特許第6415945号(P6415945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ホクレア・システムズの特許一覧 ▶ 株式会社システック環境研究所の特許一覧

特許6415945空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム
<>
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000002
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000003
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000004
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000005
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000006
  • 特許6415945-空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6415945
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/044 20060101AFI20181022BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20181022BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   F24F3/044
   F24F13/02 A
   F24F7/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-238324(P2014-238324)
(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-99087(P2016-99087A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】511220212
【氏名又は名称】株式会社ホクレア・システムズ
(73)【特許権者】
【識別番号】591039632
【氏名又は名称】株式会社システック環境研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 治彦
(72)【発明者】
【氏名】落合 総一郎
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−154623(JP,A)
【文献】 特開2012−088009(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184755(JP,U)
【文献】 特開平04−013021(JP,A)
【文献】 国際公開第96/037737(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0260408(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/044
F24F 7/08
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、
前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、
前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、
前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、
前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され
前記箱状筐体が、前記エアコンディショナー本体の背後に前記天面側ダクト又は前記底面側ダクトが通るダクト配設室を有していることを特徴とする空調ユニット。
【請求項2】
空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、
前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、
前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、
前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、
前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、
前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンに接続されたファン用配線を収納したリレーボックスと、
前記リレーボックスに接続され前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチとを備え、
前記箱状筐体が、前記前面に開閉可能な前扉を有し、
前記リレーボックスが、前記箱状筐体内の前記前扉の近傍に設置され、
前記スイッチが、前記箱状筐体の外部に設置されていることを特徴とする空調ユニット。
【請求項3】
複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、
請求項1又は2に記載の空調ユニットと、
前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、
前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、
前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備えていることを特徴とする住宅空調システム。
【請求項4】
請求項に記載の住宅空調システムにおいて、
前記住宅が、2階建てであり、
前記天面側ダクトの他端が、2階の前記部屋に接続されていると共に、前記底面側ダクトの他端が、1階の前記部屋に接続されていることを特徴とする住宅空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の複数の部屋を1つのエアコンディショナーで空調することを可能にする空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一つのエアコンディショナー(空調機)から温度調整された空気を、複数のダクトを介して住宅の各部屋に送風して空調を行うダクト式の住宅空調システムが知られている。例えば、特許文献1では、空調機が設置される空調機室と、この空調機室に形成され空調機室外の空気である外部空気を取り込む外部空気取込口と、空調機室に設置され外部空気取込口から取り込んだ外部空気で空調機室の空調を行う空調機と、一方の口が空調機室の側に設置され、他方の口が住宅の各部屋に導かれた複数のダクトと、これら複数のダクトにそれぞれ設けられた送風機とを備えた空調システムが提案されている。
この空調システムでは、屋根裏に空調機室を設置し、複数のダクトを空調機室の側面から屋根裏下方の2階や1階の各部屋まで延ばして配設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−154623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記特許文献1では、屋根裏に設置された空調機室の側面から複数のダクトを各部屋まで配設する必要があるため、全体のダクト長が長くなり、ダクトの配設工事の作業が大変になってしまう不都合があった。特に、屋根裏から1階の部屋まで配設するダクトは、2階を通過させて配設する必要があり、長くなってしまう。また、全てのダクトを空調機室の側面から延ばしているために、広い設置スペースが必要になり、空調機室が大型化してしまう不都合があった。さらに、空調機室が大きいために比較的スペースのある屋根裏に設置しているが、上述したようにダクトが長くなると共に工事やメンテナンスが大変であるという問題もあった。このため、住宅において屋根裏でなく1階や2階に設置可能な小型の空調ユニットが要望されている。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、全体のダクト長を短くできると共に小型化が可能な空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る空調ユニットは、空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この空調ユニットでは、箱状筐体の天面に、天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、箱状筐体の底面に、底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成されているので、接続される複数のダクトが上下に振り分けられることで、側面から全てのダクトを接続する場合に比べて、設置スペースが小さくて済むと共に、箱状筐体内のダクト配設スペースも上下に効率的に配分できるため、全体の小型化を図ることが可能になる。また、天面貫通孔に接続される天面側ダクトを、空調ユニットよりも上方に配設すると共に、底面貫通孔に接続される底面側ダクトを、空調ユニットよりも下方に配設することで、上下にダクトを振り分けてダクト経路を効率的に配することができ、全体のダクト長を短くできる。
【0008】
第2の発明に係る空調ユニットは、第1の発明において、前記箱状筐体が、前記エアコンディショナー本体の背後に前記天面側ダクト又は前記底面側ダクトが通るダクト配設室を有していることを特徴とする。
すなわち、この空調ユニットでは、箱状筐体が、エアコンディショナー本体の背後に天面側ダクト又は底面側ダクトが通るダクト配設室を有しているので、箱状筐体内のスペースを効率的に用いて小型化を図ることができる。
【0009】
第3の発明に係る空調ユニットは、第1又は第2の発明において、前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンに接続されたファン用配線を収納したリレーボックスと、前記リレーボックスに接続され前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチとを備え、前記箱状筐体が、前記前面に開閉可能な前扉を有し、前記リレーボックスが、前記箱状筐体内の前記前扉の近傍に設置され、前記スイッチが、前記箱状筐体の外部に設置されていることを特徴とする。
すなわち、この空調ユニットでは、リレーボックスが、箱状筐体内の前扉の近傍に設置されているので、各ファンへの配線をリレーボックスに集中できるため配線工事が容易になる。また、天面側用ファン及び底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチが、箱状筐体の外部に設置されているので、各ファンの電源スイッチにより、各ファンを個別又は複数単位でオン/オフ操作を行うことができる。したがって、各ファン及びダクトを個別又は複数単位でオン/オフすることで、部屋毎や階毎に空調を容易にオン/オフすることができる。
【0010】
第4の発明に係る住宅空調システムは、複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、第1から第3の発明のいずれかの空調ユニットと、前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備えていることを特徴とする。
すなわち、この住宅空調システムでは、上記空調ユニットと、天面側用ファンに一端が接続され他端側が空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、底面側用ファンに一端が接続され他端側が空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備えているので、ダクト長を短くでき、効率的にダクトを配設することが可能になる。
【0011】
第5の発明に係る住宅空調システムは、第4の発明に記載の住宅空調システムにおいて、前記住宅が、2階建てであり、前記天面側ダクトの他端が、2階の前記部屋に接続されていると共に、前記底面側ダクトの他端が、1階の前記部屋に接続されていることを特徴とする。
すなわち、この住宅空調システムでは、天面側ダクトの他端が、2階の部屋に接続されていると共に、底面側ダクトの他端が、1階の部屋に接続されているので、2階建て住宅において空調ユニットから効率的にダクトを2階及び1階の各部屋まで配設することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る空調ユニット及び住宅空調システムによれば、箱状筐体の天面に、天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、箱状筐体の底面に、底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成されているので、設置スペースが小さくて済み、全体の小型化を図ることができると共に、上下にダクトを振り分けて配設することで、全体のダクト長を短くできる。したがって、本発明に係る空調ユニット及び住宅空調システムでは、小型化によって屋根裏ではなく2階等に設置可能になると共に、ダクト配設作業が容易になり、設置コストの低減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る空調ユニット及び住宅空調システムの一実施形態において、空調ユニットを示す断面図である。
図2】本実施形態において、空調ユニットを示す正面図である。
図3】本実施形態において、空調ユニットを示す上面図(a)及び下面図(b)である。
図4】本実施形態において、住宅空調システムを適用した住宅の2階を示す配置図である。
図5】本実施形態において、住宅空調システムを適用した住宅の1階を示す配置図である。
図6】本実施形態において、空調ユニットを2階に設置した場合(a)と、1階に設置した場合(b)との住宅空調システムを適用した住宅を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る空調ユニット及び住宅空調システムの一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
【0015】
本実施形態の空調ユニット1は、図1から図3に示すように、空気の流入口2aを前面に有すると共に該流入口2aに面した内部にチャンバ室2を有する箱状筐体3と、チャンバ室2内に設置されたエアコンディショナー本体4と、箱状筐体3内に設けられ空気の吸入部5aがチャンバ室2に配された天面側用ファン5A及び底面側用ファン5Bと、天面側用ファン5A及び底面側用ファン5Bに接続されたファン用配線(図示略)を収納したリレーボックス6と、リレーボックス6に接続され天面側用ファン5A及び底面側用ファン5Bを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチ6aとを備えている。
【0016】
上記天面側用ファン5Aの空気の排出部5bには、天面側ダクト7Aの基端が接続されると共に、底面側用ファン5Bの空気の排出部5bには、底面側ダクト7Bの基端が接続される。
また、上記箱状筐体3の天面には、天面側ダクト7Aが挿通される天面貫通孔3aが形成されていると共に、箱状筐体3の底面には、底面側ダクト7Bが挿通される底面貫通孔3bが形成されている。すなわち、ダクト接続口が、上向き用の天面貫通孔3aと下向き用の底面貫通孔3bとに分かれて上下に設けられている。
【0017】
上記箱状筐体3は、エアコンディショナー本体4の背後に天面側ダクト7A又は底面側ダクト7Bが通るダクト配設室8を有している。
また、箱状筐体3は、前面に開閉可能な前扉9を有している。
上記リレーボックス6が、箱状筐体3内の前扉9の近傍に設置され、スイッチ6aが、箱状筐体3の外部に設置されている。
【0018】
なお、本実施形態では、スイッチ6aが1階用と2階用との2つ設けられている。1階用のスイッチ6aは、底面側用ファン5Bをまとめてオン/オフできるリモコンスイッチとされ、2階用のスイッチ6aは、天面側用ファン5Aをまとめてオン/オフできるリモコンスイッチとされている。なお、1階用のスイッチ6aは、1階の部屋に設置され、2階用のスイッチ6aは、2階の部屋に設置されている。
リレーボックス6は、前扉9を開いた状態で操作可能な位置であって、箱状筐体3内の側面に取り付けられている。なお、リレーボックス6を箱状筐体2の底面に設置しても構わない。
【0019】
箱状筐体3内には、内部を前面側のチャンバ室2と背面側のダクト配設室8とを仕切る仕切り板10が設けられており、この仕切り板10上部のチャンバ室2側にエアコンディショナー本体4が取り付けられている。なお、エアコンディショナー本体4に接続されたエアコン配管11は、箱状筐体3の側面から外部に延在している。
箱状筐体3の上記流入口2aは、エアコンディショナー本体4に対向して前面に形成され、この流入口2aにエアフィルタ12が取り付けられている。
【0020】
天面側用ファン5Aは、仕切り板10の中間部分に3つ取り付けられており、底面側用ファン5Bは、仕切り板10の天面側用ファン5Aの下に3つ取り付けられている。これらの天面側用ファン5A及び底面側用ファン5Bは、吸入部5aをチャンバ室2側に配していると共に、排出部5bをダクト配設室8側に配して設置される。
また、箱状筐体3の下部であってチャンバ室2内には、底面側用ファン5Bが底面側に排出部5bを向けて2つ取り付けられている。
【0021】
したがって、箱状筐体3の天面には、3つの天面側用ファン5Aに対応して3つの天面側ダクト7Aが挿通される3つの天面挿通孔3aが形成されている。また、箱状筐体3の底面には、5つの底面側用ファン5Bに対応して5つの底面側ダクト7Bが挿通される5つの底面挿通孔3bが形成されている。
【0022】
次に、本実施形態の空調ユニット1を用いた住宅空調システム100について、図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態の住宅空調システム100は、図4及び図5に示すように、複数の部屋20A〜20Iを有する住宅101に設置される住宅空調システムであって、上記空調ユニット1と、エアコンディショナー本体4にエアコン配管11を介して接続され住宅101の外側に設置される室外機21と、天面側用ファン5Aに一端が接続され他端側が空調ユニット1より上方に配された天面側ダクト7Aと、底面側用ファン5Bに一端が接続され他端側が空調ユニット1より下方に配された底面側ダクト7Bとを備えている。
【0023】
上記住宅101は、例えば2階建てであり、空調ユニット1は、2階に設置されている。例えば、空調ユニット1は、図4に示すように、2階のクローゼット22と同様の小さいスペースに収納、設置されている。
上記天面側ダクト7Aの他端は、2階の部屋20A〜20Dに接続されていると共に、底面側ダクト7Bの他端は、1階の部屋20E〜20Iに接続されている。
【0024】
すなわち、3つの天面側ダクト7Aは、図4に示すように、2階の天井裏に配設されて部屋20A(洋室1),部屋20B(洋室2),部屋20C(寝室),部屋20D(洗面所)の4箇所に延ばされている。なお、天面側ダクト7Aの一部は、途中で分岐されて対応する部屋まで延ばされている。
【0025】
一方、5つの底面側ダクト7Bのうち3つは、図5に示すように、1階と2階との間に配設されて部屋20E(リビング),部屋20F(キッチン2カ所),部屋20G(玄関),部屋20H(和室),部屋20I(クローゼット)の6箇所に延ばされている。また、5つの底面側ダクト7Bのうち2つは、図示しない床下に配設されて部屋20E(リビング),部屋20H(和室),部屋20F(キッチン)の床下まで配設されている。なお、底面側ダクト7Bの一部は、途中で分岐されて対応する部屋まで延ばされている。また、天面側ダクト7A及び底面側ダクト7Bの他端は、それぞれ対応する部屋20A〜20Iの通気口23に接続されている。
【0026】
この住宅空調システム100では、天面側用ファン5A及び底面側用ファン5Bとエアコンディショナー本体4とを作動させると、箱状筐体3外の空気がエアフィルタ12を介して流入口2aからチャンバ室2に流入する。さらに、チャンバ室2内上部のエアコンディショナー本体4により、チャンバ室2内の空気が冷風又は温風等に温度調整又は湿度調整され、エアコンディショナー本体4によってチャンバ室2の下方に向けて送風される。
【0027】
次に、チャンバ室2の中央部及び下部に設置された各天面側用ファン5A及び各底面側用ファン5Bがチャンバ室2内の空気を吸入部5aから吸い込むと共に排出部5bから排出し、接続された各天面側ダクト7A及び各底面側ダクト7Bに送り込む。そして、温度調整又は湿度調整された空気は、各天面側ダクト7A及び各底面側ダクト7Bを介して他端が接続された各部屋20A〜20I内に送風されることで、住宅101内の複数の部屋20A〜20Iが同時に温度調整される。
【0028】
このように本実施形態の空調ユニット1は、箱状筐体3の天面に、天面側ダクト7Aが挿通される天面貫通孔3aが形成されていると共に、箱状筐体3の底面に、底面側ダクト7Bが挿通される底面貫通孔3bが形成されているので、接続される複数のダクトが上下に振り分けられることで、側面から全てのダクトを接続する場合に比べて、設置スペースが小さくて済むと共に、箱状筐体3内のダクト配設スペースも上下に効率的に配分できるため、全体の小型化を図ることが可能になる。
【0029】
また、天面貫通孔3aに接続される天面側ダクト7Aを、空調ユニット1よりも上方に配設すると共に、底面貫通孔3bに接続される底面側ダクト7Bを、空調ユニット1よりも下方に配設することで、上下にダクトを振り分けてダクト経路を効率的に配することができ、全体のダクト長を短くできる。
また、箱状筐体3が、エアコンディショナー本体4の背後に天面側ダクト7A又は底面側ダクト7Bが通るダクト配設室8を有しているので、箱状筐体3内のスペースを効率的に用いて小型化を図ることができる。
【0030】
さらに、リレーボックス6が、箱状筐体3内に前扉9に対向して設置されているので、各ファンへの配線をリレーボックス6に集中できるため配線工事が容易になる。また、天面側用ファン5A及び底面側用ファン6Bを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチ6aが、箱状筐体3の外部に設置されているので、各ファンの電源スイッチ6aにより、各ファンを個別又は複数単位でオン/オフ操作を行うことができる。したがって、各ファン及びダクトを個別又は複数単位でオン/オフすることで、部屋20A〜20I毎や階毎に空調を容易にオン/オフすることができる。
【0031】
したがって、本実施形態の住宅空調システム100では、上記空調ユニット1と、天面側用ファン5Aに一端が接続され他端側が空調ユニット1より上方に配された天面側ダクト7Aと、底面側用ファン5Bに一端が接続され他端側が空調ユニット1より下方に配された底面側ダクト7Bとを備えているので、ダクト長を短くでき、効率的にダクトを配設することが可能になる。特に、2階建て住宅101において、空調ユニット1が2階に設置され、天面側ダクト7Aの他端が、2階の部屋20A〜20Dに接続されると共に、底面側ダクト7Bの他端が、1階の部屋20E〜20Iに接続されることで、2階に設置された空調ユニット1から効率的にダクトを2階及び1階の各部屋20A〜20Iまで配設することができる。
【0032】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、空調ユニットを2階のクローゼットと同様の小さなスペースに設置しているが、例えば2階の押し入れ等に設置しても構わない。なお、できるだけ住宅の中央付近に空調ユニットを設置することで、複数のダクトを配設し易くなる。
【0033】
また、上記実施形態では、図6の(a)に示すように、空調ユニット1を2階に設置しているが、図6の(b)に示すように、空調ユニット1を1階に設置しても構わない。この場合でも、天面側ダクト7Aは2階の部屋に接続されると共に、底面側ダクト7Bに1階の部屋又は床下に接続される。
【符号の説明】
【0034】
1…空調ユニット、2…チャンバ室、2a…流入口、3…箱状筐体、3a…天面貫通孔、3b…底面貫通孔、4…エアコンディショナー本体、5A…天面側用ファン、5B…底面側用ファン、5b…排出部、6…リレーボックス、6a…スイッチ、7A…天面側ダクト、7B…底面側ダクト、8…ダクト配設室、9…前扉、11…エアコン配管、20A〜20I…部屋、21…室外機、100…住宅空調システム、101…住宅
図1
図2
図3
図4
図5
図6