特許第6415300号(P6415300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6415300
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】シート集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/38 20060101AFI20181022BHJP
   B65H 33/08 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   B65H31/38
   B65H33/08
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-255899(P2014-255899)
(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公開番号】特開2016-113286(P2016-113286A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】長田 久
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−197134(JP,A)
【文献】 特開2010−137991(JP,A)
【文献】 特開2013−035655(JP,A)
【文献】 特開2014−148419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00−31/40
B65H 33/00−33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排紙口を有する搬送経路と、
前記排紙口の下流側に配置されシートの積載面を有するトレイ部材と、
前記トレイ部材に配置されシートの搬送方向端縁を位置規制する規制部材と、
前記積載面上のシート幅方向側縁と係合する側縁係合面を有する整合部材と、
前記側縁係合面を待機位置と整合位置との間で移動するシフト手段と、
を備え、
前記シフト手段は、
前記整合部材を、側縁係合面が前記規制部材側にシートを変位させる移動軌跡で前記整合位置から待機位置に移動させることを特徴とするシート集積装置。
【請求項2】
前記整合部材は、
それぞれ側縁係合面を有する一対の整合部材で構成され、
前記シフト手段は、
前記一対の整合部材を、前記積載面の上下方向とシート幅方向に位置移動することを特徴とする請求項1に記載のシート集積装置。
【請求項3】
前記トレイ部材の積載面は、前記排紙口から送られるシートの搬入方向に徐々に低くなる傾斜面で形成され、
前記規制部材は、前記シートの搬入方向先端部を突当て規制する位置に配置され、
前記整合部材は、シートの搬入方向上流側に整合位置が、下流側に待機位置が位置し、
前記シフト手段は、前記整合部材をシートの搬入方向上流側の整合位置から下流側の待機位置に揺動移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート集積装置。
【請求項4】
前記整合部材は、
回動中心を有する揺動支持部と、
前記側縁係合面を有する整合部と、
で構成され、
前記排紙口から積載面に向かうシート搬入方向の上流側に前記揺動支持部の回動中心が、下流側に前記整合部の側縁係合面が位置することを特徴とする請求項3に記載のシート集積装置。
【請求項5】
前記整合位置は、前記積載面上の所定位置に設定され、
前記待機位置は、前記整合位置からシート幅方向とシート積載方向にそれぞれ距離を隔てた位置に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシート集積装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシート集積装置であって、
更に前記シフト手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記整合部材を、整合位置から待機位置に移動するときには、
前記側縁係合面を積載方向に移動したのちにシート幅方向に移動する
ことを特徴とするシート集積装置。
【請求項7】
請求項5に記載のシート集積装置であって、
更に前記シフト手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記整合部材を、整合位置から待機位置に移動するときには、
前記側縁係合面を、
積載方向の移動に対しシート幅方向の移動を遅延若しくは低速度で移動する
ことを特徴とするシート集積装置。
【請求項8】
前記整合部材には、
前記待機位置で前記排紙口から搬出される後続シートの下面を支持するガイド面が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシート集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置などから送られたシートをトレイ上に積載して収納するシート収納装置に係わり、シートをトレイ上の所定位置に整合する整合機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の装置は画像形成装置などの上流側の装置から送られたシートをスタックトレイに収納する装置として知られている。この場合トレイ上にシートを部毎に区分けするようにオフセットさせて集積するジョグ仕分け機構も知られている。
【0003】
例えば特許文献1にはシートを搬送する搬送経路の下流側に段差を形成してスタックトレイを配置し、排紙口から送られたシートをトレイ上に落下させて収納する収納機構と、収納したシートを左右一対の整合板で所定の位置に整合する整合機構が開示されている。
【0004】
同文献の整合機構は左右一対の整合部材をトレイ上方の待機位置から下方の作動位置に上下動させ、待機位置(姿勢)では排紙口からトレイ上方に搬出されるシートを案内し、トレイに進入後は作動位置(姿勢)でシートを幅方向の所定位置に整合させている。
【0005】
特許文献2には排紙口からトレイ上に搬入したシートを、部毎に区分けするジョガー機構が開示されている。左右一対の整合部材(板)をシート幅方向に位置移動可能に配置し、この整合部材をトレイ上方の待機位置とトレイ上の作動位置との間で上下動する機構が開示されている。そして排紙口から送られたシートを部毎に異なる位置に集積して区分けしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−148419号公報
【特許文献2】特許第3973836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように排紙経路からシートをトレイ上に落下させて収納する際に、シートを積載する積載面の所定位置にシートを位置規制して整然と積載する機構が採用されている。
【0008】
従来その機構として、排紙方向の先端部又は後端部にシートを突当て規制するストッパ部材(フェンス部材)などの規制部材を配置し、排紙直交方向(シート幅方向)には、シート側縁を位置規制する整合部材を配置している。
【0009】
例えばシートの搬入方向前方にシート突き当て規制するシート端規制部材を設け、同時にこの規制部材にシート端を揃えさせるように積載面を傾斜させている。また、積載面へのシート搬入と同期させて左右一対の側縁整合部材でシート側縁を基準位置に整合している。
【0010】
この場合、シートを部毎に異なる基準位置に整合させてジョグ仕分けするときには、シート側縁と係合する側縁係合面を有する一対の整合部材をシート積載面の上方の待機位置から積載面上の整合位置に位置移動している。
【0011】
そこで従来は左右一対の整合部材の少なくとも一方をトレイ上方の回動支点を中心に揺動させて待機位置(待機姿勢)と整合位置(整合姿勢)の間を往復動させている。このとき従来は、待機姿勢の整合部材が排紙口から搬出される後続シートの妨げとならないように、排紙口の上方に待機位置を設定している。
【0012】
このように整合部材が排紙口から搬出されるシートの軌道を過ぎって待機姿勢から整合姿勢に移動するときにはシートの搬送間隙(インターバル)を長く設定するか整合部材を高速度で移動する必要があった。
【0013】
このため、整合姿勢から待機姿勢に移動する整合部材の軌跡はシート搬入方向と反対方向となるため、トレイ上で整合したシートを位置ズレさせて乱す問題起きる。これを防止するためにはシート整合部材を整合動作後にシート幅方向に移動し、その後に待機位置に向けて上昇移動する必要がある。
【0014】
このように従来の整合部材は、待機位置と整合位置との間の移動軌跡が長く、その方向は整合後のシートを位置ズレさせる方向であるため、動作時間が長く、整合品位が劣る問題がある。
【0015】
本発明は、積載面上の整合位置と、トレイ上方の待機位置との間の移動軌跡が短く、その移動動作で整合済みのシートを位置ズレさせることのないシート収納装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を達成するため本発明は、積載面上に搬入するシートを規制部材で突き当て規制し、シート側縁と係合する整合部材の側縁係合面が整合位置から待機位置に移動する軌跡をシートを規制部材側に変位させるように設定することを特徴としている。
【0017】
更にその構成を詳述すると、排紙口を有する搬送経路と、排紙口の下流側に配置されシートの積載面を有するトレイ部材と、トレイ部材に配置されシートの搬送方向端縁を位置規制する規制部材と、積載面上のシート幅方向側縁と係合する側縁係合面を有する整合部材と、側縁係合面を待機位置と整合位置との間で移動するシフト手段とを備える。
【0018】
上記シフト手段は、上記整合部材を、側縁係合面が規制部材側にシートを変位させる移動軌跡で整合位置から待機位置に移動させるように、整合部材の移動軌跡を設定する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、整合部材が整合動作後に待機位置に移動する際に、その移動軌跡はシートを先端規制部材側に変位させる方向であるためシートが位置ズレして姿勢を乱すことがない。これと共に本発明は、積載面を規制部材側が低くなるように傾斜させ、整合位置から待機位置に移動する整合部材の移動軌跡を、この傾斜方向に設定することによって整合部材の移動長さを短くすることができ、迅速な整合動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係わるシート収納装置を備えた画像形成装置の全体構成の説明図。
図2図1のシート収納装置を有する後処理装置の説明図。
図3図2の後処理装置の要部拡大説明図。
図4図3と異なるシート整合機構の実施形態。
図5】シート収納装置における整合部材の機構と、シフト手段の構造を示す斜視説明図。
図6】シート収納装置におけるパドル機構の構造説明図。
図7図2のシート収納装置におけるシート整合動作の説明図であり、(a)はプリントアウト排紙モードにおける整合部材の整合動作を、(b)は整合部材による整合動作(移動軌跡)の一実施形態を、(c)は異なる実施形態を示す。
図8図2のシート収納装置のジョグ仕分けモードにおける整合動作の説明図であり、(a)は第1基準位置にシートの整合する場合を、(b)は第2基準位置にシートを整合する場合を示す。
図9】シート整合部材の待機位置と作動位置との間の姿勢シフト状態を示し、(a)は待機位置で排紙口からシートが搬出される初期状態を、(b)は待機位置で排紙口から搬出される後続シートを支持する状態を、(c)は排紙口から搬出されたシートが積載面に落下する状態を示す。
図10】シート整合部材の待機位置と作動位置との間の姿勢シフト状態を示し、(a)は作動位置で整合したシートをパドル機構で規制面に突当てる状態を、(b)は作動位置から待機位置に復帰する移動状態を示す。
図11】シート収納装置における制御手段の説明図。
図12】シート収納装置におけるシート収納動作の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明に係わるシート収納装置Cを備えた後処理装置Bと画像形成システムを示す。図示の画像形成システムは、画像形成装置Aと、画像形成されたシートを後処理する後処理装置Bで構成され、後処理装置Bにはシート収納装置Cが内蔵されている。
【0022】
[画像形成置]
図1に示す画像形成装置Aは、ハウジング1内に給紙部2と、画像形成部3と、排紙部4を備える。給紙部2は、例えば複数サイズのシートを収納する複数のカセット2a、2b、2cと、各カセットから繰り出されたシートを下流側の画像形成部3に給送する給紙経路5で構成される。画像形成部3は、シート上に画像を形成する画像形成機構で構成する。画像形成機構(不図示)としては、インクジェット画像形成機構、インクリボン転写画像形成機構、静電画像形成機構、シルクスクリーン画像形成機構などが知られている。
【0023】
上記排紙部4は、画像形成機構で画像形成されたシートをハウジング1に形成された排紙口7から搬出する。このため排紙部4は、排紙口7と画像形成部3からシートを排紙口に案内する排紙経路6で構成する。また、画像形成装置Aには原稿シートの画像を読み取るスキャナユニット8が配置され、画像読取したデータ、或いは外部の装置(コンピュータなど)から転送されたデータを画像データ貯蔵部(不図示)にストックする。
【0024】
[後処理装置]
図1に示す後処理装置Bは、装置ハウジング10と、このハウジングに内蔵されたシート搬入経路(シート搬送経路;以下同様)12と、処理トレイ14と、スタックトレイ15で構成されている。シート搬送経路12には、搬入口11と排紙口13が設けられ、搬入口11は画像形成装置Aの排紙口7からシートを受け入れる位置に配置されている。
【0025】
また排紙口13の下流側には段差を形成して処理トレイ14と、スタックトレイ(第1スタックトレイ;以下同様)15が配置され、シートは排紙口13から処理トレイ14に送られるか、またはスタックトレイ15に送られるか選択的に搬送される位置関係に配置されている。
【0026】
図2に示すように、排紙口13の下流側には処理トレイ14、次いでスタックトレイ15が段差dx、dy(dy≧dx)を隔てて配置されている。排紙口13と処理トレイ14との間には、シートを処理トレイ14に案内するか、スタックトレイ15に案内する搬送ローラ対(以下昇降ローラ16、従動ローラ16bと云う)16が配置されている。この昇降ローラ16を正逆転することによって排紙口13から送られたシートを処理トレイ14に案内するか、その下流側のスタックトレイ15に案内するか切り換える。
【0027】
上記処理トレイ14には、シートを積載支持する紙載面14aと、シートの端縁(図示のものは後端縁)を規制する後端規制ストッパ17と、紙載面上のシートを幅寄せ整合するサイド整合板18と、シート搬入回転体(図示のものはキャタピラベルト)19が配置されている。また処理トレイ14の出口端には昇降ローラ16が配置されている。
【0028】
上記昇降ローラ16は、排紙口13の下流側で、処理トレイ14の紙載面14aの出口端に配置され、処理トレイ14に埋設された従動ローラ16bに対して圧接する位置と、離間した待機位置との間で昇降可能にする。このため昇降ローラ16は、装置フレームに揺動可能に取付けられた揺動ブラケット20に支持され、図示しない正逆転モータに連結されている。そして揺動ブラケット20は、リフトモータに連結され、モータの正逆転で揺動ブラケット20を上昇または下降する。
【0029】
また上記処理トレイ14には、紙載面14a上に集積されたシート束を綴じ処理する後処理手段(ステープラユニット)25が配置されている。その構成はよく知られているので説明は省略する。
【0030】
上記スタックトレイ15は、積載面(シート支持面;以下同様)15xを有する紙載トレイ15aと、このトレイを支持するトレイ基台15bで構成されている。トレイ基台15bは、装置ハウジング10に配置された上下一対のプーリ26に巻回された牽引ベルト27に固定され、プーリの一方には巻上げモータ(不図示)が連結されている。従って巻上げモータの正逆転によってトレイ基台15bとこれに支持された紙載トレイ15aは、シートの積載方向に上下動するように構成されている。
【0031】
上記積載面15xの上方には積載されたシートの高さ位置を検出するレベルセンサSr(不図示)が配置され、シート搬入の都度、紙面高さを検出して巻上げモータを回転制御する。図示10xは、上下動する積載面15xに沿ってシートの端縁(後端縁)を規制する規制面(立ち面;規制フェンス)である。
【0032】
[シート整合機構]
なお、本発明にあって基準位置とは、シートの幅方向サイズに応じてセンター基準又はサイド基準で設定(演算)される位置を云い、整合位置とはトレイ上に搬入したシートを位置決めする位置を云い、実質的に両者は同一位置である。上記スタックトレイ15には、積載面15xに積載されたシートの幅方向位置を基準位置(整合位置;以下同様)に整合するシート整合機構21が配置されている。図3及び図5に従ってその構成を説明する。
【0033】
シート整合機構21は、積載面15xに搬入するシートの搬送直交方向の側縁を位置規制する整合部材22と、この整合部材22をシート積載面S1から退避した待機位置Wpと積載面上の整合位置Apとの間で位置移動するシフト手段(M1)で構成される。
【0034】
整合部材22は、積載面上のシート両側縁と係合する一対の整合部材22(右整合部材22R、左整合部材22L)か、または、一側縁を固定規制面(トレイ枠壁など)10xで規制したシートの他側縁と係合する1つの整合部材で構成される。以下、図示の左右一対の整合部材22(22R,22L)について説明する。積載面上に1つの整合部材を配置する実施形態を採用する場合には、後述する右整合部材22R,左整合部材22Lのいずれか一方と同一の構造とし、シート他側縁を規制する部材を、例えばトレイ側枠壁(固定壁)などで構成する。
【0035】
整合部材22には、シートの側縁と係合する側縁係合面23(右係合面23R、左係合面23L)が設けられている。この側縁係合面23は、図3の実施形態では整合部材(整合板)22と一体に形成されているが、整合部材22と分離してその壁面に積載方向にスライド移動可能に嵌合するように構成することも可能である。
【0036】
上記左右一対の整合部材22は、基端アーム部28、先端整合部29(以下「羽根部」と云う)とで構成されている。基端アーム部28は、装置フレーム(不図示)に配置された揺動主軸30と揺動補助軸31に軸受支持されている。揺動主軸30には後述する旋回モータM1が連結され、所定角度回転させる。この揺動主軸30と揺動補助軸31とは積載面15xの上方に配置され、この両軸に支持された基端アーム部28は積載面15xに上方から垂れ下がるように配置されている。
【0037】
上記揺動主軸30は、装置フレームに回転可能に軸支持され、積載面15xのシート幅方向に配置され、その軸長さは最大サイズシートの幅寸法より長い軸部材(ロッド部材)で構成されている。また揺動補助軸31は、揺動主軸30と距離を隔てて平行に配置され、ジョイント部材32で一体的に支持されている。整合部材22は、この揺動主軸30と揺動補助軸31に嵌合支持されている。
【0038】
従って、整合部材22の基端アーム部28は積載面15xの上方で揺動主軸30の回転で一体的に回転する。これと共に基端アーム部28には、嵌合部28aが一体形成され、揺動主軸30と揺動補助軸31に遊嵌されている。整合部材22は、揺動主軸30と揺動補助軸31に遊嵌され、シート幅方向に摺動可能に(位置移動可能に)支持され、後述するサイドシフトモータM2(M3)に連結される。
【0039】
上記旋回モータM1は、その回転で揺動主軸30を所定角度回転する。これによって、揺動主軸30に取り付けられた整合部材22は、上方の待機位置Wpと下方の整合位置Apとの間で上下動する。また左右のサイドシフトモータM2、M3は、左整合部材22L、右整合部材22Rをシート幅方向に左右動させる。そして、左整合部材22L,右整合部材22Rに配置されたフラグ33を装置フレームに配置したポジションセンサSp1(Sp2)で位置検出する。この検出位置からのサイドシフトモータM2(M3)の回転量で整合部材22を所定位置に位置移動するようになっている。
【0040】
上記羽根部29は、積載面15x上のシート側縁と係合する側縁係合面23を有するプレート材(板状材)で構成され、その端部を基端アーム部28に連結ピン34で軸支持してある。この連結ピン34には付勢スプリング(巻きバネ;不図示)が巻装してあり、基端アーム部28に対して一方向(後述する待機姿勢)に付勢されている。
【0041】
なお、上記側縁係合面23は、プレート材(羽根部)29に一体形成(プレート材の表面がシート側縁と係合する形態)する場合を図示している。この側縁係合面23は、後述する羽根部29とは分離した板部材(スライドプレート)で構成して整合部材22に積載方向に摺動可能に嵌合してもよい。
【0042】
次にシート整合機構21における駆動構造について説明する。図5に示すように揺動主軸30には旋回モータM1が歯車減速機構35を介して連結されている。このモータ回転軸35xと揺動主軸30との間には、回転角度を決する角度センサSgが配置されている。図示の角度センサSgは、揺動主軸30に固定したセンサフラグ36を装置フレームに配置したセンサで検出することによって揺動主軸30の回転角度を検出する。このセンサフラグ36は、図3反時計方向に第1角度位置(ホームポジション)と、第2角度位置(整合ポジション)と、第3角度位置(待機ポジション)を検出可能な形状に形成されている。
【0043】
上述の揺動主軸30を支持する装置フレーム(不図示)には、一対のプーリ37a、37bが配置され、プーリ間に歯付ベルト38が巻装してある(直線動駆動機構)。この歯付ベルト38には、整合部材22の基端アーム部28が連結され、先端整合部(羽根部)29を積載面上のシート幅方向(整合方向)に位置移動する。このため上記プーリの一方(駆動プーリ37a)には、減速歯車機構39を介してサイドシフトモータM2(M3)が連結されている。
【0044】
上記プーリ37a、37bと減速歯車機構39とサイドシフトモータM2(M3)は、装置フレーム(不図示)に取り付けられ、上記整合部材22の基端アーム部28は前述の揺動主軸30と揺動補助軸31に摺動可能に取り付けられている。そしてサイドシフトモータM2(M3)の正逆転で整合部材22は、積載面15x上のシート幅方向に移動可能となり、同時に前述の旋回モータM1の正逆転で整合部材22は、積載面15x上のシートから離れた待機ポジションWpと、シート側縁と係合する整合位置Apとの間で上下動する。
【0045】
なお、整合部材22を積載面15xの左右に一対配置する場合には、上記プーリ37a、37bは左右それぞれに配置し、その左右の各駆動側プーリ37aに左サイドシフトモータM2と、右サイドシフトモータM3を連結する。なお直線動駆動機構は、上述したプーリ間に配置されたワイヤー、ベルトなどの走行機構の他に、カム、スプラインなどの運動変換機構で構成することも可能である。
【0046】
[整合部材の動作]
上述の整合部材22についてその動作を説明する。整合部材22は、「ホームポジションHp」と、「待機ポジションWp(待機位置;以下同様)」と、「作動ポジションAp(整合位置;以下同様)」の間を位置移動する。この待機ポジションWpから作動ポジションApに移動する間に、整合部材22は「幅寄せポジションAwp」に変位する。つまり、整合部材22は、ホームポジションHp、待機ポジションWp、幅寄せポジションAwp、作動ポジションApの順に高さ位置と幅方向位置を変位させる。
【0047】
上記各ポジションについて説明する。
「ホームポジションHp」
ホームポジションHpは、後述する「積載面上の整合位置Ap」を基準に、最大サイズシートの幅方向に側縁から所定距離(Lhx)離れた(幅方向)位置で、シート積載方向に許容最大積載量より高い位置(積載面15xから所定距離(Lhy)離れた高さ位置)に定める。つまりホームポジションHpは積載面15xに積載される最大サイズシートの側端縁より外側(Lhx)で、許容最大積載高さより高い位置(Lhy)に設定する。
【0048】
図示のホームポジションHpの高さ位置(Lhy)は、積載面15xの上方に配置されたシート搬送経路12の排紙口13、又は排紙口13から搬出され、処理トレイ14に集積されたシートを搬出する排紙口16xより高い位置(図3鎖線)に設定してあり、同時にこの搬送経路から搬出される最大サイズシートの外側(図7(a)参照)に設定してある。
【0049】
このほかホームポジションHpは、上述のポジション以外に設定することも可能であり、また作動ポジションAp或いは待機ポジションWpと同一ポジションとすることも可能である。
【0050】
「待機ポジションWp」
待機ポジションWpは、整合部材22が積載面15xから非作動状態に退避した位置に設定する。
この待機ポジションWpは、
(1)作動ポジションApから短時間で変位(移動)することが可能なエリアであること、(2)シート搬送経路12から積載面15xに搬入する後続シートの妨げとならないエリアであること、などが要求される。
【0051】
このため図示の待機ポジションWpは、排紙口13から積載面15xに搬出されるシートの経路軌跡と積載面との間のエリアに配置されている。この経路軌跡Ptは排紙口13からシート後端が搬出されたのちに搬送方向を反転して積載面15xに搬入するスイッチバックパスで形成されている。そこでシートが搬送方向を反転して積載面15xに進入する軌跡の中間に形成されるエリア(図示デルタエリアΔ)に待機ポジションWpを設定する。これによって待機ポジションwpは後続するシートの排紙を妨げることがなく、また作動位置(積載面15x)に近接した位置となる。
【0052】
「作動ポジションAp」
作動ポジションAp(整合位置;以下同様)は、積載面上にシートサイズに応じて予め設定される。このポジションは、センター基準でシートサイズに応じてシート側縁位置を位置決めする基準位置の設定方法(センター基準)と、サイド基準でシートサイズに応じてシート側縁位置を位置決めする基準位置の設定方法(サイド基準)のいずれかを採用する。
【0053】
そして作動ポジションApは、積載面15xに設定された整合位置(シートを揃える基準位置)と一致する位置(幅方向Lax、高さ方向Lay=「0」)に定められる。従って、作動ポジションApの幅方向位置は、シート側縁を基準位置(Lax)に一致させる位置に設定され、この位置はシートサイズごとに、センター基準又はサイド基準で設定されている。また高さ位置は積載面15xと実質的に同一平面に設定される。
【0054】
また整合部材22の作動ポジションApは、積載面15x上の異なる位置にシートを部揃え集積するジョグ仕分けモードを実行する場合には、図8に示すように第1基準位置(Ap1)と第2基準位置(Ap2)を、積載面15x上に複数の異なる位置に設定する。
【0055】
「幅寄せポジションAwp」
幅寄せポジションAwpは、待機ポジションWpと作動ポジションApの間で、「排紙口16xから落下するシートに追随して側縁と係合して幅方向に位置移動(幅寄せ)させながら積載面15xに降下(着地;ランディング)する」位置関係に設定する。
【0056】
つまり幅寄せポジションAwpは、
(1)待機ポジション位置Wp(幅方向Lwx、高さ方向Lwy)から、落下するシートの側縁を基準位置寄りに幅寄せする幅方向位置Lbx(Lbx<Lwx)に設定する。
(2)待機ポジションWpの高さ方向位置(Lwy)から、落下するシートに追随させて積載面15x側に降下させた位置Lby(Lby<Lwy)に設定する。
例えば、排紙口13の排紙センサSe2でシート後端を検出し、その検知信号からシートが積載面S1(最上シートの上)に着地する直前(シート落下開始から着地する間)に整合部材22の高さ方向位置を待機高さ(Lwy)から幅寄せ高さ(Lby)に移動する。
【0057】
上記整合部材22の動作は後述するが、排紙センサSe2からの検出信号でシートが排紙口13を通過したタイミング(シートが排紙口16xから落下を開始した後)で整合部材22の下降動作と幅方向移動動作を開始する。そしてその動作速度を排紙口16xから落下したシートが積載面15xの最上シートに着地(ランディング)する前にシート側縁と、側縁係合面23が係合して幅方向に幅寄せ移動する最適タイミングに設定する。
【0058】
また上述の待機ポジションWpは排紙口13又は排紙口16xから搬出されるシートの下面をガイドする位置に設定することも可能である。この場合には、幅方向位置Lwxは、排紙口13又は排紙口16xから搬送されるシートの幅サイズより短く(狭いエリアに)設定し、高さ方向位置Lwyは、排紙口13又は排紙口16xから搬出されるシートの高さ位置と一致させる。
【0059】
以上の説明から、左右一対、若しくは左右いずれか一方に配置された整合部材22は、ホームポジションHpと待機ポジションWpと作動ポジションApの間で往復動し、待機ポジションから作動ポジションに移動する間にシートを排紙姿勢から基準位置側に幅寄せする幅寄せポジションAwpに変位させる。
【0060】
次に整合部材22を待機ポジションWpから幅寄せポジションAwpに変位させるタイミングについて説明する。その動作は次のいずれの態様も採用可能である。
【0061】
第1の態様は、整合部材22を(1)待機ポジションWp、(2)幅寄せポジション(幅方向位置を基準位置と一致させる)、(3)積載面15xにランディングさせる下降動作、(4)待機ポジションWpに復帰の順に動作させる。つまり、整合部材22の側縁係合面23は待機ポジションWpから基準位置と一致するようにシートを幅寄せ移動し、次いで、シートの落下と追随して降下することによってシート側縁を積載面上の基準位置にランディングさせる。
【0062】
第2の態様は、整合部材22を(1)待機ポジションWp、(2)幅寄せ動作&下降動作(係合面を幅方向に移動させながら下降させる)、(3)整合位置Apにランディングさせる、(4)待機ポジションWpに復帰の順に動作させる。つまり、整合部材22の側縁係合面23は待機ポジションWpから幅方向への移動とシートの落下に追随する下降動作をすることによってシート側縁を積載面上の基準位置にランディングさせる。
【0063】
第3の態様は、整合部材22を(1)待機ポジションWp、(2)幅寄せ動作&下降動作同時実行、(3)整合位置Apと異なる位置にランディング、(4)整合位置Apに移動、(5)待機ポジションWpに復帰の順に動作させる。つまり、整合部材22の側縁係合面23は待機ポジションWpから幅方向への移動とシートの落下に追随する下降動作を実行してシートの側縁を積載面上の基準位置と異なる位置にランディングさせ、その後、側縁係合面23を幅方向に移動してシート側縁を基準位置に位置決めする。
【0064】
[パドル機構]
図6に示すパドル機構について説明する。パドル機構41は、弾性変形可能なパドル羽根42a、42bと、羽根を支持する回転基軸43と、この回転基軸を回転するパドル回転モータM4(不図示)と、その回転を回転基軸43に伝達する伝動ベルト44(不図示)と、上記回転基軸43を上下方向に揺動させる揺動レバー45と、このレバーを所定角度で揺動するパドル昇降モータM5で構成されている。
【0065】
そしてパドル昇降モータM5の回転で揺動レバー45を回転させるとパドル羽根42a、42bが積載面上方の待機位置(図6(a)破線状態)と積載面上の作動位置(図6(a)実線状態)との間で上下動する。これと共にパドル回転モータM5の回転でパドル羽根42a、42bは、積載面上で整合部材22によって整合されたシートを規制面10xに向けて移送(キック)する。
【0066】
つまり後述する制御手段50は、排紙口16xから搬出されたシートが積載面15xに落下するまでに整合部材22で整合位置Apに向けて幅寄せし、積載面15xにランディングしたシートを整合部材22で側縁を規制しながらパドル部材41で規制面10xに突き当て整合する。そしてその動作の後にパドル羽根42a、42bを待機位置に復帰させたのちに整合部材22を待機ポジションWpに復帰させる。
【0067】
[制御構成]
次に図1の後処理装置Bの制御構成を図11のブロック図に従って説明する。後処理装置Bの制御部は制御CPU50で制御され、RAM52に記憶された制御データに従って後処理動作を制御する。この後処理動作は、「プリントアウトモード」と「後処理モード」と「ジョグ仕分けモード」に設定される。
【0068】
上記制御CPU50(以下単に制御手段という)は、上流の画像形成装置Aから搬出されたシートをシート搬送経路12に受け入れる排紙制御部50aと、シート整合制御部50bと、後処理制御部50cと、シート束搬出制御部50dを備えている。排紙制御部50aは、シート搬送経路12に搬入されたシートを排紙ローラで排紙口13に向けて搬送するように駆動モータを制御する。
【0069】
これと共に排紙制御部50aは昇降ローラ16を、シート先端が排紙口13から搬出されたときにはローラを待機位置に待機させ、シート先端が通過した後にローラを互いに圧接し、このローラを排紙方向に回転した後にシート後端が排紙センサSe2を通過したタイミング又は、通過してから所定時間経過したタイミングでローラの搬送方向を反転する。
【0070】
シート整合制御部50bは、本体制御部46から送られた後処理モード(ストレート排紙モードとステープル綴じモード)に応じて前述の「シート搬出機構」と「整合機構」を制御する。シート搬出機構は前述の昇降ローラ16の昇降動作と回転動作を実行し、整合機構21はサイドシフトモータM2,M3と旋回モータM1を制御する。このため、シート整合制御部50bはサイドシフトモータM2、M3と昇降ローラ16の昇降モータと搬出モータにコマンド信号を転送するように各モータのドライバ回路に連結されている。
【0071】
後処理制御部50cは、ステープル綴じ、パンチ穿孔、スタンプ捺印などの後処理に応じて各ユニットを制御する。図示のステープルユニット(後処理手段)25はジョブ終了信号で最後のシートが処理トレイ14に搬入され、その幅方向が整合された動作の後、制御手段50はステープルユニット25のドライブモータに起動信号を送信する。この信号を受けてステープルユニット25は綴じ動作を実行し、その動作終了後にエンド信号を制御手段50に送る。
【0072】
シート束搬出制御部50dは、ステープルユニット(後処理手段)25からのエンド信号を受けて昇降ローラ16で処理トレイ14上のシート束を圧接し、スタックトレイ15の方向にローラを回転する。この動作で処理トレイ14上のシート束は排紙口16xから搬出され下流側のスタックトレイ15に収納される。
【0073】
後処理モードは、シート搬送経路12から送られたシートを処理トレイ14上に部揃え集積して綴じ処理し、綴じ処理後のシート束を排紙口16xから搬出してスタックトレイ15に収納する。また「プリントアウトモード」はシート搬送経路12に送られたシートを排紙口13を経由して排紙口16xから搬出してスタックトレイ15に集積する。このとき整合部材22はシート側縁を予め設定された基準位置に整合する。また「ジョグ仕分けモード」は、シート搬送経路12に送られたシートを排紙口13を経由して排紙口16xから搬出してスタックトレイ15に集積する。このとき整合部材22は、シートをグループ毎(部毎)に第1基準位置(Ap1)と第2基準位置(Ap2)に異なる位置に位置決めする。
【0074】
上記制御手段50のプリントアウトモードとジョグ仕分けモードにおける動作を図12に示すフローチャートに従って説明する。装置電源をONする(St01)と、制御手段50はイニシャライズ動作を実行する(St02)。イニシャライズ動作は整合部材22をホームポジションHpに位置決めする。このホームポジションHpは最大サイズシートの幅方向長さの外側で、許容最大積載量の上方に設定されている。
【0075】
画像形成装置Aの制御手段46は、画像形成条件の設定と同時に後処理条件(モード)を設定する(St03、St04)。図示の装置は、「プリントアウトモード」「ジョグ仕分けモード」「ステープル綴じモード」であり、プリントアウト、ジョグ仕分けの各モードでは排紙口13を経由して排紙口16xから搬出されるシートをスタックトレイ15に搬出する。また、ステープル綴じモードでは排紙口13からシートを処理トレイ14に搬出する。
【0076】
次に画像形成装置Aの制御手段46は、画像形成条件と、動作モード設定の後、画像形成動作を実行(St05)し、排紙指示信号(St06)を後処理装置Bの制御部50に伝送する。これと同時に画像形成するシートのサイズ(幅方向長さを含む)情報と、一連の画像形成動作が終了したときジョブエンド信号を伝送する。
【0077】
「プリントアウトモード」
制御手段50は、プリントアウトモードのときには、後処理モードのコマンド信号と、シートサイズ情報で整合部材22をホームポジションHpから待機ポジションWpに位置移動する。この動作は左右のサイドシフトモータM2、M3と回転制御で行う(St07)。
【0078】
制御手段50は排紙指示信号を受信するとシート搬送経路12の搬送ローラを回転する(St08)。すると、画像形成装置Aから送られたシートは搬入口11からシート搬送経路12に送られ、排紙口13に搬送される。このとき入口センサSe1と排紙センサSe2がシート先端と後端の検出信号を発信する。
【0079】
次に制御手段50は、排紙センサSe2が「ONした状態からOFF状態」に変化(St09)すると、シートが排紙口13を経由して排紙口16xから搬出され積載面15xに向かって落下する状態と判断する(St10)。そこで制御手段50は、整合部材22を待機ポジションWpから作動ポジションApに向かって降下させる(St11)。この動作と前後して制御手段50は左右の整合部材22L、22Rを待機ポジションWpから整合位置Apに向かって幅寄せ移動する(St12)。
【0080】
この整合部材22の動作状態を図9に示すが、排紙口13から搬出されるシートを待機ポジションWpで待機する(図9(a)(b)参照)。そしてシートが排紙口16xから搬出される間、整合部材22はシート下面を支持する(図9(b))。整合部材22はシート後端が排紙口16xを通過したタイミングで待機ポジションWpから作動ポジションApに向かって移動する(図9(c))。このとき整合部材22はシート側縁を係合面23が基準位置方向に幅寄せ移動する。
【0081】
次いで、制御手段50は整合部材22を作動位置Apに係止した状態で、パドル機構41を作動する。このパドル機構41の作動は、上方の待機位置にある揺動レバー45をパドル昇降モータM5で下降させパドル羽根42をパドル回転モータM4で回転する。するとシートはパドル羽根42で規制面10xに突き当たるまで移動する(図10(a)参照)。パドル機構41の作動後に整合部材22は作動位置Apから待機位置Wpに復帰する。このときシート側縁と係合する側縁係合面23は図10(b)に示す矢印方向に移動し、シートには規制面10x側に変位する力を付与する。
【0082】
上記制御手段50による整合部材22の下降動作と、幅寄せ動作、前述の旋回モータM1の回転量と、左右のサイドシフトモータM2,M3の回転量で制御する。この両モータM2,M3の回転制御は、図7(b)に示すように整合部材22が待機ポジションWpから下降動作と同時又は所定時間後(シートサイズや種類によって異ならせても良い)に幅寄せ動作して整合位置Apに移動する軌跡で制御する。
【0083】
これは旋回モータM1の回転量とサイドシフトモータM2,M3の回転量を所定の関数(例えば直線関数)で制御する。或いは図7(c)に示すように整合部材22が幅寄せ動作と同時に下降して積載面15xにランニングしたのちに、この積載面に沿って整合位置Apに移動するように制御する(St12〜15)。
【0084】
シートの整合動作の終了(St15)した後に制御手段50は、整合部材22を整合位置Apから待機位置Wpに移動して後続シートの排紙動作に備える(St16)。次いで制御手段50は後続シートが「ある」か「ない」かを判別(St17)し、後続シートがないときには収納動作を終了する(St18)。また後続シートが在るときには、ステップSt08に戻って上述と同様の排紙動作を実行する。
【0085】
「ジョグ仕分けモード」
制御手段50は、ジョグ仕分けモードのコマンド信号受信したときには、整合部材22をホームポジションHpからシートサイズに応じた待機ポジションWpに位置移動する。次いで制御手段50は、前述の排紙動作と同様に排紙口16xから送られたシートを第1基準位置A1pに整合する(St19、St20)。
【0086】
そして制御手段50は画像形成装置Aからジョブ終了信号を受信すると、後続するシートを第2基準位置Ap2に整合する(St21、St22)。そして制御手段50は後続シートが「ある」か「ない」かを判別(St23)し、後続シートがある時にはステップSt19に戻って同様の動作を繰り返し、後続するシートがないときには収納動作を終了する(St24)。
【符号の説明】
【0087】
A 画像形成装置
B 後処理装置
10x 規制面
11 搬入口
12 シート搬送経路
13 排紙口
14 処理トレイ
15 スタックトレイ
15x 積載面
16 搬送ローラ対(昇降ローラ)
16b 従動ローラ
16x 排紙口
17 後端規制ストッパ
21 シート整合機構
22 整合部材
23 係合面
28 基端アーム部
28a 嵌合部
29 先端整合部(羽根部)
30 揺動主軸
31 揺動補助軸
36 センサフラグ
41 パドル機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12