(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記一対の棒状部材それぞれが、上記接続点において環状部を有し、この環状部に上記垂直部材が挿入着されることで一対の棒状部材及び垂直部材が着脱可能に係合されている請求項2に記載のパター練習用具。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、競技及び娯楽として行われるスポーツの一つであり、競技人口が比較的多いスポーツとして広く知られている。ゴルフは18ホールの打数(スコア)で勝敗が決定されるスポーツであり、プロの競技者のみならず、娯楽として競技する者もスコアを低減させるため、ボールの飛距離を向上させる技術及び体力と、ボールを所望する方向に正確に打撃する技術とを向上させることを望んでいる。
【0003】
ゴルフは、ホールインワン等の特別な場合を除いて、グリーン上に載せたボールをパッティングによってカップ(ホール)内に入れることで1ホールが終了する。このパッティングは、直径108mmのカップに直径42.67mm以上のボールを転がして入れるものであり、ボールを遠くに飛ばすための大きな動作(スイング)や体力は必要とされないにも関わらず容易ではないとされており、特にボールを所望する方向に正確に打撃するための技術的な要素が大きいものとして知られている。
【0004】
パッティングは、スイング前の構え(アドレス)から、スイングすることでボールを打撃するものであるが、ゴルフ経験の少ないプレーヤー等では、アドレスの姿勢及びスイングが安定しないため、打撃されたボールの方向性が不安定になるとされている。特にアドレスの姿勢を安定させることは、その後のスイングの安定性にも多大な影響を及ぼすため、重要であるとされている。アドレスの姿勢及びスイングを安定させるため、パターのシャフトのクランプ装置と、このクランプ装置の角度変更装置と、第一及び第二アームと、第一及び第二回動装置とを備え、学習者がクランプされたパターをスイングすると第一及び第二アームが一体化して剛体単振り子を形成することで、正しいパッティング姿勢と打ち方の脳内モデルを学習できるパッティングモデル学習機が発案されている(特開2017−184971号公報)。この学習機によれば、学習者のパッティング姿勢と身体動作を強制的に正しいパッティングに誘導するため、学習者が正しいパッティングモデルを体感的にフィードバック学習することができるとされているが、装置が複雑かつ大型であるため、高価になるおそれがあると共に、この装置による練習を容易にすることができないおそれがある。また、学習者のスイングは矯正されるものの、アドレスの姿勢を学習者が確認及び修正することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような事情に鑑みて、本発明は、構成が簡易で、廉価かつ使用が容易であり、パッティングのアドレスにおける姿勢を容易に確認できると共に、正しい姿勢に容易に修正することができ、スイングを安定させることができるパター練習用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、鋭角に接続される一対の棒状部を有し、この一対の棒状部の中心軸が同一仮想平面上で左右対称に配置されているアーム部材と、上記アーム部材の接続点で、上記仮想平面に対して垂直に配置される垂直部材とを備えるパター練習用具である。
【0008】
当該パター練習用具は、構成が簡易であるため、比較的低コストで生産することができ、容易に使用することができる。当該パター練習用具は、鋭角に接続される一対の棒状部を有し、この一対の棒状部の中心軸が同一仮想平面上で左右対称に配置されているアーム部材の両端を使用者(プレーヤー)が両脇下に挟むことで保持される。プレーヤーは、当該パター練習用具を保持したままパッティングのアドレスの姿勢を取り、上記アーム部材の接続点で、上記仮想平面に対して垂直に配置される垂直部材の傾きからアドレスの姿勢の傾きを確認し、修正することができる。修正した正しい姿勢を維持したままスイングをすることにより、パターのシャフト及びヘッドの軌道面をプレーヤー自身の体の前面と平行にすることができ、スイングが安定する。従って、パッティングによって打撃されたボールの方向性が安定し、パッティングの精度を向上することができる。
【0009】
上記一対の棒状部が別体の棒状部材からなり、この別体の棒状部材が上記接続点で係合されているとよい。上記アーム部材を分解及び組立が可能な別体の棒状部材とすることにより、当該パター練習用具の収納及び携帯を容易にすることができる。
【0010】
上記一対の棒状部材それぞれが、上記接続点において環状部を有し、この環状部に上記垂直部材が挿入着されることで一対の棒状部材及び垂直部材が着脱可能に係合されているとよい。このようにすることで、分解及び組立を容易にすることができる。
【0011】
上記垂直部材及び棒状部材が多段伸縮可能な部材であるとよい。このようにすることで、当該パター練習用具の収納をコンパクトにすることができる。
【0012】
上記垂直部材の一方の端部が視線確認用の照準部材を有するとよい。プレーヤーが、この照準部材を通して視認できる目標物を定めることにより、当該パター練習用具を取り外した際でも上記目標物に視線を定めることにより、アドレスの姿勢を修正することが比較的容易にできる。
【0013】
上記アーム部材の接続点又は垂直部材に一端が接続される紐状部材と、上記紐状部材の他端に接続される錘とをさらに備えるとよい。この紐状部材が地面に対して垂直な向きを維持するため、この紐状部材に垂直部材を重ねることで、アドレスの姿勢の修正をより容易にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、当該パター練習用具は、構成が簡易で、廉価かつ使用が容易であり、パッティングのアドレスにおける姿勢を容易に確認できると共に、正しい姿勢に容易に修正することができ、スイングを安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパター練習用具を示す模式的斜視図である。
【
図2】
図1とは異なるパター練習用具を分解した状態を示す模式的斜視図である。
【
図3】
図2に示すパター練習用具を組み立てた状態を示す模式的斜視図である。
【
図4】多段伸縮可能な棒状部材を示す模式的斜視図である。
【
図5】プレーヤーが
図1のパター練習用具を保持した状態を示す模式的正面図である。
【
図6】プレーヤーが
図1のパター練習用具を保持した状態を示す模式的側面図である。
【
図7】プレーヤーが
図1のパター練習用具によるアドレスの姿勢を修正する前の状態を示す模式的正面図である。
【
図8】
図1,2とは異なるパター練習用具を示す模式的斜視図である。
【
図10】プレーヤーが
図8のパター練習用具を保持した状態を示す模式的側面図である。
【
図11】プレーヤーが
図8のパター練習用具によるアドレスの姿勢を修正する前の状態を示す模式的正面図である。
【
図12】プレーヤーが
図8のパター練習用具によるアドレスの姿勢を修正した後の状態を示す模式的正面図である。
【
図13】
図1,2,8とは異なるパター練習用具を示す模式的斜視図である。
【
図14】プレーヤーが
図13のパター練習用具を保持した状態を示す模式的側面図である。
【
図15】プレーヤーが
図13のパター練習用具によるアドレスの姿勢を修正する前の状態を示す模式的正面図である。
【
図16】プレーヤーが
図13のパター練習用具によるアドレスの姿勢を修正した後の状態を示す模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のパター練習用具の実施形態を、適宜図面を参照しつつ詳説する。
【0017】
[第一実施形態]
<パター練習用具>
当該パター練習用具1は、
図1に示すように、鋭角に接続される一対の棒状部を有し、この一対の棒状部の中心軸が同一仮想平面上で左右対称に配置されているアーム部材2と、上記アーム部材の接続点で、上記仮想平面に対して垂直に配置される垂直部材3とを有する。パター練習用具1のプレーヤーは、アーム部材2の両端部2a及び2bを両脇下に挟み込み、プレーヤーの側面から見て、プレーヤーの背筋(背中の中心線)に対してアーム部材2が垂直に、すなわちプレーヤーの背筋と垂直部材3とが平行になるようにパター練習用具1を保持して、アドレスの姿勢を取る。なお本明細書では、「垂直」とは、2本の直線が90°に交差することの他、90°から±5°以内の角度を含むものとする。
【0018】
アーム部材2の一方の端部2aから他方の端部2bまでの距離(幅)としては、特に限定されるものではないが、例えば30cm以上100cm以下として、プレーヤーの体型によらずパター練習用具1が保持できる範囲とすることが好ましい。
【0019】
アーム部材2及び垂直部材3の形状としては、特に限定されないが、円柱状、角柱状等とすることができ、或いは、板状とすることも可能である。また、部分的に異なる形状とすることもできる。アーム部材2及び垂直部材3の材質としては、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、樹脂等を採用することができる。中でも、低コストで軽量なアルミニウム又は樹脂が好ましい。また、円柱状等である場合には、より軽量にするため、中空の管状部材とすることが好ましい。パター練習用具1の重量が大きい場合、プレーヤーの背筋と垂直部材3とを平行に保持することが困難になるおそれがある。
【0020】
例えばアーム部材2が円柱状の棒状部材である場合、アーム部材2の外径の下限としては、0.5cmが好ましく、1cmがより好ましく、1.5cmがさらに好ましい。一方、アーム部材2の外径の上限としては、10cmが好ましく、7cmがより好ましく、4cmがさらに好ましい。アーム部材2の外径が上記下限に満たない場合、パター練習用具1を保持することが困難となるおそれがある。一方、アーム部材2の外径が上記上限を超える場合、プレーヤーの脇が開いてしまうため、スイングが安定しないおそれがある。
【0021】
アーム部材2の一方の端部から接続点までの長さの下限としては、50cmが好ましく、60cmがより好ましく、70cmがさらに好ましい。一方、アーム部材2の一方の端部から接続点までの長さの上限としては、150cmが好ましく、130cmがより好ましく、110cmがさらに好ましい。アーム部材2の一方の端部から接続点までの長さが上記下限に満たない場合、アーム部材2の接続点の挟角が大きくなり、パター練習用具1を保持することが困難になるおそれがある。一方、アーム部材2の一方の端部から接続点までの長さが上記上限を超える場合、アーム部材2が長すぎることによって、プレーヤーの背筋と垂直部材3とを平行に保持することが困難になるおそれがある。
【0022】
パター練習用具1は、アーム部材2及び垂直部材3を一体で形成されてもよく、アーム部材2と垂直部材3とが別体で形成され、アーム部材2から垂直部材3が脱着可能とされてもよい。
【0023】
アーム部材2は、
図2,3に示すように、別体の棒状部材からなり、この別体の棒状部材である第一棒状部材4及び第二棒状部材5が上記接続点で係合されていることが好ましい。アーム部材2が第一棒状部材4と第二棒状部材5とで連結されて形成される場合、垂直部材3は、アーム部材2から脱着可能とされ、第一棒状部材4と第二棒状部材5との接合点で配置されることが好ましい。パター練習用具1を垂直部材3、第一棒状部材4及び第二棒状部材5の3本の棒状部材によって組立及び分解可能とすることで、パター練習用具1をコンパクトに収納でき、持ち運びを容易にすることができる。また、アーム部材2の接続点の挟角をプレーヤーの体型に合わせた角度とすることができるため、パター練習用具1を保持することが容易にできる。
【0024】
第一棒状部材4及び第二棒状部材5が、上記接続点において環状部6,7を有し、この環状部6,7に垂直部材3が挿入着されることで第一棒状部材4及び第二棒状部材5と垂直部材3とが着脱可能に係合されていることが好ましい。このようにすることで、パター練習用具1の組立及び分解を容易にすることができる。
【0025】
環状部6、7の形状としては、例えば、内径を垂直部材3の外径と略同一にする。また、環状部6の高さ(深さ)方向の中心が第一棒状部材4の中心軸上に設けられ、環状部6の中心軸と第一棒状部材4の中心軸とが直交するように配置される。環状部7が第二棒状部材5の中心軸を通る面に対称に、かつ環状部6の高さと略同一の距離に二分割して設けられ、環状部7の中心軸と第二棒状部材5の中心軸とが直交するように配置される。このようにすることで、環状部6を二分割された環状部7の間に嵌合して、環状部6,7に垂直部材3を挿入着することができ、第一棒状部材4の中心軸と第二棒状部材5の中心軸とが同一仮想平面上で左右対称に配置することができると共に、第一棒状部材4と第二棒状部材5とが環状部6、7の中心軸方向に分離することを防止することができる。
【0026】
垂直部材3は、長さ方向の略中央部の外表面に凸部を有することが好ましい。環状部6、7を嵌合して垂直部材3を挿入させた際に、この凸部が環状部7に係止されることで、垂直部材3が環状部6、7から脱落することを防止することができる。
【0027】
垂直部材3、第一棒状部材4及び第二棒状部材5は、
図4に示すように、多段式で伸縮が可能な棒状部材であることが好ましい。このようにすることで、収納時によりコンパクトにすることができ、使用時にはプレーヤーの好みに応じた長さのパター練習用具1とすることができる。
【0028】
(パター練習用具の使用方法)
プレーヤーは、
図5に示すように、アーム部材2の両端部2a及び2bを両脇下に挟み込み、
図6に示すように、プレーヤーPの側面から見て、プレーヤーPの背筋に対してアーム部材2が垂直で、プレーヤーPの背筋と垂直部材3の中心軸とが平行になるようにパター練習用具1を保持すると共に、パターCを把持してアドレスを取る。
【0029】
プレーヤーが右利きである場合、パターCのグリップは左手に対し右手が下側に位置するため、
図7に示すように、左肩に対して右肩が下がり、姿勢が歪んだ状態となる。このように、プレーヤーの背筋が左右に傾いた状態でパッティングをすると、プレーヤーP自身の前面と垂直にパターCのフェイスを維持し、かつパターCのシャフト及びヘッドの軌道面を自身の前面と平行にスイングをすることが困難となる。
【0030】
ここで、パター練習用具1の垂直部材3が正面視で地面に垂直になるように姿勢を修正することで(
図4)、プレーヤーPの両肩の高さを地面に対して水平になるように修正される。この状態がアドレスの正しい姿勢であり、この姿勢を維持したままスイングをすると、プレーヤーP自身の前面とパターCのフェイスとを垂直に維持し、かつプレーヤーP自身の前面と上記軌道面とを平行にスイングをすることが容易にできる。また、プレーヤーPは、パターCのフェイスでボールを打撃することを意識するのではなく、修正された姿勢の腕、肘、手首等を固定したまま、プレーヤーPの背筋を中心として垂直部材3を弧を描くように回すことを意識してスイングすることで、理想的なフォームのスイングをすることができ、スイングした際の上記軌道面を安定させることができる。従って、打撃されたボールの方向性が安定し、パッティング精度を向上させることができる。
【0031】
<利点>
当該パター練習用具は、小型で簡易な構成であるため、低コストで生産することができると共に、練習中、或いはプレー中でも容易に使用することができる。また、当該パター練習用具は、プレーヤーが両脇に挟んで保持するため、両脇を締めてパッティングをする習慣を身につけることができる。さらに、当該パター練習用具を保持することで、アドレスした際の姿勢の歪みを容易に確認及び修正することができると共に、この姿勢を維持したままスイングすることで理想的なフォームのスイングをすることができる。従って、パッティングにおけるアドレスの姿勢とスイングとを正確かつ安定したものとすることができ、打撃されたボールの方向性が安定し、パッティング精度を向上することができる。
【0032】
また、当該パター練習用具は、分解及び組立が可能な三本の棒状部材で形成されるため、収納及び携帯を容易にすることができる。
【0033】
[第二実施形態]
当該パター練習用具は、照準部材を有する点において上述のパター練習用具1と異なる。具体的には、
図8が示すように、パター練習用具11は、アーム部材2と、垂直部材13とを備え、垂直部材13の一方の端部が視線確認用の照準部材14を有する。本実施形態においては、上述のパター練習用具1と同一の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0034】
照準部材14は、垂直部材13の一端で、プレーヤーPがパター練習用具11を保持した際に上側、すなわち地面と反対側に配置される。照準部材14の高さとしては、プレーヤーPがパター練習用具11を保持して起立姿勢を取った際に、プレーヤーPの眼の高さにあることが好ましい。照準部材14の高さとプレーヤーPの眼の高さとを同一にすることで、プレーヤーPが頭を上下に傾けることなく照準部材14に視線を合わせることができる。プレーヤーPは、パター練習用具11を保持してアドレスの姿勢を取り、照準部材14の先に見える目標物(目標地点)を確認及び記憶する。
【0035】
照準部材14は、垂直部材13と一体で形成されても良いし、脱着可能に別体で形成されてもよい。照準部材14の材質としては、特に限定されないが、垂直部材13と同一の材質を用いることができる。
【0036】
照準部材14の形状としては、特に限定されないが、例えば
図9に示すように、環状部材として、この環状部材の幅(深さ)の中心が垂直部材13の中心軸上に配置されるのが好ましい。又は、十字型の棒状の部材、1本の棒状の部材等として、これらの棒状の部材の中心軸が垂直部材13の中心軸上に配置されてもよい。
【0037】
環状部材で形成される照準部材14の内径の下限としては、1cmが好ましく、1.5cmがより好ましく、2cmがさらに好ましい。一方、照準部材14の内径の上限としては、7cmが好ましく、6cmがより好ましく、5cmがさらに好ましい。照準部材14の内径が上記下限に満たない場合、照準部材14の先にある目標物を視認することが困難になるおそれがある。一方、照準部材14の内径が上記上限を超える場合、目標物を定めることが困難になるおそれがある。
【0038】
照準部材14が棒状の部材である場合、棒状の部材の長さの下限としては、1cmが好ましく、1.5cmがより好ましく、2cmがさらに好ましい。一方、棒状の部材の長さの上限としては、7cmが好ましく、6cmがより好ましく、5cmがさらに好ましい。
【0039】
<パター練習用具の使用方法>
プレーヤーPは、
図10に示すように、アーム部材2の両端部を両脇下に挟み込んでパター練習用具11を保持し、照準部材14を通して見える目標物を定める。この際、プレーヤーPが照準部材14を通して目標物を確認する視線と、垂直部材13の中心軸とが直交することが好ましい。
図11,12に示すように、プレーヤーPの姿勢が傾いた状態で照準部材14を通して見える目標物と、プレーヤーPの姿勢が修正された状態で照準部材14を通して見える目標物とは異なる。プレーヤーPは、姿勢が修正された状態で照準部材14を通して見える目標物を確認及び記憶する。
【0040】
プレーヤーPは、上記確認及び記憶した目標物に向けた顔(頭)の位置を維持したまま、又は目標物に向けた顔の傾きを維持したままスイングをすることで、頭が不安定になることで誘発される上体のぶれを抑制することができ、より理想的なフォームのスイングをすることができる。従って、パッティングにおけるスイングをより正確なものとすることができ、打撃されたボールの方向性が安定し、パッティング精度をより向上することができる。また、プレーヤーPがパター練習用具11を取り外した場合でも、記憶した目標物に視線を合わせることで、修正された姿勢を復元すること及びより理想的なフォームのスイングを再現することが比較的容易にできる。
【0041】
<利点>
当該パター練習用具は、垂直部材の上端に、プレーヤーの眼の高さに設置される照準部材を有するため、プレーヤーは当該照準部材の先にある目標物を確認することができる。プレーヤーが当該パター練習用具を保持し、アドレスの姿勢を取って当該照準部材の先にある目標物を確認すると、アドレスの姿勢を修正する前と、当該パター練習用具の垂直部材の傾きによってアドレスの姿勢を修正した後とでは、当該照準部材の先にある目標物が異なる。プレーヤーは、当該パター練習用具によってアドレスの姿勢を修正した後に確認した目標物を記憶し、当該目標物に向けた顔の位置又は傾きを維持したままスイングをすることで、より理想的なフォームのスイングをすることができる。また、当該パター練習用具を取り外しても、記憶した目標物に視線を合わせることで、修正後の正しいアドレス姿勢を復元すること及びより理想的なフォームのスイングを再現することが比較的容易にできる。
【0042】
[第三実施形態]
当該パター練習用具は、上記アーム部材の接続点又は垂直部材に一端が接続される紐状部材と、上記紐状部材の他端に接続される錘とをさらに備える点において上述のパター練習用具1,11と異なる。具体的には、
図13が示すように、パター練習用具21は、アーム部材2と、垂直部材23とを備え、アーム部材2の接続点又は垂直部材23に一端が接続される紐状部材24と、紐状部材24の他端に接続される錘25とをさらに備える。
【0043】
紐状部材24の一端は、アーム部材2の接続点又は垂直部材23に備えられるフック26に係止されて接続される。紐状部材24の一端の接続箇所としては、プレーヤーPから見て垂直部材23の背後に配置されることが好ましく、アーム部材2の接続点又は垂直部材23の中央部近傍が好ましく、垂直部材23の中央部より上側がより好ましく、垂直部材23の上端近傍で接続されることがさらに好ましい。本実施形態では、紐状部材24の一端が垂直部材23の上端近傍で接続されたもので説明する。紐状部材24は、他端に錘25を備えるため、プレーヤーPがパター練習用具21を保持した際、常に垂直な向きを維持することができる。
【0044】
紐状部材24の材質としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ただし、紐状部材24が透明な材質等、視認が困難なものであると、紐状部材24が示す垂直な向きを確認することが困難になるため、紐状部材24は非透明であることが好ましく、蛍光色等の芝生(グリーン)に対して目立つ色で着色されたものであることがより好ましい。紐状部材24の長さとしては、特に限定されないが、垂直部材23の全長の1/2倍以上1倍以下であることが好ましい。錘25の材質としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ただし、錘25が樹脂等の軽量なものであると、風等の影響により紐状部材24が垂直な向きを維持することが困難になるため、鉄、鉛等の比重の大きなもので形成されることが好ましい。錘25の形状としては、特に限定されず、球状、円柱状、三角錐状等とすることができる。錘25の大きさとしては、特に限定されないが、例えば円柱状である場合、その外径としては垂直部材23の外径以下、長さとしては5cm以下とすることができる。
【0045】
(パター練習用具の使用方法)
プレーヤーPが、
図14に示すように、アーム部材22の両端部を両脇下に挟み込んでパター練習用具21を保持すると、紐状部材24が地面に対して垂直に維持される。
図15,16に示すように、プレーヤーPは、紐状部材24の向きに垂直部材23の傾きを重ね合わせることで、プレーヤーPの姿勢の傾きを修正する。
【0046】
<利点>
当該パター練習用具は、一端に錘を備える紐状部材を有するため、プレーヤーが当該パター練習用具を保持すると、当該紐状部材が常に垂直の向きを示す。プレーヤーは、アドレスの姿勢を取った際に、当該紐状部材に垂直部材を重ね合わせることで、アドレスの姿勢を容易かつ確実に修正することができる。
【0047】
<その他の実施形態>
上記開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0048】
上記実施形態のおいては、垂直部材、第一棒状部材及び第二棒状部材を1本の棒状部材として説明したが、それぞれを二分割、又は三分割等にすることができ、それぞれ分割したものを嵌合又は螺合して垂直部材、第一棒状部材及び第二棒状部材を形成することも可能である。
【0049】
或いは、垂直部材、第一棒状部材及び第二棒状部材が長さ方向の略中央で折り曲げ可能な棒状部材とすることもできる。
【0050】
上記実施形態のおいては、紐状部材の一端を垂直部材が備えるフックで接続することを説明したが、フックに限定されず、垂直部材が貫通孔を有するリブを備え、この貫通孔に紐状部材の一端を挿通して接続する等としてもよい。
【課題】構成が簡易で、廉価かつ使用が容易であり、パッティングのアドレスにおける姿勢を容易に確認できると共に、正しい姿勢に容易に修正することができるパター練習用具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様は、鋭角に接続される一対の棒状部を有し、この一対の棒状部の中心軸が同一仮想平面上で左右対称に配置されているアーム部材と、上記アーム部材の接続点で、上記仮想平面に対して垂直に配置される垂直部材とを備えるパター練習用具である。上記一対の棒状部が別体の棒状部材からなり、この別体の棒状部材が上記接続点で係合されているとよい。上記一対の棒状部材それぞれが、上記接続点において環状部を有し、この環状部に上記垂直部材が挿入着されることで一対の棒状部材及び垂直部材が着脱可能に係合されているとよい。上記垂直部材及び棒状部材が多段伸縮可能な部材であるとよい。