特許第6416091号(P6416091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6416091マイクロ波焼灼カテーテルおよびその利用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416091
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】マイクロ波焼灼カテーテルおよびその利用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20181029BHJP
【FI】
   A61B18/18 100
【請求項の数】15
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2015-526564(P2015-526564)
(86)(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公表番号】特表2015-524704(P2015-524704A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013052187
(87)【国際公開番号】WO2014025551
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】61/784,048
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/783,921
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/680,555
(32)【優先日】2012年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/784,407
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/784,297
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/784,176
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラトカウ,ケーシー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブラナン,ジョゼフ,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ダリオン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン,エリック,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘイリー,ケイレン
(72)【発明者】
【氏名】ディックハンズ,ウィリアム,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ケイス,ジェイソン,エー.
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/140087(WO,A2)
【文献】 特開2011−167513(JP,A)
【文献】 特表2002−539887(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0259326(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/024159(WO,A2)
【文献】 特表2002−511302(JP,A)
【文献】 特開2011−147758(JP,A)
【文献】 特開2000−107196(JP,A)
【文献】 特開2000−135215(JP,A)
【文献】 特表2006−507857(JP,A)
【文献】 特開2016−027910(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0208177(US,A1)
【文献】 特表2005−512668(JP,A)
【文献】 特開2010−274118(JP,A)
【文献】 特開平11−197159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔網内での使用のために構成されたマイクロ波焼灼システムであって、前記マイクロ波焼灼システムは、
マイクロ波エネルギー源と、
組織を治療するための器具と、
前記器具のための通路を提供するように構成された伸長式作業チャネルと、
前記伸長式作業チャネルを通って移動可能であり、かつ前記伸長式作業チャネルを標的に隣接するまでナビゲートするように構成された位置特定可能ガイドと、
前記伸長式作業チャネルの少なくとも1つの流体ポートに動作可能に結合されており、組織を穿刺するために前記伸長式作業チャネルの遠位端から伸長可能である、針を含むピストンと、
を備え
前記器具は、
その近位端でマイクロ波エネルギー源に接続され、かつその遠位端で遠位放射部に接続された同軸ケーブルであって、前記同軸ケーブルは、内部導体および外部導体とその間に位置する誘電体とを含み、前記内部導体は、前記外部導体を超えて遠位に延在し、かつ前記遠位放射部と密封係合している同軸ケーブルと、
前記同軸ケーブルの外部導体に電気的に接続された導電体で部分的に形成され、かつ前記同軸ケーブルの少なくとも一部に沿って延在するバランであって、前記導電体は、編組構成を有し、かつ少なくとも1種の絶縁体で覆われているバランと、
を備えるマイクロ波焼灼カテーテルであり、
前記伸長式作業チャネルの遠位端は、標的組織を貫通するためにエネルギー供給可能であり、
前記伸長式作業チャネルの遠位端は、少なくとも部分的に前記伸長式作業チャネルの外周面に沿って延在する少なくとも1つの電極を備え、
前記少なくとも1つの電極は、単極動作モードで動作可能である、マイクロ波焼灼システム。
【請求項2】
前記管腔網へのアクセスを提供するための、前記伸長式作業チャネルを受け入れるように構成された気管支鏡をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項3】
前記伸長式作業チャネルは、閉鎖した遠位端と、前記焼灼カテーテルを受け入れるように構成されたマルチルーメン構成とを備え、前記伸長式作業チャネルは、その近位端にハブをさらに備え、前記ハブは、前記焼灼カテーテルを冷却するために前記伸長式作業チャネルの内外に冷却剤をそれぞれ流入および流出させるように構成された流体吸入ポートおよび流体返却ポートを含む、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項4】
前記伸長式作業チャネルの外面にある拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、前記マイクロ波焼灼カテーテルを前記管腔網内に配置した際に塞栓を形成するように膨張状態に移動可能である、拡張可能部材
をさらに備える、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項5】
前記拡張可能部材は、前記管腔網の局所特性を制御するように構成されている、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項6】
前記拡張可能部材は、前記伸長式作業チャネルを前記管腔網内に配置した際に前記伸長式作業チャネルを固定して、前記位置特定可能ガイドまたは前記マイクロ波焼灼カテーテルが前記伸長式作業チャネル内を移動する際に前記伸長式作業チャネルが適所から外れるのを防止するように構成されている、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項7】
前記拡張可能部材は、バルーンの形態である、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項8】
前記バランは、前記マイクロ波焼灼カテーテルを前記管腔網内に配置した際に塞栓を形成するように膨張状態に移動可能である、請求項3に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項9】
前記バランは、前記マイクロ波焼灼カテーテルを前記管腔網内に配置した際に前記マイクロ波焼灼カテーテルを固定して、前記マイクロ波焼灼カテーテルを比較的固定された構成に維持するように構成されている、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項10】
前記マイクロ波焼灼カテーテルの遠位放射部および前記伸長式作業チャネルの遠位先端のうちの1つは、組織を貫通するために選択的にエネルギー供給可能である、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項11】
前記マイクロ波焼灼カテーテルの遠位放射部は、前記マイクロ波焼灼カテーテルが作動した際に融解するように構成された温度感受性ワックスで覆われている、請求項に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項12】
所定の決定された経路を辿って、前記器具、前記伸長式作業チャネルまたは前記位置特定可能ガイドのうちの少なくとも1つを、前記管腔網を通して案内するためのナビゲーションシステムをさらに備える、請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項13】
前記所定の経路は、前記管腔網のコンピュータ断層撮影(CT)データに基づいて生成され、かつ生成されたモデル内に表示される、請求項12に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項14】
前記所定の経路は、前記CTデータ内の使用者によって特定された標的までの経路を特定し、かつ、前記ナビゲーションシステムで使用する前に使用者による承諾を得るために前記経路を生成するようにCTデータから生成される、請求項13に記載のマイクロ波焼灼システム。
【請求項15】
前記ナビゲーションシステムは、ヘッドアップ表示装置をさらに備える、請求項14に記載のマイクロ波焼灼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、Brannanらによって2012年8月7日に出願された米国仮特許出願第61/680,555号、Ladtkowらによって2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/783,921号、Ladtkowらによって2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/784,048号、Ladtkowらによって2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/784,176号、Ladtkowらによって2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/784,297号およびLadtkowらによって2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/784,407号の利益および優先権を主張するものであり、その各開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、マイクロ波焼灼カテーテルおよびその利用方法に関する。より詳細には、本開示は、組織を治療するために患者の1つ以上の分岐管腔網を通して配置可能なマイクロ波焼灼カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ波焼灼は、各種疾患、例えば、肝臓、脳、心臓、肺および腎臓のような異なる臓器の小結節を治療するために利用することができる。例えば、肺の中に小結節が見つかった場合、診断をする際にいくつかの因子が検討される。例えば、CTガイダンス下で生検器具を用いて、小結節の生検組織を採取してもよい。生検により小結節が悪性であることが明らかとなった場合、小結節を焼灼することが有用であり得る。この場合、典型的にマイクロ波エネルギーを経皮針に伝達することを含むマイクロ波焼灼を利用して、小結節を焼灼することができる。特定の手術状況下では、マイクロ波焼灼処置の現在の特定の経皮的方法により、気胸(空気漏れ)が生じる恐れがあり、肺の周囲の空間に空気が集まり、そのことに臨床医が気づかない場合には、最終的に肺またはその一部が圧潰される恐れがある。
【0004】
気管支内ナビゲーションは、CT画像データを使用してナビゲーション計画を作成し、気管支鏡および患者の気管支の分岐部を通して、ナビゲーションカテーテル(または他の好適な装置)を小結節まで前進させるのを容易にする。また、CTデータと共に電磁追跡を利用して、ナビゲーションカテーテルを気管支の分岐部を通して小結節まで案内するのを容易にしてもよい。場合によっては、小結節または目的の場所に隣接するかその中にある分岐管腔網の気道の1つの中にナビゲーションカテーテルを配置して、1つ以上の器具のためのアクセスを提供してもよい。ナビゲーションカテーテルを配置したら、蛍光透視法を使用して、例えば、生検ブラシ、針ブラシおよび生検鉗子などの生検器具を、ナビゲーションカテーテルを通して肺の中の小結節または目的の場所まで移動させる際に可視化してもよい。
【発明の概要】
【0005】
認識可能なように、組織を治療するために患者の1つ以上の分岐管腔網を通して配置可能なマイクロ波焼灼カテーテルは、手術室では有用であり得る。
【0006】
図面を参照しながら、本開示の態様について詳細に説明する。図面の中で、同様の符号は、同様または同一の要素を指す。本明細書に使用されている「遠位」という用語は、使用者からより遠いと言われる部分を指し、「近位」という用語は、使用者により近いと言われる部分を指す。
【0007】
本開示の態様は、管腔網内に使用するように構成されたマイクロ波焼灼システムを提供する。本マイクロ波焼灼システムは、マイクロ波エネルギー源と、組織を治療するための器具とを備える。伸長式作業チャネルは、上記器具のための通路を提供するように構成されている。伸長式作業チャネルを通って移動可能な位置特定可能ガイドは、伸長式作業チャネルを標的に隣接するまでナビゲートするように構成されている。本マイクロ波焼灼システムは、管腔網へのアクセスを提供するための、伸長式作業チャネルを受け入れるように構成された気管支鏡を備えていてもよい。
【0008】
上記器具は、マイクロ波焼灼カテーテルであってもよい。本マイクロ波焼灼カテーテルは、その近位端でマイクロ波エネルギー源に接続され、かつその遠位端で遠位放射部に接続された同軸ケーブルを備えていてもよい。同軸ケーブルは、内部および外部導体とその間に位置する誘電体とを含む。内部導体は、外部導体を超えて遠位に延在し、かつ遠位放射部と密封係合している。バランは、同軸ケーブルの外部導体に電気的に接続された導電体で部分的に形成され、かつ同軸ケーブルの少なくとも一部に沿って延在している。導電体は、編組構成を有し、かつ少なくとも1種の絶縁体で覆われている。
【0009】
伸長式作業チャネルは、閉鎖した遠位端と、焼灼カテーテルを受け入れるように構成されたマルチルーメン構成とを備えていてもよい。伸長式作業チャネルは、その近位端にハブをさらに備えていてもよい。ハブは、焼灼カテーテルを冷却するために伸長式作業チャネルの内外に冷却剤をそれぞれ流入および流出させるように構成された流体吸入ポートおよび流体返却ポートを含んでいてもよい。
【0010】
伸長式作業チャネルの外面には、拡張可能部材が設けられていてもよい。拡張可能部材は、本マイクロ波焼灼カテーテルを管腔網内に配置した際に塞栓を形成するように膨張状態に移動可能である。拡張可能部材は、管腔網の局所特性を制御するように構成されていてもよい。拡張可能部材は、伸長式作業チャネルを管腔網内に配置した際に伸長式作業チャネルを固定して、位置特定可能ガイドまたは本マイクロ波焼灼カテーテルがその中を移動する際に伸長式作業チャネルが適所から外れるのを防止するように構成されていてもよい。拡張可能部材はバルーンの形態であってもよい。
【0011】
あるいは、バランは、本マイクロ波焼灼カテーテルを管腔網内に配置した際に塞栓を形成するように膨張状態に移動可能であってもよい。バランは、本マイクロ波焼灼カテーテルを管腔網内に配置した際に本マイクロ波焼灼カテーテルを固定して、本マイクロ波焼灼カテーテルを比較的固定された構成に維持するように構成されていてもよい。
【0012】
本マイクロ波焼灼カテーテルの遠位放射部または伸長式作業チャネルの遠位先端は、組織を貫通すために選択的にエネルギー供給可能であってもよい。さらに、本マイクロ波焼灼カテーテルの遠位放射部は、本マイクロ波焼灼カテーテルが作動した際に融解するように構成された温度感受性ワックスで覆われていてもよい。さらに、針を含むピストンは、伸長式作業チャネルの少なくとも1つの流体ポートに動作可能に結合されていてもよく、組織を穿刺するために伸長式作業チャネルの遠位端から伸長可能である。
【0013】
伸長式作業チャネルの遠位端は、標的組織を貫通するためにエネルギー供給可能であってもよい。伸長式作業チャネルの遠位端は、少なくとも部分的に伸長式作業チャネルの外周面に沿って延在する1つ以上の電極を備えていてもよい。電極は、単極動作モードで動作可能であってもよい。
【0014】
本マイクロ波焼灼システムは、所定の決定された経路を辿って、器具、伸長式作業チャネルまたは位置特定可能ガイドを管腔網を通して案内するように構成されたナビゲーションシステムを備えていてもよい。所定の経路を、管腔網のコンピュータ断層撮影(CT)データに基づいて生成してもよく、生成されたモデル内に表示してもよい。所定の経路をCTデータから生成して、CTデータ内の使用者によって特定された標的までの経路を特定してもよく、ナビゲーションシステムに使用する前に使用者による承諾を得るために、この経路を生成してもよい。ナビゲーションシステムは、ヘッドアップ表示装置を備えていてもよい。
【0015】
以下、図面を参照しながら本開示の様々な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一実施形態に係るマイクロ波焼灼システムで使用するように構成されたマイクロ波焼灼カテーテルアセンブリを備えたマイクロ波焼灼システムの斜視図である。
図2図1に示すマイクロ波カテーテルアセンブリで使用するように構成された内腔構成の一実施形態の正面図である。
図3A図1に示すマイクロ波カテーテルアセンブリで使用するように構成された内腔構成の別の実施形態の正面図である。
図3B図1に示すマイクロ波カテーテルアセンブリで使用するように構成された内腔構成の別の実施形態の正面図である。
図3C】同軸のマイクロ波構造体を支持する内腔によっても冷却流体の流入もしくは流出ポートとの連通が行われる、図1に示すマイクロ波カテーテルアセンブリで使用するように構成された内腔構成の別の実施形態の正面図である。
図4図1に示すマイクロ波焼灼アセンブリで使用するように構成されたマイクロ波焼灼カテーテルの遠位端の斜視図である。
図5図4の5−5線に沿った断面図である。
図6】本開示の一実施形態に係るCTに基づく管腔ナビゲーションシステムのスクリーンショットである。
図7】本開示の一実施形態に係る図1に示すマイクロ波焼灼カテーテルアセンブリおよび図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルと共に使用するように構成されたマイクロ波焼灼システムおよび管腔ナビゲーションシステムの斜視図である。
図8】本開示の一実施形態に係る伸長式作業チャネルおよび位置特定可能ガイドカテーテルを備えた管腔カテーテル送達アセンブリの側面図である。
図9図8に示す位置特定可能ガイドカテーテルの遠位端の部分斜視図である。
図10】マイクロ波焼灼カテーテルがその遠位端から伸長している図8に示す伸長式作業チャネルの側面図である。
図11】本開示の一実施形態に係るCTに基づく管腔ナビゲーションシステムのスクリーンショットである。
図12A】患者の気管内に配置される前に気管支鏡内に配置された伸長式作業チャネルの概略平面図である。
図12B】伸長式作業チャネルがそこから遠位に伸長している患者の気管内に配置された図12Aに示す気管支鏡の概略平面図である。
図12C】気管支鏡内に配置された伸長式作業チャネルおよび位置特定可能ガイドの部分切取図である。
図13A】伸長式作業チャネルがそこから遠位に伸長している患者の気管内に配置された気管支鏡の概略平面図である。
図13B】気管支鏡内に配置された伸長式作業チャネルおよび生検器具の部分切取図である。
図14】伸長式作業チャネルが気管支鏡から取り出された状態で患者の気管内に配置された気管支鏡の概略平面図である。
図15A】他の実施形態に係る伸長式作業チャネルがそこから遠位に伸長している患者の気管内に配置された気管支鏡の概略平面図である。
図15B】気管支鏡内に配置された図15Aに示す伸長式作業チャネルの部分切取図である。
図16A図15Aに示す伸長式作業チャネルがそこから遠位に伸長している患者の気管内に配置された気管支鏡の概略平面図である。
図16B図15Aに示す伸長式作業チャネルがそこから遠位に伸長し、かつ標的組織に隣接している患者の気管内に配置された気管支鏡の概略平面図である。
図16C】互いに接続され、かつ気管支鏡内に配置された、図2に示す伸長式作業チャネルおよびマイクロ波焼灼カテーテルの部分切取図である。
図16D図16Cの16D−16D線に沿った断面図である。
図17】患者の肺の中に配置され、かつ収縮構成でそこに結合されたバルーンを有する、図9および図15Aに示す伸長式作業チャネルの別の実施形態の概略平面図である。
図18】膨張構成のバルーンを示す図17の細部の拡大領域である。
図19A】拡張構成で示されている、図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルで使用するように構成されたバランの他の実施形態の概略平面図である。
図19B】非拡張構成の図19Aに示すバランの概略平面図である。
図20図1に示すマイクロ波焼灼カテーテルアセンブリ、図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルまたは図15Aに示す伸長式作業チャネルで利用することができる遠位先端構成の概略平面図である。
図21図15Aに示す伸長式作業チャネルの他の実施形態の概略平面図である。
図22図15Aに示す伸長式作業チャネルのさらに別の実施形態の概略平面図である。
図23図7に示す管腔ナビゲーションシステムの他の実施形態の斜視図である。
図24図1に示すマイクロ波焼灼カテーテルの別の実施形態の部分切取図である。
図25図24の25−25線に沿った断面図である。
図26図24の26−26線に沿った断面図である。
図27図1に示すマイクロ波焼灼カテーテルのさらに別の実施形態の部分切取図である。
図28図1に示すマイクロ波焼灼カテーテルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図29図15A図17および図21に示す伸長式作業チャネルならびに図1図24および図27図28に示すマイクロ波焼灼カテーテルで使用するように構成された循環フィードバックループを示す概略平面図である。
図30図15Aに示す伸長式作業チャネルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図31】縮退構成の図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルを含む図15Aに示す伸長式作業チャネルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図32】伸長構成で示されているマイクロ波焼灼カテーテルを含む図31に示す伸長式作業チャネルの概略平面図である。
図33図15Aに示す伸長式作業チャネルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図34】非拡張構成で示されている図15Aに示す伸長式作業チャネルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図35】拡張構成の図34に示す伸長式作業チャネルの概略平面図である。
図36A】そこに結合され、かつ収縮構成で示されている熱伝導性バルーンを含む図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルの他の実施形態の正面図である。
図36B】膨張構成で示されている熱伝導性バルーンを含む図36Aに示すマイクロ波カテーテルの正面図である。
図37A】そこに結合され、かつ非展開構成で示されている複数の熱伝導性フィンを含む図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルの他の実施形態の正面図である。
図37B】展開構成で示されている複数の熱伝導性フィンを含む図37Aに示すマイクロ波カテーテルの正面図である。
図38図15Aに示す伸長式作業チャネルのなおさらに別の実施形態の概略平面図である。
図39A】そこに結合され、かつ収縮構成で示されているバルーンを含む図2に示すマイクロ波焼灼カテーテルの他の実施形態の概略平面図である。
図39B】膨張構成で示されているバルーンを含む図39Aに示すマイクロ波カテーテルの概略平面図である。
図40A】焼灼されていない標的組織に隣接して示されている、図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成された各種基準マーカーの概略平面図である。
図40B】焼灼された標的組織に隣接して示されている、図40Aに示す基準マーカーの概略平面図である。
図41図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成された複数の熱電対を含むガイドワイヤの概略平面図である。
図42図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成された電気測定システムの斜視図である。
図43図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成されたフィードバック構成の概略平面図である。
図44図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成されたフィードバック構成の別の実施形態の概略平面図である。
図45図7に示すマイクロ波焼灼システムで使用するように構成されたフィードバック構成のさらに別の実施形態の概略平面図である。
図46A】カテーテルが体内に配置されている患者の蛍光透視画像である。
図46B】標的を示す患者の仮想の蛍光透視画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の詳細な実施形態をここに開示するが、開示されている実施形態は、単に本開示の例であって、様々な形態で実施することができる。従って、本明細書に開示されている具体的な構造および機能の詳細は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎および当業者に本開示を実質的にあらゆる適切に詳細な構造に様々に用いることを教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0018】
認識可能なように、組織を治療するために患者の1つ以上の分岐管腔網を通して配置可能なマイクロ波焼灼カテーテルなどのエネルギー装置は、手術室で有用であり得、本開示は、そのような装置、システムおよび方法に関する。管腔網へのアクセスは、経皮的であっても自然な開口部からであってもよい。自然な開口部の場合、肺疾患の治療では気管支内法が特に有用であり得る。画像診断および/または計画ソフトウェアの組み合わせを用いて、標的、ナビゲーション、アクセスおよび治療を術前に計画してもよい。本開示のこれらの態様によれば、計画ソフトウェアにより、術前画像を用いて特注のガイダンスを得てもよい。管腔網のナビゲーションは、画像ガイダンスを用いて達成してもよい。これらの画像ガイダンスシステムは、別個であってもエネルギー装置または別個のアクセス器具と一体化されていてもよく、MRI、CT、蛍光透視、超音波、電気インピーダンス断層撮影、光学装置および装置追跡システムが挙げられる。別個の装置またはエネルギー装置もしくは別個のアクセス器具に一体化された装置の位置特定法としては、EM、IR、反響定位、光学装置などが挙げられる。追跡システムは、画像診断装置に一体化されていてもよく、そこでは、仮想の空間または術前もしくはライブ画像と融合させて追跡が行われる。場合によっては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺癌などに対する気管支内壁の治療などのために、その管腔内から治療標的に直接アクセスしてもよい。その他の場合には、実質内の疾患の治療などのために管腔を穿刺し、かつ他の組織の中に伸長させて標的に到達させるために、本エネルギー装置および/またはさらなるアクセス器具が必要になる場合もある。上に列挙した医用画像装置を用いる画像診断および/またはナビゲーションガイダンスによりエネルギー装置の配置の最終的な位置特定および確認を行ってもよい。本エネルギー装置は、治療用エネルギー場(電磁場が挙げられるが、これに限定されない)を送達する能力を有し、エネルギー照射中に治療を監視する能力を有していてもよい。治療の監視としては、温度測定、電気インピーダンス、放射測定、密度測定、光吸収、水和、超音波などが挙げられる。追加または代わりとして、さらなる装置または上記画像ガイダンス装置を用いて、管腔内または体外から治療を監視してもよい。治療後に、本エネルギー装置および/またはさらなる装置は、少なくとも治療監視に関する上記技術を用いて、適切な治療が行われたかを確認する能力を有していてもよい。さらに、治療確認は、管腔内からであっても体外からであってもよい。長期の治療行為は、経過観察ソフトウェアアプリケーション内に一体化し得る画像診断と共に行ってもよい。
【0019】
本開示の一実施形態は、一つには、組織を治療するために患者の1つ以上の分岐管腔網を通して配置可能なマイクロ波焼灼カテーテルに関する。本マイクロ波焼灼カテーテルは、マイクロ波エネルギー源と、管腔網内の所望の位置にカテーテルを配置するための計画・ナビゲーションシステムとを備えた焼灼システムの一部である。さらに、本システムは、カテーテルの配置およびエネルギー照射の効果を確認するために用いることができる医用画像診断装置を備える。本マイクロ波カテーテル自体が、治療される組織内の配置の確認を支援する能力を備えていてもよく、あるいは、さらなる装置を本マイクロ波カテーテルと組み合わせて使用して、治療される組織内の配置を確認してもよい。なおさらに、本マイクロ波カテーテル上の1つ以上の熱電対または温度センサにより、本マイクロ波カテーテルまたは本カテーテルを取り囲んでいる組織の温度を検出し、安全性のため、および投与量および治療パターンの監視のために、治療中および治療後の本マイクロ波カテーテル温度および組織温度の監視を可能にする。また、本マイクロ波カテーテルにより、管腔内または管腔外のいずれか一方からの標的組織へのアクセスを支援してもよい。また、他の監視および確認装置による支援に加えて、本マイクロ波カテーテルは、各種測定技術により治療の監視を支援してもよく、また、治療の確認のために使用してもよい。
【0020】
図1図5は、マイクロ波焼灼システム10(システム10)の各種態様を示す。図1に示すシステム10は、マイクロ波焼灼カテーテル14(焼灼カテーテル14)(図4に示す)を収容するように構成されたマイクロ波焼灼カテーテルアセンブリ12(アセンブリ12)を備える。アセンブリ12および焼灼カテーテル14は、標的組織(例えば、肺組織)を治療するためにマイクロ波エネルギーをカテーテル14に伝達するように構成されたマイクロ波エネルギー源(エネルギー源16)に接続するように構成されている。
【0021】
図1に示すアセンブリ12は、焼灼カテーテル14を受け入れ、かつ、焼灼カテーテル14にエネルギーが供給された際に焼灼カテーテル14を冷却する、アセンブリ12内を循環する冷却媒体のための経路を提供するように構成されている。これらの目的を念頭に置いて、アセンブリ12は、外側シース18(図2)と、近位端20から遠位端22に延在する複数の内腔19a、19bおよび19cとを有し、かつ比較的尖っているか適当に丸みのある遠位先端21を含む一般に細長いハウジング23を形成するためにオーバーモールドプラスチックで形成されている。ハブ部24は、近位端20に設けられており、接続管28a、28b、28cの対応する遠位端(明示的に図示せず)に接続するポート26a、26b、26cを含む。接続管28a、28cは、1種以上の好適な冷却媒体(例えば、水、生理食塩水、空気またはそれらの組み合わせ)を焼灼カテーテル14に供給するホース31a、31bを備えた流体源32に直接または間接的に着脱可能に接続するように構成されたそれぞれの近位端30a、30cを含む。実施形態では、流体源32は、代理人整理番号H−IL−00083の米国特許出願第XX/XXX,XXX号(その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている冷却システムの構成要素であってもよい。接続管28bの近位端30bは、焼灼カテーテル14にエネルギーを供給するためにエネルギー源16に直接または間接的に接続するように構成されている。任意の対の翼部34a、34bがアセンブリ12の近位端20に設けられていてもよい。翼部34a、34bは、近位端20の右側および左側のそれぞれから側方に延在していてもよく、アセンブリ12の操作のために患者の体の上に載せるか臨床医が把持するように構成されていてもよい。
【0022】
アセンブリ12のポート26a、26cは、アセンブリ12(図2)内に設けられた複数の内腔18の対応する内腔19a、19cと流体連通しており、アセンブリ12の上記冷却媒体のうちの1種を供給するように構成されている。図2に示す実施形態などの一実施形態では、ポート26aは流出ポートであり、冷却媒体の流出内腔19aからの流出点を提供し、ポート26cは、流入ポートであり、冷却媒体の流入内腔19c内への流入点を提供する。
【0023】
図3Aは、アセンブリ12で利用することができる他の内腔構成を示す。本実施形態では、2つの流出内腔19a’および1つの流入内腔19c’が設けられおり、それぞれのポート26a、26cと流体連通している。
【0024】
図3Bは、アセンブリ12で利用することができる他の内腔構成を示す。本実施形態では、2つの流出内腔19a’および1つの流入内腔19c’が設けられており、それぞれのポート26a、26cと流体連通している。さらに、流体の流入または流出のいずれかのために、同軸のマイクロ波構造体を支持する内腔も使用される。
【0025】
図3Cは、アセンブリ12で利用することができる図3aおよび図3bと同様の他の内腔構成を示す。本実施形態では、2つの流出内腔19a’および2つの流入内腔19c’が設けられており、それぞれのポート26a、26cと流体連通している。
【0026】
第3の内腔19bがアセンブリ12内に設けられており、焼灼カテーテル14がアセンブリ12に接続された際に焼灼カテーテル14を支持するように構成されている。図2に示す実施形態では、流出内腔19aおよび流入内腔19cは、内腔19bの上に形成されている。図3Aに示す実施形態では、内腔19bは、内腔19bの周りに2つの対向する流出内腔19aおよび2つの対向する流入内腔19cを設けるために流出内腔19aと流入内腔19cとの間の中央に配置されている。図3Aおよび図3Bに示す実施形態では、内腔19bが、内腔19bの周りに2つの対向する流出内腔19aおよび1つの対向する流入内腔19cを設けるために流出内腔19aと流入内腔19cとの間の中央に配置されている。図2および図3A図3Cに示す内腔構成は、気管支の分岐部において比較的薄い誘導気管支(および/または血管)内を移動するのに必要な柔軟性をアセンブリ12に与える。
【0027】
一実施形態では、アセンブリ12は、4つの内腔構成(図示せず)を備えていてもよい。本実施形態では、3つの外側内腔(例えば、流出内腔19aおよび流入内腔19cの組み合わせ)は、焼灼カテーテル14がアセンブリ12に接続された際に焼灼カテーテル14を支持するように構成された中心内腔(例えば、内腔19b)の周りに等間隔で配置されていてもよい。特定の一実施形態では、3つの外側内腔は、2つの流入内腔19cおよび1つの流出内腔19a(逆もまた同様)を含むように構成されていてもよい。
【0028】
流出内腔19aおよび流入内腔19cは、アセンブリ12内で所定の距離だけ延在しており、各種冷却剤フィードバックプロトコル(例えば、開もしくは閉フィードバックプロトコル)により機能することができる。図2および図3A図3Cに示す実施形態では、流入内腔19cは、適切な量の冷却媒体を焼灼カテーテル14の周りに循環させることができるように流出内腔19aの遠位に延在している。当然のことながら、内腔の数または構成に関わらず、同軸ケーブルおよび放射部を支持している内腔内の充填されていない空間をさらなる流体の進入または放出のために使用して、流体の流れを向上させ、かつ密な流体の接触により同軸のマイクロ波構造体を直接冷却してもよい。内腔19bは、焼灼カテーテルを支持するだけでなく、冷却剤のさらなる流出または流入も支持してもよく、それにより、内腔19bを、接続管28a、28cおよびそれらのそれぞれの近位端30a、30cに接続してもよい。
【0029】
次に図4および図5を参照すると、焼灼カテーテル14が示されている。焼灼カテーテル14は、同軸ケーブル36を備える。同軸ケーブル36は、同軸ケーブル36の内部導体40および外部導体48ならびにエネルギー源16への電気的接続を提供するポート26b(図1に示す)に接続する近位端38を含む。
【0030】
図5に最もよく示すように、遠位放射部42が同軸ケーブル36の遠位端44に設けられおり、内部導体40を受け入れるように構成されている。遠位放射部42は、任意の好適な材料で形成されていてもよい。実施形態では、遠位放射部42は、セラミックまたは金属(例えば、銅、金、銀など)で形成されていてもよい。遠位放射部42は、限定されるものではないが、鈍い構成、平坦な構成、半球状構成、尖った構成、バーベル型構成、組織穿刺構成などの任意の好適な構成を備えていてもよい。遠位放射部42は、はんだ付け、超音波溶接、接着剤などにより、同軸ケーブルの遠位端44に結合していてもよい。一実施形態では、遠位放射部42は、流体が内部導体40と接触するのを防止するために、内部導体40および誘電体50に対して密封されている。代わりとして、その密封は、内部導体40と誘電体50とのちょうど間であってもよい。
【0031】
外部導体48は編組されており、内部導体40と外部導体48との間に位置する誘電体50に沿って延在している(図5)。本明細書に定義されている編組とは、3本以上のストランドを絡み合わせて作製されたものを意味し、それを編組と表しているが、実際の構成はそのように限定されず、当業者によって理解されるように、同軸ケーブルの外部導体の他の形成を含んでもよい。外部導体48の編組構成の1つの利点は、焼灼カテーテル14に患者の肺の気道などの比較的狭い管腔構造内を移動させるための柔軟性を与えることにある。さらに、平坦なワイヤの網組およびその後の適当な大きさを有する金型による網組圧縮の使用により、許容される電気性能を維持しながら、網組導体の横断面寸法を、延伸加工された銅管などの他の導電性構造体と比べて著しく最小に抑えることができる。
【0032】
チョークまたはバラン52が、同軸ケーブル36の一部に沿って延在する導電層51で部分的に形成されている。導電層51は、外部導体48と同様の構成の網組材料であってもよく、外部導体48に接続されている。具体的には、外部導体48の一部は、導電層51の近位部54に短絡されている(例えば、はんだ付けされているか、相互に編み込まれているか、またはそれ以外の方法で貼り付けられている)。
【0033】
バラン52は、絶縁層56も含み、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成されていてもよい。絶縁層56は一般に、導電体52と外部導体48との間に形成されている。絶縁層56は、導電体52の遠位端を超えて遠位に延在している。導電層を超えて延在する絶縁層56およびその向きを製造中に調整して、同軸ケーブル36の全位相、エネルギー場プロファイルおよび温度応答を制御することができる。
【0034】
外部導体48は、絶縁層56を超えて遠位に延在している。外部導体48の一部を除去して同軸ケーブル36の誘電体50を露出させて、給電ギャップ58を形成する。給電ギャップ58は、バラン52から遠位であって、遠位放射部42から近位にそこに直接隣接して位置している。給電ギャップ58および遠位放射部42は、焼灼カテーテル14のために特定の放射パターンを達成するように位置決めおよび寸法決めされている。
【0035】
焼灼カテーテル14は、バラン52の近位端54まで延在する外側シース62を任意に備えていてもよい。あるいは、外側シース62を用いずに、絶縁体60の薄い層(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)の層)のみを使用して、絶縁層56がバラン52の導電層51を超えて延在する場所まで外部導体48の一部およびバラン52を覆ってもよい(図5)。なおさらなる実施形態では、PET60の層は、外部導体48および導電層51の編組構成を維持するのを支援するために、同軸ケーブル36の長さに沿って近位に延在するように構成されていてもよい。当業者によって理解されるように、外側シース62を除去し、かつ同軸ケーブル36の長さに沿って、あるいはちょうどバラン52の位置で、それを薄い材料で置き換えることにより、焼灼カテーテル14の柔軟性を増加させる。以下により詳細に説明するように、この追加される柔軟性は、焼灼カテーテル14を、小さい直径を有し、かつ複数の急な湾曲を有する分岐構造を有する管腔網に使用する場合に、より大きな範囲の移動を可能にするために有利である。
【0036】
焼灼カテーテル14の柔軟性は、特定の外科手術、特定の管腔構造、特定の標的組織、臨床医の好みなどに対応するように変更することができる。例えば、一実施形態では、患者の肺の比較的狭い気道を通って移動させるために非常に柔軟な焼灼カテーテル14を有すると有利であり得る。あるいは、例えば、標的組織を穿刺または穿孔するのに焼灼カテーテル14が必要である場合に、単に僅かに柔軟である焼灼カテーテル14を有すると有利であり得る。なおさらに、所望の量の柔軟性を達成するために、「マイクロ波エネルギー送達装置およびシステム(Microwave Energy-Delivery Device and System)」(その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)という発明の名称の米国特許出願第XX/XXX,XXX号(代理人整理番号:H−IL−00077(1988−77))の開示内容と一貫するようにバラン52を形成することが望ましい場合もある。なおさらに、ここに記載されているマイクロ波焼灼カテーテルは具体的なものであったとしても、当業者には、本開示の範囲を逸脱することなく、構造細部において簡略化されているかより複雑な他のマイクロ波焼灼カテーテルの実施形態を用いることができることが理解されるであろう。
【0037】
実施形態では、温度監視システム3(図1)(例えば、マイクロ波温度測定)を焼灼カテーテル14と共に利用して、焼灼区域内またはそこに隣接する組織の温度を観察/監視してもよい。一実施形態では、例えば、1つ以上の温度センサ「TS」が、例えば、遠位放射部42に隣接して焼灼カテーテル14上に設けられていてもよく(図5に示す)、焼灼区域内またはそこに隣接する組織の温度を測定するように構成されていてもよい。温度監視システム3は、例えば、放射測定システム、熱電対系システムまたは当該技術分野で知られている任意の他の組織温度監視システムであってもよい。温度監視システム3は、エネルギー源にフィードバックを与えるためにエネルギー源16の中に組み込まれていてもよく、あるいは代わりとして、焼灼カテーテル14の使用中に臨床医に聴覚もしくは視覚フィードバックを与える別個の箱に収容されていてもよい。いずれの実施形態でも、温度監視システム3は、組織温度および焼灼区域温度情報をエネルギー源16(または他の好適な制御システム)に提供するように構成されていてもよい。実施形態では、温度センサ3は、より多くの温度データ収集点およびエネルギーの照射後の組織温度に関するより細かい詳細を得るために、同軸ケーブル36に沿って、またはアセンブリ12に沿って(図1を参照して説明)、あるいは伸長式作業チャネル90に沿って備えてられていてもよい。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、組織温度および/または焼灼区域温度情報を、経験的試験により収集され、かつ1つ以上のデータルックアップテーブルに格納され、かつ温度検出監視システム3および/またはエネルギー源16のメモリに格納された、特定の公知の焼灼区域の大きさまたは構成と相関させてもよい。データルックアップテーブルは、温度検出監視システム3および/またはエネルギー源16のプロセッサによってアクセス可能であってもよく、遠位放射部42にエネルギーを供給して標的組織を治療している間にプロセッサによってアクセスしてもよい。本実施形態では、温度センサ「TS」は、組織温度および/または焼灼区域温度をマイクロプロセッサに提供し、次いで、マイクロプロセッサは、その組織温度および/または焼灼区域温度を、データルックアップテーブルに格納された公知の焼灼区域の大きさと比較する。次いで、マイクロプロセッサは、温度検出監視システム3および/またはエネルギー源16の1つ以上のモジュールにコマンド信号を送って、遠位放射部42へのマイクロ波エネルギー出力を自動的に調整してもよい。あるいは、手動の調整手順を利用して、遠位放射部42へのマイクロ波エネルギー出力を制御してもよい。本実施形態では、マイクロプロセッサは、特定の組織温度および/または焼灼区域温度が対応する焼灼区域の直径または構成に一致する場合に1つ以上の指示(例えば、視覚、聴覚および/または触覚指示)を使用者に提供するように構成されていてもよい。
【0039】
図1に示すシステム10は、組織を治療するように構成されており、図7にさらに示すように、コンピュータ断層撮影(CT)画像を利用して標的組織(以後、単に「標的」という)を特定する方法を可能にし、かつそれが特定されると、カテーテルアセンブリ12または他の器具を標的に配置するためのナビゲーションまたはガイダンスシステムの使用をさらに可能にする。CTデータにより、特定された標的への経路計画が容易になり、かつ標的位置まで体内をナビゲートすることが可能になり、これは、術前および術中構成要素(すなわち、経路計画および経路ナビゲーション)を含む。
【0040】
経路計画段階は、3つの一般的な工程を含む。第1の工程では、気管支気道樹(「BT」)の3次元モデルを生成および表示し、かつCTデータを表示して標的を特定するためにソフトウェアを使用する。第2の工程では、所望であれば、自動、半自動または手動でBT上の経路を選択するためにソフトウェアを使用する。第3の工程では、この経路を、表示装置上に可視化することができる経路に沿ったウェイポイントのセットに自動的にセグメント化する。なお、気道は、分岐管腔網の一例として本明細書に使用されている。従って、「BT」という用語は、任意のそのような管腔網(例えば、循環系または消化管など)を表すために、一般的な意味で使用されている。
【0041】
図6に示すソフトウェアグラフィカルインタフェース64を用いてBTを生成および表示する工程は、患者の肺のCTスキャン画像を当該ソフトウェアにインポートすることにより開始する。当該ソフトウェアは、CTスキャン画像を処理し、これらの画像を撮影した順番に並べ、かつそれらを撮影した際のCTの設定に従って離間させることにより、それらを3次元CTボリュームに組み立てる。当該ソフトウェアは、新しく構築されたCTボリュームを使用して、気道の3次元マップすなわちBTを生成する。次いで、当該ソフトウェアは、ソフトウェアグラフィカルインタフェース64上に3次元マップ66の表示を表示する。医学の専門家が生検または治療を望み、かつ医学の専門家がシステム10を使用してそこまでナビゲートすることを望んでいる腫瘤または腫瘍を特定するための様々な表示を使用者に提示してもよい。
【0042】
次に、当該ソフトウェアは、標的(例えば、医学の専門家によって特定された標的68)までの経路を選択する。一実施形態では、当該ソフトウェアは、選択した標的で開始し、かつ管腔を辿って入口点まで戻ることにより経路選択を行うアルゴリズムを含む。次いで、当該ソフトウェアは、標的に最も近い気道内の場所を選択する。気道の直径を用いて標的までの経路を決定してもよい。
【0043】
経路を決定した後、あるいは経路の決定と同時に、使用者の再考のために指示された経路が表示される。この経路は、患者を治療するために医学の専門家が辿ることが当該ソフトウェアによって決定された気管から標的までの経路である。この経路を、医学の専門家が承諾、拒絶または変更してもよい。標的を含むCT画像内の気管に関連するBT内の経路を特定した後、標的の生検および必要であれば最終的に治療するためのカテーテルおよび器具を標的に配置するためにシステム10によって使用されるこの経路をエクスポートする。CT画像から経路を決定するさらなる方法が、「経路計画システムおよび方法(Pathway Planning System and Method)」という発明の名称の代理人整理番号H−IL−00087(1988−00087)の同一出願人による米国特許出願第XX/XXX,XXX号に記載されており、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
図7は、手術台70の上に横たわり、かつ特定された標的へのアクセスを達成するために管腔網内の決定された経路に沿ったナビゲーションを可能にするシステムに接続された患者「P」を示す。気管支鏡72が患者の肺に挿入されている。気管支鏡72は、監視装置74に接続されており、典型的に、照明およびビデオ画像診断システムの電源を備える。特定の事例では、以下に記載するように、気管支鏡なしで本開示の装置を使用してもよい。システム10は、患者「P」の位置を監視し、それにより1組の基準座標を定める。具体的には、システム10は、米国特許第6,188,355号および国際公開第00/10456号および国際公開第01/67035号(それらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)の教示に係る、6自由度の電磁式位置測定システムを利用する。送信機76が、患者「P」の真下に配置される板またはマットとして実装されている。複数のセンサ78が6DOF(自由度)で各センサ78の位置を導き出す追跡モジュール80と相互接続されている。基準センサ78(例えば、3つのセンサ78)のうちの1つ以上を患者「P」の胸に取り付け、それらの6DOF座標をコンピュータ82(当該ソフトウェアを含む)に送信し、そこでそれらを使用して、患者の座標基準系を計算する。
【0045】
図8は、本開示の教示に従って構築および操作される位置決めアセンブリ84を示す。位置決めアセンブリ84は、操作可能な遠位先端88、伸長式作業チャネル90およびその近位端に制御ハンドル92を有する位置特定可能ガイド86を備える。
【0046】
伸長式作業チャネル90を操作するいくつかの方法がある。第1の方法では、単一の偏向を用いてもよい。あるいは、手動の方向選択装置による多方向操作機構を用いて、カテーテル本体の回転を必要とすることなく実施者による操作方向の選択を可能にしてもよい。多方向操作の場合、4本の細長い緊張要素(「操作ワイヤ」)98aが、ハンドル92から遠位先端88まで延在する単一の長いワイヤで形成された対のワイヤとして実装されている。操作ワイヤ98aは、基部98bの一部の上で屈曲され、ハンドル92に戻されている。各ワイヤに対する個々の緊張により、遠位先端88を所定の横方向に向かって操作されるように、操作ワイヤ98aを展開させる。4本の操作ワイヤ98aの場合、2つの垂直な軸に沿って反対方向になるように、その方向を選択する。言い換えると、各ワイヤが、単独で作動した場合に、実質的に90°の倍数で分離された4つの所定の方向のうちの異なる1つの方向に遠位先端98の偏位を引き起こすように、4本の操作ワイヤ98aを展開させる。
【0047】
位置特定可能ガイド86を伸長式作業チャネル90に挿入し、その中で、それを固定機構94によって適所に固定する。システム10の位置センサ要素96を位置特定可能ガイド86の遠位先端88と一体化させ、基準座標系に対する先端位置および向き(6DOF)を監視可能にする。
【0048】
実施形態では、位置特定可能ガイド86は、図10に示すように、湾曲または鉤状構成を有していてもよい。この代替形態は現在、EDGE(登録商標)という名称でコヴィディエン社から販売されている。そのようなシステムでは、湾曲した先端91と共に形成されているのは伸長式作業チャネル90である。伸長式作業チャネル90に実装された異なる量の事前屈曲部を使用することができるが、一般的な曲率としては、45°、90°および180°が挙げられる。180°で延在している作業チャネル90は、位置特定可能ガイド86を特にナビゲートが困難であり得る肺の上葉の後部に導くのに特に有用であることが分かっている。位置センサ96が伸長式作業チャネル90の遠位先端88から突出するように、位置特定可能ガイド86を伸長式作業チャネル90に挿入する。患者「P」の肺の通路内を一緒に前進するように、伸長式作業チャネル90および位置特定可能ガイド86を互いに固定する。本実施形態では、伸長式作業チャネル90は、既に上に記載したものと同様の操作機構を備えていてもよい。認識可能なように、伸長式作業チャネルを意図したように機能させるために、伸長式作業チャネル90にある種の修正を行わなければならない場合もある。
【0049】
実施形態では、伸長式作業チャネル90、位置特定可能ガイド86、カテーテルアセンブリ12および/または焼灼カテーテル14上に、一体化された半径方向の超音波プローブ「US」(図10)が設けられていてもよい。例示のために、超音波プローブ「US」は、伸長式作業チャネル90および位置特定可能ガイド86上に配置された状態で示されている。超音波プローブ「US」は、焼灼カテーテル14のナビゲーションおよび挿入中に、システム10の1つ以上のモジュールに超音波フィードバックを与えて、焼灼カテーテル14を標的組織に隣接して配置するのを容易にするように構成されていてもよい。また、理解されるように、伸長式作業チャネルなしであるが、内視鏡によってアクセス可能な中枢病変部の画像診断のために、内視鏡と共にUSプローブを使用してもよい。さらに、USプローブを使用して治療の進行を監視し、かつ/または治療の完了を確認してもよい。
【0050】
上述のように、本開示は、経路計画段階のためにCTデータ(画像)を用いる。また、ナビゲーション段階のためにCTデータを使用してもよい。具体的には、CT座標系を患者座標系と一致させる。これは一般に、レジストレーションとして知られている。レジストレーションは一般に、CTおよび体表または体内の両方における位置を特定し、かつ両系のそれらの座標を測定することにより行われる。手動、半自動または自動レジストレーションをシステム10で利用することができる。本明細書における目的では、システム10は、自動レジストレーションの使用に関して記載されている。自動レジストレーション技術のより詳細な説明のために、同一出願人による米国特許出願第12/780,678号を参照し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
自動レジストレーション方法は、患者「P」の分岐構造内において位置センサ96を含む位置特定可能ガイド86を移動させる工程を含む。送信機80を用いて、位置センサ96が分岐構造を通って移動している間の位置センサ96の位置に関するデータを記録する。このデータから得られた形状を、分岐構造の3次元モデルの通路の内部形状と比較する。次いで、比較に基づき、その形状と3次元モデルとの位置相関を決定する。
【0052】
上記に加えて、システム10のソフトウェアは、3次元モデル内の非組織空間(例えば、空気で満たされた空洞)を特定する。従って、当該ソフトウェアは、位置特定可能ガイド86が分岐構造の1つ以上の管腔を通って移動している際に、位置特定可能ガイド86の位置センサ96の位置データを記録する。さらに、当該ソフトウェアは、記録された位置データと、位置特定可能ガイド86が分岐構造内の非組織空間に位置したままであるという仮定とに基づいて、位置特定可能ガイド86の位置を表している画像と3次元モデルの画像とを並べる。
【0053】
患者「P」の体内に配置すると、画面93が、当該ソフトウェアにより監視装置74上に表示される(図11)。右の画像は、気管支鏡72によって生成された実際の気管支鏡画像95である。最初は、左の画像97には何も画像が表示されておらず、レジストレーションが完了すると、これが、CT画像データから生成される仮想の気管支鏡の画像となる。
【0054】
位置特定可能ガイド86、具体的には気管支鏡72を通して見た際に主要な気管分岐部のおよそ3〜4cm上方にある位置センサ96を用いて開始し、気管支鏡72を右および左の肺の両方、例えば、第4世代の肺の通路の中を前進させる。肺のこれらの区域を横断することにより、レジストレーションを達成することができるような十分なデータが上記のとおり収集される。
【0055】
標的を特定し、経路を計画し、位置特定可能ガイド86を含む気管支鏡72を患者「P」の体内に挿入し、かつ仮想の気管支鏡画像を気管支鏡72の画像データと共に記録すると、システム10は、位置センサ96を患者の肺の中の標的68にナビゲートする準備が整った状態となる。コンピュータ80は、図11に示すものと同様の表示を提供し、標的68を特定し、かつ仮想の気管支鏡画像99を示す。表示装置上の各画像中に現れるのは、位置センサ96の現在の位置から標的68までの経路である。これは、上記経路計画段階中に確立された経路である。この経路は、例えば色のついた線によって表してもよい。また、各画像中に現れるのは、位置特定可能ガイド86の遠位先端88および位置センサ96の表示である。経路が確立されると、臨床医は、システム10を利用して標的組織68を治療することができる。
【0056】
標的組織を治療するためのシステム10の動作について、図12A図16Cを参照して説明する。標的68への経路を上記方法により確認したと仮定する。伸長式作業チャネル90および位置特定可能ガイド86を含む気管支鏡72を管腔網内の押し込み可能な場所まで前進させた後、伸長式作業チャネルおよび位置特定可能ガイドを特定された経路に沿って標的68までさらに前進させる(図12A図12Cを参照)。
【0057】
場合によっては、内腔内から標的組織に直接アクセスしてもよい(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺癌などのための気管支内壁の治療のため)が、他の例では、標的はBTと直接接触しておらず、位置特定可能ガイドを単独で使用した場合、標的へのアクセスは達成されない。管腔を横切って、標的組織にアクセスするためにさらなるアクセス器具が必要になることもある(例えば、実質内の疾患の治療のため)。
【0058】
伸長式作業チャネルを含む位置特定可能ガイドまたはアクセス器具の最終的な位置特定および確認は、画像診断および/またはナビゲーションガイダンス(上に列挙した画像診断およびナビゲーション技術の同じまたは異なる組み合わせが挙げられる)により行ってもよい。
【0059】
位置特定可能ガイド86またはさらなるアクセス器具が標的68位置まで上手くナビゲートされたら、位置特定可能ガイド86またはアクセス器具を取り出し、伸長式作業チャネル90を、生検器具84のための標的68位置までのガイドチャネルとして配置したままにしてもよい(図13A図13B)。医療用器具は、標的68の試料採取のために使用することができる生検器具であってもよい。このシステムの詳細は、既に参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,233,820号に含まれている。
【0060】
位置特定可能ガイド86を標的68位置まで上手くナビゲートしたら、位置特定可能ガイド86を取り出し、伸長式作業チャネル90を、器具84を標的68位置まで運ぶためのガイドチャネルとして配置したままにしてもよい(図13A図13B)。医療用器具は、標的68の試料採取のために使用することができる生検器具であってもよい。これらの試料を回収して、標的の治療が必要か否かを決定する分析のために病理に送る。生検分析は、焼灼をすぐに行うことができるように、生検手順後にリアルタイムで行ってもよく、あるいは、生検を行う時間と焼灼処置を行う時間との間にいくらかの期間(例えば、数時間、数日間、数週間)を設けてもよい。
【0061】
標的68が治療(例えば、焼灼)を必要とすることが決定された場合、焼灼カテーテル14を含むアセンブリ12を気管支鏡72および伸長式作業チャネル90を通して配置して治療を可能にしてもよい。上記アセンブリの配置は、伸長式作業チャネル90を標的68にナビゲートした後に行ってもよく、あるいは伸長式作業チャネル90をアセンブリ12と共にナビゲートして標的68に到達させてもよい。この第2のオプションは、伸長式作業チャネル90またはアセンブリ12のいずれか一方の中に6DOF位置決め用センサを必要とする場合がある。上述のように、図2図3に示す内腔構成と組み合わせた外部導体48およびバラン52の導電層51の編組構成により、比較的狭い気道内を移動するのに必要な柔軟性を有するアセンブリ12が得られる。
【0062】
実施形態では、標的組織「T」を穿刺または貫通して、標的68内への遠位放射部42の配置(例えば、治療のために腫瘤の中央への配置)を可能にしてもよい。例えば、ガイドワイヤ、穿刺器具、生検器具84またはアセンブリ12の遠位端21(図1を参照して説明)を利用して、標的68を穿刺または貫通してもよい。ガイドワイヤまたは穿刺器具を利用して組織を貫通または穿刺する例では、ガイドワイヤまたは穿刺器具を、伸長式作業チャネル90に通して標的68を貫通してもよい。穿刺したら、伸長式作業チャネル90を適所に保持し、ガイドワイヤまたは穿刺器具を取り出して、焼灼カテーテル14を収容しているアセンブリ12を器具またはガイドワイヤによって生成された標的68内の開口部の中に挿入するのを可能にしてもよい。あるいは、ガイドワイヤまたは穿刺器具が標的68内にある間に、伸長式作業チャネル90を伸長させて、伸長式作業チャネル90の遠位端を標的68内に生成された開口部の中に配置してもよい。伸長式作業チャネル90を標的68内に配置した後、ガイドワイヤまたは穿刺器具を取り出して、焼灼カテーテル14を含むアセンブリ12の挿入を可能にしてもよい。この第2の方法により、アセンブリ12内に収容された焼灼カテーテル14の標的68内への適切な配置が確保される。
【0063】
1つ以上の医用画像診断装置を利用して、焼灼カテーテル14が適切に(例えば、標的68内に)配置されているかを確認してもよい。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)、超音波、蛍光透視および他の医用画像診断装置を、個々または互いに組み合わせて利用して、焼灼カテーテル14が標的68内に適切に配置されているかを確認してもよい。CTおよび蛍光透視装置の両方を用いる1つの方法が、同一出願人による「CTで向上した蛍光透視法(CT-Enhanced Fluoroscopy)」という発明の名称の米国出願第12/056,123号に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
焼灼カテーテル14の配置のなおさらなる他の確認方法が本明細書に開示されている。図46Aは、本明細書に記載されているナビゲーション手順のうちの1つを行った後の伸長式作業チャネル90およびそこから伸長している焼灼アセンブリ12または生検器具84の配置を示すライブ蛍光透視画像である。図46Bは、同じ患者を示し、かつその体にある標的68を表示する仮想の蛍光透視画像である。仮想の蛍光透視画像は、上記計画・ナビゲーション方法の両方で使用された同じCTデータから生成されたものである。このCTデータを処理して患者の蛍光透視画像のコンピュータモデルを作成する。標的68は、計画段階で特定された同じ標的68であり、仮想の蛍光透視画像中の標的68位置は、計画中に臨床医によって特定された標的の位置に対応する。
【0065】
仮想の蛍光透視画像およびライブ蛍光透視画像を互いに対して登録してもよい。例えば、CTスキャンの前に配置され、かつ蛍光透視画像上にも現れる1つ以上の基準マーカーを用いるか、あるいは基準マーカーとして機能し得る生理内の目印(例えば、胸郭の曲率および間隔)を特定することにより、これを行ってもよい。2つの画像すなわちライブ蛍光透視画像と静的な仮想蛍光透視画像により、臨床医は伸長式作業チャネル90および焼灼アセンブリ12の配置を標的68位置と比較することができる。図46Aおよび図46Bのいずれかに示す対照比較モードでこれを行ってもよい。例えば、図46Aすなわちライブ蛍光透視画像では、計画段階中に標的68として特定された腫瘤67は、蛍光透視により僅かにのみ可視化可能な場合もあるが(軟組織を蛍光透視画像中で識別することは難しいことが多い)、図46Aに示す伸長式作業チャネル90および焼灼アセンブリ12の位置を図46Bに示す標的68位置と比較することにより、適切な焼灼のための配置に必要な調整を容易に確認することができる。
【0066】
あるいは、ライブおよび仮想の蛍光透視画像を互いに対して登録する場合、合成画像が生成されるように、仮想の画像(図46B)をライブ画像(図46A)の上に重ね合わせて比較してもよい。次いで、この合成画像は、焼灼アセンブリ12および伸長式作業チャネル90の配置に対する標的68の相対的位置を示す。ライブ蛍光透視法を継続することにより、伸長式作業チャネル90および/または焼灼アセンブリ12または生検器具84の標的68内への配置の可視化が可能になり、このようにして臨床医は、ライブ蛍光透視画像と重ね合わせられた仮想の蛍光透視画像との組み合わせを用いて、リアルタイムで標的68内への適切な配置を実際に見ることができる。焼灼カテーテル14の標的68内への配置を確認したら、マイクロ波エネルギーを焼灼カテーテル14に伝達して、標的68を治療することができる。
【0067】
標的68の治療後に、上記医用画像診断装置のうちの1つを利用して、標的68の周りに好適な焼灼区域が形成されているかを確認し、かつさらなるエネルギーの照射が必要であるか否かを決定してもよい。これらの治療および画像診断の工程を、標的が上手く焼灼されたという決定がなされるまで反復して繰り返してもよい。さらに、治療の程度を確認し、かつさらなるエネルギー照射が必要であるか否かを決定するために医用画像診断装置を用いる上記方法を上記放射測定および温度検出技術と組みわせて、医用画像診断装置によって示されるものを確認すると共に、治療中断時点を決定するのを支援することもできる。
【0068】
例えば、標的68が気管支鏡72の遠位端に比較的近接しているような一実施形態では、伸長式作業チャネル90を取り出すか(図14)、全く使用せず、かつ、気管支鏡72を配置したままにして、アクセス器具および焼灼カテーテル14を含むアセンブリ12を標的68に目視で案内してもよい。あるいは、気管支鏡72を使用せずに伸長式作業チャネル90および付属のアクセス器具を配置するか、あるいは、標的68へのアクセス器具と組み合わせた伸長式作業チャネル90の配置後に気管支鏡72を取り出して、それらを配置したままにしてもよく、また、焼灼カテーテル14を含むアセンブリ12を伸長式作業チャネル90から伸長させて標的68を治療することができる。
【0069】
上述のように、温度監視システム3を使用して、標的組織68の温度、焼灼区域の大きさなどを決定および監視することができる。実施形態では、温度監視システム3を、システム10で使用するように構成された1つ以上の構成要素(例えば、ソフトウェアグラフィカルインタフェース64)の中に組み込むことができる。
【0070】
実施形態では、上記経路計画および経路ナビゲーション方法を使用せずに、伸長式作業チャネル90および/または焼灼カテーテル14の管腔網内への配置を達成してもよい。この場合、コンピュータ断層撮影、超音波および/または蛍光透視法を利用して、伸長式作業チャネル90および/またはアクセス器具および/または焼灼カテーテル14の管腔網内への配置を容易にしてもよい。
【0071】
実施形態では、遠位放射部42を、エネルギーが内部導体20に加えられた際に融解する温度感受性「ワックス」材料「W」で覆ってもよく、それにより、相を変化させて遠位放射部42からの熱を吸収する。
【0072】
さらに、流体冷却の代わりに、遠位放射部42を凍結して、その周りに氷を形成してもよい。遠位放射部にエネルギーが供給されると、この氷は気体になり、その結果、高い熱の放散が生じ得、次いで、遠位放射部42が冷却される。
【0073】
さらに、本開示によれば、アセンブリ12なしで焼灼カテーテル14を利用すると有利であり得る。この特定の実施形態では、焼灼カテーテル14を流体冷却するために、伸長式作業チャネル90(例えば、上記内腔およびポート構成ならびに閉鎖した遠位先端のうちの1つ)を修正してもよい。また、認識可能なように、伸長式作業チャネル90を本明細書で意図するように機能させるために、伸長式作業チャネル90に対して1つ以上の他の修正を行わなければならないこともある。
【0074】
図15A図15Bは、閉鎖した遠位端およびその中に挿入された修正されたカテーテルアセンブリ12を有する伸長式作業チャネル190を示す。図1に示す閉鎖した遠位端ではなく、カテーテルアセンブリ12は開放した遠位端を有する。伸長式作業チャネル190の内面とカテーテルアセンブリ12との間の空間は、流体流入内腔119aを確立している。流体流出内腔119cは、カテーテルアセンブリ12の遠位端の開口部によって露出されている。内腔119aおよび119cにより、冷却流体は伸長式作業チャネル190およびカテーテルアセンブリ12内を流れて、カテーテルアセンブリ12内に位置する焼灼カテーテル14を冷却することができる。修正されたカテーテルアセンブリ12を含む伸長式作業チャネル190の断面が図16Dに示されている。カテーテルアセンブリ12は、カテーテルアセンブリ12が位置特定可能ガイド86(図12)として機能して伸長式作業チャネルの標的68への配置を支援するように、任意に位置センサ96を備えていてもよい。伸長式作業チャネル190は、上記柔軟性判断基準を満たすように形成されていてもよい。あるいは、伸長式作業チャネルを、位置特定可能ガイド86を用いて上記のように配置してもよい。その後、位置特定可能ガイド86を取り出して、伸長式作業チャネル190を配置したままにしてもよい。位置特定可能ガイド86を取り出した状態で、修正されたカテーテルアセンブリ12および焼灼カテーテル14を伸長式作業チャネル190内に配置し(図16A)、エネルギーを供給して、標的68を治療するのに適した焼灼区域「AB」を形成してもよい(図16B)。図16Cは、伸長式作業チャネル190の配置および位置特定可能ガイド86の取り出し後に、焼灼カテーテル14をアセンブリなしで伸長式作業チャネル190内に配置する、さらに別の任意の構成を示す。伸長式作業チャネル190内に水を循環させて、上記のように遠位放射部を冷却してもよい。
【0075】
認識可能なように、焼灼カテーテル14を含む柔軟なアセンブリ12を気管支内に挿入する場合、肺の管腔分岐部を通してナビゲートすることにより気胸が生じる可能性が大きく低下する。さらに、システム10が標的組織への経路を生成することができるため、位置特定可能ガイド、伸長式作業チャネルおよび焼灼カテーテル14を含むアセンブリ12の配置が推量される。
【0076】
上記から、そして各種図面を参照して、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく本開示に対して特定の修正が可能であることも理解するであろう。例えば、装置の送達および配置、装置の冷却およびアンテナの緩衝ならびにセンサフィードバックに関して1つ以上の修正を加えることができる。以下は、本開示の範囲内で検討されるそのような修正の様々な非限定的な例である。
【0077】
I.装置の送達および配置
本開示によれば、各種方法を利用して、焼灼カテーテル14および/または伸長式作業チャネル90/190を標的組織68内の所望の位置に送達することができる。
【0078】
例えば、生検または焼灼により患者の体内で生じた出血に対処するために、気管支鏡を用いて塞栓を形成してよい。すなわち、気管支鏡を気管支の中に押し込んで、気管支鏡が到達することができる場所で出血を止めることができる。但し、本開示によれば、塞栓を形成するために伸長式作業チャネル90/190を標的68にナビゲートすることができ、かつ伸長式作業チャネル90/190上に1つ以上の拡張可能部材が設けられていてもよい。拡張可能部材(例えばバルーン)を膨張させて、これらの遠隔位置での出血を止めることができる。
【0079】
具体的には、図17および図18は、伸長式作業チャネル90/190の外面に配置されたバルーン「B」を含む伸長式作業チャネル90/190を示す。バルーン「B」は最初、伸長式作業チャネル90/190を、誘導気道を通してナビゲートし、かつ伸長式作業チャネル90/190を標的68に隣接して配置するために、収縮構成(図17)にある。その後、伸長式作業チャネル90/190を適所に固定し、かつ塞栓を形成するために、バルーンを膨張させる(図18)。
【0080】
バルーン「B」が伸長式作業チャネル90上に設けられている実施形態では、1つ以上の内腔が伸長式作業チャネル90上に設けられていてもよく、かつ、流体源32からバルーン「B」に1種以上の好適な流体を供給して、バルーン「B」を膨張構成から収縮構成に(逆もまた同様)移動させるためにバルーン「B」と流体連通していてもよい。さらに、本実施形態では、バルーン「B」は、呼吸により変化する局所的肺特性を制御するように構成されていてもよい。例えば、収縮した肺の組織の2450MHzでの比誘電率は48であり、拡張した肺の組織の同じ周波数での比誘電率は20であり、この大きな誘電率範囲により、アンテナを単一の周波数に調整するのが難しくなる。経験的な試験により、バルーン「B」を追加することにより、拡張状態または収縮状態の間に肺を局所的に離して、1つ以上の所望の特性、例えば、電気および熱的特性が得られることが分かった。具体的には、熱伝導率は、肺の拡張および収縮により変化する。例えば、局所的呼吸が拡張した肺により停止し、かつ焼灼カテーテル14が、45の比誘電を有する標的68に適合していれば、加熱を熱的および電気的に標的68に集中させることができる。同様に、肺が収縮構成で固定されていれば、より多くの肺組織を熱で治療して、標的68の周りにさらなるマージンを生成することができる。
【0081】
図19A図19Bは、本開示の別の実施形態に係る焼灼カテーテル214を示す。焼灼カテーテル214は、焼灼カテーテル14と同様である。従って、焼灼カテーテル214に固有のそれらの特徴についてのみ詳細に説明する。拡張可能なバラン252が同軸ケーブル236上に設けられている。バラン252は、バラン52に関して上に記載したように機能する。但し、バラン52とは異なり、バラン252は拡張可能(空気/流体圧力)であり、かつ上記のようなバルーン「B」の機能を提供するように構成されている。
【0082】
1つ以上の内腔(図示せず)が焼灼カテーテル214に設けられており、バラン252を収縮構成と膨張構成との間で移動させるための1種以上の好適な流体を流体源32から受け取るように構成されていてもよい(図19A図19Bを参照)。あるいは、アセンブリ12の内腔19a、19cは、バラン252と流体連通しており、バラン252を膨張構成と収縮構成との間で移動させるための1種以上の好適な流体を流体源32からバラン252に供給するように構成されていてもよい。認識可能なように、他の方法および/または装置を利用して、バラン252を膨張構成と収縮構成との間で移動させてもよい。
【0083】
図20は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル290を示す。本実施形態では、閉鎖した遠位先端291は、組織「T」を貫通するためにエネルギー供給可能である。具体的には、電極292が、伸長式作業チャネル290の遠位先端291に接続されていてもよい。電極291は、伸長式作業チャネル290内に延在している1本以上のリード線またはワイヤ293を介してエネルギー源16と電気通信していてもよい。電極292は、単極動作のために構成されていてもよい。患者の体表にリターンパッド(図示せず)を配置し、かつ対極板として利用してもよい。あるいは、第2の電極(図示せず)を伸長式作業チャネル290上に設けて、双極電極構成を構築することができる。使用中、電極291にエネルギーが供給された際に、遠位先端291を利用して組織を貫通して、伸長式作業チャネル290を標的組織に隣接して配置するのを容易にしてもよい。
【0084】
図21は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル390を示す。伸長式作業チャネル390は、閉鎖した遠位端と、基部323および基部から遠位に内腔319aの遠位端にある開口部(図示せず)を通って延在する針325を含むピストンアセンブリ321を備えた少なくとも1つの水で満たされた内腔またはチャンバー(例えば、遠位放射部42を冷却するために利用される冷却水ループの内腔319a)とを備える。内腔内の圧力を維持するために、内腔319aの開口部内にシール(図示せず)が設けられていてもよい。任意のシール327が伸長式作業チャネル390の遠位先端に設けられており、流体密封シールを維持するように構成されていてもよい。ピストンアセンブリ321は、針325を縮退構成から、シール327を貫通して伸長構成(図21の透視図に示す)に移動させるために内腔319a内を移動可能である。伸長構成では、針325を利用して、伸長式作業チャネル390を組織に固定し、かつ/または組織を貫通してもよい。
【0085】
使用中、組織を貫通するために、水を伸長式作業チャネル390に供給して針325を伸長構成に移動させてもよく、これは、遠位放射部42にエネルギーを供給する前および/または遠位放射部42にエネルギーが供給された際に行ってもよい。このようにして、冷却水ループは、2つの目的(遠位放射部の冷却および針325の伸長)を果たし、かつ、別個の押出/引張部材またはシースの必要性をなくしてもよい。
【0086】
図22は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル490を示す。伸長式作業チャネル490は、開放した遠位端と、そこに動作可能に結合された電極492とを備える。電極492は、図20に示す電極292と同様である。但し、電極292とは異なり、電極492は伸長式作業チャネル490の外周面に沿って延在していてもよい。さらに、一対の直立電極延長部494a、494bが電極492上に設けられており、組織を治療するための単極ペンシルとして機能するように構成されていてもよい。
【0087】
電極492は、伸長式作業チャネル490内に延在している1本以上のリード線またはワイヤ493を介してエネルギー源16と電気通信していてもよい。電極492は、単極動作のために構成されていてもよい。リターンパッド(図示せず)を患者の体表に配置し、かつ対極板として利用してもよい。あるいは、伸長式作業チャネル490上に第2の電極(図示せず)を設けて、双極電極構成を構築することができる。使用中、組織を焼灼した後、直立延長部494a、494を利用して、マイクロ波エネルギー(またはRF)を隣接する組織に伝達してもよい。組織を治療した後、直立延長部494a、494bを利用して、電気外科的に治療した組織を擦り取ってもよい。認識可能なように、伸長式作業チャネル490上に電極492を有することにより、使用者は、焼灼カテーテル14を伸長式作業チャネル490内に配置したまま、電極492で組織を治療することができる。
【0088】
図23は、臨床医に仮想の内部画像を提供するための、ガイダンスシステムと通信するヘッドアップ表示装置81(例えば、Googleグラス)を示す。仮想の内部画像は、標的68への経路の計画に関する情報および上記器具、伸長式作業チャネルおよび患者「P」の肺を通る位置特定可能ガイドのうちの1つのガイダンスおよびナビゲートのための情報を含む。ヘッドアップ表示装置81は、患者「P」が見える臨床医の視野の中に適切な向きで仮想の内部画像を投影するために、患者「P」に対するヘッドアップ表示装置81の位置を提供する1つ以上の電磁式センサ83を備えていてもよい。
【0089】
II.装置の冷却およびアンテナの緩衝
以下の実施形態は、患者を同軸ケーブル36および/または遠位放射部42による意図しない加熱から保護するように構成されており、かつ/または遠位放射部42に誘電緩衝与えるように構成されている。
【0090】
図24図26は、本開示の一実施形態に係るアセンブリ512を示す。アセンブリ512は、アセンブリ12と同様である。従って、アセンブリ512に固有のそれらの特徴についてのみ詳細に説明する。
【0091】
遠位放射部542を同軸ケーブル536の残りの部分から分離するように構成されたチャンバー514を提供するために、アセンブリ512の遠位端に隣接するハウジング523内に仕切り511が設けられている。遠位放射部542を覆うために、誘電体(例えばセラミック、ヒドロゲルなど)513がチャンバー514内に設けられており、内腔519a、519cを通って伝達し、かつ仕切り511と接触する流体と接触した場合に遠位放射部542および内部導体540を冷却するように構成されている。本開示によれば、誘電体513は、遠位放射部542を緩衝し、かつ同軸ケーブル536の周りに別個の能動的冷却システムを構築するために特性を変えることなく熱に耐えることができる。これにより、なくならないとしても、その作動の間の遠位放射部542の周りでの相の変化を減少させ、同軸ケーブル536に対する能動的冷却の必要性を減らすことができる。
【0092】
図27は、本開示の一実施形態に係るアセンブリ612を示す。複数のセラミック要素613が少なくとも部分的に同軸ケーブル636に沿って延在し、かつ入れ子構成を形成している。セラミック要素613は、遠位放射部642および内部導体640を冷却するためのヒートシンクとして機能する。セラミック要素613は、同軸ケーブル636を屈曲させることができるように複数のセラミック要素613が互いに離間されている弛緩構成(図27に示す)から、遠位放射部642および内部導体640の冷却を増加させ、かつ本アセンブリの位置の位置決めを確保するために、セラミック要素613を互いに向かって移動させる圧縮構成に移動するように作動可能であってもよい。一対の引張ワイヤ617は、セラミック要素613に動作可能に結合しており、セラミック要素613を圧縮構成に移動させるように構成されている。
【0093】
図28は、本開示の一実施形態に係る伸長式作業チャネル790を示す。伸長式作業チャネル790は、単独または冷却流体と共に熱を放散するように構成された構造的ヒートシンクとして機能する。図28に示す実施形態では、伸長式作業チャネル790は、熱を遠位放射部742から引き離すための良好な熱導体である材料で形成されている。ヒートシンク791は、伸長式作業チャネル790の近位端793に動作可能に結合されている。例えば、内腔719a、719c(透視図で示す)は、バラン752の近位端まで延在して伸長式作業チャネル790の近位端793を冷却する。この特定の実施形態では、流体は、バラン752の近位端まで流れ、Uターンし、これにより、近位端793にある伸長式作業チャネル790を冷たい状態に維持する。伝導を利用して、バラン752の遠位に延在している作業チャネル790の遠位端を通って、バラン752の近位にある伸長式作業チャネル790の冷却された近位端793まで冷風を移動させる。追加または代わりとして、セラミックペースト剤「CP」が、遠位放射部742を少なくとも部分的に覆っていてもよく、遠位放射部742の静的冷却を行うための誘電緩衝材として機能してもよい。セラミックペースト剤「CP」の使用により、伸長式作業チャネル790を内腔719a、719cなしで形成可能にしてもよく、次いで、これにより、静的冷却および/または緩衝を与えている間に伸長式作業チャネル790を柔軟なままにすることができる。
【0094】
図29は、本開示の一実施形態に係る伸長式作業チャネル890を示す。真空ポンプを使用して、伸長式作業チャネル890を通る水を減圧し、伸長式作業チャネル890を通って循環している水の沸点を低下させることができる。この圧力で水は、およそ体温で沸騰し、沸騰水は、急速に蒸発し、相の変化により、流体およびそれに隣接する構成要素が冷却され、焼灼カテーテル814に対するさらなる冷却効果が生じる。この目的のために、真空ポンプ33は、伸長式作業チャネル上の流体返却ポート(図示せず)に動作可能に結合しており、内腔819cを通って循環している流体の沸点を低下させるために内腔819cを通って循環している流体を加圧する。実施形態では、空気/ミスト混合物を、冷却媒体として利用し、かつ内腔819a、819cを通って循環させてもよく、この実施形態は、温度が一定のままの場合であっても、液体から蒸気に相を変化させるのに必要な大きなエネルギーを活用する。
【0095】
図30は、伸長式作業チャネル990を示す。伸長式作業チャネル990は、2つの内腔構成(明示的に図示せず)を備えていてもよい。本実施形態では、1つの内腔は、伸長式作業チャネル990の流体吸入ポート(図示せず)との連通を専用とし、1つの内腔は、焼灼カテーテル914の支持を専用とする。先に開示した内腔構成とは異なり、流体吸入ポートおよび内腔は、開ループ冷却プロトコルのために構成されている。開ループ冷却プロトコルにより、伸長式作業チャネル990内の流体の流れを高めてもよい。さらに、標的を水和させて、エネルギー送達およびマイクロ波エネルギー吸収を高めてもよい。さらに、開ループ冷却プロトコルを拡張可能なバルーン「B」および/または拡張可能なバラン252と組み合わせて、伸長式作業チャネル990を適所に固定してもよく、次いで、これにより、遠位放射部942の周りの誘電緩衝を増加させてもよい。
【0096】
実施形態では、伸長式作業チャネル990は、流体返却ポートと、伸長式作業チャネル990から分配された冷却流体を排出するための吸引を行うように構成された対応する第3の内腔とを備えていてもよく、これにより、使用者はマイクロ波焼灼処置の終了時に気管支肺胞洗浄(BAL)を行う、すなわち、流体の流れを止めて、流体を吸引して戻し、1種以上の組織試料を回収することができる。
【0097】
図31図32は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル1090を示す。本実施形態では、遠位放射部1042を伸長式作業チャネル1090の遠位端に設けられているシール構造体1091を貫通して伸長させることにより、伸長式作業チャネル1090を熱および電気制御手段として利用してもよい。シール構造体1091は、組織を治療するために遠位放射部1042をそこを貫通して伸長させた場合に流体密封シールを維持するために、遠位放射部1042と密封係合するように構成されている。
【0098】
図33は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル1190を示す。本実施形態では、流体流緩衝を利用せずに遠位放射部1142を冷却する。この目的を念頭に置いて、チャンバー1191が伸長式作業チャネル1190の遠位端に設けられており、内腔1119a、1119cとは流体連通していない。チャンバー1191は、遠位放射部1142を取り囲み、遠位放射部1142を冷却するためにその中に存在している高沸点液体(例えば、水、生理食塩水など)を受け取るように構成されている。本実施形態では、シール部材1121a、1121bが内腔1119a、1119cの遠位端に任意に設けられていてもよく、高沸点液体をチャンバー1191内に維持するように構成されている。チャンバー1191内のより高沸点の液体が、遠位放射部1142により生成された熱を吸収し、その熱を、内腔1119aおよび1119cを通って循環される流体に運ぶ。
【0099】
図34および図35は、本開示の別の実施形態に係る伸長式作業チャネル1290を示す。本実施形態では、アコーディオン構成を有するヒートシンク1291が、伸長式作業チャネル1290の遠位端に結合されている。ヒートシンク1291は、遠位放射部1242を伸長式作業チャネル1290を通って伸長させた場合に、1つ以上の好適な結合方法により遠位放射部1242に結合するように構成されている。例示の実施形態では、伸長式作業チャネル1290の遠位端に、例えばシール(図示せず)が設けられていてもよく、遠位放射部が伸長式作業チャネル1290から伸長するにつれて、遠位放射部1242に着脱可能に(圧入または摩擦嵌合により)係合するように構成されていてもよい(図34)。ヒートシンクは、加熱するにつれて、伸長式作業チャネル1290から離れるように遠位に伸長し始め、そこに結合された遠位放射部1242をそこに接触させる。伸長構成では、遠位放射部1242は、周囲組織から離れるように移動しており、次いで、これにより、周囲組織への付帯的損傷を減少させてもよい(図35)。
【0100】
図36Aおよび図36Bは、本開示の一実施形態に係る焼灼カテーテル1314を示す。図36Aおよび図36Bに示す実施形態では、ヒートシンクは、肺の壁(「LW」)により形成されており、これは典型的に、約37℃の温度を含む。この目的のために、熱伝導性バルーン1321が、焼灼カテーテル1314の遠位放射部(明示的に図示せず)に隣接して配置されており、遠位放射部からの熱を患者の肺の壁「LW」の中に放散させるために(上記内腔構成のうちの1つ以上により)拡張可能である。具体的には、遠位放射部にエネルギーが供給されると、熱伝導性バルーン1321は膨張および拡張して、肺の壁「LW」に接触し、次いで、これにより、熱伝導性バルーン1321によって吸収された熱を放散させる。
【0101】
あるいは、複数の熱伝導性フィン1323(図37A図37B)を、遠位放射部に隣接して配置してもよい。本実施形態では、フィン1323は、遠位放射部にエネルギーが供給された際に遠位放射部からの熱を吸収および放散させるために展開可能である。図37A図37Bに示す実施形態では、フィン1323は、遠位放射部にエネルギーが供給されて加熱された場合に展開構成に移動するように構成された形状記憶金属で形成されている。展開すると、空気流を複数の熱伝導性フィン1323を横切って気管支の中に導入して導電性フィン1323を冷却してもよく、次いで、これにより、遠位放射部が冷却される。
【0102】
図38は、本開示の一実施形態に係る伸長式作業チャネル1490を示す。本実施形態では、伸長式作業チャネル1490は、直径「D2」を有する先細りの遠位端1492よりも大きい直径「D1」を有する近位端1491を含む。近位端1491のより大きな直径D1により、伸長式作業チャネル1490の所与の長さに対してより多くの冷却が可能となる。本開示によれば、近位端1491の直径「D1」は、冷却剤による圧力降下を最小限に抑えるために十分に大きくなければならないが、気道に適合するために十分に小さくなければならない。
【0103】
図39A図39Bは、本開示の一実施形態に係る焼灼カテーテル1514を示す。具体的には、バルーン1515が、放射部1542(および/またはバラン(図示せず))に隣接して配置されていてもよく、焼灼カテーテル1514内の内腔(明示的に図示せず)と流体連通していてもよい。バルーン1515は、焼灼カテーテル1514を、伸長式作業チャネル1590を通して伸長させるための収縮構成(図39A)から膨張構成(図39B)に移動可能である。膨張構成では、バルーン1515は、緩衝体積を拡張するように、すなわち、加熱するためのより多くの体積が存在するように機能してもよい。さらに、バルーン1515は、遠位放射部1542を肺の気道内に固定するように構成されていてもよい。さらに、バルーン1515は、焼灼カテーテル1514のバランの周りの流速を増加させるように構成されていてもよい。
【0104】
III.センサフィードバック
以下の実施形態は、装置(例えば、伸長式作業チャネル90/190、カテーテルアセンブリ12および/または焼灼カテーテル14)の配置、組織の環境、焼灼の進行、装置の性能、安全性などに関して、システム10または医師にセンサおよび/または視覚フィードバックを与えるように構成されている。
【0105】
本開示によれば、1つ以上のフィードバック機構を本開示と共に利用することができる。例えば、図40A図40Bは、システム10によって検出可能であり得る各種基準マーカーを示す。開放した遠位端を含む上記伸長式作業チャネルのいずれか(例えば、作業チャネル90)を、位置特定可能ガイド86の取り出し後に1つ以上の基準マーカーを患者の体内に配置するための導管として利用してもよい。これらのマーカーを、経過観察分析および監視のために腫瘍および病変部を特定するなどの様々な目的のために使用して、生検試料採取が行われた位置を特定し、かつ治療用途のために腫瘍または病変部の境界または中心を特定することができる。本開示の範囲に含まれる他の使用は当業者によって理解されるであろう。
【0106】
実施形態では、基準マーカーは、形状記憶合金「SM」で形成されていてもよい。本実施形態では、基準マーカー「SM」は、所定の温度まで加熱された際に形状を変えるように構成されている。追加または代わりとして、基準マーカーは、ポロキサマー「PM」で形成されていてもよい。ポロキサマーは、焼灼カテーテルの遠位放射部(例えば、遠位放射部42)からのエネルギーを用いて、液体から固体に転化することができる。体内に配置されると、基準マーカー「PM」は、体温を下げ、液体に戻り、かつ血流に溶解される。固体の形態では、基準マーカー「PM」は、焼灼区域「AZ」のリアルタイムな増加を明らかにするために、CT、超音波および他の医用画像診断装置により可視化可能であってもよい。
【0107】
図41は、システム10と共に利用することができる別のフィードバック機構を示す。本実施形態では、上記遠位放射部(例えば、遠位放射部42)の温度を測定するために、上記伸長式作業チャネルのうちの1つ(例えば、伸長式作業チャネル90)内に配置可能であり、かつそこから展開可能なガイドワイヤ73を利用してもよい。ガイドワイヤ73は、その遠位端に少なくとも1つの熱電対75を備える。熱電対75は、伸長式作業チャネルから展開された際に温度測定値を収集するように構成されていてもよい。熱電対75は、遠位放射部42の温度変化率を監視するためにエネルギー源16のマイクロコントローラと通信していても、遠位放射部42を取り囲んでいてもよく、その変化率を分析して特定の焼灼の大きさと相関させることができる。実施形態では、ガイドワイヤ73を利用して、焼灼カテーテル14を伸長式作業チャネル90から展開してもよい。
【0108】
図42図43は、システム10と共に利用することができる別のフィードバック機構を示す。図42に示す実施形態では、システム10は、腫瘍組織に対する健康な組織において、あるいは焼灼カテーテル1642に沿って出血が生じた場合に、焼灼カテーテル1642の配置を検出することができる。この目的を念頭に置いて、1つ以上の電極1641(図42に示す2つの電極1641)が遠位放射部1642に隣接して設けられており、遠位放射部1642の作動の前、間または後の標的組織に関するデータを検出するように構成されている。組織に関するデータは、組織の電気特性(例えば、RFインピーダンス)を含んでいてもよい。
【0109】
実施形態では、電極1641を利用して周囲組織の誘電率測定値を収集して、腫瘍組織内の配置を確保することができる。遠位放射部1642の緩衝の量および種類は、電極1641がこれらの測定値をどの程度得ることができるかに影響を与える。RFまたは誘電率測定値のいずれかの種類を用いて、使用者に解釈されるデータを収集および分析するために、焼灼カテーテル1614に接続された制御装置17(または別のシステム23、例えばラップトップ)が必要になる。データを分析した後、制御装置17は、例えば表示装置37により、使用者に関連情報を提供する。
【0110】
実施形態では、制御装置17は、マイクロ波エネルギー源の入出力ポート間のS−パラメータ(図43)分析を行うように構成されていてもよい。本実施形態では、S−パラメータ分析を利用して焼灼の大きさ「AZ」を決定し、エネルギー源16の動作を制御し、かつ/またはリアルタイムで遠位放射部1642への損傷を検出する。
【0111】
実施形態では、1つ以上のセンサ構成をシステム10と共に利用してもよい。例えば、水和センサ「HS」(例えば図43を参照)を利用して遠位放射部42からある距離における組織の水分を測定して、焼灼の進行および/または完了を監視する。この場合、伸長式作業チャネル90を利用して、「HS」を、遠位放射部42が配置された場所から離れた所定の場所に配置してもよい。水分が組織から失われるにつれて、センサ「HS」は変化率を追跡し、焼灼が完了した時点を使用者に伝えることができる。誘電特性を組織の水和レベルと直接相関させることができる。
【0112】
さらに、臨床医に標的組織の視覚的視点を与えるために、1つ以上の光ファイバーケーブル「FC」が、標的組織に隣接して配置される伸長式作業チャネル90を通って存在していもよい。あるいは、光ファイバーケーブル「FC」が遠位放射部42に隣接して設けられていてもよい(例えば図5を参照)。本実施形態では、1つ以上のレンズ(図示せず)が遠位放射部42に隣接し設けられており、光ファイバーケーブル「FC」の遠位端に結合されていてもよい。さらに、1つ以上の力センサ「FS」は、組織を貫通するために遠位放射部42によって加えられる力に関するフィードバックを与えるように構成されている。この場合、力センサ「FS」は、遠位放射部に隣接して動作可能に結合されていてもよい(例えば、図5を参照)。
【0113】
実施形態では、1つ以上の化学センサ「CS」は、遠位放射部42の作動の前、間または後に、組織の1種以上の化学物質を検出するように構成されていてもよい(例えば、図5を参照)。本実施形態では、化学センサ「CS」は、標的組織に付随する化学物質(例えば、酸およびタンパク質)を検出するように構成されたマイクロコントローラ17と動作可能に通信していてもよい。検出された化学物質を、熱の焼灼の増加の進行と相関させ、かつマイクロコントローラ17にアクセス可能な1つ以上のデータルックアップテーブル(図示せず)に格納してもよい。
【0114】
図44は、各種センサ構成のための配置構成方法を示す。具体的には、他の気道を利用して、センサ(例えば、音響、熱電対または電気センサなど)を展開させてもよい。特定の一実施形態では、焼灼カテーテル14を、伸長式作業チャネル90を通して伸長させ、かつ2つの対向するセンサ、例えば、対向する気道内に配置された音響センサ「AS」の間に配置してもよい。遠位放射部42の動作中、気道を横切るピングを発生させて、組織特性を測定する(例えば、インピーダンス、誘電率または温度を測定する)ことができる。
【0115】
図45は、システム10と共に利用することができる別のフィードバック機構を示す。本実施形態では、焼灼(例えば、手順/完全性)の監視のための2つのアンテナ、すなわち、センサパッチ1840と、焼灼カテーテル1814の遠位放射部1842(明確性のために、伸長式作業チャネル内に配置されていない状態で示されている)とが設けられている。センサパッチ1840は、患者の体表に配置可能であり、組織を治療する前に焼灼カテーテル1814を較正し、かつ組織が適切に焼灼された時点を決定するように構成されている。センサパッチ1840は、遠位放射部1842にエネルギーが供給された際にセンサパッチ1840によって受信電力量を監視するように構成された制御装置17と動作可能に通信している。グラフは、較正(A点〜B点)および焼灼サイクル(C点〜D点)の両方の間にセンサパッチ1840で受信された電力を示す。較正サイクルは、伝送路をベースラインとする。焼灼が進行するにつれて、遠位放射部1842とセンサパッチ1840との間の伝送路は、受信電力の増加により生じた脱水により、損失が少なくなる。較正を超える受信電力の増加量により、焼灼の完全性を決定する。例えば、1.5cmの焼灼区域「AZ」により、センサパッチ1840への電力がおよそ15%増加する。一実施形態では、センサパッチ1840での電力が較正レベルに到達したか較正レベルを超えた際、マイクロコントローラ17は、焼灼カテーテル1814への電力を自動的に停止する。
【0116】
本開示のいくつかの実施形態を図面に示してきたが、本開示は、当該技術分野が許容するのと同程度に範囲が広く、本明細書は同様に解釈されるものであるため、本開示はそれらに限定されない。従って、上記記載は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および趣旨に含まれる他の修正形態を思いつくであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図17-18】
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37A
図37B
図38
図39A
図39B
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46A
図46B