(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対応機能選定手段における選定に基づき、前記新設のカラオケ演奏装置に対して機能の自動設定を行うための機能自動設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の機種変更時における設定機能の対応関係を確認可能なカラオケシステム。
前記既設のカラオケ演奏装置毎に、当該既設のカラオケ演奏装置の利用者がデフォルトの機能設定状態以外の設定を利用した頻度が規定値を超えた場合に、当該変更された機能設定状態を記憶する機能設定変更状態データベースを備え、
前記対応機能選定手段は、前記機能設定変更状態データベースに記憶されたカラオケ演奏装置については、前記機能対応関係データベースに代えて前記機能設定変更状態データベースを参照して、前記既設のカラオケ演奏装置に設定された機能に対応させて前記新設のカラオケ演奏装置に設定可能な機能を選定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の機種変更時における設定機能の対応関係を確認可能なカラオケシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を用いて新たなカラオケ演奏装置の設定を行う場合に、カラオケ事業者は、カラオケ店舗に現在設置されているカラオケ演奏装置の機能設定に合わせた設定を確認するとともにカードに記憶させる作業が必要となり、作業が複雑かつ面倒である。
【0008】
また、特許文献2に記載された技術は、カラオケ演奏装置を統合して管理するセンターにて、機種別に機能プログラムを管理することにより、変更要求が行われたカラオケ演奏装置と同一機種の機能プログラムをセンターから受信するようになっている。このため、異なる機種のカラオケ演奏装置を設置した際には、機能設定を簡略化することができない。
【0009】
また、特許文献3に記載された技術は、異なる機種間における機能設定を対象にした技術ではなく、当該技術をカラオケ演奏装置の新機種入れ替えに適用することはできない。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ演奏装置の機種変更を行う際に、既に設置されている旧カラオケ演奏装置に設定されている機能と、新たに設置する新カラオケ演奏装置の機能の異同を確認したうえで、新カラオケ演奏装置に対して旧カラオケ演奏装置に設定されている機能を容易かつ効率的に承継させることが可能なカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る機種変更時における設定機能の対応関係を確認可能なカラオケシステム(以下、カラオケシステムと略記することがある)は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係るカラオケシステムは、既設のカラオケ演奏装置を新設のカラオケ演奏装置に入れ替える際に、両者の設定機能の対応関係を確認して提示することが可能なカラオケシステムであって、機能対応関係データベースと、機能設定状態データベースと、対応機能選定手段と、対応機能提示制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
機能対応関係データベースは、既設のカラオケ演奏装置の機種で設定可能な機能と新設のカラオケ演奏装置の機種で設定可能な機能の対応関係を記憶したデータベースである。機能設定状態データベースは、既設のカラオケ演奏装置毎に、当該既設のカラオケ演奏装置における機能設定状態を記憶したデータベースである。
【0013】
対応機能選定手段は、機能設定状態データベースを参照して、既設のカラオケ演奏装置に設定された機能を確認するとともに、機能対応関係データベースを参照して、既設のカラオケ演奏装置に設定された機能に対応させて新設のカラオケ演奏装置に設定可能な機能を選定するための手段である。対応機能提示制御手段は、選定した対応機能の提示制御を行うための手段である。
【0014】
また、上述した構成に加えて、対応機能選定手段における選定に基づき、新設のカラオケ演奏装置に対して機能の自動設定を行うための機能自動設定手段を備えることが可能である。
【0015】
また、上述した構成に加えて、既設のカラオケ演奏装置毎に、当該既設のカラオケ演奏装置の利用者がデフォルトの機能設定状態以外の設定を利用した頻度が規定値を超えた場合に、当該変更された機能設定状態を記憶する機能設定変更状態データベースを備えることが可能である。このような構成の場合に、対応機能選定手段は、機能設定変更状態データベースに記憶されたカラオケ演奏装置については、機能対応関係データベースに代えて機能設定変更状態データベースを参照して、既設のカラオケ演奏装置に設定された機能に対応させて新設のカラオケ演奏装置に設定可能な機能を選定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の機種変更時における設定機能の対応関係を確認可能なカラオケシステムによれば、従来技術のように、既設のカラオケ演奏装置における設定機能を、カラオケ事業者等が人為的な作業によりカードや記憶媒体に記憶させる必要がなくなる。また、同一機種のカラオケ装置の間において設定機能の変更や追加を行うのではなく、既設のカラオケ演奏装置と、新設のカラオケ装置の設定機能との対応関係を明確にすることにより、カラオケ事業者によるカラオケ演奏装置の入れ替え作業を簡略化することができる。
【0017】
また、新設のカラオケ演奏装置でも、今までの使用条件に近い条件で機能設定を行うことができる。さらに、既設のカラオケ演奏装置のコンテンツや演奏設定の利用頻度に応じて、設定項目を選定することにより、実際の使用状況に見合った条件で、新設するカラオケ演奏装置において機能設定を行うことができる。
【0018】
このように、カラオケ演奏装置の機種変更を行う際に、既に設置されている旧カラオケ演奏装置に設定されている機能と、新設するカラオケ演奏装置の機能の異同を確認したうえで、新設するカラオケ演奏装置に対して既設のカラオケ演奏装置に設定されている機能を容易かつ効率的に承継させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の機種変更時における設定機能の対応関係を確認可能なカラオケシステムの実施形態について説明する。
図1〜
図8は本発明の実施形態に係るカラオケシステムを説明するもので、
図1はカラオケシステムの概略構成を示すブロック図、
図2〜
図4はカラオケ演奏装置の機種に対応する設定項目の一覧を示す説明図、
図5は機能対応関係データベースの構成を示す説明図、
図6は機能設定状態データベースの構成を示す説明図、
図7は機種入れ替え時における設定項目の対応関係を示す説明図、
図8は機種入れ替え時における表示例を示す説明図である。
【0021】
以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0022】
<カラオケシステムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム100は、
図1に示すように、サーバ60及びカラオケ演奏装置10により構成されるシステムである。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム100で使用する種々のデータベースをサーバ60に記憶しておき、サーバ60とネットワーク接続された各カラオケ演奏装置10との間でデータの送受信を行い、カラオケ演奏装置10の機種変更を行う際に、既設のカラオケ演奏装置10と新設のカラオケ演奏装置10との間における設定機能の対応関係を確認して、適切な機能設定を行うことができるようにしている。
【0023】
なお、カラオケ演奏装置10の入れ替えを行う際に、既設の機種をネットワークから取り外し、新設の機種をネットワークに接続することにより、機種の入れ替えが行われたことをサーバ60が検知することができる。そして、全てのデータベースをサーバ60に記憶して管理することにより、既設の機種をネットワークから取り外した後であっても、当該既設の機種に関する機能設定情報はサーバ60に記憶されているので、効率的に機能設定の移行を行うことができる。ここで、カラオケ演奏装置10の新機種を設置する際には、既に設置されている旧機種との対応関係は分かっている。そこで、機能対応関係データベース63aを新機種の記憶装置に記憶しておき、この機能対応関係データベース63aを利用して、旧機種から新機種に対する設定機能の移行を行ってもよい。
【0024】
<サーバ>
サーバ60は、
図1に示すように、本実施形態における基本的な機能手段として、サーバ60を総合的に制御するサーバ制御手段61、カラオケ演奏装置10等との間でデータの送受信を行うためのサーバ通信制御手段62、各種のデータを記憶する記憶手段63を備えている。また、サーバ60は、その機能を発揮するために、図示しない手段を備えていてもよい。
【0025】
記憶手段63に記憶するデータベースは、
図1に示すように、機能対応関係データベース63a、機能設定状態データベース63b、機能設定変更状態データベース63cである。また、図示しないが、その他のデータベース(例えば、利用者の属性情報等からなる利用者情報データベース)を記憶してもよい。
【0026】
<各機種の設定項目>
図2〜
図4を参照して旧機種、現行機種、新機種のそれぞれにおける設定項目について説明する。旧機種とは、現にカラオケ店舗に設置されているが、既に製造が終了しており在庫も存在しない機種のことである。現行機種とは、現にカラオケ店舗に設置されており、既に製造が終了しているが在庫が存在する機種のことである。新機種とは、新たに製造した機種のことである。一般的に、旧機種、現行機種、新機種の順で、設定可能な機能が充実しているが、旧機種に搭載されているものの利用頻度が低い機能については、現行機種または新機種では搭載されていないこともある。なお、以下の説明では、コンテンツ及び演奏設定の機能について、代表的なもののみを取り上げているが、その他のコンテンツ及び演奏設定の機能についても、同様に移行が可能である。
【0027】
旧機種では、
図2に示すように、コンテンツとして、採点ゲームコンテンツ、その他のゲームコンテンツがあり、演奏設定として、2コーラスフェードアウト、演奏モード、曲間時間、曲間BGM、曲間BGVがある。また、採点ゲームコンテンツで設定可能な機能は、カラオケ歌合戦、カラオケトーナメント、オーディション、カラオケ予備校であり、その他のゲームコンテンツで設定可能な機能は、おみくじ、幼児向けゲーム(例えば、ダイコン何本抜けた?)、ビンゴである。また、演奏設定で設定可能な機能は、2コーラスフェードアウトの入/切、演奏モードにおける単曲/連曲、曲間時間における短/長、曲間BGMにおける外部/自動、曲間BGVにおける外部/自動/環境映像である。
【0028】
現行機種では、
図3に示すように、コンテンツとして、採点ゲームコンテンツ、その他のゲームコンテンツ、ボイストレーニングコンテンツ(図面において、ボイトレと略記することがある)があり、演奏設定として、2コーラスフェードアウト、演奏モード、曲間時間、曲間BGM、曲間BGVがある。また、採点ゲームコンテンツで設定可能な機能は、カラオケ歌合戦、バーチャルカラオケ、シンプル採点、ランキングバトル、精密採点、歌唱採点、フルコーラス完唱を目指す(歌いきりまショー)であり、その他のゲームコンテンツで設定可能な機能は、おみくじ、ビンゴであり、ボイストレーニングコンテンツで設定可能な機能は歌練習(うたれん)である。また、演奏設定で設定可能な機能は、2コーラスフェードアウトの入/切、演奏モードにおける単曲/連曲、曲間時間における短/長、曲間BGMにおける外部/自動、曲間BGVにおける外部/自動/環境映像である。
【0029】
新機種では、
図4に示すように、コンテンツとして、採点ゲームコンテンツ、その他のゲームコンテンツ、ボイストレーニングコンテンツがあり、演奏設定として、2コーラスフェードアウト、演奏モード、曲間時間、曲間BGM、曲間BGVがある。また、採点ゲームコンテンツで設定可能な機能は、カラオケ歌合戦、シンプル採点、ランキングバトルDX、精密採点DX、フルコーラス完唱を目指す(歌いきりまショー、歌いきりまショー辛口)であり、その他のゲームコンテンツで設定可能な機能は、おみくじ、ビンゴであり、ボイストレーニングコンテンツで設定可能な機能はボイストレーニングである。また、演奏設定で設定可能な機能は、2コーラスフェードアウトの入/切/後奏カット、演奏モードにおける単曲/連曲、曲間時間における短/長、曲間BGMにおける外部/自動、曲間BGVにおける外部/自動/環境映像であり、2コーラスフェードアウトに関しては、新機種では、楽曲の後奏をカットする設定項目が増えたことにより、細かな設定が可能となっている。
【0030】
<機能対応関係データベース>
機能対応関係データベース63aは、既設のカラオケ演奏装置10の機種で設定可能な機能と新設のカラオケ演奏装置10の機種で設定可能な機能の対応関係を記憶したデータベースである。機能対応関係データベース63aは、
図5に示すように、機種間において変更されたコンテンツや演奏設定の関係を記憶している。
【0031】
旧機種から現行機種へ機種変更するための機能対応関係データベース63aは、コンテンツの採点ゲームにおける対応関係を記憶している。すなわち、旧機種において複数の審査員の評価から採点値を算出するオーディションに関しては、現行機種では、評価値の合計を算出し表示するシンプル採点に対応させ、歌唱者の声量、リズム、音程等を評価するカラオケ予備校に関しては、現行機種において、歌唱者の歌唱をより精密に評価することが可能となった精密採点に対応させ、利用者同士で採点値を競うカラオケトーナメントに関しては、ネットワークを使用して全国の利用者にて採点値を競うランキングバトルに対応させている。なお、旧機種に搭載されている複数のコンテンツを、現行機種や新機種では1つのコンテンツに統合し対応させることも可能である。
【0032】
また、旧機種から新機種へ機種変更するための機能対応関係データベース63aは、コンテンツの採点ゲームにおける対応関係と、演奏設定の2コーラスフェードアウトにおける対応関係を記憶している。すなわち、旧機種と新機種との間では、オーディションはシンプル採点に対応し、カラオケ予備校は精密採点DXに対応し、カラオケトーナメントはランキングバトルDXに対応する。また、2コーラスフェードアウトにおいて、入/切は、入/切/後奏カットに対応している。
【0033】
また、現行機種から新機種へ機種変更するための機能対応関係データベース63aは、コンテンツの採点ゲーム及びボイストレーニングにおける対応関係と、演奏設定の2コーラスフェードアウトにおける対応関係を記憶している。すなわち、現行機種と新機種との間では、ランキングバトルはランキングバトルDXに対応し、精密採点は精密採点DXに対応し、歌いきりまショーは、歌いきりまショー及び歌いきりまショー辛口に対応し、うたれんはボイストレーニングに対応する。また、2コーラスフェードアウトにおいて、入/切は、入/切/後奏カットに対応している。
【0034】
<機能設定状態データベース>
機能設定状態データベース63bは、既設のカラオケ演奏装置10毎に、当該既設のカラオケ演奏装置10における機能設定状態を記憶したデータベースである。すなわち、
図6に示すように、カラオケ演奏装置10毎に、その機種コード、設置店舗の店舗コード、コンテンツ、ゲーム、演奏設定等において設定された機能を関連付けてデータベースを構築している。
図6の上段には旧機種の機能設定状態データベース63bを示し、
図6の下段には現行機種の機能設定状態データベース63bを示している。なお、旧機種と現行機種とでは、設定可能な機能が異なっている。また、旧機種または現行機種に区分けされるカラオケ演奏装置10は、異なる複数のカラオケ演奏装置10から構成されていてもよく、本実施形態では機種コードの先頭A〜Bが旧機種、E〜G現行機種と区別されている。
【0035】
<機能設定変更状態データベース>
機能設定変更状態データベース63cは、既設のカラオケ演奏装置10毎に、当該既設のカラオケ演奏装置10の利用者がデフォルトの機能設定状態以外の設定を利用した頻度が規定値を超えた場合に、当機変更された機能設定状態を記憶するデータベースである。機能設定変更状態データベース63cの構成は、
図6に示す機能設定状態データベース63bとほぼ同様である。機能設定状態データベース63bは、デフォルト設定された機能を記憶しているのに対して、機能設定変更状態データベース63cは、デフォルトの機能設定状態以外の設定を利用した頻度が規定値を超えた場合に、デフォルトから変更された機能を記憶する点が異なっている。
【0036】
機能設定変更状態データベース63cを構築するための設定変更頻度の基準値は、カラオケ演奏装置10を設置したカラオケ店舗の運営状態や利用者層等に応じて適宜変更されるものであり、特に限定されないが、例えば、5回/日、20回/週、50回/月等とすることができる。
【0037】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム100を適用するカラオケ演奏装置10は、
図1に示すように、カラオケ本体11、カラオケリモコン装置12、マイクロホン13、スピーカ14、表示装置15、ミキシングアンプ16を備えている。また、カラオケ演奏装置10は、ルータ40、及びインターネット、専用電話回線、一般電話回線、無線通信回線等のデータ通信回線50を介して、サーバ60とネットワーク接続されている。
【0038】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置12は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ40及びデータ通信回線50を介して、カラオケ本体11との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置12は、楽曲検索手段12aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース12b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部12c、データの入出力を行うための入出力表示部12dを備えている。このカラオケリモコン装置12に付帯するスイッチ類や、入出力表示部12dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作、音量調整、音程調整、テンポ調整、演奏中止等の各種の操作及び設定を行うことができる。
【0039】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段12aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース12bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース12bは、カラオケ演奏装置10で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記憶したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0040】
<マイクロホン/スピーカ>
マイクロホン13は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン13から入力された歌唱音声は歌唱音声信号として出力され、ミキシングアンプ16により、音楽再生制御手段30から送出されるカラオケ演奏信号とミキシングされるとともに増幅され、スピーカ14へ出力される。また、図示しないが、マイクロホン13からの音声入力信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、採点手段における採点値の算出等に使用してもよい。
【0041】
<表示装置>
表示装置15は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0042】
<カラオケ本体>
カラオケ本体11は、中央制御手段21、ROM22、RAM23、HDD24、端末通信制御手段25、予約楽曲管理手段26、対応機能選定手段27、対応機能提示制御手段28、音楽再生制御手段30、映像再生制御手段31を備えている。さらに、機能の自動設定(自動承継)を行う場合には、機能自動設定手段29を備える必要がある。
【0043】
<中央制御手段>
中央制御手段21は、カラオケ本体11を総合的に制御するための電子機器であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM22等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0044】
<ROM/RAM>
ROM22は、カラオケ本体11を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための電子機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM23は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM23に、予約楽曲管理テーブル23aが一時的に記憶される。
【0045】
<HDD>
HDD24は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース24a、背景映像データベース24bが格納されている。なお、HDD24に替えて、あるいはHDD24と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶手段を用いてもよい。
【0046】
<楽曲データベース/背景映像データベース>
楽曲データベース24aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。背景映像データベース24bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた背景映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0047】
<端末通信制御手段>
端末通信制御手段25は、サーバ60及びカラオケリモコン装置12との間で、データ及び信号の送受信を制御するための電子機器及びプログラムからなる。この端末通信制御手段25の機能により、カラオケ本体11とサーバ60及びカラオケリモコン装置12との間で送受信するデータ及び信号の同期や誤り制御等を行う。
【0048】
<予約楽曲管理手段/予約楽曲管理テーブル>
予約楽曲管理手段26は、任意の利用者がカラオケ楽曲の予約を行う際に、当該利用者の利用者IDと予約楽曲の楽曲IDとを紐付けして、予約楽曲管理テーブル23aにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約楽曲管理手段26は予約楽曲管理テーブル23aを作成し、この予約楽曲管理テーブル23aをRAM23に格納して管理する。予約楽曲管理テーブル23aは、利用者により楽曲検索手段12aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて作成したデータテーブルである。
【0049】
<ログイン操作>
カラオケ楽曲の予約に際して、予約データに利用者IDを含ませる際には、ログイン操作を行う必要がある。ログイン操作とは、例えば、利用者が所持する携帯情報端末を用いてシステムログインするためのデータ(例えば、カラオケ演奏装置10や携帯情報端末の識別情報)をサーバ60に送信する操作のことである。システムログインするためのデータを受信したサーバ60は、該当するカラオケ演奏装置10に対して、当該利用者の利用者ID等を送信する。なお、ログイン操作は、このような態様に限られず、システムログインした利用者を特定して、利用者IDを取得するための操作であれば、どのような態様であってもよい。
【0050】
<対応機能選定手段>
対応機能選定手段27は、カラオケ演奏装置10の機種変更を行う際に、機能設定状態データベース63bを参照して、既設のカラオケ演奏装置10に設定された機能を確認するとともに、機能対応関係データベース63aを参照して、既設のカラオケ演奏装置10に設定された機能に対応させて新設のカラオケ演奏装置10に設定可能な機能を選定するためのプログラムからなる。機種入れ替え時における機能設定の詳細については後述する。
【0051】
また、対応機能選定手段27の機能として、デフォルトの機能設定から所定の頻度以上で機能設定が変更され、当該機能変更状態が機能設定変更状態データベース63cに記憶されたカラオケ演奏装置10については、機能対応関係データベース63aに代えて機能設定変更状態データベース63cを参照して、既設のカラオケ演奏装置10に設定された機能に対応させて新設のカラオケ演奏装置10に設定可能な機能を選定するように構成してもよい。
【0052】
<対応機能提示制御手段>
対応機能提示制御手段28は、選定した対応機能の提示制御を行うためのプログラムからなる。なお、対応機能を提示するには、例えば、カラオケリモコン装置12の入出力表示部12dに表示を行ったり、カラオケ演奏装置10に接続された表示装置15の表示画面に表示を行ったり、カラオケ事業者(サービス要員)の所持する携帯情報端末の表示画面に表示を行ったりすればよい。さらに、音声による対応機能の読み上げ機能を有していてもよい。対応機能の提示の詳細については後述する。
【0053】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段30は、楽曲IDに基づいて楽曲データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源(シンセサイザ)を駆動しカラオケ演奏信号を構成する楽音信号を生成するとともにアナログ変換してミキシングアンプ16に出力するための電子機器である。また、ミキシングアンプ16は、マイクロホン13から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段30から送出されるカラオケ演奏信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ14より出力するための装置である。
【0054】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段31は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像データベース24bから抽出した背景映像データと、楽曲データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の楽曲データに同期させて表示装置15に出力するための電子機器である。
【0055】
<旧機種と新機種との対応関係の選定>
本発明のカラオケシステム100では、予め、カラオケ店舗に設置された各カラオケ演奏装置10の機種コード(シリアルナンバー)、店舗コード、機能設定をサーバ60の機能設定状態データベース63bに登録しておく。
【0056】
カラオケ演奏装置10の機種を入れ替える際には、上述したように、対応機能選定手段27により、既設のカラオケ演奏装置10で設定可能な機能と、新設のカラオケ演奏装置10で設定可能な機能との対応関係を選定する。具体的には、新設するカラオケ演奏装置10の機種コード(シリアルナンバー)及び店舗コードをサーバ60に送信すると、開局作業が開始する。
【0057】
サーバ60では、機能設定状態データベース63bを参照して、登録されている機種コードと店舗コードとに基づき機種変更(交換)であるか否かを判定する。そして、店舗コードは同一であるが、機種コードが異なると判定すると、機能設定状態データベース63bを参照して、既設のカラオケ演奏装置10に設定された機能を確認するとともに、機能対応関係データベース63aを参照して、既設のカラオケ演奏装置10に設定された機能に対応させて新設のカラオケ演奏装置10に設定可能な機能を選定する。そして、サーバ60から新設のカラオケ演奏装置10に対して開局処理の終了報告を送信するとともに、機能設定に関する報知を行う。
【0058】
図2及び
図4、
図7を参照して、旧機種を新機種に入れ替える場合の対応関係の選定方法を説明する。
図7の上段に示すように、旧機種(機種コード:A*****)のカラオケ演奏装置10を新機種(機種コード:Z*****)に入れ替える場合を想定する。旧機種では、
図2に示した設定項目の中で、カラオケ歌合戦と幼児向けゲーム(ダイコン何本抜けた?)が設定されておらず、コンテンツ機能として、トーナメント、オーディション、カラオケ予備校が設定されており、ゲーム機能として、おみくじ、ビンゴが設定されており、演奏設定機能として、2コーラスフェードアウトが「入」、演奏モードが「連」、曲間時間が「短」、曲間BGMが「自動」、曲間BGVが「自動」に設定されていたとする。
【0059】
ここで、
図5に示す機能対応関係データベース63aを参照して、旧機種と新機種における設定機能の対応関係を選定すると、
図7の下段に示すように、オーディションはシンプル採点に対応し、カラオケ予備校は精密採点DXに対応し、カラオケトーナメントはランキングバトルDXに対応し、2コーラスフェードアウトの「入」は、「入/切/後奏カット」に対応することになる。
【0060】
なお、本実施例では、旧機種にて幼児向けゲーム(ダイコン何本抜けた?)が設定されていないように記載しているが、
図4に示した新機種の設定項目において、幼児向けゲーム(ダイコン何本抜けた?)は搭載されていないため、設定されていたとしても対応するコンテンツは提示しないことなり、同様に
図4に示した新機種の設定項目の中で、歌い切りまショーのような、新機種にて新規に搭載されたコンテンツに関しても対応するコンテンツは提示されないことになる。
【0061】
<対応機能の提示>
図7に示すように、新機種と旧機種との対応関係が選定されると、
図8に示すように、例えば、カラオケリモコン装置12の入出力画面に、旧機種と新機種における設定機能の対応関係を表示するとともに、特に注意が必要な事項についても表示が行われる。
図8に示す例では、2コーラスフェードアウトにおいて後奏カットが追加されている旨の表示を行う。なお、新機種において旧機種の機能に対応する機能が搭載されていない場合には、その旨の表示を行うか、代替可能な機能の表示を行う。
【0062】
<機種入れ替え時における機能設定>
そして、カラオケ事業者(サービス要員)が、旧機種と新機種における設定機能の対応関係の表示を確認して、新機種に対して設定する機能を確定し、決定ボタン(例えば、カラオケ本体11のセットボタン等)を操作すると、新機種に対する機能設定が行われる。
【0063】
<機能自動設定手段>
上述した実施形態では、機種入れ替え時に、既設の機種と新設する機種における機能設定の対応関係を提示(表示)し、当該表示に基づいて、カラオケ事業者(サービス要員)が新設する機種に対する機能設定を行うが、新設する機種に対する機能設定を自動化してもよい。すなわち、対応機能選定手段27における選定に基づき、新設のカラオケ演奏装置10に対して機能の自動設定を行うための機能自動設定手段29を備えた場合には、機能自動設定手段29により新設する機種に対する機能設定を自動的に実施する。機能設定を自動化する際に、新設する機種において既設の機種に対応する機能が存在しない場合には、当該機能に対して新設する機種におけるデフォルト機能を設定すればよい。
【0064】
また、既設の機種と新設する機種が同一機種の場合や、既設の機種と新設する機種が異なる機種の場合であっても、共通する設定項目があれば、既設の機種の設定をそのまま、新設する機種に引き継いで自動設定してもよい。また、既設の機種に搭載されているが新設の機種に搭載されなくなった設定項目や、新設の機種にて新たに搭載された設定項目等を別途表示してもよい。
【0065】
<他の利用例>
上述したように、本発明のカラオケシステム100では、カラオケ演奏装置10の機種入れ替えを行う際に、機能設定を簡略化して、カラオケ事業者(サービス要員)の手間を省くことができるとともに、設定ミスを防止することができる。また、本発明のカラオケシステム100は、機種の入れ替え時だけではなく、故障等により同一機種を再度設置する場合にも利用することができ、機能設定の承継を省力化することができる。また、統合、追加、廃止されたコンテンツや演奏設定についても、機能対応関係データベース63aを参照することにより確認することができるので、これらの事項を提示することにより、カラオケ事業者(サービス要員)は、設置マニュアルのコンテンツ比較表等を参照することなく、正確かつ確実に機種間の異同を把握することができる。