(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吊下支持体は、該吊下支持体の略垂直方向移動可能で、かつ該吊下支持体の略垂直方向中心軸周りに回転可能に設置されていることを特徴とする請求項1記載の昇降式収納機器
前記吊下支持体は、上部上側面横方向に、U字形状部を有する棒状支持部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の昇降式収納機器。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下昇降可能な昇降式収納機器(収納棚)が知られている。この種の上下動可能な収納棚Aとして、
図12に示すように、内箱110の左右側壁外面および底部に沿って設けられた略コの字形状のブレーキレバー112と、このブレーキレバー112の両先端部にコイルスプリング112a、112aを介して固定されかつ内箱110に対してそれぞれ回動自在に配設された一対のブレーキ爪113、113と、ブレーキレバー112に近接して内箱110の底部外面に配設された取っ手114と、内箱110の左右側壁外面に配設された一対の可動レール111、111とが内箱110に備えられている。また、外箱120の側壁内面に配設されて可動レール111、111を案内する一対の固定レール121、121と、外箱120の後部側壁内面に配設された固定ブロック123と、固定レール121、121に固定されて、一対のブレーキ爪113、113を係止するブレーキラック122とが外箱に備えられている。そして、固定ブロック123にコイルスプリング124を介して保持される移動ブロック125を備えるとともに、内箱110と外箱120との間に滑車装置130を備え、滑車装置130のワイヤーロープ135の一端を外箱120の天板内壁面に固定するとともに、滑車装置130のワイヤーロープ135の他端を内箱110の後部側壁外面に固定し、滑車装置130の一部が移動ブロック125に固定されている。
【0003】
このように構成された上下動可能な収納棚Aは、取っ手114を持ってブレーキレバー112を引っ張ることにより、ブレーキラック122に係止されていたブレーキ爪113、113がブレーキラック122より外れるため、内箱110の可動レール111、111は外箱120の固定レール121、121に案内されて移動可能となる。このとき、滑車装置130の一部がコイルスプリング124を介して保持される移動ブロック125に固定されているため、取っ手114に補助的な力を下方に加えるだけで容易に内箱110が移動し、所望の高さ位置でブレーキレバー112を離すことにより、ブレーキ爪113、113がブレーキラック122に係止されることとなる。このように、食器等を内箱110の棚から取り出したり、収納することが可能となるというものであった(たとえば、特許文献1)。ここで、
図12は、従来の昇降式収納機器を示す図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の昇降式収納機器(収納棚)では、内箱110の左右側壁外面に可動レール111、111が配設され、外箱120の側壁内面に可動レール111、111を案内する一対の固定レール121、121が配設され、また、内箱110と外箱120との間に備えられた滑車装置130のワイヤーロープ135の一端が外箱120の天板内壁面に固定されるとともに、滑車装置130のワイヤーロープ135の他端が内箱110の後部側壁外面に固定され、滑車装置130の一部が移動ブロック125に固定されている構造であるので、収納棚Aを一度設置させると他の場所に移動させることが困難であるという問題があった。また、内箱110の棚から食器等を取り出すためには、内箱110を下方まで移動しなければならず、手間が大きいという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、手軽に設置できるとともに、収納体に容易に投入でき、収納体の中のものを容易に取り出すことができる昇降式収納機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、上下昇降可能な昇降式収納機器であって、上下高さ調節可能で、屋内の下部と上部の間で支持される突っ張り棒と、略逆L字形状で、前記突っ張り棒と略平行に設置され、上部に少なくとも2個以上中空体が横方向に設けられた吊下支持体と、前記突っ張り棒と前記吊下支持体とを横方向で連結させる横長連結体と、凹形状で上部が開口し、下部に取出口が形成された収納体と、一端で前記収納体を吊下げ、他端が前記吊下支持体の中空体内を通って、下方で係止される吊下ロープと、を有し、前記横長連結体は、前記突っ張り棒と前記吊下支持体とを少なくとも2箇所で連結させているものである。
【0008】
本発明によれば、突っ張り棒を屋内の下部と上部の間に取り付けることにより昇降式収納機器が設置できるので、昇降式収納機器の設置に時間を要せず簡単手軽に設置することができる。また、吊下ロープに吊り下げられた収納体の上部から収納物を収納体内に投げ込み、そして収納体の下部の取出口から収納物を取出すことができるので、吊下ロープを緩めて収納体を下ろすことなく、収納体の中の収納物を容易に取り出すことができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る昇降式収納機器であって、前記吊下支持体は、該吊下支持体の略垂直方向移動可能で、かつ該吊下支持体の略垂直方向中心軸周りに回転可能に設置されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、吊下支持体が吊下支持体の略垂直方向移動可能であるので、使用者の背丈などに応じて容易に収納体の位置を変更することができる。また、吊下支持体が吊下支持体略垂直方向中心軸周りに回転可能に設置されているので、使用者の使いやすい方向に収納体を移動させることができる。
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1の態様または第2の態様に係る昇降式収納機器であって、前記収納体は、2つの空間に仕切られ、それぞれの空間の下部に前記取出口が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、収納体が2つの空間に仕切られ、それぞれの空間の下部に取出口が形成されているので、たとえば1つの空間にバスタオルを入れ、他の空間にフェイスタオルを入れ、それぞれの取出口から収納物(バスタオル、フェイスタオル)を取出すことができるので、使用者の使い勝手をよくすることができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1〜第3のいずれかの態様に係る昇降式収納機器であって、前記吊下支持体は、上部上側面横方向に、U字形状部を有する棒状支持部材が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、吊下支持体の上部上側面の横方向にU字形状部を有する棒状支持部材が取り付けられているので、2つの昇降式収納機器の吊下支持体の棒状支持部材に竿棒部材を係止させ、その竿棒部材に衣類を掛けることにより、濡れた衣類を乾かすことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の昇降式収納機器によれば、手軽に設置できるとともに、収納体に容易に投入でき、収納体の中のものを容易に取り出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかる昇降式収納機器の第1実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、
図1は本発明の第1実施形態における昇降式収納機器を脱衣場に設置した外観斜視図であり、
図2(a)は同昇降式収納機器の突っ張り棒の斜視図であり、
図2(b)は同昇降式収納機器の突っ張り棒の長手方向断面図であり、
図2(c)同昇降式収納機器の突っ張り棒下部の拡大断面図であり、
図3(a)は同昇降式収納機器の吊下支持体の斜視図であり、
図4(a)は同昇降式収納機器の横長連結体の斜視図であり、
図4(b)は同昇降式収納機器の横長連結体の断面図であり、
図5(a)は同昇降式収納機器の収納体の上面斜視図であり、
図5(b)は同昇降式収納機器の収納体の上面図であり、
図5(c)は
図5(b)のX−X断面図であり、
図5(d)は
図5(c)のY−Y断面図である。
。
【0018】
昇降式収納機器1は、突っ張り棒2と、吊下支持体3と、横長連結体4と、収納体5と、吊下ロープ6とを有し、脱衣場B(洗面室)で用いられる収納機器である(
図1参照)。なお、本実施形態では、昇降式収納機器1を脱衣場B(洗面室)で使用する態様について説明するが、これに限らず、脱衣場B(洗面室)以外の屋内の部屋であれば何処で使用してもよい。
【0019】
突っ張り棒2は、突っ張り外棒2aと、突っ張り内棒2bと、ガイド部材2cと、上部エンドキャップ2dと、下部エンドキャップ2eと、コイルばね2fとを有し、上下高さ調節可能で、脱衣場Bの下部と上部の間で支持されるものである(
図2参照)。
【0020】
突っ張り外棒2aは、上端部が開口で、その開口から内部下方に向けて空洞になっており、上端外側面には雄ネジ部2gが螺設され、側面には後述する突っ張り棒ロックピン4dが挿入される突っ張り棒ロックピン挿入孔2hが形成され、また下端には下部エンドキャップ取付孔2iが形成されている。また、突っ張り内棒2bは、後方部が突っ張り外棒2a内に挿入され、後端部内側面の一部に爪部2jが形成されている。また、ガイド部材2cは、突っ張り内棒2bが挿入された突っ張り外棒2aの先端外周部に取り付けられ、内面に突っ張り外棒2aの雄ネジ部2gと螺合する雌ネジ部2kが形成されている。そして、突っ張り外棒2aに突っ張り内棒2bが挿入された状態で、突っ張り外棒2aの先端外周部のガイド部材2cを回転させることにより、突っ張り外棒2a上端外側面の雄ネジ部2gとガイド部材2c内面の雌ネジ部2fとが螺合し、突っ張り外棒2aと突っ張り内棒2bの横方向のガタつきを防ぐことができる。また、上部エンドキャップ2dは、突っ張り内棒2b上端に嵌め込むことにより取り付けられ、下部エンドキャップ2eは、突っ張り外棒2a下端の下部エンドキャップ取付孔2iに挿入された下部エンドキャップ取付ビス2nにより取り付けられている。また、コイルばね2fは、突っ張り外棒2a下部に挿入され、下端部が下部エンドキャップ取付ビス2nにより係止されている。そして、突っ張り内棒2bを回転させることにより、突っ張り内棒2b下端の爪部2jがコイルばね2fに沿って螺旋状に回転しながら、突っ張り内棒2bを上下に移動させ、突っ張り棒2の全長長さを変動させることができる。
【0021】
吊下支持体3は、略逆L字形状で、吊下支持体縦棒3aと、吊下支持体横棒3bと、L型連結キャップ3cとを有し、上下高さ調節可能で、収納体5を吊るすものである(
図1、
図3参照)。
【0022】
吊下支持体横棒3bは、下部に横方向に中空体3dが2個設けられ、上部には弾性体の天井接触部7が2個設けられている(
図1、
図3参照)。このように、吊下支持体3上部に弾性体からなる天井接触部7が設けられているので、吊下支持体3が脱衣場Bの天井に接触することがあっても脱衣場Bの天井に傷が付くことを防止することができる。この中空体3dは、先端部(
図3では上端部)周辺に中空体雄ネジ部3pが形成され、その先端から吊下支持体横棒3bに形成された中空体挿入孔3qに挿入させ、中空体3dの中空体雄ネジ部3pとナット3rを螺合させることにより、中空体3dを吊下支持体横棒3bに設置させることができる。なお、本実施形態では、吊下支持体3下部に中空体3dが2個設けられ、吊下支持体3上部に天井接触部7が2個設けられたが、これに限らず、3個や4個などの2個以上設けてもよい。また、吊下支持体縦棒3aは、昇降式収納機器1の設置時に突っ張り棒2と略平行となり、下部には高さ方向等間隔で後述する吊下支持体ロックピン3fが挿入される吊下支持体ロックピン挿入孔3eが複数個形成されている。L型連結キャップ3cは、吊下支持体縦棒3aと吊下支持体横棒3bとを連結させるもので、下面部に吊下支持体縦棒3aが差し込まれる棒下方向差込口3gが形成され、側面部には吊下支持体横棒3bが差し込まれる横方向差込口3hが形成されている。また、横方向差込口3hの外周面にはL型連結キャップネジ3iが挿入されるL型連結キャップネジ孔3jが形成されている。そして、棒下方向差込口3gに吊下支持体縦棒3aの上端部が差し込まれ、横方向差込口3hに吊下支持体横棒3bの上端部が差込まれることによりL型連結キャップ3cが一体化され、L型連結キャップネジ孔3jにL型連結キャップネジ3iが挿入されることにより吊下支持体横棒3bがL型連結キャップネジ孔3jから抜けないように支持される。ここで、吊下支持体3の上端部には上部エンドキャップ3kが取り付けられ、下端部には下部エンドキャップ3nが取り付けられている。この上部エンドキャップ3kおよび下部エンドキャップ3nは、吊下支持体3の上端部もしくは下端部に嵌め込むことにより取り付けられる。
【0023】
横長連結体4は、突っ張り棒2と吊下支持体3とを横方向で連結させるものである(
図1、
図4参照)。具体的には、横長連結体4は、突っ張り棒2が挿入される突っ張り棒挿入孔4aと、吊下支持体3が挿入される吊下支持体挿入孔4bが形成され、その突っ張り棒挿入孔4aと吊下支持体挿入孔4bとが連結部4cで連結され、一体構成で形成されている。そして、横長連結体4は、突っ張り棒2の高さ方向である位置で固定されるが、吊下支持体3は、横長連結体4の吊下支持体挿入孔4bを介して高さ方向に移動でき、吊下支持体3の高さ方向である位置で吊下支持体3の吊下支持体ロックピン挿入孔3eに吊下支持体ロックピン3fが挿入されることにより、吊下支持体3が横長連結体4に設置される。この吊下支持体ロックピン3fは、先端部に抜け防止部材3sが形成されている。この抜け防止部材3sは、吊下支持体ロックピン3fをロックピン挿入孔3eに挿入するときに、ロックピン挿入孔3e内面からの圧力により抜け防止部材3sが吊下支持体ロックピン3f内に入り込み、吊下支持体ロックピン3fをロックピン挿入孔3eにスムーズに挿入させることができる。そして、抜け防止部材3sがロックピン挿入孔3eから出ると抜け防止部材3sがロックピン挿入孔3e内面から圧力を受けなくなるので、吊下支持体ロックピン3f内に入っていた抜け防止部材3sが吊下支持体ロックピン3f側面から出てくる。これにより、吊下支持体ロックピン3fがロックピン挿入孔3eから抜けることを防止することができる。ここで、横長連結体4は、突っ張り棒2の高さ方向の異なる位置で2個固定されているが、これに限らず、突っ張り棒2の高さ方向の異なる位置で2個以上で固定されるようにしてもよい。また、横長連結体4の突っ張り棒挿入孔4aの側面には、突っ張り棒ロックピン4dが挿入されるロックピン連結体固定孔4eが形成されている。そして、突っ張り棒ロックピン4dは、ロックピン連結体固定孔4eを介して、突っ張り外棒2aに形成された突っ張り棒ロックピン挿入孔2hに挿入される。また、吊下支持体挿入孔4bの内面には、ベアリング4fが設けられている。このベアリング4fにより、吊下支持体挿入孔4bに挿入された吊下支持体3をスムーズに回転させることができる。
【0024】
収納体5は、凹形状で上部が開口し、下部に取出口が形成されている(
図5参照)。具体的には、収納体5の上部2隅には収納体ロープ5aが結合され、その2個の収納体ロープ5aは中央で結合されている。また、収納体5の内部は、中心部に「バスタオルを入れる空間5b」が形成され、その外縁部に「フェイスタオルを入れる空間5c」が形成されている。そして、「バスタオルを入れる空間5b」と「フェイスタオルを入れる空間5c」の間には、下部から上部までの仕切り部5dが設けられている。また、「バスタオルを入れる空間5b」の下部には「バスタオル取出口5e(取出口)」が形成され、「フェイスタオルを入れる空間5c」の下部には「フェイスタオル取出口5f(取出口)」が形成されている。この「バスタオルを入れる空間5b」は、上部が開口し、下部に「バスタオル取出口5e(取出口)」が形成された構造であり、また、「フェイスタオルを入れる空間5c」は、上部が仕切り部5dにより閉鎖され、下部に「フェイスタオル取出口5f(取出口)」が形成された構造である。なお、本実施形態では、収納体5の内部に「バスタオルを入れる空間5b」と「フェイスタオルを入れる空間5c」を形成させたが、「バスタオルを入れる空間5b」のみの1つの空間にしてもよく、中央の「バスタオルを入れる空間5b」についても「フェイスタオルを入れる空間」や「衣類(シャツ、靴下など)を入れる空間」にしてもよい。また、外縁部の「フェイスタオルを入れる空間5c」を「衣類(シャツ、靴下など)を入れる空間」にしてもよい。このように、収納体5が2つの空間に仕切られ、それぞれの空間の下部に取出口が形成されているので、たとえば1つの空間にバスタオルを入れ、他の空間にフェイスタオルを入れ、それぞれの取出口5e、5fから収納物(バスタオル、フェイスタオル)を取出すことができるので、使用者の使い勝手をよくすることができる。なお、本実施形態では、「フェイスタオルを入れる空間5c」の上部を仕切り部5dにより閉鎖させたが、これに限らず、「フェイスタオルを入れる空間5c」の上部を「バスタオルを入れる空間5b」と同様に開口させるようにしてもよい。また、本実施形態では、仕切り部5dの下部は、バスタオル取出口5e(取出口)の外側で縫合するようにして固定させるようにしたが、これに限らず、どこにも固定せず自由に移動できるようにしてもよい。
【0025】
吊下ロープ6は、一端で収納体5を吊下げ、他端が吊下支持体3の中空体3d内を通って、下方で係止される(
図1、
図3参照)。具体的には、吊下ロープ6の一端は、収納体5の上部中央の収納体ロープ5aに結合され、吊下ロープ6の他端は、そこから上部に配され、吊下支持体3の中空体3d内を通って、吊下支持体3の中空体3dより下方の横長連結体4の連結部4cで係止されている。なお、本実施形態では、吊下支持体3の中空体3dより下方の横長連結体4の連結部4cで係止させたが、これに限らず、横長連結体4の連結部4c以外の吊下支持体3の中空体3dより下方の部材に係止させるようにしてもよい。
【0026】
次に、昇降式収納機器1を脱衣場Bに取り付ける方法について、
図6を参照にしながら説明する。ここで、
図6は本発明の第1実施形態における昇降式収納機器の吊下支持体を下降させた状態を示す図である。
【0027】
まず、昇降式収納機器1を組み立てる。すなわち、横長連結体4の突っ張り棒挿入孔4aに突っ張り棒2を挿入させるとともに、横長連結体4の吊下支持体挿入孔4bに吊下支持体3を挿入させる。ここで、突っ張り棒2の横長連結体4の突っ張り棒挿入孔4aへの挿入は、突っ張り外棒2aから突っ張り内棒2bとガイド部材2cとを取り外して行われ、また、吊下支持体3の挿入横長連結体4の吊下支持体挿入孔4bへの挿入は、吊下支持体縦棒3aを棒下方向差込口3gから取り外して行われる。そして、横長連結体4を突っ張り棒2のある高さ位置で固定するため、横長連結体4のロックピン連結体固定孔4eおよび突っ張り棒2の突っ張り棒ロックピン挿入孔2hに突っ張り棒ロックピン4dを挿入させる。これにより、横長連結体4が突っ張り棒2のある高さ位置で回転不可能な状態で固定される。また、吊下ロープ6の一端を収納体5の上部中央の収納体ロープ5aと結合させ、吊下ロープ6の他端を吊下支持体3の中空体3d内を通し、吊下支持体3の中空体3dより下方の横長連結体4の連結部4cに係止させる。これにより、昇降式収納機器1(突っ張り棒2と吊下支持体3と横長連結体4と収納体5)が組み立てられる。この昇降式収納機器1の組み立ては、昇降式収納機器1を購入当初から通常行われている場合は、組み立てられた状態の昇降式収納機器1を用い、昇降式収納機器1の組み立て作用を行う必要はない。
【0028】
次に、昇降式収納機器1を脱衣場Bのドアの外枠上板8内面と床面との間に取り付ける。この昇降式収納機器1の取り付けは、ガイド部材2cを緩めて、突っ張り内棒2bを回転させ、突っ張り棒2の全長長さが脱衣場Bのドアの外枠上板8内面と床面との間の長さより少し長くなったところで突っ張り内棒2bの回転を停止させる。そして、突っ張り内棒2bを押しながら脱衣場Bのドアの外枠上板8内面と床面との間に設置する。これにより、突っ張り棒2は、突っ張り外棒2a内のコイルばね2fのバネ力により外れないよう、脱衣場Bのドアの外枠上板8内面と床面との間に強く取り付けることができる。ここで、突っ張り棒2が脱衣場Bのドアの外枠上板8内面と床面との間に取り付けられた状態では、吊下支持体3は横長連結体4の吊下支持体挿入孔4b内を介し下部に下りているが、この場合でも吊下支持体3の下端と床面の間に空間が設けられている(
図6参照)。このように、吊下支持体3の下端と床面の間に空間を設けることにより、吊下支持体3の下端と床面の間に足を挟むことを防止することができる。
【0029】
次に、吊下支持体3の高さ位置を調整する。この吊下支持体3の高さ位置の調整は、吊下支持体3を横長連結体4の吊下支持体挿入孔4bを介して上方に移動させた後に、吊下支持体3の吊下支持体ロックピン挿入孔3eに吊下支持体ロックピン3fを挿入させることにより、所定の高さ位置に吊下支持体3を設置することができる(
図1参照)。ここで、吊下支持体ロックピン3fは、横長連結体4上部の吊下支持体ロックピン挿入孔3eに挿入されているので、横長連結体4の吊下支持体挿入孔4b内を自由に回転させることができる。
【0030】
次に、収納体5の位置調整(「高さ方向の位置調整」と「回転方向の位置調整」)とが行われる。この収納体5の位置調整は、吊下ロープ6の長さ調整を行うことにより収納体5の「高さ方向の位置調整」が行われ、横長連結体4の吊下支持体挿入孔4b内で吊下支持体3の略垂直方向中心軸周りに回転させることにより、収納体5の「回転方向の位置調整」が行われる(
図7参照)。このようにして、昇降式収納機器1が脱衣場Bに取り付けられる。ここで、
図7は、本発明の一実施形態における昇降式収納機器の収納体の回転方向の位置調整を示す図である。
【0031】
次に、昇降式収納機器1の使用方法について、
図8を参照にしながら説明する。ここで、
図8は、本発明の第1実施形態における昇降式収納機器の使用状態を示す図である。
【0032】
脱衣場Bに取り付けられた昇降式収納機器1の収納体5上部から収納体5内にバスタオル9を投入するとともに、収納体5下部のフェイスタオル取出口5fから収納体5内にフェイスタオル10を挿入させる。すなわち、バスタオル9は収納体5上部から「タオルを入れる空間5b」に投入し、フェイスタオル10は収納体5下部のフェイスタオル取出口5fから収納体5内に挿入させる。このようにすることにより、収納体5を下部に移動させず上部に設置させたままで、バスタオル9を収納体5の下から投げ込んで、収納体5内に容易に投入させることができる。
【0033】
収納体5下部のバスタオル取出口5e(取出口)からバスタオル9を取り出す。すなわち、収納体5下部にはバスタオル取出口5e(取出口)が形成され、そのバスタオル取出口5e(取出口)から収納体5内のバスタオル9が取り出される。ここで、バスタオル取出口5e(取出口)から収納体5内のバスタオル9が取り出されれば、収納体5内のバスタオル9の一部がバスタオル取出口5e(取出口)から出た状態になるので、その次のバスタオル9の取り出しが容易になる。また、フェイスタオル10についても、バスタオル9と同様、収納体5下部のフェイスタオル取出口5f(取出口)から取り出すことができる。フェイスタオル10の取出方法は、バスタオル9の取出方法と同様であるので、説明は省略する。
【0034】
以上説明したように、昇降式収納機器1の突っ張り棒2を脱衣場Bの床面(下部)とドアの外枠上板8内面(上部)の間に取り付けることにより昇降式収納機器1を設置することができるので、昇降式収納機器1の設置に時間を要せず簡単手軽に設置することができる。また、吊下ロープ6に吊り下げられた収納体5の上部からバスタオル9(収納物)を収納体5内に投げ込み、そして収納体5の下部のバスタオル取出口5e(取出口)からバスタオル9(収納物)を取出すことができるので、吊下ロープ6を緩めて収納体5を下ろすことなく、収納体5の中のバスタオル9(収納物)を容易に取り出すことができる。さらに、吊下支持体3の横長連結体4への高さ方向の保持位置を変えることにより、使用者の背丈などに応じて容易に収納体5の位置を変更することができる。
【0035】
次に、本発明にかかる昇降式収納機器の第2実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、
図9(a)は本発明の第2実施形態における昇降式収納機器の外観斜視図であり、
図9(b)は同昇降式収納機器の横長連結体の斜視図である。
【0036】
本発明の第1実施形態と第2実施形態の異なるところは、第1実施形態では、突っ張り棒2と吊下支持体3とを横方向で連結させる横長連結体4を2個別体に設けたのに対し、第2実施形態では、突っ張り棒2と吊下支持体3とを横方向で連結させる第1実施形態の横長連結体4を突っ張り棒2側で一体にさせたところが異なる。その他については、第1実施形態と同一構成であるので、説明は省略する。
【0037】
本実施形態の横長連結体24は、第1実施形態の2つの横長連結体4を突っ張り棒2の外側の中間円筒形部24aで一体としたものである。このような構成にすることにより、第1実施形態の横長連結体4と比較して、突っ張り棒2へ容易に取り付けることができる。すなわち、第1実施形態の横長連結体4では、突っ張り棒ロックピン4dを「横長連結体4のロックピン連結体固定孔4e」と「突っ張り棒2の突っ張り棒ロックピン挿入孔2h」の位置を2個の横長連結体4毎合わして挿入させる必要があるが、第2実施形態の横長連結体24では、2個の横長連結体4が一体になっているため、一方の「横長連結体24のロックピン連結体固定孔24e」と「突っ張り棒2の突っ張り棒ロックピン挿入孔2h」の位置を合わせると、他方の「横長連結体24のロックピン連結体固定孔24e」と「突っ張り棒2の突っ張り棒ロックピン挿入孔2h」の位置も必然的に合うので、突っ張り棒ロックピン4dの挿入に際し、「横長連結体24のロックピン連結体固定孔24e」と「突っ張り棒2の突っ張り棒ロックピン挿入孔2h」の位置合わせの手間が削減でき、横長連結体24を突っ張り棒2へ容易に取り付けることができる。
【0038】
次に、本発明にかかる昇降式収納機器の第3実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、
図10(a)は本発明の第3実施形態における昇降式収納機器を示す図であり、
図10(b)は同昇降式収納機器の吊下支持体の棒状支持部材を示す図であり、
図11は同昇降式収納機器を脱衣場Bに設置した外観斜視図である。
【0039】
本発明の第1実施形態(第2実施形態)と第3実施形態の異なるところは、第1実施形態(第2実施形態)では、吊下支持体3上部に弾性体からなる天井接触部7を設けたのに対し、第3実施形態では、吊下支持体33の上部上側面横方向に中央U字形状(U字形状部)を有する棒状支持部材32を設けた構成にしたところが異なる(
図10参照)。
【0040】
棒状支持部材32は、吊下支持体33上部長手方向に向かって、2個設けられている。この棒状支持部材32は、両先端部に雄ネジが形成され、その先端部を吊下支持体33に形成された棒状支持部材挿入孔35に挿入させ、棒状支持部材32の両先端部にナット36を取り付けることにより、設置される(
図10(b)参照)。なお、本実施形態では、吊下支持体33上部に棒状支持部材32を2個設けたが、これに限らず、1個でも2個以上の複数個設けるようにしてもよい。
【0041】
このように、吊下支持体33上部に棒状支持部材32を設けた昇降式収納機器31を2個設置することにより、2個の昇降式収納機器31の棒状支持部材32に竿棒部材34を係止させることができ、その竿棒部材34にタオルや衣類などを掛けることができる(
図11参照)。
【0042】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。さらに本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
従来の昇降式収納機器(収納棚)は、内箱の左右側壁外面に可動レールが配設され、外箱の側壁内面に可動レールを案内する一対の固定レールが配設されるなど大型な構造をしていたので、収納棚を一度設置させると他の場所に移動させることが困難であるという問題があった。
本発明は、突っ張り棒2を屋内の下部と上部の間に取り付けることにより昇降式収納機器1を設置することができるので、昇降式収納機器1の設置に時間を要せず簡単手軽に設置することができる。