及びタンパク質(好ましくはタンパク質)の群から選択される水溶性又は水分散性化合物の量は、1回分当たり乾燥重量基準で少なくとも8gである。好ましい量は乾燥重量基準で合計少なくとも15gである。8g〜40g、特に10g〜35gが好ましく、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gである。最も好ましい実施形態では、水溶性又は水分散性化合物は水溶性又は水分散性タンパク質であり、水溶性又は水分散性タンパク質は、1回分当たり乾燥重量基準で8g〜40g、好ましくは10g〜35g、より好ましくは10g〜25g、最も好ましくは15g〜25gの量で存在する。
【0099】
タンパク質は、概して植物又は動物由来の可溶性及びコロイド状タンパク質から、好ましくはカゼイン及びその塩並びにホエー及びホエーの加水分解産物からなる群から選択される。植物由来の可溶性又はコロイド状タンパク質の例として、ダイズに由来するようなタンパク質が挙げられる。可溶性又はコロイド状タンパク質は、乳ホエー及びその誘導体(例えば加水分解された乳ホエー)から選択されることがより好ましい。
【0100】
粉末は、多糖、特にガラクトマンナンガム、例えばグアーガム及びその誘導体から選択されるものをさらに含み得、好ましくは含む。
【0101】
粉末の全多糖、特にガラクトマンナンガムの含有量は、好ましくは1回分当たり10g以下(例えば、1回分当たり8g以下又は1回分当たり7g以下)であり、好ましくは1回分当たり少なくとも1g(例えば、1回分当たり少なくとも2g又は1回分当たり少なくとも3g)であり、最も好ましくは1回分当たり4g〜6gである。
【0102】
食後グルコースプロファイルの調節において最適な結果を得るために、飲料は、好ましくは食事の摂取前30分以内、好ましくは食事の摂取前15分以内、最も好ましくは食事の摂取前30秒〜15分に、糖尿病又はIGTに罹患している対象に投与される。
【0103】
粉末は、それを水性液体と組み合わせ、撹拌することによって、又は(好ましくは密封容器内で)振盪することによって水性液体と混合することができる。一組の実施形態では、粉末は、蓋を有し、好ましくは組み合わされた液体及び粉末の体積より少なくとも50%大きい容積、好ましくは液体及び粉末の体積より50%〜200%大きい容積を有する容器内で、粉末及び液体を一緒に振盪することによって水性液体と混合される。
【0104】
この組の実施形態では、IGT又は糖尿病に罹患している対象によって消費される組成物を形成する方法は、粉末及び液体を細長い容器に添加するステップと、容器を蓋で密閉するステップと、最長寸法を横向きにして容器を保持し、左右の動きを用いて振盪するステップと、を好ましくは含む。
【0105】
粉末と水性液体の混合後に飲料の粘度が顕著に増大する場合、粉末を水性液体と混合し始めてから5分以内に、組成物を糖尿病又はIGTに罹患している対象に投与することが概して好ましい。
【0106】
IGT又は糖尿病に罹患している対象を治療する方法は、ビグアニド(例えばメトホルミン)、酵素阻害剤(例えば、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)、α−グルコシダーゼ阻害剤)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド)、メグリチニド(例えばレパグリニド)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、並びにインスリン及びインスリン類似体(例えばリスプロ)からなる群から選択される少なくとも1種を好ましくは含む糖尿病薬による治療を受けているような対象に特に適しており、糖尿病薬による治療は前記飲料と併用して継続される。
【0107】
好ましい一組の実施形態では、糖尿病又はIGTに罹患している対象は、糖尿病の組み合わせ薬物療法(例えば、スルホニル尿素及びメトホルミンの組み合わせ、レパグリニド及びメトホルミンの組み合わせ、チアゾリジンジオン及びメトホルミンの組み合わせ、酵素阻害剤及びメトホルミンの組み合わせ)による治療を同時に受ける。
【0108】
飲料及び粉末は、好ましくは、タンパク質のカロリー当量で約25g未満などの低カロリー値を有する。
【0109】
好ましい一組の実施形態では、飲料は、タンパク質を含む粉末及び任意選択でガムなどの他の構成成分を組み合わせることによって調製される。飲料は、容器内で水性液体を粉末に添加することによって調製され得、あるいは水性液体(好ましくは低カロリー水性材料)を粉末に添加して飲料を得ることができる。
【0110】
水性液体は、水性飲料、例えばフルーツジュース、ミルク、スープ、ブロス等であり得る。最も好ましい水性液体は水であるが、シアバンド形成混合物の形成に寄与し得る水性液体中に存在する成分(例えば、タンパク質又は増粘剤)を適宜考慮することによって、適切に配合された粉末のシアバンド形成をもたらす能力を損なうことなく代替的な水性液体が使用され得ることは理解されよう。
【0111】
好ましい一実施形態では、水性液体は水であり、この水は、粉末化材料を添加する前に容器に添加されている(すなわち、水を粉末化材料に添加するのではなく、粉末化材料を水に添加する)。
【0112】
別の好ましい一実施形態では、粉末化材料は、蓋を備えた容器に入れて提供される。容器は、透明な又は部分的に透明な使い捨ての容器であり得る。容器は、添加する必要がある水の量の指針として作用するレベル指標を有することができる。飲料を形成するこの方法は、「シェイク&テイク法(振って飲む方法)」(“shake and take method”)と呼ばれる。
【0113】
別の好ましい一実施形態では、シェイク&テイクボトルは細長い。この瓶は、円形又は正方形又は他の形状の断面を有し得る。一組の実施形態では、瓶の垂直寸法は瓶の幅よりかなり大きい(すなわち、瓶は細長い瓶である)。別の好ましい一実施形態では、細長い瓶の断面は、瓶用の1つの箱に複数の瓶を最密に有効に詰めることができるものである。
【0114】
別の好ましい一実施形態では、瓶(上部に蓋を備える)の外形は、蓋近傍の瓶の幅が底部近傍の瓶の幅より大きくなるように瓶の壁が先細りになっている。
【0115】
好ましい別の実施形態では、複数の使い捨ての容器が提示され、少なくとも2種類の明確に異なるフレーバーが入れられている。このことは、習慣的に摂取する消費者が味に飽きないようにするためである。
【0116】
好ましくは、シェイク&テイクボトルの容積は少なくとも200ml、好ましくは少なくとも250mlである。容積は、250mlよりかなり大きくてもよい。
【0117】
瓶の壁は、瓶の底部とつながる領域に溝又は谷が存在しないことが好ましい。その理由は、粉末が前記溝又は谷に挟まることがあり、飲料への粉末の溶解が阻害され得るからである。瓶は好ましくは平坦な底部を有する。底部及び側壁は、沈着粉末が保持されるのを回避し、沈着粉末を飲料の大部分への再懸濁を促進する、徐々に曲線を描いた部分によって接合されることが好ましい。
【0118】
また、飲料用乾燥粉末材料を含有する瓶は、粉末同士の集合及び架橋が最小限に抑えられるように、飲料液体を添加する前に振盪されることが好ましい。細長い瓶については、水性液体を瓶に添加し、蓋を閉じた後、瓶が、長軸が水平になるように配置され、瓶の内容物を均質にするために使用される振盪が、水平軸に沿った左右の動きであることが好ましい。上記方法を用いて形成された飲料の均質性は、瓶の長軸が垂直で振盪の動きが上下である場合よりも著しく良好であることが見出された。
【0119】
本発明の飲料によって得られる食後血中グルコースプロファイルの再現性は、(消費者により供給される容器内での再構成に比べて)シェイク&テイク法を用いて顕著に改善されることも見出されている。食後血中グルコースプロファイルの再現性は、細長い瓶が水平配向に保持されて左右に振盪される方がかなり良好である。
【0120】
例えば、ホエータンパク質濃縮物をグアーガム粉末と組み合わせてシアバンド形成飲料を調製する場合、非常に微細なグアーガム粉末(すなわち30ミクロン未満)及び微細なホエータンパク質濃縮物粉末(すなわち100ミクロン未満)を使用すると、飲料の高い粘度が相対的に急速に上昇する。ある消費者には、そのような高粘度飲料は口に合わないとされる。飲料は、粘度上昇がより長時間で、例えば1分ではなく3分で生じるように配合されることが好ましい。このことを実現できるいくつかの手段の一つは、グアーをより粗い顆粒の形態で提供することである。
【0121】
本発明の特に好ましい一実施形態では、飲料の粉末部分は、
・飲料1回分当たり乾燥重量基準で可溶性及びコロイド状タンパク質の合計15g〜30gの量の、水溶性及び水分散性タンパク質から選択される分散タンパク質
・1回分当たり3.5g〜6gの量のグアーガム
・任意選択で少なくとも1種の香味剤及び着色剤
からなる。
【0122】
飲料を配合するのに使用される水性液体は、好ましくは1回分当たり100〜250mlの量、好ましくは1回分当たり125〜175mlの量の水からなる。
【0123】
組成物において使用できるさらなる機能性材料の例として下記が挙げられる。
・クロロゲン酸。コーヒーの大量摂取に関連する糖尿病の危険性の低減に貢献するという説がある。
・グルコース取込み阻害剤。グルコースの吸収を緩徐にし、植物繊維などの粘性付与剤を含む。具体例として、グルコマンナン、サイリウム外皮繊維、及びグアーガムが挙げられる。
・ペプチドアナログ、例えば、インクレチン模倣薬、グルカゴン様アナログ及びアゴニスト、アミリンアナログ。主なインクレチンは、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)及びGIPと表される胃抑制ペプチド(グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド)。GLPアゴニストとして、エキセナチド、リラグルチド、及びタスポグルチド(食品等級ではない)が挙げられる。一般的な副作用(胃運動性の低下に関連する可能性がある。)は悪心である。
・タンパク質加水分解物。任意選択でロイシンの栄養補助を伴う(米国特許出願公開第20090305945号)。
・代替的な治療薬及び栄養材料(先に論じていないもの)。以下が挙げられる。
ミルキア(Myrcia)根抽出物。ペドラウメカー(pedra hume de kaa)として市販されている。
ニンニク、特に脱臭又は無臭ニンニク。
シナモン(桂皮)及びシナモン樹皮エキス。
クルクミン/ウコン。
マグネシウム。近年の試験によって、マグネシウム(塩化マグネシウムとして)が2型糖尿病に対して有望であることが示されている。血中マグネシウムの測定により、マグネシウムの生物学的利用率を確立することができる。疫学的研究は、マグネシウムを毎日多量に摂取することは、男性及び女性において2型糖尿病が低減される予兆になることを示している。
亜鉛。
コリアンダー。
ユーカリ。
ジュニパー。
ビオチン。
クワ(クワ葉エキスを含む)。
ダークチョコレート(フラボノールが豊富)。
フラバノール。エピカテキンを含むポリフェノール性抗酸化剤のクラス。
カイアポ。種々の白サツマイモ(white sweet potato)(イポモエア・バタタス(ipomoea batatas))の皮に由来する。2型糖尿病を治療するための処方箋なしに日本中で市販されている。いくつかの研究が実施されており、その中にはHbA1c低下がアカルボースと同等であると結論付けたものがある。
コロハ(コロハのエキス、繊維、種子及び粘液が含まれる)。4−ヒドロキシイソロイシン(主な生物活性化合物であると考えられており、インスリン分泌活性を示すことが見出されている。)を含有する。糖尿病コホートでいくつかの研究(1日2g)が実施されており、有効性があるという証拠が得られている。
ニガウリ(モモルディカ・チャランチア(Momordica charantia))、ワイルドキューカンバー(wild cucumber)、アンパラヤ(ampalaya)、及びクンデアモール(cundeamor)。カレラ(karela)及びゴーヤ(bitter gourd)としても知られている。糖尿病の動物モデルにおいてグルコース低下が報告されており、抗糖尿病剤の成分として、チャランチン(charantin)及びバイシン(vicine)が挙げられる。腸内のグルコース吸収阻害、インスリン分泌刺激、及び肝臓のグリコーゲン合成刺激を含めて、いくつかの作用機序が提唱されている。
ギムネマ(ギムネマ・シルベストレ(Gymnema sylvestre))。小規模試験によって、1型糖尿病及び2型糖尿病における有効性が示されている。
プリックリー・ペア・カクタス(Prickly pear cactus)(オプンティア(Opuntia)、ノパル(Nopal))。主にスペインの文献に記録されている。2型糖尿病の患者への単回投与(直火焼き又はグリル焼きしたノパル茎500g)後の血糖制御の改善(血清グルコースの低下)及びインスリン感受性の改善(血清インスリンの低下)が記録されている。健常な個体では効果がない。
コクシニア・インディカ(Coccinia indica)。二重盲検プラセボ対照試験では、耐糖能の著しい改善が示された。
ジンセン・パナックス(Ginseng Panax)。ある研究では、用量200mgでHbA1cが0.5%低下することが示されている。
アロエベラ。試験によって、スルホニル尿素療法が同時に存在してもしなくても、2型糖尿病患者の空腹時グルコースが低下したことが示されている。
伝統的な伝統中国医学(traditional Chinese medicine)は、1型糖尿病を「消渇病(wasting and thirsting syndrome)」及び2型糖尿病を「尿糖疾病」と識別している。TCD内の治療が確立されている。
リポ酸(LA)。α−リポ酸(ALA)としても知られている。
L−アルギニン。「準必須アミノ酸」と分類されている。L−アルギニンは、NOの生合成のための直接的な前駆体として働く(L−アルギニンは一酸化窒素合成酵素の作用を受ける。ヒトの心血管の健康における役割に対して陽性であるという証拠が現れている。
ビタミンD。
補酵素Q10。心疾患を有する患者での研究は、血漿グルコース、インスリン及び過酸化脂質(過酸化脂質は酸化ストレスのマーカーである。)の低下を示した。スタチン(多くの2型糖尿病患者によって摂取されているHMG−CoA還元酵素阻害剤)は、血清補酵素Q10を最大40%低減することができる。
ポリクローナル抗体。次のセクションを参照。
【0124】
ポリクローナル抗体:
Yaron Ilanら(2008年出願の国際公開第2009113065号パンフレット),“Immuno−modulating compositions for the treatment of immune−mediated disorders”には、2型糖尿病の症状を管理する経口療法で使用するための抗インスリン抗体が記載されている。抗体はウシの初乳から作製される。
Yaronら(2009年出願の国際公開第2010125565号パンフレット),“Anti−LPS enriched immunoglobulin preparation for use in treatment and/or prophylaxis of a pathologic disorder”には、肝疾患に関連する障害(メタボリック症候群及び2型糖尿病を含む。)を治療する経口療法における抗LPS抗体の使用が記載されている。
Ching−San Lai(1995年出願の米国特許第5747532号),“Combinational therapeutic methods employing nitric oxide scavengers and compositions useful therefore”では、一酸化窒素(NO)の過剰産生が、糖尿病、並びに敗血症ショック、虚血、潰瘍、炎症性腸疾患、関節炎、喘息、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、硬変、脳脊髄炎、髄膜炎、膵炎、腹膜炎、血管炎、肝炎、腎炎、ショック、慢性疲労症候群、熱傷部感染症、脳卒中及び癌を含む多種多様な病状に関連することが教示されている。この発明は、(a)NO産生を誘発する種を不活化する薬剤と(b)NOを捕捉する薬剤(ジチオカルバメートを含有する薬剤に限定される。)との組み合わせを使用することによってNOの過剰産生を治療する方法である。分類(a)の薬剤の所与の一例は、エンドトキシンに対する抗体などの抗エンドトキシン剤である。この特許の明細書では、経口投与が治療選択肢として開示されている。
【0125】
特に好ましい機能性材料として、ビタミンD、マグネシウム、ビオチン、シナモン、カイアポ(種々の白サツマイモ(イポモエア・バタス)の皮から導出される)、ニンニク、ウコン/クルクミン、及び抗リポ多糖抗体が挙げられる。
【0126】
ここで、以下の実施例を参照して本発明を説明する。実施例は、本発明の例示として提供されるものであり、本発明の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0127】
本明細書及び特許請求の範囲はシアバンド形成の尺度に言及している。ここで、本明細書で言及したシアバンド形成の決定方法を、添付の図面を参照しながら論じる。
【0128】
図1〜48は個々の対象の血糖対時間の曲線である。
図1〜48の各々について以下の情報が重要である。
・対象の身元(表1参照)
・飲料用粉末成分(表2参照)
食前に飲料が摂取されなかった事象ではこの表は参照されない。
・飲料用粉末プロトコール(表4参照)
このプロトコールは、飲料を調製するために使用した水の量及び再構成容器の詳細に言及する。食前に飲料が摂取されなかった事象ではこの表は参照されない。
・血液検査プロトコール(表5参照)
このプロトコールは、血糖を読み取る時間、飲料再構成作業の時間及び性質、糖尿病薬の性質及び消費時間、並びに実験期間などの詳細について言及する。
【実施例】
【0130】
実施例において、用語「WPC80」又は「ホエータンパク質濃縮物80」は、名目上のタンパク質含有量が80%w/wであり、ホエータンパク質含有量がホエータンパク質濃縮物の76%w/w〜81%w/wであるホエータンパク質濃縮物を指す。
【0131】
実施例において、「WPI90」又は「ホエータンパク質単離物90」は、タンパク質濃度が、名目上、ホエータンパク質単離物の組成物の90重量%であるホエータンパク質単離物を指す。濃度が僅かに(組成物の例えば86%〜22%w/wの範囲で)変動し得ることは理解されよう。
【0132】
シアバンド形成プロトコール(飲料のシアバンド形成の客観的測定):
図A〜E及びHを参照すると、水150mlを含有するある量の試験飲料(1)(例えば、飲料の総重量175g)を十分に撹拌し、底部(3)及び円筒壁(4)を有する円形平底容器(2)に注ぐ。容器は、直径が90mmであり、壁(4)の高さが50mmである。容器(2)における飲料(1)の表面(5)の高さは25mmである。一滴の水溶性色素(6a)を容器の壁(4)近傍の飲料表面(5)に滴下し、円形容器の中心(7)からこのマーク(6a)までの飲料表面上の名目上の線を参照直径(8)として選択する。別の一滴の色素(6b)を、参照直径(8)上の、容器の壁(4)から20mmの地点に滴下する。この一滴の色素(6b)を使用して下記のように角度Aを規定し、試料がシアバンド形成を呈しているかどうかを決定する。直径12mmの滑らかな木製シリンダー(9)を、シリンダー(9)の軸を垂直にして回転可能なチャック(10)に搭載し、シリンダー(9)の(垂直)軸(12)が円形平底容器(2)の(垂直)軸(12)と一致するように、シリンダー(9)の平坦な底部を飲料表面の上部に位置付ける。シリンダー(9)を850rpmで回転させる。
【0133】
駆動された流動様相の測定は、飲料表面(5)から20mmの深さ(13)まで飲料に回転シリンダー(9)を下げることによって開始する。90秒後、シリンダー(9)の回転を停止し、シリンダー(9)を飲料からゆっくり引き上げる。
【0134】
角度Aに関するシアバンド形成の定量的定義:
回転シリンダー(9)を90秒間下げることによって飲料(1)を容器(2)内で駆動させた後、内部色素液滴(6b)を検査する。得られた液滴は、前端及び後端を伴って非常に細長いものになり得る(
図E参照。
図Eでは、色素のバンド幅(16)から明らかなように、内部色素マーク(6b)の前縁が、中心の周りの複数回転によって伸びて非常に細長くなっている)。あるいは、液滴は、相対的に伸びが少ない(その結果、円形容器の中心に対する角度が小さい(
図B参照))場合がある。円形容器の中心に対する液滴の前端(14)及び後端(15)による角度(A)は角度Aと表される(
図D参照)。角度Aが40°未満である場合、液体はシアバンド形成挙動を呈すると考えられる。角度A(
図D参照)は分度器又は他の適切な角度測定装置によって測定することができる。本発明の実施例1の飲料の場合(
図D)、角度Aを求めると25°である。比較例3の飲料(本発明によるものではない)の場合、試験により
図Eに示す結果が得られ、この図では、多数の回転によって参照色素液滴(6b)が細長くなっている。
【0135】
シアバンド形成界面距離の決定のためのプロトコール:
シアバンド形成試験は、中心回転シリンダーにより駆動された流動の輪状バンド領域を提供する。本発明の組成物は、前述のシアバンド形成試験を施すと、回転シリンダーの周囲の相対的に高せん断及び急速流動の内部バンド又は領域と、回転シリンダーに隣接した内部の高せん断急速流動領域と比較してせん断及び流動が顕著に低下した、容器の壁に隣接した外側バンド又はトロイド状領域と、を含む、明確に異なるバンド又は領域を呈する。本発明の組成物において、相対的に低せん断及び低流動の外側バンド又はトロイド状領域は色素液滴を含み、前述のシアバンド形成をもたらす。
【0136】
2つの領域の界面は、試験を実施しながら視覚的に検査することによって容易に決定することができ、回転シリンダーからの界面の距離を容易に決定することができる。
【0137】
相対的に急速流動の内側バンド又は領域と低せん断及び低流動の外側バンド又はトロイド状領域との界面を、
図Hを参照しながら説明する。
【0138】
図Hを参照すると、回転シリンダー(9)に隣接した内部急速流動領域(26)と外側トロイド状領域(シアバンド形成を得るのに十分に低いせん断流動を有する。)との界面(25)は肉眼で視覚的に明らかであり、回転シリンダーからの界面(25)の距離(28)は、回転シリンダー(9)の側面に隣接して位置する定規を用いて測定され得る。
【0139】
本発明者らは、血中グルコースレベルの緩和に最も有効な組成物は、回転シリンダーから少なくとも2.5mm、好ましくは少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも7mm(例えば、少なくとも10mm又は少なくとも12mm)の距離にある輪状界面を有することを見出した。
【0140】
界面は、色素液滴が滴下される、直径の少なくとも10mm内側(壁から20mm内側)に生じる。界面は、好ましくは回転シリンダーから18mm以内、より好ましくは16mm以内にある。したがって、界面は、典型的には回転シリンダーから2.5mm〜18mm、より好ましくは5mm〜16mm、さらに好ましくは7mm〜16mm(例えば、70mm〜16mm又は12mm〜16mm)の距離に生じる。
【0141】
粉末及び水性液体の混合から調製された飲料のシアバンド形成試験:
再構成された飲料用粉末により生成された多くの飲料は時変流動の特徴を有する。そのような飲料では、以下の標準時間系列を使用して上記プロセスを実施すべきである。ステップ1:水150mlで飲料を再構成し、再構成された飲料を7分間休ませる。ステップ2:休ませた飲料を撹拌し、その飲料を前述の円形平底容器(2)に注ぐ。2分後、前述の色素液滴(6a、6b)を飲料(1)の表面(5)に適用し、回転シリンダー(9)を下げて飲料(1)の中に入れる。
【0142】
上記プロトコールによって、回転シリンダー表面の直近に局所的せん断を示す液体層が常に形成される。
【0143】
駆動された多くの飲料では、せん断層は、回転シリンダー表面から外側に向かって放射状に生じ、液体全体に伸びる(但し、駆動された飲料の接線速度は、回転シリンダーから離れ、容器の壁に近い位置ほど小さくなる)。しかし、シアバンド形成を呈する飲料(すなわち本発明による飲料)では、大幅な厚さ(例えば、15〜20mm又はそれを超える厚さ)の(壁に隣接した)局所的静止層はシリンダーからさらに離れて生じ、この局所的に静止している外層はせん断を形成する内層と共存している。局所的静止層という用語は、該層内にせん断が呈されていないことを意味する。定常的に流動が駆動される状況において広範なせん断形成バンド及び広範な局所的静止バンドが同時に存在することはシアバンド形成の特徴である。
【0144】
より一般的に言うと、シアバンド形成は、(a)局所的せん断を呈していない飲料材料の広範な領域と、(b)著しい局所的せん断を呈する飲料材料の広範な領域と、が共存する、流動が駆動される状況で生じる。
【0145】
広範なせん断形成/回転バンドは常に回転シリンダー表面近傍に見出され、赤色色素液滴の形状は局所的せん断の存在に対して非常に感度が高いので、上記プロトコールはシアバンド形成の非常に高感度な試験を提供する。シアバンド形成は、液体色素液滴がその出発形状(一般に円形)を実質的に維持する場合は上記プロトコールで検出することができる。少量の局所的せん断が存在する場合でも、液体色素液滴は局所的せん断に応答して著しく細長くなる。局所的せん断に関するこの液滴試験は、高コントラストの固体粒子を(流動マーカーとして)飲料に導入することによって実現され得るより著しく感度が高い。その理由は、固体マーカーが、固体にあらゆる力がかかった結果として移動することになり、局所的せん断は、固体マーカーの一つの粒子をマーカーの別個の一つの粒子と比較することによって初めて推測され得るからである。
【0146】
消費者が使用するためのシェイク&テイクプロセス:
図Fは、対象が消費する飲料組成物の調製に使用できるタイプの容器(17)を示している。飲料は、シアバンド形成試験の実施において混合することによって調製できるが、本発明者らは、訓練を受けていない飲料消費者にとって、例えば表4のプロトコールTP14で実証されている方法などのシェイク&テイク法によって飲料を調製することが特に適切であることを見出した。
【0147】
シェイク&テイク法では、粉末堆積物が、添加される水に懸濁しにくくなる可能性のあるくぼみを回避するために、側壁(18)とその側壁(18)に滑らかな曲線を描いて遷移する部分(20)によって接合された平底壁(19)を有する容器(17)を使用する。
【0148】
容器には蓋(21)が備えられており、この蓋は、振盪中に液体の漏出を阻害するために密封している。容器及び蓋は、封止するための共動ねじ部を有することができる。
【0149】
容器は、一般に、瓶の容積の半分以下になる飲料の体積に応じて、200ml〜600mlなどの容積を有することができる。
【0150】
シェイク&テイクプロセスでは、タンパク質15g〜35g及びガラクトマンナンガム2g〜8gを含有する粉末などの粉末(22)を入れた容器(17)を、好ましくは最初に振盪して、保存中の任意の沈下又は詰まりを妨害し、水などの水性液体を、一般に容器(17)の半分以下を満たす100〜250mlなどの体積(23)で添加する。
【0151】
容器の蓋(21)により容器を封止し、容器を激しく振盪する。容器は、垂直にして、すなわち容器の蓋を上げ下げして、好ましくは容器の長軸を一般に垂直にして振盪することができる。
【0152】
しかし、
図Gに示したさらに好ましい一実施形態では、容器は、容器の最長寸法(24)が横向きに配置され、粉末が十分に懸濁するまで(概して数秒〜30秒(典型的には5〜20秒))左右の動きにより振盪される。
【0153】
比較例1〜10及び実施例1〜4:
これらの実施例では、水と共に激しく混合し、ステップ1及びステップ2に従って調製し、その後、前述のシアバンド形成試験を用いて角度Aを測定した異なる組成物のタンパク質粉末に関して、シアバンド形成試験の結果の変動を調査する。
【0154】
比較例1:
3.3w/v%グアーガム(これは水150ml中グアーガム5グラムに相当する。)を含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは40°未満であることが見出され、飲料は、激しく混合してから7分後に測定するとシアバンド形成挙動を呈している。しかし、この飲料は、個々の1回分当たりタンパク質を少なくとも10g含有していないので、本発明による飲料ではない。
【0155】
比較例2:
3.3w/v%サイリウム外皮粉末(これは水150ml中サイリウム外皮粉末5グラムに相当する。)を含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料は、激しく混合してから7分後に測定してもシアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。サイリウム外皮粉末及びグアーガムの両方が共に食品産業で一般的なゲル形成繊維であることに注目することは重要である。
【0156】
実施例1:
ホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g及びグアーガム粉末5g及び水150mlを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは約25°であることが見出され、この角度は40°を大幅に下回っている。飲料はシアバンド形成挙動を呈している。この飲料は本発明による飲料である(表2及び3参照)。
【0157】
実施例2:
ホエータンパク質濃縮物(WPC80)10g及びグアーガム粉末5g及び水150mlを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは約13°であることが見出され、この角度は40°を大幅に下回っている。飲料はシアバンド形成挙動を呈している。この飲料は本発明による飲料である(表2及び3参照)。
【0158】
比較例3:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g及びサイリウム外皮粉末5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは339°であることが見出され、この角度は40°を大幅に上回っている。飲料はシアバンド形成/準シアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。サイリウム外皮粉末及びグアーガムの両方が共に食品産業で一般的なゲル形成繊維であることに注目することは重要である(表2及び3参照)。
【0159】
比較例4:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)10g及びサイリウム外皮粉末5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料はシアバンド形成/準シアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。サイリウム外皮粉末及びグアーガムの両方が共に食品産業で一般的なゲル形成繊維であることに注目することは重要である(表2及び3参照)。
【0160】
比較例5:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g、サイリウム外皮粉末2.5g及びグアーガム粉末2.5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料はシアバンド形成/準シアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。複雑な飲料配合物のシアバンド形成の特徴は個々の成分から予測することができない。
【0161】
比較例6:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g、グアーガム粉末5g及びFibrulose 97(Cosucra社:可溶性チコリ繊維)5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは約90°であることが見出され、この角度は40°を大幅に上回っている。飲料はシアバンド形成/準シアバンド形成挙動を呈していない。この結果をWPC80 20g及びグアー5gを含む飲料と比較すると、Fibrulose 97繊維をさらに添加することによってシアバンド形成挙動が喪失することが明らかである。複雑な飲料配合物のシアバンド形成の特徴は個々の成分から予測することができない。
【0162】
比較例8:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)10gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料は、激しく混合してから7分後に測定してもシアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない(表2及び3参照)。
【0163】
比較例9:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20gを含む生成飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料は、激しく混合してから7分後に測定してもシアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。
【0164】
比較例10:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g及びグアーガム粉末2.5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは360°を超えることが見出され、飲料は、激しく混合してから7分後に測定してもシアバンド形成挙動を呈していない。この飲料は本発明による飲料ではない。
【0165】
実施例4:
水150mlにホエータンパク質濃縮物(WPC80)20g及びグアーガム粉末3.5gを含む飲料をシアバンド形成について試験すると、角度Aは40°未満であることが見出され、飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈している。この飲料は本発明による飲料である。
【0166】
使用実施例:
以下によって、異なるヒト対象における本発明の飲料組成物及び関連比較物の使用を実証する。
【0167】
表1: 飲料試験に参加したヒト対象の説明。糖尿病前症(IGT)、2型糖尿病、1型糖尿病及び健常な対象(非糖尿病対象)が含まれる。
対象1:
健康状態:前糖尿病(食事及び運動によって管理されている);
年齢:59歳; 性別:男性; 民族:コーカサス人種
対象2:
健康状態:前糖尿病(食事及び運動によって管理されている);
年齢:57歳; 性別:男性; 民族:コーカサス人種
対象3:
健康状態:非糖尿病;
年齢:57歳; 性別:女性; 民族:コーカサス人種
対象4:
健康状態:非糖尿病;
年齢:26歳; 性別:男性; 民族:アジア/コーカサス人種
対象5:
健康状態:2型糖尿病(複合療法によって管理されている);
年齢:62歳: 性別:女性; 民族:コーカサス人種
対象6:
健康状態:1型糖尿病(インスリン注射によって管理されている);
年齢:50歳; 性別:男性; 民族:コーカサス人種
対象7:
健康状態:前糖尿病(食事及び運動によって管理されている);
年齢:60歳; 性別:男性; 民族:コーカサス人種
【0168】
実施例5:
対照:
シアバンド形成タンパク質飲料は食後血糖(前糖尿病性)を低下させるのに有効である。
【0169】
耐糖能障害を有する対象(対象1)は精白パン4切れを含む食事を消費した(表5のTP1参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血糖測定値を
図1に示す。血糖値はt=120分においてベースラインを大幅に超えていたことに留意されたい。ピーク血糖値(t=75分)は10.5mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値が、著しく長時間(100分)、8.0mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。
【0170】
パート1:
別の実験では、同じ対象(対象1)に、パン食の前に飲料(配合表のF6及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP4参照)。食後血糖測定値を
図5に示す。ピーク血糖値(t=75分)は9.6mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、55分の著しく長い間隔で8.0mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。この実験の飲料はシアバンド形成挙動を呈していなかった(シアバンド形成結果を示す表の飲料7参照)
【0171】
パート2:
別の実験では、同じ対象(対象1)に、パン食の前に飲料(配合表2のF2及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP2参照)。食後血糖測定値を
図2に示す。ピーク血糖値(t=60分)は8.4mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、ごく短時間、8.0mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料6参照)。
【0172】
パート3:
別の実験では、同じ対象(対象1)に、パン食の前に飲料(配合表2のF5及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP2参照)。食後血糖測定値を
図4に示す。ピーク血糖値(t=60分)は8.5mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、55分の著しく長い間隔で8.0mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料5参照)。しかし、飲料配合物にタンパク質は含まれていなかった。この飲料は本発明による飲料ではない。
【0173】
パート4:
別の実験では、対象1に、パン食の前に飲料(配合表2のF3及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP3参照)。食後血糖測定値を
図3に示す。ピーク血糖値(t=30、150分)は8.2mmol/Lであったことに留意されたい。血糖は、著しく長時間(195分)、ベースラインに戻らなかったことに留意されたい。高血中グルコースの時間は
図1よりもはるかに長いことに留意されたい。この実験の飲料はシアバンド形成挙動を呈していなかった(シアバンド形成結果を示す表の飲料8参照)。
【0174】
対照実施例及び実施例6(IGT対象):
対照:
耐糖能障害を有する対象(対象2)は精白パン4切れを含む食事を消費した(表5のTP5参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血糖測定値を
図7に示す。血糖値はt=120分においてベースライン値を超えていたことに留意されたい。ピーク血糖値(t=75分)は9mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、65分の著しく長時間の間隔で7mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。この対象は、対象1よりも健常な血中グルコース応答を有することに留意されたい。
【0175】
パート1:
別の実験では、同じ対象(対象2)に、パン食の前に飲料(配合表2のF10及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP6参照)。食後血糖測定値を
図9に示す。ピーク血糖値(t=75分)は7.4mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、90分の著しく長い間隔で7.0mmol/L又はそれ以上に上昇したことに留意されたい。この実験の飲料はシアバンド形成挙動を呈していなかった(シアバンド形成結果を示す表の飲料4参照)。
【0176】
パート2:
別の実験では、同じ対象(対象2)に、パン食の前に飲料(配合表2のF9及び飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(表5のTP2参照)。食後血糖測定値を
図8に示す。ピーク血糖値(t=120分)は7.0mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血糖値は、僅かな時間7.0mmol/Lを超えて上昇したことに留意されたい。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。
【0177】
対照実施例及び実施例7(2型糖尿病の対象):
対照:
2型糖尿病を有する対象(表1の対象5)は、JANUVIA100mg(シタグリプチンMSD)毎日1錠、ACTOS30mg(ピオグリタゾン)毎日1錠、DIMIRIL4mg(グリメピリド)毎日1錠の療法中である。この対照実験では、対象は、実験当日、(実験実施後まで)薬物を摂取しなかった。対象は、グルテンフリーのパン4切れを含む食事を消費した(試験プロトコールを示す表5のTP30参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血糖測定値を
図42に示す。試験期間中、血中グルコースが顕著に上昇し、血中グルコースの低下徴候はなかったことに留意されたい。食後血中グルコース最大値は16.8mmol/L(t=120分)であった。実験の開始時、対象の血糖は9.8mmol/Lであった。測定された最高血糖値(t=120分)は16.8mmol/Lであった。
【0178】
パート1:
別の実験では、同じ対象(対象5)に、グルテンフリーのパン4切れの食事の前に飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(表5のTP31参照)。食後血糖測定値を
図43に示す。この図では、後(t=90分)に低下が出現することに留意されたい。食後血中グルコース最大値は14.1mmol/L(t=90分)であった。実験の開始時、対象の血糖は9.4mmol/Lであった。測定された最高血糖値(t=90分)は14.1mmol/Lであった。ベースラインを超える上昇についてt=120分で測定された曲線下面積は、
図42のグラフと比較すると著しく小さいことに留意されたい。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。
【0179】
パート2(対照):
別の実験では、同じ対象(表1の対象5)は、食事の開始時に薬物を摂取することを含めて、グルテンフリーのパン4切れを含む食事を消費した(試験プロトコールを示す表5のTP32参照)。薬剤は、JANUVIA100mg(シタグリプチンMSD)1錠、ACTOS30mg(ピオグリタゾン)1錠、及びDIMIRIL4mg(グリメピリド)1錠であった。食前飲料は摂取しなかった。食後血糖測定値を
図44に示す。血糖上昇は、薬物を摂取しなかった場合よりも小さかったことに留意されたい(
図42)。血中グルコースは顕著に上昇したが、薬物を摂取しなかった場合よりも低かったことに留意されたい(
図42)。試験期間中、血中グルコースの低下徴候はなかった。食後血中グルコース最大値は12.8mmol/L(t=120分)であった。実験の開始時、対象の血糖は8.6mmol/Lであった。測定された最高血糖値(t=120分)は12.8mmol/Lであった。
【0180】
パート3:
別の実験では、同じ対象(表1の対象5)に、グルテンフリーのパン4切れからなる食事の前に飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP33参照)。食事の開始時に薬物を与えた。薬剤は、JANUVIA100mg(シタグリプチンMSD)1錠、ACTOS30mg(ピオグリタゾン)1錠、及びDIMIRIL4mg(グリメピリド)1錠であった。食後血糖測定値を
図45に示す。後(t=30分)に血中グルコースレベルが顕著に低下する。実験の開始時、対象の血糖は9.9mmol/Lであった。t=30分に測定された最高血糖値は12.3mmol/Lであった。45分後の血中グルコース値はすべて9.0mmol/L未満であったことに留意されたい。さらに、ベースライン血中グルコースを超える最大上昇は2.0mmol/Lであったことに留意されたい。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。
【0181】
対照実施例及び実施例8(インスリンを投与されている糖尿病の対象):
対照:
インスリン注射によって制御された1型糖尿病を有する対象(表1の対象6)は精白パン4切れを含む食事を消費した(試験プロトコールを示す表5のTP34参照)。食前飲料は摂取しなかった。食前にインスリンは投与しなかった。食後血糖測定値を
図46に示す。t=30分において、13.6mmol/Lに達する著しい血中グルコースの上昇があったことに留意されたい。
【0182】
パート1:
別の実験では、同じ対象(表1の対象6)に、精白パン4切れを含む食事の前に飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP35参照)。食前にインスリンは投与しなかった。食後血糖測定値を
図47に示す。食後血中グルコース最大値はt=45分で11.8mmol/Lであったことに留意されたい。このことは、
図46と比較すると上昇速度が著しく遅かったことを表している。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。
【0183】
パート2:
別の実験では、同じ対象(表1の対象6)に、精白パン4切れを含む食事の前に飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP35参照)。食前にインスリンは投与しなかった。食後血糖測定値を
図48に示す。食後血中グルコース最大値はt=30分で11.0mmol/Lであったことに留意されたい。このことは、
図46と比較すると上昇速度が著しく遅かったことを表している。この実験の飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈していた(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。
【0184】
実施例5〜8のまとめ(糖尿病又は前糖尿病/IGTを有する人々):
糖尿病又は前糖尿病/IGTを有する患者が、標準パン食を摂取する前にシアバンド形成飲料を摂取すると、食後血糖値の低減に有効であることが見出された。これらのシアバンド形成飲料は、同等のレベルの粘性付与剤を用いて生成された非シアバンド形成飲料より極めて有効であることが見出された。
【0185】
比較例11(健常な対象):
この実施例では、健常な対象に対する本発明のシアバンド形成組成物の効果を調査する。
【0186】
対照:
健常な対象(表1の対象4)にパン食を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP25参照)。食後血糖測定値を
図37に示す。ピーク血糖値(t=30分)は8.03mmol/Lであったことに留意されたい。t=60分でベースラインに戻った。t=105分において、より小さい6.5mmol/Lの第2の血中グルコースピークがある。
【0187】
パート2:
別の実験では、同じ対象(表1の対象4)に、パン食の前に飲料(配合表2のF2、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP26参照)。この飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈している(シアバンド形成結果を示す表の飲料6参照)。食後血糖測定値を
図38に示す。ピーク血糖値(t=30分)は7.5mmol/Lであったことに留意されたい。t=105分において、より小さい6.75mmol/Lの第2の血中グルコースピークがある。
図37と比較されたい。
【0188】
パート3:
別の実験では、同じ対象(対象4)に、パン食の前に飲料(配合表2のF6、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP27参照)。この飲料はシアバンド形成挙動を呈していない(シアバンド形成結果を示す表の飲料7参照)。食後血糖測定値を
図39に示す。食後血糖は、
図37と比較するとt=30分で僅かに低下している。
【0189】
対象4では、シアバンド形成飲料は非シアバンド形成飲料より有効であるということはない。
【0190】
パート4:
別の実験では、同じ対象(表1の対象4)に、パン食の前に飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP28参照)。この飲料はシアバンド形成挙動を呈している(シアバンド形成結果を示す表の飲料3参照)。食後血糖測定値を
図40に示す。食後血糖は、
図41と比較するとt=30分で僅かに低下している。
【0191】
パート5:
別の実験では、同じ対象(表1の対象4)に、パン食の前に飲料(配合表2のF10、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP29参照)、この飲料はシアバンド形成挙動を呈していない(シアバンド形成結果を示す表の飲料4参照)。食後血糖測定値を
図41に示す。食後血糖は、
図40と比較するとt=30分で顕著に低下している。
【0192】
対象4では、シアバンド形成飲料は非シアバンド形成飲料より有効であるということはない。
【0193】
パート6(対照):
別の健常な対象(表1の対象3)にパン食を与えた(表5の試験プロトコール1参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血糖測定値を
図28に示す。ピーク血糖値(t=45分)は9.4mmol/Lであったことに留意されたい。血中グルコースレベルは、t=75分において6.8mmol/Lまで顕著に低下している。
【0194】
パート7:
別の実験では、同じ対象(表1の対象3)に、パン食の前に飲料(配合表2のF2、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP2参照)。この飲料は確かにシアバンド形成挙動を呈している(シアバンド形成結果を示す表の飲料6参照)。食後血糖測定値を
図29に示す。ピーク血糖値(t=60分)は8.2mmol/Lであったことに留意されたい。このピーク血糖値は、図
図28と比較すると僅かに低下している。
【0195】
パート8:
別の実験では、同じ対象(表1の対象3)に、パン食の前に飲料(配合表2のF6、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP1参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP4参照)。この飲料はせん断挙動を呈していない(シアバンド形成結果を示す表の飲料7参照)。食後血糖測定値を示す(
図30)。グラフ(グラフ28)と比較すると、t=30分〜t=75分の期間の血中グルコースピークは著しく低かった。
【0196】
対象3では、シアバンド形成飲料は非シアバンド形成飲料より有効であるということはない。
【0197】
まとめ:
健常な人々(対象3及び4)を含む図を検討すると、シアバンド形成飲料は、食後血中グルコースプロファイルの低減に非シアバンド形成飲料より有効であるということはない。
【0198】
対照及び実施例9(メトホルミン投与中のIGT対象):
対照:
耐糖能障害を有する対象(表1の対象2)は、精白パン4切れを含む食事及びメトホルミン850mgを消費した(試験プロトコールを示す表5のTP12参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血中グルコース測定値を
図15に示す。t=120分の血糖値はベースライン値を超えていたことに留意されたい。ピーク血糖値(t=45分)は8.2mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、血中グルコースは、t=90分において5.7mmol/Lまで顕著に低下していることに留意されたい。
【0199】
パート1:
別の実験では、同じ対象(表1の対象2)に、パン食とメトホルミンの前にシアバンド形成飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP13参照)。食後血中グルコース測定値を
図16に示す。ピーク血糖値(t=60、90分)は7.1mmol/Lであったことに留意されたい。さらに、この図の血中グルコースプロファイルは、
図15と比較すると概してより平坦な勾配を有することに留意されたい。
【0200】
対照及び実施例10(アカルボース投与中のIGT対象):
対照:
耐糖能障害を有する対象(表1の対象2)は、精白パン4切れを含む食事及びアカルボース25mgを消費した(TP16参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血中グルコース測定値を
図19に示す。初期血中グルコースピークはt=45分で7.5mmol/Lであり、t=120分まで継続していることに留意されたい。この血中グルコースピークは約5.0mmol/Lの初期ベースラインから生じた。
【0201】
パート1:
別の実験では、同じ対象(表1の対象2)に、パン食とアカルボースの前にシアバンド形成飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP20参照)。アカルボース25mgを食前飲料と同時に摂取し、パン食を15分後に摂取した。食後血中グルコース測定値を
図22に示す。初期血中グルコースレベルは
図19のレベルよりもかなり低い。
【0202】
パート2:
別の実験では、同じ対象(表1の対象2)に、パン食とアカルボースの前にシアバンド形成飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP19参照)。食前飲料を最初に摂取し、15分後にアカルボース25mg及びパン食を一緒に消費した。食後血中グルコース測定値を
図23に示す。初期及び後期の血中グルコースレベルは
図22より低い。このことは、投薬の15分前に食前飲料を摂取すると、より低い血中グルコースの曲線に関してより良好な結果が得られたことを示している。
【0203】
対照及び実施例11(グリクラジド投与中のIGT対象):
対照:
耐糖能障害を有する対象(表1の対象2)は、精白パン4切れを含む食事及びグリクラジドを消費した(試験プロトコールを示す表5のTP24参照)。食前飲料は摂取しなかった。食後血中グルコース測定値を
図26に示す。t=15〜t=105分の血中グルコースピーク期間があることに留意されたい。約5.8mmol/Lから7.6mmol/Lまでの血中グルコースピークの著しい上昇があった。
【0204】
パート1:
別の実験では、同じ対象(表1の対象2)に、パン食とグリクラジドの前にシアバンド形成飲料(配合表2のF9、飲料用粉末プロトコールを示す表4のDPP3参照)を与えた(試験プロトコールを示す表5のTP23参照)。食後血中グルコース測定値を
図27に示す。この血中グルコースプロファイルでは、
図27に示されている血中グルコースプロファイルと比較すると、t=45分においてベースラインを超えるごく小さい血中グルコースピークがあるにすぎない。
【0205】
本発明の飲料を、糖尿病薬と併せて摂取して使用すると、飲料なしで糖尿病治療薬を消費した場合と比較して血中グルコースプロファイルが低下し得ることが判明している。この効果は、本発明の飲料を、標準食を摂取する少し前に別個に摂取し、一般に推奨されるように薬物を食事と共に摂取する場合に最も顕著である。
【0206】
表2: 乾燥粉末組成物を含む飲料成分及び重量、並びに飲料を調製するために使用した水の体積。飲料調製過程は記載されていない(試験プロトコールを示す表5参照)。
F2: wpc80 10g + グアーガム5g + 水150ml
F3: wpc80 10g + 水150ml
F5: グアー5g + 水150ml
F6: wpc80 10g + サイリウム外皮粉末5g + 水150ml
F9: wpc80 20g + グアー5g + 水150ml
F10: wpc80 20g + サイリウム外皮粉末5g + 水150ml
【0207】
表3: シアバンド形成結果。配合表2に記載のように調製された飲料に関する結果を記載する。
【表3】
【0208】
表4: 飲料用粉末プロトコール。再構成前の乾燥飲料成分の処理を記載する。
DPP1:
成分を、表2による配合物番号(例えば、F2〜F10)に基づいて選択した。
成分を個々に秤量し、200mlのプラスチックカップに入れた。
次に、成分をティースプーンで激しく混合した。
DPP2:
成分を、表2による配合物番号(例えば、F2〜F10)に基づいて選択した。
成分を個々に秤量し、350mlのプラスチックカップに入れた。
次に、成分をティースプーンで激しく混合した。
DPP3:
成分を、表2による配合物番号(例えば、F2〜F10)に基づいて選択した。
成分を個々に秤量し、200mlのプラスチックカップに入れた。
次に、成分をティースプーンで激しく混合した。
成分を、ねじ蓋を備えた200mlの「貯蔵瓶」に添加した。
【0209】
表5: 試験プロトコール。種々の対象の血糖を測定するためのプロトコールを記載し、飲料の再構成、試験の長さ、パンと共に消費した水(もしあれば)の量、パンのタイプ、薬物(もしあれば)のタイプの情報を含む。
TP1: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。3分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は精白パン4切れを水250mlと共に消費し始め、5分間かけて消費した(t=10)。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP2: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを水100mlと共に消費し始め、8分以内にパンを水と共に消費するように指示された。飲料配合物を消費してから3分後に、対象が精白パン4切れを消費している途中であっても血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は別の血中グルコースの読取りを行った(パンは、この時点で既に十分に消費されていた)。5分後(t=15)、その後さらに225分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP3: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを水250mlと共に消費し始め、8分以内にパンを水と共に消費するように指示された。飲料配合物を消費してから3分後に、対象が精白パン4切れを消費している途中であっても血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は別の血中グルコースの読取りを行った(パンは、この時点で既に十分に消費されていた)。5分後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP4: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを水100mlと共に消費し始め、8分以内にパンを水と共に消費するように指示された。飲料配合物を消費してから3分後に、対象が精白パン4切れを消費している途中であっても血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は別の血中グルコースの読取りを行った(パンは、この時点で既に十分に消費されていた)。5分後(t=15)、その後さらに240分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP5: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。3分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は精白パン4切れを水150mlと共に消費し始め、5分間かけて消費した(t=10)。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP6: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを水150mlと共に消費し始め、8分以内にパンを水と共に消費するように指示された。飲料配合物を消費してから3分後に、対象が精白パン4切れを消費している途中であっても血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後、対象は別の血中グルコースの読取りを行った(パンは、この時点で既に十分に消費されていた)。5分後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP12: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。3分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、メトホルミン850mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP13: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次にメトホルミン850mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに180分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP14: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象はメトホルミン850mgを消費し、次に飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン4切れを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP16: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。3分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次にアカルボース25mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP19: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有している「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次にアカルボース25mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水150mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP20: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象はアカルボース25mgを消費し、次に飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン4切れを水150mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP23: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次にグリクラジド40mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP24: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。3分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次にグリクラジド40mgと共に精白パン4切れのうちの一口を食べた。次に、対象は、精白パン4切れのうちの残りを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP25: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は精白パン4切れを消費した。対象がパンを消費した後165分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP26: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを消費し始めた。パンを消費する際に水は消費しなかった。精白パン4切れを消費した直後に血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、さらに120分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP27: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを消費し始めた。パンを消費する際に水は消費しなかった。精白パン4切れを消費した直後に血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、さらに165分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP28: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した乾燥飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを消費し始めた。パンを消費する際に水は消費しなかった。精白パン4切れを消費した直後に血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、さらに135分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP29: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、対象は、水150mlを、既に秤量し混合した飲料成分を含有する200mlのプラスチックカップに添加した。次に、対象は、成分及び水を均一性がほぼ達成されるまでティースプーンで激しく混合した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費した。次に、対象はすぐに精白パン4切れを消費し始めた。パンを消費する際に水は消費しなかった。精白パン4切れを消費した直後に血中グルコースの読取りを行った(t=0)。次に、さらに180分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
TP30: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象はグルテンフリーのパン4切れを消費した。グルテンフリーのパンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後120分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP31: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、次にグルテンフリーのパン4切れをすぐに消費した。グルテンフリーのパンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後120分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP32: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は、グルテンフリーのパン4切れのうち二口を食べた。次に、対象は、グリメピリドであるディミレル(Dimirel)、シタグリプチンリン酸塩一水和物であるジャヌビア、及びピオグリタゾンHClであるアクトスを摂取した(対象の一日の処方と一致していた)。それらの薬物を消費した直後、対象は、グルテンフリーのパン4切れの残りの量を消費した。グルテンフリーのパンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後120分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP33: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、次にグルテンフリーのパン4切れのうち2口をすぐに消費した。次に、対象は、グリメピリドであるディミレル、シタグリプチンリン酸塩一水和物であるジャヌビア、及びピオグリタゾンHClであるアクトスを摂取した(対象の一日の処方の一部)。それらの薬物を消費した直後、対象は、グルテンフリーのパン4切れの残りの量を消費した。グルテンフリーのパンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後120分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP34: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は精白パン4切れを消費した。精白パンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後60分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
TP35: 対象はベースラインの血中グルコースの読取りを行った。次に、対象は、乾燥飲料成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを飲料に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振とうし始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振とうするよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、次に精白パン4切れをすぐに消費した。精白パンを消費した直後、対象は血中グルコースの読取りを行い、その後60分間、15分毎に血中グルコースの読取りを行った。
【0210】
表6: 添付の図面の血中グルコースプロファイルの各図を作成するために使用した実験パラメータを概説する。
【表6】
【0211】
最後に、本明細書に概説した本発明の精神から逸脱することなく、種々の他の改変及び/又は変更を加え得ることを理解されたい。
【0212】
実施例11〜13及び比較例12:
この実施例により、前述のように決定されるシアバンド形成界面距離の関数としての、食後血中グルコースの制御における組成物の有効性の変動を実証する。
【0213】
表7の組成物を調製し、前述のシアバンド形成プロトコールを施した。組成物はシアバンド形成を呈することが見出され、その決定の最中に、前述の界面距離の決定のためのプロトコールを使用して界面距離を測定した。
【0214】
食後グルコースの緩和における組成物の有効性を調査するために、対象7(表1)に以下の方法を遵守させて、実施例11〜13(表7に示す)を比較例12(表7に示す)と比較した。
【0215】
実施例11:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、ホエータンパク質単離物(90%w/wタンパク質を含有するWPI90)20g及びグアーガム1g及びキサンタンガム1.5gの乾燥成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、水150mlを瓶に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、成分と水が均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振盪し始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振盪するよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン4切れを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに225分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0216】
実施例11(
図49に提示)は、回転駆動機の端部からのシアバンド形成界面距離が相対的に小さい(表7「界面距離」参照)と有効性が相対的に低いことを示している。
【0217】
実施例12:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、ホエータンパク質単離物(少なくとも90%w/wのタンパク質を含有するWPI90)20g及びキサンタンガム5gの乾燥成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、次に水150mlを瓶に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、成分と水が均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振盪し始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振盪するよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン4切れを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに210分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0218】
実施例12(
図50に提示)は、回転駆動機の端部からのシアバンド形成界面距離が相対的に小さい(表7「界面距離」参照)と有効性が相対的に低いことを示している。
【0219】
実施例13:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、ホエータンパク質濃縮物20g及びグアーガム5gの乾燥成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、次に水150mlを瓶に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、成分と水が均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振盪し始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振盪するよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン4切れを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0220】
実施例13(
図51に提示)は、回転駆動機の端部からのシアバンド形成界面距離が相対的に大きい(表7「界面距離」参照)と最も有効であることを示している。
【0221】
比較例12(対照):
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、精白パン4切れを水250mlと共に5分間かけて消費した。パンを消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0222】
比較例12(
図52に提示)は対照である。
【0223】
表7: 食後の血中グルコース低下における有効性と相関する、異なるサイズの移動層及び静止層を有するシアバンド形成配合物のリスト。
【表7】
【0224】
ホエータンパク質単離物は少なくとも90重量%のタンパク質を含有していた。
【0225】
食後血中グルコースの低下における有効性を、各組成物に関する食後血中グルコース応答を図示する添付の図面を一緒に参照して表7の最後の列にまとめる。
【0226】
実施例11及び12は比較例をいくらか上回る改善を示したが、実施例13の組成物は界面距離が14mmであり、IGT対象の食後グルコースの制御に極めて有効であった。
【0227】
実施例14〜18:
実施例14〜18では、異なるタイプのタンパク質供給源を使用して本発明を実証する。
【0228】
実施例14〜18の組成物を前述のシアバンド形成プロトコールに従って調製し、試験した。プロトコールに従って円形容器の中心に対する色素液滴の前端と後端による角度「A」を記録し、表8に示す。
【0229】
表8:
【表8】
【0230】
表8は、種々のタンパク質供給源を使用して有用なシアバンド形成組成物を提供できることを示しており、エンドウマメタンパク質又はダイズタンパク質又は牛皮ゼラチンを含有する実施例15、16及び18は、比較例13の対照と比較するとはるかに改善された食後血中グルコースレベルを提供することが示された。
【0231】
実施例14:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。次に、対象は、ホエータンパク質濃縮物20g及びグアーガム5gの乾燥成分を含有する「貯蔵瓶」の蓋を開け、次に水150mlを瓶に添加した。次に、対象は蓋を貯蔵瓶に速やかに戻した。次に、対象は、成分と水が均一になったと思われるまで、封止した瓶を上下運動で激しく振盪し始めた。対象は、瓶を10秒以上激しく振盪するよう指示された。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン2切れにバター4グラム及びイチゴジャム23グラム(利用可能な炭水化物約50g)と共にコーヒー220ml(ティースプーン1杯のコーヒーと沸騰水220ml)からなる食事を5分間かけて消費した。食事を消費した直後(t=15)、その後さらに195分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0232】
シアバンド形成:
ホエータンパク質濃縮物20g及びグアーガム5gの乾燥成分を「貯蔵瓶」に添加した。次に水150mlを貯蔵瓶に添加した。蓋を貯蔵瓶に戻し、次に瓶を激しく10秒間振盪した。次に、この飲料に前述の「シアバンド形成試験」を施した(結果については表8参照)。
【0233】
実施例14(
図55に提示)は、タンパク質供給源としてのホエータンパク質は、シアバンド形成発明に含まれる場合、比較例13(
図54に提示)と比較して食後血中グルコースを低下させるのに有効であることを示している。
【0234】
実施例15:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。対象は、不溶性エンドウマメタンパク質20g及びグアーガム5gの乾燥成分をカップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水300mlをカップに添加した。次に、対象は、水と乾燥成分を均一になるまで撹拌した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン2切れにバター4グラム及びイチゴジャム23グラム(利用可能な炭水化物約50g)と共にコーヒー220ml(ティースプーン1杯のコーヒーと沸騰水220ml)からなる食事を5分間かけて消費した。食事を消費した直後(t=15)、その後さらに150分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0235】
シアバンド形成:
不溶性エンドウマメタンパク質20g及びグアーガム5gの乾燥成分を、カップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水300mlをカップに添加した。次に、水及び乾燥成分を均一性が達成されるまでティースプーンで混合した。次に、この飲料に前述の「シアバンド形成試験」を施した(結果については表8参照)。
【0236】
実施例15(
図53に提示)は、タンパク質供給源としての不溶性エンドウマメタンパク質は、シアバンド形成発明に含まれる場合、比較例13(
図54に提示)と比較して食後血中グルコースを低下させるのに有効であることを示している。
【0237】
実施例16:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。対象は、ダイズタンパク質20g及びグアーガム5gの乾燥成分をカップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水250mlをカップに添加した。次に、対象は水と乾燥成分を均一になるまで撹拌した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン2切れにバター4グラム及びイチゴジャム23グラム(利用可能な炭水化物約50g)と共にコーヒー220ml(ティースプーン1杯のコーヒーと沸騰水220ml)からなる食事を5分間かけて消費した。食事を消費した直後(t=15)、その後さらに150分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0238】
シアバンド形成:
ダイズタンパク質20g及びグアーガム5gの乾燥成分を、カップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水250mlをカップに添加した。次に、水及び乾燥成分を均一性が達成されるまでティースプーンで混合した。次に、この飲料に前述の「シアバンド形成試験」を施した(結果については表8参照)。
【0239】
実施例16(
図56に提示)は、タンパク質供給源としての不溶性エンドウマメタンパク質は、シアバンド形成発明に含まれる場合、比較例13(
図54に提示)と比較して食後血中グルコースを低下させるのに有効であることを示している。
【0240】
実施例17:
シアバンド形成:
乳タンパク質濃縮物(MPC)(約80%カゼインタンパク質及び20%ホエータンパク質)20g及びグアーガム1グラムの乾燥成分を「貯蔵瓶」に添加した。次に水150mlを貯蔵瓶に添加した。蓋を貯蔵瓶に戻し、次に瓶を激しく10秒間振盪した。次に、この飲料に前述の「シアバンド形成試験」を施した(結果については表8参照)。
【0241】
実施例18:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。対象は、牛皮ゼラチン20g(88%タンパク質)及びグアーガム5gの乾燥成分をカップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水250mlをカップに添加した。次に、対象は水と乾燥成分を均一になるまで撹拌した。次に、対象は飲料配合物を可能な限り速やかに消費し、別の血中グルコースの読取りを行った(t=0)。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン2切れにバター4グラム及びイチゴジャム23グラム(利用可能な炭水化物約50g)と共にコーヒー220ml(ティースプーン1杯のコーヒーと沸騰水220ml)からなる食事を5分間かけて消費した。食事を消費した直後(t=15)、その後さらに165分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。
【0242】
シアバンド形成:
牛皮ゼラチン(88%タンパク質)20g及びグアーガム5gの乾燥成分を、カップの中でティースプーンを用いて混合した。次に水250mlをカップに添加した。次に、水及び乾燥成分を均一性が達成されるまでティースプーンで混合した。次に、この飲料に前述の「シアバンド形成試験」を施した(結果については表8参照)。
【0243】
実施例18(
図57に提示)は、タンパク質供給源としての牛皮ゼラチンは、シアバンド形成発明に含まれる場合、比較例13(
図54に提示)と比較して食後血中グルコースを低下させるのに有効であることを示している。
【0244】
比較例13:
対象7(表1に示す)はベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−15)。12分後、対象は別のベースラインの血中グルコースの読取りを行った(t=−3)。対象はt=0において別のグルコース測定を行った。10分後(t=10)、対象は血中グルコースの読取りを行い、次に、精白パン2切れにバター4グラム及びイチゴジャム23グラム(利用可能な炭水化物約50g)と共にコーヒー220ml(ティースプーン1杯のコーヒーと沸騰水220ml)からなる食事を5分間かけて消費した。食事を消費した直後(t=15)、その後さらに150分間、15分毎に対象は血中グルコースの読取りを行った。