(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献2に記載の車載機器の取付け構造においては、表示ユニットは制御ユニットに固定されており、サービス時に表示ユニットを制御ユニットから取り外すためには、インストルメントパネルの表面を構成する一部のパネルを取り外し、さらに、インストルメントパネルの内部に配置された空調ダクト等についても取り外す必要があった。
【0007】
サービス性を改善するため、インストルメントパネルの表面を構成する部材に、表示ユニットの周辺において、サービス時に制御ユニットを表示ユニットとともに例えば上方に取り出し可能なように、大きな開口を設け、当該開口をベゼル等で覆うことが考えられる。
【0008】
しかし、着座する乗員の前方となる位置に大きな開口を設けると、部材間の分割ラインが長くなり、インストルメントパネルの見栄えや、インストルメントパネルに配置される種々の部材のレイアウトに大きな影響を与える。
【0009】
本発明は、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とを両立可能な車載機器の取付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1に記載の発明は、
車両のインストルメントパネルに立設される表示ユニットと、前記インストルメントパネルの内部に配置される制御ユニットとを有する車載機器の取付け構造であって、
前記制御ユニットは前記インストルメントパネルに固定され、
前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、
前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成され
、
前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に着脱可能に固定され、
前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に着脱可能に固定され、
前記インストルメントパネルに、前記制御ユニットが固定される第3固定部が備えられ、
前記制御ユニットは、制御ユニット本体と、前記制御ユニット本体の車幅方向の端部に固定された支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定される第4固定部と、前記第3固定部に固定される第5固定部とを備え、
前記第4固定部と前記第5固定部とは車幅方向において略同一位置に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記表示ユニットは、前
記第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記制御ユニットは、前
記第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されていることを特徴とする。
【0012】
本願の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記第1固定部は、前記第1軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定され、
前記第2固定部は、前記第2軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されていることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項4に記載の発明は、請求項
1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御ユニットは、前記第3固定部に第3軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記第3固定部は、前記第3軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向または略車体上下方向となるように、その形状が設定されていることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項5に記載の発明は、請求項
1から4のいずれか1項に記載の発明において、
前記表示ユニットは、ディスプレイ本体と、前記ディスプレイ本体に固定され、かつ前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定されるユニット着脱部材を備え、
前記ユニット着脱部材は、前記ディスプレイ本体の表示部の背面側に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本願の請求項6に記載の発明は
、
車両のインストルメントパネルに立設される表示ユニットと、前記インストルメントパネルの内部に配置される制御ユニットとを有する車載機器の取付け構造であって、
前記制御ユニットは前記インストルメントパネルに固定され、
前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、
前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成され、
前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定され、
前記第1固定部は、前記第1軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定され、
前記第2固定部は、前記第2軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定され、
前記インストルメントパネルに、前記制御ユニットが固定される第3固定部が備えられ、
前記制御ユニットは、前記第3固定部に第3軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記第3固定部は、前記第3軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向または略車体上下方向となるように、その形状が設定され、
前記制御ユニットは、制御ユニット本体と、前記制御ユニット本体の車幅方向の端部に固定された支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定される第4固定部と、前記第3固定部に固定される第5固定部とを備え、
前記第4固定部と前記第5固定部とは車幅方向において略同一位置に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項7に記載の発明は
、
車両のインストルメントパネルに立設される表示ユニットと、前記インストルメントパネルの内部に配置される制御ユニットとを有する車載機器の取付け構造であって、
前記制御ユニットは前記インストルメントパネルに固定され、
前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、
前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成され、
前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定され、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定され、
前記表示ユニットは、ディスプレイ本体と、前記ディスプレイ本体に固定され、かつ前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定されるユニット着脱部材を備え、
前記ユニット着脱部材は、前記ディスプレイ本体の表示部の背面側に配置され、
前記表示ユニットは、前記ディスプレイ本体の周囲において前記インストルメントパネルの表面と連続する表面を有するベゼルとを有し、
前記ユニット着脱部材は、前記ベゼルの下方に配置され、
前記ベゼルにおいて前記ユニット着脱部材の上方に位置する部分が、取り外し可能な着脱パネルとして構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願の請求項1に記載の発明によれば、前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、かつ前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成されているので、ユニット連結部材を前記制御ユニットに対してのみ固定しておくことや、表示ユニットに対してのみ固定しておくことができる。そのため、ユニット連結部材を、表示ユニットの取付け時やサービス時において、その作業性を考慮して、制御ユニットと表示ユニットとのいずれかにのみ固定しておくことが可能となる。つまり、表示ユニットの取付け方法やサービス方法を多様化することができる。したがって、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とを両立することができる。
また、前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に着脱可能に固定され、前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に着脱可能に固定され、前記インストルメントパネルに、前記制御ユニットが固定される第3固定部が備えられている。
また、前記制御ユニットは、前記制御ユニットが、制御ユニット本体の車幅方向の端部に固定された支持部材を有し、前記支持部材は、前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定される第4固定部と、前記第3固定部に固定される第5固定部とを備えている。その場合において、前記第4固定部と前記第5固定部とは、車幅方向において略同一位置に形成されているので、前記第4固定部と前記第5固定部の2つの固定部を設けた場合でも、車幅方向に大きくならない。したがって、表示ユニットを、車幅方向の取付スペースを拡大することなく、連結ブラケット及び支持部材を介して制御ユニットに固定することができる。
【0018】
本願の請求項2に記載の発明によれば、前記制御ユニットは、前
記第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、前記表示ユニットは、前
記第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定される。その場合において、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されている。そのため、表示ユニットの取付け時やサービス時において、第1軸状締結部材と第2軸状締結部材とのうち装着や装着解除の作業性がよい軸状部材を各部材の装着方向に移動させて装着または装着解除することにより表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。よって、表示ユニットの取付け方法やサービス方法をより多様化することができる。そのため、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とをより一層良好に両立することができる。
【0019】
本願の請求項3に記載の発明によれば、前記第1固定部は、前記第1軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定され、前記第2固定部は、前記第2軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定されている。そのため、表示ユニットの取付け時やサービス時において、第1軸状締結部材と第2軸状締結部材とのうち装着や装着解除の作業性がよい軸状部材を略車体前後方向または略車体上下方向に移動させて装着または装着解除することにより、表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。
【0020】
本願の請求項4に記載の発明によれば
、前記制御ユニットは、前記第3固定部に第3軸状締結部材により着脱可能に固定されている。その場合において、前記第3固定部は、前記第3軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向または略車体上下方向となるように、その形状が設定されている。そのため、制御ユニットの取付け時やサービス時において、第3軸状締結部材を略車体前後方向または略車体上下方向に移動させて装着または装着解除することにより、制御ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。
【0021】
本願の請求項5に記載の発明によれば、
前記表示ユニットが、ディスプレイ本体と、前記ディスプレイ本体に固定され、かつ前記ユニット連結部材の前記第2固定部に固定されるユニット着脱部材を備えている場合において、前記ユニット着脱部材は、前記ディスプレイ本体の表示部の背面側に配置されているので、着座している乗員からは、ユニット着脱部材が見えない又は見えにくい。そのため、着座している乗員から見た美観が確保される。
【0022】
本願の請求項6に記載の発明によれば、
前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、かつ前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成されているので、ユニット連結部材を前記制御ユニットに対してのみ固定しておくことや、表示ユニットに対してのみ固定しておくことができる。そのため、ユニット連結部材を、表示ユニットの取付け時やサービス時において、その作業性を考慮して、制御ユニットと表示ユニットとのいずれかにのみ固定しておくことが可能となる。つまり、表示ユニットの取付け方法やサービス方法を多様化することができる。したがって、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とを両立することができる。
また、前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定される。その場合において、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されている。そのため、表示ユニットの取付け時やサービス時において、第1軸状締結部材と第2軸状締結部材とのうち装着や装着解除の作業性がよい軸状部材を各部材の装着方向に移動させて装着または装着解除することにより表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。よって、表示ユニットの取付け方法やサービス方法をより多様化することができる。そのため、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とをより一層良好に両立することができる。
また、前記第1固定部は、前記第1軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定され、前記第2固定部は、前記第2軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定されている。そのため、表示ユニットの取付け時やサービス時において、第1軸状締結部材と第2軸状締結部材とのうち装着や装着解除の作業性がよい軸状部材を略車体前後方向または略車体上下方向に移動させて装着または装着解除することにより、表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。
また、前記インストルメントパネルに、前記制御ユニットが固定される第3固定部が備えられ、前記制御ユニットは、前記第3固定部に第3軸状締結部材により着脱可能に固定されている。その場合において、前記第3固定部は、前記第3軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向または略車体上下方向となるように、その形状が設定されている。そのため、制御ユニットの取付け時やサービス時において、第3軸状締結部材を略車体前後方向または略車体上下方向に移動させて装着または装着解除することにより、制御ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。
また、前記制御ユニットが、制御ユニット本体の車幅方向の端部に固定された支持部材を有し、前記支持部材は、前記ユニット連結部材の前記第1固定部に固定される第4固定部と、前記第3固定部に固定される第5固定部とを備えている。その場合において、前記第4固定部と前記第5固定部とは、車幅方向において略同一位置に形成されているので、前記第4固定部と前記第5固定部の2つの固定部を設けた場合でも、車幅方向に大きくならない。したがって、表示ユニットを、車幅方向の取付スペースを拡大することなく、連結ブラケット及び支持部材を介して制御ユニットに固定することができる。
【0023】
本願の請求項7に記載の発明によれば、
前記制御ユニットと前記表示ユニットとはユニット連結部材を介して連結され、かつ前記ユニット連結部材は、前記制御ユニットと前記表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成されているので、ユニット連結部材を前記制御ユニットに対してのみ固定しておくことや、表示ユニットに対してのみ固定しておくことができる。そのため、ユニット連結部材を、表示ユニットの取付け時やサービス時において、その作業性を考慮して、制御ユニットと表示ユニットとのいずれかにのみ固定しておくことが可能となる。つまり、表示ユニットの取付け方法やサービス方法を多様化することができる。したがって、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とを両立することができる。
また、前記制御ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第1固定部に第1軸状締結部材により着脱可能に固定され、前記表示ユニットは、前記ユニット連結部材に設けられた第2固定部に第2軸状締結部材により着脱可能に固定される。その場合において、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1固定部への前記第1軸状締結部材の装着方向と前記第2固定部への前記第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されている。そのため、表示ユニットの取付け時やサービス時において、第1軸状締結部材と第2軸状締結部材とのうち装着や装着解除の作業性がよい軸状部材を各部材の装着方向に移動させて装着または装着解除することにより表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。よって、表示ユニットの取付け方法やサービス方法をより多様化することができる。そのため、インストルメントパネルのデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とをより一層良好に両立することができる。
また、前記表示ユニットが、ディスプレイ本体と、前記ディスプレイ本体に固定され、かつ前記ユニット連結部材の前記第2固定部に固定されるユニット着脱部材を備えている場合において、前記ユニット着脱部材は、前記ディスプレイ本体の表示部の背面側に配置されているので、着座している乗員からは、ユニット着脱部材が見えない又は見えにくい。そのため、着座している乗員から見た美観が確保される。
また、前記表示ユニットが、前記ディスプレイ本体の周囲において前記インストルメントパネルの表面と連続する表面を有するベゼルとを有し、前記ユニット着脱部材は、前記ベゼルの下方に配置されている場合において、前記ベゼルにおいて前記ユニット着脱部材の上方に位置する部分が、取り外し可能な着脱パネルとして構成されているので、サービス時等において着脱パネルを取り外すことにより、ユニット着脱部材とユニット連結部材との固定箇所に容易にアクセスすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る車載機器の取付け構造について説明する。なお、説明がいたずらに冗長となることを抑制するため、車載機器の説明において「前」、「後」、「上」、「下」、「背面」というときは、特に定義する場合を除き、当該機器において通例「前」、「後」、「上」、「下」、「背面」として扱われる方向や面を意味するものとする。また、装置単体の説明であっても、理解を容易とするため、車両に搭載されているものとして、車体を基準とした方向表現等を用いて説明を行う場合がある。
【0026】
1.構成
1−1.インストルメントパネルの概要
図1は、本発明の実施の形態に係る車載機器の取付け構造に係るインストルメントパネルの概略構造を示す斜視図である。
【0027】
インストルメントパネル1は、車両の車室の前部に車幅方向に沿って配設されるパネルである。インストルメントパネル1のインストルメントパネル本体10には、車両に配置された状態において、運転席の前方となる部分に、車速メータや燃料残量メータ等を有するメータユニット11が取り付けられている。また、インストルメントパネル本体10において、メータユニット11の下方には、ステアリングホイールやステアリングシャフト等を有するステアリング装置が配置される開口部12が設けられている。
【0028】
また、インストルメントパネル1には、車両に配置された状態において、助手席の前方となる部分に、小物等を収納するためのグローブボックス13が設けられている。
【0029】
また、インストルメントパネル本体10の車幅方向の左右の端部付近や中央には、空調風の吹き出し口14、15、16が形成されている。
【0030】
さらに、インストルメントパネル1の上面の車幅方向の中央には、表示ユニット20が立設されている。また、インストルメントパネル1の内部には、表示ユニット20の表示動作を制御する制御ユニット30(
図2参照)が収容されている。
【0031】
1−2.表示ユニット及び制御ユニットの概要
図2は、インストルメントパネル1において表示ユニット20及び制御ユニット30が配置される部分の平面図である。
【0032】
表示ユニット20は、映像を表示可能な表示部を有するディスプレイ本体21と、ディスプレイ本体21の下部側に取り付けられたベゼル22とを有する。インストルメントパネル1の上面には、表示ユニット20の下部側(ベゼル22)が嵌められる凹部10a(
図7、
図8参照)が形成されている。凹部10aとベゼル22は、平面視でほぼ同じ形状を有している。ベゼル22は、ディスプレイ本体21の周囲においてインストルメントパネル1の表面と連続するように、その表面が形成されている。また、ベゼル22は、平面視で、ディスプレイ本体21よりも若干大きい程度の大きさを有する。つまり、ベゼル22の大きさは、平面視で、インストルメントパネル1に対して比較的小さく、かつインストルメントパネル本体10との間に形成される分割ラインも比較的短くなっている。ベゼル22においてディスプレイ本体21の背面側となる位置には開口部が形成され、当該開口部には着脱可能な蓋25が嵌められている。
【0033】
図3は、インストルメントパネル1(インパネメンバ2)への表示ユニット20及び制御ユニット30の取付け構造を、背面側斜め上方から見た斜視図である。なお、インストルメントパネル1の内部には、車幅方向に延びる円管状のインパネメンバ2が設けられている。インパネメンバ2の車幅方向ほぼ中央には、車両後方側に延びる左右一対の第1インパネブラケット3及び第2インパネブラケット4が固着されており、制御ユニット30は、第1インパネブラケット3及び第2インパネブラケット4に固定される。表示ユニット20は、連結ブラケット40を介して制御ユニット30に固定される。
【0034】
図4は、インストルメントパネル1(インパネメンバ)への表示ユニット20及び制御ユニット30の取付け構造を、組み付け前の各部材単位に分解した状態で示した、表示ユニット20の背面側斜め上方から見た斜視図である。第1インパネブラケット3は、長板状の金属部材を折り曲げることにより構成された部材であり、車両後方側の端部に、制御ユニット30の支持ブラケット32の第5固定部32cに固定される第3固定部3aを有する。第3固定部3aは、固定面が車両後方側斜め上方(略車体前後方向)を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔3bが形成されている。
【0035】
第2インパネブラケット4は、板状の金属部材を台状に折り曲げることにより構成された部材であり、制御ユニット30が載置される載置面が略車体上下方向の上方を向き、車両前方側に、制御ユニット30の固定部材33に係合される固定部4aを有する。
【0036】
図5は、表示ユニット20を背面側斜め下方から見た斜視図である。ベセル体22の縁部付近の下面には、下方に突出する複数個の係合突起22bが形成されている。また、ベセル体22には、表示ユニット20の下部側が収容される収容部22aが、下方に突出させて形成されている。
【0037】
収容部22aの後面には、着脱ブラケット23が固着されている。着脱ブラケット23は、板状の金属部材を折り曲げることにより構成された断面L字状の部材であり、連結ブラケット40に固定される第6固定部23a(
図4参照)を有する。第6固定部23aは、固定面が略車体上下方向を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔23b(
図11参照)が形成されている。ここで、着脱ブラケット23は、ディスプレイ本体21の表示部の背面側に位置する。
【0038】
連結ブラケット40は、長板状の金属部材を折り曲げることにより構成され、
図4、
図5に示すように、長手方向(車幅方向)の中央に、着脱ブラケット23の第6固定部23aに固定される第1固定部40aを備えるとともに、長手方向の両端部に、制御ユニット30に固定される第2固定部40bを備える。第1固定部40aの固定面は、略車体上下方向を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔40d(
図11参照)が上記第6固定部23aに形成されたボルト挿通孔23bに対応して形成されている。したがって、ボルト挿通孔23bとボルト挿通孔40dに挿通される第1軸状締結部材としての第1ボルト51(
図4参照)の装着方向は略車体上下方向となる。また、第2固定部40bの固定面は、略車体前後方向を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔40cが形成されている。
【0039】
図6は、車載機器としての制御ユニット30の斜視図である。具体的に、(a)図は、制御ユニット30を前面側斜め上方から見た斜視図である。(b)図は、制御ユニット30を背面側斜め下方から見た斜視図である。制御ユニット30は、制御ユニット本体31と、支持ブラケット32と、固定部材33とを有する。支持ブラケット32は、制御ユニット本体31をその下方において支持する板状の部材であり、長板状の金属部材を折り曲げることにより構成され、車幅方向に延び、制御ユニット本体31の左右の側面(端部)にネジ等により固定されている。支持ブラケット32は、連結ブラケット40の第1固定部40aに固定される第4固定部32aと、第1インパネブラケット3の第3固定部3aに固定される第5固定部32cとを備える。第4固定部32aと第5固定部32cとは車幅方向において略同一位置に形成されている。第4固定部32aの固定面は、略車体前後方向を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔32bを上記第2固定部40bに形成されたボルト挿通孔40cに対応して有する。したがって、ボルト挿通孔40cとボルト挿通孔32bに挿通される第2軸状締結部材としての第2ボルト52(
図4参照)の装着方向は略車体前後方向となる。また、第5固定部32cの固定面は、斜め後方上方を向き、当該方向に貫通するボルト挿通孔32dを有する。固定部材33は、弾性変形可能な樹脂により構成され、制御ユニット本体31の下面の後部側に取り付けられて後方に突出し、第2インパネブラケット4に係合される。
【0040】
図7は、
図2のインストルメントパネル1(インストルメントパネル本体10)において表示ユニット20及び制御ユニット30が取り付けられていない状態を示す平面図である。
図8は、表示ユニット及び制御ユニットを取付け前のインストルメントパネルを車両後方側斜め上方から見た斜視図である。なお、
図7はインパネメンバ2が取り付けられていない状態を示しているが、
図8は、インパネメンバ2が取り付けられている状態を示している。インストルメントパネル本体10において、表示ユニット20が取り付けられる部位には、凹部10aが形成されている。凹部10aの中央には、制御ユニット30が配置される空間を形成する開口10hが形成されている。凹部10aにおける開口10hの周囲の部分には、表示ユニット20のベゼル22の係合突起22bが嵌められる係合孔10bと、制御ユニット30の支持ブラケット32の第4固定部32aが固定される固定部10cが設けられている。固定部10cには、制御ユニット30の支持ブラケット32のボルト挿通孔32bに対応するボルト挿通孔10dが形成されている。したがって、ボルト挿通孔32d、10d、3bに挿通される第3軸状締結部材としての第3ボルト53(
図4参照)の装着方向は略車体前後方向となる。
【0041】
1−3.組み付け構造
表示ユニット20及び制御ユニット30を、前記各ブラケットを利用して組み付けた構造について前述の
図3及び
図4を参照して説明する。制御ユニット30は、第2インパネブラケット4上の所定取付け位置に載置される。そして、制御ユニット30の支持ブラケット32の第5固定部32cと、第1インパネブラケット3の第3固定部3aと、インストルメントパネル本体10の固定部10c(
図7、
図8参照)とが、第3ボルト53により締結され、これにより、制御ユニット30がインストルメントパネル1(の第1インパネブラケット3及び第2インパネブラケット4)に固定される。
【0042】
また、制御ユニット30の支持ブラケット32の第4固定部32aと連結ブラケット40の第2固定部40bとが第2ボルト52により締結される。また、表示ユニット20の着脱ブラケット23の第6固定部23aと連結ブラケット40の第1固定部40aとが第1ボルト51により締結される。これにより、表示ユニット20が連結ブラケット40を介して制御ユニット30に固定される。
【0043】
このように、本実施形態の車載機器の取付け構造では、制御ユニット30は、インストルメントパネル1(の第1インパネブラケット3及び第2インパネブラケット4)に固定され、制御ユニット30と表示ユニット20とは連結ブラケット40を介して連結され、連結ブラケット40は、制御ユニット30と表示ユニット20とに対して個別に着脱可能に構成されている。これにより、連結ブラケット40を制御ユニット30に対してのみ固定しておくことや、表示ユニット20に対してのみ固定しておくことができる。そのため、連結ブラケット40を、表示ユニット20の取付け時やサービス時において、その作業性を考慮して、制御ユニット30と表示ユニット20とのいずれかにのみ固定しておくことが可能となる。
【0044】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造では、連結ブラケット40に対し、表示ユニット20は、連結ブラケット40に設けられた第1固定部40aに第1ボルト51により着脱可能に固定され、制御ユニット30は、連結ブラケット40に設けられた第2固定部40bに第2ボルト52により着脱可能に固定される。また、第1固定部40aは、第1ボルト51の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定され、第2固定部40bは、第2ボルト52の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されている、つまり、第1固定部40a及び第2固定部40bは、第1固定部40aへの第1ボルト51の装着方向と第2固定部40bへの第2ボルト52の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されている。これにより、表示ユニット20の取付け時やサービス時において、第1ボルト51と第2ボルト52とのうち装着(締結)や装着解除(締結解除)の作業性がよいボルトを各ボルトの装着方向(締結方向)に移動させて装着または装着解除することにより、表示ユニット20を取り付けたり、取り外したりできる。
【0045】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、インストルメントパネル1に、制御ユニット30が固定される第3固定部3aが備えられ、制御ユニット30は、第3固定部3aに第3ボルト53により着脱可能に固定され、第3固定部3aは、第3ボルト53の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されている。これにより、制御ユニット30の取付け時やサービス時において、第3ボルト53を車体前後方向に移動させて装着または装着解除することにより、制御ユニット30を取り付けたり、取り外したりできる。
【0046】
2.インストルメントパネルへの表示ユニット及び制御ユニットの組み付け方法
インストルメントパネル1への表示ユニット20及び制御ユニット30の組み付け方法について説明する。前述の
図4、
図8、
図9等を参照して説明する。
図8は、表示ユニット20及び制御ユニット30を取付ける前のインストルメントパネル1を車両後方側斜め上方から見た斜視図である。
図9(a)は、表示ユニット20が取り付けられていないインストルメントパネル1を車両後方側斜め上方から見た斜視図である。
図8に示すように、表示ユニット20及び制御ユニット30が取り付けられる前には、インストルメントパネル本体10の開口10hを介して、第1インパネブラケット3、第2インパネブラケット4が露出している。
【0047】
まず、制御ユニット30を、
図9(a)に示すように、インストルメントパネル本体10の凹部10aの開口10h内に挿入し、第2インパネブラケット4上に載置する。このとき、
図8と対照するとわかるように、制御ユニット30の支持ブラケット32の第5固定部32cは、インストルメントパネル本体10の固定部10cの車内側(車両後方側)の面に重なる。また、
図10(b)にも示すように、インストルメントパネル本体10の固定部10cの車外側(車両前方側)の面には、第1インパネブラケット3の第3固定部3aが重なる。ここで、
図10は、車載機器の取付け構造を模式的に示す側面図である。具体的に(a)図は、車載機器が取り付けられた状態を示す図である。(b)図は、表示ユニット20をインストルメントパネル1に取り付けるときの状態を示す図である。(c)図は、表示ユニット20をインストルメントパネル1から取り外すときの状態を示す図である。そして、これらの3個の固定部が互いに重なった状態において、車両後方側から第3ボルト53を各固定部のボルト挿通孔に挿入し、当該第3ボルト53により上記3個の固定部を締結する。
【0048】
次に、
図9(b)に示すように、予め連結ブラケット40が取り付けられた表示ユニット20をインストルメントパネル本体10の凹部10aに取り付ける。このとき、ベゼル22の係合突起22bと、インストルメントパネル本体10の凹部10aの係合孔10bとが係合する。また、連結ブラケット40の第2固定部40bと、支持ブラケット32の第4固定部32aとが対向した状態となる。なお、係合突起22bと係合孔10bとの係合の強度は、組み立ての作業員が表示ユニット20を上方に持ち上げることにより容易に係合を解除させることが可能であるが、インストルメントパネル1の組み立て作業時において、インストルメントパネル本体10を車幅方向に平行な回転軸心まわりに回転させても、係合が解除されない強度に設定されている。
【0049】
次に、
図10(b)に示すように、インストルメントパネル本体10を、車幅方向に平行な回転軸心まわりに180度回転させて、インストルメントパネル本体10の上面が下方を向くように回転させる。つまり、インストルメントパネル本体10の下面(内面)が上方を向くように回転させる。そして、この状態で、連結ブラケット40の第2固定部40bのボルト挿通孔40cと支持ブラケット32の第4固定部32aのボルト挿通孔32bとに、インストルメントパネル1の裏面側から第2ボルト52を挿入し、連結ブラケット40の第2固定部40bと支持ブラケット32の第4固定部32aとを締結する。ここで、本作業時に、インストルメントパネル本体10を、車幅方向に平行な回転軸心まわりに180度回転させる理由について説明する。インストルメントパネル1の組み立ては、通例、車体への組み付け前に、専用のサブラインにおいて行われる。その場合、インストルメントパネル1と作業員との位置関係上、作業員がインストルメントパネル1の正面側や上面側から第2ボルト52による締結作業を行うのが困難な場合がある。そこで、第2ボルト52の締結時、インストルメントパネル本体10を180度回転させる。これにより、上記締結作業が可能となる。
【0050】
次に、上記のようにインストルメントパネル本体10の下面(内面)が上方を向いた状態において、表示ユニット20と制御ユニット30との間で信号ケーブル(図示せず)を接続する。これにより、インストルメントパネル1への表示ユニット20及び制御ユニット30の組み付けが終了する。
【0051】
3.インストルメントパネルからの表示ユニット及び制御ユニットの取り外し方法
表示ユニット20や制御ユニット30の故障等に伴う点検や修理の際、表示ユニット20や制御ユニット30を取り外す必要がある場合がある。以下、インストルメントパネル1からの表示ユニット20及び制御ユニット30の取り外し方法について説明する。
【0052】
表示ユニット20を取り外す必要がある場合、まず、
図10(c)に示すように、ベゼル22から、蓋25を取り外す。これにより、ベゼル22の開口部22cを介して、着脱ブラケット23及び第1ボルト51が露出する。
【0053】
次に、着脱ブラケット23の第6固定部23aと連結ブラケット40の第1固定部40aとの第1ボルト51による締結を、第1ボルト51を抜くことにより解除する。
【0054】
次に、表示ユニット20に対して上方への持ち上げ力を作用させることにより、表示ユニット20のベゼル22の係合突起22bとインストルメントパネル本体10の係合孔10bとの係合を解除させ、さらに、
図11に示すように、表示ユニット20を持ち上げる。これにより、表示ユニット20が取り外され、前述の
図9(a)に示す、表示ユニット20が取り付けられていない状態となる。
【0055】
さらに、制御ユニット30を取り外す必要がある場合、第3ボルト53を抜くことにより、制御ユニット30の支持ブラケット32の第5固定部32cと、インストルメントパネル本体10の固定部10cと、第1インパネブラケット3の第3固定部3aとの締結を解除する。このとき、連結ブラケット40は、第2ボルト52により制御ユニット30の支持ブラケット32の第3固定部3aに固定されたままの状態となっている。
【0056】
次に、制御ユニット30を、車両後方側(インストルメントパネル1の前面側)に引き出して、インストルメントパネル1の外部に取り出す。
【0057】
このように、本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、表示ユニット20に対するサービス時、表示ユニット20のみをインストルメントパネル1から取り外すことが可能となる。また、このとき、制御ユニット30及びこれを固定する第3ボルト53の頭部が外部に露出するので、第3ボルト53による締結をインストルメントパネル1の前面側から解除し、さらに制御ユニット30をインストルメントパネル1の前面側に取り出すことができる。そのため、本実施形態の車載機器の取付け構造においては、インストルメントパネル本体10における表示ユニット20の周囲の部分に別途取り外し可能な部分等を設ける必要がなくなる。
4.まとめ
以上説明した本実施形態の車載機器の取付け構造は、以下の構成及び特徴を有する。
【0058】
すなわち、本実施形態の車載機器の取付け構造は、
車両のインストルメントパネル1に立設される表示ユニット20と、インストルメントパネル1の内部に配置される制御ユニット30とを有する車載機器の取付け構造であって、
制御ユニット30はインストルメントパネル1に固定され、
制御ユニット30と表示ユニット20とは連結ブラケット40を介して連結され、
連結ブラケット40は、制御ユニット30と表示ユニット20とに対して個別に着脱可能に構成されている。
【0059】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、制御ユニット30と表示ユニット20とは連結ブラケット40を介して連結され、かつ連結ブラケット40は、制御ユニット30と表示ユニット20とに対して個別に着脱可能に構成されているので、連結ブラケット40を制御ユニット30に対してのみ固定しておくことや、表示ユニット20に対してのみ固定しておくことができる。そのため、連結ブラケット40を、表示ユニット20の取付け時やサービス時において、その作業性を考慮して、制御ユニット30と表示ユニット20とのいずれかにのみ固定しておくことが可能となる。つまり、表示ユニット20の取付け方法やサービス方法を多様化することができる。したがって、インストルメントパネル1のデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とを両立することができる。
【0060】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
表示ユニット20は、連結ブラケット40に設けられた第1固定部40aに第1ボルト51により着脱可能に固定され、
制御ユニット30は、連結ブラケット40に設けられた第2固定部40bに第2ボルト52により着脱可能に固定され、
第1固定部40a及び第2固定部40bは、第1固定部40aへの第1ボルト51の装着方向と第2固定部40bへの第2ボルト52の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されている。
【0061】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、表示ユニット20の取付け時やサービス時において、第1ボルト51と第2ボルト52とのうち装着(締結)や装着解除(締結解除)の作業性がよいボルトを各ボルトの装着方向(締結方向)に移動させて装着または装着解除することにより、表示ユニット20を取り付けたり、取り外したりできる。よって、表示ユニット20の取付け方法やサービス方法をより多様化することができる。そのため、インストルメントパネル1のデザインの自由度の確保と、車載機器に対するサービス性とをより一層良好に両立することができる。
【0062】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
第1固定部40aは、第1ボルト51の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定され、
第2固定部40bは、第2ボルト52の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されている。
【0063】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、表示ユニット20の取付け時やサービス時において、第1ボルト51と第2ボルト52とのうち装着(締結)や装着解除(締結解除)の作業性がよいボルトを略車体前後方向または略車体上下方向に移動させて装着または装着解除することにより、表示ユニットを取り付けたり、取り外したりできる。
【0064】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
インストルメントパネル1に、制御ユニット30が固定される第3固定部3aが備えられ、
制御ユニット30は、第3固定部3aに第3ボルト53により着脱可能に固定され、
第3固定部3aは、第3ボルト53の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されている。
【0065】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、制御ユニット30の取付け時やサービス時において、第3ボルト53を略車体前後方向に移動させて装着または装着解除することにより、制御ユニット30を取り付けたり、取り外したりできる。
【0066】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
制御ユニット30は、制御ユニット本体31と、制御ユニット本体31の車幅方向の端部に固定された支持ブラケット32とを有し、
支持ブラケット32は、連結ブラケット40の第1固定部40aに固定される第4固定部32aと、第3固定部3aに固定される第5固定部32cとを備え、
第4固定部32aと第5固定部32cとは車幅方向において略同一位置に形成されている。
【0067】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、第4固定部32aと第5固定部32cの2つの固定部を設けた場合でも、車幅方向に大きくならない。したがって、表示ユニット20を、車幅方向の取付スペースを拡大することなく、連結ブラケット40及び支持ブラケット32を介して制御ユニット30に固定することができる。
【0068】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
表示ユニット20は、ディスプレイ本体21と、ディスプレイ本体21に固定され、かつ連結ブラケット40の第1固定部40aに固定される着脱ブラケット23を備え、
着脱ブラケット23は、ディスプレイ本体21の表示部の背面側に配置されている。
【0069】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、着座している乗員からは、着脱ブラケット23が見えない又は見えにくい。そのため、着座している乗員から見た美観が確保される。
【0070】
また、本実施形態の車載機器の取付け構造において、
表示ユニット20は、ディスプレイ本体21の周囲においてインストルメントパネル1の表面と連続する表面を有するベゼル22とを有し、
着脱ブラケット23は、ベゼル22の下方に配置され、
ベゼル22において着脱ブラケット23の上方に位置する部分が、取り外し可能な蓋25として構成されている。
【0071】
本実施形態の車載機器の取付け構造によれば、サービス時等において蓋25を取り外すことにより、着脱ブラケット23と連結ブラケット40との固定箇所に容易にアクセスすることができる。
【0072】
(他の実施形態)
前記実施形態において、本発明の第1〜第3軸状締結部材として、第1、第2、第3ボルト51、52、53を示した。しかし、第1〜第3軸状締結部材は、ボルトでなく、軸状のクリップ等の締結部材でもよい。
【0073】
前記実施形態においては、第1固定部は、第1軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定され、第2固定部は、第2軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されているが、本発明は、これ以外の場合にも適用可能である。すなわち、第1固定部は、第1軸状締結部材の装着方向が略車体前後方向となるように、その形状が設定されていてもよい。また、第2固定部は、第2軸状締結部材の装着方向が略車体上下方向となるように、その形状が設定されていてもよい。また、いずれの場合においても、装着方向は、車体前後方向において、前下がりに傾斜していてもよいし、前上がりに傾斜してもよい。さらに、車幅方向外方側または車幅方向内方側に向けて傾斜していてもよい。要するに、本発明においては、第1固定部及び第2固定部は、第1固定部への第1軸状締結部材の装着方向と第2固定部への第2軸状締結部材の装着方向とが異なる方向となるように、その形状が設定されていればよい。また、ユニット連結部材は、制御ユニットと表示ユニットとに対して個別に着脱可能に構成されていればよい。