【文献】
Kyu−Ho BANG et al.,Inhibition of Fungal Cell Wall Synthesizing Enzymes by trans−Cinnamaldehyde,Biosci.Biotechnol.Biochem,2000年 1月 6日,Vol.64, No.5,1061−1063
【文献】
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【文献】
Shang−Tzen Chang et al.,Antibacterial activity of leaf essential oils and their constituents from Cinnamomum osmophloeum,Journal of Ethnopharmacology,2001年 5月18日,Vol.77,123−127
【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シュードモナス属に属する細菌が、P.エルギノーサ(P. aeruginosa);
アシネトバクター属に属する細菌が、A.バウマニ(A. baumanii);
エシェリキア属に属する細菌が、E.コリ(E. coli);
エンテロバクター属に属する細菌が、E.エロゲネス(E. aerogenes)および/またはE.クロアカ(E. cloacae);
セラチア属に属する細菌が、セラチア・マルセッセンス;
シトロバクター属に属する細菌が、シトロバクター・フロインディ;ならびに/または
クレブシエラ属の株に属する細菌が、肺炎かん菌である、請求項8に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の開示
第一の態様によると、本発明は、主題として組成物、詳細には、医薬組成物を含み、該組成物は:
−以下を含むか、または以下からなる相乗的活性配合物:
−トランス−シンナムアルデヒド、ならびに
−以下を含むか、または以下からなる増強剤:
−モノおよびセスキテルペノイドから選択される少なくとも1つのテルペノイド、および/または
−フェニルプロパノイドの群に属し、分子量が240g/mol未満である、少なくとも1つのトランス−シンナムアルデヒドの誘導体、
−任意で、フェニルプロパン誘導体
であって、詳細には、該増強剤は、6つ以下の化合物を含むもの、
−任意で、薬剤、詳細には、抗生物質または抗ウイルス薬剤、
−任意で、担体
を含む。
【0039】
該組成物は、好ましくは、結果的に、化学的に明確に定義され、再現可能な特性を示す(これらは医薬分野において必須である)、合成物である。さらに、該組成物は発癌物質ではなく、好ましくは、さらに遺伝毒性がない。この目的のため、該組成物は、好ましくは、組成物の総重量に比して、1重量%未満の量のクマリンおよび/またはサフロールを含み、なおもより詳細には、該組成物は、クマリンおよび/またはサフロールを含まず、さらにより詳細には、クマリンおよびサフロールを含まない。
【0040】
好ましい実施態様において、クマリンの含有量は、組成物の総重量に比して、0.5重量%未満、詳細には、0.1重量%未満、より詳細には、0.01重量%未満である。好ましい実施態様において、サフロールの含有量は、組成物の総重量に比して、0.5重量%未満、詳細には、0.1重量%未満、より詳細には、0.01重量%未満である。
【0041】
該組成物は、オイゲノールを、組成物の総重量に比して、0.5重量%未満、より詳細には、0.1重量%未満、より詳細には、0.01重量%未満の量で含んでよい。実施形態によると、該組成物はオイゲノールを含まない。
【0042】
該組成物は、好ましくは、クマリン、サフロールおよびオイゲノールを含まない。
【0043】
このような低量のクマリン、サフロールおよび/もしくはオイゲノール、またはクマリン、サフロールおよび/もしくはオイゲノールが存在しないことで、低い発癌性および/または遺伝毒性を示す、またはこれらを示さない(より詳細には、発がん性を示さない)、組成物をもたらし得る。
【0044】
驚くべきことに、増強剤を使用することによって、トランス−シンナムアルデヒドの抗微生物効果(つまり、抗細菌効果だけでなく、抗ウイルスまたは抗真菌効果も)が増強されるという、相乗作用が得られることが発見された。その結果として、組成物中の、詳細には、薬剤中の、トランス−シンナムアルデヒドの有効量を低減でき、その結果、組成物において、詳細には薬剤において、低減された毒性、および好ましくは、亢進した有効性を伴う。
【0045】
さらに、驚くべきことに、増強剤を使用することによって、該組成物(詳細には、薬剤)が、広い活性スペクトルを有し、グラム陰性細菌においても活性を有することが見出された。
【0046】
詳細には、本発明の組成物は、薬剤耐性微生物を含む、ほとんどの可能性のある微生物に対して活性を示し、詳細には:
−細菌(例えば、薬剤耐性黄色ブドウ球菌(例えばMRSA、VRSA等)、薬剤耐性エンテロバクター属(NDM−1等)などの、薬剤耐性細菌);および以下に開示される細菌の少なくとも1つ;
−真菌(例えば、
・上皮、真皮および/またはケラチン付属真菌(詳細には、カンジダ菌、白癬菌属、マラセジア属および小胞子菌)、
・全身性(詳細には、非日和見疾患(より詳細には、ブラストミセス属、コクシジオイデス属に起因する疾患)、ならびにアスペルギルス属、カンジダ・アルビカンスおよびクリプトコッカス属に起因する日和見疾患)、
−ウイルス(HIV等;ヘルペスウイルス、B型およびC型肝炎ウイルス、A型およびB型インフルエンザウイルス、詳細には、エンベロープウイルス)
に対する活性を示す。
【0047】
したがって、本発明の組成物は、スペクトルが広い抗細菌および/または抗真菌および/または抗ウイルス薬剤である。
【0048】
該組成物の抗微生物効果は、トランス−シンナムアルデヒドの含有量が少なくても、および/または干渉剤が存在しても有効である。
【0049】
該組成物の抗微生物効果は、嫌気性細菌についても観察される。
【0050】
さらに、増強剤は、以下に定義するような少なくとも1つまたは複数の細菌に対するMIC、および/または活性のキネティクスを有利に増大する。詳細には、本発明の活性配合物は、MIC濃度以下で、細菌の分裂能を低下させることができ、一方で、トランス−シンナムアルデヒドでは低下させるできないことが見出された。
【0051】
さらに、驚くべきことに、本発明の組成物が、トランス−シンナムアルデヒド単独の場合と比較して、log減少時間を減ずることが見出され、詳細には、本発明の組成物が、より速く作用し、および/または殺菌/殺ウイルス/殺真菌効果を示すことを意味する。
【0052】
さらに、驚くべきことに、増強剤を使用することによって、該組成物(詳細には薬剤)が誘発する耐性がより少なくなることが発見された。したがって、該増強剤は、トランス−シンナムアルデヒドの耐性誘導を、詳細には0まで、低下させる。
【0053】
本発明の組成物は、ウイルス、詳細には、エンベロープウイルスについて、非常に興味深い結果をさらに示す。本発明の組成物は、細菌/ウイルス/真菌の膜に作用し得ると、本発明者らは考える。
【0054】
該増強剤は、1種ないし5種のテルペノイド、詳細には、モノテルペノイドおよびセスキテルペノイドから選択される1種、2種、または3種のテルペノイドを含んでよい。
より詳細には、該テルペノイド(単数または複数)は、以下のファミリーに属し得る:
−モノテルペノイド(10個の炭素原子骨格)、例えば、
・非環状モノテルペノイド、詳細には、規則的または不規則な非環状モノテルペノイド、より詳細には、ミルセン、なおより詳細には、酢酸ネリル、酢酸リナリル、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニアール、ネラール、ゲラニオール、リナロール;
・二環状モノテルペノイド、詳細には、カンフェン、ツジャン(thuyane)、ピナン、より詳細には、ボルネオール、アルファピネン、インセンソール、イソピノカンフォン(isopenocamphone)、モノテルペン、ピネン;および
・メンタン、詳細には、1,8−シネオール、アルファテルピネオール、アスカリドール、カルバクロール、カルボン、メントール、メントン、ピペリトン、プレゴン、アルファピネン、クミンアルデヒド、酢酸テルペニル、リモネン、テルピン−1−エン−4−オール、ツジャン(thujan)−4−オール、およびチモール
−セスキテルペノイド(15個の炭素原子骨格)、例えば、
・アロマデンドレン、詳細には、ビリジフロロールおよびツジョン;
・ベータサンタレン、詳細には、サンタロール;
・ビサボレン、詳細には、ビサボロールオキサイド(bisabololoxydes)およびジンギベレン;
・ダウセン(daucane)、詳細には、カロトール;
・エレモフィラン、詳細には、フラノオイデスマ−1,3ジエン;
・カリオフィレン、詳細には、ベータカリオフィレン;および
・パチュレン、詳細には、パチュロール。
【0055】
増強剤中に存在するテルペノイド(単数または複数)は、詳細には、メンタン、非環状モノテルペノイドおよびカリオフィレンから選択され、より一層詳細には、それらは、シネオール、リナロールおよびベータカリオフィレンから選択される。増強剤中に存在するテルペノイド(単数または複数)は、好ましくは、リナロールであり、任意で、シネオールおよび/またはベータカリオフィレンである。
【0056】
フェニルプロパン誘導体は、フェニルプロパンから生物学的に得られ、C6−C3誘導体またはC6−C1誘導体、およびラクトン対応分子を生じる。フェニルプロパン誘導体は、詳細には、アピオール、安息香酸コニフェリル、カビコール、シンナメイン、バニリンおよび安息香酸ベンジルからなる群から選択される。安息香酸ベンジルが好ましい。
【0057】
増強剤中に存在するテルペノイドおよびフェニルプロパン誘導体は、安息香酸ベンジルおよびシネオール;安息香酸ベンジルおよびリナロール;安息香酸ベンジルおよびベータカリオフィレン;シネオールおよびリナロール;シネオールおよびベータカリオフィレン;リナロールおよびベータカリオフィレン;安息香酸ベンジル、シネオールおよびリナロール;安息香酸ベンジル、シネオールおよびベータカリオフィレン;安息香酸ベンジル、リナロールおよびベータカリオフィレン;シネオール、リナロールおよびベータカリオフィレン;ならびに安息香酸ベンジル、シネオール、リナロールおよびベータカリオフィレンを含むか、またはこれらから成る。増強剤中に存在するテルペノイドおよびフェニルプロパン誘導体は、好ましくは、安息香酸ベンジル、シネオール、リナロールおよびベータカリオフィレンを含むか、またはこれらからなる。
【0058】
安息香酸ベンジルは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜25重量%、詳細には、0.15〜5重量%、より詳細には、0.15〜3重量%の範囲に及んでよい。実施形態によると、安息香酸ベンジルの量は、活性配合物の総重量に比して、0.2〜1重量%、より詳細には、およそ0.35重量%の範囲におよぶ。
【0059】
シネオールは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜25重量%、詳細には、0.25〜7重量%、より詳細には、0.3〜3.5重量%の範囲に及んでよい。実施形態によると、シネオールの量は、活性配合物の総重量に比して、0.5〜2.5重量%、より詳細には、およそ1.04重量%の範囲におよぶ。
【0060】
リナロールは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜25重量%、詳細には、0.5〜6重量%、より詳細には、0.75〜5重量%の範囲に及んでよい。実施形態によると、リナロールの量は、活性配合物の総重量に比して、1〜5重量%、より詳細には、およそ2.45重量%の範囲におよぶ。
【0061】
ベータカリオフィレンは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜25重量%、詳細には、0.5〜10重量%、より詳細には、0.75〜5重量%の範囲に及んでよい。実施形態によると、ベータカリオフィレンの量は、活性配合物の総重量に比して、1〜3.5重量%の範囲におよび、より詳細には、活性配合物の総重量に比して、およそ1.75重量%である。
【0062】
増強剤は、活性配合物の総重量に比して、1〜50重量%、詳細には、1〜25重量%、より詳細には、1〜15重量%、なおより詳細には、3〜10重量%、さらにより詳細には、3.5〜8重量%の範囲におよぶ量の、テルペノイド(単数または複数)およびフェニルプロパン誘導体を含んでよい。
【0063】
該増強剤は、少なくとも1種の、詳細には、1、2、3、4または5種のトランス−シンナムアルデヒドの誘導体を含む。これらの誘導体は、式Iに対応し得る:
【0065】
上式において、
−Xは、−CH
2OH、−CH
2OY、−CHO、−COOH、−COOZ、−CO−Halを示し、
−Yは、Raが1〜6個の炭素原子を含むアルキル(メチルまたはエチル等)である、R
aまたは−COR
aを示し、
−Zは、例えばメチルまたはエチル等の、1〜6個の炭素原子を含むアルキルを示し、
−R
1およびR
2は、独立に、H、−OH、1〜6個の炭素原子を含むアルキル(メチルもしくはエチル等)、またはハロゲン原子(例えば、F、ClおよびBrから選択される)を示し、
−R
3およびR
4は、独立に、H、1〜6個の原子を含むアルキル(メチルもしくはエチル等)、1〜6個の炭素原子を含むアルコキシル(メトキシもしくはエトキシ等)、または、ハロゲン原子(例えば、F、ClおよびBrから選択される)を示し、
−Halは、ハロゲン原子(例えば、F、ClおよびBrから選択される)を示し、
Xが−CHOの場合、R
1、R
2、R
3およびR
4の少なくとも1つがHを示さない。
【0066】
詳細には、Xが−CHOである場合、R
1、R
2、R
3およびR
4のうち1つはHを示さず、3つがHを示し、ならびにXが−CH
2OH、−CH
2OY、−COOHまたは−COOZである場合、R
1、R
2、R
3およびR
4のすべてまたは3つがHを示す。
【0067】
トランス−シンナムアルデヒド誘導体は:
−以下の置換型トランス−シンナムアルデヒド:
・芳香環において、例えばオルト位、メタ位、もしくはパラ位が、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシもしくはエトキシ等のアルコキシ基、F、ClもしくはBr等のハロゲン原子で置換されている、および/または
・メチル、エチル、プロピル等のアルキル基等の側鎖において、二重結合されるF、Cl、またはBr等のハロゲン原子によって置換されているトランス−シンナムアルデヒド、あるいは、
−アルデヒド官能基が、他の官能基(詳細には、酸、それに対応するエステル(詳細には、メチル、エチルおよびプロピルエステル)、アルコール(alcool)、それに対応するエステル(詳細には、酢酸エステルまたはプロピオン酸エステル)等)によって置換されたトランス−シンナムアルデヒドに対応する化合物
から選択されてよい。
【0068】
増強剤は、少なくとも1種、2種、3種、または4種のトランス−シンナムアルデヒドの誘導体を含んでよく、好ましくは、2種の誘導体を含んでよい。該増強剤中に存在する誘導体は、好ましくは、少なくとも1つのラジカルR
3またはR
4がHではない、R
3および/またはR
4によって芳香環が置換されているトランス−シンナムアルデヒド、ならびにアルデヒド官能基が他の官能基(有利には、エステル化アルコール(Xが−CH
2OYであり、Yが−COR
a(Raは上記に定義した通りである(メチルまたはエチル等))である)で置換された、トランス−シンナムアルデヒドに対応する化合物を含む。好ましい実施態様において、該増強剤中に存在する誘導体は、トランス−2−メトキシシンナムアルデヒドおよび酢酸シンナミルである。
【0069】
トランス−2−メトキシシンナムアルデヒドは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜30重量%、詳細には、1〜20重量%、より詳細には、2〜15重量%の範囲に及んでよい。実施形態によると、トランス−2−メトキシシンナムアルデヒドの量は、活性配合物の総重量に比して、2.5〜8重量%、より詳細には、およそ5.35重量%の範囲におよぶ。
【0070】
酢酸シンナミルは、活性配合物の総重量に比して、0.1〜30重量%、詳細には、0.5〜15重量%、より詳細には、0.75〜10重量%の範囲におよんでよい。実施形態によると、酢酸シンナミルの量は、活性配合物の総重量に比して、1〜5重量%、より詳細には、およそ2.5重量%の範囲におよぶ。
【0071】
増強剤中のトランス−シンナムアルデヒドの誘導体(単数または複数)の量は、活性配合物の総重量に比して、1〜50重量%、詳細には、2〜20重量%、より詳細には、4.5〜12重量%の範囲に及んでよい。
【0072】
該トランス−シンナムアルデヒド誘導体(単数または複数)は、詳細には、トランス−2−メトキシシンナムアルデヒドおよび/もしくは酢酸シンナミルを含むか、またはそれからなり、活性配合物の総重量に比して、1〜50重量%、詳細には、1〜40重量%、より詳細には、1〜17.5重量%、なおより詳細には、3〜10重量%、さらにより詳細には、3.5〜8重量%の範囲におよんでよい。
【0073】
特定の実施形態において、増強剤は:
−活性配合物の総重量に比して、1〜50重量%、詳細には、1〜25重量%、より詳細には、1〜15重量%、なおより詳細には、3〜10重量%、さらにより詳細には、3.5〜8重量%の範囲におよぶ量の少なくとも1種のテルペノイドおよびフェニルプロパン誘導体、
−活性配合物の総重量に比して、1〜50重量%、詳細には、1〜40重量%、より詳細には、1〜17.5重量%、なおより詳細には、3〜10重量%、さらにより詳細には、3.5〜8重量%の範囲におよぶ量の少なくとも1種のトランス−シンナムアルデヒドの誘導体、
からなり、詳細には、これら2つの種の化合物の全体量が、活性配合物の総重量に比して、3〜70重量%、より詳細には、4〜40重量%、なおより詳細には、5〜25重量%、さらにより詳細には、6〜15重量%の範囲におよぶ。
【0074】
特定の実施形態において、増強剤は、少なくとも:
−メンタン(詳細には、シネオール)、非環状モノテルペノイド(詳細には、リナロール)、およびカリオフィレン(詳細には、ベータカリオフィレン)から選択される1のテルペノイド、
−1のフェニルプロパン誘導体(詳細には、安息香酸ベンジル)、
−少なくとも1つのラジカルR
3またはR
4がHではない、R
3および/またはR
4によって芳香環が置換されているトランス−シンナムアルデヒド、好ましくは、トランス−2−メトキシシンナムアルデヒド、ならびに
−Xが−CH
2OYであり、Yが−COR
a(R
aは、上記に定義した通り)である、式Iの化合物、好ましくは、酢酸シンナミルを、
上述の量で含む。
【0077】
含有量は、活性配合物の総重量に比した、重量%で表す。数値は、平均プラスまたはマイナス10%で表され、例えば、5は、4.5〜5.5%の範囲内にあることを意味する。
【0078】
活性配合物は、活性配合物の総重量に比して、30〜97重量%、詳細には、60〜96重量%、なおより詳細には、75〜95重量%、さらにより詳細には、85〜94重量%の範囲におよぶ量のトランス−シンナムアルデヒドを含んでよい。
【0079】
一実施形態によると、特に、組成物が局所的な生産物として使用されることを意図する場合、活性配合物は、組成物の総重量に比し、0.1〜10重量%の範囲におよぶ。
【0080】
他の実施形態によると、特に、組成物が全身性の生産物として使用されることを意図する場合、活性配合物は、組成物の総重量に比し、0.1〜70重量%の範囲におよぶ。
【0081】
実施形態によると、この組成物は、活性化合物として、より詳細には、抗微生物性化合物として、相乗的な活性配合物だけを含む。
【0082】
実施形態によると、該組成物、詳細には、医薬組成物は、少なくとも1の、詳細には1の、抗生物質をさらに含む。
【0083】
本発明において、詳細には、医薬組成物において、より詳細には、細菌感染症(単数または複数)を予防するおよび/または治療するための使用について、使用し得る抗生物質は、数多く存在し、それらの作用、化学構造のスペクトルに準じた(細菌に対するそれらの作用機序に準じるなどのように)ファミリーごとに集収することができる。
【0084】
特定の実現形態によると、抗生物質または少なくとも1つの抗生物質が:
1.細菌細胞壁に作用する抗生物質、詳細には、ペプチドグリカンの合成を妨げる抗生物質、
2.細胞膜、外膜および/または細胞質の膜に対し作動する抗生物質、
3.タンパク質の合成、詳細には、細菌のリボソームに作用する抗生物質、
4.メッセンジャーRNAの合成を妨げる抗生物質、
5.例えば、DNA小片を切断するおよびDNAをほどく、またはDNAの複製を阻害する、DNAに作用する抗生物質、
6.競合阻害により作用する抗生物質、詳細には、葉酸代謝を妨げる抗生物質、
7.これらの医薬的に許容できる塩の1つ、ならびに
8.これらの組み合わせの1つ
から選択される。
【0085】
例として、細菌細胞壁に作用する抗生物質は、(A)ホスホマイシン、(B)バンコマイシン、テイコプラニン、リストセチン、もしくはアボパルシン等のグリコペプチドファミリーの抗生物質、または(C)ベータ−ラクタム抗生物質ファミリーの抗生物質剤から選択できる。
【0086】
ベータ−ラクタミン(beta lactamin)ファミリーは、詳細には、(A)ペナム(詳細には、ペニシリンGのグループG、抗ブドウ球菌性ペニシリンのグループM(該グループは、アミノベンジルペニシリン(アンピシリン)を含む)、アシルウレイドペニシリンのグループ、アミジノペニシリンのグループ、およびベータラクタマーゼの阻害剤のグループ)、(B)メロペネム(または、メロペネム)およびイミペネム等の、ペネムおよびカルバペネム、(C)セフェム(詳細には、第一、第二および第三世代のセファロスポリン)、ならびに(D)モノバクタムに代表される。
【0087】
ベータラクタム抗生物質は、細胞膜の外表面上に存在し、ペニシリン結合タンパク質(PBP)と呼ばれるタンパク質を標的とする。
【0088】
例として、細胞の膜に作動する抗生物質は、ポリミキシンのファミリー、グラミシジンのファミリー、およびチロシジンから選択できる。さらに例として、細菌のリボソームに作用する抗生物質は、フシジン酸、アミノシドのファミリー、フェニコールのファミリー、テトラサイクリンのファミリー、オキサゾリジノンのファミリー、ならびに、マクロライド、リンコサミドおよびシネルギスチン(synergistin)(または、ストレプトグラミン)の群から選択できる。
【0089】
メッセンジャーRNAの合成を妨げる抗生物質について、それらは、詳細には、リファマイシンSVおよびリファンピシンに代表されるリファマイシンのファミリーを含む。リファマイシンは、RNAポリメラーゼのユニットB下で固定され、mRNAの合成の開始を防げる。
【0090】
常に例として、DNAに作用する抗生物質は、キノロンのファミリー、フルオロキノロンのファミリー、およびニトロイミダゾル・オキシキノリン、ニトロフランまたはニトロイミダゾル等のニトロ化された産物から選択できる。
【0091】
最後に、葉酸塩の代謝を妨げる抗生物質は、スルファミドおよびトリメトプリムのファミリーを含む。
【0092】
詳細な実現形態によると、抗生物質または上述の抗生物質の少なくとも1つは、メロペネム、リファンピシンおよびチゲサイクリンから選択される。
【0093】
詳細な実現形態によると、抗生物質または上述の抗生物質のうちの1つは、メロペネムまたはリファンピシンである。
【0094】
より詳細には、抗生物質は以下の:
−アミノシド、
−ベータラクタミン・セファロスポリン、ベータラクタミンペニシリン、およびその他のベータラクタミン(カルバペネム、モノバクタム)などのベータラクタミン、
−ドキシサイクリン、リメサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン(oxtetracyclin)、チゲサイクリン等のサイクリン、
−テイコプラニンおよびバンコマイシン等のグリコペプチド、ならびにポリペプチド、
−リンコサミド、ケトライド、シネルギスチン(synergistin)等のマクロライドおよびマクロライド様物質、
−キノロン、詳細にはフルオロキノロン、
−グラミシジン等の抗細菌性ペプチド、
−ファージ、ならびに
−その他、フシジン酸、ノキシチオリン、ダプトマイシン、ホスホマイシン、オキサゾリジノン、フェニコール、ポリミキシン、リファンピシンなど
から選択してよい。
【0095】
驚くべきことに、本発明の活性配合物が抗生物質を増強することができるということが見出され、つまり、抗生物質の効果および/または範囲が増大するということを有利に意味する。さらに、本発明の活性配合物と抗生物質との組み合わせは、抗生物質の組み合わせに耐性を持つ細菌に対して効果的であり得る。したがって、本発明の活性配合物は、抗生物質に対し、細菌を再感作(re-sensibilize)するのに使用できる。
【0096】
驚くべきことに、抗生物質が本発明の活性配合物を増強することができるということが見出され、つまり、本発明の活性配合物の効果および/または範囲が増大することを有利に意味する。
【0097】
該相乗効果は、詳細には、膜以外を標的とする抗生物質(ゲンタマイシン、アミカシン、エリスロマイシンおよびクリンダマイシン)で観察される。
【0098】
組成物、詳細には医薬組成物は、好ましくは、通常の用量の、または用量を減らした(当業者により知られる通常の用量と比較して)、抗生物質(単数または複数)を含む。
【0099】
実施形態によると、組成物、詳細には医薬組成物は、少なくとも1種の、詳細には1種の、抗ウイルス薬剤をさらに含む。
【0100】
抗ウイルス薬剤は、詳細には:侵入阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、III型インターフェロン、II型インターフェロン、I型インターフェロン、インターフェロン、ヌクレオシド類似体、プロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、相乗的促進剤(抗レトロウイルス剤)、から選択できる。
【0101】
詳細には、抗ウイルス薬剤は、詳細には:アバカビル、アシクロビル、アデフォビル、アマンタジン、アンプレナビル、Rintatolimod、アタザナビル、エムトリシタビン/テノホビル/エファビレンツ、ボセプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ディダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、フォスカネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イノシンと、アセトアミド安息香酸と、ジメチルアミノイソプロパノールとの組み合わせ、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、ラミブジン、ロピナビル、Loviride、マラビロック、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、オセルタミビル、ペグインターフェロンアルファ−2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、ラルテグラビル、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピリミジン、サキナビル、スタブジン、ティーツリー油、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル(バルトレックス)、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、Viramidine、ザルシタビン、ザナミビル(リレンザ)、ジドブジン、から選択できる。
【0102】
組成物、詳細には医薬組成物は、好ましくは、通常の用量の、または用量を減らした(当業者により知られる通常の用量と比較して)、抗ウイルス薬剤(単数または複数)を含む。
【0103】
組成物、詳細には医薬組成物は、担体を含んでよい。該担体は、組成物の総重量に比して、0.1〜99.9重量%、好ましくは、0.5〜99.9重量%、より好ましくは、1〜99.5重量%、より好ましくは、1〜80重量%の範囲に及んでよい。
【0104】
詳細には、該担体は、例えば、HPLCおよび/またはGC分析、より詳細にはキャピラリー分析で、組成物、詳細には医薬組成物を得るために、分析的にプロセスに従うことを可能にするものである。
【0105】
実施形態において、該担体は、10種未満の賦形剤、より詳細には、8種未満、なおより詳細には、5種未満の賦形剤、より詳細には、4種未満の賦形剤、さらにより詳細には、3種未満の賦形剤、なおより詳細には、1種の賦形剤を含むか、またはそれらからなる。
【0106】
賦形剤が、少なくとも電荷を帯びている化合物である場合は、「1つの賦形剤」は、異なる塩の形態での1つの化合物を意味し得る。
【0107】
一実施形態によると、担体は、組成物の総重量に比し、95〜99.9重量%を示し、詳細には、残りは活性配合物であり、より詳細には、組成物は、外用の使用が意図され、即ち、例えば、対象の皮膚の外側または粘膜の外側を意味する。
【0108】
他の実施形態によると、担体は、組成物の総重量に比して、0.5〜50重量%を示し、詳細には、残りは活性配合物であり、より詳細には、組成物は、内部での使用が意図される。
【0109】
担体は、個体、液体、ゲル、またはペースト状であってよい。
【0110】
担体は、1以上の賦形剤、詳細には、医薬上許容可能なもの、および任意で、保存剤、ビタミン、ミネラル等の1以上の添加剤を含むか、またはそれらからなり得る。
【0111】
本発明は、第二の目的として、薬物として使用するための本発明の組成物を含む。
【0112】
一実施形態によると、薬物は、典型的な抗生物質および/または抗ウイルス薬剤を、詳細には、本明細書で開示されるものを含まない。
【0113】
他の実施形態によると、薬物は、少なくとも1つの典型的な抗生物質および/または抗ウイルス薬剤、詳細には、本明細書で開示されるものを含む。
【0114】
本発明は、第三の目的として、対象の、微生物性、詳細には、細菌性および/または真菌性および/またはウイルス性感染を、干渉剤の存在下でさえ有利に予防および/または治療するために使用する組成物を含む。これは、細菌および/または真菌および/またはウイルス等の微生物によって誘発される疾患を予防および/または治療する、と表現してもよい。また、細菌および/または真菌および/またはウイルスは、薬剤耐性細菌および/または真菌および/またはウイルス(より詳細には、抗生物質および/または抗ウイルス薬剤に対して耐性があるもの、なおより詳細には、本明細書に開示される1またはいくつかの典型的な抗生物質および/または抗ウイルス薬剤に対して耐性があるもの)も含む。
【0115】
対象は、生産動物(例えば、牛、豚および家禽)、ペット(例えば、イヌもしくはネコ)、またはヒト等の動物であり得る。
【0116】
医薬組成物は、殺微生物活性、詳細には殺菌活性を(より詳細には、ウシアルブミンおよび/またはヒツジ赤血球等の干渉物質(単数または複数)が存在する場合に)有し得る。
【0117】
細菌は、好気性または嫌気性であり得る。
【0118】
興味深いことに、本発明の薬物は、グラム陰性細菌を含む全ての種類の細菌であって、さらに耐性または多耐性であり得る細菌に対し、広い活性スペクトルを示す。
【0119】
前述のように、ますます多くの細菌が、これらの抗細菌性薬剤、詳細には、抗生物質、より詳細には、典型的な抗生物質(例えば、本明細書に列挙されるもの)の1つまたはいくつかに対して薬剤耐性になっている。
【0120】
主要な実際の抗細菌性薬剤は、グラム陽性またはグラム陰性細菌に対しより有効であり、またはそれらに特異的でさえある。より詳細には、公知の抗細菌剤の殆どは、グラム陽性細菌に対し有効であるか、または特異的でさえある。したがって、グラム陰性細菌の(および有利に、グラム陽性細菌についても)発達を止めるか、または生命力を破壊することができる抗細菌性の組成物、詳細には、医薬組成物が必要とされている。
【0121】
詳細には、本発明による組成物、より詳細には医薬組成物は、グラム陰性およびグラム陽性細菌に対する活性を示す。それらは、非薬剤耐性および/または薬剤耐性細菌に対して、詳細には多耐性細菌に対して、効果的であり得る。
【0122】
詳細には、該組成物は、より詳細には医薬組成物は:
−シュードモナス属、より詳細にはP. aeruginosa;
−アシネトバクター属、より詳細にはA. baumanii;
−エシェリキア属、より詳細にはE. coli;
−エンテロバクター属、より詳細にはE. aerogenesおよび/またはE. cloacae;
−セラチア属、詳細にはセラチア・マルセッセンス(Serratia marscescens);
−シトロバクター属、詳細にはシトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii);および/または
−クレブシエラ属、詳細には肺炎かん菌(klebsiella pneumonia)
等の薬剤耐性グラム陰性細菌株に対して有効である。
【0123】
該組成物、より詳細には医薬組成物は:
−ブドウ球菌属、詳細にはS. aureus;
−エンテロコッカス属、詳細にはE. faecalis;および/または
−プロピオニバクテリウム属(propionibacter)、詳細にはプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacter acnes)
等の薬剤耐性グラム陽性細菌株に対して有効であり得ることも示された。
【0124】
該組成物、より詳細には医薬組成物は、嫌気性細菌、詳細には:
−B. fragilisやB. thetaiotaomicron等のバクテロイデス属;
−E. lenta等のエガセラ属;
−P. micros、P. spp、およびP. anaerobius等のペプトストレプトコッカス属;
−C. perfringensおよびC. difficile等のクロストリジウム属;ならびに/または
−ミクロモナス属
に対して有効であり得る。
【0125】
第一の実施形態において、該細菌は、シュードモナス属、詳細には薬剤耐性シュードモナス属、より詳細には:
・フルオロキノロン耐性;
・セファロスポリン耐性、詳細には、第一、第二または第三世代;
・ペニシリナーゼの産生、つまり、ベータラクタミンペニシリン耐性、詳細には、染色体セファロスポリナーゼの過剰産生の場合を意味する;
・スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL、例:PER−1またはGES−2型)の産生;
・メタロ−ベータラクタマーゼ、詳細にはVIM−2型の産生;
・ペニシリンおよびセファロスポリン以外のベータラクタミン耐性をもたらし得る、ポーリンの欠如、詳細にはD2ポーリンの欠如;ならびに
・アミノシド耐性
から選択される、少なくとも1種の薬剤耐性、なおより詳細には、2、3、4、5または6種の薬剤耐性であるシュードモナス属の群のものである。
【0126】
第二の実施形態において、該細菌は、アシネトバクター属、詳細には薬剤耐性アシネトバクター属、より詳細には:
・多耐性;
・ベトナムのスペクトル拡張型ベータラクタマーゼVEB−1;および
・メタロ−ベータラクタマーゼ、詳細にはVIM−4型の産生
から選択される少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるアシネトバクター属の群のものである。
【0127】
第三の実施形態において、該細菌は、エシェリキア属、詳細には薬剤耐性エシェリキア属、より詳細には:
・フルオロキノロンおよびキノロン耐性;
・セファロスポリン耐性、詳細には、第一、第二または第三世代;
・スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL)の産生;
・メタロ−ベータラクタマーゼ、例えば、NDM−1型の産生;
・カルバペネマーゼ、例えば、KPC−2型の産生;ならびに
・ペニシリナーゼの産生
から選択される少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるエシェリキア属の群のものである。
【0128】
第四の実施形態において、該細菌は、ブドウ球菌属、詳細には薬剤耐性ブドウ球菌属、より詳細には:、
・メチシリン耐性;
・アミノシド耐性;詳細には、トブラマイシン/カナマイシン耐性:KT表現型;および
・フルオロキノロン耐性
から選択される少なくとも1種の、さらにより詳細には2種の、薬剤耐性であるブドウ球菌属の群のものである。
【0129】
第五の実施形態において、該細菌は、エンテロコッカス属、詳細には薬剤耐性エンテロコッカス属、より詳細には:
・アミノシド耐性;ならびに
・マクロライド耐性および見掛けの(apparented)マクロライド耐性
から選択される少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるエンテロコッカス属の群のものである。
【0130】
第六の実施形態において、該細菌は、エンテロバクター属、詳細には薬剤耐性エンテロバクター属、より詳細には、少なくとも1種の薬剤耐性の、より詳細には、スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL)産生による薬剤耐性であるエンテロバクター属の群のものである。
・スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL、例えば、PER−1型またはGES−2型)の産生;および
・カルバペネマーゼ(例えば、KPC−2型)の産生。
【0131】
第七の実施形態において、該細菌は、プロピオニバクター属(Propionibacter)、詳細には、薬剤耐性プロピオニバクター属、より詳細には、少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるプロピオニバクター属の群のものである。
【0132】
第八の実施形態において、該細菌は、セラチア属、詳細には、薬剤耐性セラチア属、より詳細には:
・カルバペネマーゼ(例えば、KPC−2型)の産生;および
・スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL、例えば、SME−1またはSME−2型)の産生;
から選択される少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるセラチア属の群のものである。
【0133】
第九の実施形態において、該細菌は、シトロバクター属、詳細には、薬剤耐性のシトロバクター属、より詳細には、カルバペネマーゼ(例えば、KPC−2型)の産生による薬剤耐性であるシトロバクター属の群のものである。
【0134】
第十の実施形態において、該細菌は、クレブシエラ属、詳細には、薬剤耐性クレブシエラ属、より詳細には:
・カルバペネマーゼ(例えば、KPC−2型またはVIM型)の産生;および
・スペクトル拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL、例えば、OXA48型)の産生
から選択される、少なくとも1種の、なおより詳細には2種の、薬剤耐性であるクレブシエラ属の群のものである。
【0135】
他の実施形態によると、組成物は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十の実施形態の細菌およびそれらの混合物(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つの実施形態、およびさらに10個の実施形態の細菌の混合物)に対して有効であり得る。
【0136】
該組成物は、グラム陰性および/またはグラム陽性細菌に対して有効で、静菌性および/または殺菌性であり得、詳細には、該細菌は薬剤耐性細菌であり、より詳細には:
グラム陰性細菌であって、例えば:
−シュードモナス属、例えば緑膿菌、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはVIM−2、GES−2またはPER−1;
−アシネトバクター属、例えばアシネトバクター・バウマニー、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはVIM−4;
−エシェリキア属、例えば大腸菌、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはNDM−1またはKPC−2;
−エンテロバクター属、例えばエンテロバクター・エロゲネス、詳細には薬剤耐性菌;
−セラチア属、例えばセラチア・マルセッセンス、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはKPC−2、SME−2またはSME−1;
−シトロバクター属、例えばシトロバクター・フロインディ、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはKPC−2;および
−クレブシエラ属、例えば肺炎かん菌、詳細には薬剤耐性菌、より詳細にはKPC−2;ならびに/または
グラム陽性細菌であって、例えば:
−ブドウ球菌属、例えば、黄色ブドウ球菌、詳細には、薬剤耐性菌;
−エンテロコッカス属、例えば、大便連鎖球菌およびエンテロコッカス・クロアカ、詳細には、薬剤耐性菌、より詳細には、エンテロコッカス・クロアカGES−5、KPC−2;および/または
−プロピオニバクター属、例えば、プロピオニバクテリウム・アクネス、詳細には、薬剤耐性菌
から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11種の、詳細には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11種の細菌であり得る。
【0137】
該組成物は、真菌に対し、詳細には薬剤耐性真菌に対し、より詳細には:
・表皮、真皮および/またはケラチン付属真菌、詳細には、カンジダ菌、白癬菌属、マラセジア属、および小胞子菌、
・全身性、詳細には、非日和見疾患、より詳細には、ブラストミセス属、コクシジオイデス属に起因する疾患、ならびにアスペルギルス属、カンジダ・アルビカンスおよびクリプトコッカス属に起因する日和見疾患
から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11種の真菌に対し、有効であり、静真菌性または殺真菌性であり得る。
【0138】
該組成物は、ウイルス、詳細には、HIV、ヘルペスウイルス、B型およびC型肝炎ウイルス、ならびにA型およびB型インフルエンザウイルスに対して有効であり得る。該組成物は、詳細には、エンベロープウイルスに対して有効である。
【0139】
医薬組成物は、対象の抗微生物性予防および/または治療、例えば、1種またはいくつかの種の、詳細には2種または3種の、本明細書に開示されるような細菌、より詳細には、薬剤耐性および/または多耐性の細菌;および/または真菌;および/またはウイルスによって引き起こされる疾患および/または感染症の予防および/または治療のために使用し得る。実施形態によると、該細菌は嫌気性細菌である。
【0140】
該感染症は、泌尿器系感染症、呼吸器系感染症、消化器系感染症、中枢神経系感染症、皮膚および軟組織の感染症、骨感染症、関節感染症、筋肉感染症、血管系感染症、糖尿病足ならびに痂皮から選択し得る。
【0141】
したがって、該医薬組成物は、症候群または疾患、詳細には微生物感染によって誘発される症候群または疾患、詳細には、細菌性および/または真菌性および/またはウイルス性感染症等の症候群または疾患、より詳細には、本明細書において開示される細菌および/または真菌および/またはウイルスによる症候群または疾患の予防および/または治療のために使用されてよく、該症候群および/または疾患は:
−消化器領域、詳細には、消化管に関連する症候群および/または疾患、より詳細には、クローン病(具体的には、嫌気性細菌について得られた良好な結果に鑑みて)および消化性潰瘍、
−皮膚病、詳細には、皮膚に関連する症候群および/または疾患、より詳細には、糖尿病足および痂皮、
−全身性投与によって治療可能な全身性感染症、
−泌尿器系の感染に関連する疾患、
−呼吸器系の感染に関連する疾患、
−消化系の感染に関連する疾患、
−中枢神経系の感染に関連する疾患、
−皮膚および軟組織の感染に関連する疾患、
−骨、関節および筋肉の感染に関連する疾患、
−血管系の感染に関連する疾患、
−敗血性ショック
−AIDS
−ヘルペス
−B型およびC型肝炎
に関するものであり得る。
【0142】
より詳細には、該医薬組成物は、感染症を予防または治療するために(詳細には、治療するために)、詳細には、菌血症、クローン病、消化性潰瘍、糖尿病足および/または痂皮をもたらす細菌感染症を治療または予防するために、より詳細には、耐性または多耐性細菌によるものである場合の感染症を治療または予防するために使用される。
【0143】
薬剤耐性細菌および/または真菌および/またはウイルスは、特に、病院内感染(院内症候群を引き起こす可能性がある)をもたらし得る、病院内でますます頻繁に発生する。したがって、こうした細菌および/または真菌および/またはウイルスに対抗することで、少なくともいくつかの院内感染を予防および/または治療することが可能になる。
【0144】
該医薬組成物は、以下の病因による症候群の治療および/または予防にも使用し得る:
−吸入または摂取による感染等の、無傷の上皮バリアを通過する感染;
−かみつき、切り傷、創傷、注射、移植、輸血による感染等の、不連続な上皮バリアを通過する感染;
−プロテーゼまたはステント等の、侵襲的な医療機器の使用に関連する感染;
−術中、術前および術後感染;
−火傷によって生じる感染。
【0145】
該医薬組成物は、細菌の伝播を治療するおよび/または予防するために、詳細には、対象における異なる微生物叢において、詳細には、皮膚微生物叢、口腔微生物叢および鼻から喉にかけた微生物叢において、黄色ブドウ球菌等の細菌の伝播を治療および/または予防するためにも使用し得る。
【0146】
該組成物は、皮膚および/または粘膜に対し、皮膚および/または粘膜に接触することを意図する機器に対し、ならびに/または表皮のバリアを破損させることを意図する機器に対し、適用されることを目的とし得る。
【0147】
一態様によると、本発明は、発明の主題として、細菌性および/または真菌性および/またはウイルス性等の微生物性感染症を予防するまたは防ぐためのプロセス、詳細には、組成物を適用する工程を含む、院内感染を予防するまたは防ぐためのプロセス、詳細には、上皮のバリアが、カテーテルの使用等により破損するか、もしくは損傷のリスクがあり、または細菌および/または真菌等の微生物の通過を可能にする破損が存在する、皮膚または粘膜表面に適用する工程を含む感染症を予防するまたは防ぐためのプロセスを含む、。
【0148】
該組成物、特に、該医薬組成物は、局所(topic)または全身性投与用、経口または非経口の投与用に調剤されてよい。詳細には:
−肺、静脈内(intraveinous)、皮下、筋肉内および/または腹腔内製剤等の注入投与;したがって、該組成物は、疎水性または親水性であり得る、
−局所投与(直腸、皮膚の)、
−経口投与
用に調剤されてよい。
【0149】
該組成物は、液体、ペースト、粉末、ポマード、エマルション、クリーム、ゲル、錠剤、カプセルとして存在してよい。
【0150】
該組成物は、疎水性形態であり得、つまり、水および/または極性溶媒を含まないことを意味する。
【0151】
ゲルの形態の場合、粘度は、500〜2000センチポイズ(cP)、詳細には、750〜1500センチポイズ(cP)になり得る。それは、25℃で、250rpmのCPE52ローターを用いて測定し得る。
【0152】
該組成物は、特に、ポマード、ゲルまたはクリームとして、ポリエチレングリコール、詳細には、マクロゴール400、中鎖トリグリセリドおよび/または大豆油を含み得る。該組成物は、コロイド状シリカも含んでよい。
【0153】
エマルションの形態の場合、該組成物は、ゲル化剤を含んでよく、該ゲル化剤は、ポリビニル・ピロリドン、詳細には、例えば、ポビドンK30(登録商標)などのポビドン等のポリマーであり得る。該エマルションは、例えば、ポリソルベート、オレイン酸ポリグリセリルまたはカプリン/カプリル酸グリセリド等の界面活性剤を含んでよい。
【0154】
親水性の組成物は、ゲル化剤および/または界面活性剤、詳細には、上記に開示したもの等を含んでよい。
【0155】
静脈内製剤は、ポリビニル・ピロリドンを含んでよい。
【0156】
本発明のさらなる目的において、該組成物は、清浄剤として、詳細には、皮膚または粘膜に接触することを意図する医療機器を清浄するために、より詳細には、潜在的な破損が存在し得る場合に、使用される。例えば、この組成物は、注入が行われる皮膚表面に対し、またはカテーテル(詳細には導尿カテーテル)が使用される皮膚または粘膜表面に対し、使用し得る。
【0157】
本発明のさらなる目的において、該組成物は、微生物誘発性の腐食に対する清浄剤、予防剤または保護剤として使用される。
【0158】
該組成物は、保存剤(詳細には、食品または化粧品組成物用)としても使用し得る。
【0159】
該組成物は、表面を二次コロニー形成から洗浄するおよび/または保護するためにも使用し得る。
【0160】
特定の実施形態によると、活性配合物および/または組成物は、詳細には、医薬組成物または保存剤として、殺菌性である。
【0161】
実施形態によると、該組成物、詳細には医薬組成物(pharmaceutical)は、クロルヘキシジン、塩素またはヨウ素等のスペクトルの広い消毒剤、詳細には、ベタジン等のポリビドンヨードを含む。
【0162】
他の実施形態によると、本発明は、主題として、本発明による組成物、詳細には、医薬組成物を含むパッチを包含する。
【0163】
他の態様によると、本発明は、主題として、組成物、詳細には、医薬組成物、詳細には、上記に開示された組成物の調剤のための活性配合物の使用を含む。
【0164】
他の態様によると、本発明は、主題として、活性配合物の有効量が対象へ送達される、微生物感染、詳細には上記に開示された感染の治療を含む。
【0165】
他の態様によると、本発明は、主題として、シンナムアルデヒドの抗微生物性、詳細には、抗細菌性および/または抗真菌性活性を向上させるための、上記で定義された増強剤の使用を含み、詳細には、耐性誘導を低減すること、詳細には、耐性誘導を0に低減すること、少なくとも上記で定義された1以上の細菌に対してMICを増加させること、および/または活性のキネティクスを増大させること、という点で向上させる。
【0166】
薬物は、一日あたり一回、二回または三回といった投薬レジームで投与できる。用量は、通常の知識に基づいて、医師により決定され得る。両性別の健康なCD−1およびBalb/cマウスにおける、初期のPK/PDモデルは、臨床上関連する副作用なしで300mg/kgという最大耐量を示唆し、15×100mgの投与後、主要な生化学的および血液学的変化が起きないことを示唆した。予備的なキネティクスのデータは、2時間におよぶ血漿によるMRSAの残存阻害を伴う、本発明の活性配合物、詳細には活性配合物9の、急速な排除を示唆し、これは、主要化合物であるシンナムアルデヒドの書誌データ(1.7h)に合致している。
【0167】
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、それを制限することは決して意図しない。
【実施例】
【0168】
実施例1:細菌株
試験した株は、ヒト患者からの様々なサンプル(血液、尿、肺吸引など)から単離された。それらは、入院時に感染しておらず、入院の少なくとも48時間後には感染症を発症した患者から単離された。調査した株は、以下の通りである:
【0169】
【表2-1】
【0170】
【表2-2】
【0171】
実施例2:活性配合物9の抗細菌活性
Mueller Hinton geloseにおいて活性配合物の溶解を可能にする方法にしたがって、以下のMICを、表1に開示される活性配合物9を用いて測定した。前記活性配合物9は、以下の表に示される濃度で試験された:
【0172】
【表3-1】
【0173】
【表3-2】
【0174】
抗細菌活性は、細胞壁構造のタイプおよび抗生物質耐性の有無にかかわらず、すべての株においてほぼ一定である。活性配合物9は、嫌気性細菌に対しても有効であるということが、大きな関心をもって認められるであろう。さらに、活性配合物9は、好気性細菌よりも、嫌気性細菌において顕著に有効である。
【0175】
実施例3:活性配合物1〜8の抗細菌活性
Mueller Hinton geloseにおいて活性配合物の溶解を可能にする方法にしたがって、以下のMICを、純粋なトランス−シンナムアルデヒド(CNM)、および表1に開示される活性配合物1〜8を用いて測定した。トランス−シンナムアルデヒドのMIC(%)および活性配合物1〜8のMIC(%)を、以下の表に示す。
【0176】
【表4-1】
【0177】
【表4-2】
【0178】
抗細菌活性は、細胞壁構造のタイプおよび抗生物質耐性の有無にかかわらず、すべての株においてほぼ一定である。
【0179】
実施例4:活性配合物9の有効性
したがって、活性配合物9を、主要な耐性機構を示す、院内から単離された123株に対して試験した。
【0180】
【表5】
【0181】
活性配合物9が試験した全ての株に対して有効であったため、これらの結果は活性配合物9の広いスペクトルの効果を裏付けている。MICレベルは、ほぼ一定であり、1つの属における相違は、1つの希釈物より大きくなることはない。
【0182】
殆どの属が、300mg/LのインビトロMICを有するが、いくつかのものは特に感受性(アシネトバクター属およびバークホルデリア属)であり、一方、他のいくつかのものはそれよりも僅かに感受性が低い(セラチア属、シュードモナス属およびエンテロコッカス属)。
【0183】
実施例5:活性配合物9の殺菌活性
細菌の計数
サンプルを連続して10分の1希釈することによって計数を行う。それぞれの希釈物(100μl)を、Mueller Hinton gelose上に播種する。15〜150個のコロニーを含むペトリ皿で計数を行う。したがって、計数閾値は、150UFC/mlである。
【0184】
D/Eの中和力
所定の時間の後、活性配合物の活性を停止させるために、活性配合物+細菌の混合物100μlを取り、900μlの中和剤dilutantで希釈し、活性配合物の抗細菌作用を妨げる。
【0185】
使用した中和剤は、Criterion社より販売されているDey and Engleyの「Neutralizing broth for neutralizing and testing disinfectants and antiseptics」であり、以下の処方である:
グルコース(10g)、レシチン(7g)、カゼインペプトン(5g)、Tween80(5g)、チオ硫酸ナトリウム(6g)、bipotassic phosphate(3.3g)、重亜硫酸ナトリウム(2.5g)、酵母抽出物(2.5gのナトリウム)、チオグリコール酸(1g)、monopotassic phosphate(0.1g)およびブロモクレゾールパープル(20mg)。得られた粉末を、1リットルの脱イオン水に溶解し、加熱および溶解後、該培地をオーブンに移して121℃で15分間滅菌する。最終pHは、7.6±0.2である。
【0186】
中和剤コントロールは、以下のように行う:
活性配合物+中和剤(半々)の混合物を、細菌接種物と接触させる。37℃で48時間のインキュベーション後、細菌の計数値はコントロールの計数値の50%未満にならないであろう。このことは、中和剤の活性が存在しないこと、詳細には、中和剤がキャリーオーバー現象を回避しながら活性配合物の抗細菌活性を完全に遮断するという事実を示すことを可能にする。
【0187】
活性配合物の殺菌活性の測定
活性配合物+細菌の15、30、45および60分の接触後、産生物(product)/細菌の混合物100μlを取り、900μlの中和剤に加え、次に、2回の希釈(10分の1および100分の1)をcysteinated Ringerで行う。各希釈物100μlをMueller Hinton gelose上に播種する。次いで、培養ディッシュを48時間インキュベートし、生存菌を計数する。
【0188】
活性配合物の用量は、各試験した株のMIC×4に相当する。
【0189】
結果表現
定義によれば、殺菌効果は、接種開始から最低3logの減少が観察される場合に得られる。細菌数と活性配合物との接触時間とを関連付ける、殺菌性のグラフを描くことができる;これによって、殺菌性が強力であるか、および速いかまたは遅いかを確認することが可能になる。
【0190】
結果:
例えば、活性配合物9は、株8132、8239、8154、9004において殺菌性を示す。結果は、以下の表に示される。
【0191】
【表6】
【0192】
【表7】
【0193】
次に、活性配合物9の殺菌効果を、4×MICで、60株についての死滅曲線で分析し、4×MICのCNMおよび1%の活性配合物9(ポジティブコントロール)と比較した。結果は、細菌数を1log減少させるために必要な分で表される。
【0194】
【表8】
【0195】
活性配合物9は、4×MICで50.8分、および1%で15.6分の平均lagを示した(表19)。7株について、活性配合物9の4×MICで菌数の減少が観察されなかったが、活性配合物9は、全ての株に対し、1%で殺菌性であった。
【0196】
実施例6:キネティクス調査
活性配合物9に接触させた4種の細菌(NDM−1 E.coli、多耐性Enterococcus sp、VIM−2 P. aeruginosaおよびOXA−48 K. pneumoniae)の増殖能を、3つの異なる濃度で試験した:MIC、MIC/2、MIC/4、MIC/8およびMIC/16。
【0197】
結果を、
図2〜6に報告する。
【0198】
活性配合物9は、MICでK. pneumoniaについてのみ殺菌効果を示し、一方、他の株は、MICで安定した細菌数を示す。驚くべきことに、4つの株について、細菌数は、MIC/2で12時間、MIC/4で4時間、安定し、活性配合物9が、MIC未満の濃度で細菌の分裂能を低減可能であることを示している。
【0199】
実施例7:内的相乗作用
Mueller Hinton geloseにおいて活性配合物の溶解を可能にする方法にしたがって、活性配合物1〜9の純粋な化合物を用いて、MICを測定した。
【0200】
【表9】
【0201】
表9は、シンナムアルデヒド(CNM)だけが、全ての株に対して非常に効果的であることを示す。3つの化合物は、試験した濃度では活性を示さない。他の化合物では、カリオフィレン、酢酸シンナムアルデヒド(cinnamaldehyde acetate)(CNM---A)、およびリナロールが、それぞれ、狭い、中間、および広いスペクトルの特異的活性を示す。
【0202】
同じ方法にしたがって、純粋なトランス−シンナムアルデヒド(CNM)および活性配合物1〜9を用いて、MICを測定した。表10において、活性配合物1〜8についての結果を、活性配合物9(もっとも活性が高い)と比較し、希釈(dilution)に関して(値=log2(CMI活性配合物または化合物/CMI活性配合物9))表されている。
【0203】
【表10-1】
【0204】
【表10-2】
【0205】
活性配合物9に関するFIC indexを計算し、下の表に報告する:
【0206】
【表11-1】
【0207】
【表11-2】
【0208】
これらの結果は、活性配合物9がより強力な配合物であることを示している。このことは、非CNM化合物は、試験された濃度では、それ自体は活性を示さないが、配合物においてそれらが存在することでCNMの抗細菌特性が増強することを証明している。活性配合物9の処方のすべてのプロダクトが、配合物の活性に関与する。実際に、取り除かれた化合物がいくつかの細菌に対し有効でない場合でも、対応する配合物は、効果が下がるか、または活性配合物9よりも狭いスペクトルを示す。これらの結果は、有効性を増すため、または毒性を低減されるためのいずれかについて、配合物を使用することの重要性を裏付ける。実際に、活性配合物9を用いて測定したMICは、全体的に、天然化合物のMICよりも低い。
【0209】
実施例8:ウイルスに対する活性配合物9の活性
VIHに対する活性配合物9(M9)の活性を試験し、AZTの活性と比較した。
【0210】
【表12】
【0211】
活性配合物9によるP24の良好な阻害が認められる。
【0212】
実施例9:抗細菌性ゲル
活性配合物9を、93mlのマクロゴール400(Lutreol400)中で可溶化する。次に、コロイド状シリカ(6g)を加える。
該混合物を、非流動性ゲルを得るためにホモジナイズする。
このゲルは、例えば、細菌性および/または真菌性感染症を予防するため、例えば、カテーテルを使用する場合に、使用し得る。
該カテーテルは、該ゲルで被覆されてよいし、および/または上皮損傷をしやすい表面を、該ゲルで被覆してよい。
細菌を破壊する能力は、クリーム中のMRSA株の接種によって測定し、その後、生存細菌を測定する。
【0213】
結果は、以下の表および
図1に示し、CFU/mlをy軸に、時間(h)をx軸に示す。
【0214】
【表13】
【0215】
減少log時間は、4h10である。
したがって、そのようなゲルは、細菌の量を減少させることを可能にする。
【0216】
実施例10:干渉物質
本実施例は、NF EN 13727にしたがって、活性配合物9を用いて行われた。
【0217】
【表14】
【0218】
試験した干渉物質は、ウシアルブミン(3.0g/l)とヒツジ赤血球(3.0ml/l)との混合物である。
【0219】
実施例11:感染したマウスの治療
試験は、10〜12週齢のBalb/cマウスに対して行う。
それらは、増殖期にある4.10
7のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌またはE.coliの腹腔内注射によって感染させる。
後日、毎日の治療を以下のように行う:
−処置なし:感染なし
−プラシーボ:治療なし、および
−50および100mg/kg/j(一日あたり一回または二回の投与)の活性配合物9による毎日の治療
【0220】
データを、以下の表にまとめる。
【0221】
【表15】
【0222】
両株のモデルにおいて、100mg/kg/jの活性配合物9によって生存率が改善した。このパラメータは、7日間のヘルススコアおよび体重の経過観察で高まった。
【0223】
細菌曝露で生存しなかったマウスの生存時間は、全く変わらない(MRSA)か、または僅かに増加した(100mg/kg/bid、E.coli)。E.coliにおける最大用量での過剰死は、瀕死状態のマウスにおける毒性を示唆する。全体的な表のバリエーションは、それぞれの株モデルについて、100mg/kgで腹腔内治療を受けた2つの群が曝露から回復したことを示す(ヘルススコア、体重の合計)。
【0224】
実施例12:抗生物質(antiobiotics)との相互作用
活性配合物9およびアミカシンまたはコリスチンとの間の相互作用を調査した。相乗効果は、fractional inhibitory concentration (FIC)indexを用いて評価し、抗生物質−活性配合物9の組み合わせは、相乗効果(FIC<0.5)、相加効果(FIC indexが0.5〜1の間)、不関効果(1〜4の間)、または拮抗効果(>4)に分類した。それぞれの組み合わせについて、抗生物質および活性配合物9のいくつかの用量を試験し、組み合わせの広範囲な評価と、相対比率の影響をもたらした。次に、56のFIC indexを、試験したすべての組み合わせについて計算した。これらのFIC indexを、以下の表に示す。
【0225】
【表16-1】
【0226】
【表16-2】
【0227】
【表17-1】
【0228】
【表17-2】
【0229】
実施例13:iv用製剤
【0230】
【表18】
【0231】
この製剤は、後に水で希釈される。