特許第6415009号(P6415009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許6415009ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法及び装置、並びに端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6415009
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法及び装置、並びに端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20181022BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20181022BHJP
【FI】
   H04W48/10
   H04W64/00 130
【請求項の数】18
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2017-518108(P2017-518108)
(86)(22)【出願日】2014年10月13日
(65)【公表番号】特表2017-535160(P2017-535160A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2014088453
(87)【国際公開番号】WO2016058117
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2017年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シアオピン
【審査官】 松本 光平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−144393(JP,A)
【文献】 特開2009−212954(JP,A)
【文献】 特開2011−045047(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/145345(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/126759(WO,A2)
【文献】 滝田大介 et al.,無線メッシュネットワークにおける省メモリかつ低遅延なブロードキャスト方式の検討,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2014年 6月26日,第114巻 第119号,19〜24,IEICE Technical Report CS2014-20
【文献】 楠嶺 生宏 et al.,VANETにおける車速・車両密度を考慮したRNCを用いた位置依存情報配布の検討,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ,社団法人情報処理学会,2010年 7月 7日,第2010巻 第1号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法であって、前記方法は、端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、前記方法は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する段階と、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階であって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、決定する段階と、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階であって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、決定する段階と
を備え、
記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度のみを有し、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の密度閾値は前記第2の密度閾値より小さい又は等しい、方法。
【請求項2】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法であって、前記方法は、端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、前記方法は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する段階と、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階であって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、決定する段階と、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階であって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、決定する段階と
を備え、
記チャネル環境パラメータは前記パケット送信成功率のみを有し、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の成功率閾値≧前記第2の成功率閾値である、方法。
【請求項3】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法であって、前記方法は、端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、前記方法は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する段階と、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階であって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、決定する段階と、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階であって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、決定する段階と
を備え、
記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度及び前記パケット送信成功率を有し、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、前記パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、又は、前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きい、かつ、前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の密度閾値≦前記第2の密度閾値であり、前記第1の成功率閾値≧前記第2の成功率閾値である、方法。
【請求項4】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法であって、前記方法は、端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、前記方法は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する段階と、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階であって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、決定する段階と、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階であって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、決定する段階と
を備え、
記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する前記段階は、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、前記他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する段階と、
前記チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び前記他の複数の端末のそれぞれについての前記送信頻度に従って前記第1の送信頻度を決定する段階と
を有し、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、方法。
【請求項5】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度のみを有し、
前記チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び前記他の複数の端末のそれぞれの前記送信頻度に従って前記第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第3の密度閾値≦前記第4の密度閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット送信成功率のみを有し、
前記チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び前記他の複数の端末のそれぞれの前記送信頻度に従って前記第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第3の成功率閾値≧前記第4の成功率閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度及び前記パケット送信成功率を有し、
前記チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び前記他の複数の端末のそれぞれの前記送信頻度に従って前記第1の送信頻度を決定する前記段階は、
前記パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、前記パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、又は、前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を有し、
前記第3の密度閾値≦前記第4の密度閾値であり、前記第3の成功率閾値≧前記第4の成功率閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度を有し、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する前記段階は、
【数22】
に従って前記パケット時間密度ρを計算する段階を有し、
は、前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における前記端末のパケットの受信回数を表し、Tは、前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット送信成功率を有し、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する前記段階は、
他の複数の端末のそれぞれにより送信される前記ブロードキャストパケットに従って、前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に前記他の複数の端末のそれぞれのパケットの理論的な送信回数を決定する段階と、
【数23】
に従って前記パケット送信成功率Sを計算する段階と
を有し、
は、前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における前記端末のパケットの受信回数を表し、Pは、前記端末が前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信する他の複数の端末の数を表し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは、前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の前記他の複数の端末についてのパケットの理論的な送信回数の合計を表す、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は
前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後の前記ブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定する段階と、
前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に前記第1の送信頻度及び前記送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信する段階と
をさらに備える、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、前記別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間に等しくすべく前記端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定する段階をさらに備える、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置であって、前記装置は端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信し、前記装置は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するパケット受信モジュールと、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するパラメータ決定モジュールであって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、パラメータ決定モジュールと、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する頻度決定モジュールであって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、頻度決定モジュールと
を備え、
記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度のみを有し、
前記頻度決定モジュールは、第1のアップ調整ユニット及び第1のダウン調整ユニットを有し、
前記第1のアップ調整ユニットは、前記パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第1のダウン調整ユニットは、前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いており、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の密度閾値≦前記第2の密度閾値である、装置。
【請求項13】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置であって、前記装置は端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信し、前記装置は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するパケット受信モジュールと、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するパラメータ決定モジュールであって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、パラメータ決定モジュールと、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する頻度決定モジュールであって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、頻度決定モジュールと
を備え、
記チャネル環境パラメータは前記パケット送信成功率のみを有し、
前記頻度決定モジュールは、第2のアップ調整ユニット及び第2のダウン調整ユニットを有し、
前記第2のアップ調整ユニットは、前記パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第2のダウン調整ユニットは、前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いており、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の成功率閾値≧前記第2の成功率閾値である、装置。
【請求項14】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置であって、前記装置は端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信し、前記装置は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するパケット受信モジュールと、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するパラメータ決定モジュールであって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、パラメータ決定モジュールと、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する頻度決定モジュールであって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、頻度決定モジュールと
を備え、
前記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度及び前記パケット送信成功率を有し、
前記頻度決定モジュールは、第3のアップ調整ユニット及び第3のダウン調整ユニットを有し、
前記第3のアップ調整ユニットは、前記パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、前記パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第3のダウン調整ユニットは、前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、又は、前記パケット時間密度が第2の密度閾値より大きい、かつ、前記パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、前記第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いており、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、前記第1の密度閾値≦前記第2の密度閾値であり、前記第1の成功率閾値≧前記第2の成功率閾値である、装置。
【請求項15】
ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置であって、前記装置は端末に適用され、前記端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信し、前記装置は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するパケット受信モジュールと、
前記別の端末により送信された前記ブロードキャストパケットに従って、前記端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するパラメータ決定モジュールであって、前記チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率のうちの少なくとも1つを有する、パラメータ決定モジュールと、
前記チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する頻度決定モジュールであって、前記第1の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、頻度決定モジュールと
を備え、
前記頻度決定モジュールは頻度取得ユニット及び頻度決定ユニットを有し、
前記頻度取得ユニットは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、前記他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定し、
前記頻度決定ユニットは、前記チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び前記他の複数の端末のそれぞれの前記送信頻度に従って、前記第1の送信頻度を決定し、
前記第2の送信頻度は、前記端末による前記少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、装置。
【請求項16】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度のみを有し、
前記頻度決定ユニットは、第1のアップ調整サブユニット及び第1のダウン調整サブユニットを有し、
前記第1のアップ調整サブユニットは、前記パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第1のダウン調整サブユニットは、前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いており、
前記第3の密度閾値≦前記第4の密度閾値である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット送信成功率のみを有し、
前記頻度決定ユニットは、第2のアップ調整サブユニット及び第2のダウン調整サブユニットを有し、
前記第2のアップ調整サブユニットは、前記パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第2のダウン調整サブユニットは、前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いており、
前記第3の成功率閾値≧前記第4の成功率閾値である、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記チャネル環境パラメータは前記パケット時間密度及び前記パケット送信成功率を有し、
前記頻度決定ユニットは、第3のアップ調整サブユニット及び第3のダウン調整サブユニットを有し、
前記第3のアップ調整サブユニットは、前記パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、前記パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より高い送信頻度を用いており、
前記第3のダウン調整サブユニットは、前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、又は、前記パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、前記パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、前記第2の送信頻度が前記他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、前記第1の送信頻度として、前記第2の送信頻度より低い送信頻度を用いておおり、
前記第3の密度閾値≦前記第4の密度閾値であり、前記第3の成功率閾値≧前記第4の成功率閾値である、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤレス測位技術の分野に関し、具体的には、ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法及び装置、並びに端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス測位技術は、屋外測位、屋内測位、及び位置情報サービス(英語:Location Based Services、略してLBS)のような分野に広く適用されてきた。
【0003】
ネットワーク中心のワイヤレス測位技術において、一般的なネットワークアーキテクチャは、通常、測位される端末と、測位機能を実装するのに用いられるネットワークデバイス及びサーバとを含む。端末とネットワークデバイスとの間の通信は無線ネットワークを用いることにより実行される。ネットワークデバイス間の通信及びネットワークデバイスとサーバとの間の通信は、有線又は無線ネットワークを用いることにより実行される。端末は、特定の送信頻度に従ってブロードキャストパケットを継続的に送信する。端末により送信されたブロードキャストパケットを受信した後、ネットワークデバイスは、ブロードキャストパケットから(端末のデバイス識別のような)関連パラメータを抽出し、受信信号強度インジケータ(英語:Received Signal Strength Indicator、略してRSSI)及び到着角(英語:Angle of Arrival、略してAOA)のような、端末の位置を計算するために用いられる物理量を測定する。次に、ネットワークデバイスは先述の情報をサーバに送信する。サーバはこれらのパラメータに従って端末の位置座標を計算する。
【0004】
本発明を実施するための処理において、発明者は、先述の技術が、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が予め設定されており、かつ、柔軟性を欠くという問題を少なくとも有していることを見出した。
【発明の概要】
【0005】
先述の技術において、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が予め設定されており、かつ、柔軟性を欠くという問題を解決すべく、本発明の実施形態は、ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法及び装置、並びに端末を提供する。その技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
第1態様によれば、ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法が提供され、方法は端末に適用され、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、方法は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する段階と、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階であって、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む、決定する段階と、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階であって、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、決定する段階と
を含む。
【0007】
第1態様の第1の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0008】
第1態様に関して、第1態様の第2の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0009】
第1態様に関して、第1態様の第3の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0010】
第1態様に関して、第1態様の第4の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定する段階は、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する段階と、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定する段階と
を含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0011】
第1態様の第4の可能な実装態様に関して、第1態様の第5の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0012】
第1態様の第4の可能な実装態様に関して、第1態様の第6の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0013】
第1態様の第4の可能な実装態様に関して、第1態様の第7の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定する段階は、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いる段階、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いる段階を含み、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0014】
第1態様、第1態様の第1の可能な実施態様、第1態様の第3の可能な実施態様、第1態様の第4の可能な実装態様、第1態様の第5の可能な実装態様、又は第1態様の第7の可能な実装態様に関して、第1態様の第8の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度を含み、
別の端末に送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階は、
【数1】
に従ってパケット時間密度ρを計算する段階を含み、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す。
【0015】
第1態様、第1態様の第2の可能な実施態様、第1態様の第3の可能な実施態様、第1態様の第4の可能な実装態様、第1態様の第6の可能な実装態様、又は第1態様の第7の可能な実装態様に関して、第1態様の第9の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率を含み、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する段階は、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットに従って、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に他の複数の端末のそれぞれのパケットの理論的な送信回数を決定する段階と、
【数2】
に従ってパケット送信成功率Sを計算する段階と
を含み、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間においてp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信することを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の他の複数の端末についてのパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0016】
第1態様、第1態様の第1の可能な実施態様、第1態様の第2の可能な実施態様、第1態様の第3の可能な実施態様、第1態様の第4の可能な実装態様、第1態様の第5の可能な実装態様、第1態様の第6の可能な実装態様、第1態様の第7の可能な実装態様、第1態様の第8の可能な実装態様、又は第1態様の第9の可能な実装態様に関して、第1態様の第10の可能な実装態様では、方法は、
少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定する段階と、
少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信する段階と
をさらに含む。
【0017】
第1態様、第1態様の第1の可能な実施態様、第1態様の第2の可能な実施態様、第1態様の第3の可能な実施態様、第1態様の第4の可能な実装態様、第1態様の第5の可能な実装態様、第1態様の第6の可能な実装態様、第1態様の第7の可能な実装態様、第1態様の第8の可能な実装態様、第1態様の第9の可能な実装態様、又は第1態様の第10の可能な実装態様に関して、第1態様の第11の可能な実装態様では、方法は、
予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間に等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定する段階をさらに含む。
【0018】
第2態様によれば、ブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置が提供され、装置は端末に適用され、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、装置は、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成されるパケット受信モジュールと、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成されるパラメータ決定モジュールであって、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む、パラメータ決定モジュールと、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成される頻度決定モジュールであって、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である、頻度決定モジュールと
を含む。
【0019】
第2態様の第1の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
頻度決定モジュールは、第1のアップ調整ユニット及び第1のダウン調整ユニットを含み、
第1のアップ調整ユニットは、パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第1のダウン調整ユニットは、パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0020】
第2態様に関して、第2態様の第2の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
頻度決定モジュールは、第2のアップ調整ユニット及び第2のダウン調整ユニットを含み、
第2のアップ調整ユニットは、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第2のダウン調整ユニットは、パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0021】
第2態様に関して、第2態様の第3の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
頻度決定モジュールは、第3のアップ調整ユニット及び第3のダウン調整ユニットを含み、
第3のアップ調整ユニットは、パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第3のダウン調整ユニットは、パケット時間密度が第2の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0022】
第2態様に関して、第2態様の第4の可能な実装態様では、頻度決定モジュールは頻度取得ユニット及び頻度決定ユニットを含み、
頻度取得ユニットは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定するように構成され、
頻度決定ユニットは、チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って、第1の送信頻度を決定するように構成され、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0023】
第2態様の第4の可能な実装態様に関して、第2態様の第5の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
頻度決定ユニットは、第1のアップ調整サブユニット及び第1のダウン調整サブユニットを含み、
第1のアップ調整サブユニットは、パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第1のダウン調整サブユニットは、パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0024】
第2態様の第4の可能な実装態様に関して、第2態様の第6の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
頻度決定ユニットは、第2のアップ調整サブユニット及び第2のダウン調整サブユニットを含み、
第2のアップ調整サブユニットは、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第2のダウン調整サブユニットは、パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0025】
第2態様の第4の可能な実装態様に関して、第2態様の第7の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
頻度決定ユニットは、第3のアップ調整サブユニット及び第3のダウン調整サブユニットを含み、
第3のアップ調整サブユニットは、パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成され、
第3のダウン調整サブユニットは、パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成され、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0026】
第2態様、第2態様の第1の可能な実施態様、第2態様の第3の可能な実施態様、第2態様の第4の可能な実装態様、第2態様の第5の可能な実装態様、又は第2態様の第7の可能な実装態様に関して、第2態様の第8の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度を含み、
パラメータ決定モジュールは密度計算ユニットを含み、
密度計算ユニットは、
【数3】
に従ってパケット時間密度ρを計算するように構成され、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す。
【0027】
第2態様、第2態様の第2の可能な実施態様、第2態様の第3の可能な実施態様、第2態様の第4の可能な実装態様、第2態様の第6の可能な実装態様、又は第2態様の第7の可能な実装態様に関して、第2態様の第9の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率を含み、
パラメータ決定モジュールは回数決定ユニット及び成功率計算ユニットを含み、
回数決定ユニットは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットに従って、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数を決定するように構成され、
成功率計算ユニットは、
【数4】
に従ってパケット送信成功率Sを計算するように構成され、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間においてp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信することを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の他の複数の端末についてのパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0028】
第2態様、第2態様の第1の可能な実施態様、第2態様の第2の可能な実施態様、第2態様の第3の可能な実施態様、第2態様の第4の可能な実装態様、第2態様の第5の可能な実装態様、第2態様の第6の可能な実装態様、第2態様の第7の可能な実装態様、第2態様の第8の可能な実装態様、又は第2態様の第9の可能な実装態様に関して、第2態様の第10の可能な実装態様では、装置は、
少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定するように構成される継続時間決定モジュールと、
少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するように構成されるパケット送信モジュールと
をさらに含む。
【0029】
第2態様、第2態様の第1の可能な実施態様、第2態様の第2の可能な実施態様、第2態様の第3の可能な実施態様、第2態様の第4の可能な実装態様、第2態様の第5の可能な実装態様、第2態様の第6の可能な実装態様、第2態様の第7の可能な実装態様、第2態様の第8の可能な実装態様、第2態様の第9の可能な実装態様、又は第2態様の第10の可能な実装態様に関して、第2態様の第11の可能な実装態様では、装置は、
予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間に等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定するように構成される継続時間設定モジュールをさらに含む。
【0030】
第3態様によれば、端末が提供され、端末はブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成され、端末は、バスと、バスを用いることにより互いに通信するプロセッサ、メモリ、及びトランシーバとを含み、メモリは、1又は複数の命令を格納するように構成され、1又は複数の命令は、プロセッサにより実行されるように構成され、
トランシーバは、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成され、
プロセッサは、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、
プロセッサは、さらに、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成され、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0031】
第3態様の第1の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0032】
第3態様に関して、第3態様の第2の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0033】
第3態様に関して、第3態様の第3の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0034】
第3態様に関して、第3態様の第4の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定することと、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することと
を含み、
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0035】
第3態様の第4の可能な実装態様に関して、第3態様の第5の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0036】
第3態様の第4の可能な実装態様に関して、第3態様の第6の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0037】
第3態様の第4の可能な実装態様に関して、第3態様の第7の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含み、
第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0038】
第3態様、第3態様の第1の可能な実施態様、第3態様の第3の可能な実施態様、第3態様の第4の可能な実装態様、第3態様の第5の可能な実装態様、又は第3態様の第7の可能な実装態様に関して、第3態様の第8の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度を含み、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定することは、
【数5】
に従ってパケット時間密度ρを計算することを含み、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す。
【0039】
第3態様、第3態様の第2の可能な実施態様、第3態様の第3の可能な実施態様、第3態様の第4の可能な実装態様、第3態様の第6の可能な実装態様、又は第3態様の第7の可能な実装態様に関して、第3態様の第9の可能な実装態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率を含み、
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定することは、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されるブロードキャストパケットに従って、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に他の複数の端末のそれぞれのパケットの理論的な送信回数を決定することと、
【数6】
に従ってパケット送信成功率Sを計算することと
を含み、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間においてp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信することを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の他の複数の端末についてのパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0040】
第3態様、第3態様の第1の可能な実施態様、第3態様の第2の可能な実施態様、第3態様の第3の可能な実施態様、第3態様の第4の可能な実装態様、第3態様の第5の可能な実装態様、第3態様の第6の可能な実装態様、第3態様の第7の可能な実装態様、第3態様の第8の可能な実装態様、又は第3態様の第9の可能な実装態様に関して、第3態様の第10の可能な実装態様では、
プロセッサは、さらに、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定するように構成され、
トランシーバは、さらに、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するように構成される。
【0041】
第3態様、第3態様の第1の可能な実施態様、第3態様の第2の可能な実施態様、第3態様の第3の可能な実施態様、第3態様の第4の可能な実装態様、第3態様の第5の可能な実装態様、第3態様の第6の可能な実装態様、第3態様の第7の可能な実装態様、第3態様の第8の可能な実装態様、第3態様の第9の可能な実装態様、又は第3態様の第10の可能な実装態様に関して、第3態様の第11の可能な実装態様では、
プロセッサは、さらに、予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間に等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定するように構成される。
【0042】
本発明の実施形態において、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明すべく、当該実施形態を説明するために必要とされる添付図面を以下に簡潔に説明する。以下の説明における添付図面は本発明の一部の実施形態を単に示したものに過ぎず、当業者は創造的な努力なくこれらの添付図面から他の図面をさらに導き出し得ることは明らかである。
【0044】
図1】本発明の実施形態において用いられる実装環境の概略的な構造図である。
【0045】
図2】本発明の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートである。
【0046】
図3A】本発明の別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートである。
【0047】
図3B】本発明の実施形態において用いられるブロードキャスト受信期間及びブロードキャスト送信期間についての概略図である。
【0048】
図3C】オーバーラップされる期間の継続時間を計算するのに用いられる3つの可能な事例についての概略図である。
【0049】
図4】本発明のさらに別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートである。
【0050】
図5】本発明の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置についての構造的なブロック図である。
【0051】
図6A】本発明の別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置の構造的なブロック図である。
【0052】
図6B】本発明の実施形態において用いられるパラメータ決定モジュールの構造的なブロック図である。
【0053】
図6C】本発明の実施形態において用いられる別のパラメータ決定モジュールの構造的なブロック図である。
【0054】
図6D】本発明の実施形態において用いられる頻度決定モジュールの構造的なブロック図である。
【0055】
図6E】本発明の実施形態において用いられる別の頻度決定モジュールの構造的なブロック図である。
【0056】
図6F】本発明の実施形態において用いられるさらに別の頻度決定モジュールの構造的なブロック図である。
【0057】
図7A】本発明のさらに別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置の構造的なブロック図である。
【0058】
図7B】本発明の実施形態において用いられる頻度決定ユニットの構造的なブロック図である。
【0059】
図7C】本発明の実施形態において用いられる別の頻度決定ユニットの構造的なブロック図である。
【0060】
図7D】本発明の実施形態において用いられるさらに別の頻度決定ユニットの構造的なブロック図である。
【0061】
図8】本発明の実施形態に係る端末の構造的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にすべく、以下では、添付図面を参照して詳細に本発明の実施形態をさらに説明する。
【0063】
図1を参照すると、図1は、本発明の実施形態において用いられる実装環境についての概略的な構造図を示す。実装環境は、少なくとも1つの端末120、少なくとも1つのネットワークデバイス140、及びサーバ160を含む。
【0064】
端末120はワイヤレスブロードキャスト測位機能をサポートする様々な端末であってよい。端末120は、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、e−ブックリーダ、パーソナルデジタルアシスタント(英語:Personal Digital Assistant、略してPDA)、若しくはラップトップコンピュータのようなモバイル端末であってよく、若しくは、スマートバンド、スマートウォッチ、若しくはスマートヘルメットのようなウェアラブルデバイスであってよく、又は、オブジェクトに取り付けられて運ばれ得る若しくはユーザに取り付けられて運ばれ得るタグ(英語:Tag)、バッジ等、あるいは、独立しており若しくは統合され得る別のワイヤレス測位デバイスであってよい。
【0065】
可能な実施態様において、端末120はマイクロコントロールユニット(英語:Micro Control Unit、略してMCU)及びマイクロコントロールユニットに接続される無線周波数ワイヤレスモジュール(英語:Radio Frequency Wireless Module、略してRFワイヤレスモジュール)を含んでよい。マイクロコントロールユニットは、ブロードキャストパケットを送信/受信すべく無線周波数ワイヤレスモジュールを制御するように構成される。任意で、端末120はハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを用いることにより実装されるタイマ(英語:Timer)をさらに含んでよい。タイマは、マイクロコントロールユニットに統合され、無線周波数ワイヤレスモジュールによるブロードキャストパケットの送信/受信の継続時間を記録し、管理し、かつ制御するように構成される。
【0066】
端末120は、無線ネットワークを用いることにより少なくとも1つのネットワークデバイス140と通信する。無線ネットワーク技術は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(英語:Bluetooth(登録商標)Low Energy、略してBLE)、ワイヤレス・フィディリティ(英語:Wireless Fidelity、略してWi−Fi(登録商標))、ZigBee(登録商標)、無線周波数識別(英語:Radio Frequency Identification、略してRFID)、又は超広帯域(英語:Ultra Wide Band、略してUWB)のような技術であってよい。
【0067】
端末120は、測位を実施することに用いられるブロードキャストパケットを、無線ネットワークを用いることにより少なくとも1つのネットワークデバイス140に送信する。対応して、ネットワークデバイス140は端末120により送信されたブロードキャストパケットを、無線ネットワークを用いることにより受信する。
【0068】
ネットワークデバイス140は、端末120により送信されたブロードキャストパケットを受信できる様々な基地局デバイスであってよい。例えば、ネットワークデバイス140はロケータ(英語:Locator)であってよい。ロケータは、壁、屋根、又は支柱等のインフラストラクチャに取り付けられてよい。ネットワークデバイス140は受信したブロードキャストパケットから、端末120に対応するデバイスアドレス又はデバイスID(Identity、識別)を抽出するように構成され、さらに、受信信号強度インジケータ及び到着角のような、端末120の位置座標を計算することに用いられる物理量を測定するように構成される。
【0069】
ネットワークデバイス140は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを用いることによりサーバ160と通信し、端末120のデバイスアドレス又はデバイスID、及び物理量をサーバ160に送信する。
【0070】
サーバ160は、サーバ、又は複数のサーバを含むサーバクラスタ、又はクラウドコンピューティングサービスセンタであってよい。サーバ160は、受信信号強度インジケータ及び到着角のような、端末120の位置座標を計算することに用いられる端末120のデバイスアドレス又はデバイスID、及び物理量を受信し、先述の情報に従って端末120の位置座標を計算するように構成され、端末120のデバイスアドレス又はデバイスID、及び物理量は、ネットワークデバイス140により送信されたものである。
【0071】
本発明の実施形態が説明される前に、本発明の実施形態に用いられるいくつかの用語及びコンセプトがまずここで説明される。本発明の実施形態では、以下のとおりである。
【0072】
1.送信頻度は単位時間当たりにブロードキャストパケットを送信するための回数の理論値を指す。本発明の実施形態において、「送信頻度」は実際の値よりもむしろ理論値を指す。送信頻度の理論値は、端末のアプリケーション層プログラムにより、ブロードキャストパケットを送信すべく下層モジュールを制御するための基準値又はガイダンス値を指す。
【0073】
実際の状況では、送信頻度の理論値は実際の値より大きい又は等しい。具体的には、送信頻度の理論値は5回/秒であることが仮定される。端末のアプリケーション層プログラムは、下層モジュールを制御して、毎秒5回、ブロードキャストパケットを送信する。しかしながら、端末がチャネルを占有することに失敗したことが理由で端末がパケットを送信できない場合、又は、別の干渉影響が理由で端末がパケットを送信することに失敗した場合、端末の下層モジュールは、毎秒5回より少ない頻度でブロードキャストパケットを実際に首尾よく送信してよい。例えば、理論値は5回/秒であるが、実際の値はわずか4回/秒であってよい。
【0074】
「パケットの理論的な送信回数」の類似性は、送信頻度の理論値に対応しており、期間にブロードキャストパケットを送信する回数の実際の値よりもむしろ理論値を指す。「パケットの理論的な総送信回数」はまた、送信頻度の理論値に対応しており、ブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信する総回数の実際の値よりもむしろ理論値を指す。
【0075】
2.パケット時間密度(英語:packet time density)は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてによって、単位時間当たりに実際に送信されたブロードキャストパケットの総数を指す。
【0076】
パケット時間密度は、端末が配置される領域内のネットワークデバイスの基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。基地局負荷強度は端末に対してワイヤレス測位を実行することに用いられるネットワークデバイスの負荷強度を指す。ネットワークデバイスについて、ネットワークデバイスに対応している基地局負荷強度と、ネットワークデバイスによって単位時間当たりにブロードキャストパケットを受信する回数との間には正の相関がある。ネットワークデバイスによって単位時間当たりにブロードキャストパケットを受信する回数が多ければ多いほど、より高い基地局負荷強度及びより高い電力消費がネットワークデバイスによって単位時間当たりに引き起こされたことを示す。逆に、ネットワークデバイスによって単位時間当たりにブロードキャストパケットを受信する回数が少なければ少ないほど、より低い基地局負荷強度及びより低い電力消費がネットワークデバイスによって単位時間当たりに引き起こされたことを示す。
【0077】
3.パケット送信成功率(英語:packet sending success rate)は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてについての平均的なブロードキャストパケット送信の成功率を指す。
【0078】
パケット送信成功率は、端末が配置される領域のチャネル競合強度(英語:channel contention strength)を測定することに主に用いられる。チャネル競合強度は、端末及びネットワークデバイスが配置されるネットワーク内の通信チャネルについての競合強度を指す。チャネル競合強度と、端末によって単位時間当たりにブロードキャストパケットを送信する回数との間には正の相関がある。端末によって単位時間当たりにブロードキャストパケットを送信する回数が多ければ多いほど、より高いチャネル競合強度及びより悪いネットワーク環境を示す。端末によって単位時間当たりにブロードキャストパケットを送信する回数が少なければ少ないほど、より低いチャネル競合強度及びより良いネットワーク環境を示す。
【0079】
4.端末が配置される領域は、端末と通信してブロードキャストパケットの送信及び受信を実施できる他の複数の端末を含む領域を指す。概して、端末が配置される領域は、端末の周囲の円形領域である。
【0080】
図2を参照すると、図2は本発明の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートを示す。本実施形態において、図1に示される実装環境内の端末に対して方法が適用される例が説明のために用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。方法は、以下の複数のステップを含み得る。
【0081】
ステップ202、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する。
【0082】
ステップ204、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。
【0083】
ステップ206、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定し、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0084】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。別の端末により送信されたブロードキャストパケットは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信され、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータは別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って決定され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度はチャネル環境パラメータに従って決定される。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0085】
図3Aを参照すると、図3Aは本発明の別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートを示す。本実施形態において、図1に示される実装環境内の端末に対して方法が適用される例が説明のために用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。方法は、以下の複数のステップを含み得る。
【0086】
ステップ301、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する。
【0087】
任意の端末について、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。具体的に、ブロードキャスト送信期間において、端末はブロードキャストパケットを送信し、ブロードキャスト受信期間において、端末は周辺領域内の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信する。図3Bに示されるように、図3Bはブロードキャスト受信期間及びブロードキャスト送信期間についての概略図の例を示す。ブロードキャスト受信期間及びブロードキャスト送信期間が次々と交互に起きる。
【0088】
端末が、異なる無線ネットワーク技術を用いることによりブロードキャストパケットを送信/受信するとき、異なる態様において、端末は、2つの動作形態間、すなわち、ブロードキャスト受信期間及びブロードキャスト送信期間を切り替える。例えば、端末により用いられる無線ネットワーク技術がBLE技術であるとき、端末の汎用アクセスプロファイル(英語:Generic Access Profile、略してGAP)層がブロードキャストモードにあるように構成されている場合、端末はブロードキャスト送信期間に稼働し、又は、端末のGAP層がオブザーバモードにあるように構成されている場合、端末はブロードキャスト受信期間に稼働する。別の例について、端末により用いられる無線ネットワーク技術がZigBee(登録商標)技術であるとき、任意の時間に、端末は、同じネットワーク内に配置されている別の端末にブロードキャストパケットを送信でき、又は、同じネットワーク内に配置されている別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信できる。
【0089】
異なる端末が非同期的に稼働することを有効にし、かつ、異なる端末についてのブロードキャスト受信期間とブロードキャスト送信期間との間のオーバーラップを回避すべく、各ブロードキャスト送信期間についての送信継続時間Tはランダムに決定され、各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間Tは、予め設定された固定値となるように設定され、異なる端末は、ブロードキャスト受信期間において同じ受信継続時間を有する。送信継続時間はT=T+Tσであり、Tは定数であり、Tσは区間[0、Tσm]内の乱数であってよく、Tσmは予め設定された最大乱数である。
【0090】
加えて、一部の測位領域内では、測位領域内の他の複数の端末のそれぞれがブロードキャスト受信期間に少なくとも一度ブロードキャストパケットを送信できることを確保するように、端末がブロードキャスト受信期間に稼働するとき、受信継続時間Tは、さらに、異なる端末が非同期的に稼働することを有効にされている間、
【数7】
より大きくなるように設定される必要があり、fminは予め設定された最小送信頻度である。しかしながら、ブロードキャスト受信期間の長過ぎる受信継続時間Tが端末の測位に影響を与えることを回避すべく、受信継続時間Tの最大値がさらに制限されてよく、又は、受信継続時間TとTとの間の割合の最大値がさらに制限されてよい。
【0091】
ステップ302、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する。
【0092】
チャネル環境パラメータは、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてにより単位時間当たりに送信されたブロードキャストパケットの数に関連する。チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。パケット時間密度は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてにより単位時間当たりに実際に送信されたブロードキャストパケットの総数であり、パケット時間密度は、端末が配置される領域内のネットワークデバイスの基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。パケット送信成功率は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべての平均的なブロードキャストパケット送信の成功率であり、パケット送信成功率は、端末が配置される領域のチャネル競合強度を測定することに主に用いられる。
【0093】
可能な実施態様において、端末は
【数8】
に従ってパケット時間密度ρを計算し、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表し、
【数9】
であり、Qは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の数を表し、Q≧1であり、Qは整数であり、k∈[1、Q]であり、kは整数であり、Tr(k)はk番目のブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を表す。
【0094】
が、端末によるQ個のブロードキャスト受信期間においてブロードキャストパケットを実際に受信した回数、すなわち、周辺領域内の他の複数の端末により、Q個のブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを実際に送信した回数を表すことが先述の式から理解され得る。パケット時間密度ρが大きければ大きいほど、端末が配置される領域についてのより高い基地局負荷強度を示す。逆に、パケット時間密度ρが小さければ小さいほど、端末が配置される領域についてのより低い基地局負荷強度を示す。
【0095】
もちろん、別の可能な計算方法では、端末により少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に実際に受信されたブロードキャストパケットの総数と、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計とに従って、パケット時間密度が計算されてよい。本実施形態では、一度ブロードキャストパケットを送信することが1つのブロードキャストパケットに対応している例のみが説明のために用いられる。特定の制限が本明細書において課せられることはない。
【0096】
端末がパケット送信成功率を計算する処理は、以下の第1ステップ及び第2ステップの2つのステップを含み得る。
【0097】
まず、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数が他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットに従って決定される。
【0098】
ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信したとき、ブロードキャストパケットは関連パラメータを運んでよく、これにより、ブロードキャスト受信期間に端末がブロードキャストパケットを受信した後、端末はブロードキャストパケットにおいて運ばれた関連パラメータに従って、端末のブロードキャスト受信期間の、ブロードキャスト送信期間における別の端末についてのパケットの理論的な送信回数を計算する。
【0099】
端末が配置される領域内のj番目の別の端末が例として用いられる。端末の少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数は、以下のステップ1から4を実行することによって計算され得る。
【0100】
1.端末は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間のうちのk番目のブロードキャスト受信期間に、端末が配置される領域内のj番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信し、端末は、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれた頻度パラメータに従って、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度fjkを決定する。
【0101】
頻度パラメータは送信頻度であってよく、又は、頻度レベルであってよい。
【0102】
第1の可能な実施態様において、頻度パラメータは送信頻度である。送信頻度は、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度として直接用いられる。
【0103】
ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、ブロードキャスト送信期間における別の端末の送信頻度をブロードキャストパケットに直接的にカプセル化してよく、これにより、ブロードキャスト受信期間に端末が送信頻度を直接読み取る。k番目のブロードキャスト受信期間において、端末は、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信し、ブロードキャストパケットは送信頻度fjkを運ぶ。端末は、ブロードキャストパケットから送信頻度fjkを直接読み取る。
【0104】
第2の可能な実施態様において、頻度パラメータは頻度レベルである。頻度レベルはj番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットから読み取られ、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度は頻度レベルに従って決定される。
【0105】
具体的に、送信頻度は異なる頻度レベルにさらに事前分類されてよい。異なる頻度レベルは異なる送信頻度に対応している。ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、ブロードキャスト送信期間における別の端末の頻度レベルをブロードキャストパケットにカプセル化してよい。ブロードキャスト受信期間に端末がブロードキャストパケットを受信した後、端末は、ブロードキャストパケットから頻度レベルを読み取り、予め設定されたアルゴリズムに従って送信頻度を計算する。k番目のブロードキャスト受信期間において、端末はj番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信し、ブロードキャストパケットは頻度レベルを運ぶ。端末は、ブロードキャストパケットから頻度レベルを読み取り、当該頻度レベルに従って送信頻度fjkを計算する。
【0106】
任意で、送信頻度は、2つの方法、幾何学的分類及び線形分類で異なる頻度レベルに分類されてよい。
【0107】
例えば、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度fjkが計算される。幾何学的分類が用いられるとき、端末は、第1のプリセットアルゴリズムを用いることにより頻度レベルmに従って送信頻度fjkを計算してよい。第1のプリセットアルゴリズムは、
【数10】
であり、aは比例係数であり、a>0であり、Mは頻度レベルの総数を表し、M≧2であり、Mは整数であり、fmaxは予め設定された最大送信頻度を表す。
【0108】
頻度レベルの総数Mは4に等しくなるように予め設定されていることが仮定されており、比例係数a=2であり、fmax=4p/s(回/秒)であり、各頻度レベルと送信頻度との間の対応関係は以下の表1に示される。
【表1】
【0109】
もちろん、送信頻度の変動範囲が拡張される必要があるとき、比例係数aの値が増加されてよい。逆に、送信頻度の変動範囲が縮小される必要があるとき、比例係数aの値が減少されてよい。加えて、fmaxは予め設定された最大送信頻度であり、その値は実際の状況に従って経験的な値に設定されてよい。
【0110】
例えば、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度fjkが計算される。線形分類が用いられるとき、端末は、第2のプリセットアルゴリズムを用いることにより頻度レベルmに従って送信頻度fjkを計算してよい。第2のプリセットアルゴリズムは、
【数11】
に従っており、Mは頻度レベルの総数を表し、M≧2であり、Mは整数であり、fmaxは予め設定された最大送信頻度を表し、fminは予め設定された最小送信頻度を表す。
【0111】
頻度レベルの総数Mが4に等しくなるように予め設定されていることが仮定されており、fmin=1p/sであり、fmax=4p/sであり、各頻度レベルと送信頻度との間の対応関係は以下の表2に示される。
【表2】
【0112】
maxは予め設定された最大送信頻度であり、その値は、実際の状況に従って経験的な値に設定されてよく、fminは予め設定された最小送信頻度であり、その値はまた、実際の状況に従って経験的な値に設定されてよい。
【0113】
2.k番目のブロードキャスト受信期間とj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間との間でオーバーラップされる期間の継続時間Δtjkは、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれた期間パラメータに従って計算される。
【0114】
本実施形態では、ブロードキャストパケットにおいて運ばれた期間パラメータが、別の端末に対応するブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数、及び、ブロードキャストパケットに対応する送信シーケンス番号を含む例が説明のために用いられる。
【0115】
ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、別の端末に対応する現在のブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数Nと、送信されるべきブロードキャストパケットに対応する送信シーケンス番号nとを送信されるべきブロードキャストパケットにカプセル化し、1≦n≦Nであり、Nは整数である。加えて、ブロードキャスト受信期間に端末を有効して、ブロードキャストパケットを受信した後に、ブロードキャストパケットを送信する端末を識別すべく、ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、送信されるべきブロードキャストパケットに別の端末のデバイス識別をさらにカプセル化してよい。デバイス識別は端末を識別することに用いられ、デバイスアドレス又はデバイスIDを用いることにより一般に表される。
【0116】
対応して、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットを受信した後に、端末は情報テーブルを生成してよい。情報テーブルは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれるデバイス識別、パケットの理論的な総送信回数、送信シーケンス番号、及び頻度レベル(又は送信頻度)を記録することに用いられる。例えば、情報テーブルは以下の表3に示され得る。
【表3】
【0117】
具体的に、別の端末により送信された任意のブロードキャストパケットについて、ブロードキャストパケットにおいて運ばれる期間パラメータは、別の端末に対応するブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数N、及び、ブロードキャストパケットに対応する送信シーケンス番号nを含む。この場合、端末は、以下の態様で、k番目のブロードキャスト受信期間と別の端末に対応するブロードキャスト送信期間との間でオーバーラップされる期間の継続時間Δtjkを計算してよい。
【0118】
まず、別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側開始送信時点tsj及び端末側終了送信時点tejが、パケットの理論的な総送信回数Nと、送信シーケンス番号nと、端末側時間に関連し、かつ、端末がブロードキャストパケットを受信する端末側受信時点tとに従って計算され、
【数12】
であり、
【数13】
であり、fは、j番目の別の端末に対応する送信頻度を表し、
【数14】
は、ブロードキャストパケットを送信するための2つの連続的な時間の間の時間間隔を表し、tは、端末がブロードキャストパケットを受信するローカルタイム、すなわち、端末側受信時点を表す。
【0119】
次に、オーバーラップされる期間の継続時間Δtjkは、k番目のブロードキャスト受信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側開始送信時点tsjと、端末側終了送信時点tejと、端末側開始受信時点tsr及び端末側終了受信時点terとに従って計算される。
【0120】
図3Cを参照すると、オーバーラップされる期間の継続時間Δtjkが計算されるとき、先述の4つのパラメータtsj、tej、tsr、及びterの間の値の関係は以下の3つの事例を含んでよい。
【0121】
第1事例において、tsj<tsr<ter<tejであるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=ter−tsrに従って計算される。
【0122】
第2事例において、tsr<tsj<ter<tejであるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=ter−tsjに従って計算される。
【0123】
第3事例において、tsj<tsr<tej<terあるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=tej−tsrに従って計算される。
【0124】
3.k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)はk番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度fjkと、対応するオーバーラップされる期間についての継続時間Δtjkとに従って計算される。
【0125】
端末は、先述の4つのパラメータtsj、tej、tsr、及びterの間の値の関係と、端末がk番目のブロードキャスト受信期間の開始時点又は終了時点に、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信するか否かと、及びj番目の別の端末がj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間の開始時点又は終了時点に、ブロードキャストパケットを送信するか否かとの3つの要素を参照して、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)を計算してよい。
【0126】
図3Cを参照すると、例として用いられる計算方法では、j番目の別の端末について、j番目の別の端末がj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間の開始時点及び終了時点の両方でブロードキャストパケットを送信することが予め設定されている場合、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)は以下の複数の可能性を有する。
【0127】
(1)tsj<tsr<ter<tejであり、端末がk番目のブロードキャスト受信期間の開始時点又は終了時点に、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信していない場合、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)は、式、Nt(jk)=[Δtjk×fjk]に従って計算される。
【0128】
(2)tsj<tsr<ter<tejであり、k番目のブロードキャスト受信期間の開始時点及び/又は終了時点に、j番目の別の端末により送信された複数のブロードキャストパケット又はブロードキャストパケットを端末が受信した場合、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)は、式、Nt(jk)=[Δtjk×fjk]+1に従って計算される。
【0129】
(3)tsr<tsj<ter<tejである場合、端末がk番目のブロードキャスト受信期間の終了時点に、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信するか否かに関係なく、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)は、式、Nt(jk)=[Δtjk×fjk]+1に従って計算される。
【0130】
(4)tsj<tsr<tej<terである場合、端末がk番目のブロードキャスト受信期間の開始時点に、j番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信するか否かに関係なく、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケット送信回数理論的な数Nt(jk)は、式、Nt(jk)=[Δtjk×fjk]+1に従って計算され、"[]"は丸め記号であり、Δtjkはk番目のブロードキャスト受信期間と、j番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間との間でオーバーラップされる期間の継続時間を表し、fjkはk番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末の送信頻度を表す。
【0131】
先述の計算処理では、j番目の別の端末がj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間の開始時点及び終了時点の両方でブロードキャストパケットを送信することが予め設定されているときのk番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)を計算することについての計算方法のみが説明のための例として用いられている。実際の応用では、端末は、先述の4つのパラメータtsj、tej、tsr、及びterの間の値の関係と、端末がk番目のブロードキャスト受信期間の開始時点又は終了時点にj番目の別の端末により送信されたブロードキャストパケットを受信するか否かと、及びj番目の別の端末がj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間の開始時点又は終了時点に、ブロードキャストパケットを送信するか否かとの3つの要素を参照して、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数を計算してよい。
【0132】
4.少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(j)は、各ブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数に従って計算される。
【0133】
計算によって、k番目のブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(jk)を取得した後、端末は、
【数15】
に従って少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるj番目の別の端末についてのパケットの理論的な送信回数Nt(j)を計算し、Qは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の数を表し、Q≧1であり、Qは整数であり、k∈[1、Q]であり、kは整数である。
【0134】
第2に、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数と、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数とに従ってパケット送信成功率が計算される。
【0135】
端末は、
【数16】
に従ってパケット送信成功率Sを計算し、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間にp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信したことを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の他の複数の端末のパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0136】
パケット送信成功率は、端末が配置される領域内の他の複数の端末の平均的なブロードキャストパケット送信の成功率を指す、すなわち、端末が配置される領域にあり、かつ、端末とブロードキャストパケットを交換できる他の複数の端末のすべての平均的なブロードキャストパケット送信の成功率を指すことが先述の式から理解され得る。「平均的な成功率」は、端末が配置される領域にあり、かつ、端末とブロードキャストパケットを交換できる他の複数の端末のうち1つではなくすべてに関連する。
【0137】
端末が、ブロードキャスト受信期間に同一の別の端末により送信された複数のブロードキャストパケットを受信した場合、端末は、複数のブロードキャストパケットのうち1つのみに従って、パケットの理論的な送信回数、及び端末のブロードキャスト受信期間における別の端末の送信頻度を計算でき、ブロードキャストパケットにおいて運ばれるデバイス識別に従って他の複数の端末を区別できることを留意すべきである。
【0138】
ステップ303、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定し、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0139】
図3Bを参照すると、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域のチャネル環境パラメータを決定した後、端末は、チャネル環境パラメータに従って後続のブロードキャスト送信期間における送信頻度を決定する。
【0140】
具体的には、(1)少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の数は1、すなわちQ=1であってよい。端末は、ブロードキャスト受信期間の後の1又は複数のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を、ブロードキャスト受信期間に決定されたチャネル環境パラメータに従って決定する、又は、(2)少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の数は1より大きい、すなわち、Q>1であってよい。端末は、2つ又はそれよりも多いブロードキャスト受信期間の後の1又は複数のブロードキャスト送信期間においてブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を、2つ又はそれよりも多いブロードキャスト受信期間において決定されたチャネル環境パラメータに従って決定する。
【0141】
具体的な例では、ブロードキャスト受信期間とブロードキャスト送信期間とが次々と交互に起こることが仮定され、ブロードキャスト受信期間は、シーケンス番号1、3、5及び7に対応しており、ブロードキャスト送信期間はシーケンス番号2、4、6及び8に対応している。端末は、ブロードキャスト受信期間1において決定されたチャネル環境パラメータに従ってブロードキャスト送信期間2における送信頻度を調整し、ブロードキャスト受信期間3において決定されたチャネル環境パラメータに従ってブロードキャスト送信期間4における送信頻度を調整する等してよい。代わりに、端末は、ブロードキャスト受信期間1及びブロードキャスト受信期間3において決定されたチャネル環境パラメータに従って、ブロードキャスト送信期間4、ブロードキャスト送信期間6、又は別の後続のブロードキャスト送信期間における送信頻度を調整する等してよい。ブロードキャスト受信期間及びブロードキャスト送信期間が次々と交互に起こり、端末がブロードキャスト受信期間において決定されたチャネル環境パラメータに従ってブロードキャスト受信期間の次のブロードキャスト送信期間における送信頻度を調整するとき、頻度調整の感度は比較的高く、調整効果はより明らかである。
【0142】
加えて、チャネル環境パラメータに含まれるパラメータの異なる種類及び数に従って、ステップは以下の3つの可能な実施態様を含む。
【0143】
第1の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含む。この場合、(1)パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は(2)パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0144】
パケット時間密度ρが小さければ小さいほど、端末が配置される領域についてのより低い基地局負荷強度を示し、送信頻度が適切にアップ調整され得る。逆に、パケット時間密度ρが大きければ大きいほど、端末が配置される領域についてのより高い基地局負荷強度を示し、送信頻度が適切にダウン調整され得る。
【0145】
任意で、第1の密度閾値ρは、第2の密度閾値ρより小さくてよく、又は第2の密度閾値ρと等しくてよい。ρ=ρ、すなわち、1つの密度閾値のみが設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。ρ<ρ、すなわち、2つの密度閾値が設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。しかしながら、ρ<ρ<ρであるとき、端末は、第1の送信頻度と同じ第2の送信頻度である送信頻度を用いてよい。
【0146】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット時間密度と送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット時間密度に従って対応関係を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って、1つずつ頻度レベルをアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態によって、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0147】
第2の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含む。この場合、(1)パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は(2)パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0148】
パケット送信成功率Sが大きければ大きいほど、端末が配置される領域についてのより低いチャネル競合強度を示し、送信頻度が適切にアップ調整され得る。逆に、パケット送信成功率Sが小さければ小さいほど、端末が配置される領域より高いチャネル競合強度を示し、送信頻度が適切にダウン調整され得る。
【0149】
任意で、第1の成功率閾値Sは、第2の成功率閾値Sより大きくてよく、又は、第2の成功率閾値Sと等しくてよい。S=S、すなわち、1つの成功率閾値のみが設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。S>S、すなわち、2つの成功率閾値が設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。しかしながら、S>S>Sであるとき、端末は、第1の送信頻度と同じ第2の送信頻度である送信頻度を用いてよい。
【0150】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット送信成功率と送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット送信成功率に従って対応関係を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って、1つずつ頻度レベルをアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は、実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0151】
第3の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含む。この場合、(1)パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は(2)パケット時間密度が第2の密度閾値より大きい、及び/又は、パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0152】
パケット時間密度ρが第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率Sが第1の成功率閾値より大きいとき、端末が配置される領域の基地局負荷強度及びチャネル競合強度の両方が比較的低いことを示し、端末は送信頻度を適切にアップ調整する。パケット時間密度ρが第2の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率Sが第2の成功率閾値より小さいとき、端末が配置される領域の基地局負荷強度及び/又はチャネル競合強度は比較的高いことを示し、端末は送信頻度を適切にダウン調整する。
【0153】
任意で、第1の密度閾値ρは、第2の密度閾値ρより小さくてよく、又は第2の密度閾値ρと等しくてよく、及び、第1の成功率閾値Sは、第2の成功率閾値Sより大きくてよく、又は第2の成功率閾値Sと等しくてよい。ρ=ρ、かつ、S=S、すなわち、1つの密度閾値及び1つの成功率閾値のみが設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。ρ<ρ、かつ、S>S、すなわち、2つの密度閾値及び2つの成功率閾値が設定されている場合、送信頻度は、先述の2つの事例(1)及び(2)に従ってアップ/ダウン調整される。しかしながら、先述の2つの事例(1)及び(2)以外の別の事例では、端末は、次のブロードキャスト送信期間における送信頻度として、前のブロードキャスト送信期間における送信頻度と同じ送信頻度を用いてよい。先述の2つの事例(1)及び(2)以外の別の事例は、ρ<ρ<ρかつS>S、ρ<ρ<ρかつS>S>S、又はρ<ρかつS>S>Sを含む。
【0154】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット時間密度と、パケット送信成功率と、送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット時間密度及びパケット送信成功率に従って対応関係を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って、1つずつ頻度レベルをアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0155】
本実施形態では、先述の3つの可能な実装態様のみが送信頻度の調整を説明するための例として用いられていることに留意すべきである。実際の応用では、別の可能な頻度調整ポリシーが端末に対して構成されてよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0156】
先述の3つの可能な実装態様では、パケット時間密度が第1の密度閾値及び/又は第2の密度閾値と等しい事例も、パケット送信成功率が第1の成功率閾値及び/又は第2の成功率閾値と等しい事例も考慮されていない、すなわちクリティカルポイントの事例が考慮されていないことにさらに留意すべきである。実際の応用では、クリティカルポイントの事例について、当業者は実際の要件に従って送信頻度調整ポリシーを決定してよい。当業者によって、これは、本実施形態に基づいて、容易に把握され得る。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0157】
端末が第1の送信頻度を決定した後、かつ、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に、端末は、ブロードキャスト送信期間に切り替え、決定された第1の送信頻度を用いることによりブロードキャストパケットを送信する。加えて、ブロードキャスト送信期間についての送信継続時間は以下のステップ304を実行することにより決定されてよい。
【0158】
ステップ304、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定する。
【0159】
各ブロードキャスト送信期間についての送信継続時間Tがランダムに決定されることが先述のステップ301において説明されてきたが、送信継続時間T=T+Tσであり、Tは定数であり、Tσは区間[0、Tσm]内の乱数であってよく、Tσmは予め設定された最大乱数である。
【0160】
先述のステップ304は、ステップ301からステップ303の前に実行されてよく、ステップ301からステップ303の後に実行されてよく、又はステップ301からステップ303と一緒に実行されてよいことに留意すべきである。本実施形態では、ステップ304がステップ301からステップ303の後に実行されることが例として用いられる。特定の制限が本明細書において課せられることはない。
【0161】
ステップ305、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信する。
【0162】
端末は、第1の送信頻度に従って、ブロードキャスト送信期間に単位時間当たりにブロードキャストパケットを送信するための回数、すなわち、ブロードキャストパケットを送信するための時間間隔を決定する。端末は、送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するための継続時間を決定する。
【0163】
端末のタイマは、無線周波数ワイヤレスモジュールによりブロードキャストパケットを送信/受信するための継続時間を記録し、管理し、制御する。ブロードキャスト受信期間の継続時間が予め設定された受信継続時間Tに達したとき、タイマは、端末のマイクロコントロールユニットにインジケーションを送信する。インジケーションを受信した後に、マイクロコントロールユニットは無線周波数ワイヤレスモジュールを制御してブロードキャストパケットを送信する。ブロードキャスト送信期間において、送信継続時間はT=T+Tσであり、送信頻度は先述のステップ303に従って決定された第1の送信頻度である。
【0164】
加えて、端末がブロードキャストパケットを送信するとき、測位を実施することに用いられる関連情報をブロードキャストパケットに組み込むことに加えて、端末は、さらに、以下のパラメータをブロードキャストパケットにカプセル化する必要がある。具体的に、このステップは以下の複数のサブステップを含んでよい。
【0165】
まず、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数Nが第1の送信頻度及び送信継続時間に従って計算され、N≧1であり、Nは整数である。
【0166】
第1の送信頻度がfであり、送信継続時間がTであることが仮定される。ブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数は、式、N=f×T+1に従って計算される。
【0167】
もちろん、別の可能な実施態様ではブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数Nが、式、N=f×T又はN=f×T−1に従って計算されてよい。実際の応用では、端末が、ブロードキャスト送信期間の開始時点又は終了時点にブロードキャストパケットを送信するか否かに従って、異なるアルゴリズムが選択されてよい。
【0168】
第2に、デバイス識別、パケットの理論的な総送信回数、ブロードキャストパケットに対応する送信シーケンス番号、及び頻度パラメータを含むブロードキャストパケットが生成される。
【0169】
頻度パラメータは送信頻度であってよく、又は、送信頻度に対応する頻度レベルであってよい。加えて、送信シーケンス番号は、一般に1からカウントされる。端末がブロードキャストパケットを送信した後に毎回、送信シーケンス番号が1ずつ増やされる。
【0170】
第3に、ブロードキャストパケットが送信される。
【0171】
先述のパラメータを運ぶブロードキャストパケットを生成した後、端末はブロードキャストパケットを送信する。対応して、周辺領域内のネットワークデバイス及びブロードキャスト受信期間にある別の端末がブロードキャストパケットを受信する。ネットワークデバイスは受信したブロードキャストパケットに従ってサーバと連係するように構成され、これにより、測位を一度完了する。ブロードキャスト受信期間にある別の端末は、別の端末が配置される領域のチャネル環境パラメータを受信したブロードキャストパケットに従って決定し、次に、送信頻度の適応調整を完了するように構成される。
【0172】
さらに、端末のタイマは、無線周波数ワイヤレスモジュールによりブロードキャストパケットを送信/受信するための継続時間を記録し、管理し、制御する。ブロードキャスト送信期間の継続時間が送信継続時間Tに達したとき、タイマは、端末のマイクロコントロールユニットにインジケーションを送信する。インジケーションを受信した後に、マイクロコントロールユニットは、無線周波数ワイヤレスモジュールを制御してブロードキャストパケットを送信することを停止し、次のブロードキャスト受信期間が開始する。次のブロードキャスト受信期間において、受信継続時間は依然としてTであり、先述のステップ301からステップ305が繰り返し実行される。
【0173】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0174】
加えて、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法によれば、チャネル環境パラメータは、さらに、パケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を用いることにより表される。パケット時間密度及びパケット送信成功率は互いに相関があるが、ある程度互いに異なる。パケット時間密度及びパケット送信成功率の両方は、端末が配置される領域内の他の複数の端末により単位時間当たりに送信されたブロードキャストパケットの数をある程度反映する。パケット時間密度は基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。パケット送信成功率はチャネル競合強度を測定することに主に用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間に測定された先述の2つのパラメータのうちの一方又は両方を用いることにより、後続のブロードキャスト送信期間における送信頻度を適応的に調整し、これにより、周辺環境の基地局負荷強度及びチャネル競合強度を効果的に制御し、測位の信頼性及び測位の成功率を確保しつつ、ネットワークデバイスのエネルギー消費のバランスをとり、ネットワーク寿命を長くする。
【0175】
加えて、本実施形態は、2つの頻度レベル分類方法をさらに提供し、送信頻度の調整に応答することが、異なる頻度レベルを設定することにより加速され得る。線形分類方法は、送信頻度の変動範囲を比較的安定させることに用いられてよい。幾何学的分類方法は、送信頻度の変動範囲を比較的明らかにすることに用いられてよい。実際の応用では、異なる分類方法が実際の状況に従って選択されてよい。
【0176】
端末の初期の動作ステータスがブロードキャスト送信期間である場合、ブロードキャスト送信期間における送信頻度が実際の状況に従って予め設定されてよいことにさらに留意すべきである。例えば、送信頻度は予め設定された最大送信頻度fmaxに設定される。
【0177】
図4を参照すると、図4は本発明の別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法フローチャートを示す。本実施形態において、図1に示される実装環境内の端末に方法が適用される例が説明のためにさらに用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。方法は、以下の複数のステップを含み得る。
【0178】
ステップ401、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信する。
【0179】
任意の端末について、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。各ブロードキャスト送信期間についての送信継続時間Tはランダムに決定され、送信継続時間はT=T+Tσであり、Tは定数であり、Tσは区間[0、Tσm]内の乱数であってよく、Tσmは予め設定された最大乱数である。各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間Tは予め設定された固定値であり、異なる端末がブロードキャスト受信期間に同じ受信継続時間を有する。受信継続時間は、
【数17】
であり、fminは予め設定された最小送信頻度である。
【0180】
ステップ402、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定する。
【0181】
チャネル環境パラメータは、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてにより単位時間当たりに送信されたブロードキャストパケットの数に関連する。チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。パケット時間密度は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてにより単位時間当たりに実際に送信されたブロードキャストパケットの総数であり、パケット時間密度は、端末が配置される領域内のネットワークデバイスの基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。パケット送信成功率は、端末が配置される領域内の他の複数の端末のすべてについての平均的なブロードキャストパケット送信の成功率であり、パケット送信成功率は、端末が配置される領域のチャネル競合強度を測定することに主に用いられる。
【0182】
パケット時間密度ρを計算することについての処理は、図3Aに示される実施形態において、詳細に説明されてきた。詳細については、図3Aに示される実施形態を参照する。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0183】
端末がパケット送信成功率を計算する処理は、以下の第1ステップ及び第2ステップの2つのステップを含み得る。
【0184】
まず、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数が他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットに従って決定される。
【0185】
第2に、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数と、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数とに従ってパケット送信成功率が計算される。
【0186】
本実施形態と図3Aに示される実施形態との間の差は、次のとおりである。図3Aに示される実施形態では、端末がオーバーラップされる期間の継続時間Δtjkを計算するとき、期間パラメータは別の端末に対応するブロードキャスト送信期間におけるパケットの理論的な総送信回数と、ブロードキャストパケットに対応する送信シーケンスとを含む。本実施形態では、期間パラメータが、別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、別の端末側時間に関連する別の端末側開始送信時点及び別の端末側終了送信時点、並びにブロードキャストパケットの別の端末側送信時点を含む例が説明のために用いられる。
【0187】
ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、現在の対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、別の端末側時間に関連する別の端末側開始送信時点tsj´及び別の端末側終了送信時点tej´と、送信されるべきブロードキャストパケットについてのものであり、別の端末側時間に関連する別の端末側送信時点tbj´とを、送信されるべきブロードキャストパケットにカプセル化する。すなわち、先述のtsj´、tej´、tbj´は、別の端末に対応するローカルタイムに従ってブロードキャスト送信期間に別の端末により決定される。
【0188】
加えて、ブロードキャスト受信期間に端末を有効にして、ブロードキャストパケットを受信した後に、ブロードキャストパケットを送信する端末を識別すべく、ブロードキャスト送信期間に別の端末がブロードキャストパケットを送信するとき、別の端末は、送信されるべきブロードキャストパケットに別の端末のデバイス識別をさらにカプセル化してよい。デバイス識別は、端末を識別することに用いられ、デバイスアドレス又はデバイスIDを用いることにより一般に表される。
【0189】
対応して、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットを受信した後に、端末は情報テーブルを生成してよい。情報テーブルは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれるデバイス識別、現在のブロードキャストパケットに対応する別の端末側開始送信時点tsj´、別の端末側終了送信時点tej´、別の端末側送信時点tbj´、及び頻度レベル(又は送信頻度)を記録することに用いられる。例えば、情報テーブルは以下の表4に示され得る。
【表4】
【0190】
具体的に、別の端末により送信された任意のブロードキャストパケットについて、ブロードキャストパケットにおいて運ばれる期間パラメータは、別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、別の端末側時間に関連する別の端末側開始送信時点tsj´及び別の端末側終了送信時点tej´、並びにブロードキャストパケットの別の端末側送信時点tbj´を含む。この場合、端末は、以下の態様で、k番目のブロードキャスト受信期間と別の端末に対応するブロードキャスト送信期間との間でオーバーラップされる期間の継続時間Δtjkを計算してよい。
【0191】
まず、j番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側開始送信時点tsjは、別の端末側開始送信時点tsj´と、別の端末側送信時点tbj´と、端末側時間に関連し、かつ、端末がブロードキャストパケットを受信する端末側受信時点tとに従って計算され、tsj=t−(tbj´−tsj´)である。
【0192】
シーケンス番号が1である先述のブロードキャストパケットが例として用いられる。端末がブロードキャストパケットを受信する端末側受信時点tが00:70であることが仮定され、端末側受信時点tが端末のローカルタイムに従って端末により決定される。ブロードキャストパケットを送信するj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側開始送信時点tsjは、式、tsj=t−(tbj´−tsj´)=00:70−(00:24−00:20)=00:66に従って計算される。
【0193】
次に、j番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側終了送信時点tejは、別の端末側終了送信時点tej´と、別の端末側送信時点tbj´と、端末側時間に関連し、かつ、端末がブロードキャストパケットを受信する端末側受信時点tejとに従って計算され、tej=t−(tej´−tbj´)である。
【0194】
シーケンス番号が1である先述のブロードキャストパケットが例としてさらに用いられる。ブロードキャストパケットを送信するj番目の別の端末に対応するブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側終了送信時点は、式、tsj=t−(tbj´−tsj´)=00:70+(00:50−00:24)=00:90に従って計算される。
【0195】
最後に、オーバーラップされる期間の継続時間Δtjkは、現在のブロードキャスト受信期間についてのものであり、かつ、端末側時間に関連する端末側開始送信時点tsjと、端末側終了送信時点tejと、端末側開始受信時点tsr及び端末側終了受信時点terに従って計算される。
【0196】
図3Cを参照すると、オーバーラップされる期間の継続時間Δtjkが計算されるとき、先述の4つのパラメータtsj、tej、tsr、及びterの間の値の関係は以下の3つの事例を含んでよい。
【0197】
第1事例において、tsj<tsr<ter<tejであるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=ter−tsrに従って計算される。
【0198】
第2事例において、tsr<tsj<ter<tejであるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=ter−tsjに従って計算される。
【0199】
第3事例において、tsj<tsr<tej<terあるとき、オーバーラップされる期間の継続時間は、式、Δtjk=tej−tsrに従って計算される。
【0200】
本実施形態と図3Aに示される実施形態との間の差は、以下のとおりである。本実施形態では、送信頻度を調整するとき、端末は、チャネル環境パラメータに関する後続のブロードキャスト送信期間における第1の送信頻度と、ブロードキャスト送信期間における端末の第2の送信頻度とを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前に決定する。詳細は以下のとおりである。
【0201】
ステップ403、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれた頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。
【0202】
別の端末の送信頻度を決定することについての処理は、図3Aに示される実施形態のステップ302に詳細に説明されている。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0203】
ステップ404、チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定する。
【0204】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。チャネル環境パラメータに含まれるパラメータの異なる種類及び数に従って、ステップは以下の3つの可能な実施態様を含む。
【0205】
第1の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータがパケット時間密度のみを含む。この場合、(1)パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は(2)パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0206】
第3の密度閾値及び第4の密度閾値の両方は予め設定された経験的な値である。パケット時間密度が小さければ小さいほど、端末が配置される領域についてのより低い基地局負荷強度を示し、送信頻度が適切にアップ調整され得る。逆に、パケット時間密度ρが大きければ大きいほど、端末が配置される領域についてのより高い基地局負荷強度を示し、送信頻度が適切にダウン調整され得る。
【0207】
加えて、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、いくつかの端末が過度に高い送信頻度を有するが、いくつかの端末が過度に低い送信頻度を有することを回避すべく、送信頻度をアップ調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間において端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する必要がある。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。そうでなければ、前の送信頻度が依然として用いられ、送信頻度がより低い別の端末は送信頻度をアップ調整し、これにより、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保する。
【0208】
同様に、送信頻度をダウン調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する必要がある。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。そうでなければ、前の送信頻度が依然として用いられ、送信頻度がより高い別の端末は送信頻度をダウン調整し、これにより、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保する。
【0209】
任意で、第3の密度閾値は第4の密度閾値と等しくてよい、すなわち、1つの密度閾値のみが設定される。代わりに、第3の密度閾値は第4の密度閾値より小さくてよい、すなわち、2つの密度閾値が設定される。可能な実施形態では、1つの密度閾値を設定するか、又は2つの密度閾値を設定するかに関係なく、先述の2つの事例(1)及び(2)に加えて、端末は、第1の送信頻度として、第2の送信頻度と同じである送信頻度を用いてよい。
【0210】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット時間密度と送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット時間密度に従って対応を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って頻度レベルを1つずつアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0211】
第2の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含む。この場合、(1)パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は(2)パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0212】
第3の成功率閾値及び第4の成功率閾値の両方は予め設定された経験的な値である。パケット送信成功率Sが大きければ大きいほど、端末が配置される領域についてのより低いチャネル競合強度を示し、送信頻度が適切にアップ調整され得る。逆に、パケット送信成功率Sが少なければ少ないほど、端末が配置される領域についてのより高いチャネル競合強度を示し、送信頻度が適切にダウン調整され得る。
【0213】
加えて、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、いくつかの端末が過度に高い送信頻度を有するが、いくつかの端末が過度に低い送信頻度を有することを回避すべく、送信頻度をアップ調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する必要がある。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。同様に、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。
【0214】
任意で、第3の成功率閾値は第4の成功率閾値と等しくてよい、すなわち、1つの成功率閾値のみが設定される。代わりに、第3の成功率閾値は第4の成功率閾値より大きくてよい、すなわち、2つの成功率閾値が設定される。可能な実施形態では、1つの成功率閾値を設定するか、又は2つの成功率閾値を設定するかに関係なく、先述の2つの事例(1)及び(2)に加えて、端末は、第1の送信頻度として、第2の送信頻度と同じである送信頻度を用いてよい。
【0215】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット送信成功率と送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット送信成功率に従って対応関係を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って頻度レベルを1つずつアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0216】
第3の可能な実施態様では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含む。この場合、(1)パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第2の送信頻度より高い送信頻度が第1の送信頻度として用いられ、又は、(2)パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又はパケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第2の送信頻度より低い送信頻度が第1の送信頻度として用いられる。第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0217】
パケット時間密度ρが第3の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率Sが第3の成功率閾値より大きいとき、端末が配置される領域の基地局負荷強度及びチャネル競合強度の両方が比較的低いことを示し、端末は送信頻度を適切にアップ調整する。パケット時間密度ρが第4の密度閾値より大きく、及び/又は、パケット送信成功率Sが第4の成功率閾値より小さいとき、端末が配置される領域の基地局負荷強度及び/又はチャネル競合強度が比較的高いことを示し、端末は送信頻度を適切にダウン調整する。
【0218】
加えて、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、いくつかの端末が過度に高い送信頻度を有するが、いくつかの端末が過度に低い送信頻度を有することを回避すべく、送信頻度をアップ調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する必要がある。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。同様に、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。
【0219】
第3の可能な実施態様と第1及び第2の可能な実施態様との間の類似点は次のとおりであり、1つの密度閾値又は2つの密度閾値が設定されてよく、1つの成功率閾値又は2つの成功率閾値も設定されてよい。可能な実施形態では、密度閾値の数又は成功率閾値の数に関係なく、先述の2つの事例(1)及び(2)に加えて、端末は、第1の送信頻度として、第2の送信頻度と同じである送信頻度を用いてよい。
【0220】
加えて、端末は、予め設定された頻度調整範囲に従って送信頻度をアップ/ダウン調整してよい。代わりに、パケット時間密度と、パケット送信成功率と、送信頻度との間の予め設定された対応関係に従って、端末は、第1の送信頻度を決定すべく、パケット時間密度及びパケット送信成功率に従って対応関係を問い合わせてよい。代わりに、端末は、予め設定された頻度レベルに従って、1つずつ頻度レベルをアップ/ダウン調整してよい。もちろん、端末は実際の要件に従って異なる調整ポリシーを予め設定してよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0221】
本実施形態では、先述の3つの可能な実装態様のみが送信頻度の調整を説明するための例として用いられていることに留意すべきである。実際の応用では、別の可能な頻度調整ポリシーが端末に対して構成されてよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0222】
先述の3つの可能な実装態様では、パケット時間密度が第3の密度閾値及び/又は第4の密度閾値と等しい事例も、パケット送信成功率が第3の成功率閾値及び/又は第4の成功率閾値と等しい事例も考慮されていない、すなわち、クリティカルポイントの事例が考慮されていないことにさらに留意すべきである。実際の応用では、クリティカルポイントの事例について、当業者は実際の要件に従って送信頻度調整ポリシーを決定してよい。当業者によって、これは、本実施形態に基づいて、容易に把握され得る。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0223】
端末が第1の送信頻度を決定した後、かつ、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に、端末は、ブロードキャスト送信期間に切り替え、決定された第1の送信頻度を用いることによりブロードキャストパケットを送信する。
【0224】
ステップ405、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定する。
【0225】
ステップ406、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信する。
【0226】
先述のステップ405及びステップ406は、図3Aに示される実施形態におけるステップ304及びステップ305と同じ又は同様であってよい。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0227】
本実施形態と図3Aに示される実施形態との間の差は以下のとおりである。端末がブロードキャストパケットを生成するとき、測位を実施するために用いられる関連情報をブロードキャストパケットに組み込むことに加えて、端末は、さらに、以下のパラメータをブロードキャストパケットにカプセル化する必要がある。具体的に、ステップ406は、以下の複数のサブステップを含んでよい。
【0228】
まず、ブロードキャスト送信期間についてのものであり、かつ端末側時間に関連する端末側開始送信時点及び端末側終了送信時点が送信継続時間に従って決定される。
【0229】
送信継続時間がTであると仮定される。端末側終了送信時点はtej´=tsj´+Tであり、tsj´は端末側開始送信時点を表す。
【0230】
第2に、デバイス識別、端末側開始送信時点、端末側終了送信時点、ブロードキャストパケットの端末側送信時点、及び頻度パラメータを含むブロードキャストパケットが生成される。
【0231】
第3に、ブロードキャストパケットが送信される。
【0232】
先述のパラメータを運ぶブロードキャストパケットを生成した後、端末はブロードキャストパケットを送信する。対応して、周辺領域内のネットワークデバイス及びブロードキャスト受信期間にある別の端末がブロードキャストパケットを受信する。ネットワークデバイスは受信したブロードキャストパケットに従ってサーバと連係するように構成され、これにより、測位を一度完了する。ブロードキャスト受信期間にある別の端末は、別の端末が配置される領域のチャネル環境パラメータを受信したブロードキャストパケットに従って決定し、次に、送信頻度の適応調整を完了するように構成される。
【0233】
さらに、端末のタイマは、無線周波数ワイヤレスモジュールによりブロードキャストパケットを送信/受信するための継続時間を記録し、管理し、制御する。ブロードキャスト送信期間の継続時間が送信継続時間Tに達したとき、タイマは、端末のマイクロコントロールユニットにインジケーションを送信する。インジケーションを受信した後に、マイクロコントロールユニットは、無線周波数ワイヤレスモジュールを制御してブロードキャストパケットを送信することを停止し、次のブロードキャスト受信期間が開始する。次のブロードキャスト受信期間において、受信継続時間は依然としてTであり、先述のステップ401からステップ406が繰り返し実行される。
【0234】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。別の端末により送信されたブロードキャストパケットは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信され、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータは別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って決定され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度はチャネル環境パラメータに従って決定される。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0235】
加えて、図3Aに示される実施形態と比較すると、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法によれば、端末の送信頻度を調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。代わりに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。これは、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、端末のエネルギー効率のバランスをとることに役立ち、端末の測位効果のバランスをとることに役立つ。
【0236】
加えて、先述の図3Aに示される実施形態及び先述の図4に示される実施形態は2つの異なる技術的解決手段を提供する。図3Aに示される実施形態では、各ブロードキャストパケットは、デバイス識別、パケットの理論的な総送信回数、ブロードキャストパケットに対応する送信シーケンス番号、及び頻度パラメータを運ぶ。図4に示される実施形態では、各ブロードキャストパケットは、デバイス識別、現在のブロードキャスト送信期間の開始送信時点及び現在のブロードキャスト送信期間の終了送信時点、ブロードキャストパケットの送信時点、並びに頻度パラメータを運ぶ。実際の応用では、先述の技術的解決手段のいずれかが周辺環境のチャネル環境パラメータを計算することに用いられ、次に、チャネル環境パラメータに従って送信頻度を適応的に調整してよい。
【0237】
以下は本発明の装置の実施形態であり、装置の実施形態及び先述の方法の実施形態は互いに対応している。本発明の装置の実施形態に開示されていない詳細については、本発明の方法の実施形態を参照する。
【0238】
図5を参照すると、図5は本発明の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置の構造的なブロック図を示す。図1に示される実装環境における端末の一部又は全体として、装置は、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを用いることにより実装されてよい。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。装置は、パケット受信モジュール510、パラメータ決定モジュール520、及び頻度決定モジュール530を含んでよい。
【0239】
パケット受信モジュール510は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成される。
【0240】
パラメータ決定モジュール520は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。
【0241】
頻度決定モジュール530は、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成され、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0242】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0243】
図6Aを参照すると、図6Aは本発明の別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置の構造的なブロック図を示す。図1に示される実装環境における端末の一部又は全体として、装置は、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを用いることにより実装されてよい。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。装置は、パケット受信モジュール510、パラメータ決定モジュール520、及び頻度決定モジュール530を含んでよい。
【0244】
パケット受信モジュール510は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成される。
【0245】
パラメータ決定モジュール520は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。
【0246】
図6Bを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット時間密度を含み、パラメータ決定モジュール520は密度計算ユニット520aを含む。
【0247】
密度計算ユニット520aは、
【数18】
に従ってパケット時間密度ρを計算するように構成され、Nは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す。
【0248】
図6Cを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率を含み、パラメータ決定モジュール520は回数決定ユニット520b及び成功率計算ユニット520cを含む。
【0249】
回数決定ユニット520bは、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットに従って、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数を決定するように構成される。
【0250】
成功率計算ユニット520cは、
【数19】
に従ってパケット送信成功率Sを計算するように構成され、Nは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間にp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信したことを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Nは少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるP個の他の複数の端末のパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0251】
異なる実装態様において、パラメータ決定モジュール520は密度計算ユニット520aのみを含んでよく、又は、回数決定ユニット520b及び成功率計算ユニット520cのみを含んでよく、又は、密度計算ユニット520a、回数決定ユニット520b、及び成功率計算ユニット520cを含んでよいことに留意すべきである。パラメータ決定モジュール520に含まれる機能モジュールの種類及び数は、チャネル環境パラメータに含まれるパラメータの種類及び数に従って決定される。
【0252】
頻度決定モジュール530は、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成され、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0253】
頻度決定モジュール530はチャネル環境パラメータに含まれるパラメータの異なる種類及び数に従って異なる機能モジュールを含む。詳細は以下のとおりである。
【0254】
1.図6Dを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、頻度決定モジュール530は第1のアップ調整ユニット530a及び第1のダウン調整ユニット530bを含む。
【0255】
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第1のアップ調整ユニット530aは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0256】
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第1のダウン調整ユニット530bは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成される。
【0257】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0258】
2.図6Eを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、頻度決定モジュール530は第2のアップ調整ユニット530c及び第2のダウン調整ユニット530dを含む。
【0259】
パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第2のアップ調整ユニット530cは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0260】
パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第2のダウン調整ユニット530dは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成される。
【0261】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0262】
3.図6Fを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、頻度決定モジュール530は第3のアップ調整ユニット530e及び第3のダウン調整ユニット530fを含む。
【0263】
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第3のアップ調整ユニット530eは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0264】
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きく、及び/又はパケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第3のダウン調整ユニット530fは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成される。
【0265】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0266】
任意で、本実施形態において提供される装置は、さらに、継続時間決定モジュール540及びパケット送信モジュール550を含む。
【0267】
継続時間決定モジュール540は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定するように構成される。
【0268】
パケット送信モジュール550は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するように構成される。
【0269】
任意で、本実施形態において提供される装置は、さらに、継続時間設定モジュール560を含む。
【0270】
継続時間設定モジュール560は、予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間と等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定するように構成される。
【0271】
いくつかの異なる実装態様において、図6Aに示される機能モジュールが、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として別々に実施されてよいことに留意すべきである。代わりに、図6A図6B、及び図6Dに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。代わりに、図6A図6C、及び図6Eに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。代わりに、図6A図6B図6C、及び図6Fに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。実際の応用では、異なる機能モジュールの組み合わせが実際の要件に従って選択されてよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0272】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0273】
加えて、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置によれば、チャネル環境パラメータは、さらに、パケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を用いることにより表される。パケット時間密度及びパケット送信成功率は互いに相関があるが、ある程度互いに異なる。パケット時間密度予備パケット送信成功率の両方は、端末が配置される領域内の他の複数の端末により単位時間当たりに送信されたブロードキャストパケットの数をある程度反映する。パケット時間密度は基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。パケット送信成功率はチャネル競合強度を測定することに主に用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間に測定された先述の2つのパラメータのうちの一方又は両方を用いることにより後続のブロードキャスト送信期間における送信頻度を適応的に調整し、これにより、周辺環境の基地局負荷強度及びチャネル競合強度を効果的に制御し、測位の信頼性及び測位の成功率を確保しつつ、ネットワークデバイスのエネルギー消費のバランスをとり、ネットワーク寿命を長くする。
【0274】
図7Aを参照すると、図7Aは本発明のさらに別の実施形態に係るブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置の構造的なブロック図を示す。図1に示される実装環境における端末の一部又は全体として、装置は、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを用いることにより実装されてよい。端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。装置は、パケット受信モジュール510、パラメータ決定モジュール520、及び頻度決定モジュール530を含んでよい。
【0275】
パケット受信モジュール510は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成される。
【0276】
パラメータ決定モジュール520は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。
【0277】
頻度決定モジュール530は、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成され、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0278】
パラメータ決定モジュール520に含まれる機能モジュールは、図6Aに示される実施形態において詳細に説明されている。詳細は本実施形態において再び説明されることはない。
【0279】
本実施形態と図6Aに示される実施形態との間の差は以下のとおりである。本実施形態では、頻度決定モジュール530は、具体的には、頻度取得ユニット531及び頻度決定ユニット532を含む。
【0280】
頻度取得ユニット531は、他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定するように構成される。
【0281】
頻度決定ユニット532は、他の複数の端末のそれぞれについてのチャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び送信頻度に従って第1の送信頻度を決定するように構成される。
【0282】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0283】
頻度決定ユニット532は、チャネル環境パラメータに含まれるパラメータの異なる種類及び数に従って異なる機能モジュールを含む。詳細は以下のとおりである。
【0284】
1.図7Bを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含み、頻度決定ユニット532は第1のアップ調整サブユニット532a及び第1のダウン調整サブユニット532bを含む。
【0285】
第1のアップ調整サブユニット532aは、パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0286】
第1のダウン調整サブユニット532bは、パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように用いるように構成される。
【0287】
第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0288】
2.図7Cを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含み、頻度決定ユニット532は第2のアップ調整サブユニット532c及び第2のダウン調整サブユニット532dを含む。
【0289】
パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第2のアップ調整サブユニット532cは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0290】
第2のダウン調整サブユニット532dは、パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成される。
【0291】
第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0292】
3.図7Dを参照すると、この場合、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含み、頻度決定ユニット532は第3のアップ調整サブユニット532e及び第3のダウン調整サブユニット532fを含む。
【0293】
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第3のアップ調整サブユニット532eは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いるように構成される。
【0294】
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又はパケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第3のダウン調整サブユニット532fは、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いるように構成される。
【0295】
第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0296】
任意で、本実施形態に提供される装置は、さらに、継続時間決定モジュール540及びパケット送信モジュール550を含む。
【0297】
継続時間決定モジュール540は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定するように構成される。
【0298】
パケット送信モジュール550は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するように構成される。
【0299】
任意で、本実施形態において提供される装置は、さらに、継続時間設定モジュール560を含む。
【0300】
継続時間設定モジュール560は、予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間と等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定するように構成される。
【0301】
いくつかの異なる実装態様において、図7Aに示される機能モジュールが、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として、別々に実施されてよいことに留意すべきである。代わりに、図7A図6B、及び図7Bに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。代わりに、図7A図6C、及び図7Cに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。代わりに、図7A図6B図6C、及び図7Dに示される機能モジュールは、本発明の本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置として組み合わせられて実装されてよい。実際の応用では、異なる機能モジュールの組み合わせが実際の要件に従って選択されてよい。本実施形態は、本明細書において特定の制限が課されることはない。
【0302】
要するに、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0303】
加えて、図6Aに示される実施形態と比較すると、本実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置によれば、端末の送信頻度を調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。代わりに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。これは、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、端末のエネルギー効率のバランスをとることに役立ち、端末の測位効果のバランスをとることに役立つ。
【0304】
先述の実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置がブロードキャストパケットを送信又は受信するとき、先述の機能モジュールの分割が説明のための例として用いられることに留意すべきである。実際の応用では、先述の機能は、要件に従って実装に対する異なる機能モジュールに割り当てられてよい、すなわち、デバイスの内部構造は、上記で説明した機能のすべて又はいくつかを実装すべく異なる機能モジュールに分割される。加えて、先述の実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための装置及び以下の実施形態において提供されるブロードキャストパケットの送信頻度を制御するための方法についての方法の実施形態は、同じコンセプトに関連する。具体的な実装処理については、方法の実施形態を参照する。詳細は本明細書において再び説明されることはない。
【0305】
図8を参照すると、図8は本発明の実施形態に係る端末の構造的なブロック図を示す。端末800は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末800は、バス810と、バス810を用いることにより互いに通信するプロセッサ820、メモリ830、及びトランシーバ840とを含む。メモリ830は1又は複数の命令を格納するように構成され、1又は複数の命令はプロセッサ820により実行されるように構成される。
【0306】
トランシーバ840は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信するように構成される。
【0307】
プロセッサ820は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定するように構成され、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含む。
【0308】
プロセッサ820は、さらに、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定するように構成され、第1の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0309】
要するに、本実施形態において提供される端末によれば、端末は、ブロードキャスト受信期間にブロードキャストパケットを受信してブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するように構成される。端末は、別の端末により送信されたブロードキャストパケットを少なくとも1つのブロードキャスト受信期間に受信し、別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定し、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を含み、次に、チャネル環境パラメータに従って、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定する。そのため、端末によりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度が柔軟性を欠くという背景技術部分で説明される課題が解決され、送信頻度はチャネル環境パラメータに従って適応的に調整され、ブロードキャストパケット送信の柔軟性が改善される。
【0310】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含む。
【0311】
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0312】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値である。
【0313】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含む。
【0314】
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0315】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0316】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含む。
【0317】
チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第1の密度閾値より小さく、かつ、パケット送信成功率が第1の成功率閾値より大きいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第2の密度閾値より大きく、及び/又はパケット送信成功率が第2の成功率閾値より小さいとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0318】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度であり、第1の密度閾値≦第2の密度閾値であり、第1の成功率閾値≧第2の成功率閾値である。
【0319】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータに従って第1の送信頻度を決定することは、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットにおいて運ばれる頻度パラメータに従って、他の複数の端末のそれぞれによりブロードキャストパケットを送信するための送信頻度を決定することと、
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することとを含む。
【0320】
第2の送信頻度は、端末による少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の前のブロードキャスト送信期間にブロードキャストパケットを送信するための送信頻度である。
【0321】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度のみを含む。
【0322】
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0323】
第3の密度閾値≦第4の密度閾値である。
【0324】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率のみを含む。
【0325】
チャネル環境パラメータ、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度に従って第1の送信頻度を決定することは、
パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0326】
第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0327】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度及びパケット送信成功率を含む。
【0328】
チャネル環境パラメータ、第1の送信頻度、第2の送信頻度、及び他の複数の端末のそれぞれについての送信頻度を決定することは、
パケット時間密度が第3の密度閾値より小さく、パケット送信成功率が第3の成功率閾値より大きく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より高い送信頻度を用いること、又は、
パケット時間密度が第4の密度閾値より大きく、及び/又はパケット送信成功率が第4の成功率閾値より小さく、かつ、第2の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、第1の送信頻度として、第2の送信頻度より低い送信頻度を用いることを含む。
【0329】
第3の密度閾値≦第4の密度閾値であり、第3の成功率閾値≧第4の成功率閾値である。
【0330】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット時間密度を含む。
【0331】
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定することは、
【数20】
に従ってパケット時間密度ρを計算することを含み、
は、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Tは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間の合計を表す。
【0332】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、チャネル環境パラメータはパケット送信成功率を含む。
【0333】
別の端末により送信されたブロードキャストパケットに従って、端末が配置される領域についてのチャネル環境パラメータを決定することは、
他の複数の端末のそれぞれにより送信されたブロードキャストパケットに従って、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における他の複数の端末のそれぞれについてのパケットの理論的な送信回数を決定することと、
【数21】
に従ってパケット送信成功率Sを計算することとを含み、
Nrは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間における端末のパケットの受信回数を表し、Pは、端末が少なくとも1つのブロードキャスト受信期間においてp個の他の複数の端末からブロードキャストパケットを受信することを示し、P≧1であり、Pは整数であり、j∈[1、P]であり、jは整数であり、Ntは、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間におけるp個の他の複数の端末のパケットの理論的な送信回数の合計を表す。
【0334】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、プロセッサ820は、さらに、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間の後のブロードキャスト送信期間についての送信継続時間をランダムに決定するように構成される。
【0335】
トランシーバ840は、さらに、少なくとも1つのブロードキャスト受信期間が終了した後に第1の送信頻度及び送信継続時間に従ってブロードキャストパケットを送信するように構成される。
【0336】
図8に示される実施形態に基づいて提供される任意の実施形態では、プロセッサ820は、さらに、予め設定された最小送信頻度の逆数より大きくすべく各ブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定し、別の端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間に等しくすべく端末についてのブロードキャスト受信期間についての受信継続時間を設定するように構成される。
【0337】
任意で、本実施形態において提供される端末によれば、チャネル環境パラメータは、さらに、パケット時間密度及び/又はパケット送信成功率を用いて表される。パケット時間密度及びパケット送信成功率は互いに相関があるが、ある程度互いに異なる。パケット時間密度及びパケット送信成功率の両方は、端末が配置される領域内の他の複数の端末により単位時間当たりに送信されたブロードキャストパケットの数をある程度反映する。パケット時間密度は基地局負荷強度を測定することに主に用いられる。パケット送信成功率はチャネル競合強度を測定することに主に用いられる。端末は、ブロードキャスト受信期間に測定された先述の2つのパラメータのうちの一方又は両方を用いることにより、後続のブロードキャスト送信期間における送信頻度を適応的に調整し、これにより、周辺環境の基地局負荷強度及びチャネル競合強度を効果的に制御し、測位の信頼性及び測位の成功率を確保しつつ、ネットワークデバイスのエネルギー消費のバランスをとり、ネットワーク寿命を長くする。
【0338】
任意で、本実施形態において提供される端末によれば、端末の送信頻度を調整する前に、端末は、さらに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度を他の複数の端末の送信頻度と比較する。前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも高くないとき、端末は送信頻度をアップ調整する。代わりに、前のブロードキャスト送信期間における端末の送信頻度が他の複数の端末のいずれの送信頻度よりも低くないとき、端末は送信頻度をダウン調整する。これは、周辺領域における端末の送信頻度が比較的バランスのとれた状態にあることを確保し、端末のエネルギー効率のバランスをとることに役立ち、端末の測位効果のバランスをとることに役立つ。
【0339】
コンテキストにおいて別途明確に特定されない限り、本明細書で用いられる単数形「1」(「a」、「an」、又は「the」)は複数形をさらに含むことが意図されることが理解されるべきである。本明細書で用いられる「及び/又は」は、列挙された項目に関連する1又は複数のうちの任意又はすべての可能な組み合わせを示す及び含むことがさらに理解されるべきである。
【0340】
先述の本発明の実施形態のシーケンス番号は、単に例示目的のためのものであり、実施形態の優先度を示すことは意図されていない。
【0341】
当業者は、実施形態のステップのうちのすべて又はいくつかがハードウェア又は関連するハードウェアを指示するプログラムを用いることにより実施され得ることを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスク、光ディスク等であってよい。
【0342】
先述の説明は、単に本発明の実施形態の例に過ぎず、本発明を制限することは意図されていない。本発明の趣旨及び原理から逸脱することなく行われる修正、同等の置換、改善等が本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図8