(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部は、少なくとも前記第1の接触部を前記第1の端子保持部へ挿入して固定する挿入方向又は前記第2の接触部を前記第2の端子保持部へ挿入して固定する挿入方向の交差方向へ変位可能な変形部を有する
請求項1記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来技術のコネクタでは、各固定片が屈曲して連結片に繋がる端子構造とされている。そのため一対の固定片どうしの離間距離は、連結片から各固定片を屈曲する金属加工の加工精度により公差の範囲内でばらつきを有しており、製造された端子ごとに常に同じ離間距離となるように製造されている訳ではない。
【0005】
また、ハウジングについても、端子の一対の固定片をそれぞれ圧入する一対の端子固定溝どうしの離間距離は、樹脂成形するハウジングの成形精度により公差の範囲内でばらつきを有している。そのため例えば、端子の一対の固定片どうしの離間距離が公差範囲の最小値側で製造されていても、端子固定溝どうしの離間距離が公差範囲の最大値側で形成されている場合には、固定片どうしの離間距離が拡大するように(断面U字形状の先端側が開くように)支持基部を変形させた状態で、支持基部をハウジングに圧入固定しなければならない。
【0006】
そうすると支持基部の各固定片から伸長する一対の弾性接触片は、本来ならば対向する板面が平行となるように対向配置すべきところ、板面どうしが傾斜した斜め対向配置の状態で接続対象物を挟持して導通接触してしまう。すると一方の弾性接触片が接続対象物に対して過剰な接触圧で押圧接触したり、他方の弾性接触片が所定の接触圧で押圧接触することができなくなったり、接触しなくなったりするような接触不良が生じて、接続信頼性を確保することが難しくなる。
【0007】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。本発明の目的は、端子が接続対象物と接触する一対の接触部を有しており、各接触部をそれぞれハウジングに固定する構造のコネクタについて、端子の一対の接触部の離間距離とハウジングの一対の端子固定溝どうしの離間距離に公差の範囲内でばらつきがあっても接続信頼性のある導通接触が得られるように一対の接触部を適切に配置できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明は、以下の特徴を有するものとして構成される。
【0009】
即ち、本発明は、第1の接触部と、前記第1の接触部と離間して位置する第2の接触部とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部との間に挿入される接続対象物と導通接続する端子と、前記第1の接触部を固定する第1の端子保持部と、前記第2の接触部を固定する第2の端子保持部とを有する第1のハウジングとを備えるコネクタについて、前記端子が、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを連結し且つ前記第1の端子保持部と前記第2の端子保持部との保持部間離間距離に応じて前記第1の接触部と前記第2の接触部との接触部間離間距離を変えるように変形する連結部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、端子が第1の接触部と第2の接触部との接触部間離間距離を変えるように変形する連結部を有する。このため端子を第1のハウジングに装着する際に、端子の接触部間離間距離と、第1のハウジングの保持部間離間距離とが、公差の範囲内でばらつきを有していても、接触部間離間距離を連結部の変形によって伸ばしたり短くしたりすることで、保持部間離間距離に合わせることができる。これにより第1の接触部と第2の接触部とが第1のハウジングに適切に装着されるため、第1の接触部と第2の接触部とを正しく接続対象物と導通接触させることができ、接続信頼性のある導通接触を得ることができる。
【0011】
前記連結部は、少なくとも前記第1の接触部を前記第1の端子保持部へ挿入して固定する挿入方向又は前記第2の接触部を前記第2の端子保持部へ挿入して固定する挿入方向に沿って伸長しており前記挿入方向の交差方向へ変位可能な変形部を有するように構成できる。
【0012】
本発明によれば、連結部が前記挿入方向の交差方向へ変位可能な変形部を有するので、第1の接触部と第2の接触部とを第1の端子保持部と第2の端子保持部とに挿入(圧入)して固定する際に、前述した保持部間離間距離と接触部間離間距離の不一致に起因して第1の接触部と第2の接触部の少なくとも何れかが第1の端子保持部と第2の端子保持部に対して位置ずれして挿入されても、変形部が挿入方向に対する交差方向で変位して接触部間離間距離を変えることができる。よって第1の接触部と第2の接触部を適切に第1のハウジングに装着できる。なお、本明細書、特許請求の範囲に記載されている「挿入方向」という用語は、特に断りのない限り、組立て時における第1のハウジング(可動ハウジング)に対する端子の挿入方向(Z方向における上側)を意味する。
【0013】
前記変形部は、前記第1の接触部及び前記第2の接触部に向けて曲がる屈曲部を有するように構成できる。
【0014】
本発明によれば、第1の接触部と第2の接触部とが一直線形状の連結部で連結されている場合と比べて、連結部の長さを長くすることができるので、連結部をより撓みやすくすることができ、また連結部と第1の接触部及び第2の接触部との連結部分に対する応力集中による破断に対して強くすることができる。
【0015】
前記連結部は、前記第1の接触部に連結する第1の連結端と、前記第2の接触部に連結する第2の連結端とを有し、前記第1の連結端は、前記第2の連結端よりも前記挿入方向の奥側に位置するように構成できる。
【0016】
本発明の連結部によれば、第1の連結端と第2の連結端とで前記挿入方向における位置が異なるため、例えば第1の連結端と第2の連結端とが挿入方向に対する交差方向で隣り合うように連結部を構成する場合と比べて、連結部の前記挿入方向に沿う長さを長くすることができる。このため、連結部を前記離間方向へ柔軟に変形させることができる。また本発明によれば、第2の接触部に接続対象物と押圧接触するばね接触部を設ける場合に、第2の連結端が、第1の連結端に対して前記挿入方向の奥側に位置するように連結部を構成する場合や第1の連結端と挿入方向に対する交差方向で隣り合うように連結部を構成する場合と比べて、第2の接触部のばね接触部におけるばね長をより長くすることができるため、ばね接触部を柔軟に変形させることができる。
【0017】
前記第2の接触部は、前記接続対象物に対して押圧接触するばね接触部と、前記第2の端子保持部に対して前記第2の接触部を固定する第2の固定部とを有し、前記第2の固定部は、前記第2の連結端と前記ばね接触部との間に位置するように構成できる。
【0018】
本発明によれば、第2の接触部を第2の端子保持部に固定するための第2の固定部が第2の連結端とばね接触部との間に形成されているため、連結部とばね接触部の何れか一方で生じる変位や変形による応力が前記何れか他方に伝達するのを、第1のハウジングの第2の端子保持部に固定されて変位や変形しない第2の固定部によって阻止することができる。
【0019】
前記本発明は、前記第1のハウジングと別体の第2のハウジングを有し、前記端子は、前記第2のハウジングに固定される第2のハウジング用固定部と、前記第2のハウジングに対して前記第1のハウジングを変位可能に支持する可動部とを有し、前記第1の接触部は、前記第1の端子保持部に対して固定する第1の固定部を有し、前記第1の固定部は、前記第1の連結端と前記可動部との間に位置するように構成できる。
【0020】
本発明によれば、コネクタを可動構造(フローティング構造)とすることができるため、接続対象物との嵌合接続時におけるコネクタと接続対象物との位置ずれを吸収し、より安定した導通接続を実現することができる。更に、本発明によれば、第1の接触部を第1の端子保持部に固定するための第1の固定部が、第1の連結端と可動部との間に形成されているため、可動部と連結部の何れか一方で生じる変位や変形による応力が前記何れか他方に伝達するのを、第1のハウジングの第1の端子保持部に固定されて変位や変形しない第1の固定部によって阻止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコネクタによれば、端子が接続対象物と接触する一対の接触部を有しており、各接触部をそれぞれ第1のハウジングに固定する構造であっても、連結部の変形によって端子の接触部間離間距離を、第1のハウジングの保持部間離間距離に合わせて調整することができる。このため第1の接触部と第2の接触部を、第1の端子保持部と第2の端子保持部に挿入して固定する当該挿入方向に沿う適切な姿勢で第1のハウジングに装着することができる。よって本発明によれば、接続対象物に対する接続信頼性のある導通接触が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のコネクタの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態で示されるコネクタ1は、基板Pに実装されて、「接続対象物」としてのピン端子Tを基板回路に導通接続するものである。
【0024】
本明細書、特許請求の範囲に記載されている「第1」「第2」という用語は、発明の異なる構成要素を区別するために用いており、特定の順序や優劣を示すために用いるものではない。また本明細書、特許請求の範囲では、説明の便宜上、
図1等に示されるように、コネクタ1の長手方向(幅方向、左右方向)をX方向、短手方向(奥行き方向、前後方向)をY方向、高さ方向(上下方向)をZ方向として説明する。そして、コネクタ1の高さ方向における基板P(
図3参照)の側を「下側」とし、コネクタ1の側を「上側」として説明するが、それらはコネクタ1の嵌合方向や基板Pへの実装の仕方を限定するものではない。
【0025】
コネクタ1
コネクタ1は、
図1で示すように、複数の端子2と、ハウジング3とを備えている。このコネクタ1は、基板P(
図3参照)に実装され、ハウジング3の天面側から基板Pに向けてピン端子T(
図3参照)を挿入して嵌合接続するいわゆるトップエントリコネクタとして構成されている。
【0026】
ハウジング3
ハウジング3は、ピン端子Tと導通接続する端子2を備えている。ハウジング3は、「第2のハウジング」としての固定ハウジング4と、「第1のハウジング」としての可動ハウジング5とを備えている。
【0027】
固定ハウジング4
固定ハウジング4は、絶縁性の樹脂による成形体であり、外周壁4aを有する。外周壁4aは角筒状に形成されており、その内側には高さ方向Zで貫通する収容室4bが形成されている。収容室4bは、可動ハウジング5を配置する収容空間である。固定ハウジング4は、基板Pに載置するための脚部4cを有しており、脚部4cにより固定ハウジング4の基板Pからの高さ位置が調整されている。脚部4cは、外周壁4aの背面における幅方向Xの両側位置の下端においてそれぞれ下側に向かって突出している。
【0028】
固定ハウジング4は、
図2で示すように、端子2の後述する固定ハウジング用固定部7を板幅方向で圧入して固定するための端子固定溝4dを複数有している。それぞれの端子固定溝4dは、外周壁4aの底面から高さ方向Zに沿って形成されている。したがって、固定ハウジング用固定部7は外周壁4aの底面側から端子固定溝4dに圧入して固定される。
【0029】
可動ハウジング5
可動ハウジング5は、
図4で示すように、絶縁性樹脂の成形体であり、外周壁5aと複数の隔壁5bとを有する。外周壁5aは角筒状に形成されている。そして、外周壁5aは、固定ハウジング4の収容室4bよりも一回り小さく形成されており、収容室4bとの間にはX−Y−Z方向に広がる可動間隙が形成されている。このため、可動ハウジング5は、収容室4bの内部でX−Y−Z方向で変位可能となっている(
図1〜
図3参照)。隔壁5bは、外周壁5aの内部を幅方向Xで複数の空間に分割しており、可動ハウジング5に装着する複数の端子2の後述する接触部9どうしを絶縁する機能を有する。各隔壁5bは、可動ハウジング5の幅方向Xを板厚方向として外周壁5aの内側で前後方向Yに伸長して外周壁5aの正面と背面とに繋がり、可動ハウジング5の上端から下端まで高さ方向Zに伸長している。可動ハウジング5は、このような可動ハウジング5の内部空間を前後方向Y、高さ方向Zで仕切る大きな隔壁5bによって剛性が高められており、端子2の接触部9を確実に圧入固定できるようにしている。
【0030】
外周壁5aと隔壁5bとで囲まれ、高さ方向Zで貫通する複数の内部空間は、端子2の接触部9を支持する「保持部」として機能するとともに、接触部9がピン端子Tと導通接続する接続室5cとして機能する。この接続室5cと連通するように可動ハウジング5の天面にはピン端子Tの挿入口5dが形成されている。挿入口5dには、漏斗状の誘導傾斜面5eが形成されており、嵌合接続時にピン端子Tが挿入口5dの中心からX−Y方向で位置ずれしていても、誘導傾斜面5eでピン端子Tの挿入をガイドして接続室5cに円滑に挿入することができる。
【0031】
接続室5cは、
図5で示すように、「第1の端子保持部」としての第1の接触部用固定溝5fと、「第2の端子保持部」としての第2の接触部用固定溝5gとを有している。第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gとは、接続室5cを形成する対向面に離れて位置している。具体的には、第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gは、可動ハウジング5の前後方向Yにおいて対向している。第1の接触部用固定溝5f及び第2の接触部用固定溝5gには、それぞれ端子2の後述する第1の接触部10の圧入突起16a及び第2の接触部11の圧入突起13aが圧入固定され、これにより接続室5cの室内には端子2の接触部9が固定状態で配置されることとなる。
【0032】
ここで、第1の接触部用固定溝5f及び第2の接触部用固定溝5gをそれぞれ形成している接続室5cにおける対向面の間の前後方向Yの離間距離は、「保持部間離間距離」をなす保持部側間隔d1として設定されている(
図5参照)。
【0033】
本実施形態では、3つの接続室5cが幅方向Xに沿って1列に配置されているが、接続室5cは、用途や仕様に応じて任意の列数及び1列当たりの数とすることができる。
【0034】
端子2
端子2は、導電性金属片でなる電気伝導体である。端子2は、
図6で示すように、基板接続部6と、「第2のハウジング用固定部」としての固定ハウジング用固定部7と、「可動部」としての可動ばね部8と、接触部9とを有している。材料とする平板状の導電性金属片が細長い板状に打抜き加工された後に曲げ加工されることで、部位毎に異なる機能を有する端子2を単一の部品として形成している。端子2は、その大部分において、コネクタ1の長手方向(X方向)が板幅方向で、コネクタ1の短手方向(Y方向)が板厚方向となるようにハウジング3に配列される。本実施形態のコネクタ1には、このような端子2を複数、具体的には3つ備えている。そして端子2は、ハウジング3の長手方向Xに沿って並列に配置されている(
図1、
図2)。
【0035】
基板接続部6は、端子2の一端を含んだ部分に位置し、端子2を基板Pの回路に導通接続するとともに基板Pに固定するための部位である。基板接続部6の一端側は、端子2が固定ハウジング4に取り付けられた状態において、固定ハウジング4よりも下側の正面から前方に向かって突出している(
図1〜
図3参照)。そして、基板接続部6の主に下側の板面と基板Pの上側の表面とがはんだ付け部を構成し、端子2は、基板Pに固定されている(
図3参照)。
【0036】
固定ハウジング用固定部7は、端子2を固定ハウジング4に固定するための部位である。固定ハウジング用固定部7は、固定ハウジング4の前後方向Yに伸長する基板接続部6の後端から屈曲して高さ方向Zに沿って上方に伸長している。固定ハウジング用固定部7の板幅方向(X方向)における両側縁にはそれぞれ、板幅方向Xの外方に向かって突出する圧入突起7aが形成されている。この圧入突起7aが、固定ハウジング4の収容室4bに設けられた端子固定溝4dに対して圧入されて噛み込むことによって、端子2が固定ハウジング4に固定される(
図2参照)。
【0037】
可動ばね部8は、可動ハウジング5を固定ハウジング4に対して三次元方向に変位可能に支持するフローティング機能を有する。可動ばね部8は、
図6、
図9で示すように、固定ハウジング用固定部7に近い側から順に、第1の伸長部8aと、第1の折り返し部8bと、第2の伸長部8cと、第2の折り返し部8dと、第3の伸長部8eとを有している。
【0038】
第1の伸長部8aは、固定ハウジング用固定部7から高さ方向Zで接触部9に徐々に近づく方向へ斜め上方に伸長している。第1の折り返し部8bは、第1の伸長部8aの上端において逆U字状に折り返されている。第2の伸長部8cは、第1の折り返し部8bから下方に伸長している。第2の折り返し部8dは、第2の伸長部8cの下端においてU字状に折り返されている。第3の伸長部8eは、第2の折り返し部8dから上方に、固定ハウジング用固定部7と平行に伸長している。端子2が固定ハウジング4に取り付けられた状態での前後方向Yにおいて、第1の折り返し部8bは、固定ハウジング用固定部7と第2の折り返し部8dとの間に位置している。したがって、第1の伸長部8a及び第2の伸長部8cは、鉛直方向(Z方向)に対して前後方向(Y方向)に傾きを有している。
【0039】
可動ばね部8は、基板接続部6や、固定ハウジング用固定部7、接触部9といった端子2の他の部分よりも板幅が狭くなっている。その中でも、第1の伸長部8a、第2の伸長部8c及び第3の伸長部8eは、第1の折り返し部8b及び第2の折り返し部8dよりも板幅が細く形成されているので、可動ハウジング5の三次元方向への変位を弾性支持するためのばねとしての柔らかさを発揮することができる。
【0040】
可動ばね部8は、上下方向に伸長する第1の伸長部8a、第2の伸長部8c及び第3の伸長部8eの3本の縦ばね片が並列に配置されることでばね長が確保されている。このように、可動ばね部8は、並列に配置された縦ばね片を複数本有することによって、特に前後方向Yに変位する可動ハウジング5を柔軟に支持することができるとともに、ばねとしての耐久性を高めることができる。可動ばね部8は、そうした縦ばね片をより多く、例えば5本有していても良い。これによって、特に前後方向Yに変位する可動ハウジング5をより柔軟に支持するとともに、ばねとしての耐久性をより高めることができる。
【0041】
接触部9は、可動ハウジング5の接続室5cに収容されてピン端子Tに対して導通接続する部位である。接触部9は、
図6〜
図10で示すように、第1の接触部10と、第2の接触部11と、連結部12(
図9参照)とを有している。第1の接触部10と第2の接触部11とは平板状の板面どうしが対向して位置しており、連結部12は第1の接触部10と第2の接触部11とを繋いでいる。
【0042】
第2の接触部11は、「第2の固定部」としての固定基部13と、「ばね接触部」としてのフロント接触部14と、同じく「ばね接触部」としてのリア接触部15とを有している。
【0043】
固定基部13は、可動ハウジング5に対して第2の接触部11を固定するための部位である。固定基部13は、平板状であり上下方向Zに伸長している。固定基部13の板幅方向(X方向)における両側縁にはそれぞれ、板幅方向Xの外方に向かって突出する圧入突起13aが形成されている。固定基部13の圧入突起13aが、可動ハウジング5の接続室5cに設けられた第2の接触部用固定溝5gに対して圧入されて噛み込むことで、第2の接触部11が可動ハウジング5に固定される(
図2参照)。
【0044】
固定基部13は、第2の接触部11を可動ハウジング5に固定することができれば良い。したがって例えばコネクタ1は、固定基部13に凹部を設け、可動ハウジング5にその凹部に係合する圧入突起を設ける構成としてもよい。更に、圧入突起13aの突出方向は板厚方向であってもよく、これに対応して可動ハウジング5の接続室5cには前後方向にくぼんだ凹部を設ける構成としてもよい。
【0045】
本実施形態では、可動ハウジング5に対して圧入により強固に固定されて変位したり変形することのない固定基部13が、連結部12とフロント接触部14及びリア接触部15との間に位置するように構成されている。このため連結部12が変位したり変形しても、その応力が固定基部13を越えてフロント接触部14及びリア接触部15に伝達することはなく、固定基部13にて阻止される。逆に、フロント接触部14及びリア接触部15が変位しても、その応力が固定基部13を越えて連結部12に伝達することはなく、固定基部13にて阻止される。連結部12の変位とフロント接触部14及びリア接触部15の変位とは、可動ハウジング5に圧入突起13aにより強固に固定される固定基部13によって物理的に相互に影響を受けることなく、それぞれ独立して変位することができる。したがって、各部位に生じた応力を起因として他の箇所において変形が生じることがないため、コネクタ1は、ピン端子Tとの安定した導通接続を実現することができる。
【0046】
フロント接触部14は、2本のフロント弾性腕14a、14aと、フロント接点14bとを有している。2本のフロント弾性腕14a、14aは、固定基部13から、板幅方向Xの両外側においてそれぞれ上方に向かって平行に伸長しており、先端付近で、板幅方向Xの中央に向かってそれぞれ屈曲して1本に結合する結合部を有する。そして、フロント弾性腕14a、14aは、固定基部13の側から先端に進むに連れて前後方向Yで第1の接触部10の側に近づく形状となっている(
図9参照)。
【0047】
フロント接点14bは、1本に結合したフロント弾性腕14aの先端の結合部からさらに上方に伸長している(
図7参照)。フロント接点14bは、第1の接触部10に向かって近づく山形屈曲形状に突出して形成されている(
図9参照)。フロント接点14bは、フロント弾性腕14aに変位可能に支持されており、接続対象物のピン端子Tに対して前後方向Yにおける前方から後方に向けて押圧接触するように構成されている。
【0048】
リア接触部15も、ピン端子Tに対して前後方向Yにおける前方から後方に向けて押圧接触する機能を有する。リア接触部15は、フロント接触部14と同じように固定基部13から上方に伸長して形成されている。即ち、リア接触部15は、板幅方向Xにおいて2本のフロント弾性腕14a、14aの間に位置するリア弾性腕15aと、リア弾性腕15aに変位可能に支持される山形屈曲形状のリア接点15bとを有している。フロント弾性腕14a、14aは、リア接触部15の先端よりも上方で1本に結合している。したがって、リア接触部15は、正面視において、固定基部13と、2本のフロント弾性腕14a、14aとで囲んだ領域よりも内側に位置している(
図7参照)。そして、リア接触部15は、側面視において、第1の接触部10とフロント接触部14との間の領域に位置している(
図9参照)。
【0049】
第2の接触部11は、フロント接触部14とリア接触部15とが、共通の固定基部13からばね片として並列に伸長する構造であり、特にリア弾性腕15aを長く形成することが容易な構成である。そのため、ピン端子Tの回動に対して、フロント弾性腕14a及びリア弾性腕15aの双方が柔軟に追従変位することによって、フロント接点14b及びリア接点15bとピン端子Tとの良好な接触状態を維持することができる。更に、フロント接点14b及びリア接点15bの双方はロール面(導電性金属片の切断面ではない屈曲面)で形成されているので、ピン端子Tの挿入抵抗が少なく、繰り返しの挿抜に対する耐久性を高めることができる。
【0050】
第1の接触部10は、「第1の固定部」としての基部側固定部16と、接触受け部17とを有している。第1の接触部10は、可動ばね部8の第3の伸長部8eから上方に伸長している。
【0051】
基部側固定部16は、可動ハウジング5に対して第1の接触部10を固定するための部位である。基部側固定部16は、平板形状であり上下方向Zに伸長している。基部側固定部16の板幅方向(X方向)における両側縁にはそれぞれ、板幅方向の外方に向かって突出する圧入突起16aが形成されている。基部側固定部16の圧入突起16aが、可動ハウジング5の接続室5cに設けられた第1の接触部用固定溝5fに対して圧入されて噛み込むことで、第1の接触部10が可動ハウジング5に固定される(
図2参照)。これによって、接触受け部17は、接触部9の他の部分とは独立して可動ハウジング5に確実に固定され、ピン端子Tの長さ方向に沿って接触することで、フロント接触部14及びリア接触部15の押圧接触を受けるピン端子Tの接触を受け止めることができる。
【0052】
基部側固定部16は、固定基部13と同様に、第1の接触部10を可動ハウジング5に固定することができれば良い。したがって例えばコネクタ1は、基部側固定部16に凹部を設け、可動ハウジング5にその凹部に係合する圧入突起を設ける構成としてもよい。更に、圧入突起16aの突出方向は板厚方向であってもよく、これに対応して可動ハウジング5の接続室5cには前後方向にくぼんだ凹部を設ける構成としてもよい。
【0053】
本実施形態では、可動ハウジング5に対して圧入により強固に固定されて変位したり変形することのない基部側固定部16が、連結部12と可動ばね部8との間に位置するように構成されている。このため可動ばね部8が変位したり変形しても、その応力が基部側固定部16を越えて連結部12に伝達することはなく、逆に連結部12が変形しても、その応力が基部側固定部16を越えて可動ばね部8に伝達することはなく、基部側固定部16により阻止される。したがって、各部位に生じた応力を起因として他の箇所において変形が生じることがないため、コネクタ1は、ピン端子Tとの安定した導通接続を実現することができる。
【0054】
接触受け部17は、基部側固定部16から片持ち梁状に伸長している。第2の接触部11と対向位置する接触受け部17は、平板状に形成されている。接触受け部17は、フロント接触部14及びリア接触部15との対向面に接触面部17aを有する。接触面部17aは、フロント接触部14及びリア接触部15に向かった突起がピン端子Tの挿入方向(Z方向)に沿ってビード状に伸長して形成されている。接触面部17aは、ピン端子Tとの接触部分であるため、少なくともフロント接点14bとリア接点15bとの接点間距離よりも長く形成されている。
【0055】
接触受け部17は、フロント接点14b及びリア接点15bに向かって基部側固定部16に対して1段突出した突出面部として形成してもよい。こうすることで、ピン端子Tの挿入の程度によらず、フロント接点14b及びリア接点15bの接触圧を一定に保つことが容易になる。更に、接触受け部17は、接触面部17aをビード状に突出することなく平坦な形状に変更することも可能である。接触面部17aが平坦であることによって、接触受け部17の形成がより容易になる。
【0056】
第1の接触部10は、
図6〜
図8で示すように、上下方向における上側(先端側)に、可動ハウジング5に対する先端部側固定部18を有する。基部側固定部16の圧入突起16aと同様に、先端部側固定部18の板幅方向Xにおける両側縁にはそれぞれ、板幅方向Xの外方に向かって突出する圧入突起18aが形成されている。このような先端部側固定部18は、第1の接触部10を接続室5cの室内に突出しないように確実に固定することができる。また、例えば圧入突起18aを先端部側固定部18の先端縁から高さ方向Zへ突出するように形成すると第1の接触部10が高さ方向Zで長くなり、コネクタ1も高さ方向Zで大型化してしまう。しかしながら、本実施形態では圧入突起18aを先端部側固定部18の両側縁に板幅方向Xで外方に突出形成しているため、そのような高さ方向Zで端子2とコネクタ1を小型化できるようにしている。
【0057】
連結部12は、変形可能な弾性片として形成されており、第1の接触部10と第2の接触部11とを連結する。連結部12は、端子2を可動ハウジング5に組付ける際に撓み変形することによって、第1の接触部10と第2の接触部11との対向方向Y(離間方向Y)での離間距離(接触部間離間距離)を変える機能を有する。
【0058】
ここで、第1の接触部10と第2の接触部11との対向方向Yでの離間距離(接触部間離間距離)とは、第1の接触部10の基部側固定部16における背面と第2の接触部11の固定基部13における前面との間の前後方向Yにおける距離であって、本実施形態ではこれを接触部側間隔d2と称する(
図10参照)。また、対向方向での離間距離を変えるとは、第1の接触部10及び第2の接触部11のいずれかを基準として相互の離間距離(接触部側間隔d2)が長くなったり短くなったりするように変えることを意味する。この際に、連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との相対的な角度を変えることなく変形することが望ましい。例えば、組付け前に第1の接触部10と第2の接触部11とが平行である場合は、その平行状態を維持したままで、第1の接触部10と第2の接触部11との接触部側間隔d2が変わるように変形するのが望ましい。
【0059】
このように連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との相対的な角度を変えずに、それらを離間方向で平行移動させる変形によって接触部側間隔d2を変えることができる。このため、接続室5cの第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gの離間距離(保持部側間隔d1)と、第1の接触部10(基部側固定部16)と第2の接触部11(固定基部13)との離間距離(接触部側間隔d2)とが、公差の範囲内でそれぞれの寸法にばらつきを有していても、第1の接触部10と第2の接触部11とを連結部12により変形させて第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gに圧入して固定することができる。よって、接続室5c内において、第1の接触部10と第2の接触部11との離間距離が適切に調整されるため、ピン端子Tとの安定した導通接続を実現することができる。
【0060】
このように連結部12は、第1の接触部10が第1の接触部用固定溝5fに挿入され、第2の接触部11が第2の接触部用固定溝5gに挿入される際に変形することで、それぞれの寸法のばらつき(保持部側間隔d1と接触部側間隔d2の差異)を吸収する。しかしながら、第1の接触部10が第1の接触部用固定溝5fに固定され、第2の接触部11が第2の接触部用固定溝5gに固定された後は、連結部12は変形したままの状態であってもよい。よって連結部12の変位及び変形とは、弾性変形に限らず塑性変形をも含むものである。ただし、連結部12の変形が弾性変形の範囲であれば破断やクラックがより生じにくくなるため、端子2への負荷を軽減することができる。
【0061】
連結部12は、例えば「変形部」としての弾性変形部19によって構成することができる。弾性変形部19は、
図9で示すように、第1の接触部10及び第2の接触部11の接続室5cへの挿入方向(上下方向)に伸長している。連結部12は、第1の連結端20と、第2の連結端21とを有している。第1の連結端20は、第1の接触部10の一方(左側)の側縁に連結しており、第2の連結端21は、第2の接触部11の一方(左側)の側縁に連結している。そして、弾性変形部19は、第1の接触部10と第2の接触部11との対向方向Yで弾性変形可能に構成されている。具体的には、例えば、第1の接触部10と第2の接触部11の離間距離よりも第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gの離間距離が大きい場合、連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との接触部側間隔d2が大きくなるように、第1の連結端20が第2の接触部11から離れて、第2の連結端21が第1の接触部10から離れる。その結果、
図9で弾性変形部19が時計回りに回転して斜めに傾くように撓み変形する。逆に、第1の接触部10と第2の接触部11の離間距離よりも第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gの離間距離が小さい場合、連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との接触部側間隔d2が小さくなるように、第1の連結端20が第2の接触部11に近づき、第2の連結端21が第1の接触部10に近づいて、
図9で弾性変形部19が反時計回りに回転して斜めに傾くように撓み変形する。
【0062】
このように、第1の接触部10と第2の接触部11とを第1の端子保持部と第2の端子保持部とに挿入(圧入)して固定する際に、保持部側間隔d1と接触部側間隔d2の不一致に起因して第1の接触部10と第2の接触部11の少なくとも何れかが第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gに対して位置ずれして挿入されても、弾性変形部19が変形することで、接触部側間隔d2を保持部側間隔d1に合わせることができる。よって、第1の接触部10と第2の接触部11を適切に可動ハウジング5に装着することができる
【0063】
なお、弾性変形部19は、第1の接触部10と第2の接触部11との間に位置している。よって、弾性変形部19は、第1の接触部10と第2の接触部11とで挟まれた空間を有効に活用して変形している。
【0064】
図9で示すように、第1の連結端20は、第2の連結端21よりも、組立て時における可動ハウジング5に対する端子2の挿入方向Zの奥側に位置している。このように、挿入方向Zにおける位置が、第1の連結端20と第2の連結端21とで異なるように構成される連結部12では、例えば第1の連結端20と第2の連結端21とが挿入方向Zの交差方向Yで隣り合うように位置する構成とする場合と比べて、連結部12の挿入方向Zに伸長する長さを長くすることができる。このため、弾性変形部19が撓みやすく第1の接触部10と第2の接触部11との離間距離を容易に変えることができる。
【0065】
更に、本実施形態の連結部12は、第2の連結端21が第1の連結端20に対して挿入方向Zの奥側に位置するように構成する場合や第1の連結端20と挿入方向Zの交差方向Yで隣り合うように構成する場合と比べて、第2の接触部11のフロント接触部14とリア接触部15におけるばね長を長くすることができる。このため、第2の接触部11に作用する応力を分散させることができ、第2の接触部11を破断し難くすることができる。
【0066】
弾性変形部19は、挿入方向から、第1の接触部10と第2の接触部11に向かう方向へと屈曲して伸長する「屈曲部」を介して第1の接触部10及び第2の接触部11に連結している。即ち、
図9で示すように、連結部12は、第1の接触部10の側から、第1の連結片部22と、「屈曲部」としての第1の屈曲部23と、弾性変形部19と、「屈曲部」としての第2の屈曲部24と、第2の連結片部25とを有している。第1の連結片部22は、第1の接触部10の第1の連結端20から第1の屈曲部23に向かって伸長している。第1の屈曲部23は、第1の連結片部22と弾性変形部19とに連結している。第2の屈曲部24は、弾性変形部19と第2の連結片部25とに連結している。第2の連結片部25は、第2の屈曲部24から第2の接触部11の第2の連結端21に向かって伸長している。
【0067】
このように、第1の接触部10と第2の接触部11とが、第1の屈曲部23や第2の屈曲部24を介して連結されることで、第1の接触部10と第2の接触部11とが一直線形状の連結部で連結されている場合と比べて、連結部12の全長を長くすることができる。このため、連結部12がしなりやすく、第1の接触部10と第2の接触部11との対向方向Yの離間距離をより容易に変化させることができる。
【0068】
更に、この構成では、弾性変形部19を第1の接触部10と第2の接触部11とを一直線形状の連結部で連結する場合と比べて、弾性変形部19が変形した際に連結端部である第1の連結端20や第2の連結端21への応力集中を防ぐことができる。このため、特に連結端部での破断を防ぐことができる。
【0069】
ここで、弾性変形部19の前後方向における長さを、弾性変形部19の幅w1とし、第1の連結片部22の上下方向における長さを、第1の連結片部22の幅w2とし、第2の連結片部25の上下方向における長さを、第2の連結片部25の幅w3とすると、弾性変形部19の幅w1は、
図9で示すように、第1の連結片部22の幅w2及び第2の連結片部25の幅w3よりも狭い。こうすることで、弾性変形部19は第1の連結片部22及び第2の連結片部25よりも容易に弾性変形することができる。よって、連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との対向方向Yの離間距離をより容易に変えることができる。更に、第1の連結片部22及び第2の連結片部25は、第1の接触部10や第2の接触部11から外力を受けた場合でも変形し難く座屈しにくくなる。
【0070】
なお、第1の連結端20の上側と下側には、
図8で示すように、それぞれ基部側固定部16の側縁部分が形成されている。他方、第2の連結端21については、
図7で示すように、その上側にのみ、固定基部13の側縁部分が形成されており、下側には、そのような側縁部分は形成されていない。このため、連結部12が荷重を受けた場合に、第2の連結片部25は、上側と下側の双方が基部側固定部16に固定される第1の連結片部22よりも変形しやすい。したがって、第1の連結片部22は、第2の連結片部25よりも前後方向Yにおける長さが長く、第1の連結片部22の幅w2は、第2の連結片部25の幅w3よりも細くなっている。これによって、第1の連結片部22と第2の連結片部25とのどちらかが偏って曲がるのではなく、同様に曲がるようにしている。
【0071】
変形例
本実施形態では、弾性変形部19が、その一端側で第1の連結片部22と第1の屈曲部23を介して第1の接触部10に繋がり、他端側で第2の連結片部25と第2の屈曲部24を介して第2の接触部11に繋がる連結部12を示したが、直線形状の弾性変形部19の一端側が第1の接触部10に直接繋がり、他端側が第2の接触部11に直接繋がるZ字状の連結部として構成することもできる。
【0072】
弾性変形部19は、
図9で示すように、挿入方向Zに沿って伸長する例を示したが、挿入方向Zに対して角度を付けて伸長する構成とすることもできる。例えば、予め弾性変形部19が、
図9の時計回りに回転した斜めに伸長しており、第1の連結片部22と第2の連結片部25が
図9で示すものよりも短くなる構成や、
図9の反時計回りに回転した斜めに伸長しており、第1の連結片部22と第2の連結片部25が
図9で示すものよりも長くなる構成としてもよい。
【0073】
更に、弾性変形部19は、挿入方向Zへの伸長成分を有することで、第1の接触部10と第2の接触部11との離間距離(接触部側間隔d2)を変えるように撓んで変形する機能を発揮する。したがって、弾性変形部19は、例えばU字状として形成することができる。この場合には、例えば、U字状の一端側が第1の連結片部22と第1の屈曲部23を介して第1の接触部10に繋がり、U字状の他端側で第2の連結片部25と第2の屈曲部24を介して第2の接触部11に繋がるように構成できる。また、弾性変形部19は、U字状の湾曲部を角部とする矩形波状に形成することもできる。この場合には、例えば、矩形波状の一端側が第1の連結片部22と第1の屈曲部23を介して第1の接触部10に繋がり、U字状の他端側で第2の連結片部25と第2の屈曲部24を介して第2の接触部11に繋がるように構成できる。
【課題】端子が一対の接触部を有しており、各接触部をそれぞれハウジングに固定する構造のコネクタについて、一対の接触部の離間距離とハウジングの一対の端子固定溝どうしの離間距離にばらつきがあっても、安定した接続信頼性が得られるように一対の接触部を適切に配置できるようにする。
【解決手段】コネクタ1の可動ハウジング5は、端子2の第1の接触部10を支持する第1の接触部用固定溝5fと、第2の接触部11を支持する第2の接触部用固定溝5gとを有する。端子2は、第1の接触部10と第2の接触部11とをその離間距離を調整可能に連結する連結部12を有する。連結部12は、第1の接触部10と第2の接触部11との離間距離を調整可能なため、第1の接触部用固定溝5fと第2の接触部用固定溝5gとの離間距離や第1の接触部10と第2の接触部11との離間距離にそれぞればらつきがあっても、連結部12がそのばらつきを吸収可能である。