特許第6415458号(P6415458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6415458ペアリングされた識別子に基づいた広告機会のためのユーザ識別
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6415458
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】ペアリングされた識別子に基づいた広告機会のためのユーザ識別
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20181022BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20181022BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20181022BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20181022BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   G06Q30/02 380
   G06F13/00 540P
   G06Q30/08
   G06Q50/10
   G09F19/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-561616(P2015-561616)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-512352(P2016-512352A)
(43)【公表日】2016年4月25日
(86)【国際出願番号】US2014020816
(87)【国際公開番号】WO2014138266
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】13/789,463
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア−マルティネス、アントニオ フェリペ
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−524701(JP,A)
【文献】 特表2009−531783(JP,A)
【文献】 特開2005−222500(JP,A)
【文献】 特開2013−020461(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0158522(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0150641(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0262917(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0130813(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0166520(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 13/00
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインシステムが、前記オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の関連付けを記憶する工程であって、各パートナ識別子は、ユーザのブラウザを通じてパートナシステムから受信され、かつ、前記パートナシステムに対する前記ブラウザを識別する、工程と、
前記オンラインシステムが、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知である第1の通知を広告交換部から受信する工程であって、前記第1の通知は、前記広告交換部によって前記オンラインシステムと、前記パートナシステムとに送られ、および、前記第1の通知は、前記ユーザにより現在使用されているブラウザを識別する第1のパートナ識別子を指定する、工程と、
前記オンラインシステムが、前記第1のパートナ識別子が前記パートナシステムにおいて認識されないという通知を前記パートナシステムから受信する工程と、
前記オンラインシステムが、前記パートナシステムからの前記通知に応答して、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、前記第1のパートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する、代替パートナ識別子選択工程と、
前記オンラインシステムが、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知である第2の通知を生成する工程であって、前記第2の通知は、前記代替パートナ識別子を含む、工程と、
前記オンラインシステムが、前記第2の通知を前記パートナシステムに送る工程であって、前記パートナシステムは、前記代替パートナ識別子を使用して前記オンラインシステムのユーザに前記広告を提示するための入札を生成するように適応される、工程と
を備える方法。
【請求項2】
前記オンラインシステムが、前記広告を提示する機会に対する入札であり入札値を含む入札を前記パートナシステムから受信する工程と、
前記オンラインシステムが、受信された複数の入札値に基づいて前記広告を提示する機会を使用して広告コンテンツを提示するパートナシステムを選択するように構成されている前記広告交換部に前記入札値を送信する工程と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オンラインシステムが、前記広告の提示機会を使用するための広告コンテンツのロケーションを指定する広告タグを前記パートナシステムから受信する工程と、
前記オンラインシステムが、前記広告タグにより指定された前記ロケーションから前記広告コンテンツのコピーを取り出す工程と、
前記オンラインシステムが、前記オンラインシステムに関連付けられているロケーションに前記広告コンテンツの前記コピーを記憶する工程と、
前記オンラインシステムが、前記オンラインシステムに関連付けられている前記ロケーションを指定するように前記広告タグを修正する工程と、
前記オンラインシステムが、修正された前記広告タグを前記広告交換部に送る工程と
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記代替パートナ識別子選択工程は、
前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し入札期待値を決定する、入札期待値決定工程と、
前記入札期待値に基づいて前記代替パートナ識別子を選択する工程と
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記入札期待値決定工程は、
複数のパートナ識別子に関連付けられている入札相対値を前記パートナシステムから受信する工程と、
受信された前記入札相対値に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記入札期待値を決定する工程と
を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記入札期待値決定工程は、
前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記パートナシステムにより以前に付けられている入札値の分布を決定する工程と、
決定された前記分布に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子に対し前記入札期待値を決定する工程と
を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
コンピュータプログラム命令を記憶している非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、
オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の関連付けを記憶する工程であって、各パートナ識別子は、ユーザのブラウザを通じてパートナシステムから受信され、かつ、前記パートナシステムに対する前記ブラウザを識別する、工程と、
前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知である第1の通知を広告交換部から受信する工程であって、前記第1の通知は、前記広告交換部によって前記オンラインシステムと、前記パートナシステムとに送られ、および、前記第1の通知は、前記ユーザにより現在使用されているブラウザを識別する第1のパートナ識別子を指定する、工程と、
前記第1のパートナ識別子が前記パートナシステムにおいて認識されないという通知を前記パートナシステムから受信する工程と、
前記パートナシステムからの前記通知に応答して、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、前記第1のパートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する、代替パートナ識別子選択工程と、
前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知である第2の通知を生成する工程であって、前記第2の通知は、前記代替パートナ識別子を含む、工程と、
前記第2の通知を前記パートナシステムに送る工程であって、前記パートナシステムは、前記代替パートナ識別子を使用して前記オンラインシステムのユーザに前記広告を提示するための入札を生成するように適応される、工程と
を行うように実行可能である、媒体。
【請求項8】
前記命令は、
前記広告を提示する機会に対する入札であり入札値を含む入札を前記パートナシステムから受信する工程と、
受信された複数の入札値に基づいて前記広告を提示する機会を使用して広告コンテンツを提示するパートナシステムを選択するように構成されている前記広告交換部に前記入札値を送信する工程と
を含む工程を行うようにさらに実行可能である、請求項7に記載の媒体。
【請求項9】
前記命令は、
前記広告の提示機会を使用するための広告コンテンツのロケーションを指定する広告タグを前記パートナシステムから受信する工程と、
前記広告タグにより指定された前記ロケーションから前記広告コンテンツのコピーを取り出す工程と、
前記オンラインシステムに関連付けられているロケーションに前記広告コンテンツの前記コピーを記憶する工程と、
前記オンラインシステムに関連付けられている前記ロケーションを指定するように前記広告タグを修正する工程と、
修正された前記広告タグを前記広告交換部に送る工程と
を含む工程を行うようにさらに実行可能である、請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記代替パートナ識別子選択工程は、
前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し入札期待値を決定する、入札期待値決定工程と、
前記入札期待値に基づいて前記代替パートナ識別子を選択する工程と
を備える、請求項7に記載の媒体。
【請求項11】
前記入札期待値決定工程は、
複数のパートナ識別子に対する入札相対値を前記パートナシステムから受信する工程と、
受信された前記入札相対値に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記入札期待値を決定する工程と
を備える、請求項10に記載の媒体。
【請求項12】
前記入札期待値決定工程は、
前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し以前に前記パートナシステムから受信された分布入札値を決定する工程と、
決定された前記分布に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子に対し前記入札期待値を決定する工程と
を備える、請求項10に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して広告に関し、特にソーシャルネットワーキングおよび他のオンラインシステムにおける広告インプレッションのためのユーザ識別に関する。
【背景技術】
【0002】
広告主はウェブコンテンツ発行部に支払いを行って、その発行部のコンテンツにアクセスするユーザに対し広告を提示する。多くの場合広告主は、自身の製品またはサービスに関心を持つ可能性があり広告対象の製品またはサービスを購入する可能性の最も高いユーザに対し広告を提示しようとする。したがって、或るユーザが広告対象の製品またはサービスを購入する可能性がより高い場合、広告主はこのユーザに対し広告を提示するように発行部に対しより多くの支払いを行ってもよい。
【0003】
広告と対話する可能性があるかまたは広告対象の製品またはサービスを購入する可能性があるユーザを識別するため、広告主または広告パートナは多くの場合ユーザのオンライン閲覧アクティビティを記憶する。広告主または広告パートナはユーザの閲覧アクティビティに基づいて、或るウェブサイトを訪れたユーザまたは或るアイテムを購入したユーザに対し広告を提示するようにオンラインシステムにオファーする金額を上げてもよい。しかしながら一般的に広告主は閲覧を行うのに使用されるブラウザに基づいて記憶された閲覧アクティビティをインデックス化する。ユーザはオンライン閲覧の際に複数のブラウザを使用することがあり、また複数のユーザが同一のブラウザを使用することがあるので、広告主は、潜在的に関心を持つユーザを識別するためにブラウザによりインデックス化された履歴に頼る場合、自身の広告のターゲットを誤って定める恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
オンラインシステムは広告交換部と「パートナシステム」とも称される広告パートナとをインターフェースで接続して、ユーザに広告を提示する機会が生じたときにユーザを識別する。一実施形態において、オンラインシステムはオンラインシステムユーザに対しユーザ識別子とブラウザ識別子との関連付けを識別する。加えて、オンラインシステムはユーザのブラウザの広告主または広告パートナの識別名をユーザ識別子とブラウザ識別子とのペアリングに関連付ける。ターゲットユーザに広告を提示する要求をオンラインシステムが広告交換部から受信すると、そのオンラインシステムはターゲットユーザに関連付けられているユーザ識別子を識別し、そのターゲットユーザのユーザ識別子に関連付けられているブラウザのパートナ識別子を1または複数の広告パートナに送る。そのパートナ識別子を使用して、広告パートナは、広告パートナが記憶したブラウザのパートナ識別子に関連付けられている閲覧履歴を取り出す。取り出された閲覧履歴に基づいて、広告パートナはオンラインシステムに入札を行うべき広告を識別するか、または広告に対する入札額を決定する。
【0005】
ユーザは複数のブラウザを使用してオンラインシステムおよび外部ウェブサイトにアクセスすることがある。したがって各ブラウザは、異なる閲覧履歴を記憶するようにパートナシステム(または「広告パートナ」)により使用される固有のパートナ識別子に関連付けられてもよい。ユーザが特定のブラウザを通じてウェブコンテンツにアクセスした場合、広告交換部はその特定のブラウザに関連付けられているパートナ識別子に基づいて広告への入札を要求してもよい。一実施形態において、オンラインシステムはユーザにより現在使用されているブラウザに対するブラウザ識別子を含む広告に対する入札の要求を受信するが、パートナシステムから入札を要求する際には異なるブラウザに関連付けられているパートナ識別子を選択する。これにより、パートナシステムが記憶した閲覧履歴に関連
付けられているブラウザとは異なるブラウザをユーザが使用した場合でもパートナシステムがユーザを広告のターゲットに定めることが可能になる。
【0006】
本概要に記載された特徴および利点、ならびに以下の詳述は包括的なものではない。図面、明細書および特許請求の範囲に照らして、多くの追加の特徴および利点が当業者に明らかになるであろう。例えば、本発明の実施形態はソーシャルネットワーキングシステムを参照して議論されるが、本発明の実施形態は、複数の装置にまたがってユーザの識別を照合することが可能な他のオンラインシステムを用いて使用してもよく、および/またはブラウザを使用してもよい。
【0007】
本発明による実施形態は特に方法およびコンピュータ読取可能媒体を対象とした添付の特許請求の範囲に開示され、1つカテゴリの請求項、例えば方法において言及された特徴は同様に別のカテゴリの請求項、例えば媒体においても権利を主張しうる。添付の特許請求の範囲および以下に列挙された実施形態における従属関係または後方参照は、形式的な理由のみのために選択されたものである。しかしながら、先行する請求項または実施形態(特に複数の従属関係)に対する熟慮された後方参照から生じる要旨も同様に権利を主張しうるため、請求項およびその特徴の任意の組み合わせも開示されて、添付の特許請求の範囲において従属関係が選択されているか否かに関わらず権利を主張しうる。以下に列挙された実施形態の特徴の任意の組み合わせも、そこに後方参照が言及されているか否かに関わらず開示される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の関連付けを記憶する工程と、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知であり前記ユーザにより現在使用されているブラウザを識別するパートナ識別子を指定する通知を広告交換部から受信する工程と、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、指定された前記パートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する、代替パートナ識別子選択工程と、前記広告を提示する機会に対する入札の要求であり前記代替パートナ識別子を含む要求をパートナシステムに送る工程とを備える方法に関する。前記方法はさらに、前記広告を提示する機会に対する入札であり入札値を含む入札を前記パートナシステムから受信する工程と、受信された複数の入札値に基づいて前記広告を提示する機会を使用して広告コンテンツを提示するパートナシステムを選択するように構成されている前記広告交換部に前記入札値を送信する工程とを備えてもよい。
【0009】
代わりに、または加えて、前記方法は、前記広告の提示機会を使用するための広告コンテンツのロケーションを指定する広告タグを前記パートナシステムから受信する工程と、前記広告タグにより指定された前記ロケーションから前記広告コンテンツのコピーを取り出す工程と、前記オンラインシステムに関連付けられているロケーションに前記広告コンテンツの前記コピーを記憶する工程と、前記オンラインシステムに関連付けられている前記ロケーションを指定するように前記広告タグを修正する工程と、修正された前記広告タグを前記広告交換部に送る工程とを備えてもよい。
【0010】
前記代替パートナ識別子選択工程は、前記広告交換部により指定された前記パートナ識別子が認識されないことを示す通知を前記パートナシステムから受信する工程と、前記パートナシステムからの前記通知の受信に応答して前記代替パートナ識別子を選択する工程とを備えてもよい。
【0011】
前記代替パートナ識別子選択工程は、加えて、または代わりに、前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し入札期待値を決定
する、入札期待値決定工程と、前記入札期待値に基づいて前記代替パートナ識別子を選択する工程とを備えてもよい。
【0012】
前記入札期待値決定工程は、複数のパートナ識別子に関連付けられている入札相対値を前記パートナシステムから受信する工程と、受信された前記入札相対値に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記入札期待値を決定する工程とを備えてもよい。
【0013】
また前記入札期待値決定工程は、前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記パートナシステムにより以前に付けられている入札値の分布を決定する工程と、決定された前記分布に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子に対し前記入札期待値を決定する工程とを備えてもよい。
【0014】
本発明の更なる実施形態によれば、コンピュータプログラム命令を記憶している非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の関連付けを記憶する工程と、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知であり前記ユーザにより現在使用されているブラウザを識別するパートナ識別子を指定する通知を広告交換部から受信する工程と、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、指定された前記パートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する、代替パートナ識別子選択工程と、前記広告を提示する機会に対する入札の要求をパートナシステムに送る工程であって、前記通知は前記代替パートナ識別子を含む、工程とを行うように実行可能である、媒体が開示される。
【0015】
前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に記憶された命令はさらに、前記広告を提示する機会に対する入札であり入札値を含む入札を前記パートナシステムから受信する工程と、受信された複数の入札値に基づいて前記広告を提示する機会を使用して広告コンテンツを提示するパートナシステムを選択するように構成されている前記広告交換部に前記入札値を送信する工程とを含む工程を行うように実行可能であってもよい。
【0016】
代わりに、または加えて、前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に記憶された前記命令は、前記広告の提示機会を使用するための広告コンテンツのロケーションを指定する広告タグを前記パートナシステムから受信する工程と、前記広告タグにより指定された前記ロケーションから前記広告コンテンツのコピーを取り出す工程と、前記オンラインシステムに関連付けられているロケーションに前記広告コンテンツの前記コピーを記憶する工程と、前記オンラインシステムに関連付けられている前記ロケーションを指定するように前記広告タグを修正する工程と、修正された前記広告タグを前記広告交換部に送る工程とを含む工程を行うように実行可能であってもよい。
【0017】
前記非一時的コンピュータ読取可能媒体に記憶された前記命令はさらに、前記広告交換部により指定された前記パートナ識別子が認識されないことを示す通知を前記パートナシステムから受信する工程と、前記パートナシステムからの前記通知の受信に応答して前記代替パートナ識別子を選択する工程とを含む工程を行うように実行可能であってもよい。
【0018】
前記代替パートナ識別子選択工程は、前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し入札期待値を決定する、入札期待値決定工程と、前記入札期待値に基づいて前記代替パートナ識別子を選択する工程とを備えてもよい。
【0019】
前記入札期待値決定工程は、複数のパートナ識別子に対する入札相対値を前記パートナシステムから受信する工程と、受信された前記入札相対値に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し前記入札期待値を決定する工程とを備えてもよい。
【0020】
前記入札期待値決定工程は、代わりに、または加えて、前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている前記複数のパートナ識別子の各々に対し以前に前記パートナシステムから受信された分布入札値を決定する工程と、決定された前記分布に基づいて前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子に対し前記入札期待値を決定する工程とを備えてもよい。
【0021】
更なる好ましい実施形態によれば、上述の方法または工程を実行するシステムが開示される。そのシステムは、ユーザ識別子と第1パートナ識別子との間の関連付けをオンラインシステムの複数のユーザの各々に対し記憶する手段のための手段を含んでもよく、その関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスに前記ユーザ識別子および前記第1パートナ識別子が同時に存在することに基づく。前記システムは加えてユーザ識別子と少なくとも第2パートナ識別子との間の関連付けをオンラインシステムの複数のユーザの各々に対し記憶する手段を含んでもよく、その関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスに前記ユーザ識別子および前記第2またはさらなるパートナ識別子が同時に存在することに基づく。前記システムは好ましくは、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対し、ユーザ識別子とブラウザ識別子および/またはデバイス識別子との間の関連付けを記憶する手段を含み、前記関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスにおいて、前記ユーザ識別子ならびに前記ブラウザ識別子および/または前記デバイス識別子が同時に使用されることに基づく。前記システムは、加えて、または代わりに、共通のユーザ識別子との関連付けに基づいて、代替として前記第1および前記第2またはさらなるパートナ識別子および/またはブラウザ識別子および/またはデバイス識別子を関連付ける手段を備えてもよい。好ましい実施形態において、前記システムはまた、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知であり前記ユーザにより現在使用されているブラウザおよび/またはデバイスを識別するパートナ識別子を指定する通知を広告交換部から受信する手段を含む。前記システムは、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、指定された前記パートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する手段を備えてもよい。一実施形態において、前記システムは、前記広告を提示する機会に対する入札の要求であり前記代替パートナ識別子を含む要求をパートナシステムに送る手段を含む。
【0022】
本発明の別の実施形態は、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と第1パートナ識別子との関連付けを記憶する工程を備えてもよい方法に関し、前記関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスに前記ユーザ識別子および前記第1パートナ識別子が同時に存在することに基づく。前記方法はさらに、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対しユーザ識別子と少なくとも第2パートナ識別子との関連付けを記憶する工程を備えてもよく、前記関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスに前記ユーザ識別子および前記第2またはさらなるパートナ識別子が同時に存在することに基づく。前記方法は好ましくは、オンラインシステムの複数のユーザの各々に対し、ユーザ識別子とブラウザ識別子および/またはデバイス識別子との間の関連付けを記憶する工程を備え、前記関連付けは、同一のブラウザおよび/または1つのデバイスにおいて前記ユーザ識別子ならびに前記ブラウザ識別子および/または前記デバイス識別子が同時に使用されることに基づく。また前記方法は、共通のユーザ識別子との関連付けに基づいて、代替として前記第1および前記第2またはさらなるパートナ識別子および
/または前記ブラウザおよび/またはデバイス識別子を関連付ける工程を備えてもよい。また前記方法は、前記オンラインシステムのユーザに広告を提示する機会の通知であり前記ユーザにより現在使用されているブラウザおよび/またはデバイスを識別するパートナ識別子を指定する通知を広告交換部から受信する工程を含んでもよい。前記方法の別の工程は、前記ユーザのユーザ識別子と複数のパートナ識別子との間の記憶された前記関連付けに基づいて、指定された前記パートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択する工程を備えてもよい。最後に前記方法は、前記広告を提示する機会に対する入札の要求であり前記代替パートナ識別子を含む要求をパートナシステムに送る工程を含んでもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、システムの作動方法が開示され、そのシステムはソーシャルネットワーキングシステム、クライアントデバイスおよびパートナシステムを備える。前記クライアントデバイスおよび前記パートナシステムはネットワークを通じて前記ソーシャルネットワーキングシステムと対話し、前記クライアントデバイスは前記ネットワークを通じて前記ソーシャルネットワーキングシステムにアクセスするためにブラウザを実行する。前記方法は、前記ソーシャルネットワーキングシステムがユーザのブラウザ上に、ユーザが前記ソーシャルネットワーキングシステムにログインするときに前記ソーシャルネットワーキングシステムにアクセスしている前記ユーザに関連付けられているユーザ識別子と、前記ソーシャルネットワーキングシステムにより前記ブラウザに関連付けられているブラウザ識別子とを記憶する工程を備えてもよい。前記パートナシステムは、前記ブラウザのパートナ識別子を含むパートナ識別クッキーを前記ブラウザ上に記憶してもよい。前記方法の範囲内において、前記ソーシャルネットワーキングシステムのクッキー同期モジュールはユーザ識別子およびブラウザ識別子を識別および関連付けてもよいし、前記パートナ識別子を前記ユーザ識別子と前記ブラウザ識別子との間の関連付けと照合してもよい。前記クッキー同期モジュールは照合テーブルを生成してもよく、前記照合テーブルの各行はユーザ識別子およびブラウザ識別子のペアリングと、前記ペアリングと照合されたパートナ識別子とを識別する。さらに前記ソーシャルネットワーキングシステムは、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに広告を提示する機会の通知であり前記ユーザにより現在使用されているブラウザを識別する指定されたパートナ識別子を指定する通知を広告交換部から受信してもよい。また前記ソーシャルネットワーキングシステムは記憶された前記照合テーブルに基づいて、指定された前記パートナ識別子に関連付けられている前記ユーザの前記ユーザ識別子に関連付けられている代替パートナ識別子を選択してもよい。最後に前記ソーシャルネットワーキングシステムは、前記広告を提示する機会に対する入札の要求であり前記代替パートナ識別子を含む要求を前記パートナシステムに送ってもよい。
【0024】
本発明の更なる態様はコンピュータプログラム命令を記憶している非一時的コンピュータ読取可能媒体に関連する。そのコンピュータプログラム命令はここに記載する方法を行うように実行可能であってもよい。
【0025】
本発明の技術的思想は、前記パートナシステム、より一般的にはサードパーティ(すなわち、広告主)からの、第1のマシンにデータ(すなわち、広告)を送る要求を翻訳する仕様、およびそのデータを第2のマシンに送る工程と見なされてもよい。この方法を行うシステムは、同一のユーザアカウントを使用してそのシステムにログインするのに使用された2つのマシンに基づいて両マシンを照合してもよい。サードパーティシステムはそれが第1のマシンにデータを送りたいことを知るだけかもしれない。そのシステムは異なるマシンから一日あたり数百万件のヒットを得ると予想され、そのシステムは、第1および第2のマシンが識別されていることをサードパーティである要求元が知ることを防止しながらマシンが同一のユーザアカウントに関連付けられているかどうかに基づいて第2のマシンに対し要求の照合を行う必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態による、ソーシャルネットワーキングシステムを含むシステム環境のブロック図。
図2】一実施形態による、パートナ識別子をブラウザ識別子およびユーザ識別子とペアリングするプロセスの相互作用図。
図3】一実施形態による識別名照合テーブル例を示す図。
図4】一実施形態による、広告オークションが行われるようにするプロセスの相互作用図。
図5】一実施形態によるパートナ識別子変換例を示す図。
【0027】
図面は例示のみを目的として本発明の様々な実施形態を示すものである。ここに記載する本発明の基本理念から逸脱することなくここに例示される構造および方法の代替となる実施形態を採用してもよいことは、以降の議論から当業者に容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
システム構造
図1は、ソーシャルネットワーキングシステム100を含むシステム環境の一実施形態のブロック図である。また図1は、コンピュータ実行可能プログラムモジュールとしてソーシャルネットワーキングシステム100のシステム構造を示す。ここに使用される用語「モジュール」は、指定された機能を提供するコンピュータプログラム論理およびデータの両方または一方に及ぶ。モジュールはハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアに実装されてもよい。ネットワークインターフェース、セキュリティ機構、ロードバランサ、フェイルオーバーサーバ、ならびに管理およびネットワーク演算コンソール等の従来要素は、システムの詳細を不明瞭にすることの無いよう図示されていない。また、ここで実施形態はソーシャルネットワーキングシステムに関して記載されるが、記載された機能は他のオンラインシステムによって行われてもよいことが当業者に理解されるであろう。
【0029】
ソーシャルネットワーキングシステム100は、そのユーザが他のユーザと通信および対話を行うのを可能にする。使用時、ユーザはソーシャルネットワーキングシステム100に加入し、つながりたい多数の他ユーザに接続を加える。ここに使用される用語「友達」は、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100を通じて接続、関連付け、関係を作った他のユーザに及ぶ。接続(例えば、他のユーザを友達として選択したユーザ)は、ユーザにより明示的に追加されてもよく、または複数のユーザの共通の特徴(例えば、同一の教育機関の卒業生であるユーザ)に基づいてソーシャルネットワーキングシステム100により作成されてもよい。
【0030】
ソーシャルネットワーキングシステム100は、そのユーザがソーシャルネットワーキングシステム100により維持される多種のオブジェクトに関するオークションを利用するのを可能にする。そのオブジェクトには、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザが属しうるグループまたはネットワーク(ここで「ネットワーク」は物理的コミュニケーションネットワークではなく人々のソーシャルネットワークに及ぶ)と、ユーザが関心を持ちうるイベント、すなわちカレンダーエントリと、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100を通じて使用しうるコンピュータを利用したアプリケーションと、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100を通じて商品の購入、販売、オークション、レンタルまたは交換を行うのを可能にする取引とが含まれてもよい。上記はユーザがソーシャルネットワーキングシステム100上で行動しうるオブジェクトの例に過ぎず、他の多くのものが可能である。
【0031】
図1に示すソーシャルネットワーキングシステム100はアクションロガー115と、アクションログ120と、広告プロキシサーバ125と、広告ストア140と、ユーザプロファイルストア145と、クッキー同期モジュール155と、ユーザ識別モジュール160とを含む。他の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100は様々なアプリケーション用の追加の、より少ない、または異なるモジュールを含んでもよい。
【0032】
アクションロガー115は、ソーシャルネットワーキングシステム100の内部でのユーザの対話および他のシステム上で行われる対話を識別し、アクションログ120において情報のログを取る。ソーシャルネットワーキングシステム100の内部のユーザ対話には、ユーザ間の対話と、ソーシャルネットワーキングシステム100の内部のページおよびユーザ間の対話と、ページ上の投稿およびユーザ間の対話と、ソーシャルネットワーキングシステム100に対しデータ通信を行うプラグインを含むソーシャルネットワーキングシステム100の外部のページへのユーザの訪問または対話とが含まれる。ソーシャルネットワーキングシステム100の外部におけるユーザアクションの例には、サードパーティウェブサイトが主催するオンライン市場を使用した製品またはサービスの購入またはレビューと、サードパーティアプリケーションサーバが主催するウェブサイトでの登録または申込みと、サードパーティウェブサイトからの情報の要求と、他の類似したアクションとが含まれる。ソーシャルネットワーキングシステムの内部および/または外部でアクションが行われると、アクション用のエントリがアクションロガー115により生成されアクションログ120に記憶される。
【0033】
或る時間が過ぎると、ソーシャルネットワーキングシステムユーザが行ったアクションを記載する幾つかのエントリがアクションログ120に取り込まれる。このように、アクションログ120はユーザアクションを記載する豊富なデータセットを含み、ユーザアクションにおける傾向および関係、ならびにユーザと様々なオブジェクトとの親和性を識別するように分析およびフィルタ処理されうる。
【0034】
ソーシャルネットワーキングシステム100は各ユーザに対しユーザプロファイルを維持する。ユーザが行ったアクションロガー115が識別したアクションは、そのユーザのユーザプロファイルに関連付けられる。アクションの例には、他ユーザとの接続の確立、他ユーザに関連付けられているコンテンツの視聴、グループへの参加、イベントへの参加、アプリケーションの追加、または別のユーザとの取引の終了が含まれる。ユーザプロファイルストア145はソーシャルネットワーキングシステムユーザを記載するユーザプロファイルを記憶する。ユーザプロファイルに含まれる情報の例には、人物情報、人口統計学的情報、ならびに職歴、学歴、趣味または好み、および住所等の他タイプの記述的情報が含まれる。ユーザが名前、住所、性別、年齢および生年月日等の情報を対応するユーザプロファイルに手入力すると、その情報はユーザプロファイルストア145に記憶される。また一実施形態において、ユーザプロファイルストア145はユーザに対するログインまたは認証情報を記憶し、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100にログインしようとしたときにこれを参照する。
【0035】
クライアントデバイス102はネットワーク110を通じてソーシャルネットワーキングシステム100と対話する。ネットワーク110はクライアントデバイス102、パートナシステム105、広告交換部180および/またはソーシャルネットワーキングシステム100間の通信経路である。一実施形態において、ネットワーク110はインターネットである。しかしながら、ネットワーク110はローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、移動体の有線もしくは無線ネットワーク、プライベートネットワーク、または仮想プライベートネットワーク等の任意の通信経路であってもよい。一実施形態において、ネッ
トワーク110は、標準通信技術および標準通信プロトコルまたは標準通信技術もしくは標準通信プロトコルを使用する。ネットワーク110で使用されるプロトコルの例には、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)等が含まれる。ネットワーク110を通じて交換されるデータは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(XML)等を含む技術およびフォーマットまたは技術もしくはフォーマットを使用して表されてもよい。幾つかの実施形態において、ネットワーク110を通じたデータ交換は、上記の代わりに、または追加して、カスタムデータ通信技術および専用のデータ通信技術またはカスタムデータ通信技術もしくは専用のデータ通信技術を使用して行ってもよい。
【0036】
クライアントデバイス102はデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、または計算機能およびデータ通信能力を含む他の任意のデバイスであってもよい。複数のクライアントデバイス102がネットワーク110を通じて通信するように構成されてもよい。図1は単一のクライアントデバイス102を示すが、多くのクライアントデバイス102がソーシャルネットワーキングシステム100と対話してもよい。
【0037】
一実施形態において、クライアントデバイス102は、ネットワーク110を通じてソーシャルネットワーキングシステム100または他のコンテンツにアクセスするのにユーザが使用しうる1または複数のブラウザ175を実行する。一実施形態において、ユーザはソーシャルネットワーキングシステム100上のアカウントにログインし、ブラウザ175を使用してユーザプロファイルページおよびニュース配信ページ等の個人用ウェブページのセットにアクセスする。ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100を用いて自身のアカウントにログインすると、ソーシャルネットワーキングシステム100は、ブラウザ175等のクライアントデバイス102にユーザおよびブラウザを識別する1または複数のクッキーを書き込む。例えばソーシャルネットワーキングシステム100によりユーザに関連付けられているユーザ識別子を含むクッキーが記憶され、ブラウザ識別子を含むクッキーがクライアントデバイス102により記憶される。ここでブラウザ識別子を含むクッキーはブラウザタイプを識別するデータを含んでもよい。ユーザがブラウザ175を使用してソーシャルネットワーキングシステム100にログインしている間、ユーザ識別子を含むクッキーがブラウザ175により記憶される。ブラウザ識別子を含むクッキーはユーザにより削除されるかまたはブラウザ175により削除されるまで記憶される。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム110がブラウザ175を使用してクッキーを記憶するのを防止するように、ユーザはソーシャルネットワーキングシステム100からのクッキー受信をオプトアウトしてもよい。
【0038】
パートナシステム105(「広告パートナ」としても参照される)はネットワーク110を通じてソーシャルネットワーキングシステム100と対話する。一実施形態において、パートナシステム105は広告主に対し広告インプレッション(例えば広告の提示)への入札および購入を行うデマンドサイドプラットフォーム(DSP)である。例えば、広告主はパートナシステム105と対話して、ターゲット抽出条件および最大予算等の広告制約条件を指定する。また広告主は、ソーシャルネットワーキングシステム100の広告ストア140に記憶されている広告要求または広告要求を識別する広告タグをパートナシステム105に提供してもよい。広告制約条件を使用して、パートナシステム105は、ソーシャルネットワーキングシステム100のユーザかまたは他のオンラインシステムのユーザに対する広告主の広告要求に含まれた広告コンテンツの提示に入札する。単一のパートナシステム105が図1に例示されているが、複数のパートナシステム105がソーシャルネットワーキングシステム100と対話して広告インプレッションに入札してもよい。各パートナシステム105は多くの広告主の代理として入札を行ってもよい。
【0039】
一実施形態において、パートナシステム105は、ユーザが広告要求に関連付けられているターゲット抽出条件を満たしているか否かをユーザのインターネット閲覧アクティビティを監視することにより決定する。例えばパートナシステム105は、訪れたウェブページ、検索したキーワード、購入したアイテム等を含む他ウェブサイトでのユーザの振る舞いに基づいてソーシャルネットワーキングシステムユーザへの広告提示に入札する。ユーザは追跡をオプトアウトして、パートナシステム105がユーザを監視するのを防止してもよい。一実施形態において、パートナシステム105はサードパーティウェブサイトに位置するウェブバグまたは追跡ピクセルを使用して、追跡がまだオプトアウトされていないウェブサイトを訪れるユーザを監視する。追跡ピクセルは、パートナシステム105がサードパーティウェブサイトに追加するHTMLコード片である。例えば追跡ピクセルは透明な1×1画像、iフレームまたは他の好適なオブジェクトである。ユーザのブラウザ175が追跡ピクセルを有するページのコンテンツを要求すると、追跡ピクセルのコンテンツもまたパートナシステム105から要求される。追跡ピクセルのコンテンツに対する要求には、クライアントデバイス105のインターネットプロトコル(IP)アドレス等のクライアントデバイス102およびブラウザ175に関する情報、ならびにパートナシステム105がブラウザ175内に設定したクッキーが含まれる。一実施形態において、パートナシステム105により設定されたクッキーセットには、ここで「パートナ識別子」として参照されるパートナシステム105によるブラウザ175の識別名が含まれる。
【0040】
例えば、或るユーザが、パートナシステム105と提携している旅行ウェブサイト上で、オーストリアのウィーンへの飛行便を検索する。パートナシステム105により旅行ウェブサイト上に含まれる追跡ピクセルはこの検索をパートナシステム105に通知する。ウェブサイトを訪れるのに使用されたブラウザ175がパートナシステム105により既に設定されたクッキーを含まない場合、パートナシステム105はブラウザ175上でクッキーを設定し、ブラウザのパートナ識別子および検索された情報を記憶する。ブラウザ175がパートナシステム105に関連付けられているクッキーを含む場合、パートナシステム105はそのクッキーからブラウザのパートナ識別子を取り出し、ブラウザ175の振る舞いを記載する取り出されたパートナ識別子に関連付けられている既に記憶された情報にウィーン行き飛行便の検索を追加する。
【0041】
パートナシステム105はパートナ識別子によりインデックス化された閲覧アクティビティのログを維持してもよい。ログに含まれる情報の例には、ウェブページへの訪問、情報または製品の検索、および製品の購入が含まれる。パートナ識別子により識別されるブラウザ175を使用して広告を提示する機会が生じると、パートナシステム105は広告主の広告を提供する1または複数の機会に対して入札する。例えばウェブサイトは、ウェブサイトコンテンツと共に3つの広告の提示にスペースを割り当ててもよく、パートナシステム105から3つのスペースを埋める広告を要求する。したがってパートナシステム105は、3つのうち1または複数のスペースに1または複数の広告を識別するウェブサイトに入札する。入札は、広告ターゲット抽出条件およびブラウザ175に対応するパートナ識別子に関連付けて記憶された閲覧履歴に基づいてもよい。例えば航空会社がパートナシステム105を使ってヨーロッパの様々な目的地往きの航空会社が提供する飛行便の広告を出してもよい。ユーザが最近(例えば前日に)ウィーンへの飛行便を検索していた場合、パートナシステム105はブラウザ175を使用してウィーン行き飛行便の過去の検索に基づいて、飛行便検索を含むウェブサイトコンテンツと共にブラウザ175を通じて広告を提示する機会に対して入札してもよい。
【0042】
パートナシステム105による入札は、パートナシステム105(またはパートナシステム105で表される広告主)がユーザへの広告提示に支払うことになる値を指定する。
一実施形態において、入札値はユーザの関心と広告のターゲット抽出条件との類似度に基づく。例えば航空会社は、特定のヨーロッパ目的地行き飛行便に関連付けられている最近の対話と年齢幅(例えば21歳〜35歳)を指定する、ヨーロッパ行き飛行便の広告のターゲット抽出条件を指定してもよい。このように、パートナシステム105はウィーン行き飛行便を最近検索した25歳のユーザに対するウィーン行き飛行便の広告提示には高額の入札を行い、同一ユーザに対するベルリン行き飛行便の広告提示に、より低額の入札を行ってもよい。
【0043】
一実施形態において、ウェブサイト発行部はパートナシステム105からの広告入札を直接的に要求するのではなく広告交換部180と対話を行ってもよい。広告交換部180はユーザに広告を提示する機会の売買が行われるようにする。一実施形態において、広告交換部180は発行部(例えばウェブサーバ)と複数のパートナシステム105または広告主とをインターフェースで接続し、ウェブページ上に広告を提示する要求を発行部から受信し、要求に基づいた広告コンテンツの提示に対する入札の要求をパートナシステム105から受信する。例えば広告交換部180はパートナシステム105により行われた入札に基づいて広告提示機会のリアルタイムオークションを開催してもよい。広告オークションが行われるようにするため、広告交換部180は、広告交換部180により読取可能なブラウザ175の識別名(「交換部識別子」)を含むクッキーをブラウザ175に対して記憶してもよい。また広告交換部180は、各交換部識別子をパートナシステム105に関連付けられている1または複数のパートナ識別子とペアリングするデータベースを維持してもよい。したがって、発行部はユーザのブラウザ175を広告交換部180にリダイレクトすることにより広告交換部180からの広告を要求して、ブラウザ175が記憶したクッキーから交換部識別子を取り出し、交換部識別子に関連付けられているパートナ識別子を決定し、入札の要求と共にパートナ識別子をパートナシステム105に送ってもよい。
【0044】
一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100は、パートナシステム105に入札の要求を送りパートナシステム105から入札を受信するためにパートナシステム105と広告交換部180との間にインターフェースを提供する。例えばソーシャルネットワーキングシステム100は、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスするのに使用したブラウザ175とソーシャルネットワーキングシステムユーザを識別するクッキーとの照合を行うクッキー同期モジュール155を含む。一実施形態において、クッキー同期モジュール155はソーシャルネットワーキングシステムユーザのユーザ識別子とブラウザ識別子とを関連付ける。加えてクッキー同期モジュール155は、ユーザ識別子とブラウザ識別子との関連付けにパートナ識別子を関連付ける。例えばパートナ識別子はユーザ識別子およびブラウザ識別子のペアリングに関連付けられ、これによりパートナシステム105がパートナ識別子からソーシャルネットワーキングシステムユーザを識別することが可能になる。クッキー同期モジュール155については追って詳述する。
【0045】
ソーシャルネットワーキングシステム100はユーザ識別子およびブラウザ識別子のペアリングと1または複数のパートナ識別子との関連付けを使用して広告を提示する機会(「広告インプレッション機会」)に対するユーザを識別してもよい。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100に含まれるユーザ識別モジュール160は広告交換部180から入札の要求を受信し、その入札の要求に関連付けられているユーザに関連付けられているユーザ識別子を決定し、そのユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子を選択する。1つのユーザ識別子に複数のパートナ識別子が関連付けられていた場合、ユーザ識別モジュール160は何れのパートナ識別子を入札の要求と共にパートナシステム105に送るかを決定する。
【0046】
ユーザ識別モジュール160は各パートナ識別子に関連付けられている入札期待値に基づいてパートナシステム105に送るパートナ識別子を選択してもよい。例えばパートナシステム105は、パートナシステム105に関連付けられている各パートナ識別子に対し期待される入札相対値をソーシャルネットワーキングシステム100に提供してもよい。例えばパートナ識別子Aおよびパートナ識別子Bが共に同一のユーザ識別子に関連付けられており、パートナシステム105がパートナ識別子Bに対しより高い入札値を付けるよう示した場合、ユーザ識別モジュール160はパートナシステム105に送られた入札の要求の内容物に対しパートナ識別子Bを選択してもよい。代わりに、ユーザ識別モジュール160は各パートナ識別子に対しパートナシステム105により付けられた過去の入札値に基づいて各パートナ識別子に対する入札期待値を決定する。例えばユーザ識別モジュール160は入札履歴の分布を決定し、その分布に基づいて入札期待値を計算する。例えばパートナ識別子Aに対しパートナシステム105が行った入札がパートナ識別子Bに対し行った入札より高い平均値を有する場合、パートナシステム105に送られる入札の要求にはパートナ識別子Aが含まれる。
【0047】
一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100は広告プロキシサーバ125を含み、その広告プロキシサーバ125はパートナシステム105と、広告交換部180と、ブラウザ175とをインターフェースで接続してクライアントデバイス102をパートナシステム105から切り離す。パートナシステム105が広告インプレッション機会に対して入札を行うと、広告プロキシサーバ125はユーザに提示する広告コンテンツを含む広告要求をパートナシステム105から受信してもよく、または広告ストア140における提示用広告コンテンツを有する広告要求を識別する広告タグをパートナシステム105から受信してもよい。一実施形態において、ブラウザ175はパートナシステム105または別の広告サーバではなく前記広告プロキシサーバ125から広告コンテンツを取り出す。このように、広告プロキシサーバ125はパートナシステム105とクライアントデバイス102との間の障壁として機能し、パートナシステム105が個々のユーザ、ブラウザ175またはクライアントデバイス102にユーザ特性を相関させることを防止する。これにより、クライアントデバイス102からパートナシステム105へのデータ流出が低減され、ソーシャルネットワーキングシステムユーザがパートナシステム105との共有を明示的に選んだことのない個人情報をより確実に保護することができる。
【0048】
クッキー同期
ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100からのクッキー受信をオプトアウトしていない場合、ソーシャルネットワーキングシステム100は、クライアントデバイス102上で実行しソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスするのに使用されるブラウザ175に1または複数のクッキーを記憶してもよい。一実施形態において、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム100にログインするとソーシャルネットワーキングシステム100はユーザのブラウザ175にユーザ識別クッキーを記憶する。ユーザ識別クッキーには、ソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスするユーザに関連付けられているユーザ識別子が含まれる。ユーザがソーシャルネットワーキングシステムからログアウトするかまたはブラウザ175が記憶したクッキーを削除するまで、ソーシャルネットワーキングシステム100はユーザ識別クッキーからユーザ識別子を取得してもよい。
【0049】
また一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100はブラウザ175にブラウザ識別クッキーを記憶する。ブラウザ識別クッキーには、ソーシャルネットワーキングシステム100によりブラウザ175に関連付けられているブラウザ識別子が含まれる。ソーシャルネットワーキングシステム100は、ブラウザ識別クッキーがユーザまたはブラウザ175により削除されるまでブラウザ識別クッキーからブラウザ識別子を
取り出してもよい。
【0050】
ソーシャルネットワーキングシステム100のクッキー同期モジュール155はブラウザ識別子を識別し、ユーザ識別子に関連付ける。この関連付けは、ソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスしまたクッキーを許可したブラウザ175と、ユーザとの組み合わせを識別する。例えば、ユーザは同一のクライアントデバイス102または異なるクライアントデバイス102上で実行する複数のブラウザからソーシャルネットワーキングシステム100上のアカウントにアクセスすることがある。したがって、クッキー同期モジュール155は、ソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスするのに使用される各ブラウザに関連付けられている異なるブラウザ識別子とユーザのユーザ識別子との複数の関連付けを記憶する。同様に、複数のユーザが同一のブラウザ(例えば公共図書館のコンピュータ上で実行するブラウザ)からソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスする場合、クッキー同期モジュール155は単一のブラウザ識別子と様々なユーザ識別子との複数の関連付けを記憶する。
【0051】
一実施形態において、クッキー同期モジュール155はパートナ識別子をユーザ識別子とブラウザ識別子との関連付けと照合する。ユーザ識別子とブラウザ識別子との関連付けに受信したパートナ識別子を同期させるプロセスは図2に例示されている。図2の実施例において、ユーザがウェブサイト200にアクセスしたときのブラウザ175、ウェブサイト200、パートナシステム105およびソーシャルネットワーキングシステム100の間の対話が示されている。例示を目的として、ウェブサイト200はパートナシステム105に関連付けられている追跡ピクセルを含むウェブページを備え、ブラウザ175のユーザはパートナシステム105による追跡をオプトアウトしていないこととする。
【0052】
ユーザがブラウザ175を使用してウェブサイト200にアクセスすると、ブラウザ175はウェブサイト200用のコンテンツを提供する1または複数のサーバからのコンテンツをネットワーク110を通じて要求する(202)。サーバは要求されたコンテンツをネットワーク110を使用してブラウザ175に返送する(204)。上述のように、1または複数のサーバにより提供されるウェブサイトコンテンツにはパートナシステム105に関連付けられている追跡ピクセルが含まれているので、ブラウザ175はパートナシステム105からの追跡ピクセルのコンテンツも要求する(206)。簡素化のため図2はウェブサイト200およびパートナシステム105を示すが、ブラウザ175から受信した要求に基づいてブラウザ175により要求されたコンテンツの一部を他のエンティティが提供してもよい。
【0053】
ブラウザ175がパートナシステム105からのコンテンツを要求すると(206)、パートナシステム105はブラウザ175が記憶したクッキーへのアクセスを受信する。ブラウザ175がパートナシステム105に関連付けて記憶されたクッキーを含まない場合(例えば、ユーザがパートナシステム105により監視されるウェブサイトを過去に訪れたことが無い場合、またはユーザがパートナシステムのクッキーを削除していた場合)、パートナシステム105は1または複数のクッキーをブラウザ175に対して記憶する。加えて、パートナシステム105は1または複数のクッキーに基づいてブラウザ175のブラウザ識別子を作成し、そのブラウザ識別子に関連してコンテンツ要求のログを取る(208)。
【0054】
ブラウザ175が追跡ピクセルコンテンツの要求(206)前にパートナシステム105に関連付けられている1または複数のクッキーを含む場合(例えばユーザがパートナシステム105により監視されるウェブサイトを既に訪れたことがある場合)、パートナシステム105はその1または複数のクッキーにアクセスしてブラウザ175に関連付けられているブラウザ識別子を取り出し、取り出されたブラウザ識別子に関連してコンテンツ
要求のログを取る(208)。要求を記載するログデータには、ウェブサイト200の識別名、要求時刻、ウェブページ上におけるユーザのアクティビティ(例えばウェブサイト200を通じてユーザが購入したアイテム)、および他の好適な情報が含まれてもよい。要求のログを取った(208)後、パートナシステム105は追跡ピクセルのコンテンツをネットワーク110を通じてブラウザ175に返送する(210)。
【0055】
一実施形態において、パートナシステム105はソーシャルネットワーキングシステム100にリダイレクトするコマンドをブラウザ175に送信する(212)。例えばパートナシステム105は追跡ピクセルの返送されたコンテンツと共にHTTPリダイレクトコマンドを返送する。ここでリダイレクトコマンドはソーシャルネットワーキングシステム100に関連付けられているユニフォームリソースロケータ(URL)または他のネットワーク識別子を識別してもよい。一実施形態において、パートナシステム105は送信されたリダイレクトコマンドに含まれるURLにパートナ識別子を埋め込む。受信したリダイレクトコマンドに基づいて、ブラウザ175はソーシャルネットワーキングシステム100にリダイレクトし、URLに埋め込まれているパートナ識別子をソーシャルネットワーキングシステム100に提供する(214)。
【0056】
ソーシャルネットワーキングシステム100をリダイレクトすることにより、ソーシャルネットワーキングシステム100がブラウザ175上に記憶されたクッキーにアクセスすることが可能になる。例えばブラウザ175がソーシャルネットワーキングシステム100により指定されたユーザ識別子とブラウザ識別子とのうち一方または両方を指定するクッキーを含む場合、ソーシャルネットワーキングシステム100はブラウザ識別子およびユーザ識別子を取り出し、ブラウザ175がソーシャルネットワーキングシステムにリダイレクトしたときに提供されたパートナ識別子を、取り出されたブラウザ識別子および取り出されたユーザ識別子または取り出されたブラウザ識別子もしくは取り出されたユーザ識別子とペアリングする(216)。パートナ識別子を、ブラウザ識別子およびユーザ識別子またはブラウザ識別子もしくはユーザ識別子に関連付けて、クッキー同期モジュール155は、図3に例示されるような、その後のユーザ識別用に記憶される照合テーブル300を生成する。図3に示すように、照合テーブル300の各行はユーザ識別子とブラウザ識別子とのペアリング、および図2に例示されたプロセス中にそのペアリングと照合されたパートナ識別子を識別する。
【0057】
例えばユーザ識別子「セバスチャン」を有するユーザがブラウザ識別子「B_987」でソーシャルネットワーキングシステム100により識別されるブラウザ175を使用してソーシャルネットワーキングシステム100にログインすると、クッキー同期モジュール155は行302を作成する。この実施例において、ユーザは、図2と併せて上述されるプロセスを使用してパートナ識別子「ABC」をブラウザ175に関連付けたパートナシステム105により監視されるウェブサイトを訪れた。パートナ識別子をブラウザ175に関連付けるため、パートナシステム105はブラウザ175をソーシャルネットワーキングシステム100にリダイレクトし、パートナ識別子「ABC」をリダイレクト要求に埋め込む。クッキー同期モジュール155はブラウザ175が記憶した1または複数のクッキーからユーザ識別子およびブラウザ識別子を取り出し、受信したパートナ識別子「ABC」を「セバスチャン」および「B_987」の記憶されたペアリングに関連付ける。同様のプロセスが行304、306、308および310に対し繰り返される。図3は照合テーブル300における5つの行を例示するが、照合テーブル300は数千または数百万のエントリを有してもよい。また照合テーブル300は異なるパートナシステムに対応する追加の列を有してもよく、様々な識別名は単に実施例であるに過ぎない。他の実施形態において、関連付けはエントリのテーブル以外の構成で編成されてもよい。
【0058】
ユーザ識別子とブラウザ識別子との関連付けにパートナ識別子を相関させることにより
、クッキー同期モジュール155が同一のブラウザを使用する異なるユーザを識別するかまたは単一のユーザにより使用される複数のブラウザを識別することが可能になる。図3を参照し、照合テーブル300の行302および行306はパートナ識別子「ABC」を有するブラウザに対応する。しかしながら、2つの別個のユーザ識別子がパートナ識別子「ABC」に関連付けられており、これは、ユーザ「セバスチャン」およびユーザ「ビオラ」の両者がブラウザ識別子「B_987」を有するブラウザを使用したことを示す。別の実施例として、行306はユーザ識別子「ビオラ」を(パートナ識別子「ABC」に対応する)ブラウザ識別子「B_987」に関連付け、行308は前記ユーザ識別子を(パートナ識別子「TSV」に対応する)ブラウザ識別子「B_123」に関連付ける。これは、ユーザ「ビオラ」が2つの異なるブラウザ175を使用してソーシャルネットワーキングシステム100にアクセスしたことを示す。
【0059】
クッキー同期モジュール155は異なる時刻に取り出されたクッキーを照合することによりユーザを識別してもよい。例えば照合テーブル300の行304および行310にはブラウザ識別子「B_654」およびパートナ識別子「ZYQ」に対するエントリが含まれる。行310を生成するため、クッキー同期モジュール155はユーザ識別子「オリビア」をブラウザ識別子「B_654」と照合する。行304の生成後にユーザ「オリビア」がブラウザ識別子「B_654」を有するブラウザ175を使用してソーシャルネットワーキングシステムにアクセスしたため、行310を生成してもよい。
【0060】
一実施形態において、クッキー同期モジュール155は同一の情報に対応する行を組み合わせることにより照合テーブル300を定期的に更新してもよい。例えば行310を作成した後、行310は行304に欠けているユーザ識別子を提供するため、クッキー照合モジュール155は行304を取り除いてもよい。一実施形態において、クッキー同期モジュール155は照合テーブル300のデータの行を組み合わせるか取り除くかを、データに見られるパターンに基づいて決定する。例えばユーザ識別子の閾値が単一のブラウザ識別子とペアリングされていた場合、クッキー同期モジュール155はブラウザ175を公共のコンピュータであるとして識別し、共通のブラウザ識別子に関連付けられている各ユーザ識別子に対し固有の照合テーブルエントリを維持してもよい。
【0061】
識別子変換
ソーシャルネットワーキングシステム100は生成された照合テーブル300に基づいた広告提示機会に対するオークションが行われるようにする。例えばパートナシステム105および広告交換部180は、各システムが1または複数のブラウザ175に記憶するクッキーに基づいてブラウザ175を識別する。ソーシャルネットワーキングシステムユーザが複数のブラウザ175を使用してウェブコンテンツにアクセスする場合、照合テーブル300により、ソーシャルネットワーキングシステム100が、複数のブラウザに関連付けられているパートナ識別子を単一のユーザに関連付けることが可能になる。したがって、照合テーブル300はより関連性のある広告をユーザに提供し、より良い広告入札機会をパートナシステム105に提供する。
【0062】
図4は、パートナ識別子間の変換により広告オークションが行われるようにするプロセスの一実施形態を示す相互作用図である。図4に示す広告オークション例は発行部400と、広告交換部180と、ソーシャルネットワーキングシステム100と、パートナシステム105とに関連する。図4においてオークションのより序盤を図の上方に、オークションのより終盤を図の下方に示すことによりオークションを経時的に示してある。加えて図4において、エンティティ間の水平な矢印はエンティティ間の通信を表す。図4では単一のパートナシステム105が例示されているが、多くのパートナシステム105が広告交換部180およびソーシャルネットワーキングシステム100と対話してもよい。
【0063】
ユーザがネットワーク110を通じてコンテンツを取り出す際、ユーザはブラウザ175を発行部400が提供するウェブサイトのページまたは他のコンテンツに向けて、発行部400はコンテンツの一部を広告提示のために割り当てる。例えば発行部400はウェブページのバナーまたはサイドバー領域をユーザに対する広告表示に割り当てる。ブラウザ175が発行部170からのコンテンツを要求すると、発行部170は広告交換部180からの広告コンテンツを要求する(402)。例えば発行部170はブラウザ175を広告交換部180にリダイレクトすることにより広告コンテンツを要求し(402)、これにより広告交換部180はブラウザ175が記憶したクッキーから交換部識別子を取り出すことが可能になる。
【0064】
広告交換部180は受信した交換部識別子に関連付けられている1または複数のパートナ識別子を決定し、パートナ識別子を使用してソーシャルネットワーキングシステム100からの広告要求に対する入札を要求する(404)。また一実施形態において、広告交換部180はパートナシステム105からの入札を要求する(406)。入札の要求には、図4に「パートナID A」として参照されるような広告交換部180により決定されるパートナ識別子が含まれる。パートナシステム105はパートナID Aがパートナシステム105により認識されるか否かを決定する(408)。図4に示される実施例において、パートナID Aはパートナシステム105により認識されない。例えばパートナシステム105はパートナID Aに関連付けられている閲覧履歴に関して記憶された情報を有していない。したがってパートナシステム105は、パートナID Aが認識されないことを示す標識をソーシャルネットワーキングシステム100に返送する(410)。
【0065】
パートナシステム105に送信されたパートナ識別子が認識されない場合、ソーシャルネットワーキングシステム100はそのパートナ識別子を同一ユーザに関連付けられている代替パートナ識別子に変換する(412)。この変換は例えばソーシャルネットワーキングシステム100により生成された照合テーブル300とユーザ識別モジュール160により選択されたパートナ識別子とを使用してそのパートナ識別子を代替パートナ識別子に変換する(412)。例えばパートナ識別子Aと同一のユーザ識別子に関連付けられているパートナ識別子Bがパートナ識別子Aより大きな入札相対値を有する場合、ソーシャルネットワーキングシステム100はパートナ識別子Aをパートナ識別子Bに変換する(412)。代替パートナ識別子(図4では「パートナID B」として参照される)を使用して、ソーシャルネットワーキングシステム100はパートナシステム105からの広告要求に対する入札を要求する(414)。
【0066】
パートナシステム105が代替パートナ識別子(例えばパートナID B)を認識した場合(416)、パートナシステム105は提示要求に対する入札をユーザに返送する(418)。入札には、認識された代替パートナ識別子により指定されたブラウザにおける広告要求に関連付けられている広告コンテンツの提示に対しパートナシステム105が発行部400に支払いたい金額を指定する入札値が含まれてもよい。ソーシャルネットワーキングシステム100は認識された代替パートナ識別子を広告交換部180が最初に送ったパートナ識別子に変換する(420)。図4の実施例において、パートナID Bはパートナシステム105により認識されたので(416)、ソーシャルネットワーキングシステム100はパートナID Bを広告交換部180が最初に提供したパートナID Aに変換する(420)。ソーシャルネットワーキングシステム100はパートナシステム105から受信した入札を広告交換部180に返送する(422)。返送された入札には、最初に受信したパートナ識別子と、パートナシステム105が提供した入札値とが含まれてもよい。
【0067】
広告交換部180はステップ404〜422を使用して複数のパートナシステム105
から入札を集めてもよい。1または複数の入札を集めた後、広告交換部180はその1または複数の入札を使用して広告機会に対するオークションを開催する(424)。広告交換部180は落札価格の通知をソーシャルネットワーキングシステム100に送り(426)、落札価格をパートナシステム105に通知する(428)。パートナシステムは、ユーザに届けられる広告コンテンツのネットワークアドレスを示す広告タグをソーシャルネットワーキングシステム100に送る(430)。
【0068】
一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム100は受信した広告タグを修正してパートナシステム105がユーザのブラウザ175にアクセスすることを防止する。例えばソーシャルネットワーキングシステム100の広告プロキシサーバ125は広告コンテンツ用の中間ストレージおよびアクセスポイントとして機能し、ユーザからパートナシステム105へのデータ流出を低減する。広告プロキシサーバ125は提示すべき広告コンテンツのコピーを広告タグにより指定されたロケーションから取り出す。広告のコピーは、広告コンテンツのコピーが取り出された広告プロキシサーバ125に関連付けられているネットワークアドレスまたは他のロケーションを指定する修正された広告タグを生成する広告プロキシサーバ125により記憶される。ソーシャルネットワーキングシステム100は修正された広告タグを広告交換部180に送り(432)、広告交換部180は修正されたその広告タグを発行部170に送る(434)。修正された広告タグを使用してブラウザ175は広告プロキシサーバ125から広告を取り出し、パートナシステム105または広告主が提示された広告コンテンツを通じてユーザに関する情報を取得するのを防止する。
【0069】
図4と併せて記載されるプロセスの実施例が図5に示されている。広告交換部180は照合テーブル400に類似したテーブル500を維持してもよい。例えば広告交換部180は、交換部180がブラウザを識別するのを可能にするユーザのブラウザにクッキーを設定する。ユーザがパートナシステム105により監視されるサイトを訪れると、広告交換部180はパートナシステム105がユーザのブラウザ175を交換部180にリダイレクトしたときにパートナ識別子を受信してもよい。広告交換部180はユーザのブラウザ175が記憶したクッキーからブラウザの交換部識別子を取り出し、交換部識別子を受信したパートナ識別子とペアリングして広告交換テーブル500を構築する。
【0070】
広告交換部180が発行部170から広告コンテンツ要求を受信すると、広告交換部180はブラウザ175が記憶したクッキーから交換部識別子を取り出すことによりブラウザを識別する。広告交換部180はテーブル500にアクセスして交換部識別子に関連付けられているパートナ識別子を決定する。図5に示された実施例において、決定されたパートナ識別子は「TSV」である。
【0071】
矢印510Aおよび矢印510Bにより例示されるように、広告交換部180は入札の要求(404)時に、決定されたパートナ識別子「TSV」をソーシャルネットワーキングシステム100に送る。またここで、広告交換部180は入札の要求時に、決定されたパートナ識別子「TSV」をパートナシステム105に送ってもよい。パートナシステム105はパートナ識別子によりインデックス化されたユーザに関する閲覧履歴または他の情報を含むパートナテーブル505を維持しており、そのパートナテーブル505はパートナシステム105により維持されるデータベースであってもよい。広告交換部180から入札の要求を受信すると、パートナシステム105は、要求406により指定されたパートナ識別子がパートナテーブル505に含まれるか否かを決定する。図5の実施例において、決定されたパートナ識別子「TSV」はパートナテーブル505に含まれていない。
【0072】
また、ソーシャルネットワーキングシステム100は広告交換部180から入札の要求
を受信し、矢印515により示されるようにパートナ識別子「TSV」をパートナ識別子「ABC」に変換する(412)。例えばソーシャルネットワーキングシステム100により維持された照合テーブル400は、ユーザ識別子「ビオラ」に対応するユーザがパートナ識別子「ABC」および「TSV」に対応する異なるブラウザを使用したことを示す。「ビオラ」に対する共有されたペアリングに基づいて、ソーシャルネットワーキングシステム100は決定されたパートナ識別子「TSV」を代替パートナ識別子「ABC」に変換する(412)。矢印520により示されるように、代替パートナ識別子「ABC」は入札の要求に含められてパートナシステム105に送られる。図5の実施例において、パートナテーブル505は代替パートナ識別子「ABC」によりインデックス化された閲覧履歴を含んでいるので、パートナシステム105は代替パートナ識別子によりインデックス化された閲覧履歴を使用して広告提示機会に対する入札を行う。
【0073】
要約
本発明の実施形態に関する以上の説明は例示を目的として行われたものであり、網羅的な説明を意図したものではなく、また開示される精密な形態に本発明を限定することを意図したものでもない。以上の開示に照らして多くの修正および変更が可能であることが当業者に理解されるであろう。
【0074】
本明細書の数ヶ所において、本発明の実施形態は情報に関する演算のアルゴリズムおよび記号表現を用いて記載されている。これらのアルゴリズム的な記述および表現は一般に、データ処理分野の当業者が自身の研究の要旨を他の分野の当業者に効果的に伝えるのに使用される。演算は機能的、計算的または論理的に記載されているが、コンピュータプログラムまたは同等の電気回路もしくはマイクロコード等により実装されると理解される。さらに、これらの演算の構成をモジュールとして参照するのは一般性を失うことなく時として好都合であることも知られている。記載された演算および関連付けられているモジュールはソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはこれらの何れかの組み合わせで具現化されてもよい。
【0075】
ここに記載される何れの工程、演算またはプロセスも1または複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュールを用いて、また単独または他のデバイスとの組み合わせにより行うかまたは実装されてもよい。一実施形態において、ソフトウェアモジュールはコンピュータプログラムコードを含有するコンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品を用いて実装され、そのコンピュータプログラムコードは記載された工程、演算またはプロセスの一部または全てを行うコンピュータプロセッサにより実行されうる。
【0076】
また本発明の実施形態は本明細書の演算を行う装置に関する。その装置は所要の目的で特別に構成されてもよく、および/またはコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に駆動されるかまたは再構成される汎用の計算装置を備えてもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムバスと連結しうる非一時的有形コンピュータ読取可能記憶媒体または電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体に記憶されてもよい。さらに本明細書で言及する計算システムは単一のプロセッサを含んでもよく、または計算能力の向上のために複数のプロセッサ設計を採用した構造であってもよい。
【0077】
また本発明の実施形態はここに記載される計算処理により生成される製品に関してもよい。このような製品は計算処理から生じる情報を備えてもよく、その情報は非一時的有形コンピュータ読取可能記憶媒体に記憶されておりコンピュータプログラム製品またはここに記載される他のデータ組合せの実施形態を含んでもよい。
【0078】
最後に、本明細書で使用される用語は主として読みやすさと説明とを目的として選択さ
れたものであり、発明の主題を示すかまたは限定するように選択されたものではない。それ故に本発明の範囲はこの詳細な記載により限定されるのではなく、これに基づいた願書にある特許請求の範囲により限定されると意図される。したがって本発明の実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲で明らかにされる本発明の範囲を例証するものであり限定するものではないと意図される。
図1
図2
図3
図4
図5