(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の端子と前記第2の端子の少なくとも何れかは、前記コネクタ用接続部の前記離間距離を前記外部出力用接続部の前記離間距離よりも長くする屈曲部を有する請求項1記載の電子部品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載用の電気機器については小型化が追求されており、前述の車載カメラ、ハーネスも同様に小型化が追求されている。しかしながら、ハーネスとともにハーネス用コネクタを小型化すればするほど、それに接続するコネクタ端子(11b)の配置間隔も狭ピッチに配置する必要がある。ところが、そうするとコネクタ端子(11b)の前記一端側の配置間隔が前記基板側コネクタの接続室の配置間隔と合致しなくなるため、基板側コネクタのハウジングに突き当たり、接続室に挿入できなくなる。
【0005】
この問題に対する一つの解決策は、コネクタ端子(11b)の前記一端側の配置間隔と合うように前記基板側コネクタを小型化することである。しかしながら基板側コネクタが可動コネクタ(一例として特許文献2参照。)である場合には、そのまま小型化できない理由がある。即ち、可動コネクタは、基板に実装される固定ハウジングと、固定ハウジングに対してX方向、Y方向、Z方向の三次元方向で変位可能な可動ハウジングと、可動ハウジングを変位可能に支持する例えば逆U字状の可動ばねを有する端子とを備えている。可動コネクタの利点は、接続対象物との嵌合接続時に、可動ハウジングが可動ばねによって変位することで接続対象物の挿入位置の位置ずれを吸収したり、また電気機器の使用時に生じる振動や衝撃を可動ばねの変位によって吸収したりすることにある。そして、このような可動コネクタとして構成された前記基板側コネクタを、コネクタ端子(11b)の狭ピッチ化に合わせて小型化すると、隣接する接続室の配置間隔が狭くなり、各接続室にコネクタ端子(11b)の挿入を誘い込むためのすり鉢状の誘導面についてもX−Y方向での広がりも小さくなって、誘導面を利用したコネクタ端子(11b)の誘い込み量が少なくなってしまう。この結果、接続室の挿入軸に対するコネクタ端子の挿入位置のずれを許容できる長さが短くなってしまう。
【0006】
そして、特に可動コネクタの場合には、誘導面による誘い込み量が可動ばねのX−Y方向での変位量となることから、可動ばねがX−Y方向に変位する機能を十分に生かし切れないことになり、また電気機器の組立上の累積公差を可動ばねの変位で吸収する限界量も小さく制限されてしまう。
【0007】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、接続対象物の小型化に合わせて電子部品を小型化しながらも、誘導面による接続対象物に対する誘い込み量をできるだけ制限しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明は、以下の特徴を有するものとして構成される。
【0009】
本発明は、コネクタの接続用ハウジングに形成された第1の接続室に挿入される第1の端子と、前記接続用ハウジングに形成された第2の接続室に挿入される第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子の保持壁を有する保持ハウジングと、を備えており、前記第1の端子と前記第2の端子は、それぞれ、前記保持壁の一方面側から前記コネクタに向けて伸長するコネクタ用接続部と、前記保持壁の他方面側から伸長する外部出力用接続部とを有する電子部品について、前記第1の端子と前記第2の端子は、相互に隣接する前記コネクタ用接続部の離間距離が、相互に隣接する前記外部出力用接続部の離間距離よりも長いことを特徴とする。
【0010】
本発明の電子部品によれば、前記第1の端子と前記第2の端子は、相互に隣接する前記コネクタ用接続部の離間距離が、相互に隣接する前記外部出力用接続部の離間距離よりも長い。このため外部出力用接続部に接続する接続対象物(例えば前記ハーネス、前記ハーネス用コネクタ)のコネクタ端子の狭ピッチ化に対応しつつ、コネクタ用接続部については接続対象物となる前記コネクタの前記接続用ハウジングの第1の接続室と第2の接続室の配置間隔に合わせることができる。したがって外部出力用接続部については、それと接続する接続対象物の小型化に対応しながらも、コネクタ用接続部については、それと接続するコネクタの誘導面の広がりを維持して有効な誘い込み量を確保することができる。
【0011】
前記本発明については、前記第1の端子と前記第2の端子の少なくとも何れかが、前記コネクタ用接続部の前記離間距離を前記外部出力用接続部の前記離間距離よりも長くする屈曲部を有するように構成できる。
【0012】
本発明によれば、屈曲部は、第1の端子および第2の端子を構成するストレートピン等の金属片を屈曲させる曲げ加工により形成することができるので、様々な屈曲形状を高精度で容易に形成することが可能であり、したがって隣接するコネクタ用接続部の離間距離と外部出力用接続部の離間距離を所定の長さで配置することができる。
【0013】
前記本発明の屈曲部については、前記第1の端子と前記第2の端子の配置方向で互いに離間するように屈曲する形状を有するように構成できる。
【0014】
本発明によれば、屈曲部が前記第1の端子と前記第2の端子の配置方向(Y方向)で互いに離間するように屈曲する形状を有するため、当該配置方向(Y方向)で外部出力用接続部の離間距離を短くすることができ、外部出力用接続部と接続する接続対象物を当該配置方向(Y方向)で小型化することができる。
【0015】
前記本発明については、複数の前記第1の端子が並列に配置されており、相互に離間する複数の前記第1の端子の前記屈曲部は、前記第1の端子の配列方向で互いに離間するように屈曲する形状を有するように構成できる。
【0016】
本発明によれば、相互に離間する複数の前記第1の端子の前記屈曲部が、前記第1の端子の配列方向(X方向)で互いに離間するように屈曲する形状を有するため、第1の端子の配列方向(X方向)で隣接する第1の端子の外部出力用接続部の離間距離を短くすることができ、外部出力用接続部と接続する接続対象物を当該配列方向(X方向)で小型化することができる。
【0017】
前記本発明については、前記第2の端子が並列に配置されており、相互に隣接する複数の前記第2の端子の前記屈曲部が、前記第2の端子の配列方向で互いに離間するように屈曲する形状を有するように構成することができる。
【0018】
本発明によれば、相互に離間する複数の前記第2の端子の前記屈曲部が、前記第2の端子の配列方向(X方向)で互いに離間するように屈曲する形状を有するため、第2の端子の配列方向(X方向)で隣接する第2の端子の外部出力用接続部の離間距離を短くすることができ、外部出力用接続部と接続する接続対象物を当該配列方向(X方向)で小型化することができる。
【0019】
前記本発明については、複数の前記第1の端子と複数の前記第2の端子がそれぞれ並列に配置されており、相互に隣接する前記第1の端子の前記屈曲部および前記第2の端子の前記屈曲部が、前記第1の端子および前記第2の端子の配列方向(X方向)で互いに離間するように屈曲する形状を有するように構成することができる。
【0020】
本発明によれば、外部出力用接続部と接続する接続対象物を複数の第1の端子と複数の第2の端子の配列方向(X方向)で小型化することができる。
【0021】
前記本発明については、複数の前記第1の端子と複数の前記第2の端子がそれぞれ並列に配置されており、前記第1の端子の屈曲部と前記第2の屈曲部が、前記第1の端子と前記第2の端子の配置方向(Y方向)および前記第1の端子および前記第2の端子の配列方向(X方向)で互いに離間するように屈曲するように構成することができる。
【0022】
本発明によれば、第1の端子と第2の端子の屈曲部が、前記第1の端子と前記第2の端子の配置方向(Y方向)および前記第1の端子および前記第2の端子の配列方向(X方向)で互いに離間するように屈曲するので、隣接する外部出力用接続部の離間距離を当該配置方向(Y方向)および当該配列方向(X方向)の双方で短くすることができる。したがって、外部出力用接続部と接続する接続対象物を当該配置方向(Y方向)および当該配列方向(X方向)の双方で小型化することができる。
【0023】
前記本発明については、前記保持壁が前記屈曲部の埋設部を有するように構成できる。
【0024】
例えば、屈曲部が保持壁の外部に露出していると、外部出力用接続部を接続対象物と接続する際およびコネクタ用接続部をコネクタと接続する際に、挿入力が屈曲形状の屈曲部に作用することで、屈曲部が曲がったり折れたりおそれがある。また、保持壁から屈曲部が露出している構成では、屈曲部を超えて保持壁と当接するまで接続対象物やコネクタを挿入することができないため、その挿入方向でコネクタが大型化してしまう。しかしながら本発明によれば、屈曲部が保持壁の埋設部で保持されるので、外部出力用接続部とコネクタ用接続部が曲がったり折れたりすることがなく確実な導通接続が得られる。また保持壁と当接するまで接続対象物やコネクタを挿入することができるので、前記挿入方向でのコネクタの大型化を回避することができる。さらに、接続対象物やコネクタを抜去する際に、保持壁から第1の端子と第2の端子を抜去する力が作用しても、屈曲部が埋設部に引っ掛かるので、第1の端子と第2の端子が保持壁から抜けることを防ぐことができる。
【0025】
前記本発明については、前記コネクタとして可動コネクタをさらに備えており、前記可動コネクタは、固定ハウジングと、前記接続用ハウジングとしての可動ハウジングと、前記固定ハウジングに対して前記可動ハウジングを変位可能に支持する端子とを有するように構成できる。
【0026】
本発明によれば、コネクタが可動コネクタであり、可動ハウジングが固定ハウジングに対して変位可能であるため、第1の端子および第2の端子のコネクタ用接続部を可動ハウジングの第1の接続室と第2の接続室に挿入する際には、それらの相互の挿入位置のずれを可動ハウジングの変位によって吸収することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電子部品によれば、第1の端子と第2の端子の外部出力用接続部と接続する接続対象物を小型化しつつ、コネクタの誘導面による誘い込みを利用してコネクタ用接続部を確実に接続することができる。
【0028】
また、可動コネクタを備える本発明の電子部品によれば、コネクタ用接続部を嵌合接続する可動コネクタを小型化する必要がないので、コネクタ用接続部の挿入位置のずれを可動ハウジングの十分な誘い込み量により吸収することができる一方で、小型化した接続対象物に合わせて外部出力用接続部を嵌合接続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明による電子部品の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電子部品をカメラモジュール1に適用する例を示すが、本発明の電子部品はそれに限定されるものではない。
【0031】
本明細書、特許請求の範囲に記載されている「第1」「第2」という用語は、発明の異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣を示すために用いるものではない。また本明細書、特許請求の範囲では、説明の便宜上、各図に示されるように、カメラモジュール1に備える中継コネクタ8の幅方向・左右方向をX方向、奥行き方向・前後方向をY方向、高さ方向・上下方向をZ方向として説明するが、それらはカメラモジュール1の実装方法や使用方法を限定するものではない。
【0032】
カメラモジュール1
カメラモジュール1は、例えば自動車等に搭載される車載用カメラの構成部品である。カメラモジュール1は、外部と導通接続する複数の「端子」としてのピン端子2を保持する「保持ハウジング」としての外部接続用ケース3と、撮像部品ケース4とを備えている。外部接続用ケース3と撮像部品ケース4は、何れも箱状に形成されて相互に嵌合可能に構成されており、ねじ等の固定部材によって相互に固定することができる。
【0033】
撮像部品ケース4
撮像部品ケース4は、
図2の下側(Z方向)に底壁を有する箱状に構成されている。撮像部品ケース4は、レンズユニット等の光学部品4aと、撮像部品ケース4の内部に設けられる撮像部品5とを備えて構成されている。
【0034】
撮像部品5
撮像部品5は、各種の電気素子と回路配線とを有する基板6aおよび基板6bと、基板6aと基板6bとを接続する内部コネクタ7と、基板6bに実装された本発明の「コネクタ」としての中継コネクタ8と、基板6aの下面に実装されて光学部品4aから導かれる光を電気信号に変換して外部に出力する撮像素子9とを有する。撮像素子9は、CCD(Charge Coupled Device)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージングデバイスである。
【0035】
中継コネクタ8
中継コネクタ8は、基板6bの上面に実装されており、ピン端子2を介して、撮像部品5を外部機器に接続し、撮像部品5により生成した電気信号を外部機器に出力する機能を有する。
【0036】
中継コネクタ8は、固定ハウジング10と、本発明の「接続用ハウジング」としての可動ハウジング11と、複数の端子12と、固定金具13とを備える。中継コネクタ8は、固定ハウジング10が基板6bに実装され、可動ハウジング11が端子12によって固定ハウジング10に対して移動可能に支持されるように構成されている。即ち中継コネクタ8は、固定ハウジング10に対して可動ハウジング11がX方向、Y方向、Z方向を組み合わせた三次元方向に移動可能なフローティングコネクタ(可動コネクタ)として構成されている。
【0037】
固定ハウジング10
固定ハウジング10は、枠状の周壁10aにて形成されており、その内側には可動ハウジング11の収容室10bが形成されている(
図5、
図6)。
【0038】
周壁10aの長手方向(X方向)に沿う一対の側壁10cには、それぞれ固定ハウジング10の高さ方向(Z方向)に沿って伸長し、端子配列方向(X方向)に沿って並列に配置された複数の端子固定部10dが形成されている(
図5)。各端子固定部10dには端子12の一端側(固定ハウジング用固定部12b)が圧入され固定される。周壁10aの短手方向(Y方向)に沿う一対の側壁10eには、固定金具13が固定されている(
図6参照)。
【0039】
可動ハウジング11
可動ハウジング11は、固定ハウジング10の周壁10aに沿った直方体状に形成されている。可動ハウジング11には、外部接続用ケース3が有する複数本のピン端子2と導通接続するため、ピン端子2の数と同数の接続室14が設けられている。本実施形態の可動ハウジング11には、幅方向(X方向)に沿って4つ(4列)、奥行き方向(Y方向)に沿って2つ(2行)で合計8つの接続室14が設けられている。即ち、接続室14は、可動ハウジング12の長手方向に沿う中心線に対して対称に形成されている。なお、後述する第1のピン端子19(19A〜19D)が挿入される接続室14は本発明の「第1の接続室」に対応し、第2のピン端子20(20A〜20D)が挿入される接続室14は本発明の「第2の接続室」に対応している。
【0040】
各接続室14は、高さ方向(Z方向)で可動ハウジング12を貫通して形成されており、水平方向(X−Y方向)の断面が四角形状であり、X方向に沿う側壁15aとY方向に沿う側壁15bとを有する。各接続室14の側壁15bには端子12の他端側(可動ハウジング用固定部12d)を圧入固定する端子固定部15cが形成されている。
【0041】
各接続室14の上部には、ピン端子2の挿入を誘導する誘導面16が形成されている。誘導面16は、可動ハウジング11の天面11aに開口しており、接続室16におけるピン端子2の挿入口として形成されている。誘導面16は、中継コネクタ8の長手方向(X方向)に沿う一対の長手側誘導面16aと、中継コネクタ8の短手方向(Y方向)に沿う一対の短手側誘導面16bとを有しており、四角錐台状のテーパー面(凹面)として形成されている。
【0042】
ここで、ピン端子2の挿入方向と直交する線を基準線Lとして定義する(
図5、
図6)。可動ハウジング11の天面11aは、基準線Lに対してなす角度θが0度であるのに対して、天面11aに対して下り傾斜面となる誘導面16の角度θは鋭角、例えば45度に形成される。即ち誘導面16は、接続室16の内部側からピン端子2の挿入側に向かって拡幅している。角度θが0度の面にピン端子2が下向き(Z方向)に押し込まれた場合には、水平方向(X−Y方向)の分力が生じない。これに対し、角度θが鋭角の誘導面16にピン端子2が下向き(Z方向)に押し込まれた場合には、ピン端子2が接続室14に滑り落ちる分力と、可動ハウジング11をピン端子2が滑り落ちる方向とは逆向きに押す分力とが生じることになり、これによりスムーズにピン端子2を接続室14に落とし込むことができる。したがって、角度θは0度から90度の範囲で大きくなればなるほど摺動抵抗が少なくなり、スムーズにピン端子2を挿入することができる。
【0043】
なお、本実施形態では誘導面16を平坦面として形成する例を示したが、湾曲面として形成してもよい。例えば誘導面20が上方向(Z方向)に凸の湾曲面であると、ピン端子2の接続室14への挿入が進むにつれてピン端子2が受ける反力が軽くなり、このためピン端子2をスムーズに接続室14に挿入することができる。
【0044】
可動ハウジング11には、幅方向(X方向)の外側に向かって突出する変位規制突起11bが形成されており(
図6)、これがX方向、Y方向、Z方向の下向きで固定ハウジング10と接触し、Z方向の上向きで固定金具13と接触することで、可動ハウジング11の過剰な変位を規制するようになっている。
【0045】
端子12
複数の端子12は、すべて同じ形状とされており、導電性の金属片を屈曲して形成されている。各端子12は、基板6bにはんだ付けされる基板接続部12aと、固定ハウジング10の端子固定部10dに圧入により固定される固定ハウジング用固定部12bと、逆U字状に伸長するばね部12cと、可動ハウジング11の端子固定部15cに板幅方向(X方向)で圧入により固定される可動ハウジング用固定部12dと、可動ハウジング用固定部12dの上端から伸長する弾性腕12eと、弾性腕12eの先端に形成された山状に屈曲する接点部12fとを有している。
【0046】
ばね部12cは、固定ハウジング10に対して可動ハウジング11を幅方向(X方向)、奥行き方向(Y方向)、および高さ方向(Z方向)を組み合わせた三次元方向に変位可能に支持するばねとして形成されている。
【0047】
弾性腕12eと接点部12fは、接続室14に収容されており、接続室14に挿入されるピン端子2に対して押圧接触することで導通接続する。即ち接続室14に挿入されるピン端子2が接点部12fと押圧接触し、その押圧接触に対する弾性腕12eのばね力(反力)により接点部12fが所定の接触圧でピン端子2に接触することで、良好な導通接続が得られる。
【0048】
外部接続用ケース3
外部接続用ケース3は、第1のケース17と、第2のケース18と、複数のピン端子2とを備える。外部接続用ケース3は本発明の「保持ハウジング」を構成し、複数のピン端子2は「第1の端子」と「第2の端子」を構成する。第1のケース17は、外筒17aと、内筒17bと、隔壁17cとを有する。内筒17bの内部には、図示しない外部機器から伸長するハーネスに設けられているハーネス用コネクタが挿入されて嵌合接続する。外筒17aには、図示しないそのハーネス用コネクタの収容部が接続される。隔壁17cには、複数のピン端子2を埋設状態で保持する埋設部17dを有する。第1のケース17は、硬質樹脂の成形体にて形成されており、複数のピン端子2はインサート成形により第1のケース17の隔壁17cに一体化されている。第2のケース18も、環状の硬質樹脂の成形体にて形成されており、第1のケース17に対して接着等の固着手段により一体化されている。なお、第1のケース17と第2のケース18は、別々の成形体として形成する例を示したが、一つの成形体として形成してもよい。
【0049】
複数のピン端子2は、具体的には幅方向(X方向)に沿って配列される「第1の端子」としての複数本の第1のピン端子19と、同様に幅方向(X方向)に沿って配列される「第2の端子」としての複数本の第2のピン端子20とを有している。第1のピン端子19と第2のピン端子20は、奥行き方向(Y方向)で並んで配置されている。第1のピン端子19は、隔壁17cの下面から撮像部品ケース4に向けて伸長するコネクタ用接続部19aと、隔壁17cの上面からコネクタ用接続部19aの反対側に伸長する外部出力用接続部19bと、隔壁17cに埋設されている屈曲部19cとを有している。第2のピン端子20も第1のピン端子19と同様のコネクタ用接続部20a、外部出力用接続部20b、屈曲部20cとを有している。
【0050】
コネクタ用接続部19a、20aは、先端側が細くなる四角錐台状に形成されている。可動ハウジング11の誘導面16は四角錐台状のテーパー面として形成されており、コネクタ用接続部19a、20aは、その四隅が誘導面16の四隅と形状的に合致しており係止させやすい。このためコネクタ用接続部19a、20aの先端部を円形状とする場合と比較して、第1のピン端子19と第2のピン端子20のより大きな挿入位置のずれを吸収することができる。
【0051】
第1のピン端子19と第2のピン端子20は、
図4(B)で示すように本実施形態ではX方向に沿って4本ずつ配列されている。それらを左から順に、左端ピン端子19A、20A、左中ピン端子19B、20B、右中ピン端子19C、20C、右端ピン端子19D、20Dとすると、X方向で相互に隣接するそれらの外部出力用接続部19b、20bの離間距離D1は同じ長さとなっている。また、左中ピン端子19B、20Bと右中ピン端子19C、20Cの屈曲部19c、20cは、屈曲の向きが逆向きであるが屈曲量は同じである。また、左端ピン端子19A、20Aと右端ピン端子19D、20Dの屈曲部19c、20cも、屈曲の向きは逆向きであるが、屈曲量は同じである。このようにX方向で屈曲する屈曲部19c、20cを形成することで、相互に隣接するコネクタ用接続部19a、20aの離間距離D2は同じとなっており、且つ離間距離D2は離間距離D1よりも長くなるように配置されている。
【0052】
また、Y方向で相互に隣接する左端ピン端子19A、20Aどうし、左中ピン端子19B、20Bどうし、右中ピン端子19C、20Cどうし、右端ピン端子19D、20Dどうしは、相互に隣接する外部出力用接続部19b、20bの離間距離D3よりも、相互に隣接するコネクタ用接続部19a、20aの離間距離D4の方が長くなるように形成されている。これは屈曲部19c、20cが、X方向のみならずY方向でも屈曲するねじれ屈曲形状であることによる。このY方向への屈曲量はすべてのピン端子19、20で同じである。
【0053】
カメラモジュール1の作用と効果
次に、既に説明したものを除き、カメラモジュール1の作用と効果について説明する。
【0054】
ピン端子19、20は、X方向、Y方向に屈曲する屈曲部19c、20cを有し、複数の第1のピン端子19の配列X方向で隣接する外部出力用接続部19b、20bどうしの離間距離D1よりも、X方向で隣接するコネクタ用接続部19a、20aどうしの離間距離D2の方が長く形成されている。また、Y方向で隣接する外部出力用接続部19b、20bどうしの離間距離D3よりも、Y方向で隣接するコネクタ用接続部19a、20aどうしの離間距離D4の方が長く形成されている。したがって、カメラモジュール1は、外部出力用接続部19b、20bについては、
図6の二点鎖線で示す屈曲部を欠如する場合と比較して、嵌合接続するハーネス用コネクタ(図示略)のX方向、Y方向での小型化に対応しながらも、コネクタ用接続部19a、20aについては、嵌合接続する中継コネクタ8に対して正しく嵌合接続することができる。
【0055】
カメラモジュール1は、前述のようにハーネス用コネクタが小型化されても、屈曲部19c、20cによって、コネクタ用接続部19a、20aのX方向、Y方向での離間距離D2、D4については長くすることができる。そのため、中継コネクタ8を全体的に小型化することによる問題、即ち可動ハウジング11の隣り合う接続室14の配置間隔が狭くなり、傾斜する誘導面16の角度θを大きくしてX−Y方向への広がりが小さくなり、誘導面16を利用したコネクタ用接続部19a、20aの誘い込み量が減少し、接続室14の挿入軸に対してコネクタ用接続部19a、20aの挿入位置のずれを許容できる長さが短くなってしまう不都合はない。そして、特に可動コネクタである中継コネクタ8は、誘導面16によるX−Y方向での大きな誘い込み量がばね部12cのX−Y方向での変位量となることから、ばね部12cがX−Y方向に変位する機能を十分に生かすことができ、また電気機器の組立上の累積公差をばね部12cの変位で吸収することができる。さらに、例えば
図5で示す可動ハウジング11をY方向で小型化すると、コネクタ用接続部19a、20aの挿入方向(Z方向)に対する端子12の弾性腕12eの傾斜角が小さくなり、山状の接点部12fの屈曲形状も小さくしなければならないため、接点部12fの変位量が少なく制限されてしまい、コネクタ用接続部19a、20aと良好な導通接続を得るために必要な接触圧が得られなくなる。しかしながら、前述のように可動ハウジング11を小型化する必要がないので、端子12の接点部12fの接触圧を損ねることがなく、良好な導通接触を確実に得ることができる。
【0056】
屈曲部19c、20cは、第1のピン端子19および第2のピン端子20を構成するストレートピン等の金属片を屈曲させる曲げ加工により形成することができる。そのため、様々な屈曲形状を高精度で容易に形成することが可能である。したがって、隣接するコネクタ用接続部19a、20aの離間距離D2、D4と、外部出力用接続部19b、20bの離間距離D1、D3を所定の間隔で配置することができる。
【0057】
屈曲部19c、20cは、保持壁17cの埋設部17dに埋設しており、保持壁17cの外部に露出していない。ここで屈曲部19c、20cが保持壁17cの外部に露出していると、外部出力用接続部19b、20bをハーネス用コネクタと接続する際、およびコネクタ用接続部19a、20aを中継コネクタ8と接続する際に、挿入力が屈曲形状の屈曲部19c、20cに作用して曲がったり折れたりおそれがある。また、屈曲部19c、20cを超えて保持壁17cと当接するまでハーネス用コネクタや中継コネクタ8を挿入できない。これに対してカメラモジュール1は、屈曲部19c、20cが保持壁17cの埋設部17dに埋設状態で保持されるので、外部出力用接続部19b、20bとコネクタ用接続部19a、20aが曲がったり折れたりすることがなく確実な導通接続が得られる。また、保持壁17cと当接するまでハーネス用コネクタや中継コネクタ8を挿入することが可能となるので、前記挿入方向でのカメラモジュール1の大型化を回避できる。さらに、ハーネス用コネクタや中継コネクタ8を抜去する際に、保持壁17cに第1のピン端子19と第2のピン端子20を抜去する力が作用しても、屈曲部19c、20cが埋設部17dに引っ掛かるので、第1のピン端子19と第2のピン端子20が保持壁17cから抜け出ることを防ぐことができる。
【0058】
実施形態の変形例
以上のようなカメラモジュール1については変形実施が可能であるため、その一例を説明する。
【0059】
前記実施形態では、ピン端子2の本数を8本とする例を示したが、2本以上であれば何本でもよい。
【0060】
前記実施形態では、相互に隣接するコネクタ用接続部19aどうしの離間距離D2、コネクタ用接続部20aどうしの離間距離D2をすべて同じ長さとする例を示したが、異なるようにしてもよい。例えば、左端ピン端子19Aと左中ピン端子19Bの離間距離D2を長くし、他の離間距離D2をそれよりも短くしてもよい。また、離間距離D4も同様に、その幾つかを長くし、その幾つかを短くしてもよい。これによれば中継コネクタ8の可動ハウジング11に設ける接続室14の構成を多様化することができる。こうした変形例は、外部出力用接続部19b、20bについても同様に適用することが可能であり、これによればハーネス用コネクタの形状を多様化することができる。
【0061】
前記実施形態では、すべてのピン端子2の屈曲部19c、20cがX方向とY方向の2方向に曲がるねじれ屈曲形状とする例を示したが、X方向のみ、またはY方向のみに屈曲する形状としてもよい。また、相互に隣接する一方のピン端子2については屈曲部を欠如するストレートピン形状とし、他方のピン端子2について屈曲部を設けることもできる。
【0062】
前記実施形態では、誘導面16の長手側誘導面16aと短手側誘導面16bについて、可動ハウジング11の天面11a(基準線L)に対する角度θをすべて同じとする例を示したが、各面によって異なるようにしてもよい。
【0063】
前記実施形態では、ピン端子2のコネクタ用接続部19a、20aを接続室14に挿入した嵌合接続状態で、コネクタ用接続部19a、20aの外周面と誘導面16の下端開口の口縁との間に、ほとんど隙間が無い状態で嵌合接続する例を示したが、誘導面16の下端開口の開口面積を拡大することで、前記嵌合接続状態でコネクタ用接続部19a、20aの外周面との間に隙間がある状態で嵌合接続する形態としてもよい。つまり、ピン端子2が屈曲部19c、20cを欠如しており外部出力用接続部とコネクタ用接続部の離間距離が同一であるストレートピンであっても、接続室14に挿入することが可能であり、接点部12fと導通接触できるように誘導面16を含めて接続室14の形状を変更してもよい。そしてこの場合に、第1のピン端子19と第2のピン端子20が、例えば
図5で二点鎖線で示すように、右中ピン端子19C、20Cのコネクタ用接続部19a、20aの離間距離がD3となるような屈曲部を欠如するストレートピンであると、右中ピン端子19Cのコネクタ用接続部19aの先端が長手側誘導面16aの上端位置の上方に位置した場合に、右中ピン端子20Cのコネクタ用接続部20aの先端は可動ハウジング11の天面11aにおける長手方向に沿う中央面11cに対して当接してしまう。そうするとコネクタ用接続部19a、20aを双方とも接続室14に挿入することができず、中央面11cに突き当たるコネクタ用接触部20aが座屈してしまうおそれがある。しかしながら前記実施形態では、屈曲部19c、20cを有するため、前述のように誘導面16を含めて接続室14の形状を変更しても、
図5の実線で示すように、コネクタ用接続部19a、20aは何れも中央面11cに接触することなく双方同時に誘導面16に当接させることが可能である。
【解決手段】第1のピン端子19と第2のピン端子20と、それらの保持壁17cを有する外部接続用ケース3を備える。第1のピン端子19と第2のピン端子20は、それぞれ、コネクタ用接続部19a、20aと、外部出力用接続部19b、20bとを有しており、相互に隣接するコネクタ用接続部19a、20aの離間距離は相互に隣接する外部出力用接続部19b、20bの離間距離よりも長くなるように形成されている。