特許第6416113号(P6416113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6416113無線装置、無線通信システムおよび無線通信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416113
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】無線装置、無線通信システムおよび無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/02 20090101AFI20181022BHJP
【FI】
   H04W74/02
【請求項の数】17
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-551035(P2015-551035)
(86)(22)【出願日】2014年12月1日
(86)【国際出願番号】JP2014081765
(87)【国際公開番号】WO2015080287
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2016年5月31日
(31)【優先権主張番号】特願2013-248121(P2013-248121)
(32)【優先日】2013年11月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】松尾 綾子
(72)【発明者】
【氏名】鍋谷 寿久
(72)【発明者】
【氏名】中西 俊之
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏和
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−087295(JP,A)
【文献】 特開2008−289135(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0092773(KR,A)
【文献】 特開2004−180207(JP,A)
【文献】 特開2006−165806(JP,A)
【文献】 特表2013−502796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットが割り当てられる第1アクセス期間における通信と、スロット単位の競合ベースのアクセス方式が用いられる第2アクセス期間における通信と、に対応した無線装置であって、
第1フレームを送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記第1フレームが第1の種類のフレームであって、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットにおいてキャリアセンスを実施せずに前記第1フレームを送信し、
前記送信部は、前記第1フレームが第2の種類のフレームであって、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットの開始から所定時間の間キャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信する
無線装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記第1フレームが第1の種類のフレームであって、前記第1アクセス期間内の他の無線装置に割り当てられたスロットで前記第1フレームを送信する場合、前記他の無線装置に割り当てられたスロットの開始から第1時間の間キャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信し、
前記送信部は、前記第1フレームが第2の種類のフレームであって、前記第1アクセス期間内の他の無線装置に割り当てられたスロットで前記第1フレームを送信する場合、前記他の無線装置に割り当てられたスロットの開始から第2時間の間キャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信し、
前記第1時間は前記第2時間より短い、
請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記キャリアセンスを実施せずに前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内の前記スロットの開始タイミングで、前記第1フレームを送信する
請求項1に記載の無線装置。
【請求項4】
前記第1の種類のフレームは、優先的に送信する必要のある緊急データフレーム、前記第2の種類のフレームは、前記緊急データフレーム以外のフレームである
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記第1フレームが第3の種類のフレームであって、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットの開始から前記所定時間より長い時間の間キャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信する
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項6】
前記第1の種類のフレームは、優先的に送信する必要のある緊急データフレーム、前記第2の種類のフレームは、制御フレームまたは管理フレーム、前記第3の種類のフレームは、前記緊急データフレーム、制御フレームまたは管理フレーム以外のフレームである、 または、
前記第1の種類のフレームは、制御フレームまたは管理フレーム、前記第2の種類のフレームは、優先的に送信する必要のある緊急データフレーム、前記第3の種類のフレームは、前記緊急データフレーム、制御フレームまたは管理フレーム以外のフレームである、 請求項5に記載の無線装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記第1アクセス期間内の事前に割り当てられたスロットで前記第1フレームを送信する場合、前記第1アクセス期間内の事前に割り当てられたスロットの開始タイミングで、前記第1フレームを送信する
請求項2のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項8】
前記第1フレームの送信要求が発生したタイミングに応じて、前記第1フレームを送信するアクセス期間とスロットを決定する
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項9】
前記第1フレームの送信要求が発生したタイミングから、前記第1アクセス期間内の事前に割り当てられたスロットの開始までの時間長に応じて、前記第1フレームを前記第1アクセス期間内の前記事前に割り当てられたスロットで送るか否かを決定する
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項10】
スロットが割り当てられる第1アクセス期間における通信と、スロット単位の競合ベースのアクセス方式が用いられる第2アクセス期間における通信と、に対応した無線装置であって、
第1フレームを送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットで、前記第1フレームを前記第1フレームの種類に応じた送信確率で送信し、前記第1フレームが、優先的に送信する必要のある緊急データフレームの再送フレームであるときは、前記送信確率は1より小さい値である
無線装置。
【請求項11】
前記無線装置の通信相手は一定の周期で報知信号を送信するハブであり、前記無線装置はノードに搭載され、
前記第1アクセス期間と前記第2アクセス期間は、前記報知信号の送信タイミング間に形成されている
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記第2アクセス期間内のスロットで前記第1フレームの種別に応じて前記第1フレームを送信するタイミングを変える機能のオンまたはオフを表す能力情報を前記ハブに通知する
請求項11に記載の無線装置。
【請求項13】
前記無線装置は、一定の周期で報知信号を送信するハブに搭載され、前記無線装置の通信相手は、ノードであり、
前記第1アクセス期間と前記第2アクセス期間は、前記報知信号の送信タイミング間に形成されている
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項14】
複数のノードから、前記第2アクセス期間内のスロットでフレームの種別に応じてフレームを送信するタイミングを変える機能のオンまたはオフを表す能力情報を受信する受信部を備え、
前記送信部は、各ノードから通知された能力情報に応じて、前記機能による前記フレームの送信を受け付けるか否かのスロット共有機能のオンまたはオフを表す情報を各ノードに送信する
請求項13に記載の無線装置。
【請求項15】
少なくとも1つのアンテナを備えた
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の無線装置。
【請求項16】
スロットが割り当てられる第1アクセス期間における通信と、スロット単位の競合ベースのアクセス方式が用いられる第2アクセス期間における通信と、に対応した無線通信方法であって、
第1フレームが第1の種類のフレームであって、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットにおいてキャリアセンスを実施せずに前記第1フレームを送信し、
前記第1フレームが第2の種類のフレームであって、前記第2アクセス期間で前記第1フレームを送信する場合、前記第2アクセス期間内のスロットの開始から所定時間の間キャリアセンスを実施し、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信する
無線通信方法。
【請求項17】
前記第1フレームが第1の種類のフレームであって、前記第1アクセス期間内の他の無線装置に割り当てられたスロットで前記第1フレームを送信する場合、前記他の無線装置に割り当てられたスロットの開始から第1時間の間キャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信し、
前記第1フレームが第2の種類のフレームであって、前記第1アクセス期間内の他の無線装置に割り当てられたスロットで前記第1フレームを送信する場合、前記他の無線装置に割り当てられたスロットの開始から第2時間の間キャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に応じて、前記第1フレームを送信し、
前記第1時間は前記第2時間より短い、
請求項16に記載の無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、通信処理装置、集積回路、無線通信端末、メモリーカード、無線通信装置、無線通信方法および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アクセス方式の1つとして、TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)方式がある。TDMA方式では、定期的にビーコン信号をブロードキャストし、ビーコン信号の間の期間(ビーコンインターバル)を複数のスロットに分け、各スロットを各端末に割り当てる。TDMA方式では、端末はビーコン信号を受信し、あらかじめ割り当てられたスロットでのみ送受信を行う。したがって、各端末は、自分の割当スロットでは、他端末との信号の衝突が生じない利点がある。一方、必ずしも各端末は、自分の割当スロットにて、毎回送受信が必要なデータがあるとは限らない。その場合には、その割当スロットは使用されないため、チャネル利用効率が低下する。チャネル利用効率の低下を防ぐために、TDMAのスロット割当スケジューリングを工夫する方法がある。しかしながら、この方法はスケジューリング処理の複雑化を招く。
【0003】
これらの問題を解消する仕組みとして、端末が、TDMAの割当スロットのスロット先頭からある一定タイミングまでに、当該割当スロットの使用を開始しない場合には、他の端末がキャリアセンスを用いた競合ベースアクセスで、当該割当スロットを使用可能にする仕組みが提案されている。この仕組みは、国際標準規格IEEE802.15.4eで採用されている。
【0004】
しかしながら、この仕組みでは、TDMA方式の期間と、競合ベースアクセス方式の期間との少なくとも2つの期間が存在する通信方式は想定していない。競合ベースアクセス方式の期間は、複数のスロットからなり、スロット単位で競合ベースにて各端末が送受信を行うものである。
【0005】
このような通信方式における2つの期間のうち、TDMA方式の期間に対し、上述した従来の仕組みを単純に適用しても、競合ベースアクセス方式の期間が考慮されていないことから、チャネル利用効率を十分に高めることができない。端末で、緊急に送信する必要のある緊急データが発生した場合などは、早急に緊急データを送信する必要がある。したがって、チャネル利用効率を十分に高めることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2012−515487号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IEEE 802.15.4e
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の実施形態は、スロットを割り当てることによりスロット単位で通信を行う期間と、スロット単位で競合ベースアクセス方式に従って通信を行う期間との2つ以上の異なるアクセス方式の期間が存在する通信方式において、チャネルの利用効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態としての通信処理装置は、複数のスロットが配置され、スロットを割り当てることによりスロット単位で通信を行う第1アクセス期間と、複数のスロットが配置され、スロット単位で競合ベースのアクセス方式に従って通信を行う第2アクセス期間とを有する通信方式に従った通信処理装置であって、アクセス制御部を備える。
【0010】
前記アクセス制御部は、フレームの送信要求が発生した場合に、前記第1アクセス期間と前記第2アクセス期間のどちらのアクセス期間内のどのスロットで前記フレームを送信するかを決定する。
【0011】
前記アクセス制御部は、前記第2アクセス期間内のスロットで前記フレームを送信することを決定した場合、前記第2アクセス期間内のスロットにおいて前記フレームの種別に応じて定められた区間の間、キャリアセンスを行い、このキャリアセンス結果に応じて、前記区間の後、前記フレームの種別に応じて定められたタイミングで前記フレームを送信するよう制御する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る無線ネットワークシステムの一例を示す図。
図2】第1の実施形態に係るノードのタイミング図。
図3】緊急データ発生時におけるノードの送信処理のフローチャート。
図4A】第1の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図。
図4B】第1の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図。
図5】第2の実施形態に係るノードのタイミング図。
図6】第2の実施形態に係る制御フレームまたは管理フレームの送信要求が発生した場合のノードのフローチャート。
図7】第2の実施形態に係る緊急データ以外の一般データの送信要求が発生した場合の処理のフローチャート。
図8】第2の実施形態に係る割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間かの判断のフローを省いたフローチャート。
図9】第3の実施形態に係る緊急データの送信要求が発生した場合の送信スロットの判断処理のフローチャート。
図10】第4の実施形態に係るスロット共有情報を通知する信号の形態の例を示す図。
図11A】第6の実施形態に係るハブの動作フローチャート。
図11B図11Bに続くフローチャート。
図12】第7の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図。
図13】第7の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図。
図14】第8の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図。
図15】第8の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図。
図16】第9の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図。
図17】第9の実施形態係るノードとしての無線通信装置のブロック図。
図18】第10の実施形態に係る無線通信装置のハードウェアブロック図。
図19】第11の実施形態に係る無線通信端末の斜視図。
図20】第11の実施形態に係るメモリーカードを示す図。
図21】第19の実施形態に係る無線通信システムを示す図。
図22】第19の実施形態に係るノードのハードウェアブロック図。
図23】第19の実施形態に係るハブのハードウェアブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係る無線ネットワークシステムの一例を示す。図1に示す無線ネットワークシステム100は、ハブ10と、複数のノード20、21、22を含む。ハブ10は中央装置として動作する無線通信装置である。各ノードは、中央装置に対する端末として動作する無線通信装置である。ハブ10は、ノード20、21、22にとっての対象通信装置である。ノード20、21、22はハブ10にとっての対象通信装置である。
【0015】
各ノードは、たとえば1つまたは複数のセンサーを内蔵している。各ノードは、センサーで取得したセンシング情報を、ハブ10に無線送信する。また各ノードは、通信に必要な制御情報等をハブから無線で受信する。
【0016】
本システムは、一例として、人体に形成する無線ネットワークとしてボディエリアネットワークと呼ばれるネットワークでもよい。ボディエリアネットワークは、たとえば人体に中央装置としてのハブと、端末装置としてのノードを装着して、ハブおよびノード間で通信を行う。各ノードに搭載するセンサーは、たとえば睡眠センサー、加速度センサー、心電図センサー、体温センサー、脈センサーなどの生体センサーが想定される。なお、本実施形態に係る通信ネットワークシステムは、ハブとノードを配置して、ハブが中央装置として動作する限り、任意のネットワークシステムでよい。本実施形態はボディエリアネットワークに限定されない。
【0017】
図2(A)に第1の実施形態に係るノードのタイミング図を示す。図の上側には、ノードの受信部がハブから受信する信号が示され、図の下側にはノードの送信部がハブに送信する信号を示す。横軸は時間軸であり、図に沿って右側が時間の流れる方向である。以下、図2(A)を用いて、本実施形態に係るシステムの通信方式の概要を説明する。
【0018】
本システムは、スロットを各ノードに割り当ててスロット単位で通信が行われる期間(割当ベースアクセス期間)、すなわちTDMAの期間と、スロット付きアロハやCSMA等の競合ベースのアクセス方式によりスロット単位で通信が行われる期間(競合ベースアクセス期間)と、通信が行われない非動作(inactive)の期間とが存在する。非動作期間は存在しなくてもよい。また、これらの期間の配置順序は、図示のものに限定されない。
割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間ではいずれも同一の周波数帯域(同一のチャネル)が用いられる。
【0019】
ハブは一定の周期で、報知信号であるビーコン信号を送信する。各ノードは、ハブから送信されるビーコン信号を受信する。図における「B」の文字が入った縦長の矩形は、ビーコン信号の受信を表している。ビーコン信号の送信はブロードキャストによって行われるのが一般的であるが、マルチキャストによって行われることも可能である。連続する2つのビーコン信号間の区間を、ビーコンインターバルと呼ぶ。ビーコンインターバル内に、割当ベースアクセス期間と、競合ベースアクセス期間と、非動作期間とがこの順で配置される。ビーコンインターバル内に、同じ種類の期間が、他の種類の期間を挟んで、複数回、配置されてもよい。たとえば、競合ベースアクセス期間、割当ベースアクセス期間、競合ベースアクセス期間の順で、期間が配置されてもよい。
【0020】
割当ベースアクセス期間は複数のスロットを含む。各ノードにはそれぞれ1つまたは複数の異なるスロットが割り当てられることができる。各ノードは、ビーコンインターバル毎にスロットを割り当てられるとは限らず、一定数のビーコンインターバル置きにスロットが割り当てられる場合もある。フレーム送信に失敗した場合の再送用フレームを送信するためのスロットなど、スロットに用途が設定されてもよい。ノードは、ハブへ送信するフレーム(データフレーム、制御フレーム、管理フレーム等)がある場合は、自分に割り当てられたスロットでフレームを送信する場合や、他のノードに割り当てられたスロットを用いてフレームを送信する場合もあり得る(後述する図2(B)参照)。ハブは、ノードからデータフレームを正常に受信した場合は、応答(Acknowledgment)フレームを返す。図中、図における「D」の矩形はデータフレームを表し、「A」の矩形は応答フレームを表す。
【0021】
競合ベースアクセス期間は複数のスロットを含む。各スロットは、スロット付きアロハ(slotted aloha)方式またはCSMAベース方式など、任意の競合ベースのアクセス方式で通信が行われる。本実施形態ではスロット付きアロハ方式を想定する。一般に、スロット付きアロハ方式では、ノードが送信用のフレームを有する場合、乱数を生成することで、当該フレームの送信または非送信を、規定の送信確率で定める。送信が決定された場合は、スロットの開始タイミングでフレームを送信する。非送信が決定された場合は、フレームの送信を見送る。規定の送信確率はパラメータとして変更可能である。なお、複数のノードがスロットの開始タイミングで同時に送信を行った場合は、フレーム信号が衝突し、送信は失敗となる可能性が高い。競合ベースアクセス期間のスロットは、割当ベースアクセス期間とは異なり、事前にハブから割り当てを受ける必要はない。本実施形態では、スロットの開始タイミング以外にも送信タイミング(第1タイミング)を設定し、フレームの種類に応じて送信タイミングを制御することを特徴の1つとしている(後述する図2(C))。
【0022】
各ノードは、割当ベースアクセス期間のスロットの割当を受けるために、一例として、競合ベースアクセス期間で接続要求(C−Req)フレームを送信する。ノードは、ハブから接続割当(C−Ass)フレーム(あるいは接続応答フレーム)を受けることで、スロットの割当を受ける。これらのフレームを送受信する様子を図2(A)に示す。
【0023】
図4Aに本実施形態に係るハブとしての無線通信装置の構成を示す。無線通信装置は、アンテナ10、PHY&RF部20、本実施形態に係る通信処理装置であるMAC部30及び上位処理部40を備える。PHY&RF部20は送信部21と受信部22を含む。MAC部30は、送信処理部31、受信処理部32、アクセス制御部33を含む。送信部21および受信部22は、ノードと通信する通信部を構成する。または、送信部21と送信処理部31を含む送信系統と、受信部22と受信処理部32を含む受信系統が、ノードと通信する通信部を構成すると考えても良い。
【0024】
アクセス制御部33は、使用周波数帯域のチャネルのアクセスを、割当ベースアクセス期間、競合ベースアクセス期間、非動作期間に応じて、管理する。アクセス制御部33は、一定の周期にてビーコン信号の送信を行うよう制御する。ビーコンインターバル内の割当ベースアクセス期間、競合ベースアクセス期間、非動作期間の情報は、ビーコン信号にて各ノードに通知する。アクセス制御部33は、送信処理部31にビーコン信号の送信を指示すると、送信処理部31は、ビーコン信号のフレームを生成し、生成したフレームを送信部21へ出力する。
【0025】
送信部21は、使用周波数帯域のチャネルでの送信を行う。受信部22は、使用周波数帯域のチャネルでの受信を行う。送信部21は、送信処理部31から入力されたフレームに対し、所望の物理層の処理を行う。物理層の処理後のフレームに対し、D/A変換や周波数変換等を行って送信信号を生成し、アンテナ10を介して当該送信信号を空間に電波として出力する。
【0026】
受信部22はアンテナ10を介して信号を受信し、受信処理を行って、処理後のフレームを受信処理部32へ出力する。受信処理としては、たとえばベースバンドへの周波数変換やA/D変換、A/D変換後のフレームの物理ヘッダーの解析や復調処理など所望の物理層処理を含んでもよい。
【0027】
受信処理部32は、受信部22から入力されたフレームのMACヘッダーの解析等を行う。受信処理部32は、競合ベースアクセス期間にてノードから接続要求フレームを受信した場合には、アクセス制御部33にノードからの接続要求を通知する。アクセス制御部33は、当該接続要求に対してスロットの割り当てを判断し、判断結果を送信処理部31に通知する。たとえば、ビーコンインターバル内のスロットの個数や、スロットの位置、スロットを割り当てるビーコンインターバルの周期等を決定する。
【0028】
送信処理部31は、アクセス制御部33の判断結果に応じて、接続応答フレームを生成する。ノードからの接続要求フレームに、ノードが備えるセンサーのセンサー種別もしくはそれに類する情報が含まれる場合、アクセス制御部33は、当該情報を抽出して上位処理部40に通知してもよい。上位処理部40は、当該通知された情報に基づき、ノードへの割り当てるスロット数や、スロットを割り当てるビーコンインターバル周期等を判断しても構わない。この場合、上位処理部40は、決定した割り当てスロット数等の情報を、アクセス制御部33に通知する。アクセス制御部33は、通知された割り当てスロット数等の情報からスロット割り当てを行う。もしくは、接続要求フレームの送信側において上記と同様の処理を行い、接続要求フレームに割り当てるスロット数、割り当てるビーコンインターバル周期等の要求が含まれていれば、その要求をもとに割り当てスロット数等を決めても構わない。アクセス制御部33は、スロットの割り当て情報を含む接続応答フレームを生成するよう、送信処理部30に指示する。送信処理部30は接続応答フレームを生成し、送信部21から使用チャネルを介してノードに送信する。
【0029】
また、受信処理部32は、受信部22から入力されたフレームのMACヘッダーの解析等により、受信したフレームがデータフレームであると判断した場合は、必要に応じて、当該データフレームを上位処理部40へ出力する。
【0030】
なお、ノードへ個別に送信するダウンリンクのデータがあるときは、上位処理部40はそのデータを含むデータフレームを、送信処理部31に渡す。アクセス制御部33は、ノードに対して任意の方法(たとえばビーコン信号を用いた方法)で確保したダウンリンク用のスロットで、当該データフレームの送信を送信処理部31に指示する。送信処理部31は、当該フレームにMACヘッダー付加処理などを実施して、処理後のフレームを送信部21へ出力する。送信部21は、送信処理部31から入力されたフレームを、使用チャネルで送信する。具体的に当該フレームに対して、変調処理や物理ヘッダー付加など、所望の物理層処理を行う。そして、処理後のフレームに対してD/A変換や周波数変換を行って送信信号を生成し、アンテナ10を介して送信信号を空間に電波として放射する。
【0031】
図4Bに本実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図を示す。ノードは、アンテナ110、PHY&RF部120、本実施形態に係る通信処理装置であるMAC部130、及び上位処理部140を備える。PHY&RF部120は送信部121と受信部122を含む。MAC部130は、送信処理部131、受信処理部132、アクセス制御部133を含む。送信処理部131および受信処理部132は 送信バッファ及び受信バッファを含んでもよい。上位処理部140は、センサーの情報を取得するセンサー情報取得部141を備える。センサーの情報は、センサーのセンシング情報のみならず、センサーの状態を特定する情報や、センシング時刻の情報などを含んでもよい。送信部121および受信部122は、ハブと通信する通信部を構成する。または、送信部121と送信処理部131を含む送信系統と、受信部122と受信処理部132を含む受信系統が、ハブと通信する通信部を構成すると考えても良い。
【0032】
上位処理部140は、起動時や送信データ発生時など所定のタイミングで、ハブとの接続を行うべく送信要求をアクセス制御部133に行う。また、上位処理部140は、センシング情報など、送信データを含むデータフレームを生成し、送信処理部131に出力する。送信データとしては、たとえば生体センサー等のセンサーにより取得されたセンシング情報や、センシング情報をアプリケーションなどにより処理した結果のデータや、または、現在のノードの状態を含むデータなどがあり得るが、特定のデータに限定されない。
【0033】
ここで、上位処理部140は、送信データフレームに、送信データのデータ種別を含めてもよい。データ種別は、たとえばノードが搭載するセンサーの種類でもよいし、センシング情報の値から決まるセンシング情報の重要度でもよい。あるいは、データ種別は、センサーの状態が異常か正常かを表す値でもよい。データ種別は、一例として、送信データフレームが優先的に送信するべき緊急データフレームかを判断するために用いられる。
【0034】
上位処理部140は、CPU等のプロセッサによって構成してもよいし、ハードウェアによって構成してもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって構成してもよい。上位処理部140は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位層の通信プロトコルの処理を行っても良い。
【0035】
アクセス制御部133は、上位処理部140から上記送信要求を受けると、接続要求フレームの送信指示を送信処理部131に出し、送信処理部131は接続要求フレームを、送信部121に出力する。
【0036】
送信部121は、使用周波数帯のチャネルの送信を行う。受信部122は、使用周波数帯のチャネルの受信を行う。受信部122は、ハブから送信されるビーコン信号のフレームを当該チャネルで受信する。
【0037】
受信処理部132は、受信部122から入力されたフレームのMACヘッダーの解析等を行う。受信フレームが接続応答フレームである場合、アクセス制御部133に当該接続応答を通知する。
【0038】
アクセス制御部133は、ハブから受信したビーコン信号に記載された各期間の情報に基づき、割当ベースアクセス期間、競合ベースアクセス期間および非動作期間の管理を行う。また、アクセス制御部133は、接続応答フレームに含まれる割り当てスロットの情報に基づき、割当ベースアクセス期間内のアクセスを制御する。
【0039】
ここで、送信処理部131では上位処理部140から入力されたフレームのデータ種別に基づき、フレームのキュー管理(QoS制御)を行ってもよい。送信処理部131は、上位処理部140からデータフレームの入力があると、そのデータフレームの送信要求とともにそのデータフレームのデータ種別を、アクセス制御部133に出力する。アクセス制御部133は、送信処理部131から入力されるこれらの情報に基づき、送信処理部131のキュー状態を把握する。
【0040】
アクセス制御部133は、送信処理部131からデータフレームの送信要求およびデータ種別が入力されると、データ種別に応じて、そのデータフレームに含まれるデータが、他に優先的に送信する必要のあるデータ(以下、緊急データ)か否かを決定する。すなわち、そのデータフレームが、他に優先的に送信する必要のある緊急データフレームか否かを決定する。
【0041】
たとえばデータ種別がセンサーの種別の場合は、センサーの種別に応じて緊急データか否かを定義してもよい。または、センサーの種別と優先度とを対応づけたテーブルを用意しておき、当該テーブルに基づき優先度を求めてもよい。この場合、優先度が最高もしくは一定値以上のデータフレームは、緊急データフレームと決定してもよい。またデータ種別がセンサーの正常または異常を表す値である場合において、データ種別が異常を示すときは、緊急データフレームと判定してもよい。
【0042】
緊急データフレームと、それ以外のデータフレームはそれぞれ別々にキュー管理してもよい。アクセス制御部133は、緊急データフレームを優先的に送信し、緊急データフレームの送信が完了したら、それ以外のデータフレームの送信を行うよう制御してもよい。
【0043】
アクセス制御部133は、緊急データフレームを最優先で送信することを決定する。その場合、アクセス制御部133は、一例として、当該緊急データフレームを出来るだけ早く送信できるスロットを、現在時刻に応じて、割当ベースアクセス期間か競合ベースアクセス期間から決定する。以下、アクセス制御部133は、期間およびスロットを決定する動作を示す。
【0044】
対象スロット(現在時刻がスロットの先頭に一致する場合は、現在のスロット、一致しない場合は、次のスロット)が割当ベースアクセス期間内であれば、当該対象スロットの先頭から、一定時間後の第1のタイミングまでの区間、またはその区間の少なくとも一部の間において、受信部22を用いてキャリアセンスを行う。キャリア検知がなければ、すなわち、所定のレベルを超える信号の受信がなければ、キャリアセンス結果はアイドルであると判断する。この場合、当該スロットの第1のタイミングから、緊急データフレームを送信するよう制御する。キャリア検知があれば、すなわちキャリアセンス結果がビジーであれば、キャリア検知がないスロットが見つかるまで、次以降のスロットを対象スロットとして、同様の処理を繰り返す。実装上、キャリアセンスの信号受信からフレーム送信への切り替えに時間がかかる場合には、第1タイミングでフレームの送信が開始できるように、第1タイミングより当該切り替えに要する時間だけ前もってキャリアセンスを終了しておく。以降では、説明の簡単化のため、上記切り替え時間を考慮しないで説明する。なお、割当ベースアクセス期間内の自分に割当られたスロットが最も早く送信できるスロットの場合は、当該割当スロットで送信してもよい。
【0045】
ここで、図2(B)に示すように、本実施形態において、ノードは、自分に割り当てられたスロットでフレームを送信する場合は、スロットの先頭から送信を開始する。図2(B)内の「slot owner」は、スロットを割当られたノード(割当ノード)を意味する。「others」は、割当ノード以外のノードを意味する。「slot owner」および「others」は送信可能な主体の種別を表す一例である。自分に割り当てられていないスロットの先頭から一定時間後の第1のタイミングまでキャリアセンスを行い、キャリア検知がなければ、当該スロットでの割当ノードからの送信は無いと判断できる。あるいは、当該スロットはどのノードにも割当られていないと判断できる。その場合、そのスロットは空きスロットであると判断できる。そこで、空きスロット内の第1のタイミングからフレームを送信する。これによりスロットの共有が図れる。
【0046】
一方、対象スロットが競合ベースアクセス期間内であれば、対象スロットの開始タイミングから、競合ベースアクセス方式(ここではスロット付きアロハを想定)で、データフレームを送信するよう制御する。図2(C)に示すように、競合ベースアクセス期間内では、緊急データフレームは、スロットの開始タイミングから送信する。図2(B)内の「emergency」は、緊急データフレームを表し、「others」は緊急データフレーム以外のフレームを表す。「emergency」および「others」は送信可能なフレームの種別を表す。緊急データフレーム以外のフレームを送信する場合は、スロットの開始タイミングから一定期間、キャリアセンスを行い、キャリア検知がなければ、当該一定期間後の第1のタイミング(割当ベースアクセス方式の場合の第1のタイミングと同じでも異なっても良い)から競合アクセスの方式にのっとり、送信権が得られればフレームの送信を開始する。このように緊急データフレームは最も送信の優先順位が高い。
【0047】
上述したように競合ベースアクセス期間ではスロットの開始タイミングで緊急データフレームを送信する。これは、スロット付きアロハで、送信の確率が1(100%)と見なして、乱数を生成することなく、緊急データフレームを送信することに相当する。変形例として、送信の確率が0.9などと、1未満の高い値を設定してもよい。この場合は、乱数を生成することで、送信/非送信を決定し、送信が決定された場合のみ緊急データフレームを送信する。緊急データフレームの再送の場合には、1回目に送信するときよりも送信確率を小さく設定してもよい。これにより複数のノード間で送信フレームが繰り返し衝突するのを阻止できる。
【0048】
競合ベースアクセス方式がCSMA方式の場合は、キャリアセンスを行うことなく(あるいはキャリアセンスが成功したとみなして)、スロットの開始タイミングで緊急データフレームを送信してもよい。あるいは、CSMAのContention windowやBackoff値を他のデータよりも小さく設定するよう、CSMAのパラメータを調整してもよい。緊急データフレームの再送の場合は、Contention windowやBackoff値を徐々に大きくしてもよい。
【0049】
なお、対象スロットが非動作期間内であれば、次の割当ベースアクセス期間が到来するまで待機する。なお、送信するスロットを決定する制御の詳細は図3のフローチャートを用いて後述する。
【0050】
図4(B)の送信処理部131は、アクセス制御部133の制御に基づき、緊急データフレームを内部から読み出して、読み出したフレームにMACヘッダー付加処理などを行う。送信処理部131は、処理後のフレームを送信部121へ出力する。
【0051】
アクセス制御部133は、緊急データを含まないデータフレームについては、任意の方法で、送信するスロットを決定する。たとえば、割当ベースアクセス期間内の自分に割当られていないスロット、または競合ベースアクセス期間内のスロットで、送信するスロットを決定してもよい。割当ベースアクセス期間内で、自分に割当られたスロットが最も早く使用可能な場合は、当該自分に割り当てられたスロットで送信することを決定してもよい。割当ベースアクセス期間内の自分に割り当てられていないスロット、または、競合ベースアクセス期間内のスロットで送信する場合は、スロットの先頭から上記第1タイミングまでキャリアセンスを行い、キャリア検知がなければ、データフレームを送信するよう制御する。
【0052】
受信処理部132は、受信部122から入力されたフレームのMACヘッダーの処理等を行う。受信処理部132は、解析の結果、受信したフレームがデータフレームである場合は、必要に応じて、処理後のフレームを上位処理部140へ出力する。
【0053】
なお、アクセス制御部133は、各種制御に必要となる情報を内部に保持しても良いし、アクセス可能な図示しない記憶部に保持してもよい。制御に必要な情報として、たとえば、ノードの状況、ハブの状況、チャネルの番号の情報などを保持してもよい。ノードの状況として、たとえば接続処理済みか否かの情報、バッテリー残量の情報を含んでも良い。また、ハブの状況として、チャネルのビーコン信号の送信タイミングの情報や、ハブの電源のオン/オフ状態を含んでも良い。
【0054】
なお、図4Bでは、キャリアセンス関連のブロック間の信号の送受信を受信部22とアクセス制御部33にて直接行う仕組みを示したが、受信処理部32を介して行っても問題ない。
【0055】
図3は、緊急データ発生時におけるノードの送信処理のフローチャートである。
【0056】
アクセス制御部133が、上位処理部140から入力されたデータフレームが緊急データフレームであることを検出した場合に、本フローの送信処理の動作が開始する。
【0057】
アクセス制御部133は、緊急データフレームを検出すると、対象スロット(現在時刻がスロットの先頭に一致する場合は、現在のスロット。一致しない場合は、次のスロット)が、割当ベースアクセス期間中か否かを判断する(S101)。割当ベースアクセス期間であれば、対象スロットが自ノードの割り当てスロットと一致するかを判断し(S112)、一致する場合には、スロットの先頭で送信する(S113)。それ以外の場合には、当該対象スロットの先頭から当該スロット内の第1のタイミング前までの区間の全部または少なくとも一部の間、キャリアセンスを行うことで、当該スロットが空いているかを判断する(S102)。アクセス制御部133は、キャリアセンスの結果、所定のレベルを超える信号の受信があると判断した場合は、すなわち、ビジーの場合は、当該スロットは空いていないと判断する。この場合、次のスロットへ処理を進め(S103)、ステップS101に戻る。
【0058】
アクセス制御部133は、キャリアセンスの結果、所定のレベルを超える信号の受信がないと判断した場合は、すなわちアイドルの場合は、当該スロットは空いていると判断する。この場合、アクセス制御部133は、当該スロット内の第1のタイミングから緊急データフレームの送信を開始するよう制御する(S104)。
【0059】
アクセス制御部133は、ステップS104での緊急データフレームの送信が成功したかを判断する(S105)。送信が成功したか否かは、たとえばACK方式の場合は、確認応答フレームが返ってきた場合に、送信が成功したと判断し、返ってこなかった場合に、送信が失敗したと判断する。NACK方式など、ACK方式以外の方式を用いてもよい。アクセス制御部133は、送信が失敗したと判断した場合は、送信に失敗した緊急データフレームを再送するべく、次のスロットへ処理を進め(S103)、ステップS101に戻る。
【0060】
アクセス制御部133は、緊急データフレームの送信が成功したと判断した場合は、緊急データフレームの送信がすべて完了したかを判断する(S106)。まだ送信していない緊急データフレームが存在する場合は、次のスロットへ処理を進め(S103)、ステップS101に戻る。
【0061】
一方、ステップS101で対象スロットが割当ベースアクセス期間内でないと判断した場合は、対象スロットが競合ベースアクセス期間内かを判断する(S107)。競合ベースアクセス期間内でないと判断した場合、すなわち非動作期間内と判断した場合は、次のビーコン信号の受信まで待機して(S108)、ステップS101に戻る。これは、図2に示したように、同じビーコンインターバル内では、非動作期間の後には、割当ベースアクセス期間も競合ベースアクセス期間も存在しないからである。同じビーコンインターバル内に、非動作期間の後に、割当ベースアクセス期間または競合ベースアクセス期間が配置される方式を採用する場合は、割当ベースアクセス期間または競合ベースアクセス期間の開始まで待機するように、本処理を変形すればよい。なお、本説明ではビーコン信号後に割当ベースアクセス期間、その後に競合ベースアクセス期間であるシステムを前提としているが、両者が逆の設定のシステムであっても、同様に判断を行うことが可能である。
【0062】
ステップS107で、対象スロットが競合ベースアクセス期間内であると判断された場合は、対象スロットの開始タイミングで、緊急データフレームを送信する(S109)。
【0063】
アクセス制御部133は、緊急データフレームの送信が成功したかを判断する(S110)。送信が成功したか否かは、たとえばACK方式の場合は、確認応答フレームが返ってきた場合に成功と判断し、返ってこなかった場合に失敗と判断する。NACK方式など、ACK方式以外の方式を用いてもよい。送信が成功した場合は、緊急データフレームの送信がすべて完了したかを判断する(S106)。ステップS106以降の処理は、上述と同様である。
【0064】
緊急データフレームの送信が失敗した場合、次のスロットへ処理を進め(S111)、当該スロットが競合ベースアクセス期間内かを判断する(S107)。ステップS107以降の処理は、上述と同様である。最初の送信で失敗して、2回目以降に送信するフレームは、再送フレームとなる。
【0065】
以上、第1の実施形態によれば、割当ベースアクセス期間では、スロットを割り当てられた端末が当該スロットの優先権を持ちつつ、ノードがスロットを使用しない場合には他ノードが当該スロットを送信に活用できる。また、競合ベースアクセス期間では、緊急データに優先権を付与することで、優先的に緊急データを送信できる。よって、TDMAの割り当て済みスロットの他のノードによる有効活用と、かつ緊急データの早期送信とを実現できる。
【0066】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、割当ベースアクセス期間内のスロットにその開始タイミングと第1タイミングの2つの送信タイミングを設定した。また、競合アクセスベース期間内のスロットにも、その開始タイミングと第1タイミングの2つの送信タイミングを設定した。
本実施形態では、各期間内のスロットにそれぞれ3つのタイミングを設定し、より細かく送信タイミングを制御する例を示す。
【0067】
図5(A)に、第2の実施形態に係るノードのタイミング図を示す。図5(B)に、割当ベースアクセス期間内のスロットに設定する3つの送信タイミングを示す。図5(C)に、競合ベースアクセス期間内のスロットに設定する3つの送信タイミングを示す。図2と同様の動作は説明を省略する。
【0068】
図5(B)に示すように、割当ベースアクセス期間中は、(1)割当ノード、(2)割当ノード以外のノードかつ緊急データフレーム、(3)割当ノード以外のノードかつ緊急データフレーム以外のその他のデータフレームの優先順である。「Slot owner」は送信可能な主体の種別を表し、「emergency」および「others」は、送信可能な主体およびフレームの種別を表す。
【0069】
図5(C)に示すように、競合ベースアクセス期間中は、(1)緊急データフレーム、(2)制御フレームまたは管理フレーム、(3)緊急データフレーム以外のその他のデータフレームの優先順とする。したがって、「emergency」、「C/M frames」、「others」は送信可能なフレームの種別を表す。
【0070】
図5(C)における「C/M frames」は、制御フレームまたは管理フレームのことである。制御フレームの例としてはAckフレーム等の応答フレーム、ポーリングフレーム(Pollフレーム)、起動フレーム(Wakeupフレーム)などがある。管理フレームの例としては、接続要求(Connection Request)フレーム、接続割当(Connection Assignment)フレーム等、接続処理に用いるフレームなどがある。本実施形態では、制御フレームおよび管理フレームは、競合ベースアクセス期間にて送信することを想定する
【0071】
図5(A)には、あるノードにて、割当ベースアクセス期間中に緊急データの送信要求が発生し(case 1)、続く競合ベースアクセス期間中に、緊急データの送信要求と、管理フレームの送信要求がこの順で発生した場合(case 2, case3)が示されている。
【0072】
まず割当ベースアクセス期間中に、緊急データの送信要求が発生する場合(case 1)を説明する。対象となるスロット先頭から第1タイミング(図5(B))前までキャリアセンスを行う。図5の例(case1)では、緊急データの送信要求が発生したスロットから続く3つのスロットで、キャリアセンスの結果がビジー(キャリア検知)であった場合を示す。これらのスロットが他のノードに割当られており、かつこれらのスロットで他のノードがフレームを送信しているためである。4つ目のスロットにて、初めてキャリアセンス結果がアイドル(キャリア非検知)となる。このため、当該スロットの先頭から一定期間後の第1タイミングにて、緊急データフレームの送信を開始する。なお、緊急データフレーム以外のデータフレームを送信する場合は、スロットの先頭から、第1タイミングの後の第2タイミング(図5(B))前までの区間の全部または一部の間、キャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルであれば、データフレームを送信する(図5(B))。キャリアセンスを行う範囲を、第1タイミングから第2タイミング前までの区間の全部または一部の間としてもよい。
【0073】
次に、競合ベースアクセス期間中に緊急データの送信要求が発生する場合(case2)を説明する。競合ベースアクセス期間中のスロットで緊急データフレームを送信する場合、スロットの開始タイミングが緊急データフレームの送信タイミングとなる(図5(C))。
したがって、対象となるスロットの先頭で、緊急データフレームの送信を開始する。スロット競合の仕組みがスロット付きアロハ(Slotted Aloha)の場合、前述したように、規定の送信確率で送信を行う。ここでは、送信確率が1、つまり必ず送信という設定にする。緊急データフレームの再送の場合は、送信確率を1より小さくし、再送回数が多くなるほど、送信確率を小さくしてもよい。
【0074】
次に、競合ベースアクセス期間中に管理フレームの送信要求が発生する場合(case3)を説明する。制御フレームの送信要求が発生した場合も本ケースと同様である。管理フレームの送信タイミングは、スロット先頭から一定時間後の第1タイミングである(図5(C))。対象となるスロットの先頭から第1タイミング前までキャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルの場合は、空きスロットが見つかったとして、そのスロットの第1タイミングから管理フレームの送信を行う(図5(C))。この場合も送信確率を1とするが、1より小さい値に設定してもかまわない。
【0075】
なお、緊急データフレーム、管理フレームおよび制御フレーム以外のデータフレームを送信する場合は、第1タイミングの後の第2タイミング(図5(C))前までの区間の全部または一部の間、スロットの先頭からキャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルであれば、データフレームを送信する(図5(C))。キャリアセンスを行う範囲を、第1タイミングから第2タイミング前までの区間の全部または一部の間としてもよい。第2のタイミングは、割当ベースアクセス期間の第2のタイミングと同じでもよいし、異なっても良い。
【0076】
図6に制御フレームまたは管理フレームの送信要求が発生した場合のノードの処理フローを示す。
【0077】
ノードのアクセス制御部133は、対象スロットが割当ベースアクセス期間内か否かを判断する(S201)。対象スロットは、フローの開始時の時刻がスロットの先頭であれば当該スロット、スロットの途中または末尾であれば、次のスロットである。対象スロットが割当ベースアクセス期間内である場合は、次のスロットへ処理を進め(S207)、ステップS201に戻る。ステップS201では、当該次のスロットを対象スロットとして同様の判定を行う。
【0078】
一方、割当ベースアクセス期間内でない場合は、対象スロットが競合ベースアクセス期間内か否かを判断する(S202)。競合ベースアクセス期間内でない場合、すなわち非動作期間内の場合は、次のビーコン信号の受信まで待機する(S203)。ビーコン信号を受信したら、ステップS201以降の処理を行う。
【0079】
対象スロットが競合ベースアクセス期間内である場合には、対象スロットの開始タイミングから第1タイミング前までキャリアセンスを行う(S204)。
【0080】
キャリアセンス結果がアイドルの場合、すなわち、対象スロットが空スロットである場合には、規定の送信確率にて制御フレームまたは管理フレームの送信を行う(S205)。規定の送信確率は1とするが、1より小さい値にしてもよい。フレームの再送の場合は、送信確率を1回目の送信時よりも下げても良い。
【0081】
制御フレームまたは管理フレームの送信が成功したかを判定し(S206)、成功した場合には、本処理を終了する。失敗した場合には、次のスロットへ処理を進める(S207)。当該次のスロットを対象スロットとして、ステップS201以降の処理を行う。
【0082】
次に図7に緊急データ以外の一般のデータのデータフレームの送信要求が発生した場合の処理フローを示す。一般データは、たとえばセンサデータ等の新規データ、もしくは当該新規データの再送データである。
【0083】
ノードのアクセス制御部133は、対象スロットが割当ベースアクセス期間内か否かを判断する(S301)。対象スロットは、フローの開始時の現在時刻がスロットの先頭であれば当該スロット、スロットの途中または末尾であれば、次のスロットである。対象スロットが割当ベースアクセス期間内である場合は、当該対象スロットが自分の割り当てスロットかを判断する(S302)。対象スロットが自分の割り当てスロットであれば、当該対象スロットの開始タイミングで、データフレームを送信する(S303)。すべての一般データのデータフレームの送信が完了したかを判断する(S304)。送信が完了した場合は、本処理を終了する。
【0084】
対象スロットが自分の割り当てスロットでない場合、またはまだ送信していない一般データのフレームが存在する場合は、対象スロットの開始タイミングから第2タイミング前までキャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルか否かを判断する(S305)。キャリアセンス結果がアイドルの場合は、当該データフレームを、規定の送信確率で送信するよう制御する(S306)。規定の送信確率は1でもよいし、1より小さな値でもよい。再送の場合は、送信確率を、1回目の送信時より下げても良い。
【0085】
すべての一般データのデータフレームの送信が完了(成功)したかを判定する(S307)。すべての一般データのデータフレームの送信が完了した場合には、本処理を終了する。まだ送信が完了していないデータフレームが残っている場合は、次スロットへ処理を進める(S308)。当該次のスロットを対象スロットとして、ステップS301以降の処理を行う。
【0086】
ステップS301で対象スロットが割当ベースアクセス期間内でないと判断された場合は、対象スロットが競合ベースアクセス期間内かを判断する(S309)。対象スロットが競合ベースアクセス期間内の場合は、上記ステップS305に進み、前述した通りの動作を行う。
【0087】
対象スロットが競合ベースアクセス期間内でない場合、すなわち非動作期間内の場合は、次のビーコン信号の受信まで待機する(S310)。ビーコン信号を受信したら、ステップS301以降の処理を行う。
【0088】
なお、緊急データ以外の一般データの再送用に、送信データフレームの許容遅延内にスロットを割り当てる構成もある。しかしながら、再送用のスロットを割り当てるとした場合、送信データフレームの許容遅延内に再送用のスロットの確保数が多くなると、冗長の多いスロット割当を行う必要がある。そこで、再送用のスロットを割り当てずに、緊急データ以外のデータの再送時には、共有スロット(割当ベースアクセス期間内の自ノードに割り当てられていないスロット、もしくは競合ベースアクセス期間内のスロット)を用いるようにしてもよい。すなわち、再送用にはスロット割当を行わないか、割当する再送回数を制限し、例えば再送もしくは再送が2回以上の場合には、共有スロットを用いるようにする。これによれば、スケジューリングの冗長が減るため、スケジューリングが容易、かつ効率的となる利点がある。
【0089】
ここで、図5(B)および図5(C)に示した割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間内のスロットでの送信タイミングの優先順位は一例であり、他の例も可能である。
【0090】
例えば、図5(C)に示した例では、競合ベースアクセスでの優先順位が、緊急データフレームがスロットの開始タイミング、制御または管理フレームが第1タイミング、その他のデータフレームが第2タイミングであった。これを変形して、制御または管理フレームがスロットの開始タイミング、緊急データフレームが第1タイミング、その他のデータフレームが第2タイミングとしても良い。これにより、割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間のどちらの期間であっても、緊急データフレームの送信タイミングは第1タイミングとなる。よって、この場合、割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間かの区別の判断フローを不要にできる。この場合の処理フローを図8に示す。図3の処理フローに比べて、処理が簡単化されている。以下、図8の処理フローを説明する。
【0091】
ノードのアクセス制御部133は、対象スロットの開始タイミングから第1タイミング前までキャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルか否かを判断する(S401)。
【0092】
キャリアセンス結果がアイドルの場合は、緊急データフレームを、当該対象スロット内の第1タイミングから送信するよう制御する(S402)。送信が成功したかを判断し(S403)、送信が成功した場合は、緊急データフレームの送信がすべて完了したかを判断する(S404)。緊急データフレームの送信がすべて完了した場合は、本処理を終了する。
【0093】
ステップS401でビジーと判断された場合、または、ステップS403で送信に失敗した場合、または、ステップS404でまだ未送信の緊急データフレームが残っていると判断された場合は、次のスロットへ処理を進める(S405)。次のスロットが非動作期間内である場合は、非動作期間が経過するまで待機する(S406)。この後、ステップS401に戻り、割当ベースアクセス期間の最初のスロットを対象スロットとして、同様の処理を繰り返す。
【0094】
このように、第2の実施形態によれば、割当ベースアクセス期間内のスロットに、3段階の送信タイミングを設定し、そのうちの1つを緊急データフレームの専用にすることで、割当ベースアクセス期間中において、緊急データフレームの送信に成功する可能性を高めることができる。また、競合ベースアクセス期間内のスロットに制御または管理フレーム用の送信タイミングを一般データのデータフレームと区別して専用に設けたため、制御または管理フレームの送信に成功する可能性を高めることができる。
【0095】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、緊急データの送信要求発生時に、出来るだけ早急に緊急データの送信を行うための仕組みを説明した。そのため、例えば、割当ベースアクセス期間に、自ノードに割り当てられていないスロットで緊急データフレームを送信する場合もあった。この場合、スロットの開始タイミングから第1タイミング前までのキャリアセンスが必要であった。
【0096】
ここで、一例として、ビーコンインターバルが数10〜数100ms程度のシステムを想定する。たとえば、ビーコンインターバルが100ms、そのうち割当ベースアクセス期間が70ms程度であるとする。緊急データの送信要求が仮にビーコンタイミングで発生したとする。この場合、緊急データフレームの送信を競合ベースアクセス期間の到来まで待っても、70ms程度である。緊急データの送信要求の発生から緊急データフレームの送信までの遅延が70ms程度であれば、問題ない場合もあり得る。この場合、競合ベースアクセス期間の到来まで待ってスロットの開始タイミングで送信すればキャリアセンスは不要であり(第1の実施形態の場合、および第2の実施形態の図5(C)の場合)、割当ベースアクセス期間内のスロットでキャリアセンスを行う場合に比べて、キャリアセンス処理に係る消費電力を低減できる。仮に割当ベースアクセス期間内に自分に割り当てられていないスロットで送信しようとする場合、キャリアセンスが必要になり、キャリアセンス結果がビジーの場合には、数スロットにわたりキャリアセンスを行う場合もあり得る。よって、競合ベースアクセス期間内のスロットの開始タイミングで送信を行うことで、それらのキャリアセンス処理分、消費電力を低減出来るといえる。
【0097】
本実施形態では、緊急データの送信要求発生タイミングや、緊急データの緊急度(優先度)に応じて、競合ベースアクセス期間内のスロットを用いてキャリアセンスをできるだけ省略するか、もしくは割当ベースアクセス期間にて敢えて送信するかを判断する仕組みを示す。
【0098】
図9に、本実施形態に係る緊急データの送信要求が発生した場合の送信スロットの判断処理フローを示す。
【0099】
本判断フローは、第1および第2の実施形態において、競合ベースアクセス期間のスロットの開始タイミングに緊急データフレームを割り当てた場合を例に示している。
【0100】
アクセス制御部133は、緊急データの送信要求が発生したとき、現在時刻または現在スロットから、自ノードの割当スロットの開始までの時間を求め、当該時間を閾値Tthと比較する(S501)。当該時間が閾値Tth以下であれば、自ノードの割当スロットを用いて緊急データフレームを送信するよう制御する(S502)。つまり、自ノードの割当スロットの到来を待って送信を行っても、遅延は少ない場合は、自ノードの割当スロットで送信を行う。これにより、他のノードからの送信と衝突することを阻止して、緊急データフレームの送信を成功させる可能性を高める。まだ送信していない緊急データフレームが存在する場合は(S506のNO)、次のスロットへ処理を進め(S507)、ステップS501に戻る。すべての緊急データフレームの送信が完了した場合は(S506のYES)、本処理を終了する。
【0101】
ここで閾値Tthは、緊急データの緊急度(優先度)に応じて、複数段階の値を設定可能にしてもよい。緊急度が高いほど、閾値Tthを小さくする。緊急度は、例えば上位処理部140が決定して、緊急データフレームとともにアクセス制御部133に通知してもよい。あるいは、アクセス制御部133が、緊急データの種別等から、緊急度を決定してもよい。
【0102】
ステップS501において、自ノードの割当スロットまでの時間が閾値Tthより大きい場合は、競合ベースアクセス期間での送信を行うか、割当ベースアクセス期間での送信を行うかを判断する(S503)。
【0103】
単純な方法としては、現在の対象スロットが競合ベースアクセス期間か競合ベースアクセス期間かに拘わらず、当該対象スロットで送信を行うことを決定する。
【0104】
または、対象スロットが割当ベースアクセス期間内であるが、競合ベースアクセス期間までの時間が所定の閾値(閾値Tthと異なってよい)以下の場合は、競合ベースアクセス期間まで待機して、競合ベースアクセス期間の最初のスロットの開始タイミングで送信することを決定してもよい。ここで、競合ベースアクセス期間は、システムによっては、ハブからのダウンリンクデータや、スロット割り当て変更情報の通知など、ハブ発信用に予めスロットを確保し、ノードにより当該スロットの使用を不可に実装する場合も想定される。その場合には、当該スロットは用いないことを前提としてもよい。例えば、ダウンリンクデータや、スロット割り当て変更情報の通知用に、予めハブに確保されているスロットの番号およびスロット数がビーコン信号により通知された場合は、その通知された情報を考慮し、競合アクセス期間内でハブが確保済みのスロットでは送信を行わないとする。
また、ノードは、1回または複数回のビーコンインターバルごとに、競合ベースアクセス期間に対し、スロット毎のチャネル使用率を観測してもよい。そして、その結果から、チャネル使用率が一定値以上のスロットは用いないことを決定してもよい。
【0105】
競合ベースアクセス期間での送信を行うと判断した場合は、スロットの開始タイミングから、キャリアセンスなしで、緊急データフレームを送信する(S504)。すべての緊急データフレームの送信が完了した場合は(S506のYES)、本処理を終了する。送信に失敗した場合、または、まだ送信していない緊急データフレームが存在する場合は(S506のNO)、次のスロットへ処理を進め(S507)、ステップS501に戻る。
すべての緊急データフレームの送信が完了した場合は(S506のNO)、本処理を終了する。
【0106】
一方、割当ベースアクセス期間での送信を行うと判断した場合は、スロットの開始タイミングから第1のタイミング前までキャリアセンスを行い、キャリアセンス結果がアイドルの場合は、第1のタイミングから緊急データフレームを送信する(S505)。キャリアセンス結果がビジーの場合、送信に失敗した場合、または、すべての緊急データフレームの送信が完了していない場合は(S506のNO)、次のスロットへ処理を進め(S507)、ステップS501に戻る。すべての緊急データの送信が完了した場合は(S506のNO)、本処理を終了する。なお、ノードは、1回または複数回のビーコンインターバルごとに、割当ベースアクセス期間に対し、スロット毎のチャネル使用率を観測してもよい。そして、その結果から、チャネル使用率が一定値以上のスロットは用いないことを決定してもよい。
【0107】
このように、本実施形態によれば、自分の割り当てスロットまでの時間や、緊急データの緊急度、競合ベースアクセス期間までの時間、または、他の判断基準に鑑みて、緊急データフレームの送信スロットを決めることで、キャリアセンスを極力省くことが可能となる。
【0108】
(第4の実施形態)
第1および第2の実施形態では、スロットに2段階もしくは3段階の送信タイミングを設定し、各送信タイミングに、送信可能な送信主体またはフレームの種別を設定する仕組みを示した。
【0109】
このような仕組みを実際のシステムに適用するには、ハブとハブに接続する複数のノード間において、送信タイミングに関する設定情報(スロット共有情報)を共有することが必要となる。本実施形態ではスロット共有情報を共有する仕組みを示す。
【0110】
ハブおよび複数のノード間でスロット共有情報を共有する方法としては、一例として、システムとしてあらかじめ仕様等で取り決めておく方法がある。
【0111】
また、別の例として、ハブがスロット共有情報を設定し、設定した情報を含むビーコン信号を、ブロードキャストによりノードに送信する方法がある。これによっても、全ノードとハブ間で、スロット共有情報を共有することが可能である。スロット共有情報をビーコン信号以外のフレームに含める方法も可能である。例えば、ハブが、ノードからの接続要求に対して返信する接続応答フレームなどに、スロット共有情報を含める方法も可能である。
【0112】
図10に、ハブがスロット共有情報を通知する信号形態の例を示す。図10に示す例は、スロット共有機能On/Offビットのフィールド51、送信タイミング数を設定するフィールド52と、割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間毎に各送信タイミングでの送信可能な主体またはフレームの種別(主体/フレーム種別)を示すフィールド53、54を含む。
【0113】
スロット共有機能On/Offビットは、第1または第2の実施形態で示したスロット共有を実行するか否かを示すビットである。つまり、当該ビットは、第1または第2の実施形態で示したスロットの開始以外のタイミングでのフレーム送信を受け付けるか否かを示す。
「On」の場合は、フィールド52〜54の設定に従ってスロット共有を行う。「Off」の場合は、第1または第2の実施形態で示したスロット共有は行わない。スロット共有を行わない場合、競合ベースアクセス期間ではノードは、フレームを送信する場合は、一般のスロット付きアロハに従って、常にスロットの開始タイミングで、規定の送信確率でフレームを送信する。割当ベースアクセス期間では、他のノードに割り当てられたスロット、あるいはいずれのノードにも割当られていないスロットで、第1または第2タイミングでの送信は行わないとする。
【0114】
送信タイミング数は、スロットに設定する送信タイミングの個数である。第1の実施形態の場合は、割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間のいずれも、スロットの開始タイミングと、第1タイミングの2つの送信タイミングが存在する。したがって、送信タイミング数は2である。第2の実施形態の場合は、割当ベースアクセス期間および競合ベースアクセス期間のいずれも、スロットの先頭と、第1タイミングと、第2タイミングの3つの送信タイミングが存在する。したがって、送信タイミング数は3である。
送信タイミング数は各期間で同じであると想定しているため、送信タイミング数のフィールド52には1つの値のみを格納している。ただし、期間ごとに異なる送信タイミング数を設定する場合は、それぞれ別個に値を格納すればよい。
【0115】
データ種別のフィールド52、53は、アクセス期間ごとに、左から順番に、上記タイミング数だけ、送信可能な主体またはフレームの種別(主体/フレーム種別)の識別子を配置する。図示の例では、識別子1は「owner」(割当ノードのフレーム)、識別子2は「emergency」(緊急データフレーム)、識別子3は「C/M frames」(制御フレームまたは管理フレーム)、識別子4は「others」(その他のデータフレーム)である。送信タイミング数が2の場合は、フィールド53、54内に2つの識別子が配置され、左から順番に、スロットの開始タイミング、第1タイミングが対応する。送信タイミング数が3の場合は、フィールド53、54内に3つの識別子が配置され、左から順番に、スロットの開始タイミング、第1タイミング、第2タイミングが対応する。
【0116】
本例では、割当ベースアクセス期間では、スロットの開始タイミングに割当ノードが設定され、第1タイミングに緊急データフレームが設定され、第2タイミングにその他のデータフレームが設定されている。競合ベースアクセス期間では、スロットの開始タイミングに制御または管理フレームが設定され、第1タイミングに緊急データフレームが設定され、第2タイミングにその他のデータフレームが設定されている。
【0117】
図10に示した信号形態はあくまでも一例であり、同様の情報の通知が可能であれば、他の信号形態でも構わない。
【0118】
なお、スロット共有機能On/Offビットや、送信タイミング数は、あらかじめ仕様として一意に取り決めがなされる場合には、これらのフィールドを省略しても良い。もしくは、送信タイミング数および主体/フレーム種別が、仕様として固定の場合には、送信タイミング数および主体/フレーム種別のフィールド52〜54を省略しても構わない。後者の場合、ビーコン信号にはスロット共有On/Offの1ビットのみ情報が追加される。
【0119】
このように、本実施形態によれば、各ノードおよびハブ間でスロット共有に必要な情報を各ノードに通知または事前に設定することで、ハブとの効率的な通信が可能になる。
【0120】
(第5の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、収容する全ノードはスロット共有機能を有している(図10のスロット共有機能が「On」である)として説明を行った。本実施形態では、スロット共有機能がオプションであり、必ずしも全ノードにスロット共有機能が実装されていない場合の処理について考える。
【0121】
ノードに、ハブと同様、自ノードにスロット共有機能があるか否かをハブに通知する仕組みを持たせることを考える。ハブとノードは接続時に接続要求(Connection Request)および接続割当(Connection Assignment)といった、接続処理に関するフレームの送受信を行う。
【0122】
これらのフレームには、一般に能力フィールド(Capability field)と呼ばれる自ハブ/ノードの各機能に対する対応状況を通知するフィールドが存在する。そこで、ノードのスロット共有機能についても、能力フィールドの未使用ビットを用いて能力情報をハブに通知する。もしくは、能力フィールド以外のフィールドを用いて能力情報をハブに通知しても、ハブおよびノード間にて、フィールド内容が互いに把握されていれば問題ない。
【0123】
ハブが、収容する各ノードのスロット共有機能の能力情報に応じて制御を行う方法として、以下3つの場合を説明する。
【0124】
1つ目は、ハブは、収容する全ノードのスロット共有機能の能力情報が「On」の場合にのみ、スロット共有機能をオンとする。この場合には、例えば、新規接続ノードがスロット共有機能の能力情報が「Off」であった場合には、その新規接続ノードからの接続要求フレームに対する応答フレームを送信した次のビーコン信号から、ハブはスロット共有機能を「Off」とする。一方、スロット共有機能を「Off」としてシステムが動作中に、上記能力情報が「Off」であったノードが切断した場合には、その後からは、再度スロット共有機能を「On」としてビーコン信号の送信を行う。ここでは、全ノードのスロット共有機能の能力情報が「On」の場合のみスロット共有機能をオンにしたが、一定数または一定割合以上のノードの能力情報が「On」の場合に、スロット共有機能をオンにし、それ以外ではオフにしてもよい。
【0125】
2つ目は、ハブは、収容するノードに能力情報が「Off」のノードが存在しても、スロット共有機能は「On」のままで動作する。この場合、割当ベースアクセス期間では、能力情報が「Off」のノードは、スロット共有が出来ず、能力情報が「On」のノードは共有出来るだけである。したがって、能力情報が「Off」のノードが、悪影響を及ぼすことはない。
【0126】
一方、競合ベースアクセス期間では、能力情報が「Off」のノードは、送信フレームの種別に関わらず、スロット開始タイミングにて送信を試みてしまう可能性がある。このため、ノード間でフレーム衝突が発生する可能性がある。例えば、スロットの開始タイミングに緊急データフレームが割り当てられ、第1タイミングに、制御または管理フレームが割り当てられているとする。この場合、能力情報が「Off」のノードがスロットの開始タイミングで制御または管理フレームの送信し、能力情報が「On」の他のノードがスロット開始タイミングで緊急データフレームを送信することがあり得る。この場合、送信された制御または管理フレームと緊急データフレームが衝突する可能性がある。ただし、再送の際に、規定の送信確率を下げるなどして、この問題は対応できる。
【0127】
3つ目の例は、ハブは、2つ目の例と同様に、スロット共有機能が「On」のままで動作する。ハブは、収容ノードの中に能力情報が「Off」のノードがいるか否かをビーコン信号等で通知する。例えばスロット共有機能On/Offビット以外に、“スロット共有Offノード収容”フィールドを設け、当該フィールドのビットを「On」に設定して、能力情報が「Off」のノードの存在を通知する。能力情報が「On」であり、かつ“スロット共有Offノード収容”の通知ビットが「On」の情報を受信したノードは、例えば割当ベースアクセス期間中はスロット共有を行うが、競合ベースアクセス期間中はスロット共有を行わないなどの処理が可能となる。
【0128】
(第6の実施形態)
本実施形態ではハブの詳細動作について説明する。
【0129】
ハブは、基本的に、ビーコン信号の送信と、ノードからのセンサデータの受信およびそれに対する応答信号(Ack等)の送信が、主な動作となる。
【0130】
一方において、ハブは、例えばノードのソフトウェア更新等でノードへのダウンリンクデータを送信する場合もある。ダウンリンクデータの発生時には、例えば、割当ベースアクセス期間または競合ベースアクセス期間内の指定スロット等でのフレーム送信処理を行う。また、ハブにおいて、ノード宛ての緊急データが発生する場合も考えられる。この場合にも、ハブからノードへのデータ送信が行われる。このように、ハブも、ノードと同様に、緊急データフレーム、制御または管理フレーム、その他のデータフレームの送信が行われ得る。この場合に、ハブも、ノードと同様のスロット共有の仕組みでフレームを送信する。
【0131】
一方、ハブは、各ノードからのフレームの受信処理では、各スロットにて、スロット開始タイミングと、第Xタイミングで、受信信号の検出の有無を判断する。スロットに第1および第2タイミングが設定されている場合は、第Xタイミングとして、第1タイミングと第2タイミングで順次、受信信号の検出有無を判断する。受信信号を検出した場合は、応答信号を送信する。
【0132】
図11Aおよび図11Bに、本実施形態に係るハブの動作フローチャートを示す。
【0133】
ハブのアクセス制御部33は、対象スロットにてフレーム送信の予定があるかを判断する(S601)。フレーム送信の予定がある場合は、送信するフレームが、緊急データフレーム、制御または管理フレーム、あるいはその他のデータフレームかを判断する(S602、S603)。緊急データフレームの場合は、図3または図8に示した処理の動作を行う(S604)。制御または管理フレームの場合は、図6に示した処理の動作を行う(S605)。その他のデータフレーム(ソフトウェアの更新データ等)の場合は、図7に示した処理の動作を行う(S606)。ステップS604、S605、S606の後、本処理を終了するかを判断する(S612)。終了しない場合は、次のスロットへ処理を進め(S613)、ステップS601に戻る。本処理を終了すると判断した場合は、本処理を終了する。
【0134】
図3図8図6図7の処理の説明は既に述べた通りである。動作主体がノードからハブに変更される点以外は同様であるため、説明を省略する。
【0135】
一方、ステップS601において、対象スロットでフレーム送信の予定がないと判断した場合は、当該対象スロットの開始タイミングで、受信信号の検出有無を判断する(S607)。受信信号が検出された場合は、受信処理部32で当該信号の受信処理を行うとともに、送信処理部30で応答信号のフレームを生成して送信するよう制御する(S608)。
【0136】
スロットの開始タイミングで受信信号が検出されなかった場合は、X=1として、第Xタイミング(第1タイミング)で受信信号が検出されたかを判断する(S609)。受信信号が検出された場合は、ステップS608に進む、上述した受信処理および応答信号のフレームの生成および送信処理を行う。第1タイミングで受信信号が検出されなかった場合は、Xを1インクリメントして、同様の処理を繰り返す(S609、S610、S611)。受信信号が検出されない限り、スロットに設定されたすべてのタイミングを検査するまで、順次Xをインクリメントして、処理を繰り返す(S611)。例えば、スロットに設定されたタイミングが、開始タイミング以外で、第1タイミングと第2タイミングであれば、Xを最大で、2までインクリメントする。
【0137】
すべての設定タイミングで受信信号が検出されなかった場合(S611のYES)、あるいは、ステップS608の後、本処理を終了するかを判断し(S612)、終了しない場合は、次のスロットへ処理を進め(S613)、ステップS601に戻る。本処理を終了すると判断した場合は、本処理を終了する。
【0138】
(第7の実施形態)
図12に第7の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0139】
図12に示すハブは、図4Aに示した第1の実施形態に係る無線通信装置のMAC部30に、バッファ71、72を追加した構成を有する。送信処理部31と受信処理部32とにそれぞれバッファ71、72が接続されている。上位処理部40はバッファ71、72を介して送信処理部31および受信処理部32と入出力を行う。バッファ71、72は、たとえば任意の揮発性メモリまたは不揮発性メモリで構成できる。このように、バッファ71、72を備えることで、送信フレームおよび受信フレームをバッファ71、72に保持して、再送処理、フレーム種別等に応じたQoS制御、または上位処理部40への出力処理を容易に行うことができる。
【0140】
このようにバッファを追加する構成は、ノードに対しても同様に実施できる。
【0141】
図13に第7の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0142】
図13に示すノードは、図4Bに示した第1の実施形態に係る無線通信装置のMAC部130に、バッファ171、172を追加した構成を有する。送信処理部131と受信処理部132とにそれぞれバッファ171、172が接続されている。上位処理部140はバッファ171、172を介して送信処理部131および受信処理部132と入出力を行う。バッファ171、172は、たとえば任意の揮発性メモリまたは不揮発性メモリで構成できる。このように、バッファ171、172を備えることで、送信フレームおよび受信フレームをバッファ171、172に保持して、再送処理、データ種別等に応じたQoS制御、または上位処理部140への出力処理を容易に行うことができる。
【0143】
(第8の実施形態)
図14に第8の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0144】
図14に示すハブは、図12に示した第7の実施形態におけるバッファ71、72、アクセス制御部33にバス73を接続し、バス73に上位インターフェース部74とプロセッサ部75を接続した形態を有する。MAC部30は、上位インターフェース部74において上位処理部40と接続されている。プロセッサ部75では、ファームウェアが動作する。ファームウェアの書き換えによって無線通信装置の機能変更を容易に行うことができる。アクセス制御部33の機能をプロセッサ部75で実現してもよい。
【0145】
図15に第8の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0146】
図15に示すノードは、図13に示した第7の実施形態におけるバッファ171、172、アクセス制御部133にバス173を接続し、バス173に上位インターフェース部174とプロセッサ部175を接続した形態を有する。MAC部130は、上位インターフェース部174において上位処理部140と接続されている。プロセッサ部175では、ファームウェアが動作する。ファームウェアの書き換えによって無線通信装置の機能変更を容易に行うことができる。アクセス制御部133の少なくとも一方の機能をプロセッサ部175で実現してもよい。
【0147】
(第9の実施形態)
図16に第9の実施形態に係るハブとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0148】
図16に示す無線通信装置は、図4Aに示した第1の実施形態に係るハブにおけるMAC部30にクロック生成部76を接続した形態を有する。クロック生成部76は、出力端子を介して外部のホスト(ここでは上位処理部40)に接続され、クロック生成部76により生成されたクロックは、MAC部30に与えられるとともに、外部のホストにも出力される。外部のホストをクロック生成部76から入力されるクロックによって動作させることにより、外部のホスト側と無線通信装置側を同期させて動作させることが可能となる。この例ではクロック生成部76は、MAC部の外側に配置されているが、MAC部の内部に設けてもよい。
【0149】
図17に第9の実施形態に係るノードとしての無線通信装置のブロック図を示す。
【0150】
図17に示す無線通信装置は、図4Bに示した第1の実施形態に係るノードにおけるMAC部130にクロック生成部176を接続した形態を有する。クロック生成部176は、出力端子を介して外部のホスト(ここでは上位処理部140)に接続され、クロック生成部176により生成されたクロックは、MAC部130に与えられるとともに、外部のホストにも出力される。外部のホストをクロック生成部176から入力されるクロックによって動作させることにより、外部のホスト側と無線通信装置側を同期させて動作させることが可能となる。この例ではクロック生成部176は、MAC部の外側に配置されているが、MAC部の内部に設けてもよい。
(第10の実施形態)
図18は、第10の実施形態に係る無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。このハードウェア構成は一例であり、ハードウェア構成は種々の変更が可能である。図18に示した無線通信装置の動作は、これまで述べた実施形態の無線通信装置と同様であるため、以下では、ハードウェア構成上の違いを中心に説明し、詳細な動作の説明は省略する。なお、図示のハードウェア構成は、ハブとして動作する無線通信装置およびノードとして動作する無線通信装置のいずれにも適用可能である。
【0151】
本無線通信装置は、ベースバンド部211、RF部221と、アンテナ50(1)〜50(N)(Nは1以上の整数)とを備える。
【0152】
ベースバンド部211は、制御回路212と、送信処理回路213と、受信処理回路214と、DA変換回路215、216と、AD変換回路217、218とを含む。RF部221とベースバンド部211は、まとめて1チップのIC(Integrated Circuit:集積回路)として構成されてもよいし、別々のチップで構成されてもよい。
【0153】
一例として、ベースバンド部211は、ベースバンドLSIまたはベースバンドICである。または、ベースバンド部211が、図示の点線の枠で示すように、IC232とIC231とを備えてもよい。このとき、IC232が制御回路212と送信処理回路213と受信処理回路214とを含み、IC231が、DA変換回路215、216とAD変換回路217、218を含むように、各ICに分かれてもよい。
【0154】
制御回路212は、主として図3Aおよび図3B等のMAC部30、130の機能を実行する。上位処理部40、140の機能を、制御回路212に含めても構わない。
【0155】
送信処理回路213は、図3Aおよび図3B等の送信部21、121のDA変換処理の前までを行う部分に対応する。すなわち、送信処理回路213は、プリアンブル及びPHYヘッダーの追加や符号化、変調(MIMO変調を含んでも良い)などの物理層の処理を主に行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。なお、図3Aおよび図3B等の送信部21、121のDA変換処理の前までの機能を送信処理回路213に含めるとともに、受信部22、122のAD変換処理より後の機能を受信処理回路214に含める構成も可能である。
【0156】
本実施形態の通信処理装置は、例えば制御回路212と送信処理回路213と受信処理回路214に対応する。本実施形態の通信処理装置は、1チップICの形態、複数のチップICからなる形態のいずれも含む。
【0157】
DA変換回路215、216は、図3Aおよび図3B等の送信部21、121の処理のうち、DA変換を行う部分に相当する。DA変換回路215、216は、送信処理回路213から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DA変換回路215はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回路216はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
【0158】
RF部221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部221における送信回路222は、図3Aおよび図3B等に示した送信部21、121の処理のうち、DA変換より後の送信時の処理を行う部分に相当する。送信回路222は、DA変換回路215、216によりDA変換されたフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
【0159】
RF部221における受信回路223は、図3Aおよび図3B等に示した受信部22、122の処理のうち、AD変換より前までの受信時の処理を行う部分に相当する。受信回路223は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路223は、不図示の低雑音増幅部で低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In−phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad−phase)信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整された後に、受信回路223から出力される。
【0160】
制御回路212は、送信回路222の送信フィルタおよび受信回路223の受信フィルタの動作を制御してもよい。送信回路222および受信回路223を制御する別の制御部が存在し、制御回路212がその制御部に指示を出すことで、同様の制御を行ってもよい。
【0161】
ベースバンド部211におけるAD変換回路217、218は、図3Aおよび図3B等に示した受信部22、122の処理のうち、AD変換を行う部分に相当する。AD変換回路217、218は、受信回路223からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路217はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路218はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。受信処理回路214は、図3Aおよび図3B等に示した受信部22、122の処理のうち、AD変換より後の処理を行う部分に対応する。すなわち、受信処理回路214は、AD変換後の信号の復調処理、プリアンブル及びPHYヘッダーを取り除く処理などを行い、処理後のフレームを制御回路212に渡す。
【0162】
なお、アンテナ50(1)〜50(N)を、送信回路222および受信回路223のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部に配置されてもよい。スイッチを制御することで、送信時にはアンテナ50(1)〜50(N)を送信回路222に接続し、受信時には、アンテナ50(1)〜50(N)を受信回路223に接続してもよい。
【0163】
図18では、DA変換回路215、216およびAD変換回路217、218がベースバンド部211側に配置されていたが、RF部221側に配置されるように構成してもよい。
【0164】
なお、送信回路222および受信回路223により無線通信部を形成してもよい。送信回路222および受信回路223にさらに、DA変換回路215、216およびDA変換回路217、218を含めて無線通信部を形成してもよい。さらに、これらに加えて、送信処理回路213および受信処理回路214のPHY処理部分(すなわち変調部55および復調部56)を含めて無線通信部を形成してもよい。または、送信処理回路213および受信処理回路214のPHY受信処理部分により無線通信部を形成してもよい。
【0165】
(第11の実施形態)
図19(A)および図19(B)は、それぞれ第11の実施形態に係る無線通信端末(無線機器)の斜視図である。図19(A)の無線機器はノートPC301であり、図19(B)の無線機器は移動体端末321である。それぞれ、端末(基地局および子局のいずれとして動作してもよい)の一形態に対応する。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線通信装置を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線機器は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン等にも搭載可能である。
【0166】
また、無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図20に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図20では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
【0167】
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、第1〜第11の実施形態のいずれかに係る無線通信装置の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウェアが動作する。このように、ファームウェアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウェアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
【0168】
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、第1〜第11の実施形態のいずれかに係る無線通信装置の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
【0169】
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、第1〜第11の実施形態のいずれかに係る無線通信装置の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
【0170】
(第15の実施形態)
第15の実施形態では、第14の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、例えば、無線通信装置におけるMAC部、または、制御部等と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
【0171】
(第16の実施形態)
第16の実施形態では、第12の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
【0172】
(第17の実施形態)
第17の実施形態では、第1〜第11の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、例えば、無線通信装置におけるMAC部、送信処理回路213、受信処理回路214、または制御回路212等と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
【0173】
(第18の実施形態)
第18の実施形態では、第1〜第11の実施形態のいずれかに係る無線通信装置の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、例えば、無線通信装置におけるMAC部、送信処理回路213、受信処理回路214、または制御回路212等と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
【0174】
(第19の実施形態)
図21は、第19の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す。この無線通信システムは、ボディエリアネットワークの例である。無線通信システムは、ノード401、402を含む複数のノードと、ハブ451とを含む。各ノードおよびハブは人体に装着され、各ノードはハブ451と無線通信を行う。人体に装着とは、人体に直接接触する形態、服の上から装着する形態、首からかけた紐に設ける形態、ポケットの収容する形態など、人体に近接した位置に配置するあらゆる場合を含でよい。ハブ451は、一例として、スマートフォンや携帯電話、タブレット、ノート型PCなどの端末である。
【0175】
ノード401は、生体センサー411と無線通信装置412を備える。生体センサー411として、例えば、体温、血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、尿糖、または血糖等をセンシングするセンサーを用いることができる。ただし、これら以外の生体データをセンシングするセンサーを用いてもかまわない。無線通信装置412は、これまで述べた実施形態のいずれかの無線通信装置である。無線通信装置412は、ハブ451の無線通信装置453と無線通信を行う。無線通信装置412は、生体センサー411でセンシングされた生体データ(センシング情報)を、ハブ451の無線通信装置453に無線送信する。ノード401はタグ状の装置として構成されてもよい。
【0176】
ノード402は、生体センサー421と無線通信装置422を備える。生体センサー421と無線通信装置422は、ノード401の生体センサー411と無線通信装置412と同様であるため、説明を省略する。
【0177】
ハブ451は、通信装置452と無線通信装置453とを備える。無線通信装置453は、各ノードの無線通信装置と無線通信を行う。無線通信装置453は、これまで述べた実施形態のいずれかの無線通信装置でもよいし、ノードの無線通信装置と通信可能であれば、これまで述べた実施形態とは別の無線通信装置でもよい。通信装置452は、有線または無線によりネットワーク471と接続される。ネットワーク471は、インターネットや無線LAN等のネットワークでもよいし、有線ネットワークと無線ネットワークとのハイブリッドネットワークでもよい。通信装置452は、無線通信装置453により各ノードから収集されたデータを、ネットワーク471上の装置に送信する。無線通信装置453から通信装置へのデータの受け渡しは、CPUやメモリ、補助記憶装置等を介して、行われてもよい。ネットワーク471上の装置は、具体的に、データを保存するサーバ装置でもよいし、データ解析を行うサーバ装置でもよいし、その他のサーバ装置でもよい。ハブ451も、ノード401、402と同様に生体センサーを搭載してもよい。この場合、ハブ451は、当該生体センサーで取得したデータも、通信装置452を介してネットワーク471上の装置に送信する。ハブ451にSDカード等のメモリーカードを挿入するインターフェースを搭載し、生体センサーで取得したデータまたは各ノードから取得したデータを、メモリーカードに保存してもよい。また、ハブ451に、ユーザが各種指示を入力するユーザ入力部、およびデータ等を画像表示する表示部を搭載してもよい。
【0178】
図22は、図21に示したノード401またはノード402のハードウェア構成例を示したブロック図である。CPU512、メモリ513、補助記憶装置516、無線通信装置514、および生体センサー515がバス511に接続されている。ここでは1つのバスに各部512〜516が接続されているが、チップセット等を介して複数のバスを設け、各部512〜516が複数のバスに分かれて接続されてもよい。無線通信装置514は、図21の無線通信装置412、422に対応し、生体センサー515は、図21の生体センサー411、421に対応する。CPU512は、無線通信装置514および生体センサー514を制御する。補助記憶装置516は、SSD、ハードディスク等のデータを永続的に記憶する装置である。補助記憶装置516は、CPU512が実行するプログラムを格納している。また、補助記憶装置516は、生体センサー515により取得されたデータを格納してもよい。CPU512は、補助記憶装置516からプログラムを読み出して、メモリ513に展開して実行する。メモリ513は、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、MRAM等の不揮発メモリでもよい。CPU512は、生体センサー515を駆動し、生体センサー515により取得されたデータをメモリ513または補助記憶装置516に格納し、当該データを、無線通信装置514を介してハブに送信する。CPU512は、MAC層より上位の通信プロトコルやアプリケーション層の処理を実行してもよい。
【0179】
図23は、図21に示したハブ451のハードウェア構成例を示したブロック図である。CPU612、メモリ613、補助記憶装置616、通信装置614、無線通信装置615、入力部616および表示部617が、バス611に接続されている。ここでは1つのバスに各部612〜617が接続されているが、チップセット等を介して複数のバスを設け、各部612〜617が複数のバスに分かれて接続されてもよい。生体センサーまたはメモリカードインタフェースが、さらにバス611に接続されてもよい。入力部616は、各種指示の入力をユーザから受けて、入力された指示の信号をCPU612に出力する。表示部617は、CPU612により指示されたデータ等を画像表示する。通信装置614および無線通信装置615は、図21のハブが備える通信装置452および無線通信装置453にそれぞれ対応する。CPU612は、無線通信装置615および通信装置614を制御する。補助記憶装置616は、SSD、ハードディスク等のデータを永続的に記憶する装置である。補助記憶装置616は、CPU612が実行するプログラムを格納しており、また、各ノードから受信したデータを格納してもよい。CPU612は、補助記憶装置616からプログラムを読み出して、メモリ613に展開して実行する。メモリ613は、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、MRAM等の不揮発メモリでもよい。CPU612は、無線通信装置615で各ノードから受信したデータをメモリ613または補助記憶装置616に格納し、当該データを、通信装置614を介してネットワーク471に送信する。CPU612は、MAC層より上位の通信プロトコルやアプリケーション層の処理を実行してもよい。
【0180】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0181】
100:無線ネットワークシステム
10:ハブ
20〜22:ノード
10、110:アンテナ
20、120:送受信部(PHY&RF部、通信部)
21、121:送信部
22、122:受信部
30、130:MAC部
31、131:送信処理部
32、132:受信処理部
33、133:アクセス制御部
35、135:送信バッファ
36、136:受信バッファ
141:センサー情報取得部
40、140:上位処理部
71、72、171、172:バッファ
73、173:バス
74、174:上位インターフェース部
75、175:プロセッサ部
76、176:クロック生成部
211:ベースバンド部
221:RF部
50(1)〜50(N):アンテナ
212:制御回路
213:送信処理回路
214:受信処理回路
215、216:DA変換回路
217、218:AD変換回路
231、232:IC
301:ノートPC
321:移動体端末
305、315:無線通信装置
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
355:無線通信装置
401、402:ノード
451:ハブ
471:ネットワーク
511、611:バス
512、612:CPU
513、613:メモリ
514、615:無線通信装置
515:生体センサー
516、616:補助記憶装置
614:通信装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23